JP2018187393A - バネ解放式外科用クリップ - Google Patents

Abstract

【課題】バネ解放式外科用クリップを提供すること。【解決手段】外科用クリップは、第１および第２の部材を含む。第１の部材は、近位湾曲部をそれぞれ画定する第１の壁および第２の壁を含む。ベース部は、第１の壁および第２の壁に隣接し、ロック機構を画定する。第２の部材は、第１および第２の壁の間に第１の部材に回動可能に接続される。第２の部材は、嵌合機構を含み、近位湾曲部を画定する。第２の部材の嵌合機構は、第１の部材のロック機構に選択的に係合し、第１および第２の部材を接近位置にロックするように構成されている。各第１および第２の部材の近位湾曲部の互いに向かう移動は、第２の部材の嵌合機構を第１の部材のロック機構から係合解除させ、第１および第２の部材を接近位置から非接近位置へと移動させる。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、２０１７年５月１１日に出願された米国仮特許出願第６２／５０４，８２８号の利益および優先権を主張し、その全体の開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる。

本開示は、一般に、外科用クリップに関し、より詳細には、バネ解放式外科用クリップに関する。

外科用クリップは、様々な外科的処置において使用される。例えば、外科用クリップは、処置中に血管に適用されることができる。クリップが血管に適用されると、クリップは、血管を通る流体の流れを終了させる。

いくつかの外科的処置の間および／または後において、血管の周りに形成された外科用クリップは、そこから除去されなければならない。クリップが血管の周りに形成されると、外科用クリップを血管から除去することは大抵の場合に困難である。多くの場合、血管から形成されたクリップを除去するために特殊な器具が必要である。

したがって、血管の周りに形成されると血管から容易に除去することができる外科用クリップの必要性が存在する。

本開示の態様によれば、第１の部材および第２の部材を含む外科用クリップが提供される。第１の部材は、近位湾曲部をそれぞれ画定する第１の壁および第２の壁を含む。ベース部は、第１の壁および第２の壁に隣接し、ロック機構を画定する。第２の部材は、第１の壁と第２の壁との間において第１の部材に回動可能に接続する。第２の部材は、嵌合機構を含み、近位湾曲部を画定する。第２の部材の嵌合機構は、第１の部材のロック機構に選択的に係合し、第１および第２の部材を接近位置にロックするように構成されている。第１および第２の部材の近位湾曲部の互いに向かう移動は、第２の部材の嵌合機構を第１の部材のロック機構から係合解除させ、第１および第２の部材を接近位置から非接近位置へと移動させる。

実施形態において、第１の部材の近位湾曲部は、第１の壁と第２の壁との間に開口を画定することができる。

いくつかの実施形態において、第２の部材の近位湾曲部は、第１の部材の第１および第２の壁の近位湾曲部によって画定される開口内に少なくとも部分的に移動可能とされることができる。

特定の実施形態において、第１および第２の部材の遠位端部が接近位置にあるとき、各第１および第２の部材の近位湾曲部は、互いに離間することができる。第１および第２の部材の近位湾曲部は、第１および第２の部材の遠位端部が非接近位置にあるとき、互いに向かって移動することができる。

実施形態において、嵌合機構は、第２の部材の遠位端部に画定されたカエシとすることができる。

いくつかの実施形態において、ロック機構は、第１の部材の遠位端部のベース部を貫通して画定されたスロットとすることができる。

特定の実施形態において、第１および第２部材の遠位端部の互いに向かう移動は、カエシをスロット内の休止位置から圧縮位置へと内側に曲げることができる。

実施形態において、第１および第２の部材の遠位端部の互いに向かう連続的な移動は、第１の部材および第２の部材が接近位置にロックされるように、カエシをスロット内で移動させ、圧縮位置からロック位置へと外側に曲げることができる。

いくつかの実施形態において、第１の壁は、第１の凹部を画定し、第２の壁は、第１の凹部に対して対称的に対向する第２の凹部を画定することができる。

特定の実施形態において、第２の部材は、第１の表面から延びる第１の突起と、第１の突起に対して対称的に対向する第２の表面から延びる第２の突起とを画定することができる。第２の部材の第１および第２の突起は、第１の部材の第１および第２の凹部に選択的に係合するように構成されることができる。第２の部材の第１および第２の突起は、外科用クリップアプライアの第１のジョー部材に選択的に係合するように構成されることができる。

実施形態において、第１の部材は、第１の壁から延びる第１の突起と、第１の突起に対して対称的に対向する第２の壁から延びる第２の突起とを画定することができる。第１の部材の第１および第２の突起は、外科用クリップアプライアの第２のジョー部材に選択的に係合するように構成されることができる。

