JP2503959B2 - シボ織物の製法 - Google Patents

シボ織物の製法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、ポリエステルマルチフイラメント糸の強
撚糸を用いたシボ織物の製法に関するものである。
(従来の技術) ポリエステルマルチフイラメント糸の強撚糸を用いた
シボ織物は、このポリエステルマルチフイラメント糸に
撚係数15000以上40000以下の強撚を加え(ただし、撚係
数をK、長さ1m当りの撚数をT、糸のデニール数をdと
したとき、 で表される。)、その撚を熱固定したのち、たて糸およ
びよこ糸のうちの少なくともよこ糸に用いて布帛を製織
し、この布帛を精練したのちロータリワツシヤで数十分
間に沸水処理をしてシボ立てし、最後に幅出しをして製
造される。
ここで、シボ立ち性の優劣は、上記の沸水処理によつ
て発現する強撚糸の解撚トルクの大きさに依存する。す
なわち、強撚糸を沸水処理したときの残留トルクを大き
くすることにより高品位のシボを有する織物を得られ
る。したがつて、一定の撚係数範囲で強撚を与え、熱セ
ツトするのが通常である。しかし、限度一杯の強撚を与
えて解撚トルクを高めようとすると、準備工程や製織工
程での糸の取扱いが困難になるので、熱セツトの温度を
さらに高くする必要が生じ、この熱セツト温度を高くし
たときは、繊維の微細構造が変化してシボ発現に必要な
歪みが緩和され、いわゆる見掛けのトルクが高いもにか
かわらず、沸水処理時のトルクが低下し、所望の高品位
のシボ織物が得られなくなつていた。
このような問題を解決するための手段として、特開昭
57−193537号公報に、全量の20〜90重量%のポリエチレ
ンテレフタレートと80〜10重量%のポリトリメチレンテ
レフタレートまたはポリテトラメチレンテレフタレート
との共重合体またはブレンド組織からなる低温高セツト
性ポリエステルフイラメント糸が開示されている。
また、特開昭60−94618号公報には、繰返し単位の90
モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポリエス
テル繊維において、広角X線回折より求められる100面
の見掛けの結晶サイズが50Å以上、力学的損失係数のピ
ーク温度が140℃以下であつて、S−S曲線に変曲点を
有する高撚セツト性、高シボ立て性ポリエステル繊維が
開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) 特開昭57−193537号公報に記載された低温高セツト性
ポリエステルフイラメント糸を用いる方法は、この糸の
ポリエチレンテレフタレートの量が全量の90重量%を超
えると、低温でのセツト性が失われるため、準備工程お
よび製織工程での取扱いが困難になるという問題があ
り、さらに強撚後の優れたセツト性および製織後の高度
のシボ立て性を両立させる点では不十分であつた。
また、特開昭60−94618号公報に記載された高撚セツ
ト性、高シボ立て性ポリエステル繊維を用いる方法は、
この繊維が高撚セツト性、高シボ立て性を備えているた
め、シボ品位の優れた織物が得られるが、繊維の表面が
平滑であるため、得られる織物の風合がワキシーで、か
つプラスチツクタツチであつた。
この発明は、繰返し単位の96モル%以上がエチレンテ
レフタレートからなるポリエステルマルチフイラメント
糸を用いてドライタツチでシルク同様の暖かさを有する
高品位のシボ織物が得られ、かつ準備工程および製織工
程での作業が容易なシボ織物の製法を提供するものであ
る。
(問題点を解決するための手段) この発明では、繰返し単位の96〜100%がエチレンテ
レフタレートからなり、かつ比重が1.39以上、100面の
見かけの結晶サイズが50〜100Åであって下記(イ)〜
(ハ)の特性を有するポリエステルマルチフイラメント
糸を使用する。
(イ) ポリエステルマルチフイラメント糸を構成する
