JPS6163712A - 高撚セツト性、高シボ立て性ポリエステルフイラメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は高撚セット性、高シボ立てｔｉｔ有するポリエ
ステル繊維に関する。

（従来の技術） ポリエステル強撚織編物を製造する場合、織編工程ある
いは、その準備工程等における糸の取扱いを容易にする
念め強撚糸条は、高温の熱で撚固定（撚止めセット）さ
れるのが普通である。しかしながらかかる高温での一時
的熱固定処理によって撚止めセットすると、高温熱処理
による繊維の微細構造変化にともないシボ発現に必要と
なる歪が緩和し、シボ発現性が低下して、満足のいく高
品質のシボ織編物を得るのが困難であった。特にポリエ
ステル強撚糸を生産性の巧いウォータージ１１１１１ｈ エツトルーム（ＷＪＬ）で製織する場合、一般の有イ予
織機での製織に比べ更に一度の撚固定が必要なため、そ
の分だけ更に高温で撚止めセットをすることになる。か
かる高温での撚止めセットにより。

シボ発現に必要な残留歪の緩和も著しくなり、目的とす
るシボ立て注は満足に得られないのが現状である。この
問題を解決する１つとして低温で高度のセット性を有す
るポリエステルフィラメント糸が、特開昭５７−１９３
５３７号公報に例示される。

（発明が解決しようとする問題点） 前記例示の場合にあっては、全量の２０〜９０ｗｔ　％
のポリエチレンテレフタレートと・ポリトリメチレンテ
レフタレート又はポリテトラメチレンテレフタレートの
共重合又は共重合およびブレンドされてなるポリエステ
ルフィラメント糸が開示されており、ここでポリエチレ
ンテレフタレートの量が９０ｗｔ　％を超えると低温セ
ット性が失われてしまう欠点を有し、さらに優れたセッ
ト性及びシボ立て注の両方を同時に満足するといつ九面
ではまだ不充分なものであった。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らは上記欠点を解決するべく鋭意研究の結果、
ポリエステル繊維に特定の微細構造を形成せしめること
により、高撚セット、高シボ立て性を付与できることを
知見して遂に本発明に到達した。即ち、本発明は繰り返
し単位の９０モル多以上がエチレンテレフタレートから
なるポリエステルフィラメントであって、下記（イ）〜
（ハ）の特性を有する高撚セット性、高シボ立て性ポリ
エステルフィラメントである。

（イ）乾熱収縮応力曲線において、５０〜２００℃に応
力の極大ピークをもたない。

（ロ）下記（１）式ｆ、満たす撚数で撚糸したフィラメ
ントの乾熱収縮応力曲線において、７０〜９０℃に０．
ＩＰ／ｄ以上の応力の極大ピークをもつ。

撚数（１７ｍ）−３，５５Ｘ１０”ｘＶ７＝＝肩・・・
・・・（１）（ハ）前記（１）式を満たす撚数で撚糸し
、さらに９０℃で２０分間キャー処理後のフィラメント
の乾熱収縮応力曲線において、８０〜１１０℃に０．０
５Ｐ／ｄ以下の応力の極小ピークをもち、かつ１００〜
１８０℃に０．０５Ｐ／ｄ以上の応力の極大ピークをも
つ。

本発明によれば前記する３要件が同時に満たされること
により、フィラメントは強撚糸とした場合、従来の技術
においては達成することが困難とされていた低温での高
撚セット性が達成され、更にンボ斑の少ない極めて優れ
たシボ立て性を有する之め、強撚織編物の連続シボ立て
処理をも可能となった。

本発明のフィラメントが低温で優れた高撚セット性及び
高シボ立て性を有する理由については、いまだ正確に解
明されていないが１本発明者らの推測によれば、その理
由として次のことが考えられる。即ち１本発明のフィラ
メントが有する特異な微細構造に起因し、より完全で大
きな結晶とよりランダムな非晶が直列的に連らなった構
造により、撚付与時、シリーズ配列した非晶部が変形し
、撚セットにより変形した非晶部が一時点にセットされ
、シボ発現処理により、−次セットが開放され、結晶組
織に蓄えられた歪エネルギーが開放され、良好なシボ立
て性を示すものと考えられる。

ここで（イ）を満たさないもの、即ち、乾熱収縮応力曲
線において、５０〜２００℃に極大ピークを有するもの
は、撚セット性及びシボ立ち性が低い。これは繊維の非
晶部が変形しにくくなっているので単に縮むのみで、解
撚トルクとして収縮応力が作用しないためと考える。

