JP2020119906A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

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JP2020119906A JP2020074858A JP2020074858A JP2020119906A JP 2020119906 A JP2020119906 A JP 2020119906A JP 2020074858 A JP2020074858 A JP 2020074858A JP 2020074858 A JP2020074858 A JP 2020074858A JP 2020119906 A JP2020119906 A JP 2020119906A
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Shunpei Yamazaki
舜平 山崎
哲平 小國
Teppei Kokuni
哲平 小國
亮太 田島
Ryota Tajima
亮太 田島
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Abstract

【課題】充放電容量が大きく、急速充放電が可能であり、また充放電による電池特性の劣化が少ないリチウムイオン二次電池用負極の提供。【解決手段】集電体と、負極活物質層102と、を有し、集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部101bと、複数の突起部101bと接続する基礎部101aと、を有し、突起部101b及び基礎部101aは、チタンを含む共通の材料からなり、突起部101bの少なくとも側面は負極活物質層102に覆われており、負極活物質層102は、突起部101bと負極活物質層102とが接する面から負極活物質層102の表面にかけて、シリコン層102a_1、102a_2、102a_3と酸化シリコン層102b_1、102b_2とが交互に複数積層された構造でなる負極100である。【選択図】図3

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極及びその製造方法、並びにリチウムイオン二次
電池に関する。
近年、環境技術の高まりにより、従来の発電方式よりも環境への負荷が小さい発電装置(
例えば、太陽光発電)の開発が盛んに行われている。そして発電技術の開発と並行して、
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、空気電池等の蓄電装置の開発も進
められている。
特にリチウムイオン二次電池は、携帯電話やスマートフォン、ノート型パーソナルコンピ
ュータ等の携帯情報端末、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ等の電子機器、あるいは医
療機器、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、又はプラグインハイブリッド
車(PHEV)等の次世代クリーンエネルギー自動車など、半導体産業の発展と併せて急
速にその需要が拡大し、充電可能なエネルギーの供給源として現代の情報化社会に不可欠
なものとなっている。特に電気自動車や冷蔵庫等の家電を用途とする場合には、より高容
量・高出力の電池が望まれる。
リチウムイオン二次電池に用いられる負極(リチウムイオン二次電池用負極)は、集電体
の表面に活物質を含む層(以下、活物質層という。)を形成することにより製造される。
従来、負極活物質としては、キャリアとなるイオン(以下、キャリアイオンという。)の
吸蔵及び放出が可能な材料であるグラファイト(黒鉛)が用いられてきた。すなわち、負
極活物質であるグラファイトと、導電助剤としてカーボンブラックと、結着剤としての樹
脂を混練してスラリーを形成し、集電体上に塗布し、乾燥させることで負極を製造してい
た。
これに対して、負極活物質にシリコンや、ボロン又はリンがドープされたシリコンを用い
た場合には、炭素(黒鉛)負極の理論容量372mAh/gに対してシリコン負極の理論
容量は4200mAh/gと飛躍的に大きい。このため、蓄電装置の大容量化という点に
おいて最適な材料であり、高容量化を目的として負極活物質にシリコンを用いたリチウム
イオン二次電池の開発が今日盛んに行われている。
しかしながら、負極活物質にシリコンが用いられた負極は、キャリアイオンの吸蔵量が増
えると、充放電サイクルにおけるキャリアイオンの吸蔵放出に伴う体積の変化が大きく、
集電体とシリコンとの密着性が低下し、充放電により電池特性が劣化してしまう。さらに
、場合によってはシリコンが変壊し、剥脱や微粉化することで電池としての機能を維持す
ることができなくなるという重大な課題を有する。
そこで、例えば特許文献1では、表面の粗い銅箔等からなる集電体上に、負極活物質とし
て微結晶又は非晶質のシリコンからなる層を柱状又は粉末状に形成し、当該シリコンから
なる層上にシリコンよりも電気伝導性の高い黒鉛等の炭素材料からなる層を設けている。
これによって、シリコンからなる層が剥離しても黒鉛等の炭素材料からなる層を介して集
電することができるため、電池特性の劣化が低減される。
特開2001−283834号公報
しかしながら、特許文献1において、負極活物質層が柱状又は粉末状のいずれの場合にお
いても、当該文献に記載の10サイクルを超えて充放電を繰り返す場合には、キャリアイ
オンが負極活物質に吸蔵及び脱離される以上、体積膨張及び収縮は避けることができない
。このため、負極活物質の変壊を防ぐことはできず、電池としての信頼性を維持すること
は困難である。
特に、負極活物質であるシリコンを柱状の構造体として用いた場合、充放電の繰り返しに
より柱状の構造体は集電体から滑落してしまい、サイクル数の増加により充放電容量及び
放電速度が著しく低下するおそれがある。これは、柱状構造体の場合には、柱状構造の全
体が膨張及び収縮することに加えて、集電体と柱状構造体とが接する部分が柱状構造体の
底面に限られることに起因する。このため、特許文献1においては活物質であるシリコン
が集電体から剥離することを前提とした上で、黒鉛からなる層での集電を図っている。こ
のため、当該構成はサイクル特性の観点で信頼性の確保に問題がある。
加えて、集電体上に設けられたシリコンからなる層を黒鉛からなる層で覆う場合、黒鉛か
らなる層の厚さがサブミクロンからミクロンと厚くなるためにキャリアイオンの移動が阻
害される。また、活物質層は黒鉛、これは容量がシリコンより小さいが、を多く含むこと
になるため、活物質層に含まれるシリコン含有割合が低減してしまう。これらの結果、リ
チウムイオン二次電池の急速充放電特性が落ち、且つ充放電容量が低下する。
また、特許文献1に記載の活物質の柱状構造体は、集電体の粗い表面上にその底部のみを
密着させて設けられているため、集電体と活物質との接着強度が極めて弱い。このため、
シリコンの膨張収縮によって、柱状構造体は容易に集電体から剥離してしまう。
そこで、本発明の一態様は、充放電容量が大きいリチウムイオン二次電池用負極を提供す
ることを課題の一とする。
また、本発明の一態様は、急速充放電が可能なリチウムイオン二次電池用負極を提供する
ことを課題の一とする。
また、本発明の一態様は、充放電による電池特性の劣化が少なく信頼性の高いリチウムイ
オン二次電池用負極を提供することを課題の一とする。
また、本発明の一態様は、上記のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を提供するこ
とを課題の一とする。
本発明の一態様は、集電体と、負極活物質層と、を有し、集電体は、実質的に垂直方向に
延びた複数の突起部と、複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、突起部及び基礎部は
、チタンを含む共通の材料からなり、突起部の少なくとも側面は、負極活物質層に覆われ
ており、負極活物質層は、シリコン層と酸化シリコン層とが交互に複数積層された層であ
るリチウムイオン二次電池用負極である。
また、本発明の一態様は、集電体と、負極活物質層と、を有し、集電体は、実質的に垂直
方向に延びた複数の突起部と、複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、突起部及び基
礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、突起部の少なくとも側面は、負極活物質層に
覆われており、負極活物質層は、シリコンと弾性を有する樹脂材料との混合物でなるリチ
ウムイオン二次電池用負極である。
負極集電体において、基礎部は突起部に対して極めて厚く、基礎部が電極端子としての機
能を有する。一方で、複数の突起部は基礎部の表面に形成され、負極集電体の表面積を増
大させる機能を有するとともに、負極活物質層の芯として機能する。複数の突起部は、基
礎部の表面に対して実質的に垂直方向に延びている。ここで「実質的に」とは、基礎部の
表面と突起部の長手方向における中心軸とのなす角が90°であることが好ましいが、負
極集電体の製造工程における水平だしの誤差や、突起部の製造工程における工程ばらつき
、充放電の繰り返しによる変形等による垂直方向からの若干の逸脱を許容することを趣旨
とした語句である。具体的には、基礎部の表面と突起部の長手方向における中心軸とのな
す角が90°±10°以下であれば良く、好ましくは90°±5°以下である。なお、複
数の突起部が基礎部から延びている方向を長手方向と呼ぶ。
負極集電体の材料としては、特にチタンを用いることが好ましい。チタンは鋼鉄以上の強
度を有する一方で、質量は鋼鉄の半分以下であり非常に軽い。また、チタンはアルミニウ
ムの約2倍の強度を有し、他の金属よりも金属疲労が生じにくい。このため、軽量な電池
の形成が実現できるとともに、繰り返しの応力に強い負極活物質層の芯として機能させる
ことができ、シリコンの膨張収縮による劣化や崩壊を抑制することができる。さらに、チ
タンはドライエッチングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペクト比の突起部を
集電体表面に形成することが可能である。
負極活物質にはシリコンを用い、当該シリコンは、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多
結晶シリコン又はこれらの組み合わせとすることができる。これらシリコンには、リンま
たはボロン等の導電性を付与する不純物を添加してもよい。
また、本発明の一態様は、チタンを含む集電体材料上にフォトレジストパターンを形成す
る第1の工程と、フォトレジストパターンをマスクにして集電体材料をエッチングして、
複数の突起部、および複数の突起部と接続する基礎部を有する集電体を形成する第2の工
程と、突起部の上面及び側面、並びに前記基礎部の上面にシリコンを含む堆積性気体を用
いてシリコン層を形成する第3の工程と、シリコン層を異方性エッチングして、基礎部上
のシリコン層を部分的に除去する第4の工程と、を含み、第3の工程において、酸化性気
体の瞬間的な導入を複数回行うリチウムイオン二次電池用負極の製造方法である。
負極集電体は、基礎部、及び基礎部から突出する複数の突起部を有する。また、複数の突
起部は実質的に垂直方向に延びているため、電極において突起部の密度を高めることが可
能であり、表面積を増加させることができる。従って、充放電容量の大きなリチウムイオ
ン二次電池の製造が可能である。
また、複数の突起部の間には隙間が設けられているため、充電により活物質が膨張しても
、突起(活物質層が側面に存在している突起部)同士の接触を低減することが可能である
とともに、活物質が剥離しても、活物質の崩落を防ぐことができる。特に突起部にチタン
を用いると、機械的強度の高い負極活物質層の芯として機能するため、膨張収縮によるシ
リコンのサイクル劣化を抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る負極は、負極活物質層中に負極活物質であるシリコンのキャ
リアイオンの挿入脱離に伴う膨張収縮を抑制することができる。このため、充放電の繰り
返しによる負極活物質のひび割れや剥離を抑制し、負極活物質層のサイクル劣化の抑制に
対して著しい効果を奏する。
また、複数の突起部は並進対称性を有し、負極において均一に形成されているため、正極
及び負極においての局所的な反応が低減し、キャリアイオン及び活物質の反応が正極及び
負極の間で均質に生じる。
以上のことから、当該負極をリチウムイオン二次電池に用いた場合、高速な充放電が可能
となると共に、充放電による活物質の崩壊及び剥離を抑制できる。すなわち、高充放電サ
イクル特性がさらに向上するとともに信頼性の高いリチウムイオン二次電池を製造するこ
とができる。
本発明の一態様により、充放電容量が大きいリチウムイオン二次電池用負極を提供するこ
とができる。
また、本発明の一態様により、急速充放電が可能なリチウムイオン二次電池用負極を提供
することができる。
また、本発明の一態様により、充放電による電池特性の劣化が少なく信頼性の高いリチウ
ムイオン二次電池用負極を提供することができる。
また、本発明の一態様により、上記のリチウムイオン二次電池用負極の製造方法を提供す
ることができる。
負極を説明する図。 負極を説明する図。 負極を説明する図。 負極集電体の突起部の形状を説明する図。 負極集電体を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極の製造方法を説明する図。 負極を説明する図。 電気泳動法及び電気化学還元法を説明する図。 正極を説明する図。 正極を説明する図。 セパレータレスのリチウムイオン二次電池を説明する図。 コイン形のリチウムイオン二次電池を説明する図。 円筒型のリチウムイオン二次電池を説明する図。 電子機器を説明する図。 電子機器を説明する図。 電子機器を説明する図。
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下、詳細に説明する。ただし、本発明はこ
れらの説明に限定されず、その形態及び態様を様々に変更し得ることは、当業者であれば
容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈さ
れるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、膜や層、基板などの厚さや領域の大きさ等の各
構成要素の大きさは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、
必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに
限定されない。
なお、本明細書等において、第1、第2などとして付される序数詞は、便宜上用いるもの
であって工程の順番や積層の順番などを示すものではない。また、本明細書等において発
明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
なお、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部
分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また
、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さ
ない場合がある。
なお、本明細書等において、蓄電装置用の正極及び負極の双方を併せて電極とよぶことが
あるが、この場合、電極は正極及び負極のうち少なくともいずれか一方を示すものとする
(実施の形態1)
本実施の形態では、充放電による劣化が少なく、高充放電サイクル特性を有するリチウム
イオン二次電池用負極の構造及びその製造方法について、図1乃至図14を用いて説明す