ポリエステルフイラメントの乾熱収縮応力曲線が50〜20
0℃の範囲で下向きの凸状に湾曲している。第1図は、
横軸に温度(℃)、縦軸に乾熱収縮応力(g/d)をとつ
て描いたグラフであり、この発明に使用するポリエステ
ルフイラメント(原糸)は、曲線1で示すように、上記
の範囲で下向きに凸である。換言すれば上記の範囲に極
大値が存在しないで、上限の200℃を超えた位置、例え
ば260℃付近に溶断温度直前の極大値aを有している。
(ロ) 上記のポリエステルフイラメントに式 (ただし、dはポリエステルフイラメントのデニール
数)で与えられる撚を加えたときの乾熱収縮応力曲線2
が70〜90℃の範囲に応力の極大値bを有している。
(ハ) 上記(ロ)の撚数で加撚し、更に85℃、40分の
キヤー処理をしたのちの上記ポリエステルフイラメント
の乾熱収縮応力曲線3が85℃以下の範囲に0.05g/d以下
の応力の極小値cを有し、かつ100〜180℃の範囲に0.05
g/d以上の応力の極大値dを有している。
そして、上記のポリエステルマルチフイラメント糸を
15000以上の撚係数で強撚し、その撚を熱セツトし、得
られたポリエステルマルチフイラメント糸の強撚セツト
糸をたて糸およびよこ糸の少なくともよこ糸に用いて製
織し、しかるのち熱水中でシボ立てし、更にアルカリや
アミンを用いた化学的処理による減量加工を施してフア
イユ、パレス、デシン、ジヨーゼツト、楊柳、ちりめん
等のシボ織物を得る。
上記のポリエステルフイラメントは、エチレンテレフ
タレートを96モル%以上含むものであれば、ホモポリマ
ーまたはコポリマーのいずれでよい。そして、コポリマ
ーの場合の共重合成分としては、アジピン酸、セバシン
酸、イソフタル酸、ジフエニルジカルボン酸、ナフタリ
ンジカルボン酸等の二塩基類、オキシ安息香酸のような
オキシ酸類、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトー
ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のグ
リコール類および5−ナトリウムスルホイソフタール酸
などの中の1種または2種以上を選択して使用すること
ができる。
また、ポリエステルフイラメントの断面形状は、円
形、三角形および多葉断面などのいずれでもよく、その
太さは一般の衣料用と同様に0.3〜5デニールが好まし
く、ポリエステルマルチフイラメント糸としての太さ
は、同様に30〜300デニールが好ましい。
なお、上記のポリエステルフイラメントは、例えば次
の方法で製造される。すなわち、固有粘度0.65(フエノ
ール/テトラクロルエタン=6/4の混合溶媒中30℃で測
定)の通常のポリエステルを常法により溶融紡糸し、得
られた未延伸糸を70〜160℃の温度でその破断延伸倍率
の90%以上の高倍率で延伸して未延伸糸の非晶部分と結
晶部分の並列構造を破壊し、次いで温度200℃以上、リ
ラツクス率8%以上で熱処理を行なつて巨大な結晶を生
長させるとともに非晶部分をランダム化させ、これらが
直列に並んだ直列構造の延伸糸を得る。
(作用) この発明で使用するポリエステルフイラメントは、大
きな結晶とランダムな非晶部分が直列に並んだ特異な微
細構造を有しているので、強撚を付与したとき、上記の
非晶部分が変形し、この変形した非晶部分が撚セツト時
の熱処理によつて一次セツトされ、そのためこの一次セ
ツト後の解撚トルクTQ1が低下するとともに、製織後の
シボ発現処理の際には上記の一次セツトが熱湯処理によ
つて解かれ、結晶組織に蓄えられていた歪みエネルギが
解放されるために大きな解撚トルクTQ2が発生し、その
ため良好なシボが発現すると考えられる。第2図は、横
軸にポリエステルマルチフイラメント糸に加えた撚数
(T/m)をとり、縦軸に撚セツト後の解撚トルクTQ1(T/
10cm)をとつて描いたグラフであり、また第3図は第2
図の解撚トルクTQ1の代わりにシボ発現処理時の解撚ト
ルクTQ2をとつて描いたグラフであり、いずれにおいて