また、（ロ）を満たさないもの、即ち、撚数（１７ｍ　
）＝３．５５　Ｘ　１０２　ｘｆ丙：フｔ−満足する撚
数ｔ−寸与した後のフィラメントの乾熱収縮応力曲線に
おいて、７０〜９０℃に０．１ｔ／ｄ以上の応力の極大
ピークをもたないものは、非晶の変形が少なくなり、潜
在的なトルク発現力に欠ける０次に（ハ）ｔ−満たさな
いもの、即ち、前記規定の撚数で撚糸した後、９０℃で
２０分間のキャー処理後のフィラメントの乾熱収縮応力
曲線において。

８０〜１１０℃に０．０５Ｐ／ｄ以下の応力の極小ピー
クをもたないものは撚セット性が悪く、残留トルクが大
きくなりＷ　Ｊ　Ｌでンボ織物金得ることが困難となる
。さらに、１００〜１８０℃に０．０５　ｙ　／　ｄ以
上の応力の極大ピークを有しないものは解撚トルクの発
生が低下する。

第１図は１本発明のフィラメントの熱収縮応力一温度曲
線である。

本発明のフィラメントの場合、熱収縮応力一温度曲線に
おいて、第１図ａで示す溶断温度直前の極大ピークの位
置は、撚糸後さらには９０℃で２０分間のキャー処理後
においても、変化がない。

このことは本発明の繊維を構成する結晶が安定で変化し
ないものと推測される。

一方、従来のフィラメントの場合、溶断温度直前の極大
ピークの発生位＠（温度）は、撚糸後、さらには９０℃
で２０分間のキャー処理後において変化する。

本発明のフィラメントは例えば次の方法によって製造さ
れる。通、常のポリエステル例えば固有粘！０．６５（
フェノール／テトラクロルエタン＝６／４の混合溶媒中
３０℃で測定）のポリエステ〃を常法により溶融紡糸す
る。引き取り得られた未延伸糸は充分な高倍率で延伸す
る。この段階で収ａ率を高くするのが好ましい。特に配
向結晶化紡糸して得られ念未延伸糸は、大きな結晶が配
向しているが、非晶と結晶が並列した構造のため、この
ままでは撚セット性、はきわめて悪い。ここで撚セット
性を良好にするには、並列構造を破壊する必要がある。

このため、引き続いて行なう延伸は高倍率１例えば破断
延伸倍率の９０％以上で延伸し、構造を破壊する。この
ときの延伸温度は。

７０〜１６０℃が好ましい。ここで温度が高過ぎると収
縮率が低下して１次に行なう熱処理条件のリラックス率
が小さくなるので好ましくない。

本発明のフィラメント’を得るためには、高倍率延伸を
必要とし、特に２段延伸が好ましい。

かくして得られた延伸糸は、次いで高温で充分熱収縮さ
せつつ、巨大な結晶を生長させ非晶ランダム化せしめた
直列構造を作る。このときのリラックス率は８チ以上好
ましくは１０％以上とする。

又、延伸後の熱処理温度は、２００℃以上好ましくは２
２０℃以上で、０．２秒以上、好ましくは０．３秒以上
加熱させる。このようにして得られたフィラメントは高
撚セット性かつ高シボ立て性を有する。

本発明に用いた物性の定義及び測定方法は以下による。

く熱収縮応力一温度曲線〉 熱収縮応力の測定は、歪計（東洋ボールドウィン社製Ｔ
−Ｉ−５５０−３６０型）、増巾器（東洋ボー／Ｌ／　
）’　ウィン社製ＰＲＥ−ＡＭＰＬＩＦＩＥＲ５Ｓ−Ｒ
Ｐ型）、ｘ−Ｙ・レコーダー（横河電気製ＴＹＰＥ−Ｐ
ＲＯ−１１Ａ型）、温度コントローラー真空理工社製（
ＡＧＮＥ。

ＲＰＣ−１５００及びＡＧＮＥＳＣＲ−ＢＯＸ　）　ｔ
　用イ、試料長５ｃ＊、２０℃／分の昇温速度％２０℃
での初荷重０．０５　？　／デニール、にて溶断温度ま
で測定し、収縮応力の温度変化を求める０ 尚、熱収縮応力の測定の前に行なったフィラメントの前
処理、即ち、撚糸、キャー処理は次による。

