JPH11241239A - ポリエステルマルチフィラメント複合糸の製造方法 - Google Patents

ポリエステルマルチフィラメント複合糸の製造方法

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JPH11241239A
JPH11241239A JP4193498A JP4193498A JPH11241239A JP H11241239 A JPH11241239 A JP H11241239A JP 4193498 A JP4193498 A JP 4193498A JP 4193498 A JP4193498 A JP 4193498A JP H11241239 A JPH11241239 A JP H11241239A
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JP
Japan
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yarn
polyester multifilament
composite yarn
multifilament
polyester
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Pending
Application number
JP4193498A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Miyano
裕行 宮野
Shigeo Nagira
重雄 柳楽
Kanji Sogo
完次 十河
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11241239A publication Critical patent/JPH11241239A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 嵩高性、ソフト感に優れ、意匠性を具備
した壁糸形態のポリエステルマルチフィラメント複合糸
を提供することを可能とした。 【解決手段】 乾熱160℃熱伸長率が0〜15%のポ
リエステルマルチフィラメント(A)と乾熱160℃熱
収縮率が4〜40%のポリエステルマルチフィラメント
(B)とを混繊し、該混繊糸に下撚を掛けた後、該下撚
糸と乾熱160℃熱収縮率が7〜20%の無撚ポリエス
テルマルチフィラメント(C)とを合撚するポリエステ
ルマルチフィラメント複合糸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は嵩高性に優れ、尚且
つソフトで柔軟、張り腰に優れたポリエステルマルチフ
ィラメントに関し、更に詳しくは自発伸長糸が他の無撚
のマルチフィラメントに巻きついた壁糸形態のポリエス
テルマルチフィラメント複合糸の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より意匠糸としてポリエステルマル
チフィラメントに強撚を掛け、無撚のポリエステルマル
チフィラメントと合わせて反対方向に撚った壁糸が知ら
れている。壁糸の効果としては、1)強撚を施したマル
チフィラメントの解撚による撚り戻りが糸長差となって
空気層を形成し嵩高感がある、2)織物の密度を下げて
もスリップしないなどの特徴がある。
【0003】しかしながら、ポリエステルマルチフィラ
メントの先撚り数が少なければ少ないほど、撚り戻りに
よる糸長差が小さくなり、高嵩感が減少する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はポリエステル
マルチフィラメントにおける前記従来の欠点を解消した
ものであって、自発伸長混繊糸の糸長差を利用して先撚
り数が少なくても優れた嵩高感を有し、更にはソフトで
柔軟、張り腰に優れたポリエステルマルチフィラメント
複合糸を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解消するため次のような構成を有する。即ち、乾
熱160℃の熱伸長率が0〜15%であるポリエステル
マルチフィラメント(A)と、乾熱160℃の熱収縮率
が4〜40%であるポリエステルマルチフィラメント
(B)とを混繊し、次いで該混繊糸に下撚を掛けた後、
更に該下撚糸と乾熱160℃熱収縮率が7〜20%の無
撚のポリエステルマルチフィラメント(C)とを前記下
撚方向と反対方向に合撚することを特徴とするポリエス
