JP2003027341A - ポリエステル複合仮撚糸およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル複合仮撚糸およびその製造方法

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JP2003027341A
JP2003027341A JP2001213216A JP2001213216A JP2003027341A JP 2003027341 A JP2003027341 A JP 2003027341A JP 2001213216 A JP2001213216 A JP 2001213216A JP 2001213216 A JP2001213216 A JP 2001213216A JP 2003027341 A JP2003027341 A JP 2003027341A
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polyester
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JP2001213216A
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Katsutoshi Hashimoto
克俊 橋本
Minoru Shiojima
実 塩島
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Toray Textiles Inc
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Toray Textiles Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量で嵩高、かつ張・腰があり、減量加工が必
要でないかもしくは低減量率でも十分ソフトな風合いが
得られ、かつストレッチ性を有し、快適性、仕立て映え
の良い織物・編物を実現し得るポリエステル複合糸とそ
の製造方法を提供すること。 【解決手段】少なくともA、B2種以上のポリエステル
フィラメント糸からなり、熱収縮特性の相違する少なく
とも2成分の合成重合体からなる複合繊維からなるポリ
エステルマルチフィラメント糸Aと、複屈折率0.02
〜0.08の高配向未延伸ポリエステルマルチフィラメ
ント糸Bとを、110℃以下で仮撚加工後、熱処理を施
された複合仮撚糸であり、伸縮復元率(CR)が15〜
30%であり、かつ下記(1)〜(3)を満足するポリ
エステル複合仮撚糸。(1)K1≦2%、(2)15≦
K2≦40、(3)S≧15。(ここで、K1:複合仮
撚糸の捲縮率(%)、K2:複合仮撚糸の乾熱処理(1
60℃×3分)後の捲縮率(%)、捲縮嵩高度S:S=
K2/K1である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル複合
仮撚加工糸とその製造方法に関する。
【0002】更に詳しくは、軽量でも嵩高感があり、か
つ張・腰があり、減量加工が必要でないかもしくは非常
に低減量率の減量加工であっても十分ソフトな風合いが
得られ、かつ、ストレッチ性を有していて、快適性、仕
立て映えが良い織物や編物を実現し得るポリエステル複
合仮撚加工糸とその製造方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、ストレッチ性を有する織物や編み
物を実現するポリエステル加工糸としては、特許第26
52918号公報においてウール織物調のソフトなふく
らみ感や腰、張とともにポリエステル特有のドレープ性
を与えながら縫製性を良好にする適度な伸縮性を与える
複合捲縮糸が提案されている。しかし、この方法では風
合いは硬く、ソフトな風合いは得られていない。また、
糸長差が多いため強撚が必要となり嵩高性に乏しいとい
う欠点がある。
【0004】また、特開平6−316829号公報には
嵩高性に富み、ソフトな風合いを有するとともに、スト
レッチ性に優れ着用感の改善された布帛が製造可能な複
合糸を提案している。しかし、複合糸が混繊糸であるた
め構成する複合糸の捲縮率が低くなり、十分なストレッ
チ性、嵩高感が得られないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術でも比較的ソ
フトな風合いや反発感のある素材が得られているが、適
度なストレッチ性と軽量、嵩高感を併せ持った素材は得
られていなかった。
【0006】本発明の目的は、これら従来技術における
問題点を解決せんとするものであって、非常に軽量で嵩