いくつかの実施形態において、外科用クリップアプライアの第１および第２のジョー部材は、第１および第２の部材を接近位置から非接近位置に移動させるように、各第１および第２の部材の近位湾曲部を互いに向かって圧縮し、第２の部材の嵌合機構を第１の部材のロック機構から係合解除するように構成されることができる。

特定の実施形態において、外科用クリップは、ポリマーおよび金属からなる群から選択される材料から形成されることができる。

実施形態において、第１および第２の壁のそれぞれは、その外面から延びるフランジ部を含むことができる。各第１および第２の壁のフランジ部は、内部に回動ピンを保持するように構成されることができる。

いくつかの実施形態において、回動ピンは、第１の部材および第２の部材を貫通して配置され、第１の部材を第２の部材に回動可能に接続することができる。

特定の実施形態において、ベース部、第１の壁、および第２の壁は、第１の部材内に空洞を画定することができる。第１の部材の空洞は、第２の部材を少なくとも部分的に受けるように構成されることができる。

実施形態において、第２の部材の遠位端部は、第１の軸を画定し、第２の部材の近位湾曲部は、第２の軸を画定することができる。第１の軸は、第２の軸から約９０度から約１７０度の角度で配向されることができる。

いくつかの実施形態において、第１の部材の遠位端部は、第１の軸を画定し、第１の部材の近位湾曲部は、それぞれ、第２の軸を画定することができる。第１の軸は、第２の軸のそれぞれから約９０度から約１５０度の角度で配向されることができる。

特定の実施形態において、第１および第２の部材のそれぞれの遠位端部は、湾曲した輪郭を有することができ、曲率半径を画定することができる。

実施形態において、外科用クリップは、生体適合性材料から形成されることができる。

本開示の目的および特徴は、その説明が添付図面を参照して読まれると、当業者にとって明らかになるであろう。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
（項目１）
外科用クリップであって、
近位湾曲部をそれぞれ画定する第１の壁および第２の壁と、
上記第１の壁および上記第２の壁に隣接するベース部であって、ロック機構を画定するベース部と
を含む第１の部材と、
上記第１および第２の壁の間に上記第１の部材に回動可能に接続され、嵌合機構を含むとともに近位湾曲部を画定する第２の部材と
を備え、
上記第２の部材の上記嵌合機構が、上記第１の部材の上記ロック機構に選択的に係合して上記第１および第２の部材を接近位置にロックするように構成されており、
上記各第１および第２の部材の上記近位湾曲部の互いに向かう移動が、上記第２の部材の上記嵌合機構を上記第１の部材の上記ロック機構から係合解除して上記第１および第２の部材を上記接近位置から非接近位置へと移動させる、外科用クリップ。
（項目２）
上記第１の部材の上記近位湾曲部が、上記第１および第２の壁の間の開口を画定する、上記項目に記載の外科用クリップ。
（項目３）
上記第２の部材の上記近位湾曲部が、上記第１の部材の上記第１および第２の壁の上記近位湾曲部によって画定される上記開口内に少なくとも部分的に移動可能である、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目４）
上記第１および第２の部材の遠位端部が上記接近位置にあるとき、上記各第１および第２の部材の上記近位湾曲部が互いから離間しており、上記第１および第２の部材の上記遠位端部が上記非接近位置にあるとき、上記各第１および第２の部材の上記近位湾曲部が互いに向かって移動される、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目５）
上記嵌合機構が、上記第２の部材の遠位端部に画定されたカエシである、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目６）
上記ロック機構が、上記第１の部材の遠位端部において上記ベース部を貫通して画定されるスロットである、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目７）
上記第１および第２の部材の遠位端部の互いに向かう移動が、上記カエシを上記スロット内の休止位置から圧縮位置へと内側に曲げさせる、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目８）
上記第１および第２の部材の上記遠位端部の互いに向かう連続的な移動が、上記第１の部材および上記第２の部材が上記接近位置にロックされるように、上記スロットを通って上記カエシを移動させ、上記圧縮位置からロック位置へと外側に曲げさせる、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目９）
上記第１の壁が第１の凹部を画定し、上記第２の壁が上記第１の凹部に対して対称的に対向する第２の凹部を画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１０）
上記第２の部材が、その第１の表面から延びる第１の突起と、上記第１の突起と対称的に対向するその第２の表面から延びる第２の突起とを画定し、上記第２の部材の上記第１および第２の突起が、上記第１の部材の上記第１および第２の凹部と選択的に係合するように構成され、上記第２の部材の上記第１および第２の突起が、外科用クリップアプライアの第１のジョー部材と選択的に係合するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１１）
上記第１の部材が、その上記第１の壁から延びる第１の突起と、上記第１の突起と対称的に対向するその上記第２の壁から延びる第２の突起とを画定し、上記第１の部材の上記第１および第２の突起が、上記外科用クリップアプライアの第２のジョー部材と選択的に係合するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１２）
上記外科用クリップアプライアの上記第１および第２のジョー部材が、上記接近位置から上記非接近位置へと上記第１および第２の部材を移動させるように、上記各第１および第２の部材の上記近位湾曲部を互いに向かって圧縮して上記第２の部材の上記嵌合機構を上記第１の部材の上記ロック機構から係合解除するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１３）
上記外科用クリップが、ポリマーおよび金属からなる群から選択される材料から形成される、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１４）
上記第１および第２の壁のそれぞれが、その外面から延びるフランジ部を含み、上記各第１および第２の壁の上記フランジ部が、回動ピンをその内部に保持するように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１５）
上記回動ピンが、上記第１の部材を上記第２の部材に回動可能に接続するように上記第１の部材および上記第２の部材を貫通して配置されている、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１６）
上記ベース部、上記第１の壁、および上記第２の壁が、上記第１の部材内の空洞を画定し、上記第１の部材の上記空洞が、上記第２の部材を少なくとも部分的に受けるように構成されている、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１７）
上記第２の部材の遠位端部が第１の軸を画定し、上記第２の部材の上記近位湾曲部が第２の軸を画定し、上記第１の軸が、上記第２の軸から約９０度から約１７０度の角度で配向される、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１８）
上記第１の部材の遠位端部が第１の軸を画定し、上記第１の部材の上記近位湾曲部がそれぞれ第２の軸を画定し、上記第１の軸が、上記第２の軸のそれぞれから約９０度から約１５０度の角度で配向される、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目１９）
上記第１および第２の部材のそれぞれの遠位端部が、湾曲した輪郭を有し、曲率半径を画定する、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（項目２０）
上記外科用クリップが生体適合性材料から形成される、上記項目のいずれかに記載の外科用クリップ。
（摘要）
外科用クリップは、第１および第２の部材を含む。第１の部材は、近位湾曲部をそれぞれ画定する第１の壁および第２の壁を含む。ベース部は、第１の壁および第２の壁に隣接し、ロック機構を画定する。第２の部材は、第１および第２の壁の間に第１の部材に回動可能に接続される。第２の部材は、嵌合機構を含み、近位湾曲部を画定する。第２の部材の嵌合機構は、第１の部材のロック機構に選択的に係合し、第１および第２の部材を接近位置にロックするように構成されている。各第１および第２の部材の近位湾曲部の互いに向かう移動は、第２の部材の嵌合機構を第１の部材のロック機構から係合解除させ、第１および第２の部材を接近位置から非接近位置へと移動させる。

