JP2011165401A - リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、電動工具、電気自動車および電力貯蔵システム - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、電動工具、電気自動車および電力貯蔵システム Download PDF

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Abstract

【課題】よりサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】負極10は、負極集電体101上に、負極活物質として珪素を含有する第1の層1と負極活物質として珪素およびニッケルを含有する第2の層2とが交互に積層されてなる負極活物質層102を有する。第1の層1および第2の層2には、挿入層3が挿入されている。挿入層3は、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方である。これにより、負極活物質層102での充放電時における膨張および収縮に伴う応力が緩和される。その結果、負極活物質層102と負極集電体101との密着性および集電性が向上する。
【選択図】図2

Description

本発明は、構成元素として珪素(Si)を含有する負極活物質を含むリチウムイオン二次電池用負極、およびそれを備えたリチウムイオン二次電池、ならびにそれを用いた電動工具、電気自動車および電力貯蔵システムに関する。
近年、カメラ一体型VTR(video tape recorder )、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、電池、特に軽量で高エネルギー密度が得られる二次電池の開発が進められている。このような二次電池は、最近では、小型の電子機器に限らず、電気自動車などに代表される大型の電子機器への適用も検討されている。
中でも、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)は、鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも大きなエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
このリチウムイオン二次電池は、負極活物質を含む負極活物質層が負極集電体に設けられた構成を有する負極を備えている。この負極活物質としては炭素材料が広く用いられているが、最近では、ポータブル電子機器の高性能化および多機能化に伴って電池容量のさらなる向上が求められていることから、炭素材料に代えて珪素を用いることが検討されている。珪素の理論容量(4199mAh/g)は黒鉛の理論容量(372mAh/g)よりも格段に大きいため、電池容量の大幅な向上が期待されるからである。
ところが、気相法によって負極活物質として珪素を堆積させることにより負極活物質層を形成した場合には、その結着性が十分でないため、充放電を繰り返すと、負極活物質層が激しく膨張および収縮して粉砕するおそれがある。負極活物質層が粉砕すると、その粉砕の程度によっては表面積の増大に起因して不可逆性のリチウム酸化物が形成されすぎると共に負極集電体からの崩落に起因して集電性が低下するため、二次電池の重要な特性であるサイクル特性が低下してしまう。
そこで、負極活物質として珪素を用いた場合においてもサイクル特性を向上させるために、さまざまな工夫がなされている。具体的には、気相法において複数回に分けて珪素を堆積させ、負極活物質層を多層構造とする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。これ以外にも、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛あるいは銅などの金属で負極活物質の表面を被覆する技術(例えば、特許文献2参照。)や、リチウムと合金化しない銅などの金属元素を負極活物質中に拡散させる技術(例えば、特許文献3参照。)や、負極活物質に銅を固溶させる技術(例えば、特許文献4参照。)などが提案されている。この他、本出願人は、珪素を含み、かつ、酸素の含有量が異なる第1層と第2層とを交互に積層させた多層構造を備えることにより、負極活物質層の激しい膨張および収縮を抑制し、その構造破壊を抑制するようにした技術も開示している(例えば、特許文献5参照)。
特開2007−317419号公報 特開2000−036323号公報 特開2001−273892号公報 特開2002−289177号公報 特開2004−349162号公報
しかしながら、最近のポータブル電子機器は益々小型化、高性能化および多機能化しており、それに伴って二次電池の充放電が頻繁に繰り返される傾向にあるため、サイクル特性が低下しやすい状況にある。特に、高容量化のために負極活物質として珪素を用いたリチウムイオン二次電池では、上記した充放電時における負極活物質層の粉砕の影響を受けてサイクル特性が顕著に低下しやすい。このため、二次電池のサイクル特性に関してより一層の向上が望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性を向上させることが可能なリチウムイオン二次電池用負極およびそれを用いたリチウムイオン二次電池を提供することにある。また、上記のリチウムイオン二次電池を用いた電動工具、電気自動車および電力貯蔵システムを提供することにある。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体上に、負極活物質として珪素を含有する第1の層と負極活物質として珪素および金属元素を含有する第2の層とが交互に積層されてなる負極活物質層を有するものである。ここで、第1の層および第2の層のうちの少なくとも一方には、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方が挿入されている。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極および上記した本発明のリチウムイオン二次電池用負極と共に電解質を備えるようにしたものである。さらに、本発明の電動工具、電気自動車および電力貯蔵システムは、上記のリチウムイオン二次電池を電源あるいは電力貯蔵源として用いるようにしたものである。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオン二次電池、電動工具、電気自動車および電力貯蔵システムでは、負極活物質層を構成する多層構造として、珪素を含有する第1の層と珪素および金属元素を含有する第2の層とを交互に積層し、かつ、それら2種類の層のうちの少なくとも一方に層状の酸素含有領域および窒素含有領域のうちの少なくとも一方を挿入したものを採用する。これにより、負極活物質層での充放電時における膨張および収縮に伴う応力が緩和される。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極によれば、金属元素の含有率の異なる第1および第2の層を交互に積層すると共に、それら第1および第2の層の少なくとも一方に層状の酸素含有領域および窒素含有領域のうちの少なくとも一方を挿入して負極活物質層を構成するようにしたので、負極活物質層の構造破壊が抑制されると共に、多層構造における各層間の密着性、ならびに負極活物質層と負極集電体との密着性および集電性が向上する。そのため、このリチウムイオン二次電池用負極をリチウムイオン二次電池に適用すれば、負極活物質として珪素を用いることで高容量化を図りつつ、優れたサイクル特性をも得ることができる。また、本発明の電動工具、電気自動車および電力貯蔵システムによれば、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を用いるようにしたので、より長期間に亘る使用が可能となる。
本発明の第1の実施の形態としてのリチウムイオン二次電池用負極を表す概略断面図である。 図1に示した負極活物質層の詳細な構成を表す断面図である。 図1に示したリチウムイオン二次電池用負極の変形例を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態としてのリチウムイオン二次電池用負極を表す概略断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いた第1の二次電池の構成を表す断面図である。 図5に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いた第2の二次電池の構成を表す分解斜視図である。 図7に示した巻回電極体のVIII−VIII切断線に沿った構成を表す断面図である。 図8に示した巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。 本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いた第3の二次電池の構成を表す断面図である。 図10に示した巻回電極体のXI−XI切断線に沿った構成を表す断面図である。 本発明の実験例4−1〜4−7としての二次電池における負極活物質層の構成を表す断面図である。 本発明の負極の断面をSEMによって観察した画像である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(負極:負極活物質層が粒子状でない場合の例)
2.第2の実施の形態(負極:負極活物質層が粒子状である場合の例)
3.第3の実施の形態(上記負極を備えた第1〜第3の二次電池の例)
3−1.第1の二次電池(円筒型)
3−2.第2の二次電池(ラミネートフィルム型)
3−3.第3の二次電池(角型)
4.リチウムイオン二次電池の用途
[1.第1の実施の形態]
<負極の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのリチウムイオン二次電池用負極(以下単に「負極」という。)10における概略断面構成を表している。負極10は、電池などの電気化学デバイスに用いられるものであり、例えば負極集電体101の表面に負極活物質層102が設けられた構造を有している。なお、負極活物質層102は、図1に示したように負極集電体101の両面に設けてもよいし、あるいは一方の面のみに設けてもよい。
負極集電体101は、良好な電気化学的安定性、電気伝導性および機械的強度を有する金属材料により構成されているのが好ましい。この金属材料としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)あるいはステンレスなどが挙げられる。中でも、金属材料としては、銅が好ましい。高い電気伝導性が得られるからである。