高があり、かつ張・腰があり、減量加工が必要でない
か、もしくは非常に低減量率で十分にソフトな風合いが
得られ、かつ、ストレッチ性を有していて、快適性、仕
立て映えの良い織物・編物を実現し得るストレッチ性を
有するポリエステル複合糸とその製造方法、さらには、
該ポリエステル複合糸を用いてなるストレッチ性を有す
る織物、編み物を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明のポリエステル複合仮撚加工糸は、以下の構成か
らなる。
【0008】すなわち、少なくともA、B2種以上のポ
リエステルフィラメント糸からなり、熱収縮特性の相違
する少なくとも2成分の合成重合体からなる複合繊維か
らなるポリエステルマルチフィラメント糸Aと、複屈折
率0.02〜0.08の高配向未延伸ポリエステルマル
チフィラメント糸Bとを、110℃以下で仮撚加工後、
熱処理を施された複合仮撚糸であり、伸縮復元率(C
R)が15〜30%であり、かつ、下記(1)〜(3)
を満足することを特徴とするポリエステル複合仮撚糸で
ある。 (1)K1≦2% (2)15≦K2≦40 (3)S≧15 (ここで、K1:複合仮撚糸の捲縮率(%)、 K2:複合仮撚糸の乾熱処理(160℃×3分)後の捲
縮率(%)、 捲縮嵩高度S:S=K2/K1 である。) また、かかる本発明のポリエステル複合仮撚加工糸にお
いて、好ましくは、実質的に糸長差がないことを特徴と
するものである。
【0009】また、かかる本発明のポリエステル複合仮
撚加工糸において、好ましくは、その沸騰水収縮率が1
0%以下であり、該沸騰水処理後乾熱処理した後の潜在
嵩高度H≧2であることを特徴とするものである。
【0010】また、上述した目的を達成する本発明のポ
リエステル複合仮撚加工糸の製造方法は、以下の構成か
らなる。
【0011】すなわち、熱収縮特性の相違する少なくと
も2成分の合成重合体からなる複合繊維からなるポリエ
ステルマルチフィラメント糸Aと、紡糸速度2500〜
4000m/minの高速紡糸により得られた高配向未
延伸ポリエステルマルチフィラメント糸Bとを引き揃
え、両糸を混繊交絡処理した後、仮撚温度を110℃以
下の温度でかつ延伸倍率1.2倍以下の条件で2成分
(ポリエステルマルチフィラメント糸AとB)を同時に
仮撚(以下、単に「同時仮撚」という)加工を行い、い
ったん10%以上の糸長差を発現させ、さらにヒーター
温度140℃以上で熱処理を行い、実質的に糸長差のな
い複合加工糸とすることを特徴とするポリエステル複合
仮撚加工糸の製造方法である。
【0012】また、本発明にかかる織物は、上述した本
発明のポリエステル複合仮撚加工糸をタテ糸および/ま
たはヨコ糸に使用してなることを特徴とするストレッチ
性を有する織物であり、また、本発明にかかる編物は、
上述した本発明のポリエステル複合仮撚加工糸を編糸に
使用してなることを特徴とするストレッチ性を有する編
物である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明について
説明する。
【0014】本発明は、少なくとも2種以上のフィラメ
ントからなるポリエステル複合仮撚糸であって、熱収縮
特性の相違する少なくとも2成分の合成重合体からなる
複合繊維からなるポリエステルマルチフィラメント糸A
と、複屈折率Δnが0.02〜0.08の範囲のポリエ
ステルマルチフィラメント糸Bを含む同時仮撚加工複合
糸である。ポリエステルマルチフィラメント糸Aは熱収
縮特性の異なる(少なくとも)2成分の合成重合体とし
ては、一方を低粘度のポリエステル成分とし、他方を高
粘度のポリエステル成分とする組合せのポリエステル重
合体を好ましく使用できる。
【0015】具体的には、ホモポリエステル成分の場
合、低粘度ポリエステル成分の極限粘度は0.35〜
0.55で、高粘度ポリエステルの極限粘度は0.65
〜0.85の範囲にすることが好ましい。低粘度ポリエ
ステル成分の極限粘度が小さくなると溶融粘度が低くな
り製糸が困難となる。また、低粘度ポリエステル成分の
極限粘度が大きすぎるとコンジュゲート複合繊維などの
複合マルチフィラメント糸の捲縮発現力が乏しくなり、
半顕在化、潜在けん縮発現力ともに低下する。また、高
粘度ポリエステル成分の極限粘度が大きすぎると、溶融
粘度が高くなるために紡糸や延伸が難しくなる。また、
高粘度ポリエステル成分の極限粘度が小さくなるとけん
縮発現力が乏しくなる。
【0016】また、低粘度ポリエステル成分と、高粘度
ポリエステル成分の両者間の極限粘度差は0.20〜
0.40の範囲が好ましい。ただし、一方に共重合ポリ
エステル成分を使用する場合は両者の成分の極限粘度差
