JP2018163196A - キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents

キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】所望の磁気特性と電気抵抗とを有し、しかも様々な環境下においても所定の電気抵抗を安定して維持することができるキャリア芯材を提供する。【解決手段】Feが48質量%〜52質量%、Mnが16質量%〜22質量%、Mgが1.0質量%〜3.5質量%、Caが0.05質量%〜0.5質量%含まれるフェライト粒子からなるキャリア芯材であって、温度10℃・相対湿度35%の環境下(L/L環境下)における印加電圧500Vでの電気抵抗値をRL(Ω・cm)とし、温度30℃で相対湿度70%の環境下(H/H環境下)における印加電圧500Vでの電気抵抗値をRH(Ω・cm)としたとき、下記式(1)を満足することを特徴とする0.1≦(logRL−logRH)≦0.3 ・・・・・・(1)【選択図】図2

Description

本発明は、キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤に関するものである。
電子写真方式を用いたファクシミリやプリンター、複写機などの画像形成装置では、粉体のトナーを感光体上の静電潜像に付着させてトナー像として可視像化し、このトナー像を用紙等に転写した後、加熱及び加圧して用紙等に溶融定着させている。ここで、現像剤としては、トナーのみからなる一成分系現像剤と、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤とに大別される。近年では、二成分系現像剤の方がトナーの帯電制御が容易で、安定して高画質を得られ、高速現像が可能であることから広く用いられている。
二成分系現像剤を用いた現像方式では、トナーとキャリアとを現像装置内で撹拌混合し、摩擦によってトナーを所定量まで帯電させる。そして、回転する現像スリーブに現像剤を供給し、現像スリーブ上で磁気ブラシを形成させて、磁気ブラシを介して感光体へトナーを電気的に移動させて感光体上の静電潜像を可視像化する。トナー移動後のキャリアは現像スリーブ上から剥離され、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、磁気ブラシを形成する磁気特性と、所望の電荷をトナーに付与する帯電特性などが要求される。
例えば特許文献1では、Li−Mn系フェライト粒子から構成されるキャリア芯材において、芯材組成を最適化することで帯電と磁化を制御するとともに、樹脂コートの厚みを適切にすることで電気抵抗を制御し高画質の画像を安定して形成する技術が提案されている。
ところが、特許文献1のキャリア芯材では、画像形成速度の高速化に伴って現像装置内における現像剤の撹拌・搬送速度が速くなると、現像剤にかかるストレスが大きくなって樹脂コート層が剥がれるおそれがある。キャリアから樹脂コート層が剥がれてキャリア芯材が露出すると、電気抵抗が著しく低下し、画像欠陥(キャリア現像)が生じることがある。また、キャリア芯材の絶縁破壊電圧が低いため、高いバイアス電圧が印加されると画像欠陥(キャリア現像)が生じることがある。
そこで、例えば特許文献2〜4では、キャリア芯材を高抵抗化して樹脂コート層が剥離したときのキャリア抵抗の低下を抑制する技術が提案されている。具体的には、Mn系フェライト芯材において芯材中の酸素量を過剰にして電気抵抗の低下を抑制することが提案されている。
しかしながら、キャリア芯材が高抵抗であると電荷の移動が遅くなり、現像後のカウンターチャージのリークが円滑に行われず、画像形成速度が速い場合には良好な画像濃度が得られないおそれがある。
加えて、複写機などの画像形成装置は、一般的にオフィス等において設置されているものであるが、オフィスの環境は世界各国において種々の環境が存在する。例えば、気温30℃・相対湿度70%の高温高湿環境、また逆に気温10℃・相対湿度35%の低温低湿環境がある。画像形成装置に用いられる現像剤には、このような気温・相対湿度が様々な環境下においても特性の変化が小さいこと、いわゆる環境安定性が良いことが求められる。特に近年、キャリアの電気抵抗の環境安定性が画質を決める重要な要因であるとの知見が得られている。
特開平09−236945号公報 WO2011/125647号公報 特開2013−50733号公報 特開2014−164061号公報
本発明は上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、所望の磁気特性と電気抵抗とを有し、しかも様々な環境下においても所定の電気抵抗を安定して維持することができるキャリア芯材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、長期にわたる電子写真現像において高品質画像を維持することのできる電子写真現像剤用キャリア、電子写真現像剤を提供することにある。