特に、負極集電体101を構成する金属材料としては、電極反応物質と金属間酸化物を形成しない1種あるいは2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。電極反応物質と金属間酸化物を形成すると、充放電時における負極活物質層102の膨張および収縮による応力の影響を受けて破損するため、集電性が低下したり負極活物質層102が剥離したりしやすくなるからである。この金属元素としては、例えば、銅、ニッケル、チタン(Ti)、鉄(Fe)あるいはクロム(Cr)などが挙げられる。
また、上記した金属材料としては、負極活物質層102と合金化する1種あるいは2種以上の金属元素を含有するものが好ましい。負極集電体101と負極活物質層102との間の密着性が向上するため、その負極活物質層102が負極集電体101から剥離しにくくなるからである。電極反応物質と金属間酸化物を形成せず、しかも負極活物質層102と合金化する金属元素としては、例えば、負極活物質層102の負極活物質が珪素(Si)を有する場合には、銅、ニッケルあるいは鉄などが挙げられる。これらの金属元素は、強度および導電性の観点からも好ましい。
なお、負極集電体101は、単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよい。この負極集電体101が多層構造を有する場合には、例えば、負極活物質層102と隣接する層がそれと合金化する金属材料によって構成される一方で、隣接しない層が他の金属材料によって構成されるのが好ましい。
負極集電体101の表面は、粗面化されているのが好ましい。いわゆるアンカー効果によって負極集電体101と負極活物質層102との間の密着性が向上するからである。この場合には、少なくとも負極活物質層102と対向する負極集電体101の表面が粗面化されていればよい。粗面化の方法としては、例えば、電解処理によって微粒子を形成する方法などが挙げられる。この電解処理とは、電解槽中において電解法によって負極集電体101の表面に微粒子を形成することにより凹凸を設ける方法である。この電解処理が施された銅箔は、一般に「電解銅箔」と呼ばれている。
この負極集電体101の表面の十点平均粗さRzは、例えば1.5μm以上6.5μm以下の範囲内であるのが好ましい。負極集電体1と負極活物質層102との間の密着性がより高くなるからである。
図2は、負極活物質層102の詳細な断面構成を表すものである。負極活物質層102は、図2に示したように、珪素(Si)を構成元素とする負極活物質を各々含有する第1の層1と、珪素および金属元素Xを構成元素とする負極活物質を含有する第2の層2との多層構造からなる。この多層構造は、負極集電体1上において、第1の層1と第2の層2とが交互に積層されたものである。第1の層1および第2の層2の厚さは、例えば50nm以上5000nm以下であることが望ましく、特に100nm以上1000nm以下であるとよい。また、第2の層2における負極活物質を構成する金属元素Xは、例えばニッケル,コバルト,鉄,マンガン(Mn),クロム,チタン,アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1種を有している。第2の層2において、珪素に対する金属元素Xの原子比は0.01以上1以下であるとよい。第1の層1および第2の層2は互いに等しい厚みであってもよいし、互いに異なった厚みであってもよい。なお、図2では、負極集電体101の側から順に第1の層1と第2の層2とが交互に積層された構成を例示したが、本実施の形態では、その反対の順序、すなわち負極集電体101の側から第2の層2と第1の層1とが交互に積層された構成としてもよい。また、多層構造に含まれる第1の層1および第2の層2の各々の積層数は、図2に示したものに限定されない。
負極活物質における金属元素Xの存在は、負極活物質層102の膨張および収縮の抑制に寄与する。特に、負極活物質として金属元素Xを含有する第2の層2と、負極活物質として金属元素Xを含有しない第1の層1とが交互に積層されることにより、負極活物質層102の膨張および収縮がいっそう抑制される。
第1および第2の層1,2には、いずれも挿入層3が挿入されている。すなわち、第1の層1に挿入された挿入層3は、第1の層1を領域1Aと領域1Bとに分離し、第2の層2に挿入された挿入層3は、第2の層2を領域2Aと領域2Bとに分離している。なお、図2では、挿入層3を、第1の層1もしくは第2の層2の厚み方向における中央に配置した例(すなわち、領域1Aと領域1Bとが同じ厚みであり、領域2Aと領域2Bとが同じ厚みである例)を表しているが、これに限定されるものではない。また、負極活物質層102は、負極活物質のほか、必要に応じて結着剤や導電剤などを含んでいてもよい。
挿入層3は、負極活物質が酸素(O)を有する酸素含有領域、もしくは負極活物質が窒素(N)を有する窒素含有領域であり、負極活物質層102における他の領域よりも酸素含有率もしくは窒素含有率が高い領域である。あるいは、挿入層3は、負極活物質が酸素および窒素の双方を有する酸素窒素含有領域であり、負極活物質層102における他の領域よりも酸素含有率および窒素含有率が高い領域である。挿入層3以外の領域は、酸素および窒素を有していてもよいし、全く有していなくてもよい。挿入層3に含有される酸素および窒素は、珪素の化合物、あるいは金属元素Xの化合物として存在する。挿入層3の厚さは、例えば2nm以上100nm以下であることが望ましく、特に20nm以上50nm以下であるとよい。このような挿入層3の存在により、負極活物質層102の膨張および収縮がよりいっそう抑制される。なお、第1の層1における挿入層3と、第2の層2における挿入層3との組成は互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、挿入層3においては、珪素に対する酸素の存在比(O/Si)もしくは珪素に対する窒素の存在比(N/Si)が原子比で0.01以上0.5以下であることが望ましい。
負極活物質の構成元素である珪素は、電極反応物質としてのリチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができる。
第2の層2において、珪素は、単体のほか、合金や化合物として負極活物質に含まれていてもよい。あるいは、負極活物質は、珪素の単体、合金もしくは化合物の1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有するものであってもよい。これらは単独で用いられてもよいし、複数種が混合されて用いられてよい。なお、本実施の形態における合金には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。もちろん、本実施の形態における合金は、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物あるいはそれらの2種以上が共存するものもある。
珪素の合金としては、例えば、珪素以外の他の構成元素として、上述の金属元素Xとして挙げたニッケル,コバルト,鉄,マンガン,クロム,チタン,アルミニウム,マグネシウムおよびモリブデンのほか、スズ(Sn),銅,亜鉛(Zn),インジウム(In),銀(Ag),ゲルマニウム(Ge),ビスマス(Bi),アンチモン(Sb),砒素(As)およびカルシウム(Ca)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。特に、鉄、コバルト、ニッケル、ゲルマニウム、スズ、砒素、亜鉛、銅、チタン、クロム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウムまたは銀を他の構成元素として負極活物質に適量加えることで、珪素の単体からなる負極活物質と比べ、エネルギー密度の向上が見込まれる。これらのエネルギー密度の向上が見込まれる他の構成元素が、負極活物質のうち、例えば1.0原子数%(at%)以上40原子数%以下の割合で含まれるようにすると、二次電池としての放電容量維持率の向上に対する寄与が明確に現れる。
珪素の化合物としては、例えば、珪素以外の構成元素として炭素(C)を有するものなどが挙げられる。なお、珪素の化合物は、例えば、珪素以外の構成元素として、上述した他の構成元素の1種あるいは2種以上を含んでいてもよい。
負極活物質層102は、例えば塗布法、気相法、液相法、溶射法、焼成法あるいはそれらの2種以上の方法を用いて形成されている。特に、気相法を用いて複数回に亘る堆積工程を経ることによって形成され、負極活物質層102が負極集電体101との界面の少なくとも一部において合金化しているのが好ましい。具体的には、両者の界面において、負極集電体101の構成元素が負極活物質層102に拡散していてもよいし、負極活物質層102の構成元素が負極集電体101に拡散していてもよいし、両者の構成元素が互いに拡散しあっていてもよい。充放電時の膨張および収縮に起因して負極活物質層102が破損しにくくなると共に、負極集電体101と負極活物質層102との間において電子伝導性が向上するからである。
金属元素Xについては、例えば気相法として蒸着法を用いて負極活物質を堆積させる際に、その金属元素Xを混合させた蒸着源を用いたり、多元系の蒸着源を用いたりすることにより負極活物質に取り込むことができる。ここで、珪素と金属元素Xとの組成比の異なる2種の蒸発源を使い分けたり、多元系の蒸発源を用いる場合には各元素の蒸発源からの蒸発量を変化させたりすることにより、所望の組成比を有する第2の層2を形成することができる。
挿入層3は、例えば気相法を用いて負極活物質を堆積させる際に、チャンバ内に断続的に酸素ガスもしくは窒素ガスを導入することにより形成可能である。もちろん、酸素ガスや窒素ガスを導入しただけでは所望の酸素含有率もしくは窒素含有率が得られない場合には、チャンバ内に液体(例えば水蒸気など)を導入してもよい。
なお、挿入層3と、それ以外の領域との間では、酸素含有率や窒素含有率が明確に異なっていてもよいし、明確に異なっていなくてもよい。すなわち、上記した酸素ガスや窒素ガスの導入量を連続的に変化させた場合には、酸素含有率もしくは窒素含有率も連続的に変化していてもよい。この場合には、挿入層3が「層」というよりもむしろ「層状」をなし、負極活物質層102中では厚さ方向において酸素含有率もしくは窒素含有率が高低を繰り返しながら分布することとなる。
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法、より具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition )法、プラズマ化学気相成長法あるいは溶射法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金あるいは無電解鍍金などの公知の手法を用いることが可能である。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質と結着剤などとを混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が使用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法あるいはホットプレス焼成法などが挙げられる。
