JP3038529B2 - ポリエステル織物の製造方法 - Google Patents
ポリエステル織物の製造方法Info
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Description
タッチを有するポリエステル織物の製造方法に関する。
ント糸を使った織物の風合いを向上させる方法として、
自発伸長性を有するマルチフィラメントと高収縮性を有
するマルチフィラメントとを流体噴射処理した異収縮混
繊糸を用いることが知られている。しかしながら、この
方法では、織物の組織中で異収縮混繊糸が拘束されるた
め、収縮差が充分に発現しないため設定した風合いが得
られないという問題がある。
るマルチフィラメントを高収縮性を有するマルチフィラ
メントに対して過供給し糸条間に空隙を形成させ、風合
いを向上させることも知られているが、流体噴射処理に
より形成されるループやたるみが製織工程で開口不良等
の問題があり満足できるものではなかった。
を有するマルチフィラメントと高収縮性を有するマルチ
フィラメントを流体噴射処理して特定構造の混繊マルチ
フィラメントとし、かつ製織前に予備処理を施すことに
より、製織工程通過性に問題のない混繊糸を得、かつふ
くらみ感、ソフト感が織物上でも発現し得たことに基づ
きなされたものであり、本発明の目的は、製織性が良好
で、織物にソフトでふくらみ感、ソフトなタッチの風合
いを有するポリエステル織物を得ることにある。
を満足する高収縮性を有するマルチフィラメント(A)
と下記式(2)を満足する自発伸長性を有する太細マル
チフィラメント(B)から構成され、かつ高さ0.15
mm以上のループが400個/m以上、高さ0.6mm
以上のループが15個/m以下のループを有する混繊マ
ルチフィラメントを、下記式(3)の追撚数で撚糸した
後、撚止めセット及びまたは糊付けし、その後製織し、
または更に沸水処理及び160〜180℃の乾熱処理を
施すことを特徴とするポリエステル織物の製造方法にあ
る。 15%≦SHW+SHD≦30% (1) SHW+SHD≦−3% (2) 但し、SHW:沸水収縮率(%) SHD:沸水処理後の乾熱処理(180℃)での乾熱収
縮率(%) 追撚数(T/M)=K/√D (3) 但し、K:撚係数、K≦25000 D:混繊マルチフィラメントのデニール
トと自発伸長性を有するマルチフィラメントを流体噴射
処理した異収縮混繊糸は、製織後、精練リラックス或い
はアルカリ減量工程で沸水処理され、更に染色プリセッ
ト工程で160〜180℃程度の乾熱処理されるが、こ
の沸水及び乾熱での熱処理により2種のマルチフィラメ
ント間に収縮差が生じ嵩高性を発現する。従い、沸水処
理及び乾熱処理時の収縮率の合計値SHW+SHDがマ
ルチフィラメントの収縮差の目安となり、各マルチフィ
ラメントのSHW+SHDが異収縮混繊糸を用いる織物
の風合い向上において重要となる。
ィラメント(以下高収縮性糸)は、例えばポリエチレン
テレフタレートに5〜15モル%のイソフタル酸を共重
合させる等によった改質ポリエステルから得られる。本
発明における高収縮性糸は、製織後のアルカリ減量工程
等の沸水処理での収縮率が10〜25%及び沸水処理後
の染色プリセット工程の160〜180℃の弛緩乾熱処
理での収縮が2〜5%を示し、沸水収縮率SHWと乾熱
収縮率SHDの和、SHW+SHDが15〜30%の範
囲であることが必要である。SHW+SHDが15%未
満であると、複合フィラメントに嵩高性が発現せず、3
0%を超えると、織物としたとき織物全体を収縮させ硬
い風合いしか与えない。
ラメント(以下自発伸長性糸)は、シック部とシン部が
フィラメント間及びフィラメントの長手方向に分散した
太細マルチフィラメントであることにより、極めて微妙
な風合いを発現するものであるが、アルカリ減量工程等
の沸水処理での伸長率が0〜5%及び沸水処理後の染色
プリセット工程の160〜180℃の弛緩乾熱処理での
伸長率が1〜3%を示し、沸水収縮率SHWと乾熱収縮
率SHDの和、SHW+SHDが−3%以下、即ち3%
以上自発伸長するものであることが必要である。SHW
+SHDが−3%を超える(3%未満の自発伸長とな
る)と織物へは不十分なふくらみ感しか与えない。