本発明によれば、Feが48質量%〜52質量%、Mnが16質量%〜22質量%、Mgが1.0質量%〜3.5質量%、Caが0.05質量%〜0.5質量%含まれるフェライト粒子からなるキャリア芯材であって、温度10℃・相対湿度35%の環境下(L/L環境下)における印加電圧500Vでの電気抵抗値をR(Ω・cm)とし、温度30℃で相対湿度70%の環境下(H/H環境下)における印加電圧500Vでの電気抵抗値をR(Ω・cm)としたとき、下記式(1)を満足することを特徴とするキャリア芯材が提供される。
0.1≦(logR−logR)≦0.3 ・・・・・・(1)
なお、本明細書において示す「〜」は、特に断りのない限り、その前後に記載の数値を下限値及び上限値としてを含む意味で使用する。
また本発明によれば、前記記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
さらに本発明によれば、前記記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤が提供される。
本発明のキャリア芯材によれば、所望の磁気特性と電気抵抗とが得られ、また様々な環境下においても所定の電気抵抗が安定して維持される。
また、本発明の電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤によれば、高速の画像形成装置に使用しても安定して良好な画質の画像が長期間にわたって得ることができる。
キャリア芯材の製造工程例を示す図である。 焼成工程における温度と酸素濃度の経時変化を示す図である。
本発明者等は、キャリア芯材において所望の磁気特性と電気抵抗とを得るため鋭意検討を重ねたところ、キャリア芯材を構成するフェライト粒子の組成が特許文献1〜4に記載のMn系フェライトの場合、電気抵抗を高くすると磁気特性が低下するという知見を得た。そこで、フェライト粒子の組成に関して種々検討した結果、Fe、Mn、Mg、Caを含む組成が望ましいことを見出した。すなわち、本発明のキャリア芯材の大きな特徴の一つは、キャリア芯材を構成するフェライト粒子の組成が、Feを48質量%〜52質量%、Mnを16質量%〜22質量%、Mgを1.0質量%〜3.5質量%、Caを0.05質量%〜0.5質量%含むことにある。フェライト粒子の組成をこのように調整することで、所望の電気抵抗と磁気特性を得ることができる。
そして、本発明者等は前記フェライト組成を前提にさらに検討を続けたところ、Caがキャリア芯材中に偏析することがあり、これによって組成のズレが生じる課題、また製造工程において各成分原料を混合してスラリーとした際にスラリー粘度が上昇する課題が新たに生じた。
そこで、これらの新たな課題を解決するためさらなる検討を行った結果、原料を混合して焼成(仮焼成)した後、これを粉砕して仮焼成粉とし、この仮焼成粉を水などの媒体に混合してスラリーとし、これを造粒及び焼成(本焼成)することとした。これにより、原料が均一に分散しキャリア芯材としたときのCaの偏析が防止される。
また、仮焼成粉をスラリーとする際の仮焼成粉の粒径D90を3.5μm以下とすることが重要であることを突き止めた。スラリー中の仮焼成粉の粒径D90を3.5μm以下とすることによって、スラリー中の粗大粒子が少なくなり、その後の焼成工程において異常な結晶成長が引き起こされず、結果としてキャリア芯材の電気抵抗の環境安定性が向上する。なお、粒径D90とは粒径累積分布における90%累積時における粒径を意味する。スラリー中の仮焼成粉の粒径D90を3.5μm以下とするには、水などの分散媒中に投入する前に仮焼成粉を粉砕装置によって粉砕処理してもよいし、分散媒に投入した後に湿式粉砕装置を用いてスラリー中の仮焼成粉を湿式粉砕してもよい。
また本発明のキャリア芯材のもう一つの大きな特徴は、L/L環境下における印加電圧500Vでの電気抵抗値をR(Ω・cm)とし、H/H環境下における印加電圧500Vでの電気抵抗値をR(Ω・cm)としたとき前記式(1)を満足することである。すなわち、キャリア芯材の電気抵抗の環境安定性が高いことである。このようにキャリア芯材の電気抵抗の環境安定性を高めるためには、キャリア芯材を製造する際の本焼成工程における焼成雰囲気中の酸素濃度を調整すればよい。詳細については以下のキャリア芯材の製造方法に関する説明で記述する。
(キャリア芯材の製造方法)
以下、本発明に係るキャリア芯材を製造方法について説明する。図1は、本発明に係るキャリア芯材を製造する製造方法例において、代表的な工程を示すフローチャートである。以下、図1に沿って、本発明に係るキャリア芯材の製造方法例について説明する。
(原料混合工程)
本発明の一実施形態に係るキャリア芯材を構成するFe成分原料については、金属Feまたはその酸化物であればよい。具体的には、常温常圧下で安定に存在するFeやFe、Feなどが好適に用いられる。また、Mn成分原料については、金属Mnまたはその酸化物であればよい。具体的には、常温常圧下で安定に存在する金属Mn、MnO、Mn、Mn、MnCOが好適に使用される。また、Mg成分原料についてはMgO、Mg(OH)、MgCOが好適に使用できる。また、Ca成分原料としては、金属Caまたはその酸化物が好適に用いられる。具体的には、例えば、炭酸塩であるCaCOや、水酸化物であるCa(OH)、酸化物であるCaO等が挙げられる。上記の成分原料(Fe成分原料、Mn成分原料、Mg成分原料、Ca成分原料等)を目的の組成になるように混合する。
(仮焼成工程)