負極活物質層102は、多層構造を有することにより、充放電時の負極活物質の膨張収縮に起因する負極活物質層の内部応力が緩和され易くなっている。また、成膜時に高熱を伴う蒸着法などを用いて負極活物質層102を形成する場合に、負極活物質層102の成膜工程を多数回に分割して行う(第1の層1および第2の層を順次形成して積層させる)ことで以下の利点が得られる。すなわち、1回の成膜処理で単層構造の負極活物質層102を形成する場合と比較して負極集電体101が高熱に晒される時間を短縮でき、その負極集電体101の受ける熱的ダメージを低減することができる。
<負極の製造方法>
負極10は、例えば、以下の手順によって製造される。具体的には、まず、負極集電体101を準備し、必要に応じて負極集電体101の表面に粗面化処理を施す。そののち、その負極集電体101の表面に気相法など上述した方法を用い、複数回に亘って上述した負極活物質を含む第1の層1および第2の層2と、挿入層3とを順次堆積させることにより、多層構造の負極活物質層102を形成する。なお、気相法による場合には、負極集電体101を固定したまま負極活物質を堆積させてもよいし、負極集電体101を回転させながら負極活物質を堆積させてもよい。
<本実施の形態の作用および効果>
このように本実施の形態の負極10によれば、負極活物質層102において、負極活物質として珪素を含む第1の層1と、負極活物質として珪素および金属元素Xを含む第2の層2とを交互に積層すると共に、それら第1の層1および第2の層2に挿入層3をそれぞれ挿入するようにしたので、負極活物質層102において充放電時の膨張および収縮によって発生する応力が緩和される。したがって、負極活物質層102の構造破壊が抑制されると共に、多層構造における各層間の密着性、ならびに負極活物質層102と負極集電体101との密着性および集電性が向上する。そのため、この負極10を二次電池などの電気化学デバイスに適用すると、負極活物質として珪素を用いることで高容量化を図りつつ、優れたサイクル特性をも得ることができる。
<第1,第2の変形例>
次に、図3(A)を参照して、上記第1の実施の形態の負極における第1および第2の変形例について説明する。図3(A)は第1の変形例としての負極10Aの詳細な断面構成を、図3(B)は第2の変形例としての負極10Bの詳細な断面構成をそれぞれ表すものである。
上記第1の実施の形態の負極10では第1および第2の層1,2の双方が挿入層3を含むようにしたが、図3(A)もしくは図3(B)に示した負極10A,10Bのように、第1および第2の層1,2のうちのいずれか一方に挿入層3を設けるようにしてもよい。
[2.第2の実施の形態]
<負極の構成>
図4は、本発明の第2の実施の形態としての負極10Cの要部断面構成を模式的に表している。この負極10Cは、上記第1の実施の形態の負極10と同様、リチウムイオン二次電池に用いられるものである。なお、以下の説明では、上述した負極10と実質的に同一の構成要素についての構成、作用および効果の記載を省略することとする。
図4に示したように、負極10Cは、負極集電体101の上に、複数の負極活物質粒子4を含む負極活物質層102Aが設けられた構造を有している。負極活物質粒子4の各々は、第1の実施の形態と同様の負極活物質よりなる第1の層1および第2の層2を各々複数積層してなる多層構造を有しており、負極集電体101に立設するように負極活物質層102Aの厚み方向に延在している。第1の層1および第2の層2には、挿入層3が設けられている。なお、挿入層3は、第1および第2の層1,2のいずれか一方のみに挿入されるようにしてもよい。また、負極活物質層102Aは、上記第1の実施の形態と同様に負極集電体101の両面に設けてもよいし、一方の面のみに設けてもよい。
<負極の製造方法>
負極活物質粒子4は、上記第1の実施の形態と同様に、例えば、気相法、液相法、溶射法または焼成法のいずれか、あるいはそれらの2種以上の方法によって形成されるものである。特に、気相法を用いると、負極集電体101と負極活物質粒子4とがそれらの界面において合金化し易いので好ましい。合金化は、負極集電体101の構成元素が負極活物質粒子4へ拡散することでなされてもよいし、その逆でもよい。あるいは、負極集電体101の構成元素と負極活物質粒子4の構成元素である珪素とが相互に拡散し合うことによってなされてもよい。このような合金化により、充放電時の膨張および収縮に起因する負極活物質粒子4の構造的な破壊が抑制され、負極集電体101と負極活物質粒子4との間における導電性が向上する。
<本実施の形態の作用および効果>
このように、本実施の形態では、負極集電体101に設けられた負極活物質層102Aを構成する負極活物質粒子4を、第1および第2の層1,2からなる多層構造とし、かつ、第1および第2の層1,2の各々が挿入層3を含むようにした。これにより、負極活物質層102Aにおいて充放電時の膨張および収縮によって発生する応力が緩和される。したがって、負極活物質層102Aの構造破壊が抑制されると共に、多層構造における各層間の密着性、ならびに負極活物質層102Aと負極集電体101との密着性および集電性が向上する。よって、上記第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
[3.第3の実施の形態]
次に、上記第1および第2の実施の形態で説明した負極10,10A〜10Cの使用例について説明する。ここでは、負極10,10A〜10Cが使用されるリチウムイオン二次電池として第1〜第3の二次電池を例示して説明する。
<3−1.第1の二次電池(円筒型)>
図5および図6は第1の二次電池の断面構成を表しており、図6では図5に示した巻回電極体120の一部を拡大して示している。ここで説明する二次電池は、例えば、負極122の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池である。
(第1の二次電池の全体構成)
この二次電池は、主に、ほぼ中空円柱状の電池缶111の内部に、セパレータ123を介して正極121と負極122とが巻回された巻回電極体120と、一対の絶縁板112,113とが収納されたものである。この電池缶111を含む電池構造は、円筒型と呼ばれている。
電池缶111は、例えば、鉄、アルミニウムあるいはそれらの合金などの金属材料によって構成されており、その一端部は閉鎖されていると共に他端部は開放されている。一対の絶縁板112,113は、巻回電極体120を挟み、その巻回周面に対して垂直に延在するように配置されている。
電池缶111の開放端部には、電池蓋114と、その内側に設けられた安全弁機構115および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient:PTC素子)116とがガスケット117を介してかしめられて取り付けられている。これにより、電池缶111の内部は密閉されている。電池蓋114は、例えば、電池缶111と同様の材料によって構成されている。安全弁機構115は、熱感抵抗素子116を介して電池蓋114と電気的に接続されている。この安全弁機構115では、内部短絡、あるいは外部からの加熱などに起因して内圧が一定以上となった場合に、ディスク板115Aが反転して電池蓋114と巻回電極体120との間の電気的接続が切断されるようになっている。熱感抵抗素子116は、温度の上昇に応じた抵抗の増大によって電流を制限し、大電流に起因する異常な発熱を防止するものである。ガスケット117は、例えば、絶縁材料によって構成されており、その表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体120の中心には、センターピン124が挿入されていてもよい。この巻回電極体120では、アルミニウムなどの金属材料によって構成された正極リード125が正極121に接続されていると共に、ニッケルなどの金属材料によって構成された負極リード126が負極122に接続されている。正極リード125は、安全弁機構115に溶接されて電池蓋114と電気的に接続されており、負極リード126は、電池缶111に溶接されて電気的に接続されている。
(正極)
正極121は、例えば、一対の面を有する正極集電体121Aの両面に正極活物質層121Bが設けられたものである。この正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケル、あるいはステンレスなどの金属材料によって構成されている。なお、正極活物質層121Bは、正極活物質を含んでおり、必要に応じて結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
正極活物質は、電極反応物質であるリチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種あるいは2種以上を含んでいる。この正極材料としては、例えば、リチウム含有化合物が好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物、あるいはリチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられ、特に、遷移金属元素としてコバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧が得られるからである。その化学式は、例えば、Lix M1O2 あるいはLiy M2PO4 で表される。式中、M1およびM2は、1種類以上の遷移金属元素を表す。xおよびyの値は、二次電池の充放電状態によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(Lix CoO2 )、リチウムニッケル複合酸化物(Lix NiO2 )、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(Lix Ni(1-z) Coz 2 (z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(Lix Ni(1-v-w) Cov Mnw 2 (v+w<1))、あるいはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn2 4 )などが挙げられる。中でも、コバルトを含む複合酸化物が好ましい。高い容量が得られると共に優れたサイクル特性も得られるからである。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4 )あるいはリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe(1-u) Mnu PO4 (u<1))などが挙げられる。