る。
ここで、キャリアイオンとしてリチウムイオンを用いる二次電池をリチウムイオン二次電
池という。また、リチウムイオンの代わりに用いることが可能なキャリアイオンとしては
、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、カルシウム、ストロンチウム、バリウ
ム、ベリリウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属イオンがある。
(負極の構造)
図1(A)は、負極集電体の表面部分を拡大して模式的に示した断面図である。負極集電
体101は、複数の突起部101bと、複数の突起部101bのそれぞれが共通して接続
する基礎部101aを有する。このため、負極集電体101は、あたかも生け花で用いる
剣山(Kenzan:Spiky Frog)のような構造をしている。図においては基
礎部101aを薄く記載しているが、一般に突起部101bに対して基礎部101aは極
めて厚い。
複数の突起部101bは、基礎部101aの表面に対して実質的に垂直方向に延びている
。ここで「実質的に垂直方向」とは、基礎部101aの表面と突起部101bの長手方向
における中心軸とのなす角が90°であることが好ましいが、負極集電体101の製造工
程における水平だしの誤差や、突起部101bの製造工程における工程ばらつき、充放電
の繰り返しによる変形等による垂直方向からの若干の逸脱を許容することを趣旨とした語
句である。具体的には、基礎部101aの表面と突起部101bの長手方向における中心
軸とのなす角が90°±10°以下であれば良く、好ましくは90°±5°以下である。
なお、複数の突起部101bが基礎部101aから延びている方向を長手方向と呼ぶ。
負極集電体101は、一般的に厚さ3〜100μmで用いられ、バッテリ内で化学的変化
を引き起こさずに高い導電性を示す限り、特別な制限はない。例えば、ステンレス、金、
白金、銅、鉄、チタン等の金属、これらの合金、焼結した炭素を用いることができる。そ
れら銅またはステンレス鋼を炭素、ニッケル、チタン等で被覆してもよい。シリサイドを
形成する金属を用いてもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素として
は、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリ
ブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。
特に、負極集電体101の材料として、チタンを用いることが好ましい。チタンは鋼鉄以
上の強度を有する一方で、質量は鋼鉄の半分以下であり非常に軽い。また、チタンはアル
ミニウムよりも約2倍の強度を有し、他の金属よりも金属疲労が生じにくい。このため、
軽量な電池の形成が実現できるとともに、繰り返しの応力に強い負極活物質層102の芯
として機能させることができ、シリコンの膨張収縮による劣化や崩壊を抑制することがで
きる。さらに、チタンはドライエッチングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペ
クト比の突起部101bを集電体表面に形成することが可能である。
負極集電体101は、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質構造および不織布を包
含する様々な形態で形成することができる。また形状として箔状、板状(シート状)、網
状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等を適宜用いることができる。網状等の
開口を有する形状の集電体材料を用いた場合には、次に形成する突起部101bは開口部
を除いた集電体材料の表面部分に形成する。さらに、活物質層との密着性を上げるなどの
ために負極集電体101は表面に細かい凹凸を有していてもよい。
図1(B)は、負極集電体101上に負極活物質層102が形成された負極100の断面
図である。負極活物質層102は、突起部101bが設けられていない基礎部101aの
上面、突起部101bの側面及び上面、すなわち露出した負極集電体101の表面を覆っ
て設けられている。
なお、活物質とは、キャリアイオンの吸蔵及び放出に関わる物質を指す。活物質層は、活
物質の他に、導電助剤、バインダ、グラフェン等のいずれか一以上を有してもよい。よっ
て、活物質と活物質層は区別される。
負極活物質層102としては、キャリアであるイオンの吸蔵放出が可能なシリコン、ゲル
マニウム、スズ、アルミニウム等のいずれか一以上を用いる。なお、充放電理論容量が高
いため、負極活物質層102としてシリコンを用いることが好ましい。シリコンを負極活
物質として用いた場合、現状用いられている黒鉛と比較して理論吸蔵容量が大きいため、
リチウムイオン二次電池の高容量化や小型化を実現することができる。
負極活物質層102にシリコンを用いる場合には、当該シリコンは、非晶質(アモルファ
ス)シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン又はこれらの組み合わせを用いることが
できる。
複数の結晶性のシリコンを組み合わせて用いる例として、突起部101b上に多結晶シリ
コン膜を形成し、さらに多結晶シリコン膜上に非晶質シリコン膜を形成し、多結晶シリコ
ン膜と非晶質シリコン膜との二層によって負極活物質層102を構成することができる。
この場合、内側の多結晶シリコン膜により高い導電性を確保し、その周囲の非晶質シリコ
ン膜によりキャリアイオンの吸蔵を行うことができる。また、負極活物質層102を二層
構造とせず、集電体(突起部101b)に接する内側を多結晶シリコンとし、集電体(突
起部101b)の外側に向かって非晶質シリコンとなるように連続的に結晶性が変化する
構造を採ることもできる。この場合においても、二層構造と同様の効果を得ることができ
る。
また、負極活物質層102に用いられるシリコンには、弾性を有する樹脂材料を含ませる
ことで、負極活物質層102の弾性率を低下させることが好ましい。負極活物質層102
の弾性率を低下させることにより、負極活物質層102の膨張収縮による劣化や崩壊を抑
制することができる。
弾性を有する樹脂材料としては、例えば、合成ゴムなどが挙げられる。
また、弾性を有する樹脂材料として、公知のバインダを用いてもよい。
この場合、負極活物質層102は、例えば、シリコンの粒子及びバインダとしてPVDF
(ポリフッ化ビニリデン)を含むスラリーから形成することができる。当該スラリーを、
基礎部101aと突起部101bとが一体となった負極集電体101上に塗布して、乾燥
させることにより負極活物質層102を形成することができる。
具体的には、液状のシクロペンタシランを用い、公知のバインダとしてPVDFを含むス
ラリーを形成する。シクロペンタシランとPVDFとの配合比は、PVDFを50wt%
未満とすることが好ましい。そして、当該スラリーを、基礎部101aと突起部101b
とが一体となった負極集電体101上に塗布する。その後、紫外線を照射することにより
、シクロペンタシランから水素を脱離させることにより、シリコンと弾性を有する樹脂材
料とを含む負極活物質層102を形成することができる。
また、複数の結晶性のシリコンを組み合わせて用いる他の例として、突起部101b上の
負極活物質層102に非晶質シリコンを用い、基礎部101a上の負極活物質層102に
多結晶シリコンを用いることができる。
また、負極活物質層102にリン、ボロン等の一導電型を付与する不純物元素が添加され
たシリコンを用いてもよい。リン、ボロン等の一導電型を付与する不純物元素が添加され
たシリコンは、導電性が高くなるため、負極100の導電率を高めることができる。
基礎部101aは、リチウムイオン二次電池の端子として機能するとともに、複数の突起
部101bの下地として機能する。基礎部101aと複数の突起部101bとは同一の部
材からなり、基礎部101aと突起部101bとは物理的に連続している。このため、突
起部101bと基礎部101aとの接続部は一体であるから強固に結合しており、基礎部
101a及び突起部101b上に設けられる負極活物質層102の膨張、収縮により特に
応力が集中する接続部においても該応力に耐える強度を有する。従って、突起部101b
は負極活物質層102の芯として機能することができる。
特に、図2(A)に示すように、突起部101bは基礎部101aとの接続部近傍(部分
104)において、内側に凸の曲率を有する形状であることが好ましい。つまり、突起部
101bの根元を湾曲させて基礎部101aの表面と突起部101bの側面とを、角部を
持たない滑らかな曲面とすることで、一点に応力が集中することを防止し、突起部101
bを構造上強固な突起とすることができる。
また、図2(A)に示すように、突起部101bの側面と上面との境界部分103に丸み
を帯びさせることで端部への応力集中を緩和し、負極100上方からの圧力に対して機械
的強度を持たせることができる。
また、負極集電体101は、基礎部101aから複数の突起部101bが突出しているた
め、板状の集電体を用いる場合に比べて集電体を覆う負極活物質層102の表面積が広い
。また、複数の突起部101bは、延伸する方向が揃っており、さらに基礎部101aに
対して垂直方向に突出しているため、負極100において突起部101bの密度を高める
ことが可能であり、表面積を増加させることができる。
また、複数の突起部101bの間には隙間が設けられており、リチウムイオンの挿入によ
り活物質が膨張しても、突起部101bを被覆する活物質同士の接触を低減することが可
能である。
また、本実施の形態において、複数の突起部101bは並進対称性を有し、負極100に
おいて均一性高く形成されているため、負極100を用いた電池では、正極及び負極にお
いての局所的な反応が低減し、キャリアイオン及び活物質の反応が正極及び負極の間で均
質に生じる。これらのため、負極100を用いたリチウムイオン二次電池は高速な充放電
が可能となると共に、充放電による活物質の崩壊及び剥離を抑制でき、サイクル特性がさ
らに向上したリチウムイオン二次電池を製造することができる。
さらには、突起部101bの形状を概略同形とすることができるため、局所的な充放電を
低減すると共に、活物質の重量を制御することが可能である。また、突起部101bの高
さが揃っていると、電池の製造工程時において局所的な荷重を防ぐことが可能であり、歩
留まりを高めることができる。これらのため、電池の仕様を制御しやすい。
なお、図2(B)及び(C)に示すように、負極活物質層102を突起部101bの側面
に形成し、突起部101bの上面に設けず、基礎部101aの上面を一部露出させる構成
とすることもできる。また、図示しないが、負極活物質層102を突起部101bの側面
及び上面にのみ形成する構成とすることもできる。これらの場合は、負極活物質層102
の表面積が減るため放電容量が下がるというデメリットを有するが、突起部101bの側
面に形成した負極活物質の膨張が突起部101bの根元で抑制されないため、クラックの
発生や変壊を低減することができる。その結果、リチウムイオン二次電池の信頼性を向上
させることができる。また、突起部101bの上面を露出させた場合には、負極活物質層
102で覆うことにより損なうおそれのある突起部101b上面の平坦面を維持すること
ができる。
負極活物質層102を突起部101bの側面にのみ設ける場合、図2(B)に示すように
、突起部101bの側面全面に設けることもでき、図2(C)に示すように、突起部10
1bの側面一部を露出させることもできる。前者の場合には、後者に比べより負極活物質
層102の表面積を増大させることができるため、放電容量を増加させることができる。
一方後者の場合には、例えば突起部101bの側面の上部を露出させることにより、負極
活物質層102のキャリアイオンの吸蔵時における上方向への膨張を許容する間隔を設け
ることができる。
また、負極活物質層102を、突起部101bと負極活物質層102とが接する面から負
極活物質層102の表面にかけて、複数種の層が交互に積層された構造とすることもでき
る。上記構造の例について図3を用いて説明する。
図3(A)は、負極集電体101上に負極活物質層102が形成された負極100の断面
図であり、図3(B)は、図3(A)における線分X−Yの断面図である。
図3(A)及び図3(B)に示す負極100は、図2(B)と同様に負極活物質層102
を突起部101bの側面に形成し、突起部101bの上面に設けず、基礎部101aの上
面を一部露出させる構成である。なお、図3(A)及び図3(B)では、便宜のため突起
部101bを少なくしているが、これに限定されず、例えば図2(B)の負極100と、
突起部101bの数を同じ又はそれよりも多くしてもよい。
さらに、図3(A)及び図3(B)に示す負極100は、負極集電体101の突起部10
1bと負極活物質層102とが接する面から負極活物質層102の表面にかけて、シリコ
ン層102aと酸化シリコン層102bが交互に複数積層されている。なお、図3(A)
及び図3(B)では、シリコン層102a_1、酸化シリコン層102b_1、シリコン
層102a_2、酸化シリコン層102b_2、シリコン層102a_3が順に積層して
いる例について示している。
シリコン層102a(図3(A)及び図3(B)ではシリコン層102a_1乃至102
a_3)は、図2(A)に示す負極活物質層102としての機能を有する。なお、シリコ
ン層102aと同じ機能を有するのであれば他の材料の層を用いてもよい。
酸化シリコン層102bは、キャリアイオンの挿入脱離を行うことができる機能を有する
。酸化シリコン層102b(図3(A)及び図3(B)では酸化シリコン層102b_1
及び102b_2)は、シリコン層102aよりもキャリアイオンによる膨張収縮が小さ
い層である。酸化シリコン層102bは、キャリアイオンの挿入脱離に伴うシリコン層1
02aの膨張収縮を抑制する層としての機能を有する。
なお、酸化シリコン層102bは、シリコン層102aよりも薄いことが好ましい。酸化
シリコン層102bを限りなく薄く設けることにより、キャリアイオンの挿入脱離に対す
る影響を抑制できる。なお、酸化シリコン層102bと同じ機能を有するのであれば他の
材料の層を用いてもよい。
図3(A)及び図3(B)に示す構造では、酸化シリコン層102bにより、負極活物質
であるシリコンのキャリアイオンの挿入脱離に伴う膨張収縮を抑制することができる。
なお、酸化シリコン層102bとシリコン層102aの積層数は特に限定されない。例え
ば、上記積層数を多くすることにより、上記キャリアイオンの挿入脱離に伴う負極活物質
層102の膨張収縮の抑制効果を高めることができる。積層数は、酸化シリコン層102
bとシリコン層102aとの総数が10層以上、好ましくは100層以上とするとよい。
次に、本実施の形態に示す突起部101bの形状について、図4を用いて説明する。突起
部101bには図4(A)に示す円柱状の突起110を用いることができる。円柱状の突
起110は基礎部101aに平行な断面形状が円であるため、全方向からの応力を等方的
に受けることができ、均質な負極となる。図4(B)及び(C)は同様に円柱状であり、
柱が内側に凹んでいる場合の突起111と外側に突出している場合の突起112を示して
いる。これらの形状は、図4(A)に示す単純な円柱状の突起と比較して、突起に付加さ
れる応力をその形状によって制御できるため、適切な構造設計を施すことにより、機械的
強度をさらに向上させることができる。図4(D)に示す突起113は図4(A)の円柱
(突起110)の上面を湾曲させた構造である。突起113は、図4(A)に示す円柱状
の突起110に対し、上面の端部にかかる応力を緩和することができることに加え、突起
113上の負極活物質層の被覆性を向上させることができる。図4(E)に示す突起11
4は円錐状であり、図4(F)に示す突起115はこの頂部を湾曲させた突起である。ま