図１は、本開示の外科用クリップとともに使用するための従来の外科用クリップアプライアの斜視図である。 図２は、開放位置または非接近位置で示された、図１の外科用クリップアプライアとともに使用するための外科用クリップの斜視図である。 図３は、図２の外科用クリップのロック機構に摩擦係合するように示された、図２の外科用クリップの嵌合機構の詳細図である。 図４は、閉鎖位置または接近位置で示された、図２の外科用クリップの斜視図である。 図５は、図４の線「５−５」に沿った、図２の外科用クリップの断面斜視図である。 図６Ａは、閉鎖位置または接近位置における図２の外科用クリップの側面図である。図６Ｂは、図２の外科用クリップの第１および第２の部材の端部に圧縮力「Ｃ」が加えられたときの外側に曲がった位置にある図２の外科用クリップの側面図である。図６Ｃは、第２の部材の嵌合機構が第１の部材のロック機構から最初に解放されたときの開放位置または非接近位置における図２の外科用クリップの側面図である。 図７Ａは、本開示にかかる外科用クリップの他の実施形態の遠位端の部分斜視図である。図７Ｂは、図７Ａの外科用クリップの第１の部材の遠位端の部分斜視図である。そして、図７Ｃは、図７Ａの外科用クリップの第２の部材の遠位端の部分斜視図である。

本外科用クリップの実施形態が、同様の参照符号がいくつかの図のそれぞれにおいて同一または対応する要素を示す図面を参照してここで詳細に記載される。以下の説明において、周知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を不明瞭にすることを回避するために詳細には記載されない。本明細書で使用される場合、用語「遠位」は、従来のように、使用者から遠いかまたは患者に近い器具、装置、デバイスまたはその構成要素の部分を指す一方で、用語「近位」は、患者に近いかまたは患者から遠い器具、装置、デバイスまたはその構成要素の部分を指す。

本開示は、バネ解放式外科用クリップに関する。外科用クリップが、例えば血管の周りに適用されると、クリップは、特殊な装置または器具を必要とせずに容易に除去されることができる。