得られた混合物を大気雰囲気下の加熱炉で加熱し所定時間保持して仮焼成する。これにより、炭酸塩や水酸化物などの形態で混合した原料は実質的に酸化物の形態で塊状物となり、揮発性成分や非金属介在物などは分解・蒸発除去される。そして、得られた塊状物を、冷却後、乾式ボールミルなどの粉砕機で粉砕して、仮焼成粉の粒径D90を3.5μm以下とする。仮焼成温度としては600℃〜1000℃の範囲が好ましく、より好ましくは700℃〜900℃であるのが好ましい。600℃以上であれば一部フェライト化の反応が進みMgフェライトができるため、原料をスラリー化した際の粘度上昇の問題が生じないので好ましい。一方、1000℃以下であると原料の過剰焼結が進むことがないので好ましい。仮焼成時間としては1h〜5hの範囲が好ましい。
(スラリー化工程)
前記作製した仮焼成粉末を分散媒中に投入し混合してスラリーを作製する。スラリーの固形分濃度は40質量%〜90質量%の範囲が望ましい。本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、仮焼成粉末の他、必要によりバインダー、分散剤、還元剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2質量%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2質量%程度とするのが好ましい。還元剤としては、カーボン粉末やポリカルボン酸系有機物、ポリアクリル酸系有機物、マレイン酸、酢酸、ポリビニルアルコール(PVA)系有機物、及びそれらの混合物が好適に用いられる。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕し、スラリー中の仮焼成粉の粒径D90が3.5μm以下となるようにする。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、Fe系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
(造粒工程)
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10μm〜200μmの球状の造粒粉が得られる。なお、得られた造粒粉は、振動篩等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。例えば、粒径5μm以下および100μm以上の粒子を篩分けにて除去する。
(本焼成工程)
次に、造粒粉の焼成を行う。この本焼成工程は、造粒粉を焼成温度(トップ温度)まで昇温する昇温段階と、焼成温度を所定時間保持して焼成を行う加熱段階と、焼成温度から常温まで冷却を行う冷却段階とを含む。図2に本焼成工程の温度と酸素濃度の経時変化を示す図を示す。
加熱段階では、焼成温度を1000℃〜1200℃程度とし、焼成温度に達してからの保持時間を3時間〜24時間とする。
ここで、本焼成工程において焼成雰囲気中の酸素濃度を加熱段階の後半において高くなるように切り換えることが重要である。フェライト粒子(造粒粉)の焼結がほぼ完了したところで酸素濃度を高くすることによって、フェライト粒子に所望の酸化が起こって電気抵抗が高まるとともに電気抵抗の高い環境安定性が得られる。
焼成雰囲気中の酸素濃度の切り替えは、加熱段階の終了時の少なくとも1時間前から開始する。ただし、焼成温度での保持時間は少なくとも2時間以上確保する。また、酸素濃度の切り換え時間は1時間〜3時間の範囲とし、焼成温度が800℃未満となるまでに酸素濃度の切り換えを終了させる。この条件を満足する範囲において、酸素濃度の切り換え終了時は加熱段階であってもよいし冷却段階であってもよい。
焼成雰囲気中の酸素濃度は切り換え前は2000ppm〜8000ppmの範囲が好ましく、切り換え後は4000ppm〜9000ppmの範囲が好ましい。切り換え前後の酸素濃度差は1000ppm〜4000ppmの範囲が好ましい。
(解粒工程)
このようにして得られた焼成物を解粒する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。
(分級工程)
解粒処理後、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。フェライト粒子の粒径としては25μm以上50μm未満が好ましい。
(酸化処理工程)
次に、分級後のフェライト粒子を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成してフェライト粒子の高抵抗化を図ってもよい。具体的には、フェライト粒子の電気抵抗値Rが、温度22℃・相対湿度50%の環境下(N/N環境下)で500V印加時のlogRが8.1〜8.8の範囲とするのが好ましい。フェライト粒子の電気抵抗値を上げることにより、電荷のリークによるキャリア飛散のおそれを低減することができる。酸化性雰囲気としては大気雰囲気又は酸素と窒素の混合雰囲気のいずれでもよい。また、加熱温度は、200℃〜800℃の範囲が好ましく、250℃〜600℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は0.5時間〜5時間の範囲が好ましい。なお、このような酸化処理工程については、必要に応じて任意に行われるものである。
(電子写真現像用キャリア)