た、図4(G)に示す突起116は、円錐状であり、頂部に平坦面を設けた突起である。
突起114、115及び116で示すように、その形状を円錐状とすることで、特に負極
集電体の基礎部との接続面積を増やし、応力耐性を強化することができる。図4(H)に
示す突起117は、板状の突起である。図4(I)に示す突起118は、パイプ状の突起
である。突起部101bの形状を内部に空洞を有するパイプ状とすることで、空洞内にも
負極活物質を配置することができ、負極100の放電容量を増加させることができる。
以上の突起110乃至118を突起部101bに適用する場合、基礎部101aとの接続
部近傍(部分104)において、図2(A)に示すように、内側に凸の曲率を有する形状
であることが好ましい。突起部101bの根元を湾曲させて基礎部101aの表面と突起
部101bの側面とを、角部を持たない滑らかな曲面とすることで、一点に応力が集中す
ることを防止し、突起部101bを構造上強固な突起とすることができる。
以上に示した突起部101bの形状は一例であって、本実施の形態に示す突起部101b
の形状はこれら突起110乃至118の形状に限られない。突起部101bはこれらの形
状の要素の組み合わせであっても良く、これらの形状の変形であっても良い。また、複数
の突起部101bとして、突起110乃至118のうちから複数の突起を選択して形成し
ても良い。
特に、突起110、111、112、116、117、118はいずれも頂部に平坦面を
有しているため、後述するスペーサを突起の上方に形成する場合には、平坦面によってス
ペーサを支持することができるため、セパレータレスの構成に適した構造である。なお、
図1(A)においては、突起部101bとして円柱状の突起110を用いて示す。
また、頂部に平坦面を有する突起においては、平坦面の形状は突起110、111、11
2、116で示される円状、突起117で示される矩形状、突起118で示されるドーナ
ツ状に限られず、楕円状、多角形状、その他平坦面が形成可能な任意の形状とすることが
できる。
本実施の形態に示す負極集電体の上面形状について、図5を用いて説明する。
図5(A)は、基礎部101aと、基礎部101aから突出する複数の突起部101bの
上面図である。ここでは、上面形状が円形である複数の突起部101bが配置されている
。図5(B)は、図5(A)を方向aに移動したときの上面図である。図5(A)及び図
5(B)おいて、複数の突起部101bの位置が同一である。また、ここでは、図5(A
)において、方向aに移動したが、方向b、方向cにそれぞれ移動しても、図5(B)と
同様の配置となる。すなわち、図5(A)に示す複数の突起部101bの断面が並ぶ平面
座標において、複数の突起部101bの配置は並進操作において対称である並進対称性を
有する。
また、図5(C)は、基礎部101aと、基礎部101aから突出する複数の突起部10
1b、101cの上面図である。ここでは、上面形状が円形である突起部101bと、上
面形状が正方形である突起部101cが交互に配置されている。図5(D)は、突起部1
01b、突起部101cを方向cに移動したときの上面図である。図5(C)及び図5(
D)の上面図において、突起部101b、突起部101cの配置が同一である。すなわち
、図5(C)に示す複数の突起部101b、突起部101cは並進対称性を有する。
このように、複数の突起部を並進対称に配置することで、複数の突起部間での電子伝導性
のばらつきを低減することができる。このため、正極及び負極においての局所的な反応が
低減され、キャリアイオン及び活物質の反応が均質に生じ、拡散過電圧(濃度過電圧)を
防ぐと共に、電池特性の信頼性を高めることができる。
複数の突起部101bについて、断面形状における幅(直径)は、50nm以上5μm以
下である。また、複数の突起部101bの高さは、1μm以上100μm以下である。従
って突起部101bのアスペクト比(縦横比)は、0.2以上2000以下である。
ここで、突起部101bにおける「高さ」とは、突起部101bの長手方向の断面におい
て、突起部101bの頂点(または上面)から基礎部101aの表面まで垂直に下ろした
線分の長さをいう。なお、基礎部101aと突起部101bとの界面は必ずしも明確では
ない。後述するように、同一の集電体材料から基礎部101aと突起部101bを形成す
るためである。このため、集電体の基礎部101aと突起部101bとの接続部において
、基礎部101aの上面と同一平面上にある集電体(突起部101b)中の面を、基礎部
101aと突起部101bとの界面として定義する。ここで、基礎部101aの上面には
、基礎部101aと突起部101bとの界面は除かれる。また、基礎部101aの上面が
粗い場合には、その平均粗さの位置をもって基礎部101aの上面とする。
また、一の突起部101bと、隣り合う他の突起部101bとの間隔は、突起部101b
上に形成する負極活物質層102の膜厚の3〜5倍とすることが好ましい。突起部101
b同士の間隔を負極活物質層102の膜厚の2倍とすると、負極活物質層102の形成後
の突起部101bの間に隙間がなくなる一方で、間隔を5倍以上とすると、露出する基礎
部101aの面積が増大し、突起部101bを形成して負極100の表面積を増大させる
効果が薄れるためである。
負極活物質層102の膜厚は、50nm以上5μm以下とすることが好ましい。この膜厚
の範囲は突起部101bの直径の設計マージンと同程度である。膜厚を50nm以上とす
ることで充放電容量を高めることが可能であり、5μm以下とすることで、充放電におい
て負極活物質層102が膨張収縮しても、崩壊することを防ぐことができる。
これらの結果、負極100を用いたリチウムイオン二次電池では、充電により突起部10
1bの体積が膨張しても、突起部101b同士が接触せず、突起部101bの崩壊を妨げ
ることができると共に、リチウムイオン二次電池の充放電容量の低下を妨げることができ
る。
(負極の製造方法1)
次に、図1(B)に示す負極100の製造方法について、図6を用いて説明する。
図6(A)に示すように、集電体材料121上にエッチング工程におけるマスクとなるフ
ォトレジストパターン120を形成する。
集電体材料121は、厚さ3〜100μmで用いられ、バッテリ内で化学的変化を引き起
こさずに高い導電性を示す限り、特別な制限はない。例えば、ステンレス、金、白金、銅
、鉄、チタン等の金属、これらの合金、焼結した炭素を用いることができる。それら銅ま
たはステンレス鋼を炭素、ニッケル、チタン等で被覆してもよい。シリサイドを形成する
金属を用いてもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素としては、ジル
コニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、
タングステン、コバルト、ニッケル等がある。なお、集電体材料121として、シリコン
、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加さ
れた合金を用いることが好ましい。
特に、集電体材料121として、チタンを用いることが好ましい。チタンは鋼鉄以上の強
度を有する一方で、質量は鋼鉄の半分以下であり非常に軽い。また、チタンはアルミニウ
ムよりも約2倍の強度を有し、他の金属よりも金属疲労が生じにくい。このため、軽量な
電池の形成が実現できるとともに、負極活物質層102の芯として機能することで、シリ
コンの膨張収縮による劣化や崩壊を抑制することができる。さらに、チタンはドライエッ
チングの加工に非常に適した材料であり、高いアスペクト比の突起部101bを集電体表
面に形成することが可能である。
集電体材料121は、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質構造および不織布を包
含する様々な形態で形成することができる。また形状として箔状、板状(シート状)、網
状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等を適宜用いることができる。網状等の
開口を有する形状の集電体材料121を用いた場合には、次に形成する突起部101bは
開口部を除いた集電体材料121の表面部分に形成される。さらに、活物質層との密着性
を上げるなどのために負極集電体101は表面に細かい凹凸を有していてもよい。
フォトレジストパターン120は、フォトリソグラフィ工程で露光及び現像することによ
って所望の形状に形成することができる。また、フォトレジストパターン120はフォト
リソグラフィの他、インクジェット法、印刷法等を用いて形成することもできる。
次に、フォトレジストパターン120を用いて、集電体材料121を選択的にエッチング
し、図6(B)に示すように、基礎部101a及び複数の突起部101bを有する負極集
電体101を形成する。集電体材料121のエッチング方法としては、ドライエッチング
法、ウエットエッチング法を適宜用いることができる。特にアスペクト比の高い突起部1
01bを形成する場合には、ドライエッチング法を用いることが好ましい。
例えば、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型
プラズマ)装置を用い、エッチングガスとしてBClとClの混合ガスを用いて、集
電体材料121をエッチングすることで、基礎部101a及び複数の突起部101bを有
する負極集電体101を形成することができる。また、エッチングガスの流量比は適宜調
整すればよいが、エッチングガスの流量比の一例として、BClとClそれぞれの流
量比を3:1とすることができる。
また、フォトレジストパターン120の初期形状や、エッチング時間、エッチングガス種
、印加バイアス、チャンバー内圧力、基板温度等のエッチング条件を適宜調整することに
よって、突起部101bを任意の形状とすることができる。
本実施の形態に示すように、フォトレジストパターン120をマスクとして用いて集電体
材料121をエッチングすることで、長手方向に実質的に垂直に延びた複数の突起部10
1bを形成することができる。また、形状が略一致している均質な突起部101bを複数
形成することができる。
形成した突起部101b以外の残存した集電体材料121は基礎部101aとなる。基礎
部101aの表面は平坦であっても良いが、エッチング工程によって粗い表面となった場
合には、この後に形成する負極活物質層102の表面積の増加となるため、電池容量の増
大に寄与する。
エッチング工程により突起部101bを形成した後、マスクとして用いたフォトレジスト
パターン120をフォトレジスト剥離工程において除去する。
次に、負極集電体101上に負極活物質層102を形成する。図6(C)に示すように、
負極活物質層102は、負極集電体101の露出する表面を覆うことが好ましい。すなわ
ち、突起部101bの側面、上面、及び突起部101bが形成されていない基礎部101
aの上面が負極活物質層102によって覆われるように形成する。
負極活物質層102としてシリコンを用いる場合、プラズマCVD(Chemical
Vapor Deposition)法若しくは熱CVD法に代表される化学蒸着法、又
はスパッタリング法に代表される物理蒸着法を用いて形成することができる。シリコンは
、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン又はこれらの組み合わせとすること
ができる。なお、シリコンは、リンが添加されたn型シリコン、ボロンが添加されたp型
シリコンとしてもよい。
なお、この後、負極活物質層102に対しICP装置等を用いて異方性エッチングを行い
、一部の負極活物質層102を除去することで、図2(B)又は(C)に示すような、突
起部101bの側面にのみ負極活物質層102を設けた負極100を製造することができ
る。突起部101bの上面の露出とともに当該エッチングを終了する場合には、図2(B
)に示すような突起部101bの側面全体に負極活物質層102が残る形状とすることが
できる。一方、突起部101bの上面の露出後さらにエッチングを行う場合には、突起部
101bの側面の一部が露出する図2(C)のような形状とすることができる。
(負極の製造方法2)
次に、図3(A)及び図3(B)に示す負極100の製造方法について、図7乃至図10
を用いて説明する。なお、上記負極の製造方法1と同じ内容については負極の製造方法1
の説明を適宜援用する。
まず、図7(A)に示すように、集電体材料121上にエッチング工程におけるマスクと
なるフォトレジストパターン120を形成する。
集電体材料121としては、負極の製造方法1で示した材料と同じ材料を適用できる。
また、負極の製造方法1で示した材料及び方法と同じ材料及び方法を用いてフォトレジス
トパターン120を形成できる。
次に、フォトレジストパターン120を用いて、集電体材料121を選択的にエッチング
し、図7(B)に示すように、基礎部101a及び複数の突起部101bを有する負極集
電体101を形成する。その後マスクとして用いたフォトレジストパターン120をフォ
トレジスト剥離工程において除去する。
例えば、負極の製造方法1で示したエッチング方法と同じ方法を用いて集電体材料121
をエッチングし、負極集電体101を形成できる。また、負極の製造方法1で示したフォ
トレジスト剥離工程と同じ工程によりフォトレジストパターン120を除去できる。
次に、負極集電体101上に負極活物質層102を形成する。
まず、図8(A)に示すように、負極集電体101の上にシリコン層102a_1を形成
する。
例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法若
しくは熱CVD法に代表される化学蒸着法、又はスパッタリング法に代表される物理蒸着
法を用いてシリコン層102a_1を形成できる。
次に、図8(B)に示すように、シリコン層102a_1上に酸化シリコン層102b_
1を形成する。
例えば、CVD法を用いて酸化シリコン膜を成膜することにより、酸化シリコン層102
b_1を形成できる。例えば、シリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用いて酸化シ
リコン膜を成膜することができる。堆積性気体としては、例えばシラン、ジシラン、トリ
シラン、フッ化シランなどを用いてもよい。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化
二窒素、二酸化窒素、乾燥空気などを用いてもよい。このとき、バルブなどを用いて成膜
室に酸化性気体が瞬間的に供給されるように制御することが好ましい。成膜室に酸化性気
体を瞬間的に供給することにより、シリコン層102a_1の表面に薄い酸化シリコン膜
を成膜できる。
次に、図9(A)に示すように、酸化シリコン層102b_1の上にシリコン層102a
_2を形成する。さらに、図9(B)に示すように、シリコン層102a_2の上に酸化
シリコン層102b_2を形成する。さらに、図10(A)に示すように、シリコン層1
02a_3を形成する。
シリコン層102a_2及びシリコン層102a_3は、シリコン層102a_1と同じ
材料及び方法を用いて形成できる。また、酸化シリコン層102b_2は、酸化シリコン
層102b_1と同じ材料及び方法を用いて形成できる。
次に、シリコン層102a_1、酸化シリコン層102b_1、シリコン層102a_2
、酸化シリコン層102b_2、及びシリコン層102a_3の積層に対しICP装置等
を用いて異方性エッチングを行い、上記積層の一部を除去することで、図10(B)に示
すように、突起部101bの側面にシリコン層102a_1、酸化シリコン層102b_
1、シリコン層102a_2、酸化シリコン層102b_2、及びシリコン層102a_
3が設けられた負極100を製造することができる。このとき、突起部101bの上面の