最初に図１を参照すると、従来技術にかかる外科用クリップアプライアが示されており、一般に１００として示されている。外科用クリップアプライア１００は、ハンドルアセンブリ１１０と、ハンドルアセンブリ１１０から突出する細長チューブアセンブリ１２０と、細長チューブアセンブリ１２０の遠位端部において動作可能に支持される一対のジョー部材１３０ａおよび１３０ｂとを含む。ハンドルアセンブリ１１０は、固定ハンドル１１２と、回動軸１１６において固定ハンドル１１２に回動可能に取り付けられた圧迫可能トリガー１１４とを含む。ハウジングまたはバレル１１８は、固定ハンドル１１２に支持され、細長チューブアセンブリ１２０の近位端を選択的且つ取り外し可能に受けるように構成されている。少なくとも１つのクリップ（明確には示されていない）が、外科用クリップアプライア１００のジョー部材１３０ａ、１３０ｂ内に装填される。動作中において、ハンドルアセンブリ１１０のトリガー１１４が作動されると、単一の外科用クリップが発射され、例えば閉塞されるべき血管の周りに形成される。

内視鏡クリップアプライアのより詳細な開示については、同一譲受人に譲渡されたＧｒｅｅｎらによる米国特許第５，０８４，０５７号明細書および米国特許第５，１００，４２０号明細書、Ａｌｌｅｎらによる米国特許第５，３５４，３０４号明細書、Ｐｒａｔｔらによる米国特許第５，６０７，４３６号明細書、Ｐｉｅｒらによる米国特許第５，６９５，５０２号明細書、Ｓｏｒｒｅｎｔｉｎｏらによる米国特許第８，８９４，６６５号明細書に記載されており、その開示は、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

ここで図２を参照すると、本開示にかかる外科用クリップが示されており、一般に２００として示されている。外科用クリップ２００は、一般に、ベースまたは第１の部材２１０と、第１の部材２１０に回動可能に接続されたクランプまたは第２の部材２３０とを含む。

第１の部材２１０は、第１または長手方向軸「Ｘａ_１」を一般に画定する遠位端部２１０ａを含む。第１の部材２１０の近位端部２１１は、第１の部材２１０の第１の軸「Ｘａ_１」に対して角度「α_１」（例えば、湾曲またはフレア状）に配向されることができる第２の軸「Ｘａ_２」を画定する。例えば、第１の部材２１０の軸「Ｘａ_１」と「Ｘａ_２」との間の角度「α_１」は、約９０度から約１５０度とすることができる。

第１の部材２１０は、第１の壁２１３および第２の壁２１５を含む。第１の壁２１３は、それぞれ、内面２１３ａおよび外面２１３ｂを画定する。同様に、第２の壁２１５は、それぞれ、内面２１５ａおよび外面２１５ｂを画定する。各第１および第２の壁２１３、２１５の内面２１３ａ、２１５ａは、それらの間に空洞２１９を画定する。ベース部または壁２２１は、各第１および第２の壁２１３、２１５の内面２１３ａ、２１５ａの下部に隣接し、空洞２１９内に底部を形成する。ベース部２２１は、上面２２１ａおよび下面２２１ｂを含む。ベース部２２１の遠位端部においてベース部２２１の上面２２１ａおよび下面２２１ｂのそれぞれを通ってロック機構またはスロット２２３が画定されている。第１の部材２１０の近位端部２１１は、第１の壁２１３および第２の壁２１５の内面２１３ａ、２１５ａの間に開口２２５を画定する。

第１の部材２１０は、第１および第２の壁２１３、２１５の外面２１３ｂ、２１５ｂから延びる第１および第２のフランジ部２２７、２２９を画定する。第１および第２のフランジ部２２７、２２９は、後述するように、第１および第２の部材２１０、２３０を回動可能に接続するためにカム要素または回動ピン２４０をその内部に保持するように構成されている。

第２の部材２３０は、回動ピン２４０を介して第１の部材２１０に回動可能に接続され、例えば、それらの間の組織を閉塞、結紮、あるいはクランプするように、第１の部材２１０と選択的に係合するように構成されている。第２の部材２３０は、第２の部材２３０が第１の部材２１０の空洞２１９内に受けられるような寸法または幅を画定することができる。

第２の部材２３０は、第１または長手方向軸「Ｘｂ_１」を一般に画定する遠位端部２３０ａを含む。第２の部材２３０の近位端部２３１は、第２の部材２３０の第１の軸「Ｘｂ_１」に対して角度「α_２」（例えば、湾曲またはフレア状）に配向されることができる第２の軸「Ｘｂ_２」を画定する。例えば、第２の部材２３０の軸または平面「Ｘｂ_１」と「Ｘｂ_２」との間の角度「α_２」は、約９０度から約１７０度とすることができる。第２の部材２３０は、上面２３３および底面２３５を含む。第２の部材２３０の底面２３５は、以下により詳細に記載されるように、外科用クリップ２００が接近位置にロックされるように、第１および第２の部材２１０、２３０を一体に選択的にロックするように第１の部材２１０のスロット２２３と係合するように構成されたそれらの間に延びる嵌合機構またはカエシ２３７を含む。