この他、正極材料としては、例えば、酸化物、二硫化物、カルコゲン化物あるいは導電性高分子などが挙げられる。酸化物は、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどである。二硫化物は、例えば、二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどである。カルコゲン化物は、例えば、セレン化ニオブなどである。導電性高分子は、例えば、硫黄、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどである。
もちろん、正極材料は、上記以外のものでもよい。また、上記した一連の正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
正極結着剤としては、例えば、スチレンブタジエン系ゴム、フッ素系ゴムあるいはエチレンプロピレンジエンなどの合成ゴムや、ポリフッ化ビニリデンなどの高分子材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
正極導電剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラックあるいはケチェンブラックなどの炭素材料が挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。なお、正極導電剤は、導電性を有する材料であれば、金属材料あるいは導電性高分子などでもよい。
(負極)
負極122は、上記した負極10もしくは負極10A〜10Cと同様の構成を有しており、例えば、一対の面を有する負極集電体122Aの両面に負極活物質層122Bが設けられたものである。負極集電体122Aおよび負極活物質層122Bの構成は、それぞれ上記した負極における負極集電体101および負極活物質層102の構成と同様である。この負極122では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量が正極121の充電容量よりも大きくなっているのが好ましい。満充電時においても、負極122にリチウムがデンドライトとなって析出する可能性が低くなるからである。
(セパレータ)
セパレータ123は、正極121と負極122とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡(ショート)を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ123は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などによって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。中でも、ポリオレフィン製の多孔質膜は、ショート防止効果に優れ、かつシャットダウン効果による二次電池の安全性向上を図ることができるので好ましい。特に、ポリエチレンは、100℃以上160℃以下でシャットダウン効果を得ることができると共に、電気化学的安定性が優れているので好ましい。また、ポリプロピレンも好ましく、他にも化学的安定性を備えた樹脂であれば、ポリエチレンあるいはポリプロピレンと共重合させたものや、ブレンド化したものであってもよい。
(電解液)
このセパレータ123には、液状の電解質である電解液が含浸されている。この電解液は、溶媒と、それに溶解された電解質塩とを含んでいる。
溶媒は、例えば、有機溶剤などの非水溶媒のいずれか1種あるいは2種以上を含んでいる。以下で説明する一連の溶媒(非水溶媒)は、単独でもよいし、2種以上混合されてもよい。
非水溶媒としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタンあるいはテトラヒドロフランである。2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンあるいは1,4−ジオキサンである。酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルあるいはトリメチル酢酸エチルである。アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノンあるいはN−メチルオキサゾリジノンである。N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、燐酸トリメチルあるいはジメチルスルホキシドである。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルのうちの少なくとも1種が好ましい。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。この場合には、炭酸エチレンあるいは炭酸プロピレンなどの高粘度(高誘電率)溶媒(例えば比誘電率ε≧30)と、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチルなどの低粘度溶媒(例えば粘度≦1mPa・s)との組み合わせがより好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するからである。
特に、溶媒は、ハロゲン化鎖状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルのうちの少なくとも1種を含んでいることが好ましい。充放電時において負極122の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。なお、ハロゲン化鎖状炭酸エステルとは、ハロゲンを構成元素として含む鎖状炭酸エステルであり、詳細には、鎖状炭酸エステルのうちの少なくとも一部の水素がハロゲンにより置換されたものである。また、ハロゲン化環状炭酸エステルとは、ハロゲンを構成元素として含む環状炭酸エステルであり、詳細には、環状炭酸エステルのうちの少なくとも一部の水素がハロゲンにより置換されたものである。
ハロゲンの種類は、特に限定されないが、中でも、フッ素、塩素あるいは臭素が好ましく、フッ素がより好ましい。他のハロゲンよりも高い効果が得られるからである。ただし、ハロゲンの数は、1つよりも2つが好ましく、さらに3つ以上でもよい。保護膜を形成する能力が高くなり、より強固で安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応がより抑制されるからである。
ハロゲン化鎖状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸フルオロメチルメチル、炭酸ビス(フルオロメチル)あるいは炭酸ジフルオロメチルメチルなどが挙げられる。ハロゲン化環状炭酸エステルとしては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンあるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。このハロゲン化環状炭酸エステルには、幾何異性体も含まれる。溶媒中におけるハロゲン化鎖状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%以上50重量%以下である。
また、溶媒は、不飽和炭素結合環状炭酸エステルを含んでいることが好ましい。充放電時において負極42の表面に安定な保護膜が形成されるため、電解液の分解反応が抑制されるからである。なお、不飽和炭素結合環状炭酸エステルとは、不飽和炭素結合を有する環状炭酸エステルであり、詳細には、環状炭酸エステルのうちのいずれかの箇所に不飽和炭素結合が導入されたものである。不飽和炭素結合環状炭酸エステルとしては、例えば、炭酸ビニレンあるいは炭酸ビニルエチレンなどが挙げられる。溶媒中における不飽和炭素結合環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01重量%以上10重量%以下である。
また、溶媒は、スルトン(環状スルホン酸エステル)を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性が向上するからである。スルトンとしては、例えば、プロパンスルトンあるいはプロペンスルトンなどが挙げられる。溶媒中におけるスルトンの含有量は、例えば、0.5重量%以上5重量%以下である。
さらに、溶媒は、酸無水物を含んでいることが好ましい。電解液の化学的安定性が向上するからである。酸無水物としては、例えば、例えば、カルボン酸無水物、ジスルホン酸無水物あるいはカルボン酸スルホン酸無水物などが挙げられる。カルボン酸無水物は、例えば、無水コハク酸、無水グルタル酸あるいは無水マレイン酸などである。ジスルホン酸無水物は、例えば、無水エタンジスルホン酸あるいは無水プロパンジスルホン酸などである。カルボン酸スルホン酸無水物は、例えば、無水スルホ安息香酸、無水スルホプロピオン酸あるいは無水スルホ酪酸などである。溶媒中における酸無水物の含有量は、例えば、0.5重量%以上5重量%以下である。
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩のいずれか1種類あるいは2種類以上を含んでいる。以下で説明する一連の電解質塩は、単独でもよいし、2種以上混合されてもよい。
リチウム塩としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4 )、過塩素酸リチウム(LiClO4 )あるいは六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6 )である。テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6 5 4 )、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3 SO3 )、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )あるいはテトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4 )である。六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2 SiF6 )、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)である。優れた電池容量、サイクル特性および保存特性などが得られるからである。