露出とともに当該エッチングを終了することにより、図10(B)に示すような突起部1
01bの側面全体に負極活物質層102が残る形状とすることができる。
以上のように、シリコンの成膜中に酸化性気体の瞬間的な導入を複数回行い複数の酸化シ
リコン層を形成することにより、より薄い酸化シリコン層を形成できる。なお、ここでは
、酸化性気体の瞬間的な導入を2回を行う場合について説明したが、これに限定されない
。例えば、酸化性気体の瞬間的な導入を10回繰り返してもよい。このとき、10層の酸
化シリコン層が形成される。また、例えば100層以上の酸化シリコン層を形成する場合
、酸化性気体の瞬間的な導入を100回以上繰り返してもよい。
(負極の製造方法3)
次に、図1(B)に示す負極100の製造方法について、負極の製造方法1とは異なる負
極の製造方法を図11(A)乃至(D)を用いて説明する。本製造方法では負極の製造方
法1と比べ、保護層を形成しエッチングの際のハードマスクとして用いる点で異なる。
まず、負極の製造方法1で示したものと同等の集電体材料121上に保護層122を成膜
する(図11(A)参照)。保護層122は、CVD法、スパッタリング法、蒸着法、め
っき法等により形成することができる。保護層122の厚さは100nm以上10μm以
下が好ましい。保護層122はエッチング工程におけるハードマスクとして機能させるた
め、集電体材料121のエッチングの際に用いるガス種に対して高い非エッチング耐性を
有する材料であることが好ましい。例えば保護層122の材料として、窒化珪素膜、酸化
珪素膜、酸窒化珪素膜等の絶縁体を用いることができる。これら絶縁体を保護層122と
して用いることで、フォトレジストよりも高いエッチング選択性を得ることができる。そ
の他、リチウムと合金化する材料を選択する場合には、保護層122は負極活物質層10
2の一部として利用することができ、リチウムイオン二次電池の高容量化に寄与する。ま
た電気伝導性の高い材料を選択する場合には、保護層122は負極集電体の突起部101
bの一部として機能させることができる。ただし電池の初回充電時にリチウムイオンと反
応して不可逆容量を形成する材料は、保護層122として選択すべきではない。
次に、図11(A)に示すように、保護層122上にフォトレジストパターン120を形
成する。負極の製造方法1とは異なり、フォトレジストパターン120は保護層122を
パターニング加工するために用いる。ドライエッチング法又はウエットエッチング法によ
って、フォトレジストパターン120をマスクに保護層122を所望のパターンに加工す
る(図11(B)参照)。
フォトレジストパターン120を薬液により剥離除去した後、図11(C)に示すように
、個々のパターンに分離された保護層122をハードマスクとして集電体材料121を選
択的にエッチングする。このエッチング工程により、負極集電体101における突起部1
01b及び基礎部101aが形成される。
その後、図11(D)に示すように、突起部101bの設けられていない基礎部101a
の表面、突起部101bの側面、及び保護層122の側面及び上面を覆うように、負極活
物質層102を形成する。負極の製造方法1で示した方法と同様に行えば良い。
以上の製造方法により、突起部101bの直上に保護層122を有する負極100を形成
することができる。なお、本製造方法においては保護層122のパターン加工後に、集電
体材料121をエッチングする前にフォトレジストパターン120を除去したが、フォト
レジストパターン120の除去は集電体材料121のエッチング後に行っても良い。
突起部101bの高さが高い場合、すなわちエッチング時間が長い場合、フォトレジスト
パターン120のみをマスクとするとエッチング工程においてマスクの厚さが徐々に薄く
なり、一部のマスクが除去され、集電体材料121の表面が露出されてしまう。この結果
、突起部101bの高さにばらつきが生じてしまう。しかし、分離された保護層122を
ハードマスクとして用いることで、集電体材料121の露出を妨げることが可能であり、
突起部101bの高さのばらつきを低減することができる。
突起部101b直上の保護層122は、導電性材料であれば負極集電体101の一部とし
て機能することができる。また、リチウムと合金化する材料であれば、負極活物質層10
2の一部として機能することも可能である。
また、突起部101b直上の保護層122は、負極活物質層102の表面積を増加させる
ことにも寄与する。特に、突起部101bの高さが高い場合には、エッチングに要する時
間が長く、さらには製造可能な高さには限界がある。そこで、保護層122を厚く形成す
ることで基礎部101a上の突起部101bを長くすることができ、その結果電池の放電
容量を増加させることができる。集電体材料121からなる突起部101bの高さと保護
層122の高さ(膜厚)との比率は、膜厚やエッチング条件の制御により任意に調整する
ことができる。このような比率の自由な設計によって、様々な効果を得ることができる。
例えば保護層122と突起部101bの側面は、材料が異なり、また異なるエッチング工
程により処理されているため、必ずしも形状が一致しない。このことを利用して、突起部
101bの形状を任意に設計することができる。また、保護層122と突起部101bと
の界面位置を設計することで、機械的強度の高い突起構造体を形成することが可能である
(負極の製造方法4)
負極の製造方法1及び2では、フォトレジストパターンの形成にフォトリソグラフィ技術
を用いて負極を製造したが、本製造方法においてはこれと異なる方法により図1(B)に
示す負極100を製造する。本製造方法は、図12(A)乃至(D)を用いて説明する。
本製造方法においては、ナノインプリント法(ナノインプリントリソグラフィ)を用いて
負極集電体を製造する。
ナノインプリント法は1995年にプリンストン大学のStephen.Y.Chouら
によって提案された微細配線加工技術であり、コスト高な露光装置を用いずに安価に10
nm程度の解像度の微細加工が可能である点で注目されている。ナノインプリント法には
、熱ナノインプリント法と光ナノインプリント法とがある。熱ナノインプリント法では熱
加塑性のある固体樹脂を用い、光ナノインプリント法では光硬化性のある液体樹脂を用い
る。
図12(A)に示すように、負極の製造方法1で示したものと同等の集電体材料121上
に樹脂124を塗布形成する。樹脂124は、上述の熱ナノインプリント法の場合には熱
可塑性樹脂を用い、光ナノインプリント法の場合には紫外線で硬化する光硬化性樹脂を用
いる。熱可塑性樹脂としては、例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)などを用いる
ことができる。この集電体材料121上に形成した樹脂124にモールド123を押しつ
けて、樹脂124を所望のパターンに加工する。モールド123は熱酸化珪素膜等の上に
レジストを塗布し、レジストを電子ビームにより直接描画することでパターニングし、こ
れをマスクとしてエッチング加工したものを用いることができる。
熱ナノインプリント法の場合、モールド123の押しつけの前に、熱可塑性樹脂を加熱し
て軟化させておく。モールド123を樹脂124に接触させて加圧することで樹脂124
を変形させ、加圧した状態で冷却することで樹脂124を硬化させてモールド123の凹
凸を樹脂124に転写する(図12(B)参照)。
一方、光ナノインプリント法の場合には、モールド123を樹脂124に接触させて樹脂
124を変形させ、この状態で紫外線を照射して樹脂124を硬化させる。その後モール
ド123を引き離すことで、モールド123の凹凸を樹脂124に転写することできる(
図12(B)参照)。
熱ナノプリント法又は光ナノインプリント法のいずれの方法においても、モールド123
を加圧しているため、樹脂124が押しつけたモールド123の下に残存する場合があり
、変形加工された樹脂124の凹部の底に残膜が生じ得る。このため、酸素ガスを用いた
異方性エッチング(RIE)を樹脂124の表面に施し、残膜を除去する工程を行う。以
上の工程によって、エッチング工程におけるマスクとして機能する分離した樹脂124が
形成される。
この後、負極の製造方法1と同様の方法により、樹脂124をマスクとして集電体材料1
21をエッチングし、複数の突起部101b及び基礎部101aを形成する(図12(C
)参照)。さらに、負極集電体101を覆って負極活物質層102を形成する(図12(
D))。
以上により、フォトリソグラフィ技術を用いずに微細構造を有する負極集電体101を製
造することができる。特に本製造方法においては、高価な露光装置やフォトマスクを用い
ることがないため、安価に負極100を製造することができる。また、集電体材料121
としてシート状の材料を用いることができ、Roll to Roll法で製造すること
ができるため、本製造方法は負極の大量生産に適している。
(負極の製造方法5)
本製造方法においては、負極の製造方法1乃至4に記載の方法と異なる方法により図1(
B)に示す負極100を製造する。本製造方法について、図13(A)乃至(C)を用い
て説明する。本製造方法は、集電体材料の表面に突起部を形成した後、該材料とは異なる
導電材料からなる導電層で被覆して負極集電体を製造する。
まず図13(A)に示すように、負極の製造方法1乃至4で説明した方法等により集電体
材料125に突起部101bを形成する。またプレス加工によって突起部101bを成形
しても良い。図13(B)に示すように、突起部101bはこの後さらに導電層126に
より被覆されるため、被覆する導電層126の膜厚を考慮した径とすべきである。
本製造方法において集電体材料125には、負極活物質層102の芯として機能すること
が困難な材料であっても、導電層126を被覆するため選択することができる点において
利点がある。例えば、銅やアルミニウムは電気伝導度が高く、また金属加工に適している
。このためプレス加工による突起部101bの形成も可能である。しかし、延性及び展性
が大きいため、負極活物質層102の芯として構造的な強度が十分に高いとはいえない。
またアルミニウムは表面に絶縁体である不動態皮膜を形成するため、アルミニウム表面に
直接活物質を接触させても電極反応は生じない。このため、これらの集電体材料125上
に導電層126を別途形成することで、上記課題を解決することができる。
また、集電体材料125が負極活物質層102の芯として機能することが可能な材料であ
っても、さらに硬度の高い材料からなる導電層126を被覆することで、機械的強度を一
層強化することができる。
図13(B)に示すように、突起部101bを形成した集電体材料125の表面を覆って
導電層126を形成する。これによって、突起部101b及び基礎部101aを有する負
極集電体101が形成される。
導電層126は、リチウムと合金化しない導電性材料を用いることができる。例えば、ス
テンレス、金、白金、銀、亜鉛、鉄、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル等に代表され
る金属、及びこれらの合金を用いることができる。
導電層126はめっき法、スパッタリング法、蒸着法、MOCVD法(有機金属気相成長
法:Metal Organic Chemical Vapor Depositio
n)等によって形成することができる。
その後、図13(C)に示すように、導電層126上に負極活物質層102を既述の方法
により形成し、負極100を製造する。
本製造方法によって、例えば銅からなる集電体材料125に、スパッタリング法によって
チタンからなる導電層126を成膜することより、強度の高い突起部101bを形成する
ことができる。このため、リチウムイオンの挿入脱離によるシリコン(負極活物質)の膨
張収縮に対しても、突起部101bは芯として十分機能することができるため、負極の信
頼性を向上させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した負極において、負極活物質層上にグラフェン
を設ける形態について、図14(A)乃至(C)を用いて説明する。
(グラフェンを用いた負極の構造)
グラフェンとは、sp結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいう。グラフ
ェンは化学的に安定であり、また電気特性が良好であるため、トランジスタのチャネル領
域、ビア、配線等、半導体装置への応用が期待され、近年盛んに研究されている。本実施
の形態においては、このグラフェンを実施の形態1で説明した負極に用いる。
図14(A)は、実施の形態1における負極の製造方法1又は3で示した方法等により製
造した負極100にグラフェン127を適用した例である。グラフェン127は、負極集
電体101の基礎部101a及び突起部101b上に形成された負極活物質層102を覆
うように形成される。グラフェン127は負極活物質層102の表面を完全に覆っても良
く、部分的に覆っても良い。例えば突起部側面の負極活物質層102のみをグラフェン1
27で被覆しても良い。また、グラフェンは炭素分子のシートであるが、負極活物質層1
02を隙間無く被覆しても良いし、所々に隙間を残した斑状に被覆しても良い。
図14(B)は、実施の形態1における負極の製造方法2で示した方法等により製造した
負極100にグラフェン127を適用した例である。突起部101bの先端に保護層12
2がある点を除いて、図14(A)と同様である。
図14(C)は、実施の形態1における負極の製造方法4で示した方法等により製造した
負極100にグラフェン127を適用した例である。突起部101bが集電体材料125
と導電層126からなる点を除いて、図14(A)と同様である。
グラフェン127は、導電助剤として機能する。また、グラフェン127は、活物質とし
て機能する場合もある。
グラフェン127は、単層グラフェンまたは多層グラフェンを含む。グラフェン127は
、長さが数μmのシート状である。
単層グラフェンは、sp結合を有する1原子層の炭素分子のシートのことをいい、極め
て厚さが薄い。また、炭素で構成される六員環が平面方向に広がっており、一部に、七員
環、八員環、九員環、十員環等の、六員環の一部の炭素−炭素結合が切断された多員環が
形成される。
なお、多員環は、炭素及び酸素で構成される場合がある。または、炭素で構成される多員
環の炭素に酸素が結合する場合がある。このような多員環は、六員環の一部の炭素−炭素
結合が切断され、結合が切断された炭素に酸素が結合して形成される。このため、当該炭
素及び酸素の結合の内部には、イオンの移動が可能な通路として機能する間隙を有する。
すなわち、グラフェンに含まれる酸素の割合が多いほど、イオンの移動が可能な通路であ
る間隙の割合が増加する。
なお、グラフェン127に酸素が含まれる場合、酸素の割合は、XPSで測定した場合に
グラフェン全体の2atomic%以上11atomic%以下、好ましくは3atom
ic%以上10atomic%以下である。酸素の割合が低い程、グラフェンの導電性を
高めることができる。また、酸素の割合を高める程、グラフェンにおいてイオンの通路と
なる間隙をより多く形成することができる。
グラフェン127が多層グラフェンの場合、複数の単層グラフェンで構成され、代表的に
は、単層グラフェンが2層以上100層以下で構成されるため、極めて厚さが薄い。単層
グラフェンが酸素を有することで、グラフェン127の層間距離は0.34nmより大き
く0.5nm以下、好ましくは0.38nm以上0.42nm以下、さらに好ましくは0
.39nm以上0.41nm以下となる。通常のグラファイトは、単層グラフェンの層間
距離が0.34nmであり、グラフェン127の方が層間距離が長いため、単層グラフェ
ンの表面と平行な方向におけるイオンの移動が容易となる。また、グラフェン127は、
酸素を含み、多員環が構成される単層グラフェンまたは多層グラフェンで構成され、所々
に間隙を有する。このため、グラフェン127が多層グラフェンの場合、単層グラフェン