（津田駒工業製、ＴＦ型撚糸機）にて所定の撚糸を行な
った。

キャー処理； 撚糸後、アルミボビンに巻かれた強撚フイラメン）１−
蒸熱真空セック−にて７００１ｆｆｊｆｌｌ真空下。

蒸気を導入して９０℃に昇温後２０分間処理した。

く撚セット後解撚□トルり（ＴＱｓ）＞燃上セット後の
強撚糸を長さ２０３採取し、中央部に５キ／ｄの荷重を
加え友後１両端を合わせて発生する２重撚数（Ｔ／１０
口） く池水発現解撚トルク（ＴＱ２）＞ 撚止めセット後の強撚糸を長さ２０口採取し、中央部に
５Ｈｉ／ｄの荷重を加えた後、両端を合わせて、池水中
に３０分浸漬し九後、次いで乾熱６０℃で３０分乾燥後
、このときに発生する２重撚数（Ｔ　／　ｌ　Ｑ　ｃｍ
　） く単糸デニールの測定法〉 ＪＩＳ−Ｌ１０１３（１９８１）に従って測定く比　重
〉 ｎ−へブタンと四塩化炭素よりなる宙度勾配管を作成し
、３０℃±０．１℃に調温された密度勾配管中に十分に
脱泡した試料を入れ、５時間放置後の密度勾配管中の試
料位置を、密度勾配管の目盛りで読みとった値を、標準
ガラスフロートによる密度勾配管目盛〜比重キャリブレ
ーショングラフから比重値に換算し、ｎ＝４で測定。比
重値は原則として小数点以下４桁まで読む。

く１６０℃乾熱下の収縮率（ＳＨＤ　ｓａｏ　）の測定
法〉ＪＩＳ−Ｌ１０１３（１９８１）　　に従って測定
（実施例） 次に実施例に基づき本発明について説明する。

実施例１ １１有粘ｆ　０．６４のポリエチレンテレフタレートを
２８５℃にて孔径０．２２８　ｆｉのオリフィス、２４
孔を有するノズルより単孔吐出量１．３３　ｆ　／分で
吐出し、引取速度５０００ｍ／分にて未延伸糸を得念。

得られた未延伸糸のデニールは６０デニール、複屈折度
（Δｎ）は０．０９８　ｓ　５ＨＤｔａｏは５チであっ
た。この未延伸糸を加熱ローラー８０℃加熱プレート１
５０℃にて１．４倍に延伸し１次いで加熱ローラー１８
０℃加熱プレート２４０℃でリラックス率１８％にて１
．０２秒間熱処理して延伸糸を得た。

得られたフィラメントの熱収縮応力一温度曲線の変化を
第１図に示す。又、得られた延伸糸の特性を第１表に示
す。次いで得られた延伸糸の撚セット性及びシボ発現性
の評価をＴ　Ｑ　１ｉ　ＴＱ　ｚで行った。この結果を
第１表に併記する。なお撚付与はイタリー撚糸機にてＳ
撚２５００Ｔ／ｍの撚付与を行い蒸熱真空セッターを用
いて、９０℃のスチームで２０分間撚止めセットした。

更に本発明延伸糸を、Ｚ撚で２５００Ｔ／ｍの撚を付与
後燃上めセット（９０℃で２０分間）ｔ−スチームで行
い、これによって得られた強撚糸を緯糸とし、経糸には
市販のポリエステル糸（５０デニー／Ｉ／／２４フイラ
メント）ｔ−用いプリンスＷＪＬＬＷ−３３（回転数３
０　Ｏｒｐｍ　）により、−越及び三越で製織し念。得
られた布帛を精練し次後、ロータリーワッシャーにて２
０分間沸熱処理し、シボ立てを行って幅出しセットした
。得られた布帛は絹織物の一越及び三越ちりめんと同等
のシボ及び風合を有した布帛であった。

製織性、シボ立て性の評価結果を第１表に示す。

比較例１ 実施例１と同一の紡糸条件で得た未延伸糸を。

実施例１と同一の延伸条件で１段目延伸を行ない、次い
で加熱ローラー１９０″Ｃ１加熱プレート２４０℃でリ
ラックス率６％にて、０．７２秒間熱処理して延伸糸を
得念。得られた延伸糸の特性を第１表に示す。次いで得
られた延伸糸の撚セット性及びシボ発現性の評価’ｃ　
（ＴＱｔ　）ｔ　（ＴＱ２　）で行なった。

この結果を第１表に併記する。なお、該延伸糸は実施例
１と同一条件で撚付与、撚セラトラ行ない。

更に実施例１と同一条件で製織した後、シボ立て、幅出
しを行ない実施例１と同様な製織性、シボ立て性の評価
をした。結果を第１表に示す。本発明の範囲を外れる本
例はシボ立て性が劣る。

比較例２ 実施例１の未延伸糸を用い、延伸することなく２２０℃
でリラックス平８チにて０．９秒間熱処理したフィラメ
ントを得た。製織性、シボ立て性の評価結果を第１表に
示す。