中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムのうちの少なくとも1種が好ましい。また、六フッ化リン酸リチウムおよび四フッ化ホウ酸リチウムがより好ましく、六フッ化リン酸リチウムがさらに好ましい。内部抵抗が低下するため、より高い効果が得られるからである。
電解質塩の含有量は、溶媒に対して0.3mol/kg以上3.0mol/kg以下であることが好ましい。高いイオン伝導性が得られるからである。
なお、電解液は、溶媒および電解質塩と共に、各種の添加剤を含んでいてもよい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。
この添加剤としては、例えば、スルトン(環状スルホン酸エステル)が挙げられる。このスルトンは、例えば、プロパンスルトンあるいはプロペンスルトンなどであり、中でも、プロペンスルトンが好ましい。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
また、添加剤としては、例えば、酸無水物が挙げられる。この酸無水物は、例えば、コハク酸無水物、グルタル酸無水物あるいはマレイン酸無水物などのカルボン酸無水物や、エタンジスルホン酸無水物あるいはプロパンジスルホン酸無水物などのジスルホン酸無水物や、スルホ安息香酸無水物、スルホプロピオン酸無水物あるいはスルホ酪酸無水物などのカルボン酸とスルホン酸との無水物などであり、中でも、スルホ安息香酸無水物あるいはスルホプロピオン酸無水物が好ましい。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
(二次電池の製造方法)
この二次電池は、例えば、以下の手順により製造される。
まず、正極121を作製する。最初に、正極活物質と、必要に応じて正極結着剤および正極導電剤などとを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、正極集電体121Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布してから乾燥させて正極活物質層121Bを形成する。最後に、必要に応じて加熱しながら、ロールプレス機などを用いて正極活物質層121Bを圧縮成型する。この場合には、複数回に渡って圧縮成型を繰り返してもよい。
次に、上記した負極10などと同様の手順により、負極122を作製する。この場合には、負極集電体122Aを準備したのち、その負極集電体122Aの両面に第1の層1および第2の層2を順次形成するなどして負極活物質層122Bを作製する。
最後に、正極121および負極122を用いて二次電池を組み立てる。最初に、正極集電体121Aに正極リード125を溶接などして取り付けると共に、負極集電体122Aに負極リード126を溶接などして取り付ける。続いて、セパレータ123を介して正極121と負極122とを積層および巻回させて巻回電極体120を作製したのち、その巻回中心にセンターピン124を挿入する。続いて、一対の絶縁板112,113で挟みながら巻回電極体120を電池缶111の内部に収納する。この場合には、正極リード125を安全弁機構115に溶接などして取り付けると共に、負極リード126を電池缶111に溶接などして取り付ける。続いて、電池缶111の内部に電解液を注入してセパレータ123に含浸させる。最後に、ガスケット117を介して電池缶111の開口端部に電池蓋114、安全弁機構115および熱感抵抗素子116をかしめる。これにより、図5および図6に示した二次電池が完成する。
(二次電池の動作)
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極121からリチウムイオンが放出され、セパレータ123に含浸された電解液を介して負極122に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極122からリチウムイオンが放出され、セパレータ123に含浸された電解液を介して正極121に吸蔵される。
(二次電池の効果)
この第1の二次電池によれば、負極122が図1に示した負極10と同様の構成を有しているので、高容量化を図りつつ、サイクル特性を向上させることができる。この第1の二次電池に関する他の効果は、上記した負極10と同様である。
<3−2.第2の二次電池(ラミネートフィルム型)>
図7は、第2の二次電池の分解斜視構成を表しており、図8は、図7に示した巻回電極体130のVIII−VIII線に沿った断面を拡大して示している。
この二次電池は、例えば、第1の二次電池と同様にリチウムイオン二次電池であり、主に、フィルム状の外装部材140の内部に、正極リード131および負極リード132が取り付けられた巻回電極体130が収納されたものである。このような外装部材140を用いた電池構造は、ラミネートフィルム型と呼ばれている。
正極リード131および負極リード132は、例えば、いずれも外装部材140の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。ただし、巻回電極体130に対する正極リード131および負極リード132の設置位置や、それらの導出方向などは、特に限定されない。正極リード131は、例えば、アルミニウムなどにより構成されており、負極リード132は、例えば、銅、ニッケルあるいはステンレスなどにより構成されている。これらの材料は、例えば、薄板状あるいは網目状になっている。
外装部材140は、例えば、融着層、金属層および表面保護層がこの順に積層されたラミネートフィルムである。この場合には、例えば、融着層が巻回電極体130と対向するように、2枚のフィルムの融着層における外縁部同士が融着、あるいは接着剤などにより貼り合わされている。融着層は、例えば、ポリエチレンあるいはポリプロピレンなどのフィルムである。金属層は、例えば、アルミニウム箔などである。表面保護層は、例えば、ナイロンあるいはポリエチレンテレフタレートなどのフィルムである。
中でも、外装部材140としては、ポリエチレンフィルム、アルミニウム箔およびナイロンフィルムがこの順に積層されたアルミラミネートフィルムが好ましい。ただし、外装部材140は、上記したアルミラミネートフィルムに代えて、他の積層構造を有するラミネートフィルムでもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムでもよい。
外装部材140と正極リード131および負極リード132との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム141が挿入されている。この密着フィルム141は、正極リード131および負極リード132に対して密着性を有する材料により構成されている。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。
巻回電極体130は、図8に示したように、セパレータ135および電解質層136を介して正極133と負極134とが積層および巻回されたものであり、その最外周部は、保護テープ137により保護されている。正極133は、例えば、正極集電体133Aの両面に正極活物質層133Bが設けられたものである。負極134は、例えば、負極集電体134Aの両面に負極活物質層134Bが設けられたものである。
図9は、図8に示した巻回電極体130の一部を拡大して表している。正極133は、例えば、一対の面を有する正極集電体133Aの両面に正極活物質層133Bが設けられたものである。負極134は、上記した負極と同様の構成を有しており、例えば、一対の面を有する負極集電体134Aの両面に負極活物質層134Bが設けられたものである。正極集電体133A、正極活物質層133B、負極集電体134A、負極活物質層134Bおよびセパレータ135の構成は、それぞれ上記した第1の二次電池における正極集電体121A、正極活物質層121B、負極集電体122A、負極活物質層122Bおよびセパレータ123の構成と同様である。
電解質層136は、高分子化合物により電解液が保持されたものであり、必要に応じて、各種添加剤などの他の材料を含んでいてもよい。この電解質層136は、いわゆるゲル状の電解質である。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に電解液の漏液が防止されるので好ましい。
高分子化合物としては、例えば、以下の高分子材料うちの少なくとも1種などが挙げられる。ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサンあるいはポリフッ化ビニルである。ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレンあるいはポリカーボネートである。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体である。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。中でも、ポリフッ化ビニリデン、あるいはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロピレンとの共重合体が好ましい。電気化学的に安定だからである。
電解液の組成は、第1の二次電池における電解液の組成と同様である。ただし、ゲル状の電解質である電解質層136において、電解液の溶媒とは、液状の溶媒だけでなく、電解質塩を解離させることが可能なイオン伝導性を有するものまで含む広い概念である。よって、イオン伝導性を有する高分子化合物を用いる場合には、その高分子化合物も溶媒に含まれる。
なお、高分子化合物により電解液が保持されたゲル状の電解質層136に代えて、電解液をそのまま用いてもよい。この場合には、セパレータ135に電解液が含浸される。
このゲル状の電解質層136を備えた二次電池は、例えば、以下の3種類の手順により製造される。
第1の製造方法では、最初に、第1の二次電池における正極121および負極122と同様の手順により、正極133および負極134を作製する。具体的には、正極集電体133Aの両面に正極活物質層133Bを形成して正極133を作製すると共に、負極集電体134Aの両面に負極活物質層134Bを形成して負極134を作製する。続いて、電解液、高分子化合物および溶剤を含む前駆溶液を調製して正極133および負極134に塗布したのち、その溶剤を揮発させてゲル状の電解質層136を形成する。続いて、正極集電体133Aに正極リード131を溶接などして取り付けると共に、負極集電体134Aに負極リード132を溶接などして取り付ける。続いて、電解質層136が形成された正極133と負極134とをセパレータ135を介して積層および巻回したのち、その最外周部に保護テープ137を接着させて巻回電極体130を作製する。最後に、2枚のフィルム状の外装部材140の間に巻回電極体130を挟み込んだのち、その外装部材140の外縁部同士を熱融着などで接着させて巻回電極体130を封入する。この際、正極リード131および負極リード132と外装部材140との間に、密着フィルム141を挿入する。これにより、図7〜図9に示した二次電池が完成する。