の表面と平行な方向、すなわち単層グラフェン同士の隙間と共に、グラフェンの表面に対
する垂直方向、すなわち単層グラフェンそれぞれに設けられる間隙をイオンが移動するこ
とが可能である。
また、負極活物質層102が基礎部101aから突出した複数の突起部101bを覆って
いるため、板状(薄膜状)の活物質に比べて表面積が広い。また、複数の突起部101b
の長手方向が揃っており、基礎部101aに対して垂直方向に突出しているため、負極1
00において突起部101bの密度を高めることが可能であり、表面積をより増加させる
ことができる。また、複数の突起部101bの間には隙間が設けられており、さらに、負
極活物質層102上にグラフェン127が設けられているため、充電により負極活物質が
膨張しても、突起(負極活物質層102が形成された突起部101b)同士の接触を低減
することが可能である。さらに、負極活物質が剥離してもグラフェン127により、負極
活物質の崩落を防ぐことができる。また、複数の突起部101bは並進対称性を有し、負
極100において均一性高く形成されているため、負極100を用いた電池では、正極及
び負極においての局所的な反応が低減し、キャリアイオン及び活物質の反応が正極と負極
の間で均一に生じる。これらのため、負極100をリチウムイオン二次電池に用いた場合
、高速な充放電が可能となると共に、充放電による活物質の崩壊及び剥離を抑制でき、サ
イクル特性がさらに向上したリチウムイオン二次電池を製造することができる。さらには
、突起の形状を概略同形のものとすることができるため、局所的な充放電を低減すると共
に、活物質の重量を制御することが可能である。また、突起の高さが揃っていると、電池
の製造工程時において局所的な荷重を防ぐことが可能であり、歩留まりを高めることがで
きる。これらのため、電池の仕様を制御しやすい。
また、リチウムイオン二次電池において、負極活物質層102表面が電解液と接触するこ
とにより、電解液及び活物質が反応し、活物質の表面に皮膜が形成される。当該皮膜はS
olid Electrolyte Interfaceと呼ばれることがあり、負極活
物質と電解液との反応を緩和し、安定化させるために必要であると考えられている。しか
しながら、当該皮膜が厚くなると、キャリアイオンが負極活物質に吸蔵されにくくなり、
負極活物質と電解液間のキャリアイオン伝導性の低下、電解液の消耗などの問題が生じる
本実施の形態においては、負極活物質層102をグラフェン127で被覆する。
グラフェンは導電性が高いため、グラフェンよりも導電性の低いシリコンをグラフェンで
被覆することで、グラフェンにおいて電子の移動を十分速くすることができる。また、グ
ラフェンは厚さの薄いシート状であるため、複数の突起上にグラフェンを設けることで、
活物質層に含まれる活物質量をより多くすることが可能であると共に、キャリアイオンの
移動がグラファイトと比較して容易となる。これらの結果、キャリアイオンの伝導性を高
めることができ、負極活物質であるシリコン及びキャリアイオンの反応性を高めることが
可能であり、キャリアイオンが負極活物質に吸蔵されやすくなる。このため、当該負極を
用いたリチウムイオン二次電池において、急速充放電が可能である。
なお、負極活物質層102とグラフェン127との間に、酸化シリコン層を有してもよい
。負極活物質層102上に酸化シリコン層を設けることで、リチウムイオン二次電池の充
電時に酸化シリコン中にキャリアであるイオンが挿入される。この結果、LiSiO
、NaSiO、KSiO等のアルカリ金属シリケート、CaSiO、Sr
SiO、BaSiO等のアルカリ土類金属シリケート、BeSiO、Mg
iO等のシリケート化合物が形成される。これらのシリケート化合物は、キャリアイオ
ンの移動パスとして機能する。また、酸化シリコン層を有することで、負極活物質層10
2の膨張を抑制することができる。これらのため、充放電容量を維持しつつ、負極活物質
層102の崩壊を抑えることができる。なお、充電の後、放電しても、酸化シリコン層に
おいて形成されたシリケート化合物から、キャリアイオンとなる金属イオンは全て放出さ
れず、一部残存するため、酸化シリコン層は、酸化シリコン及びシリケート化合物の混合
層となる。
当該酸化シリコン層の厚さは、2nm以上10nm以下とすることが好ましい。酸化シリ
コン層の厚さを2nm以上とすることで、充放電による負極活物質層102の膨張及び収
縮を緩和することができる。また、酸化シリコン層の厚さ10nm以下であると、キャリ
アとなるイオンの移動が容易であり、放電容量の低下を妨げることができる。酸化シリコ
ン層を負極活物質層102上に設けることで、充放電における負極活物質層102の膨張
及び収縮を緩和し、負極活物質層102の崩壊を抑制することができる。
(グラフェンを用いた負極の製造方法1)
次に、負極100の製造方法について図14を用いて説明する。実施の形態1に示すよう
に、基礎部101a及び複数の突起部101bからなる負極集電体101上に負極活物質
層102を被覆した後、負極活物質層102上にグラフェン127を形成することで、図
14(A)乃至(C)に示すように、負極100を製造することができる。ここで、図1
4(A)の構造は、図6(C)又は図12(D)に、図14(B)の構造は図11(D)
に、図14(C)の構造は、図13(C)にそれぞれ対応する。
グラフェン127の形成方法としては、負極活物質層102上にニッケル、鉄、金、銅ま
たはそれらを含む合金を核として形成した後、メタンまたはアセチレン等の炭化水素を含
む雰囲気で核からグラフェンを成長させる気相法がある。また、酸化グラフェンを含む分
散液を用いて、負極活物質層102の表面に酸化グラフェンを設けた後、酸化グラフェン
を還元し、グラフェンとする液相法がある。
酸化グラフェンを含む分散液は、酸化グラフェンを溶媒に分散させる方法、溶媒中でグラ
ファイトを酸化した後、酸化グラファイトを酸化グラフェンに分離して、酸化グラフェン
を含む分散液を形成する方法等により得ることができる。ここでは、グラファイトを酸化
した後、酸化グラファイトを酸化グラフェンに分離して形成した酸化グラフェンを含む分
散液を用いて、負極活物質層102上にグラフェン127を形成する方法について、説明
する。
本製造方法では、Hummers法と呼ばれる酸化法を用いて酸化グラフェンを形成する
。Hummers法は、グラファイト粉末に過マンガン酸カリウムの硫酸溶液等を加えて
酸化反応させて酸化グラファイトを含む混合液を形成する。酸化グラファイトは、グラフ
ァイトの炭素の酸化により、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基等の官能基を有する。このため、複数のグラフェンの層間距離がグラファイトと比較し
て長い。次に、酸化グラファイトを含む混合液に超音波振動を加えることで、層間距離の
長い酸化グラファイトを劈開し、酸化グラフェンを分離することができると共に、酸化グ
ラフェンを含む分散液を形成することができる。なお、Hummers法以外の酸化グラ
フェンの形成方法を適宜用いることができる。
なお、酸化グラフェンは、エポキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基
等を有する。これらの置換基は極性が高いため、極性を有する液体中において、異なる酸
化グラフェン同士は分散しやすく、特に、カルボニル基を有する酸化グラフェンは極性を
有する液体中において水素が電離するため、酸化グラフェンはイオン化し、異なる酸化グ
ラフェン同士がより分散しやすい。このため、極性を有する液体においては、均一に酸化
グラフェンが分散する。
酸化グラフェンを含む分散液に負極活物質層102を浸し、負極活物質層102上に酸化
グラフェンを設ける方法としては、塗布法、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、
電気泳動法等がある。また、これらの方法を複数組み合わせてもよい。電気泳動法につい
ては、グラフェンを用いた負極の製造方法2において詳説する。
負極活物質層102上に設けられた酸化グラフェンを還元する方法としては、真空中、空
気中あるいは不活性ガス(窒素あるいは希ガス等)中等の雰囲気で、150℃以上、好ま
しくは300℃以上の温度で、かつ負極活物質層102が耐えうる温度以下で加熱する。
加熱する温度が高い程、また、加熱する時間が長いほど、酸化グラフェンが還元されやす
く、純度の高い(すなわち、炭素以外の元素の濃度の低い)グラフェンが得られる。ただ
し、加熱する温度は酸化グラフェンと被形成物との反応性も考慮して決定されるべきであ
る。なお、酸化グラフェンは150℃で還元されることが知られている。また、還元性溶
液に浸し、酸化グラフェンを還元する方法がある。
また、加熱する温度が高いほど、また、加熱する時間が長いほど、欠陥の修復も進み、導
電性が向上する。本発明者の測定では、例えば、ガラス基板上の酸化グラフェンを加熱し
てグラフェンに還元したところ、加熱温度100℃(1時間)ではグラフェンの抵抗率は
、240MΩcm程度であるが、加熱温度200℃(1時間)では4kΩcmとなり、3
00℃(1時間)では2.8Ωcmとなった。なお、いずれの抵抗率もvan der
Pauw法によって測定した8試料の平均値である。
なお、Hummers法では、グラファイトを過マンガン酸カリウムの硫酸溶液で処理す
るため、酸化グラフェンはスルホン基等の官能基も結合しているが、官能基の脱離(分解
)は、200℃以上300℃以下、好ましくは200℃以上250℃以下で行われる。し
たがって、加熱により酸化グラファイトを還元する方法において、酸化グラフェンの還元
処理を200℃以上で行うことが好ましい。
グラフェンは、還元処理の温度により、上述のように導電性が変化するが、それ以外にも
柔軟性や強度等も変化する。還元処理の温度は、必要とする導電性、柔軟性、強度等を考
慮して決定すればよい。
上記還元処理において、形成された酸化グラフェンはグラフェンとなる。その際グラフェ
ンは、隣接するグラフェン同士が結合し、より巨大な網目状あるいはシート状のネットワ
ークを形成する。また、当該還元処理において、酸素の脱離により、グラフェン内には間
隙が形成される。さらには、グラフェン同士が基体の表面に対して、平行に重なり合う。
この結果、グラフェンの層間及びグラフェン内の間隙においてキャリアイオンの移動が可
能なグラフェンが形成される。
本負極の製造方法により、図14(A)乃至(C)に示す負極100を形成することがで
きる。
(グラフェンを用いた負極の製造方法2)
次に、グラフェンを用いた負極の製造方法1で示した方法とは異なる方法で、グラフェン
127が負極活物質層102上に形成されている負極100(図14(A)乃至(C)参
照)を製造する方法を説明する。本製造方法においては、電気泳動法を用いてグラフェン
127を形成する。
まず、グラフェンを用いた負極の製造方法1に記載の方法と同様に、グラファイトを酸化
して得られる酸化グラファイトを分散させた酸化グラファイト溶液を用意する。酸化グラ
ファイトはHummers法を用いて形成する。用意した酸化グラファイト溶液に超音波
振動を加えることで、層間距離の長い酸化グラファイトを劈開し、酸化グラフェンが分散
した溶液(酸化グラフェン溶液)を調製した後、溶媒を取り除き、酸化グラフェンを得る
次に、酸化グラフェンを水やN−methylpyrrolidone(NMP)等の溶
媒に分散させて、酸化グラフェン溶液を得る。溶媒は極性溶媒であることが好ましい。酸
化グラフェンの濃度は1リットル当たり0.1g乃至10gとすればよい。なお、酸化グ
ラフェンは極性を有する溶液中においては、官能基中の酸素がマイナスに帯電するため、
異なる酸化グラフェン同士で凝集しにくい。なお、市販の酸化グラフェンを溶媒に分散さ
せた溶液、または市販の酸化グラフェン溶液を用いてもよい。また、用いる酸化グラフェ
ンの一辺の長さ(フレークサイズともいう。)は10μm以下であると好ましい。
次に、酸化グラフェン溶液を、実施の形態1で示した負極100における、負極活物質層
102上に設ける。複数の突起部101bの上に形成された負極活物質層102のように
、複雑な曲面や凹凸を有する活物質上に酸化グラフェンを形成する場合は、特に電気泳動
法を用いることが好ましい。そこで、電気泳動法を用いる場合について以下説明する。
図15(A)は電気泳動法の説明するための断面図である。容器201には上記方法で得
られた酸化グラフェンを分散させた溶液(以下、酸化グラフェン溶液202という。)が
入っている。また、酸化グラフェン溶液202中に被形成物203を設けて、これを陽極
とする。また、酸化グラフェン溶液202中に陰極となる導電体204を設ける。なお、
被形成物203は、負極集電体101及びその上に形成された負極活物質層102とする
。また、導電体204は、導電性を有する材料、例えば、金属材料又は合金材料とすれば
よい。
陽極と陰極の間に適切な電圧を加えることで、被形成物203の表面、すなわち、集電体
の基礎部101a及び複数の突起部101b上の負極活物質層102の表面に酸化グラフ
ェンの層が形成される。これは、酸化グラフェンは、上記したように極性溶媒中において
負に帯電するため、電圧を加えることで負に帯電した酸化グラフェンは陽極に引き寄せら
れ、被形成物203に付着するからである。酸化グラフェンの負の帯電は、酸化グラフェ
ンが有するエポキシ、カルボキシル基等の置換基から水素イオンが離脱していることに由
来し、物体と当該置換基とが結合することで中性化する。なお、加える電圧は一定でなく
てもよい。また、陽極と陰極の間を流れる電荷量を測定することで、物体に付着した酸化
グラフェンの層の厚さを見積もることができる。
陽極と陰極の間に加える電圧は、0.5V乃至2.0Vの範囲とすると良い。より好まし
くは、0.8V乃至1.5Vである。例えば陽極と陰極の間に加える電圧を1Vとすると
、被形成物203と酸化グラフェンの層との間に陽極酸化の原理により生じうる酸化膜が
、形成されにくい。
必要な厚さの酸化グラフェンが得られたら、被形成物203を酸化グラフェン溶液202
から引き上げ、乾燥させる。
電気泳動法による酸化グラフェンの電着において、酸化グラフェンで既に覆われている部
分にさらに酸化グラフェンが積層することは少ない。これは、酸化グラフェンの導電率が
十分に低いためである。一方、まだ酸化グラフェンに覆われていない部分には、酸化グラ
フェンが優先的に積層される。このため、被形成物203の表面に形成される酸化グラフ
ェンの厚さは実用的に均一な厚さになる。
電気泳動を行う時間(電圧を加える時間)は、被形成物203の表面が酸化グラフェンに
覆われるのにかかる時間より長時間行えばよく、例えば、0.5分以上30分以下、好ま
しくは5分以上20分以下とすればよい。
電気泳動法を用いると、イオン化した酸化グラフェンを電気的に活物質まで移動させるこ
とができるため、基礎部101aと複数の突起部101bの接する領域(すなわち、突起
部の根元)にまで酸化グラフェンを設けることが可能である。このため、突起部101b
の高さが高い場合でも、基礎部101a及び突起部101bの表面に均一に酸化グラフェ
ン設けることができる。但し、このためには、隣り合う突起部101bの隙間に酸化グラ
フェンが進入することができるように、複数の突起部101bの間隔の設計、及び酸化グ
ラフェンのフレークサイズの選択に留意する必要がある。
次に、還元処理を行い、形成された酸化グラフェンから酸素の一部を脱離させる。還元処
理としてはグラフェンを用いた負極の製造方法1で説明した、加熱による還元処理等を行
っても良いが、ここでは電気化学的な還元処理(以下、電気化学還元という。)について
説明する。
酸化グラフェンの電気化学還元は、加熱処理による還元とは異なり、電気エネルギーを用
いた還元である。図15(B)に示すように、負極活物質層102上に設けた酸化グラフ
ェンを有する負極100を導電体207として用いて閉回路を構成し、この導電体207