以上のようにして作製したフェライト粒子を本発明のキャリア芯材として用いる。そして、所望の帯電性等を得るために、キャリア芯材の外周を樹脂で被覆して電子写真現像用キャリアとする。
キャリア芯材の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
キャリア芯材の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液をキャリア芯材に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001質量%〜30質量%、特に0.001質量%〜2質量%の範囲内にあるのがよい。
キャリア芯材への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
キャリアの粒子径は、一般に、体積平均粒子径で25μm以上50μm未満の範囲、特に30μm以上40μm以下の範囲が好ましい。
(電子写真用現像剤)
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製したキャリアとトナーとを混合してなる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1質量%〜15質量%の範囲が好ましい。トナー濃度が1質量%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が15質量%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3質量%〜10質量%の範囲である。
トナーとしては、重合法、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法など従来公知の方法で製造したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有させたものが好適に使用できる。
トナーの粒径は、一般に、コールターカウンターによる体積平均粒径で5μm〜15μmの範囲が好ましく、7μm〜12μmの範囲がより好ましい。
トナー表面には、必要により、改質剤を添加してもよい。改質剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
(実施例1)
Fe(平均粒径:0.6μm)を68.0kg、Mn(平均粒径:2μm)を29.3kg、MgOを2.20kg、CaCOを0.5kg混合した。この混合物を、800℃で2時間加熱し、仮焼成粉を得た。得られた仮焼成粉を粉砕し、粉砕後の仮焼成粉25kgを水8.7kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を150g、還元剤としてカーボンブラックを100g添加し、湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。このスラリーにおける仮焼成粉の粒径D90は2.4μmであった。
このスラリーをスプレードライヤーを用いて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉は、篩により除去した。
この造粒粉を、電気焼成炉に投入し、温度1100℃で保持時間5時間として本焼成を行った。この本焼成工程において、昇温段階及び焼成温度になってから4時間までは焼成雰囲気中の酸素濃度が5000ppmとなるように制御を行い、焼成段階終了1時間前から1時間をかけて焼成雰囲気中の酸素濃度を5000ppmから6500ppmに切替えた。その後、前記酸素濃度を維持して冷却を行った。得られた焼成物は解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径32μmのキャリア芯材を得た。さらに、得られたキャリア芯材に対して、温度400℃、大気下で1時間保持することにより酸化処理を施し実施例1に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例2)
焼成工程における酸素濃度を焼成段階終了3時間前から3時間をかけて切り換えた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例3)
焼成工程における切り替え後の酸素濃度を9000ppmとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例4)
焼成工程における切り替え前の酸素濃度を2000ppm、および切り替え後の酸素濃度を4000ppmとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例5)
焼成工程における切り替え前の酸素濃度を8000ppm、および切り替え後の酸素濃度を9000ppmとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例6)
スラリー中の仮焼成粉の粒径D90を1.5μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例7)
スラリー中の仮焼成粉の粒径D90を3.5μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例8)