をさらに接近せしめることが可能である。ここで極限粘
度は、濃度25℃においてオルソクロロフェノール溶液
として求めたものである。
【0017】また、コンジュゲートマルチフィラメント
糸の低粘度ポリエステル成分と高粘度ポリエステル成分
の複合比は、重量比で35〜50:65〜50が好まし
く、40〜50:60〜50が更に好ましい。この範囲
外では、半顕在けん縮、潜在けん縮の発現力が劣り効果
を発揮できない傾向となっていく。
【0018】さらに、繊維の断面形状は、丸断面がもっ
とも好ましいが、例えば三角〜八角断面や扁平のように
異形断面であってもよい。
【0019】また、本発明に用いられるポリエステルマ
ルチフィラメントBは複屈折率0.02〜0.08の範
囲の高配向未延伸糸は紡速2500〜4000m/mi
nで紡糸して得られる。
【0020】前記ポリエステルマルチフィラメント糸A
とポリエステルマルチフィラメント糸Bとを引き揃え、
混繊交絡後、110℃以下の範囲内で同時仮撚すること
により、ポリエステルマルチフィラメント糸Aは芯成分
になり、ポリエステルマルチフィラメント糸Bが鞘成分
となる。このとき、ポリエステルマルチフィラメント糸
Bはより延伸されやすいので、より延伸されて糸Aと糸
Bとの間に糸長差が発現する。かつ、110℃以下の範
囲内で同時仮撚することによって鞘糸の一部が変形す
る。この後、二次ヒーターで極く短時間の熱処理する。
これにより実質的に糸長差のない加工糸が得られる。な
お、本発明の複合加工糸においては、このように実質的
に糸長差(繊維長差)のない構造あるが、このような構
造下で、芯成分、鞘成分というのは、本発明の複合加工
糸に更に撚りを加えた場合に、糸A、糸Bの持つ伸度の
差に基づいて芯鞘構造を呈し得て、そのときに、芯部を
構成するものを芯成分といい、鞘部を構成するものを鞘
成分というものである。
【0021】前記方法においては、ヒーター温度150
℃以上の熱処理時間が、接触式ヒーターの場合は0.3
秒以下、非接触式ヒーターの場合は0.4秒以下である
ことが好ましい。
【0022】前記二次ヒーターで極く短時間の熱処理を
すると、鞘成分糸Bの変形部分が収縮し、他のフィラメ
ントに比べ太くなる部分と熱処理されずに変形したまま
の状態となる。この結果、鞘糸のフィラメント間及び長
さ方向で収縮差及び自発伸長差が付与され、潜在捲縮型
の繊維となる。そして寸法安定性が付与され、取扱い性
が良好になり織編物などの形成過程までの高次加工性が
良好となる。
【0023】また、前記方法においては、ポリエステル
マルチフィラメントAとBとを引き揃えた後、同時仮撚
する前に交絡処理をすることが好ましい。
【0024】また、前記方法においては同時仮撚後の糸
長差が10%以上が好ましい。
【0025】また、熱収縮特性の相違する少なくとも2
成分の合成重合体からなる複合繊維からなるポリエステ
ルマルチフィラメント糸Aが染色工程の熱処理により捲
縮が発現しストレッチ性と嵩高性が発現する。
【0026】図1は、本発明の一実施例の複合糸1の外
観である。複合糸1は交絡部3と非交絡部2とからな
り、外観は生糸(なまいと)風の外観形態を呈してい
る。すなわち、各フィラメント間には実質的に糸長差は
ない。
【0027】この複合仮撚糸は、潜在捲縮型の繊維であ
り、染色工程で付与される熱処理、沸騰水処理または乾
熱処理などを実施することにより、芯成分糸であるコン
ジュゲートヤーンの捲縮が発現する。糸のストレッチ性
を示す伸縮復元率(CR)が15〜30%であることが
必要である。このとき、糸に伸縮性が発現し、ストレッ
チ性が付与される。CRが15%未満では十分なストレ
ッチ性が得られない。また、CRが30%を超えると織
物としたとき、しわになりやすく取り扱いにくくなる。
そのため、CRは15〜30%がよい。
【0028】また、本発明の複合仮撚糸の捲縮率(K
1)は2%以下、捲縮率(K2)は15%以上40%以
下であり、捲縮嵩高度(S)は15以上である。
【0029】本発明の複合仮撚糸のように捲縮率(K
1)が2%以下のとき、糸の捲縮は発現しないため、織
物としたときに糸と糸の間の空隙が残る。捲縮率(K
1)が2%を超えると捲縮が発現してしまい織物とした
ときに糸と糸の間の空隙が少なくなってしまう。
【0030】そのため捲縮率(K1)は2%以下がよ
い。その後、染色工程でかかるような乾熱処理を実施し
たときに芯成分となるコンジュゲート糸の捲縮が発現す
るが、このときの捲縮率(K2)は15%以上40%以
下が良く、15%未満では十分な嵩高性が得られない。
また、40%を超えるとふかつきすぎてしまうため、好
ましくない。また、捲縮嵩高度(S=K2/K1)が1