に当該酸化グラフェンの還元反応が生じる電位、又は当該酸化グラフェンが還元される電
位を供給し、当該酸化グラフェンをグラフェンに還元する。なお、本明細書では、酸化グ
ラフェンの還元反応が生じる電位、又は当該酸化グラフェンが還元される電位を還元電位
という。
図15(B)を用いて酸化グラフェンの還元方法を具体的に記述する。容器205に電解
液206を満たし、そこに酸化グラフェンを設けた導電体207と、対極208とを挿入
し、浸漬させる。次に、酸化グラフェンを設けた導電体207を作用極とし、他に少なく
とも対極208及び電解液206を用いて電気化学セル(開回路)を組み、当該導電体2
07(作用極)に酸化グラフェンの還元電位を供給し、当該酸化グラフェンをグラフェン
に還元する。なお、供給する還元電位は、対極208を基準にした場合の還元電位、又は
電気化学セルに参照極を設けて、当該参照極を基準にした場合の還元電位とする。例えば
、対極208及び参照極をリチウム金属とする場合、供給する還元電位はリチウム金属の
酸化還元電位を基準とした還元電位(vs.Li/Li+)となる。本工程によって、電
気化学セル(閉回路)には、酸化グラフェンが還元される際に還元電流が流れる。そのた
め、酸化グラフェンの還元を確認するには、当該還元電流を連続的に確認すればよく、還
元電流が一定値を下回った状態(還元電流に対応するピークが消失した状態)を、酸化グ
ラフェンが還元された状態(還元反応が終了した状態)とすればよい。
また、当該導電体207の電位を制御する際は、酸化グラフェンの還元電位に固定するだ
けではなく、酸化グラフェンの還元電位を含んで掃引してもよく、さらに当該掃引は、サ
イクリックボルタンメトリのように周期的に繰り返してもよい。また、当該導電体207
の電位の掃引速度に限定はないが、0.005mV/sec.以上1mV/sec.以下
が好ましい。なお、当該導電体207の電位の掃引を行う場合は、高電位側から低電位側
に掃引してもよいし、低電位側から高電位側に掃引してもよい。
酸化グラフェンの還元電位は、その酸化グラフェンの構成(官能基の有無や酸化グラフェ
ン塩の形成など)、及び電位制御の仕方(掃引速度など)によって値が多少異なるが、約
2.0V(vs.Li/Li+)程度である。具体的には、1.6V以上2.4V以下(
vs.Li/Li+)の範囲で上記導電体207の電位を制御すればよい。
以上の工程により、導電体207上にグラフェン127を形成することができる。電気化
学的還元処理を行った場合、加熱処理によって形成したグラフェンに比べてsp結合で
ある二重結合の炭素−炭素結合を有する割合が増大するため、導電性の高いグラフェン1
27を負極活物質層102上に形成することができる。
なお、後述するスペーサの形成のため、酸素プラズマ処理により突起部101b上面のグ
ラフェン127のみを除去しても良い。
本負極の製造方法により、図14(A)乃至(C)に示す負極100を形成することがで
きる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、リチウムイオン二次電池の構造及び製造方法について説明する。
はじめに、正極及びその製造方法について説明する。
図16(A)は正極300の断面図である。正極300は、正極集電体301上に正極活
物質層302が形成される。
正極集電体301には、ステンレス、金、白金、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、チタン等
の金属、及びこれらの合金など、導電性の高い材料を用いることができる。また、シリコ
ン、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデンなどの耐熱性を向上させる元素が添加
されたアルミニウム合金を用いることができる。また、シリコンと反応してシリサイドを
形成する金属元素で形成してもよい。シリコンと反応してシリサイドを形成する金属元素
としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム
、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル等がある。正極集電体301は、箔状
、板状(シート状)、網状、パンチングメタル状、エキスパンドメタル状等の形状を適宜
用いることができる。
正極活物質層302は、LiFeO、LiCoO、LiNiO、LiMn
、Cr、MnO等の化合物を材料として用いることができる。
または、リチウム含有複合リン酸塩(一般式LiMPO(Mは、Fe(II),Mn(
II),Co(II),Ni(II)の一以上))を用いることができる。一般式LiM
POの代表例としては、LiFePO、LiNiPO、LiCoPO、LiMn
PO、LiFeNiPO、LiFeCoPO、LiFeMnPO
LiNiCoPO、LiNiMnPO(a+bは1以下、0<a<1、0<
b<1)、LiFeNiCoPO、LiFeNiMnPO、LiNi
CoMnPO(c+d+eは1以下、0<c<1、0<d<1、0<e<1)、L
iFeNiCoMnPO(f+g+h+iは1以下、0<f<1、0<g<1
、0<h<1、0<i<1)等が挙げられる。
または、一般式Li(2−j)MSiO(Mは、Fe(II),Mn(II),Co(
II),Ni(II)の一以上、0≦j≦2)等のリチウム含有複合ケイ酸塩を用いるこ
とができる。一般式Li(2−j)MSiOの代表例としては、Li(2−j)FeS
iO、Li(2−j)NiSiO、Li(2−j)CoSiO、Li(2−j)
nSiO、Li(2−j)FeNiSiO、Li(2−j)FeCoSiO
、Li(2−j)FeMnSiO、Li(2−j)NiCoSiO、Li
(2−j)NiMnSiO(k+lは1以下、0<k<1、0<l<1)、Li
2−j)FeNiCoSiO、Li(2−j)FeNiMnSiO、L
(2−j)NiCoMnSiO(m+n+qは1以下、0<m<1、0<n<
1、0<q<1)、Li(2−j)FeNiCoMnSiO(r+s+t+u
は1以下、0<r<1、0<s<1、0<t<1、0<u<1)等が挙げられる。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属
イオンの場合、正極活物質層302として、上記リチウム化合物、リチウム含有複合リン
酸塩及びリチウム含有複合ケイ酸塩等において、リチウムの代わりに、アルカリ金属(例
えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、ストロンチ
ウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等)を用いてもよい。
また正極活物質層302は、正極集電体301上に直接接して形成する場合に限らない。
正極集電体301と正極活物質層302との間に、正極集電体301と正極活物質層30
2との密着性の向上を目的とした密着層や、正極集電体301の表面の凹凸形状を緩和す
るための平坦化層、放熱のための放熱層、正極集電体301又は正極活物質層302の応
力を緩和するための応力緩和層等の機能層を、金属等の導電性材料を用いて形成しても良
い。
図16(B)は、正極活物質層302として、キャリアイオンの吸蔵放出が可能な粒子状
の正極活物質303と、当該正極活物質303の複数を覆いつつ、当該正極活物質303
が内部に詰められたグラフェン304で構成される正極活物質層302の平面図である。
複数の正極活物質303の表面を異なるグラフェン304が覆う。また、一部において、
正極活物質303が露出していてもよい。
正極活物質303の粒径は、20nm以上100nm以下が好ましい。なお、正極活物質
303内を電子が移動するため、正極活物質303の粒径はより小さい方が好ましい。
また、正極活物質303の表面がグラファイト層で被覆されていなくとも十分な特性が得
られるが、グラファイト層で被覆されている正極活物質303とグラフェンを共に用いる
と、電流が流れるためより好ましい。
図16(C)は、図16(B)の正極活物質層302の一部における断面図である。正極
活物質303、及び該正極活物質303を覆うグラフェン304を有する。グラフェン3
04は断面図においては線状で観察される。複数の正極活物質303は、同一のグラフェ
ン304または複数のグラフェン304の間に挟まれるように設けられる。なお、グラフ
ェン304は袋状になっており、複数の正極活物質303をその内部に包み込む場合があ
る。また、グラフェン304に覆われず、一部の正極活物質303が露出している場合が
ある。
正極活物質層302の厚さは、20μm以上100μm以下の間で所望の厚さを選択する
。なお、クラックや剥離が生じないように、正極活物質層302の厚さを適宜調整するこ
とが好ましい。
なお、正極活物質層302は、グラフェン304の体積の0.1倍以上10倍以下のアセ
チレンブラック粒子や1次元の拡がりを有するカーボンナノファイバー等のカーボン粒子
など、公知の導電助剤を有してもよい。
なお、正極活物質303においては、キャリアとなるイオンの吸蔵により体積が膨張する
ものがある。このため、充放電により、正極活物質層302が脆くなり、正極活物質層3
02の一部が崩落してしまい、この結果電池の信頼性が低下する。しかしながら、正極活
物質が充放電により体積膨張しても、当該周囲をグラフェンが覆うため、グラフェン30
4は正極活物質303の分散や正極活物質層302の崩落を妨げることが可能である。す
なわち、グラフェン304は、充放電にともない正極活物質303の体積が増減しても、
正極活物質303同士の結合を維持する機能を有する。
また、グラフェン304は、複数の正極活物質303と接しており、導電助剤としても機
能する。また、キャリアイオンの吸蔵放出が可能な正極活物質層302を保持する機能を
有する。このため、正極活物質層302にバインダを混合する必要が無く、正極活物質層
302当たりの正極活物質303量を増加させることが可能であり、リチウムイオン二次
電池の放電容量を高めることができる。
次に、正極活物質層302の製造方法について説明する。
粒子状の正極活物質303及び酸化グラフェンを含むスラリーを形成する。次に、正極集
電体301上に、当該スラリーを塗布した後、実施の形態2に示すグラフェンの製造方法
と同様に、還元雰囲気での加熱により還元処理を行って、正極活物質303を焼成すると
共に、酸化グラフェンに含まれる酸素を脱離させ、グラフェン304に間隙を形成する。
なお、酸化グラフェンに含まれる酸素は全て脱離されず、一部の酸素はグラフェン304
に残存する。以上の工程により、正極集電体301上に正極活物質層302を形成するこ
とができる。この結果、正極活物質層302の導電性が高まる。
酸化グラフェンは酸素を含むため、極性溶媒中では負に帯電する。この結果、酸化グラフ
ェンは互いに分散する。このため、スラリーに含まれる正極活物質303が凝集しにくく
なり、焼成による正極活物質303の粒径の増大を低減することができる。このため、正
極活物質303内の電子の移動が容易となり、正極活物質層302の導電性を高めること
ができる。
ここで、正極300の表面にスペーサ305を設けた例を図17に示す。図17(A)は
スペーサを有する正極の斜視図であり、図17(B)は、図17(A)の一点鎖線A−B
の断面図である。
図17(A)及び図17(B)に示すように、正極300は、正極集電体301上に正極
活物質層302が設けられた構造を採る。正極活物質層302上に、さらにスペーサ30
5が設けられる。
スペーサ305は、絶縁性を有し、且つ電解質と反応しない材料を用いて形成することが
可能である。代表的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド、
ポリアミド等の有機材料、ガラスペースト、ガラスフリット、ガラスリボン等の低融点ガ
ラスを用いることができる。
スペーサ305は、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット法等を用いて形成するこ
とができる。このため、任意の形状を形成することが可能である。
スペーサ305は、正極活物質層302の直上に薄膜状に平面的に形成されており、矩形
、多角形、円等の開口部を複数有する。従って、スペーサ305の平面形状は、格子状、
円又は多角形の閉ループ状、多孔質状等の形状を採りうる。あるいは開口部が線状に延在
することで、複数のスペーサ305がストライプ状に配列する構成であっても良い。スペ
ーサ305が有する開口部によって、正極活物質層302の一部が露出する。この結果、
スペーサ305が正極と負極の接触を防ぐ機能を果たすとともに、開口部により正極負極
間のキャリアイオンの移動を確保する。
スペーサ305の厚さは、1μm以上5μm以下、好ましくは2μm以上3μmとするこ
とが好ましい。この結果、従来のリチウムイオン二次電池のように、正極と負極の間に厚
さ数十μmのセパレータを設けた場合と比較して、正極及び負極の間隔を狭めることが可
能であり、正極及び負極の間のキャリアイオンの移動距離を短くできる。このため、リチ
ウムイオン二次電池内に含まれるキャリアイオンを充放電のために有効に活用することが
できる。
以上のことから、スペーサ305の設置によって、リチウムイオン二次電池におけるセパ
レータを不要とすることができる。この結果、リチウムイオン二次電池の部品数を削減す
ることが可能であり、コストを削減できる。
図18に、スペーサ305を用いたセパレータレスのリチウムイオン二次電池の例を示す
。図18(A)は、上述のようにして作製した負極100と、既述の正極300とをスペ
ーサ305を介して組み合わせた電池であり、これらの間は電解液306により満たされ
ている。負極100の突起部105A(具体的には、負極活物質層102が形成されてい
る突起部101b)とスペーサ305とが接するように、負極100の突起部又はスペー
サ305の形状を設計する。機械的強度を保持するため、突起部とスペーサ305との接
触は面で行われることが好ましい。従って、互いに接する部分となるスペーサ305の表
面、及び負極100の突起部101bの表面はできるだけ平坦であることが好ましい。
また、図18(B)に、グラフェン127を用いた負極100を有するセパレータレスの
リチウムイオン二次電池の例を示す。図18(B)の負極100の突起部105Bは、グ
ラフェン127を設けた点で上記の図18(A)の突起部105Aと異なるが、形状及び
構成については同様のことがいえる。
なお、図18においては、全ての突起部105A、105Bとスペーサ305とが接触し
ているが、必ずしも全ての突起部105A、105Bがスペーサ305と接する必要はな
い。すなわち、スペーサ305中の開口部と対向する位置に負極100の複数の突起部1
05A、105Bのうち一部が位置していても問題ではない。
スペーサ305と接する負極100の突起部105A、105Bは、スペーサ305とと
もに、正極300と負極100との間隔を保持する役割を果たす。従って、突起部105
A、105Bに十分な機械的強度があることが重要となる。このため、突起部105Aを
形成する負極活物質層102の芯(101b)に集電体材料を配置し、さらにこの集電体
材料として、銅等に比べ強度の高いチタンを用いることは極めて意義のある構成といえる
次に、リチウムイオン二次電池の構造及び製造方法の一形態について、図19を用いて説
明する。ここでは、リチウムイオン二次電池の断面構造について、以下に説明する。
図19(A)は、コイン形(単層式偏平型)のリチウムイオン二次電池の外観図であり、
図19(B)は、その断面図である。
コイン形のリチウムイオン二次電池6000は、正極端子を兼ねた正極缶6003と負極
端子を兼ねた負極缶6001とが、ポリプロピレン等で形成されたガスケット6002で
絶縁シールされている。上記のように正極6010は、正極集電体6008とこれに接す