回動ピン２４０は、第１の部材２１０を第２の部材２３０に回動可能に接続し、回動ピン２４０に対して、第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部（または近位端部）が、接近（例えば、閉鎖）位置と非接近（例えば、開放）位置との間において互いに向かっておよび互いから離れて移動（または回動）するのを可能とする。具体的には、第１および第２の部材２１０、２３０の各近位端部２１１、２３１の移動は、回動ピン２４０周りのモーメントを形成し、第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部２１０ａ、２３０ａが互いに向かっておよび互いから離れて回動するのを可能とする。

非接近位置において、第２の部材２３０の遠位端部２３０ａは、第１の部材２１０の遠位端部２１０ａから離間しており、第２の部材２３０の近位端部２３１は、第１の部材２１０の近位端部２１１において第１の壁２１３と第２の壁２１５との間に画定された開口２２５内に少なくとも部分的に配向される。

図３および図４を参照すると、互いに向かう第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部２１０ａ、２３０ａの移動は、第１および第２の部材２１０、２３０を接近位置にロックするように、第２の部材２３０のカエシ２３７を、第１の部材２１０のスロット２２３にスナップ嵌めし、摩擦的に、および／または摺動可能に係合させる。具体的には、第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部２１０ａ、２３０ａが（例えば、開放位置または離間位置から）互いに向かって移動するのにともない、第２の部材２３０のカエシ２３７は、スロット２２３をカム駆動するかまたは摺動可能に係合し、スロット２２３による休止位置（図２）から圧縮位置（図３）へと矢印「Ｉ」によって示されるように、カエシ２３７を内側に曲げさせる。互いに向かう第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部２１０ａ、２３０ａの継続した移動は、カエシ２３７を、例えばスロット２２３を通って移動させ、圧縮位置からロック位置（図４）へと外側に曲げさせるなど、打ち勝たせる。ロック位置において、第２の部材２３０のカエシ２３７は、ベース部２２１の下面２２１ｂに接触または当接し、第１および第２の部材２１０、２３０は、接近位置にロックされる（図４および図５）。上述したように、接近位置において、第２の部材２３０は、第１の部材２１０の第１および第２の壁２１３、２１５の間、および空洞２１９内に少なくとも部分的に配置される。さらに、接近位置において、図４に示すように、第２の部材２３０の近位端部２３１は、第１の部材２１０の近位端部２１１において、第１および第２の壁２１３、２１５の間に画定される開口２２５から離間される。

図５、図６Ａ、図６Ｂおよび図６Ｃを参照すると、外科用クリップ２００を接近似位置から非接近位置へと移動させるために（例えば、形成された外科用クリップ２００を血管から除去するために）、圧縮力が、矢印「Ｃ」によって示されるように、各第１および第２の部材２１０、２３０の近位端部２１１、２３１に加えられる。圧縮力「Ｃ」は、近位端部２１１、２３１を互いに向かって曲げさせ、回動ピン２４０周りの第１および第２の部材２１０、２３０のモーメントを生成し、矢印「Ｏ」によって示されるように、第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部２１０ａ、２３０ａを互いから離れるように曲げさせ（図６Ｂ）、それに対応して第２の部材２３０のカエシ２３７を第１の部材２１０のスロット２２３内で外側に曲げさせる。各第１および第２の部材２１０、２３０の近位端部２１１、２３１に対して圧縮力「Ｃ」を継続的に加えることは、第１および第２の部材２１０、２３０が非接近位置（図６Ｃ）に移動するように、第２の部材２３０のカエシ２３７を第１の部材２１０のスロット２２３から係合解除または解放させる。圧縮力「Ｃ」は、第２の部材２３０の近位端部２３１を、第１の部材２１０の近位端部２１１において第１および第２の壁２１３、２１５の間に画定された開口２２５内に少なくとも部分的に戻させることができる。

それゆえに、各第１および第２の部材２１０、２３０の近位端部２１１、２３１は、有利には、外科用クリップ２００、例えば、特殊な装置または器具を必要とせずに血管から容易に除去されることができるように、外科用クリップ２００を接近位置から非接近位置へと移動させるためのバネ解放構成として機能する。例えば、外科用クリップ２００は、各第１および第２の部材２１０、２３０の近位端部２１１、２３１に対して、単純な鉗子、把持装置、または外科用クリップアプライア１００を用いて圧縮力「Ｃ」を加えることによって除去されることができる。