も直線Aはこの発明のポリエステルフイラメントを示
し、直線Bは並列構造を有する従来のポリエステルフイ
ラメントを示す。すなわち、この発明のポリエステルフ
イラメントは、従来に比べて撚セツト後の解撚トルクTQ
1が小さく、シボ発現時の解撚トルクTQ2が著しく大き
い。
ただし、繰返し単位のエチレンテレフタレートが96モ
ル%未満の場合には、上記微細構造の直列構造が形成さ
れず、この発明の目的が達成されない。また、上記
(イ)の乾熱収縮応力曲線が50〜200℃の範囲に極大値
を有する場合は、ポリエステルフイラメントの非晶部分
が変形しにくくなつているため、単なる収縮のみをして
解撚トルクとして作用しなくなつて撚セツト性およびシ
ボ立ち性で低下する。また、上記(ロ)の撚を加えたと
きの乾熱収縮応力曲線においてその極大値が70℃未満に
存在することはあり得ないが、90℃超に存在するときは
非晶部分の変形が少なくなり、潜在的なトルク発現力が
低下する。また、上記(ハ)の撚糸、キヤーセツト後の
乾熱収縮応力曲線において、極小値が85℃未満に存在し
ないときは、撚セツト性が不十分になり、残留トルクが
大きくなり、ビリが発生して取扱いが困難になる。な
お、85℃でキヤーセツトしているので、85℃超に極小値
が存在することはない。また、上記(ハ)の乾熱収縮応
力曲線において、極大値が100℃未満に存在するときは
撚セツト性が著しく低下し、残留トルクが大きくなつて
ビリが発生し、取扱いが困難になる。反対に180℃超に
存在するときはシボ立ち性が著しく低下する。
しかして、上記のポリエステルフィラメントの比重が
1.39未満では、結晶化度が低くて撚止め効果が不十分と
なる。また、広角X線回折より得られる100面の見掛け
の結晶サイズが50Å以上、特に55Å以上の場合は結晶に
よつて拘束される歪みが一層大きくなり、シボ立て性が
更に向上し、100Åを超える場合は、コストが高くなつ
て好ましくない。
そして、シボ立て後の減量加工によつてドライタツチ
が付与され、ワキシー感が除かれる。この場合の減量の
程度は5〜40%、特に10〜30%が好ましく、5%未満で
は効果が少なく、40%超では織物としての実用特性が低
下する。
なお、乾熱収縮応力その他の物性は、次のようにして
測定される。
乾熱収縮応力 歪み計(東洋ボールドウイン社製T−I−550−360
型)、増幅器(東洋ボールドウイン社製PRE−AMPLIFIER
SS−RP型)、X−Yレコーダ(横河電気社製TYPE−PRO
−11A型)、温度コントローラ(真空理工社製AGNEHPC−
1500およびAGNESCR−BOX)を用い、試料長5cm、昇温速
度20℃/分、初荷重0.05g/デニールで溶断温度まで測定
し、収縮応力の温度変化を求める。ただし、乾熱収縮応
力の測定の前に行なう撚糸は、ボビンに巻返したフイラ
メントをイタリー撚糸機(津田駒工業社製、TF型撚糸
機)で行ない、キヤー処理は、アルミニウムボビンに巻
かれた強撚フイラメントを蒸熱真空セツター内に入れ、
700mmHgの真空下で蒸気を導入し、85℃で40分間行なつ
た。
撚セツト後の解撚トルク(TQ1) 撚セツト後の強撚糸を長さ20cm採取し、中央部に5mg/
dの荷重を加えた後、両端を合せて発生する2重撚数(T
/10cm)を求める。
沸水で発現する解撚トルク(TQ2) 撚セツト後の強撚糸を長さ20cm採取し、中央部に5mg/
dの荷重を加えたのち、両端を合せて沸水中に30分間浸
漬し、次いで乾熱60℃で30分乾燥し、このときに発生す
る2重撚数(T/10cm)を測定する。
単糸デニール JIS−L1013(1981)による。
比重 n−ヘプタンと四塩化炭素よりなる密度勾配管を作成
し、30±0.1℃に調温された密度勾配管に十分に脱泡し
た試料を入れ、5時間放置後の密度勾配管中の試料位置
を、密度勾配管の目盛りで読取つた値を、標準ガラスフ
ロートによる密度勾配管目盛り〜比重キヤリブレーシヨ
ングラフから比重値に換算し、n=4で測定する。ただ