第2の製造方法では、最初に、正極133に正極リード131を取り付けると共に、負極134に負極リード132を取り付ける。続いて、セパレータ135を介して正極133と負極134とを積層して巻回させたのち、その最外周部に保護テープ137を接着させて巻回電極体130の前駆体である巻回体を作製する。続いて、2枚のフィルム状の外装部材140の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を熱融着などで接着させて、袋状の外装部材140の内部に巻回体を収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材140の内部に注入したのち、その外装部材140の開口部を熱融着などで密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とし、ゲル状の電解質層136を形成する。これにより、二次電池が完成する。
第3の製造方法では、最初に、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ135を用いることを除き、上記した第2の製造方法と同様に、巻回体を形成して袋状の外装部材140の内部に収納する。このセパレータ135に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体(単独重合体、共重合体、あるいは多元共重合体など)が挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種あるいは2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。続いて、電解液を調製して外装部材140の内部に注入したのち、その外装部材140の開口部を熱融着などで密封する。最後に、外装部材140に加重をかけながら加熱して、高分子化合物を介してセパレータ135を正極133および負極134に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して電解質層136が形成されるため、二次電池が完成する。
この第3の製造方法では、第1の製造方法よりも二次電池の膨れが抑制される。また、第3の製造方法では、第2の製造方法よりも高分子化合物の原料であるモノマーあるいは溶媒などが電解質層136中にほとんど残らないため、高分子化合物の形成工程が良好に制御される。このため、正極133、負極134およびセパレータ135と電解質層136との間において十分な密着性が得られる。
この二次電池では、充電時において、例えば、正極133からリチウムイオンが放出され、電解質層136を介して負極134に吸蔵される。一方、放電時において、例えば、負極134からリチウムイオンが放出され、電解質層136を介して正極133に吸蔵される。
この第2の二次電池によれば、負極134が図1に示した負極10と同様の構成を有しているので、高容量化を図りつつ、サイクル特性を向上させることができる。この第2の二次電池に関する他の効果は、上記した負極10と同様である。
<3−3.第3の二次電池(角型)>
図10および図11は、第3の二次電池の断面構成を表している。図10に示された断面と図11に示された断面とは、互いに直交する位置関係にある。すなわち、図11は、図10に示したXI−XI線に沿った矢視方向における断面図である。この二次電池は、いわゆる角型といわれるものであり、ほぼ中空直方体形状をなす外装缶151の内部に、偏平形状の巻回電極体160を収容したリチウムイオン二次電池である。
外装缶151は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、負極端子としての機能も有している。この外装缶151は、一端部が閉鎖され他端部が開放されており、開放端部に絶縁板152および電池蓋153が取り付けられることにより外装缶151の内部が密閉されている。絶縁板152は、ポリプロピレンなどにより構成され、巻回電極体160の上に巻回周面に対して垂直に配置されている。電池蓋153は、例えば、外装缶151と同様の材料により構成され、外装缶151と共に負極端子としての機能も有している。電池蓋153の外側には、正極端子となる端子板154が配置されている。また、電池蓋153の中央付近には貫通孔が設けられ、この貫通孔に、端子板154に電気的に接続された正極ピン155が挿入されている。端子板154と電池蓋153との間は絶縁ケース156により電気的に絶縁され、正極ピン155と電池蓋153との間はガスケット157により電気的に絶縁されている。絶縁ケース156は、例えばポリブチレンテレフタレートにより構成されている。ガスケット157は、例えば、絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
電池蓋153の周縁付近には開裂弁158および電解液注入孔159が設けられている。開裂弁158は、電池蓋153と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合に開裂して内圧の上昇を抑えるようになっている。電解液注入孔159は、例えばステンレス鋼球よりなる封止部材159Aにより塞がれている。
巻回電極体160は、正極161と負極162とが、セパレータ163を間にして積層されて渦巻き状に巻回されたものであり、外装缶151の形状に合わせて偏平な形状に成形されている。巻回電極体160の最外周にはセパレータ163が位置しており、そのすぐ内側には正極161が位置している。図11では、正極161および負極162の積層構造を簡略化して示している。また、巻回電極体160の巻回数は、図10および図11に示したものに限定されず、任意に設定可能である。巻回電極体160の正極161にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード164が接続されており、負極162にはニッケルなどよりなる負極リード165が接続されている。正極リード164は正極ピン155の下端に溶接されることにより端子板154と電気的に接続されており、負極リード165は外装缶151に溶接され電気的に接続されている。
図10に示したように、正極161は、正極集電体161Aの一方の面または両面に正極活物質層161Bが設けられたものであり、負極162は、負極集電体162Aの一方の面または両面に負極活物質層162Bが設けられたものである。正極集電体161A、正極活物質層161B、負極集電体162A、負極活物質層162Bおよびセパレータ163の構成は、それぞれ上記した第1の二次電池における正極集電体121A、正極活物質層121B、負極集電体122A、負極活物質層122Bおよびセパレータ123の構成と同様である。セパレータ163には、セパレータ123と同様の電解液が含浸されている。
この第3の二次電池は、例えば、以下のようにして製造することができる。
上記した第1の二次電池と同様に、正極161および負極162を、セパレータ163を介して巻回させることにより巻回電極体160を形成したのち、その巻回体160を外装缶151の内部に収容する。次いで、巻回電極体160の上に絶縁板152を配置し、負極リード165を外装缶151に溶接すると共に、正極リード164を正極ピン155の下端に溶接して、外装缶151の開放端部に電池蓋153をレーザ溶接により固定する。最後に、電解液を電解液注入孔159から外装缶151の内部に注入し、セパレータ163に含浸させ、電解液注入孔159を封止部材159Aで塞ぐ。これにより、図10および図11に示した二次電池が完成する。
この第3の二次電池によれば、負極162が上記した図1に示した負極10と同様の構成を有しているので、高容量化を図りつつ、サイクル特性を向上させることができる。この第3の二次電池に関する他の効果は、上記した負極10と同様である。
[4.リチウムイオン二次電池の用途]
次に、上記したリチウムイオン二次電池の適用例について説明する。
リチウムイオン二次電池の用途は、それを駆動用の電源あるいは電力蓄積用の電力貯蔵源などとして用いることが可能な機械、機器、器具、装置あるいはシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。リチウムイオン二次電池が電源として用いられる場合、それは主電源(優先的に使用される電源)でもよいし、補助電源(主電源に代えて、あるいは主電源から切り換えて使用される電源)でもよい。この主電源の種類は、リチウムイオン二次電池に限られない。
リチウムイオン二次電池の用途としては、例えば、以下の用途などが挙げられる。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノートパソコン、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビあるいは携帯用情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)などの携帯用電子機器である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源あるいはメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルあるいは電動のこぎりなどの電動工具である。ペースメーカーあるいは補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などの車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。もちろん、上記以外の用途でもよい。
中でも、リチウムイオン二次電池は、電動工具、電気自動車あるいは電力貯蔵システムなどに適用されることが有効である。優れた電池特性(サイクル特性、保存特性および負荷特性など)が要求されるため、本発明のリチウムイオン二次電池を用いることにより、有効に特性向上を図ることができるからである。なお、電動工具は、リチウムイオン二次電池を駆動用の電源として可動部(例えばドリルなど)が可動する工具である。電気自動車は、リチウムイオン二次電池を駆動用電源として作動(走行)する自動車であり、上記したように、リチウムイオン二次電池以外の駆動源も併せて備えた自動車(ハイブリッド自動車など)でもよい。電力貯蔵システムは、リチウムイオン二次電池を電力貯蔵源として用いるシステムである。例えば、家庭用の電力貯蔵システムでは、電力貯蔵源であるリチウムイオン二次電池に電力が蓄積されており、その電力が必要に応じて消費されるため、家庭用電気製品などの各種機器が使用可能になる。