5以上のときは、織物としたときの糸と糸の間の空隙に
対し、染色工程のときの熱処理がかかったときでも織物
の糸と糸の間の空隙が十分確保される。15未満では糸
と糸の空隙が少なくなってしまい、嵩高で軽量感のある
素材を得ることができなくなる。そのため捲縮嵩高度は
15以上であることが重要で、好ましくは20以上であ
る。
【0031】このように本発明にかかるポリエステル複
合仮撚糸は、仮撚加工されていてもK1が2%以下とな
る。それに芯成分にコンジュゲート糸を使用することに
より、芯成分と鞘成分との挙動の差が大きく異なり、芯
成分と鞘成分との間に大きな空隙が生まれる。そのた
め、織物にしたときに空気を多く含むため軽量で十分な
嵩高感のある素材が得られる。
【0032】そのため、天然繊維であるウールまたはカ
シミヤのように嵩高、軽量でソフトな触感が得られる。
その結果、従来のポリエステル撚糸使いの織物ではフィ
ラメント間に空隙を形成するために必須であったアルカ
リ減量加工を、本発明の複合糸はする必要がないかもし
くは非常に低減量率の加工であっても、従来のアルカリ
減量加工品並の製品とすることが可能となった。
【0033】また、上述のように減量処理することなく
使えることから、1工程を省略することができることに
より、コストダウンが可能であり、また、アルカリ減量
後に処理しなけばならないテレフタル酸アルカリ塩を減
らすことができ、地球環境に影響を与えない利点がある
のである。
【0034】一方、図3に示す従来の複合仮撚による仮
撚2層複合糸5は、芯糸と鞘糸との糸長差が30%前後
あり、芯糸が鞘糸に巻き付いた状態になり密度の詰まっ
た糸になる。このため、取扱いが難しく、そのままの使
用ではふかつきすぎるため、強撚する必要がある。その
結果、空隙がなくなり、糸が拘束されるためストレッチ
性が発現しにくくなってしまう。また、硬い織物になっ
てしまい高減量が必要という問題があった。
【0035】これに対して、本発明のポリエステル複合
仮撚糸は、実質的に糸長差がなく、織編物形成工程まで
の高次加工通過性が良好であり、強撚する必要もなく、
甘撚り〜中撚り程度でよく、硬くならない。そのため、
糸の拘束の自由度が高くストレッチ性が発現しやすく、
空隙が大きくなるため、従来になく嵩高になり、軽量で
ソフトな素材が得られる。また、高い減量率の減量加工
が必ずしも必要ないために地球環境を悪化させるという
問題も軽減されることとなるのである。
【0036】本発明のポリエステル複合仮撚加工糸は、
その沸騰水収縮率が10%以下であることが好ましい。
該沸騰水収縮率が10%を超えると、織物としたとき織
物の巾が詰まってしまい、そのため嵩高性になっても軽
量感が乏しくなり、ストレッチ性も少なくなり、織物が
硬くなり、高減量が必要となってしまう方向となる。こ
のため、沸騰水収縮率は10%以下であることが好まし
いのであり、特に10%以下とすることで十分な嵩高
性、軽量感、ストレッチ性の特性が得られる。
【0037】また、潜在嵩高度H≧2(H=h2/h
1)とすることにより、更に嵩高性、軽量感が増加す
る。
【0038】潜在嵩高度Hが2以上のとき、織物とした
後、染色工程による熱処理により糸の嵩が増加し、良好
な嵩高性が得られるとともに軽量となる。そのため潜在
嵩高度Hは好ましくは2以上、より好ましくは4以上で
ある。潜在嵩高度が2未満では嵩高性、軽量感が乏しく
なる。ここで、潜在嵩高度Hは、複合仮撚糸のフィラメ
ント間の巾をh1、沸騰水処理後乾熱処理した後の複合
仮撚糸のフィラメント間の巾をh2としたとき、H=h
2/h1で求めるものである。
【0039】次に、本発明のポリエステル不遇仮撚糸の
製造方法について詳細に説明する。
【0040】本発明は、少なくとも2種以上のフィラメ
ントからなる複合糸であって、ポリエステルマルチフィ
ラメント糸Aは熱収縮特性の異なる(少なくとも)2成
分の合成重合体としては、一方を低粘度のポリエステル
成分とし、他方を高粘度のポリエステル成分とする組合
せのポリエステル重合体であるコンジュゲートマルチフ
ィラメント糸を使用する。
【0041】ポリエステルマルチフィラメント糸Bは、
紡糸速度2500〜4000m/minとして得られる
ような高配向未延伸糸を用いることが重要である。紡糸
速度2500m/min未満では結晶配向が不安定なた
め、仮撚工程において糸切れ、毛羽の発生などが起こり
やすい。また、熱処理されやすくなるため、太部、変形
部が均一になってしまう。このため、紡糸速度2500
m/min未満のものは好ましくない。また4000m
/minを超えると沸騰水収縮率が低下し、熱処理時に
ランダムな収縮、自発伸長特性となりにくいため好まし