るように設けられた正極活物質層6007により形成される。一方、負極6009は、負
極集電体6004とこれに接するように設けられた負極活物質層6005により形成され
る。正極活物質層6007と負極活物質層6005との間にはセパレータ6006と、電
解質(図示せず)を有する。正極活物質層6007には、上記工程により得られた正極活
物質層を用いる。
負極6009は、実施の形態1又は実施の形態2に示す負極100を適宜用いて形成すれ
ばよい。
正極集電体6008及び正極活物質層6007はそれぞれ、本実施の形態に示す正極集電
体301及び正極活物質層302を適宜用いることができる。
セパレータ6006には、セルロース(紙)、または空孔が設けられたポリプロピレン、
ポリエチレン等の絶縁体を用いることができる。
なお、正極6010として、前述した図17に示すスペーサ305を有する正極を用いる
場合には、セパレータ6006を設けなくともよい。
電解質の溶質には、キャリアイオンを有する材料を用いる。電解質の溶質の代表例として
は、LiClO、LiAsF、LiBF、LiPF、Li(CSO
N等のリチウム塩がある。
なお、キャリアイオンが、リチウムイオン以外のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属
イオンの場合、電解質の溶質として、上記リチウム塩において、リチウムの代わりに、ア
ルカリ金属(例えば、ナトリウムやカリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウ
ム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、またはマグネシウム等)を用いてもよい。
また、電解質の溶媒としては、キャリアイオンの移送が可能な材料を用いる。電解質の溶
媒としては、非プロトン性有機溶媒が好ましい。非プロトン性有機溶媒の代表例としては
、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート(DEC)、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン等があり、これらの一つまたは複数を用いることができる。また
、電解質の溶媒としてゲル化される高分子材料を用いることで、漏液性等に対する安全性
が高まる。また、リチウムイオン二次電池の薄型化及び軽量化が可能である。ゲル化され
る高分子材料の代表例としては、シリコーンゲル、アクリルゲル、アクリロニトリルゲル
、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、フッ素系ポリマー等がある。ま
た、電解質の溶媒として、難燃性及び難揮発性であるイオン液体(常温溶融塩)を一つま
たは複数用いることで、リチウムイオン二次電池の内部短絡や、過充電等によって内部温
度が上昇した際のリチウムイオン二次電池の破裂や発火などを防ぐことができる。
また、電解質として、硫化物系や酸化物系等の無機物材料を有する固体電解質や、PEO
(ポリエチレンオキシド)系等の高分子材料を有する固体電解質を用いることができる。
固体電解質を用いる場合には、セパレータやスペーサの設置が不要となる。また、電池全
体を固体化できるため、漏液のおそれがなくなり安全性が飛躍的に向上する。
正極缶6003、負極缶6001には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミ
ニウム、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステ
ンレス鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやア
ルミニウム等を被覆することが好ましい。正極缶6003は正極6010と、負極缶60
01は負極6009とそれぞれ電気的に接続する。
これら負極6009、正極6010及びセパレータ6006を電解質に含浸させ、図19
(B)に示すように、正極缶6003を下にして正極6010、セパレータ6006、負
極6009、負極缶6001をこの順で積層し、正極缶6003と負極缶6001とをガ
スケット6002を介して圧着してコイン形のリチウムイオン二次電池6000を製造す
る。
次に、図20(A)及び(B)を用いて円筒型のリチウムイオン二次電池の構造を説明す
る。円筒型のリチウムイオン二次電池7000は図20(A)に示すように、上面に正極
キャップ(電池蓋)7001を有し、側面及び底面に電池缶(外装缶)7002を有して
いる。これら正極キャップ7001と電池缶(外装缶)7002とは、ガスケット701
0(絶縁パッキン)によって絶縁されている。
図20(B)は、円筒型のリチウムイオン二次電池の断面を模式的に示した図である。中
空円柱状の電池缶7002の内側には、帯状の正極7004と負極7006とがセパレー
タ7005を間に挟んで捲回された電池素子が設けられている。図示しないが、電池素子
はセンターピンを中心に捲回されている。電池缶7002は、一端が閉じられ、他端が開
いている。電池缶7002には、電解液に対して耐腐食性のあるニッケル、アルミニウム
、チタン等の金属、又はこれらの合金やこれらと他の金属との合金(例えば、ステンレス
鋼等)を用いることができる。また、電解液による腐食を防ぐため、ニッケルやアルミニ
ウム等を被覆することが好ましい。電池缶7002の内側において、正極、負極及びセパ
レータが捲回された電池素子は、対向する一対の絶縁板7008、7009により挟まれ
ている。また、電池素子が設けられた電池缶7002の内部は、電解質(図示せず)が注
入されている。電解質は、コイン形のリチウムイオン二次電池と同様のものを用いること
ができる。
正極7004及び負極7006は、上述したコイン形のリチウムイオン二次電池6000
の正極6010及び負極6009と同様に製造すれば良いが、円筒型のリチウムイオン二
次電池に用いる正極及び負極は捲回するため、集電体の両面に活物質を形成する点におい
て異なる。負極7006は、実施の形態1又は実施の形態2に記載の負極を用いることで
、高容量のリチウムイオン二次電池を製造することができる。正極7004には正極端子
(正極集電リード)7003が接続され、負極7006には負極端子(負極集電リード)
7007が接続される。正極端子7003及び負極端子7007は、ともにアルミニウム
などの金属材料を用いることができる。正極端子7003は安全弁機構7012に、負極
端子7007は電池缶7002の底にそれぞれ抵抗溶接される。安全弁機構7012は、
PTC(Positive Temperature Coefficient)素子7
011を介して正極キャップ7001と電気的に接続されている。安全弁機構7012は
電池の内圧の上昇が所定の閾値を超えた場合に、正極キャップ7001と正極7004と
の電気的な接続を切断するものである。また、PTC素子7011は温度が上昇した場合
に抵抗が増大する熱感抵抗素子であり、抵抗の増大により電流量を制限して異常発熱を防
止するものである。PTC素子7011には、チタン酸バリウム(BaTiO)系半導
体セラミックス等を用いることができる。
なお、本実施の形態では、リチウムイオン二次電池として、コイン形及び円筒型のリチウ
ムイオン二次電池を示したが、封止型リチウムイオン二次電池、角型リチウムイオン二次
電池等様々な形状のリチウムイオン二次電池を用いることができる。また、正極、負極、
及びセパレータが複数積層された構造、正極、負極、及びセパレータが捲回された構造で
あってもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池は、電力により駆動する様々な電気機器の
電源として用いることができる。
本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池を用いた電気機器の具体例として、テレビ
やモニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型やノート型のパーソナルコンピュータ
、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの
記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、CD(Compact
Disc)プレーヤやデジタルオーディオプレーヤ等の携帯型又は据置型の音響再生機器
、携帯型又は据置型のラジオ受信機、テープレコーダやICレコーダ(ボイスレコーダ)
等の録音再生機器、ヘッドホンステレオ、ステレオ、置き時計や壁掛け時計等の時計、コ
ードレス電話子機、トランシーバ、携帯電話機、自動車電話、携帯型又は据置型のゲーム
機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、マイクロフォン等の音声入
力機器、スチルカメラやビデオカメラ等の写真機、電気シェーバ、電子レンジ等の高周波
加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、加湿器
や除湿器やエアコンディショナー等の空気調和設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥
器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中
電灯、電動工具、煙感知器、補聴器、心臓ペースメーカ、携帯型X線撮影装置、電気マッ
サージ器や透析装置等の健康機器や医療機器などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機
、ガスメータや水道メータ等の計量器、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産
業用ロボット、無線用中継局、携帯電話の基地局、電力貯蔵システム、電力の平準化やス
マートグリッドのための蓄電装置等の産業機器が挙げられる。また、リチウムイオン二次
電池からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電気機器の範疇に含まれる
ものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ
持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタ
イヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、農業機械、電動アシスト自転車を含む原動機付自
転車、自動二輪車、電動車椅子、電動カート、小型又は大型船舶、潜水艦、固定翼機や回
転翼機等の航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などが挙げら
れる。
なお、上記電気機器は、消費電力のほとんど全てを賄うための主電源として、本発明の一
態様に係るリチウムイオン二次電池を用いることができる。あるいは、上記電気機器は、
上記主電源や商用電源からの電力の供給が停止した場合に、電気機器への電力の供給を行
うことができる無停電電源として、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池を用い
ることができる。あるいは、上記電気機器は、上記主電源や商用電源からの電気機器への
電力の供給と並行して、電気機器への電力の供給を行うための補助電源として、本発明の
一態様に係るリチウムイオン二次電池を用いることができる。
図21に、上記電気機器の具体的な構成を示す。図21において、表示装置8000は、
本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池8004を用いた電気機器の一例である。
具体的に、表示装置8000は、TV放送受信用の表示装置に相当し、筐体8001、表
示部8002、スピーカー部8003、リチウムイオン二次電池8004等を有する。本
発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池8004は、筐体8001の内部に設けられ
ている。表示装置8000は、商用電源から電力の供給を受けることもできるし、リチウ
ムイオン二次電池8004に蓄積された電力を用いることもできる。よって、停電などに
より商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係るリチウムイオ
ン二次電池8004を無停電電源として用いることで、表示装置8000の利用が可能と
なる。
表示部8002には、液晶表示装置、有機EL素子などの発光素子を各画素に備えた発光
装置、電気泳動表示装置、DMD(Digital Micromirror Devi
ce)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field
Emission Display)などの、半導体表示装置を用いることができる。
なお、表示装置には、TV放送受信用の他、パーソナルコンピュータ用、広告表示用など
、全ての情報表示用表示装置が含まれる。
図21において、据え付け型の照明装置8100は、本発明の一態様に係るリチウムイオ
ン二次電池8103を用いた電気機器の一例である。具体的に、照明装置8100は、筐
体8101、光源8102、リチウムイオン二次電池8103等を有する。図21では、
リチウムイオン二次電池8103が、筐体8101及び光源8102が据え付けられた天
井8104の内部に設けられている場合を例示しているが、リチウムイオン二次電池81
03は、筐体8101の内部に設けられていても良い。照明装置8100は、商用電源か
ら電力の供給を受けることもできるし、リチウムイオン二次電池8103に蓄積された電
力を用いることもできる。よって、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられな
い時でも、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池8103を無停電電源として用
いることで、照明装置8100の利用が可能となる。
なお、図21では天井8104に設けられた据え付け型の照明装置8100を例示してい
るが、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池は、天井8104以外、例えば側壁
8105、床8106、窓8107等に設けられた据え付け型の照明装置に用いることも
できるし、卓上型の照明装置などに用いることもできる。
また、光源8102には、電力を利用して人工的に光を得る人工光源を用いることができ
る。具体的には、白熱電球、蛍光灯などの放電ランプ、LEDや有機EL素子などの発光
素子が、上記人工光源の一例として挙げられる。
図21において、室内機8200及び室外機8204を有するエアコンディショナーは、
本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池8203を用いた電気機器の一例である。
具体的に、室内機8200は、筐体8201、送風口8202、リチウムイオン二次電池
8203等を有する。図21では、リチウムイオン二次電池8203が、室内機8200
に設けられている場合を例示しているが、リチウムイオン二次電池8203は室外機82
04に設けられていても良い。あるいは、室内機8200と室外機8204の両方に、リ
チウムイオン二次電池8203が設けられていても良い。エアコンディショナーは、商用
電源から電力の供給を受けることもできるし、リチウムイオン二次電池8203に蓄積さ
れた電力を用いることもできる。特に、室内機8200と室外機8204の両方にリチウ
ムイオン二次電池8203が設けられている場合、停電などにより商用電源から電力の供