本発明の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(実験例1−1〜1−10)
以下の手順により、図10および図11に示した角型の二次電池を製造した。この際、負極162の容量がリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池となるようにした。
まず、正極161を作製した。すなわち、炭酸リチウム(Li2 CO3 )と炭酸コバルト(CoCO3 )とを0.5:1のモル比で混合したのち、空気中において900℃で5時間焼成することにより、リチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2 )を得た。続いて、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物96質量部と、導電剤としてグラファイト1質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して正極合剤としたのち、N−メチル−2−ピロリドンに分散させることにより、ペースト状の正極合剤スラリーとした。最後に、帯状のアルミニウム箔(厚さ=15μm)からなる正極集電体161Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型することにより、正極活物質層161Bを形成した。こののち、正極集電体161Aの一端に、アルミニウム製の正極リード164を溶接して取り付けた。
次に、負極162を作製した。具体的には、電解銅箔からなる負極集電体162A(厚さ=20μm,十点平均粗さRz=4.0μm)を準備したのち、電子ビーム蒸着法によって負極集電体162Aの両面に負極活物質を複数回に亘って堆積させることにより、第1の層1および第2の層2が交互に10層ずつ積層された負極活物質粒子を複数形成し、負極活物質層162Bを得た。この際、蒸着処理槽の内部に間欠的に酸素ガスもしくは窒素ガスを導入しながら、所定の速度で走行する負極集電体162Aの表面に負極活物質を蒸着させ、厚さ10μmの負極活物質層162Bを形成した。ここでは単結晶珪素からなる蒸発源と、珪素に金属元素Xとしてニッケルを混合させた蒸着源とを用いた。これにより、第1の層1は、珪素の酸化物からなる挿入層3を含むものとなり、第2の層2は、酸素が珪素およびニッケルと結合してなる挿入層3を含むものとなった。なお、第2の層2における、珪素に対するニッケルの混合比は、原子比で0.1とした。また、負極活物質として含まれる酸素もしくは窒素の混合比を、後出の表1に示したように実験例ごとに変化させるようにした。詳細には、酸素もしくは窒素の混合比を、負極活物質層162Bに含まれる全ての珪素に対して0.005以上0.6以下の範囲で変化させた。さらに、挿入層3の厚さは20nmとした。負極活物質層162Bを形成したのち、負極集電体162Aの一端に、ニッケル製の負極リード165を溶接して取り付けた。
続いて、23μm厚の微孔性ポリエチレンフィルムよりなるセパレータ163を用意し、正極161と,セパレータ163と、負極162と、セパレータ163とを順に積層して積層体を形成したのち、この積層体を渦巻状に複数回巻回することで巻回電極体160を作製した。得られた巻回電極体160は、偏平な形状に成形した。
次に、偏平形状に成型された巻回電極体160を外装缶151の内部に収容したのち、巻回電極体160の上に絶縁板152を配置し、負極リード165を外装缶151に溶接すると共に、正極リード144を正極ピン155の下端に溶接して、外装缶151の開放端部に電池蓋153をレーザ溶接により固定した。そののち、電解液注入孔159から外装缶151の内部に電解液を注入した。電解液には、炭酸エチレン(EC)50重量%と炭酸ジエチル(DEC)50重量%とを混合した溶媒に、電解質塩としてLiPF6 を1mol/dm3 の濃度で溶解させたものを用いた。最後に、電解液注入孔159を封止部材159Aで塞ぐことにより、角型の二次電池を得た。
(実験例1−11)
電子ビーム蒸着法により負極活物質層162Bを形成するにあたり、第1および第2の層1,2のいずれにも挿入層3を形成しなかったことを除き、他は実験例1−1〜1−10と同様にして実験例1〜11の二次電池を作製した。
このようにして作製した各実験例の二次電池についてサイクル特性を調べると共に、負極活物質層162Bにおける珪素に対する酸素もしくは窒素の存在比(O/Si,N/Si)についても調べた。これらの結果を表1に示す。
Figure 2011165401
サイクル特性を調べる際には、以下の手順でサイクル試験を行うことにより、放電容量維持率を求めた。まず、電池状態を安定化させるために25℃の雰囲気中において1サイクル充放電させたのち、再び充放電させることにより、2サイクル目の放電容量を測定した。続いて、同雰囲気中において98サイクル充放電させることにより、100サイクル目の放電容量を測定した。最後に、放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100を算出した。この際、最初の1サイクルについては、まず、0.3mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.25Vに到達するまで定電流充電したのち、引き続き4.25Vの定電圧で電流密度が0.1mA/cm2 に到達するまで定電圧充電し、さらに、0.1mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が2.5Vに到達するまで定電流放電した。また、2サイクル目以降の1サイクルについては、まず、3mA/cm2 の定電流密度で電池電圧が4.2Vに到達するまで定電流充電したのち、引き続き4.2Vの定電圧で電流密度が0.1mA/cm2 に到達するまで定電圧充電し、さらに、0.3mA/cm2 の定電流密度電池電圧が2.5Vに到達するまで定電流放電した。
また、各実験例の負極活物質層162Bに含まれる酸素量または窒素量を、それぞれ以下の要領で測定した。
具体的には、株式会社堀場製作所製の酸素・窒素分析装置EMGA−620を用いて測定した。具体的には、まず、負極活物質層162Bの一部から取り出した試料(50mg以上)を、真空中に保持された抽出炉の内部において高温の黒鉛るつぼに投入し、さらに加熱することでその試料を熱分解させた。その結果、試料中のO,N,Hの各成分は各々CO,N2 ,H2 として外部に放出されるので、それらCO,N2 ,H2 の各ガスをキャリアガス(He)によって非分散赤外線検出器および熱伝導度検出器に搬送し、非分散赤外線検出器においてCOを、熱伝導度検出器においてN2 をそれぞれ検出することで酸素・窒素含有量(重量%)を測定した。なお、この非分散赤外線検出器および熱伝導度検出器では、検出したガス(COおよびN2 )の濃度に対応して交流信号が発信され、この交流信号がディジタル値に変換され、マイクロコンピュータにより直線化および積算処理される。積算後、所定の校正式によりブランク値補正および試料重量補正をして酸素・窒素含有量(重量%)が表示される。
さらに、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES)によって、負極集電体162Aに形成された負極活物質層162Bに含まれる珪素の含有量を測定した。以上の測定結果から、負極活物質層162Bに含まれる珪素、酸素および窒素の含有量を算出した。その結果を表1に併せて示す。
表1に示したように、実験例1−1〜1−10では挿入層3を設けるようにしたので、挿入層3を設けなかった実験例1−11と比較して放電容量維持率の向上が認められた。特に、挿入層3における珪素に対する酸素の原子比(O/Si)、または挿入層3における珪素に対する窒素の原子比(N/Si)が0.01以上0.5以下である場合(実験例1−2〜1−4,1−7〜1−9)には、より高い放電容量維持率が得られた。
(実験例2−1〜2−5)
次に、第2の層2における珪素に対するニッケルの含有率を変化させたことを除き、他は実験例1−3と同様にして角型の二次電池を作製した。ここで、挿入層3における珪素に対する酸素の原子比(O/Si)を、0.1に固定した。これらの実験例2−1〜2−5についてもサイクル特性(放電容量維持率)を調べたところ、表2に表した結果が得られた。
Figure 2011165401
表2に示したように、第2の層2において、珪素に対するニッケルの原子比が0.01以上1以下である場合(実験例1−3,2−1〜2−4)には、より高い放電容量維持率が得られることがわかった。
(実験例3−1〜3−8)
次に、第2の層2に含まれる負極活物質としての金属元素Xを表3に表したように変化させたことを除き、他は実験例1−3と同様にして角型の二次電池を作製した。ここで、第2の層2における珪素に対する金属元素Xの原子比を0.1とした。また、挿入層における珪素に対する酸素の原子比(O/Si)についても0.1とした。
(実験例3−9〜3−16)
電子ビーム蒸着法により負極活物質層162Bを形成するにあたり、第1および第2の層1,2のいずれにも挿入層3を形成しなかったことを除き、他は実験例3−1〜3−8とそれぞれ同様にして実験例3−9〜3−16の二次電池を作製した。
これらの実験例3−1〜3−16についてもサイクル特性(放電容量維持率)を調べたところ、表3に表した結果が得られた。
Figure 2011165401
表3に示したように、実験例3−1〜3−8では挿入層3を設けるようにしたので、挿入層3を設けなかった実験例3−9〜3−16とそれぞれ比較して放電容量維持率の大幅な向上が認められた。すなわち、第2の層における金属元素Xとして、ニッケルの代わりにコバルト,鉄,マンガン,クロム,チタン,アルミニウム,マグネシウムおよびモリブデンを用いた場合においても、ニッケルを用いた場合と同様の傾向が見られることが確認できた。なお、本実験例では、単一種の金属元素Xを添加するようにしたが、複数種の金属元素Xを用いて珪素と共に負極活物質を構成するようにした場合においても、挿入層3の効果が得られることを確認した。
(実験例4−1〜4−7)
次に、第2の層2の構造、ならびに第1および第2の層1,2に挿入される挿入層3の構造を表4に表したように変化させたことを除き、他は実験例1−3と同様にして角型の二次電池を作製した。