し、比重値は原則として少数点以下4位まで読む。
160℃乾熱下の収縮率(SHD) JIS−L1013(1981)による。
強度および伸度 JIS−L1013(1981)による。
100面の見掛けの結晶サイズ 広角X線回折図における赤道回折曲線の回折強度の半
価幅よりSherrerの式を用いて算出した結晶サイズであ
る(詳細は丸善株式会社発行「X線結晶学」(仁田勇監
修)参照)。Sherrerの式は次のとおり表される。
ただし、上記の式中、λはX線の波長(1.5418)、B
は半価幅(rad)、αは補正角(6.98/1000rad)、θは
回折角(度)を示す。
(実施例) 実施例1、2および比較例1〜3 固有粘度0.64(フエノール/テトラクロルエタン=6/
4の混合溶媒中30℃で測定)のポリエチレンテレフタレ
ート(エチレンテレフタレートのモル比100%)を溶融
紡糸し、巻取り速度5000m/分で巻取つて90デニール72フ
イラメントの未延伸糸を得た。この未延伸糸を80℃の加
熱ローラと110℃の加熱プレート間で1.35倍に延伸し、
次いで80℃の加熱ローラと220℃の加熱プレート間、12
%のリラツクスで0.06秒間熱処理して75デニール72フイ
ラメントの延伸糸を得た。得られた実施例の延伸糸およ
び市販の75デニール72フイラメントのポリエステルマル
チフイラメント糸(比較例)にそれぞれイタリー撚糸機
でS方向およびZ方向の強撚を種々の撚り数で与え、次
いで蒸熱真空セツターを用いて85℃、40分間のスチーム
セツトを施した。得られた実施例1、2および比較例1
〜3の合計5種類の強撚糸をよこ糸に、また市販の50デ
ニール36フイラメントのポリエステルマルチフイラメン
ト糸をたて糸にそれぞれ用い、ウオータジエツトルーム
(日産自動車株式会社製LW−33型)により上記S撚りの
よこ糸およびZ撚りのよこ糸を2本交互に打込んでクレ
ープデシンを製織した。更に精練した後、ロータリワツ
シヤにより20分間沸水で処理してシボ立てを行ない、20
%のアルカリ減量加工を行ない、幅出しセツトを施して
製品に仕上げた。上記の実施例および比較例の原糸特
性、加工条件および得られた製品の評価結果を下記の表
1に示す。
この表で明らかなように、実施例のよこ糸を使用した
織物は、撚セツト性が良好であるため、撚セツト後の解
撚トルクTQ1が低くなつて製織性が良く、また織物の沸
水処理時の解撚トルクTQ2が高いため高品位のシボが得
られる。また、ウオータジエツトルームでは、これまで
よこ糸が緩んだ際の撚戻りによる撚数変化に起因するシ
ボ斑が生じ易かつたが、実施例の場合は、よこ糸の撚セ
ツト性が良く、撚セツト後の解撚トルクが小さいため、
そのような欠点が全く見られなかつた。
他方、比較例の場合は、織物の沸水処理時の解撚トル
クTQ2が低いため、高品位のシボが得られない。そし
て、上記の解撚トルクTQ2を上げるために比較例1のよ
うに撚数を多くすると、撚セツト後の解撚トルクTQ1
大きくなるので、ビリが発生するなどして製織性が低下
する。
比較例4 前記の実施例2において、強撚糸のスチームセットを
省略する以外は、実施例2と同様にして比較例4のよこ
糸を製造し、製織に供した。この場合の原糸特性、加工
条件および得られた製品の評価結果を下記の表2
(「ハ」の欄の(82)は100〜180℃の範囲から外れた82
℃に極大値があることを示す)に示す。この比較例4
は、スチームセットを省略したため、85℃以下に熱収縮
応力の極小値が無く、また100℃以上に熱収縮応力の極
大値が無いため、巻き返しおよび製織に際してボビンか
ら引き出すとき著しいビリが発生し、特に製織の際は、
糸切れが多発して製織不能となった。
比較例5 実施例2のスチームセットを180℃の高圧蒸気による1
5分間の処理に変更する以外は実施例2と同様にして比
較例5のよこ糸を製造し、製織に供した。原糸特性、加
工条件および製品の評価結果を表2(「ハ」の欄におい
て、(210)は100〜180℃の範囲から外れた210℃に極大