使用中において、例えば、外科用クリップ２００は、例えば非接近位置において、外科用クリップアプライア１００のジョー１３０ａ、１３０ｂ内に装填される。最初に、ジョー１３０ａ、１３０ｂが外科用クリップ２００の近位端部２１１、２３１に係合した状態で、ハンドルアセンブリ１１０のトリガー１１４が作動されると、近位端部２１１、２３１が接近し、外科用クリップ２００の遠位端部２１０ａ、２３０ａが分離される。外科用クリップ２００の遠位端部２１０ａ、２３０ａが開放位置または非接近位置にある状態で、外科用クリップ２００は、血管が遠位端部２１０ａ、２３０ａの間に配置されるように血管上に配置される。血管が遠位端部２１０ａ、２３０ａの間に配置された状態で、ハンドルアセンブリ１１０のトリガー１１４は解放され、ジョー１３０ａ、１３０ｂを外科用クリップ２００の近位端部２１１、２３１から開放して解放し、ジョー１３０ａ、１３０ｂは、外科用クリップ２００の遠位端部２１０ａ、２３０ａにわたって再配置される。ハンドルアセンブリ１１０のトリガー１１４は、ジョー１３０ａ、１３０ｂを閉じ、外科用クリップ２００の遠位端部２１０ａ、２３０ａを血管上に接近させるように反応される。第１および第２の部材２１０、２３０の遠位端部２１０ａ、２３０ａが互いに向かって移動するのにともない、第２の部材２３０のカエシ２３７は、上述したように、カエシ２３７がスロット２２３を通って移動して第１および第２の部材２１０、２３０を接近位置にロックするように、第１の部材２１０のスロット２２３に摺動可能におよび／または摩擦的に係合する。

外科用クリップ２００は、上述したように、各第１および第２の部材２１０、２３０の近位端部２１１、２３１に圧迫または圧縮力「Ｃ」を加えるように、外科用クリップアプライア１００、単純な鉗子、把持装置などを使用して血管から除去されてもよい。

図７Ａ、図７Ｂ、および図７Ｃを参照すると、本開示の他の実施形態によれば、外科用クリップが示されており、参照符号３００によって一般に特定されている。外科用クリップ３００は、ベースまたは第１の部材３１０と、第１の部材３１０に回動可能に接続されたクランプまたは第２の部材３３０とを含む。外科用クリップ３００は、外科用クリップ２００と略同様であることから、外科用クリップ３００は、それらの間の明白な相違点を示すために必要に応じて記載されるのみである。

第１の部材３１０は、第１の壁３１３および第２の壁３１５を含む。第１の壁３１３は、それぞれ、内面３１３ａおよび外面３１３ｂを画定する。同様に、第２の壁３１５は、それぞれ、内面３１５ａおよび外面３１５ｂを画定する。第１および第２の壁３１３、３１５の内面３１３ａ、３１５ａは、それらの間の空洞３１９を画定する。ベース部３２１は、第１および第２の壁３１３、３１５の内面３１３ａ、３１５ａの下部に隣接し、空洞３１９内に底部を形成する。ベース部３２１は、上面３２１ａおよび下面３２１ｂを含む。ロッキング機構またはスロット３２３は、ベース部３２１の遠位端部においてベース部３２１の各上面３２１ａおよび下面３２１ｂを介して画定される。

第１の壁３１３の上端または表面は、第１の凹部３１４を画定する。同様に、第２の壁３１５の上端または表面は、第１の凹部３１４と対称的に対向する第２の凹部３１６を画定する。第１の壁３１３は、その外面３１３ｂから外側に延びる第１の突起または支柱３１８を含む。同様に、第２の壁３１５は、第１の支柱３２０に対称的に対向する外面３１５ｂから外側に延びる第２の突起または支柱３２０を含む。第１の部材３１０の第１および第２の支柱３１８、３２０は、外科用クリップアプライア１００のジョー部材１３０ａ、１３０ｂに外科用クリップ２００を装填するために、外科用クリップアプライア１００のジョー部材１３０ａに形成された凹部（明確には図示しない）と選択的に係合するように構成されている。

第２の部材３３０は、第１の部材３１０に回動可能に接続され、例えば、それらの間の組織を閉塞、結紮、あるいはクランプするように、第１の部材３１０と選択的に係合するように構成されている。第２の部材３３０は、第２の部材３３０が第１の部材３１０の空洞３１９内に受けられるような寸法または幅を画定することができる。第２の部材２３０は、上面３３３および底面３３５と、第１および第２の側面３４０、３４２とを含む。第２の部材３３０の底面３３５は、外科用クリップ３００を接近位置に選択的にロックするように、第１の部材３１０のスロット３２３に係合するように構成されたそこから延びる嵌合機構またはカエシ３３７を含む。