くない。そのため本発明に用いられるA成分糸は、紡糸
速度2500〜4000m/minの高配向未延伸糸が
好ましい。
【0042】次に、ポリエステルマルチフィラメント糸
AとBを引き揃え、エアージェットを噴射させて交絡処
理を行う。これは仮撚解撚後及び熱処理後に芯鞘成分が
分離してしまうとネップとなってしまうため、また、高
次加工工程通過の際において取り扱いが難しくなるため
である。
【0043】交絡数は、好ましくは10〜110個/m
であり、交絡数10個/m未満では高次加工工程通過時
でのしごきにより糸が分離してしまいネップとなりやす
くなる。また、110個を超えると交絡点が多くなりす
ぎ嵩高になりにくくなってしまうことがあるため好まし
くない。
【0044】また、前記の交絡数は、織編物となった後
にも残存している場合がある。
【0045】次に、110℃以下の範囲で同時仮撚を実
施する。110℃を超える温度の場合には、糸の結晶化
が進み捲縮が固定されるために、本発明の複合糸を得る
ことは難しくなる。本発明では、仮撚加工温度を110
℃以下とすることが極めて重要である。この温度で同時
仮撚を実施するとき、高伸度である鞘糸が低伸度である
芯糸に巻きつきながら延伸された後、解撚されることに
なるからである。
【0046】この工程で通常の複合仮撚時のように鞘糸
のほとんどのフィラメントが変形させられるほどではな
いが、110℃以下における温度領域でも、鞘糸のフィ
ラメントの一部が変形する。
【0047】鞘成分は110℃以下の温度で仮撚加工を
実施するためほとんど結晶化が進まず、収縮率も高いま
まである。仮撚後に収縮率が残っていることが重要であ
り、次の熱処理工程で糸長差がほとんどなくなるととも
に、収縮、自発伸長特性をフィラメント間及び長さ方向
で付与することができる。その結果、染色工程の熱処理
工程でランダムに糸長差を発現させることができる。
【0048】同時仮撚直後の糸条は、複合仮撚で得られ
るような糸長差のある糸条となっている。このとき、糸
長差は10%以上とすることにより、仮撚複合糸が染色
工程において熱処理されることにより、ポリエステルマ
ルチフィラメント糸Bはランダムな収縮、自発伸長特性
となり、より嵩高、軽量に寄与する。また、糸長差が4
0%を超えると解撚後にネップになりやすいため、糸長
差は10〜40%がよく、より好ましくは15〜35%
である。
【0049】次にヒーターにより、熱処理を実施する。
二次ヒーター温度は140〜250℃が好ましい。14
0℃未満では熱処理が不十分で本発明の糸条となり難
い。また、250℃を越える高温では変形部及び太部が
熱処理され、均一な糸条となってしまい、ランダムな収
縮、自発伸長特性がなくなってしまうため、ヒーター温
度は250℃以下が好ましい。熱処理温度は糸の太さ、
ヒーターの種類(接触式、非接触式)、ヒーター長によ
り適宜設定する。このときのヒータータッチ時間は接触
式ヒーターでは0.3秒以下とすることが好ましい。非
接触式ヒーターでは熱の伝わりが少なくなるので0.4
秒以下が好ましい。この処理時間を超えると変形部及び
太部が熱処理され、均一な糸条となってしまい、ランダ
ムな収縮、自発伸長特性がなくなってしまう。つまり、
極短時間の熱処理が好ましいのである。
【0050】熱処理時の糸の長さ方向の保持率は、−1
%〜+5%に保つのが好ましく、−1%未満では加工張
力が高くなりすぎ、加工性に問題がある。また、+5%
を超えると鞘糸の収縮率が高いため、芯糸と鞘糸が逆転
してしまうため好ましくない。このため、糸保持率は−
1%〜+5%が良く、より好ましくは0〜+3%であ
る。
【0051】同時仮撚直後の糸条は、結晶化が進む温度
で仮撚を実施していないので、複合糸は熱収縮の高い糸
となっている。このとき、沸騰水収縮率は20%以上で
あることが好ましく、20%未満では熱処理後に収縮、
自発伸長性を付与することが難しくなる。このため、好
ましくは沸騰水収縮率は20%以上である。ポリエステ
ルマルチフィラメント糸Bの収縮率が高いため、熱処理
により、急激に収縮し、実質的に糸長差のない糸条とな
る。また、糸長差が10%以上あるために糸の外側と中
心部で熱の受け方が異なることになり、熱処理ムラが起
こりやすくなる。このとき、ポリエステルマルチフィラ
メント糸Bの変形部分は熱処理により、太部及び/また
は熱処理されずに変形部が残ったままとなる部分が存在
する。未変形部は定長またはリラックス熱処理を受ける
ため自発伸長特性をもたらすこととなる。
【0052】このように、鞘成分のフィラメント間に変
形部、太部が混在することによって異なる収縮、自発伸
長特性をフィラメント間で付与することが可能となり、