値があることを示す)に併記した。この比較例5は、セ
ット温度が著しく高いため、撚りセット後の残留トルク
が消失し、シボ立ちしなかった。
比較例6 比較例5の蒸気温度を150℃に変更する以外は比較例
5と同様にして比較例6のよこ糸を製造し、製織に供し
た。原糸特性、加工条件および製品の評価結果を表2に
併記した。この比較例6は、180℃に熱収縮応力の極大
値を有するが、この極大値が小さく0.04g/dであるた
め、シボ立ち性が劣っていた。
比較例7 酸成分としてテレフタル酸を85モル%、イソフタル酸
を15モル%用い、グリコール成分としてジエチレングリ
コールを用い、これに少量の触媒を添加して常法により
固有粘度0.65の共重合ポリエステルを得た。この共重合
ポリエステルを用い、実施例1と同様に溶融紡糸、延
伸、強撚、スチームセットを施して比較例7のよこ糸を
製造し、製織に供した。原糸特性、加工条件および製品
の評価結果を表2に併記した。この比較例7は、共重合
ポリエステルで、非晶性が高く、100面見掛け結晶サイ
ズが小さいため、撚りセット後の残留トルクはセットさ
れるが、シボ立ち性に劣り、かつ製織時に伸長されてト
ルクが発生し、糸切れが生じる問題があった。
(発明の効果) この発明は、特殊な微細構造を有し高撚セツト性およ
び高シボ立て性を備えた糸を強撚して用いるので、従来
と比較して特別な条件を設定しなくても、撚セツト後の
解撚トルクが極めて低くなり、そのため製織時のビリ発
生などのトラブルがなくて製織性が向上し、しかも織物
を沸水処理したときの解撚トルクが大きいため、高品位
のシボが得られる。更に、ウオータジエツトルームを用
いて製織しよこ糸張力が緩んだ場合であつても、上記の
ようによこ糸の撚セツト性が良好であるため、撚数変化
が生じることはなく、そのためシボ斑が発生することが
ない。したがつて、この発明によれば、従来極めて困難
とされていたウオータジエツトルームによる製織が可能
になる。そして、上記のようにシボ立て性が極めて良好
であるため、シボ立て処理を連続的に行なうことがで
き、高級なシボ織物を能率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のポリエステルフイラメントの乾熱収縮
応力曲線、第2図は実施例および比較例の撚セツト後の
解撚トルクのグラフ、第3図は同じく織物の沸水処理時
の解撚トルクのグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰返し単位の96〜100モル%がエチレンテ
    レフタレートからなり、比重が1.39以上、100面の見か
    けの結晶サイズが50〜100Åであり、下記の(イ)〜
    (ハ)の特性を有するポリエステルマルチフィラメント
    糸を強撚し、その撚を熱セットし、得られたポリエステ
    ルマルチフィラメント糸の強撚セット糸をたて糸および
    よこ糸の少なくともよこ糸に用いて製織し、しかるのち
    熱水中でシボ立てし、減量加工することを特徴とするシ
    ボ織物の製法。 (イ)ポリエステルマルチフィラメント糸を構成するポ
    リエステルフィラメントの乾熱収縮応力曲線が50〜200
    ℃の範囲で下向きの凸状に湾曲している。 (ロ)上記のポリエステルフィラメントに式 (ただし、dはポリエステルフィラメントのデニール
    数)で与えられる撚を加えたときの乾熱収縮応力曲線が
    70〜90℃の範囲に応力の極大値を有している。 (ハ)上記(ロ)の撚数で加撚し、更に85℃40分のキヤ
    ー処理をしたのちの上記ポリエステルフィラメントの乾
    熱収縮応力曲線か85℃以下の範囲に0.05g/d以下の応力
    の極小値を有し、かつ100〜180℃の範囲に0.05g/d以上
    の応力の極大値を有している。
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