第２の部材３３０は、その第１の側面３４０の遠位端部から延びる第１の突起または支柱３４４と、第１の支柱３４４と対称的に対向するその第２の側面３４２の遠位端部から延びる第２の突起または支柱３４６とを含む。第２の部材３３０の第１および第２の支柱３４４、３４６は、外科用クリップアプライア１００のジョー部材１３０ａ、１３０ｂに外科用クリップ２００を装填するために、外科用クリップアプライア１００のジョー部材１３０ｂに形成された凹部（明確には図示しない）と選択的に係合するように構成されている。

使用中において、第１および第２の部材３１０、３３０の遠位端部が互いに向かって移動するのにともない、第１および第２の部材３１０、３３０をともに接近位置に選択的にロックするように、第１の部材３１０のスロット３２３と第２の部材３３０のカエシ３３７とが互いに選択的に係合する。第１および第２の部材３１０、３３０の遠位端部が接近位置に移動するのにともない、第１および第２の支柱３４４、３４６は、接近位置にあるときに外科用クリップ３００の全体的な輪郭または高さを低減させるために、第２の部材３３０の上面３３３が第１の部材３１０の上面または縁部と同一平面にあるように、第１の部材３１０の第１および第２の凹部３１４、３１６と係合する。そのため、外科用クリップ３００は、例えば、外科用クリップカートリッジ、外科用クリップアプライアなどにおいて、装填を容易にするために接近位置において低減した輪郭を画定することができる。

実施形態において、第２の部材３３０の第１の支柱３４４は、その下部にスロット付き部またはアンダーカット（明確には示されていない）を含むことができる。同様に、第２の部材３３０の第２の支柱３４６は、その下部にスロット付き部またはアンダーカット（明確には示されていない）を含むことができる。第２の部材３３０の各第１および第２の支柱３４４、３４６のアンダーカットは、第１の部材３１０の各第１および第２の凹部３１４、３１６に選択的に係合するように構成されている。実施形態において、第２の部材３３０のアンダーカットならびに第１の部材３１０の第１および第２の凹部３１４、３１６は、互いにスナップ嵌め式の接続を有してもよい。

実施形態において、各外科用クリップ２００、３００の第１の部材２１０、３１０および第２の部材２３０、３３０のそれぞれは、曲率半径（例えば、非直線状）を画定することができ、同じ方向に、あるいは異なる方向に、半径付けられることができる。いくつかの実施形態において、第２の部材２３０、３３０の近位端部２３１、３３１は、グースネック構成を画定してもよい。

実施形態において、本明細書に記載される任意のクリップは、生体適合性材料から形成されることができる。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される任意のクリップは、プラスチック、液晶ポリマー、ＨＤＰＥ、ポリグリコール酸、ポリグリコール酸ヒドロキシ酢酸などの高分子材料から形成されてもよい。特定の実施形態において、本明細書に記載される任意のクリップは、チタン、チタン合金、ステンレス鋼、ニッケルクロム合金などの金属または金属合金から形成されてもよい。実施形態において、本明細書に記載される任意のクリップは、曲げるおよび／またはバネ式の回動運動を呈するようにクリップを構成する材料から形成されてもよい。

当業者は、本明細書に具体的に記載され且つ添付した図に示される構造および方法が非限定的な例示的実施形態であり、説明、開示および図が特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきであることを理解するであろう。したがって、本開示は、記載された厳密な実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、当業者によって様々な他の変形例および変更例が達成されることができることが理解されるべきである。さらに、特定の実施形態に関連して示されまたは記載された要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく特定の他の実施形態の要素および特徴と組み合わせられてもよく、そのような変更例および変形例もまた、本開示の範囲内に含まれる。したがって、本開示の主題は、特に示されて記載されたものによって限定されるものではない。

Claims (20)