潜在嵩高度Hが2以上となり、嵩高度が増しより軽量と
なるのである。該異なる収縮、自発伸長特性は、本発明
のポリエステル複合仮撚糸の一つの糸断面上におけるフ
ィラメント間でも存在し、また、一本一本のフィラメン
トについて長さ方向に見たときでも該フィラメントにお
いて長さ方向に存在するものである。
【0053】次に、本発明のポリエステル複合仮撚糸の
製造方法について図面に示した1実施例より説明する。
【0054】図4は、本発明のポリエステル複合仮撚糸
の製造方法を示す工程概略図であり、ポリエステルマル
チフィラメント糸A6と、ポリエステルマルチフィラメ
ント糸B7とを糸巻体からそれぞれ引き出し、第1ニッ
プローラー8と第2ニップローラー10間でエアー交絡
ノズル9を用いて交絡処理する。
【0055】次いで、第2ニップローラー10と第3ニ
ップローラー13間で仮撚ヒーター11と仮撚ツイスタ
ー12を用いて仮撚をする。
【0056】次いで、第3ニップローラー13と第4ニ
ップローラー15間の熱処理機14で所定の保持率を保
ってごく短時間の熱処理する。次に巻き取り装置16を
用いて本発明の複合糸を巻き取るものである。
【0057】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。まず、測定方法について説明する。 (1)沸騰水収縮率:周枠0.8mのラップリールで、
初荷重1/10(g/d)で20回巻きのカセを作る。
ラップリールからカセを取り外し、24時間放置後、表
示デシテックスの1/30gの初荷重をかけ、30秒後
のカセの長さL0を測定する。カセをガーゼに包み30
分間沸騰水中に処理する。処理したカセを取り出し脱水
後12時間以上放置する。放置後カセを表示デシテック
スの1/30gの初荷重をかけL1を測定する。下記式
1より沸騰水収縮率を求める。
【0058】 沸騰水収縮率(%)=(L0−L1)/L0×110 ………式1 (2)捲縮率(K1):周枠0.8mのラップリール
で、初荷重1/10(g/d)で20回巻きのカセを作
る。ラップリールからカセを取り外し、24時間放置す
る。0.1g/dの荷重と0.002g/dの初荷重を
かけ、2分後に長さL2を測定する。続いて0.1g/
dの荷重を取り除き、2分後に長さL3を測定する。下
記式2より捲縮率(K1)を測定する。
【0059】 捲縮率(%)=(L2−L3)/L2×110 ………式2 (3)捲縮率(K2):周枠0.8mのラップリール
で、初荷重1/10(g/d)で20回巻きのカセを作
る。ラップリールからカセを取り外し、24時間放置す
る。カセ160℃の乾燥機(恒温機;ヤマト科学株式会
社製constant temperature ov
en DN810)に入れ3分間処理する。カセを取り
出し、0.1g/dの荷重と0.002g/dの初荷重
をかけ、2分後に長さL4を測定する。続いて0.1g
/dの荷重を取り除き、2分後に長さL5を測定する。
下記式3より捲縮率(K2)を測定する。
【0060】 捲縮率(%)=(L4−L5)/L4×110 ………式3 (4)捲縮嵩高度(S):前記捲縮率(K1)と捲縮率
(K2)から、下記式4より捲縮嵩高度を求める 捲縮嵩高度=K2/K1 ………式4 (5)伸縮復元率(CR):周枠0.8mのラップリー
ルで、初荷重1/10(g/d)で20回巻きのカセを
作る。ラップリールからカセを取り外し、24時間放置
する。カセをガーゼに包み20分間90℃で処理する。
カセを取り出し、24時間乾燥後、水槽を用意し、水中
で0.1g/dの荷重と0.002g/dの初荷重をか
け、2分後に長さL6を測定する。続いて0.1g/d
の荷重を取り除き、2分後に長さL7を測定する。下記
式5より伸縮復元率を測定する。
【0061】 伸縮復元率(%)=(L2−L3)/L2×110 ………式5 (6)断面変形:任意の個所10ヶ所の断面写真を撮
り、断面形状が加工前の原料とは変形している部分が1
ヶ所でもあれば断面が変形しているとする。 (7)太部:任意の箇所10ヶ所の断面写真を撮り、断
面積が一番小さいフィラメントに対し1.05倍以上の
断面積を有するフィラメントがあればそれを太部とす
る。 (8)潜在嵩高度(H):ポリエステル複合仮撚糸に
0.1g/dの荷重を掛け、任意の箇所10cmの範囲
で選択し、拡大鏡を用い、仮撚複合糸の熱処理前(沸騰
水処理前)におけるフィラメントの巾の最大値(h1)
を測定する。
【0062】その後、試料をガーゼに包み沸騰水処理を
20分実施した後、乾燥後160℃の乾熱処理3分間実
施する。試料を取り出した後、同様に0.1g/dの荷
重を掛けて、上記選択した10cmの範囲においてフィ
ラメントの巾の最大値(h2)を測定する。上述の巾h