テルマルチフィラメント複合糸の製造方法。
【0006】混繊糸に下記式を満足する撚数で下撚を施
すことを特徴とする請求項1記載のポリエステルマルチ
フィラメント複合糸の製造方法。 0≦T1 √D1 −T2 √D2 ≦15000 T1 : 混繊糸の撚り数(T/M) T2 : 複合糸の撚り数(T/M) D1 : 混繊糸のデニール D2 : 複合糸のデニール
【0007】以下、本説明を更に詳細に説明する。本発
明の乾熱160℃の熱処理により伸長を示すポリエステ
ルマルチフィラメントは、例えば紡糸工程にて紡糸速度
が2500m/分から3500m/分で紡糸された高配
向未延伸糸を延伸し弛緩熱処理を施すことにより得るこ
とが出来る。この高配向未延伸を弛緩熱処理する際に
は、20%以上といった比較的高い弛緩率としておくこ
とがSHDを低める上で有利であり、ヒーターとしては
非接触式のものであるのが好ましい。
【0008】本発明で言うところのポリエステルマルチ
フィラメントとは、エチレンテレフタレートとエチレン
イソフタレート共重合ポリエステル・カチオン染料可染
性ポリエステル、常圧カチオン染料可染性ポリエステル
等共重合ポリエステルであっても良い。更には酸化チタ
ン等の艶消剤や、カオリナイト等の微細孔形成剤の他、
帯電防止剤が少量添加されていても良い。本発明のポリ
エステル系複合糸を構成するフィラメントの横断面形状
は通常の丸断面であっても良いし、多葉、多角、中空、
扁平、その特殊異形断面等どのようなものも適用可能で
あり、異なる横断面形状のフィラメントが混在していて
も良い。
【0009】本発明の乾熱160℃の熱処理により伸長
を示すポリエステルマルチフィラメント(A)の伸長率
は0%以上、15%以下が好ましい。伸長率が0%未満
になると十分な嵩高感、ソフト感が得られず、また壁糸
とした時の空気層が乏しくなり効果が不十分になる。1
5%を越えるとソフト感が逆にふかつきに感じられ、ま
たピリングなどの問題が発生する。好ましくは4%以
上、10%以下である。乾熱160℃の熱処理により収
縮を示すポリエステルマルチフィラメント(B)の収縮
率は4%以上、40%以下が好ましい。収縮率が4%未
満になるとポリエステルマルチフィラメント(A)との
糸長差が小さくなり十分な嵩高感、ソフト感が感じられ
ない。40%を越えるとその収縮率により織編み物が粗
硬となる。好ましくは7%以上、20%以下である。ま
たポリエステルマルチフィラメント(C)の乾熱160
℃の収縮率は7%以上20%以下が好ましい。7%以下
では張り腰のある織り編み物が得られない。逆に20%
を越えるとポリエステルマルチフィラメント(B)との
収縮率と相まって粗硬な織り編み物となる。
【0010】本発明の乾熱160℃の熱処理により伸長
を示すポリエステルマルチフィラメントを含む混繊糸に
先ず下撚り掛け、更に他の無撚のポリエステルマルチフ
ィラメントと合わせて上撚りを掛ける事が必須である。
その際の下撚りと上撚りの差が0以上、15000以下
である。0未満或いは15000を越えると適度な嵩高
感、張り腰、ソフト感が得られない。
【0011】次に乾熱160℃の熱処理(SHD)の測
定方法について説明する。(SHD)適当な枠周のラッ
プリールで初荷重1/10〔g/デニール〕で8回捲き
のカセをとり、カセに1/30〔g/デニール〕の荷重
をかけその長さL0〔mm〕を測定する。ついでその荷
重を取り除き1/1000〔g/デニール〕の荷重をか
けた状態でカセを沸騰水中に30分間浸漬する。その後
カセを沸騰水中らか取り出し、ついで60〔℃〕で30
分間乾燥した後1/1000〔g/デニール〕の荷重を
かけた状態で、乾熱160〔℃〕のオーブン中で熱処理
する。ついで冷却後再び1/30〔g/デニール〕の荷
重をかけてそのときの長さL1〔mm〕を測定する。乾
熱収縮率〔SHD〕は次式により算定する。 SHD〔%〕=(L0 −L1 )×100/L0 但し、伸長した場合には伸長率を(−SHD)とした。
【0012】
【実施例】以下具体的実施例を用いて説明する。 (実施例)ポリエステルセミダルレジンを用い、通常の
溶融紡糸方法で紡糸捲り取り速度が3000m/分の条
件にてポリエステルマルチフィラメントセミダル丸断面
未延伸糸30デニール/18フィラメントの高配向未延
伸糸を得た。該高配向未延伸糸を延伸撚糸機で延伸し、
8(T/m)の撚糸を付与しながら20/18フィラメ
ントの高収縮マルチフィラメント糸とした。該マルチフ
ィラメント糸を弛緩率45(%)、糸加工速度を540
m/minで熱処理し30/18フィラメントとした。