給が受けられない時でも、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池8203を無停
電電源として用いることで、エアコンディショナーの利用が可能となる。
なお、図21では、室内機と室外機で構成されるセパレート型のエアコンディショナーを
例示しているが、室内機の機能と室外機の機能とを1つの筐体に有する一体型のエアコン
ディショナーに、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池を用いることもできる。
図21において、電気冷凍冷蔵庫8300は、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次
電池8304を用いた電気機器の一例である。具体的に、電気冷凍冷蔵庫8300は、筐
体8301、冷蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303、リチウムイオン二次電池830
4等を有する。図21では、リチウムイオン二次電池8304が、筐体8301の内部に
設けられている。電気冷凍冷蔵庫8300は、商用電源から電力の供給を受けることもで
きるし、リチウムイオン二次電池8304に蓄積された電力を用いることもできる。よっ
て、停電などにより商用電源から電力の供給が受けられない時でも、本発明の一態様に係
るリチウムイオン二次電池8304を無停電電源として用いることで、電気冷凍冷蔵庫8
300の利用が可能となる。
なお、上述した電気機器のうち、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器などの電気
機器は、短時間で高い電力を必要とする。よって、商用電源では賄いきれない電力を補助
するための補助電源として、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池を用いること
で、電気機器の使用時に商用電源のブレーカーが落ちるのを防ぐことができる。
また、電気機器が使用されない時間帯、特に、商用電源の供給元が供給可能な総電力量の
うち、実際に使用される電力量の割合(電力使用率と呼ぶ)が低い時間帯において、リチ
ウムイオン二次電池に電力を蓄えておくことで、上記時間帯以外において電力使用率が高
まるのを抑えることができる。例えば、電気冷凍冷蔵庫8300の場合、気温が低く、冷
蔵室用扉8302、冷凍室用扉8303の開閉が行われない夜間において、リチウムイオ
ン二次電池8304に電力を蓄える。そして、気温が高くなり、冷蔵室用扉8302、冷
凍室用扉8303の開閉が行われる昼間において、リチウムイオン二次電池8304を補
助電源として用いることで、昼間の電力使用率を低く抑えることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
次に、電気機器の一例である携帯情報端末について、図22を用いて説明する。
図22(A)及び図22(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図22(A)
は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部
9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モー
ド切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示され
た操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部963
1aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域
がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部963
1aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部96
31aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示
画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部
をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード
表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで
表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタ
ッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを
切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えス
イッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光
の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光セン
サだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を
内蔵させてもよい。
また、図22(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示し
ているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示
の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネル
としてもよい。
図22(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池96
33、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636を有
する。なお、図22(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635
、DCDCコンバータ9636を有する構成について示しており、バッテリー9635は
、上記実施の形態で説明したリチウムイオン二次電池を有している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態に
することができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐
久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図22(A)及び図22(B)に示したタブレット型端末は、様々な情
報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻など
を表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入
力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有するこ
とができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、
表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、
筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に
行う構成とすることができる。なおバッテリー9635としては、本発明の一態様に係る
リチウムイオン二次電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図22(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図22(C
)にブロック図を示し説明する。図22(C)には、太陽電池9633、バッテリー96
35、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、
表示部9631について示しており、バッテリー9635、DCDCコンバータ9636
、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図22(B)に示す充放電制御回
路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する
。太陽電池9633で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となる
ようDCDCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631
の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コ
ンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。ま
た、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにして
バッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、
圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバ
ッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送
受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構
成としてもよい。
また、上記実施の形態で説明したリチウムイオン二次電池を具備していれば、図22に示
した電気機器に特に限定されないことは言うまでもない。
(実施の形態6)
さらに、電気機器の一例である移動体の例について、図23を用いて説明する。
実施の形態1乃至3で説明したリチウムイオン二次電池を制御用のバッテリーに用いるこ
とができる。制御用のバッテリーは、プラグイン技術や非接触給電による外部からの電力
供給により充電をすることができる。なお、移動体が鉄道用電気車両の場合、架線や導電
軌条からの電力供給により充電をすることができる。
図23(A)及び(B)は、電気自動車の一例を示している。電気自動車9700には、
リチウムイオン二次電池9701が搭載されている。リチウムイオン二次電池9701の
電力は、制御回路9702により出力が調整されて、駆動装置9703に供給される。制
御回路9702は、図示しないROM、RAM、CPU等を有する処理装置9704によ
って制御される。
駆動装置9703は、直流電動機若しくは交流電動機単体、又は電動機と内燃機関と、を
組み合わせて構成される。処理装置9704は、電気自動車9700の運転者の操作情報
(加速、減速、停止など)や走行時の情報(上り坂や下り坂等の情報、駆動輪にかかる負
荷情報など)の入力情報に基づき、制御回路9702に制御信号を出力する。制御回路9
702は、処理装置9704の制御信号により、リチウムイオン二次電池9701から供
給される電気エネルギーを調整して駆動装置9703の出力を制御する。交流電動機を搭
載している場合は、図示していないが、直流を交流に変換するインバータも内蔵される。
リチウムイオン二次電池9701は、プラグイン技術による外部からの電力供給により充
電することができる。例えば、商用電源から電源プラグを通じてリチウムイオン二次電池
9701を充電する。この場合、充電は、AC/DCコンバータ等の変換装置を介して、
一定の電圧値を有する直流定電圧に変換して行うことができる。リチウムイオン二次電池
9701として、本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池を搭載することで、充電
時間の短縮化などに寄与することができ、利便性を向上させることができる。また、充放
電速度の向上により、電気自動車9700の加速力の向上に寄与することができ、電気自
動車9700の性能の向上に寄与することができる。また、リチウムイオン二次電池97
01の特性の向上により、リチウムイオン二次電池9701自体を小型軽量化できれば、
車両の軽量化に寄与するため、燃費を向上させることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
100 負極
101 負極集電体
101a 基礎部
101b 突起部
101c 突起部
102 負極活物質層
102a シリコン層
102a_1 シリコン層
102a_2 シリコン層
102a_3 シリコン層
102b 酸化シリコン層
102b_1 酸化シリコン層
102b_2 酸化シリコン層
103 境界部分
104 部分
105A 突起部
105B 突起部
110 突起
111 突起
112 突起
113 突起
114 突起
115 突起
116 突起
117 突起
118 突起
120 フォトレジストパターン
121 集電体材料
122 保護層
123 モールド
124 樹脂
125 集電体材料
126 導電層
127 グラフェン
201 容器
202 酸化グラフェン溶液
203 被形成物
204 導電体
205 容器
206 電解液
207 導電体
208 対極
300 正極
301 正極集電体
302 正極活物質層
303 正極活物質
304 グラフェン
305 スペーサ
306 電解液
6000 リチウムイオン二次電池
6001 負極缶
6002 ガスケット
6003 正極缶
6004 負極集電体
6005 負極活物質層
6006 セパレータ
6007 正極活物質層
6008 正極集電体
6009 負極
6010 正極
7000 リチウムイオン二次電池
7001 正極キャップ
7002 電池缶
7003 正極端子
7004 正極
7005 セパレータ
7006 負極
7007 負極端子
7008 絶縁板
7009 絶縁板
7010 ガスケット
7011 PTC素子
7012 安全弁機構
8000 表示装置
8001 筐体
8002 表示部
8003 スピーカー部
8004 リチウムイオン二次電池
8100 照明装置
8101 筐体
8102 光源
8103 リチウムイオン二次電池
8104 天井
8105 側壁
8106 床
8107 窓
8200 室内機
8201 筐体
8202 送風口
8203 リチウムイオン二次電池
8204 室外機
8300 電気冷凍冷蔵庫
8301 筐体
8302 冷蔵室用扉
8303 冷凍室用扉
8304 リチウムイオン二次電池
9033 具
9034 スイッチ
9035 電源スイッチ
9036 スイッチ
9038 操作スイッチ
9630 筐体
9631 表示部
9631a 表示部
9631b 表示部
9632a 領域
9632b 領域
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 DCDCコンバータ
9637 コンバータ
9638 操作キー
9639 ボタン
9700 電気自動車
9701 リチウムイオン二次電池
9702 制御回路
9703 駆動装置
9704 処理装置

Claims (1)

  1. 集電体と、負極活物質層と、を有し、
    前記集電体は、実質的に垂直方向に延びた複数の突起部と、前記複数の突起部と接続する基礎部と、を有し、
    前記突起部及び前記基礎部は、チタンを含む共通の材料からなり、
    前記突起部の少なくとも側面は、前記負極活物質層に覆われており、
    前記負極活物質層は、シリコン層と酸化シリコン層とが交互に複数積層された構造でなることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極。
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