1と巾h2の測定についての概念を示した概略モデル図
をそれぞれ第5図の(1)、(2)に示した。
【0063】この測定を10回実施し、その平均値をと
る。
【0064】そして、下記式6より潜在嵩高度(H)を
求める。
【0065】 潜在嵩高度(H)=処理後のフィラメントの巾(h2)mm/処理前フィラ メントの巾(h1)mm ………式6 (9)糸長差:任意の箇所の試料10mを取り、ポリエ
ステルマルチフィラメント糸Aとポリエステルマルチフ
ィラメント糸Bとの糸長の差を測定し、本発明において
は、特にその差が3%以下であれば実質的に糸長差がな
いとするものである。 実施例1 ポリエステル複合糸を図4に示す加工方法により製造し
た。ポリエステルマルチフィラメント糸Aとして、熱収
縮特性の異なる2成分の合成重合体として、0.45の
低粘度のポリエステル成分と、他方を0.75の高粘度
のポリエステル成分とする組合せのポリエステル重合体
であるコンジュゲートマルチフィラメント糸(84デシ
テックス、12フィラメント)を、ポリエステルマルチ
フィラメント糸Bとして紡速3500m/minのポリ
エステルマルチフィラメント未延伸糸(95デシテック
ス、24フィラメント)を用い、引き揃えてインターレ
ースノズルを用いてエアー圧3kg/cm2 で交絡した
後、延伸倍率1.1倍、常温(約25℃)で同時仮撚を
実施し、その後ヒーター温度200℃で保持率0.5%
で熱処理をして巻き取った。ヒーターは非接触型を用い
た。
【0066】得られた複合糸を撚糸数1500T/mの
撚糸とし、経密度120本/inch、緯密度76本/
inchで組織経二重織りで製織した。次いで、常法に
よりアルカリ減量5重量%のアルカリ処理を実施し、染
色仕上げを実施したところ、軽量、嵩高、ソフト、反撥
感があり、十分なストレッチ性のある素材が得られた。
【0067】加工条件と結果をまとめて表1に示す。 実施例2 ポリエステル複合糸を図4に示す加工方法により製造し
た。ポリエステルマルチフィラメント糸Aとして、熱収
縮特性の異なる2成分の合成重合体として、0.45の
低粘度のポリエステル成分と、他方を0.75の高粘度
のポリエステル成分とする組合せのポリエステル重合体
であるコンジュゲートマルチフィラメント糸(84デシ
テックス、12フィラメント)を、ポリエステルマルチ
フィラメント糸Bとして紡速3200m/minのポリ
エステルマルチフィラメント未延伸糸(140デシテッ
クス、36フィラメント)を用い、引き揃えてインター
レースノズルでエアー圧3kg/cm2 で交絡した後、
延伸倍率1.07倍、ヒーター温度90℃で同時仮撚を
実施し、その後保持率1.5%、非接触型ヒーター温度
180℃で熱処理を実施し、得られた複合糸を撚糸数1
200T/mで撚糸を実施し、経密度126本/inc
h、緯密度86本/inchで組織経二重織りで製織
し、減量なしで染色仕上げを実施したところ、実施例1
と同様に軽量、嵩高、ソフト、反撥感があり、十分なス
トレッチ性のある素材が得られた。
【0068】加工条件と結果をまとめて表1に示す。 比較例1 ポリエステル複合糸を図4に示す加工方法により製造し
た。ポリエステルマルチフィラメント糸Aとして、熱収
縮特性の異なる2成分の合成重合体として、0.45の
低粘度のポリエステル成分と、他方を0.75の高粘度
のポリエステル成分とする組合せのポリエステル重合体
であるコンジュゲートマルチフィラメント糸(84デシ
テックス、12フィラメント)を、ポリエステルマルチ
フィラメント糸Bとして紡速3500m/minのポリ
エステルマルチフィラメント未延伸糸(95デシテック
ス、24フィラメント)を用い、引き揃えてインターレ
ースノズルでエアー圧4kg/cm2 で交絡した後、延
伸倍率1.04倍、ヒーター温度200℃で同時仮撚を
実施し、得られた複合糸を撚糸数1500T/mの撚糸
を実施し、経密度108本/inch、緯密度70本/
inchで組織経二重織りで製織し、減量25%実施
し、染色仕上げを実施したところ、適度な反撥感とドレ
ープ性はあるがストレッチ性に乏しく、硬く、重い素材
となった。
【0069】加工条件と結果を後にまとめて表1に示
す。 比較例2 ポリエステル複合糸を図4に示す加工方法により製造し
た。ポリエステルマルチフィラメント糸Aとして、通常
のレギュラーマルチフィラメント糸(84デシテックス
36フィラメント)を、ポリエステルマルチフィラメン
ト糸Bとして紡速3500m/minのポリエステルマ
ルチフィラメント未延伸糸(95デシテックス、24フ
ィラメント)を用い、引き揃えてインターレースノズル
でエアー圧4kg/cm2 で交絡した後、延伸倍率1.