弛緩熱処理されたマルチフィラメントのSHDは−5
(%)であり、ループは全く発生しなかった。弛緩熱処
理されたマルチフィラメントと30デニール/18フィ
ラメント、SHDが18%の高収縮マルチフィラメント
糸と交絡度50ケ/mで混繊を行いポリエステルマルチ
フィラメント混繊糸とした。該混繊糸にZ撚り1500
(T/m)の撚糸を施し、更に他の無撚の75デニール
/36フィラメントの高収縮マルチフィラメントと合わ
せてS撚り1000(T/m)の追撚を行った。撚糸さ
れたポリエステルマルチフィラメント複合糸を織物の経
糸、緯糸に双方に使用し、生機密度が経134本/i
n、緯86本/inの綾組織に製織した。該生機を常法
による精練、プレセット、アルカリ減量、染色、ファイ
ナルセットを行って染色布を得た。該染色布の風合いは
壁糸特有の嵩高感と自発伸長混繊糸による嵩高感が相ま
って、これまでにない嵩高感、ソフト感、適度な張り腰
を備えていた。
【0013】(比較例1)ポリエステルセミダルレジン
を用い、通常の溶融紡糸方法で得られたSHDが7%の
75デニール/36フィラメントである中収縮性ポリエ
ステルマルチフィラメントにZ撚り1500(T/m)
の撚糸を施し、更に他の無撚の75デニール/36フィ
ラメントの中収縮マルチフィラメントと合わせてS撚り
1000(T/m)の追撚を行った。撚糸されたポリエ
ステルマルチフィラメント複合糸を織物の経糸、緯糸に
双方に使用し、生機密度が経130本/in、緯84本
/inの綾組織に製織した。以下、実施例1と同様にし
て染色布を得た。該染色布は壁糸特有の嵩高感が優れて
いるが、実施例1比較すると嵩高感は劣っており、また
自発伸長混繊糸特有のソフト感の欠けた織物であった。
【0014】(比較例2)実施例1において20/18
フィラメントの高収縮マルチフィラメント糸を糸加工速
度540m/minで熱処理し、処理後のSHDが1%
になった以外は実施例1と全く同様に染色加工反を得
た。該染色布は壁糸特有の嵩高感を有し、実施例2と比
較すると嵩高感があるが、実施例1と比較すると自発伸
長混繊糸から突出するループが小さい分嵩高感が劣って
いた。
【0015】(比較例3)実施例1において60/36
フィラメントのポリエステルマルチフィラメント混繊糸
にZ撚り2500(T/m)の撚糸を施し、更に他の無
撚の75デニール/36フィラメントの高収縮マルチフ
ィラメントと合わせてZ撚り800(T/m)の追撚を
行った以外は実施例1と全く同様にして染色布を得た。
該染色布は実施例1と比較すると自発伸長混繊糸の撚り
係数が高い分ソフト感が劣っていた。
【0016】
【発明の効果】本発明によるとポリエステルマルチフィ
ラメント複合糸は嵩高感、ソフト感に優れており、尚且
つ意匠性を具備した壁糸形態のポリエステルマルチフィ
ラメント複合糸を提供することを可能とした。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾熱160℃の熱伸長率が0〜15%で
    あるポリエステルマルチフィラメント(A)と、乾熱1
    60℃の熱収縮率が4〜40%であるポリエステルマル
    チフィラメント(B)とを混繊し、次いで該混繊糸に下
    撚を掛けた後、更に該下撚糸と乾熱160℃熱収縮率が
    7〜20%の無撚のポリエステルマルチフィラメント
    (C)とを前記下撚方向と反対方向に合撚することを特
    徴とするポリエステルマルチフィラメント複合糸の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 混繊糸に下記式を満足する撚数で下撚を
    施すことを特徴とする請求項1記載のポリエステルマル
    チフィラメント複合糸の製造方法。 0≦T1 √D1 −T2 √D2 ≦15000 T1 : 混繊糸の撚り数(T/M) T2 : 複合糸の撚り数(T/M) D1 : 混繊糸のデニール D2 : 複合糸のデニール
JP4193498A 1998-02-24 1998-02-24 ポリエステルマルチフィラメント複合糸の製造方法 Pending JPH11241239A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112647173A (zh) * 2020-12-14 2021-04-13 海安中纺院纤维新材料科技有限公司 一种蓬松锦纶长丝及其制备方法

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