1. 外科用クリップであって、
   近位湾曲部をそれぞれ画定する第１の壁および第２の壁と、
   前記第１の壁および前記第２の壁に隣接するベース部であって、ロック機構を画定するベース部と
   を含む第１の部材と、
   前記第１および第２の壁の間に前記第１の部材に回動可能に接続され、嵌合機構を含むとともに近位湾曲部を画定する第２の部材と
   を備え、
   前記第２の部材の前記嵌合機構が、前記第１の部材の前記ロック機構に選択的に係合して前記第１および第２の部材を接近位置にロックするように構成されており、
   前記各第１および第２の部材の前記近位湾曲部の互いに向かう移動が、前記第２の部材の前記嵌合機構を前記第１の部材の前記ロック機構から係合解除して前記第１および第２の部材を前記接近位置から非接近位置へと移動させる、外科用クリップ。
2. 前記第１の部材の前記近位湾曲部が、前記第１および第２の壁の間の開口を画定する、請求項１に記載の外科用クリップ。
3. 前記第２の部材の前記近位湾曲部が、前記第１の部材の前記第１および第２の壁の前記近位湾曲部によって画定される前記開口内に少なくとも部分的に移動可能である、請求項２に記載の外科用クリップ。
4. 前記第１および第２の部材の遠位端部が前記接近位置にあるとき、前記各第１および第２の部材の前記近位湾曲部が互いから離間しており、前記第１および第２の部材の前記遠位端部が前記非接近位置にあるとき、前記各第１および第２の部材の前記近位湾曲部が互いに向かって移動される、請求項３に記載の外科用クリップ。
5. 前記嵌合機構が、前記第２の部材の遠位端部に画定されたカエシである、請求項１に記載の外科用クリップ。
6. 前記ロック機構が、前記第１の部材の遠位端部において前記ベース部を貫通して画定されるスロットである、請求項５に記載の外科用クリップ。
7. 前記第１および第２の部材の遠位端部の互いに向かう移動が、前記カエシを前記スロット内の休止位置から圧縮位置へと内側に曲げさせる、請求項６に記載の外科用クリップ。
8. 前記第１および第２の部材の前記遠位端部の互いに向かう連続的な移動が、前記第１の部材および前記第２の部材が前記接近位置にロックされるように、前記スロットを通って前記カエシを移動させ、前記圧縮位置からロック位置へと外側に曲げさせる、請求項７に記載の外科用クリップ。
9. 前記第１の壁が第１の凹部を画定し、前記第２の壁が前記第１の凹部に対して対称的に対向する第２の凹部を画定する、請求項１に記載の外科用クリップ。
10. 前記第２の部材が、その第１の表面から延びる第１の突起と、前記第１の突起と対称的に対向するその第２の表面から延びる第２の突起とを画定し、前記第２の部材の前記第１および第２の突起が、前記第１の部材の前記第１および第２の凹部と選択的に係合するように構成され、前記第２の部材の前記第１および第２の突起が、外科用クリップアプライアの第１のジョー部材と選択的に係合するように構成されている、請求項９に記載の外科用クリップ。
11. 前記第１の部材が、その前記第１の壁から延びる第１の突起と、前記第１の突起と対称的に対向するその前記第２の壁から延びる第２の突起とを画定し、前記第１の部材の前記第１および第２の突起が、前記外科用クリップアプライアの第２のジョー部材と選択的に係合するように構成されている、請求項１０に記載の外科用クリップ。
12. 前記外科用クリップアプライアの前記第１および第２のジョー部材が、前記接近位置から前記非接近位置へと前記第１および第２の部材を移動させるように、前記各第１および第２の部材の前記近位湾曲部を互いに向かって圧縮して前記第２の部材の前記嵌合機構を前記第１の部材の前記ロック機構から係合解除するように構成されている、請求項１１に記載の外科用クリップ。
13. 前記外科用クリップが、ポリマーおよび金属からなる群から選択される材料から形成される、請求項１に記載の外科用クリップ。
14. 前記第１および第２の壁のそれぞれが、その外面から延びるフランジ部を含み、前記各第１および第２の壁の前記フランジ部が、回動ピンをその内部に保持するように構成されている、請求項１に記載の外科用クリップ。
15. 前記回動ピンが、前記第１の部材を前記第２の部材に回動可能に接続するように前記第１の部材および前記第２の部材を貫通して配置されている、請求項１４に記載の外科用クリップ。
16. 前記ベース部、前記第１の壁、および前記第２の壁が、前記第１の部材内の空洞を画定し、前記第１の部材の前記空洞が、前記第２の部材を少なくとも部分的に受けるように構成されている、請求項１に記載の外科用クリップ。
17. 前記第２の部材の遠位端部が第１の軸を画定し、前記第２の部材の前記近位湾曲部が第２の軸を画定し、前記第１の軸が、前記第２の軸から約９０度から約１７０度の角度で配向される、請求項１に記載の外科用クリップ。
18. 前記第１の部材の遠位端部が第１の軸を画定し、前記第１の部材の前記近位湾曲部がそれぞれ第２の軸を画定し、前記第１の軸が、前記第２の軸のそれぞれから約９０度から約１５０度の角度で配向される、請求項１に記載の外科用クリップ。
19. 前記第１および第２の部材のそれぞれの遠位端部が、湾曲した輪郭を有し、曲率半径を画定する、請求項１に記載の外科用クリップ。
20. 前記外科用クリップが生体適合性材料から形成される、請求項１に記載の外科用クリップ。