えば出願人が特願平5−1244号で提案した以下の如
き方法によって得ることができる。即ち、複屈折率△n
が30〜70×10-3の範囲にあるポリエステルの高配
向未延伸フィラメント糸を下記〜を満たす条件で延
伸して太部と細部がフィラメント間及びフィラメント長
手方向に分散した太細フィラメント糸とし、引き続き
、を満たす条件で緩和熱処理することによって得ら
れる。 DR1=MDR×(0.4〜0.5)>1.0 DR2=1.03〜1.40 HR1=Tg〜(Tg+20)℃ HR2<Tc RR>5.0% HP>(HR2+50)℃
高収縮性糸を流体噴射処理した混繊マルチフィラメント
(以下混繊糸)を用いる。織物にソフトな風合いを付与
するためには、織物を構成する糸条のフィラメント間に
適度な空間を設けることが必要である。この空間は、各
フィラメント間に収縮差をもたせることにより形成させ
ることができるが、織物組織においては、経糸と緯糸が
互いに拘束しあい収縮差の発現を阻害するため充分なふ
くらみ感をだすことが困難である。
理により混繊糸に微小ループを形成させ糸条を構成する
フィラメント間に空間を生じさせた混繊糸を用いるもの
であり、織物において充分なふくらみ感をだし、また追
撚、整経、製織等の後工程での取扱い性より、高さ0.
15mm以上のループが400個/m以上、高さ0.6
mm以上のループが15個/m以下のループを有する混
繊糸を用いる。高さ0.15mm以上のループが400
個/m未満では、フィラメント間の空隙が少なくなるた
めふらみ感に欠け、高さ0.6mm以上のループが15
個/mを超えると、後の工程での取扱い性が不良とな
る。
00以下の範囲で追撚数(T/M)=K/√D(但し、
D:混繊糸のデニール)で追撚する。追撚での撚係数K
が7000以下のときは、混繊糸よりループが突き出す
ので追撚後糊付け、乾燥する。撚係数Kが7000〜2
5000のときは、追撚後撚止めセットする。撚係数K
が25000を超えると、硬く集束してふくらみ感を欠
く。
は、その後通常の方法により経糸及びまたは緯糸として
製織されるが、製織には、レピア織機、ウオータージェ
ットルーム、エアージェットルーム等が用いられる。得
られた織物をポリエステル織物に施される通常のアルカ
リ減量処理、染色プリセット処理での沸水及び160〜
180℃の乾熱での熱処理を施すことにより、織物を構
成する混繊糸の構成マルチフィラメントの大きな収縮差
を生じ、高収縮性を有するフィラメントは、芯部側に主
として配され、自発伸長性を有する太細フィラメント
は、鞘部側に主として配されて、ソフトタッチでふくら
み感のある風合いの織物を得ることができる。
トが鞘部側に主として配されることにより、太細フィラ
メントの太細の程度により織物が染色されたときに濃淡
差が強調された織物を得ることもできる。
る。なお、実施例中、沸水収縮率、乾熱収縮率、ループ
数は、下記の方法により測定した。
張力下で糸長1mの10回巻カセを準備し、2/3g/
dの荷重をかけて初期カセ長(L0)を測定する。次い
でカセ を無荷重状態で沸騰水中に30分浸漬した後再
び2/3g/dの荷重をかけて カセ長(L1)を測定
し、次式より算出した。 SHW=(L0−L1)/L0×100% 乾熱収縮率(SHD):SHWを測定した後、そのカセ
を温度180℃の雰囲気中に無荷重状態で10分間放置
し、カセ長(L2)を測定し、次式より算出した。 SHD=(L0−L2)/L0×100% ループ数:糸に0.05g/dの張力を付与した状態で
拡大投影機の機台上に固定し、拡大投影して肉眼での目
視により投影画面上のループの高さ、個数を測定した。
また、○、△、×は、判定評価による良好、普通、劣る
をそれぞれ示す。
す高収縮性を有するポリエステルマルチフィラメント
(高収縮性糸(A))と、表2に示す自発伸長性を有す
る太細ポリエステルマルチフィラメント(自発伸長性糸
(B))とを用い、高収縮性糸(A)のオーバーフィー
ド率を5%、自発伸長性糸(B)のオーバーフィード率
を10%とし、糸速200m/min、空気圧5.0k
g/cm2で流体噴射ノズルにて流体噴射処理して、表
3に示すループを有する混繊糸を得た。
000T/Mの追撚を施し、80℃の湿熱で撚止めセッ
トした後、経糸及び緯糸としてレピア織機で経密度18