実施例２ 固有粘度（フェノール／テトラクロルエタン＝６／４の
混合溶媒中３０℃で測定）０．６４のポリエチレンテレ
フタレート’に２８５℃にて孔径０．２２８　ｙｔｓの
オリフィス、２４孔を有するノズルより吐出し、引取速
度１３００ｍ／分で引取った後、１段目加熱ローラ７８
℃、加熱プレート１８０℃にて４．５倍に延伸し１次い
で加熱プレート２４０℃でリラックス率１０％にて０．
８秒間熱処理して延伸糸を得た。得られた延伸糸の特性
を第１表に示す。

得られた延伸糸は次いで、イタリー撚糸機にて撚数２５
６０Ｔ／ｍのＳ、Ｚ撚糸を行ない、蒸熱真空セッターを
用いて９０℃にて２０分間撚止めセットし強撚糸を得た
。得られた強撚糸を緯糸とし、経糸には市販の５０デニ
ー／Ｌ／３６フイラメントヲ用い、Ｓ、２２本交互にプ
リンスＷＪＬ−ＬＷ３３（回転数３０　Ｏｒｐｍ　）で
製織し布帛金得た。得られり布帛をロータリーワッシャ
ーにて池水で２０分間シボ出し処理後、精練し、アルカ
リによる減量加工で１０％＠、ｍ加工後巾出しセラトラ
した。

得られた布帛は、絹織物のちりめんと同等の優れたシボ
質であり、ＷＪＬ使いで問題となるシボ斑も発生がない
。

比較例３ ２４０℃でリラックス率６％にて０．０８秒間熱処理し
た以外は実施例２と同一条件で紡糸、延伸してフイラメ
ン）ｆ得た。得られた延伸糸の特性及び得られた延伸糸
の撚セット性、シボ、立て性の評価結果を第１表に示す
。

（発明の効果） かくして得られる本発明のフィラメントは、前記実施例
でも見られる如く、例えば２５００Ｔ／ｍの撚を付与し
、９０℃ｘ２０分スチームで撚セットしたときの残留ト
ルクは、１５Ｔ／１０ｃｍ以下となる。次いで池水で処
理したとき発現する残留トルクは、８５Ｔ／１０ｍ以上
となる。このような高撚セット性、高シボ立て性を有す
るフィラメントは、ｓ、ｚｍ’を付与の後、セットされ
てＷＪＬを用いて一越又は三越に横打ち込みした平織物
とし、シボ立てすることにより該織物は絹織物ちりめん
以上の良好なシボが得られる。又、３本撚としたものを
二越としたものは、良好な鬼シボが得られる。

尚、ＷＪＬでは糸の弛みにより、撚セット性の低下する
ものは、撚数変化を生じ、シボ斑を発生するのが通常で
あるが、本発明の場合はこのようなシボ斑を発生するこ
とがない。

又２本発明のフィラメントは強撚糸とした場合、従来極
めて困難とされていたウォータージェットルーム（ＷＪ
Ｌ）での製織が可能となり、更に極めて優れたシボ立て
性を有するため１強撚織編物の連続シボ立て処理も可能
である。又、従来知られている共重合体又は、第３成分
を１０％以上ブレンドしたものにくらべ製糸性及び力学
特性も優れたものとなり、製造コストを大巾に低減する
ことができ、シルクのもつ弾発性と風合も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１で得られた本発明のフィラメントの熱
収縮応力一温度曲線を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、繰り返し単位の９０モル％以上がエチレンテレフタ
   レートからなるポリエステルフィラメントであつて、下
   記（イ）〜（ハ）の特性を有する高撚セット性、高シボ
   立て性ポリエステルフィラメント。 （イ）乾熱収縮応力曲線において、５０〜２００℃に応
   力の極大ピークをもたない。 （ロ）下記（１）式を満たす撚数で撚糸したフィラメン
   トの乾熱収縮応力曲線において、７０〜９０℃に応力の
   極大ピークをもつ。 撚数（Ｔ／ｍ）＝３．５５×１０＾２×√デニール・・
   ・・・・（１）（ハ）前記（１）式を満たす撚数で撚糸
   し、さらに９０℃で２０分間キヤー処理後のフィラメン
   トの乾熱収縮応力曲線において、８０〜１１０℃に０．
   ０５ｇ／ｄ以下の応力の極小ピークをもち、かつ１００
   〜１８０℃に０．０５ｇ／ｄ以上の応力の極大ピークを
   もつ。 ２、１００面の見掛けの結晶サイズが５０Å以上である
   特許請求の範囲第１項記載の高撚セット性、高シボ立て
   性ポリエステルフィラメント。