ここで、「直繊維状」、「曲繊維状」および「S字繊維状」の構造とは、いずれも、例えばTEMなどの電子顕微鏡によって観察される負極活物質からなる糸状組織であり、そのアスペクト比(径と長さとの比)が1:10以上であり、かつ、その径の最大値が50nm以下のものをいう。特に、「直繊維状」の構造とは、例えば図12(A)に示したように直線をなす糸状組織51のみからなるものをいう。図12(A)は、負極活物質層162Bにおける第2の層2を拡大して示した模式図である。直繊維状構造における糸状組織51は、領域2Aに含まれる直線部51Aと領域2Bに含まれる直線部51Bとが、挿入層3において連結されたものである。また、「曲繊維状」の構造とは、例えば図12(B)に示したように、互いに同方向に湾曲する一対の湾曲部52A,52Bが連結してなる屈曲形状をなす糸状組織52を含むものをいう。湾曲部52A,52Bは、それぞれ領域2A,2Bに含まれる。また、「S字繊維状」の構造とは、例えば図12(C)に示したように、互いに反対向きの方向に湾曲する一対の湾曲部53A,53Bが連結してなるS字形状をなす糸状組織53を含むものをいう。湾曲部53A,53Bは、それぞれ領域2A,2Bに含まれる。なお、いずれにおいても、負極活物質層162Bでは、糸状組織51〜53のいずれかが面内方向に複数配列されている。
これに対し「バルク状」構造とは、負極活物質が一体化されており、糸状組織が存在しない構造をいう。なお、図13(A)に、直繊維状構造を有する第2の層2と、バルク状構造を有する挿入層3とが存在する負極活物質層の断面構造の一例を表す。また、図13(B)に、直繊維状構造を有する第2の層2と、S字繊維状構造を有する挿入層3とが存在する負極活物質層の断面構造の一例を表す。図13(A)および13(B)は、いずれも、クロスセクションポリッシャーにより研磨して得た負極の断面を、走査型電子顕微鏡 (SEM;Scanning Electron Microscope)によって観察した画像である。なお、第2の層2における珪素に対する金属元素Xの原子比を全て0.1とした。また、挿入層における珪素に対する酸素の原子比(O/Si)についても0.1とした。
これらの実験例4−1〜4−7についてもサイクル特性(放電容量維持率)を調べたところ、表4に示した結果が得られた。
Figure 2011165401
表4に示したように、第2の層2および挿入層3のうちの少なくとも一方が繊維状、曲繊維状、もしくはS字繊維状である場合に、双方がバルク状である場合よりも高い放電容量維持率を示すことがわかった。特に、繊維状よりも曲繊維状が好ましく、曲繊維状よりもS字繊維状が好ましいことがわかった。
(実験例5−1〜5−6)
次に、挿入層3の厚さおよび酸素含有量(O/Si)を表5に表したように変化させたことを除き、他は実験例4−7と同様にして角型の二次電池を作製した。
これらの実験例5−1〜5−6についてもサイクル特性(放電容量維持率)を調べたところ、表5に示した結果が得られた。
Figure 2011165401
表5に示したように、挿入層3の厚さが2nm以上100nm以下の場合において特に良好な放電容量維持率が得られることがわかった。
以上の各実験例の結果から、本発明のリチウムイオン二次電池によれば、多層構造を有する負極活物質層の構造破壊が抑制されると共に、多層構造における各層間の密着性が向上するので、サイクル特性に優れることがわかった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はそれらで説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、負極の容量がリチウムイオンの吸蔵放出により表される場合について説明したが、必ずしもこれに限られない。本発明は、負極の容量がリチウムイオンの吸蔵放出による容量とリチウム金属の析出溶解による容量とを含み、かつ、それらの容量の和により表される場合についても適用可能である。この場合には、負極活物質としてリチウムイオンを吸蔵放出可能な負極材料が用いられると共に、負極材料の充電可能な容量が正極の放電容量よりも小さくなるように設定される
また、上記した実施の形態および実施例では、電池構造が円筒型、ラミネートフィルム型あるいは角型である場合や、電池素子が巻回構造を有する場合を例に挙げて説明したが、必ずしもこれに限られない。本発明の二次電池は、電池構造がコイン型あるいはボタン型などである場合や、電池素子が積層構造などを有する場合についても、同様に適用可能である。
1…第1の層、2…第2の層、3…挿入層、4…負極活物質粒子、5…糸状組織、10,10A,10B,10C,10D…負極、101,122A,134A,162A…負極集電体、102,102A,122B,134B,162B…負極活物質層、111…電池缶、112,113…絶縁板、114…電池蓋、115…安全弁機構、115A…ディスク板、116…熱感抵抗素子、117…ガスケット、120,130,160…巻回電極体、121,133,161…正極、121A,133A,161A…正極集電体、121B,133B,161B…正極活物質層、122,134,162…負極、123,135,163…セパレータ、124…センターピン、125,131,164…正極リード、126,132,165…負極リード、136…電解質、137…保護テープ、140…外装部材、141…密着フィルム、151…外装缶、152…絶縁板、153…電池蓋、154…端子板、155…正極ピン、156…絶縁ケース、157…ガスケット、158…開裂弁、159…電解液注入孔、159A…封止部材。

Claims (16)

  1. 負極集電体上に、負極活物質として珪素(Si)を含有する第1の層と負極活物質として珪素および金属元素を含有する第2の層とが交互に積層されてなる負極活物質層を有し、
    前記第1の層および第2の層のうちの少なくとも一方には、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方が挿入されている
    リチウムイオン二次電池用負極。
  2. 前記金属元素は、ニッケル(Ni),コバルト(Co),鉄(Fe),マンガン(Mn),クロム(Cr),チタン(Ti),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1種である
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  3. 前記第2の層において、珪素に対する前記金属元素の原子比が0.01以上1以下である
    請求項2記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 前記酸素含有領域における珪素に対する酸素の原子比、または前記窒素含有領域における珪素に対する窒素の原子比が0.01以上0.5以下である
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  5. 前記負極活物質層は、前記第1および第2の層を各々複数含む
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  6. 前記負極活物質層は複数の粒子からなり、前記粒子の各々が前記第1の層と前記第2の層との積層構造を有する
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  7. 前記負極活物質層は、前記負極活物質からなる負極活物質繊維を複数含み、
    前記負極活物質繊維は、前記第1の層から前記酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方を経由して前記第2の層に至るまで延在し、直線状、曲線状またはS字形状をなしている
    請求項1記載のリチウムイオン二次電池用負極。
  8. 正極および負極と共に電解質を備え、
    前記負極は、
    負極集電体上に、負極活物質として珪素(Si)を含有する第1の層と負極活物質として珪素および金属元素を含有する第2の層とが交互に積層されてなる負極活物質層を有し、
    前記第1の層および第2の層のうちの少なくとも一方には、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方が挿入されている
    リチウムイオン二次電池。
  9. 前記金属元素は、ニッケル(Ni),コバルト(Co),鉄(Fe),マンガン(Mn),クロム(Cr),チタン(Ti),アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg)およびモリブデン(Mo)のうちの少なくとも1種である
    請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
  10. 前記第2の層において、珪素に対する前記金属元素の原子比が0.01以上1以下である
    請求項9記載のリチウムイオン二次電池。
  11. 前記酸素含有領域における珪素に対する酸素の原子比、または前記窒素含有領域における珪素に対する窒素の原子比が0.01以上0.5以下である
    請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
  12. 前記負極活物質層は、前記第1および第2の層を各々複数含む
    請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
  13. 前記負極活物質層は複数の粒子からなり、前記粒子の各々が前記第1の層と前記第2の層との積層構造を有する
    請求項8記載のリチウムイオン二次電池。
  14. 正極および負極と共に電解液を備えたリチウムイオン二次電池を電源として作動する電動工具であって、
    前記負極は、
    負極集電体上に、負極活物質として珪素(Si)を含有する第1の層と負極活物質として珪素および金属元素を含有する第2の層とが交互に積層されてなる負極活物質層を有し、
    前記第1の層および第2の層のうちの少なくとも一方には、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方が挿入されている
    電動工具。
  15. 正極および負極と共に電解液を備えたリチウムイオン二次電池を電源として作動する電気自動車であって、
    前記負極は、
    負極集電体上に、負極活物質として珪素(Si)を含有する第1の層と負極活物質として珪素および金属元素を含有する第2の層とが交互に積層されてなる負極活物質層を有し、
    前記第1の層および第2の層のうちの少なくとも一方には、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方が挿入されている
    電気自動車。
  16. 正極および負極と共に電解液を備えたリチウムイオン二次電池を電力貯蔵源とする電力貯蔵システムであって、
    前記負極は、
    負極集電体上に、負極活物質として珪素(Si)を含有する第1の層と負極活物質として珪素および金属元素を含有する第2の層とが交互に積層されてなる負極活物質層を有し、
    前記第1の層および第2の層のうちの少なくとも一方には、層状の酸素含有領域および窒素含有領域の少なくとも一方が挿入されている
    電力貯蔵システム。
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