04倍、ヒーター温度180℃で同時仮撚を実施し、そ
の後ヒーター温度200℃で保持率0.5%で熱処理を
して巻き取った。ヒーターは非接触型を用いた。得られ
た複合糸を撚糸数1500T/mで撚糸を実施し、経密
度108本/inch、緯密度70本/inchで組織
経二重織りで製織し、減量25%実施し、染色仕上げを
実施したところ、適度な反撥感とドレープ性、ソフト感
はあるがストレッチ性がなく嵩高性に乏しく、重い素材
となった。
【0070】加工条件と結果をまとめて表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】かかる表1から明らかなとおり、実施例
1、2は、ストレッチ性に優れ、十分な嵩高感、軽量感
のある織物が得られた。また、アルカリ減量率が0〜5
重量%であっても良好な織物が得られた。
【0073】これに対して、比較例1のものは、仮撚温
度が通常の200℃であったので、捲縮率K1が高く、
捲縮嵩高度も小さくなり、また、潜在嵩高度も小さく嵩
高性、軽量感が乏しくなった。また、アルカリ減量を通
常のポリエステルの場合の25重量%行ってもとくに軽
量感に乏しいものとなった。
【0074】また、比較例2のものは、比較的低い温度
で仮撚を行ったが、コンジュゲート糸を使用しなかった
ため、ストレッチ性がなく、嵩高性、軽量感に乏しいも
のとなった。
【0075】
【発明の効果】以上説明したとおりの本発明によれば、
ストレッチ性に優れ、十分な嵩高性、軽量感のある素材
であり、また、アルカリ減量する必要がないか低減量に
することができるポリエステル複合仮撚糸とその製造方
法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリエステル複合仮撚糸の一実施
例として、該ポリエステル複合仮撚糸1の外観をモデル
的に示した外観概略図である。
【図2】乾熱処理(160℃)した後の嵩高性を発現さ
せた本発明に係るポリエステル複合仮撚糸の外観モデル
概略図である。
【図3】従来の複合仮撚による仮撚2層構造糸の代表的
な外観図である。
【図4】本発明に係るポリエステル複合仮撚糸の製造方
法の一実施例を示す工程概略図である。
【図5】本発明において、潜在嵩高度(H)を測定する
ためのフィラメント間の巾h1と巾h2の測定について
の概念を示した概略モデル図である。
【符号の説明】
1:複合仮撚糸 2:非交絡部 3:交絡部 4:本発明の乾熱(160℃)で処理した後の複合糸 5:従来の2層構造複合仮撚糸 6:ポリエステルマルチフィラメント糸A 7:ポリエステルマルチフィラメント糸B 8、10、13、15:ニップローラー 9:エアー交絡ノズル 11:仮撚ヒーター 12:仮撚ツイスター 14:熱処理機 16:巻き取り装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L002 AA07 AB02 AB04 AC01 EA06 FA01 4L036 MA05 MA15 MA26 MA33 MA39 PA05 PA14 PA17 PA33 PA42 PA46 RA03 RA04 UA01 4L048 AA20 AA27 AB21 AC12 BA09 CA04 DA01 EB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともA、B2種以上のポリエステル
    フィラメント糸からなり、熱収縮特性の相違する少なく
    とも2成分の合成重合体からなる複合繊維からなるポリ
    エステルマルチフィラメント糸Aと、複屈折率0.02
    〜0.08の高配向未延伸ポリエステルマルチフィラメ
    ント糸Bとを、110℃以下で仮撚加工後、熱処理を施
    された複合仮撚糸であり、伸縮復元率(CR)が15〜
    30%であり、かつ、下記(1)〜(3)を満足するこ
    とを特徴とするポリエステル複合仮撚糸。 (1)K1≦2% (2)15≦K2≦40 (3)S≧15 (ここで、K1:複合仮撚糸の捲縮率(%)、 K2:複合仮撚糸の乾熱処理(160℃×3分)後の捲
    縮率(%)、 捲縮嵩高度S:S=K2/K1 である。)
  2. 【請求項2】前記複合仮撚糸が、実質的に糸長差を有さ
    ないことを特徴とする請求項1記載のポリエステル複合
    仮撚糸。
  3. 【請求項3】複合仮撚加工糸の沸騰水収縮率が10%以
    下であり、該沸騰水処理後、乾熱処理した後の潜在嵩高
    度Hが、H≧2であることを特徴とする請求項1または
    2記載のポリエステル複合仮撚加工糸。(潜在嵩高度H
    は、沸騰水処理前における複合仮撚糸のフィラメント間
    の巾をh1、沸騰水処理後乾熱処理した後の複合仮撚糸
    のフィラメント間の巾をh2としたとき、H=h2/h
    1で求める値である。)
  4. 【請求項4】熱収縮特性の相違する少なくとも2成分の
    合成重合体からなる複合繊維からなるポリエステルマル
    チフィラメント糸Aと、紡糸速度2500〜4000m
    /minの高速紡糸により得られた高配向未延伸ポリエ
    ステルマルチフィラメント糸Bとを引き揃え、両糸を混
    繊交絡処理した後、仮撚温度を110℃以下の温度でか
    つ延伸倍率1.2倍以下の条件で同時仮撚加工を行い、
    いったん10%以上の糸長差を発現させ、さらにヒータ
    ー温度140℃以上で熱処理を行い、実質的に糸長差の
    ない複合加工糸とすることを特徴とするポリエステル複
    合仮撚加工糸の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
    テル複合仮撚加工糸をタテ糸および/またはヨコ糸に使
    用してなることを特徴とするストレッチ性を有する織
    物。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載のポリエス
    テル複合仮撚加工糸を編糸に使用してなることを特徴と
    するストレッチ性を有する編物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014144072A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Teikoku Sen I Co Ltd 消防用ホース
JP2015117448A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 ユニチカトレーディング株式会社 ポリエステル複合仮撚糸及びその製造方法
JP2017214698A (ja) * 2017-09-19 2017-12-07 ユニチカトレーディング株式会社 ポリエステル複合仮撚糸及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014144072A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Teikoku Sen I Co Ltd 消防用ホース
JP2015117448A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 ユニチカトレーディング株式会社 ポリエステル複合仮撚糸及びその製造方法
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