0本/寸、緯密度102本/寸に製織した。その後80
℃で精練リラックス処理し、引き続き乾熱180℃でセ
ットした。しかる後約100℃のアルカリ水溶液に浸漬
して減量率15重量%の減量処理をし、180℃でプレ
ヒートセットした後高温染色した。得られた織物の評価
結果を表3に示した。
(A))としてSHW17.5%、SHD1.5%、7
5d/18fと、自発伸長性太細ポリエステルマルチフ
ィラメント(自発伸長性糸(B))としてSHW−1.
4%、SHD−1.2%、120d/72fとを用い、
オーバーフィードで糸速200m/min、空気圧5.
0kg/cm2で流体噴射処理して、表4に示すループ
を有する混繊糸を得た。得られた混繊糸を、表4に示す
追撚数に追撚を施し、糊付け、乾燥し、その後は実施例
1と同様にして製織、染色加工して織物を得た。得られ
た織物の評価結果を表4に示した。
テル織物を製造することができ、また従来の異収縮混繊
糸からなる織物に比べ、製織後のポリエステル織物に通
常適用される熱処理工程により、ふくらみ感、ソフトな
タッチの風合いに富むポリエステル織物を容易に得るこ
とができ、本発明による織物は、衣料用途分野に好適な
るものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記式(1)を満足する高収縮性を有す
るマルチフィラメント(A)と下記式(2)を満足する
自発伸長性を有する太細マルチフィラメント(B)から
構成され、かつ高さ0.15mm以上のループが400
個/m以上、高さ0.6mm以上のループが15個/m
以下のループを有する混繊マルチフィラメントを、下記
式(3)の追撚数で撚糸した後、撚止めセット及びまた
は糊付けし、その後製織することを特徴とするポリエス
テル織物の製造方法。 15%≦SHW+SHD≦30% (1) SHW+SHD≦−3% (2) 但し、SHW:沸水収縮率(%) SHD:沸水処理後の乾熱処理(180℃)での乾熱収
縮率(%) 追撚数(T/M)=K/√D (3) 但し、K:撚係数、K≦25000 D:混繊マルチフィラメントのデニール - 【請求項2】 製織した後、沸水処理及び160〜18
0℃の乾熱処理を施す請求項1記載のポリエステル織物
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6066501A JP3038529B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | ポリエステル織物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6066501A JP3038529B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | ポリエステル織物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252745A JPH07252745A (ja) | 1995-10-03 |
JP3038529B2 true JP3038529B2 (ja) | 2000-05-08 |
Family
ID=13317644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6066501A Expired - Lifetime JP3038529B2 (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | ポリエステル織物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038529B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-11 JP JP6066501A patent/JP3038529B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07252745A (ja) | 1995-10-03 |
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