Ca組成を0.05質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例9)
Ca組成を0.5質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例9に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(実施例10)
Feを51質量%、Mnを17質量%、Mgを3.1質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、実施例10に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例1)
本焼成工程および冷却工程における酸素濃度を5000ppmと一定とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例2)
焼成工程における酸素濃度を焼成段階終了3時間前から5時間をかけて切り換えた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2に係るキャリア芯材を得た。なお、酸素濃度を切り換え終えた時は加熱段階から冷却段階に入っており、この時の焼成炉内の温度は800℃未満であった。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例3)
焼成工程における切り替え前の酸素濃度を12000ppm、および切り替え後の酸素濃度を4000ppmとした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例4)
焼成工程および冷却工程における酸素濃度を1000ppmと一定とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例5)
仮焼成を行わず、スラリー中の仮焼成粉の粒径D90を0.9μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例5に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例6)
仮焼成温度を1000℃とし、スラリー中の仮焼成粉の粒径D90を4.0μmとした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例6に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例7)
Ca成分を0質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例7に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(比較例8)
Ca成分を0.6質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で、比較例8に係るキャリア芯材を得た。得られたキャリア芯材の組成、磁気的特性、電気的特性を表1に示す。
(組成の分析)
(総Fe量の定量)
キャリア芯材を秤量し、塩酸と硝酸の混酸水に溶解させた。この溶液を蒸発乾固させた後、硫酸水を添加して再溶解し過剰な塩酸と硝酸とを揮発させる。この溶液に固体Alを添加して液中のFe3+をFe2+に還元する。続いて、この溶液中のFe2+イオンの量を過マンガン酸カリウム溶液で電位差滴定することにより定量分析し、総Feの滴定量を求めた。
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行った。本発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
(Mg、Caの分析)
キャリア芯材のMg、Ca含有量は、以下の方法で分析を行った。本発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行った。本発明に記載したキャリア芯材のMg、Ca含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg、Ca量である。
(キャリア芯材の電気抵抗測定)
キャリア芯材を恒温恒湿槽(エスペック株式会社製、MODEL;PH−1KT)を用い、温度22℃、相対湿度50%の環境下(N/N環境下)、温度10℃、相対湿度35%の環境下(L/L環境下)および温度30℃、相対湿度70%の環境下(H/H環境下)において1昼夜調湿した後、その環境下で測定を行なった。
まず、水平に置かれた絶縁板、例えば、テフロン(登録商標)でコートされたアクリル板の上に、電極として表面を電解研摩した板厚2mmのSUS(JIS)304板2枚を、電極間距離2mmとなるように配置する。この時、2枚の電極板は、その法線方向が水平方向となるようにする。2枚の電極板の間の空隙に被測定粉体200±1mgを装入した後、それぞれの電極板の背後に断面積2.4cmの磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させる。この状態で、電極間に各電圧を小さいものから順に直流電圧で印加し、被測定粉体を流れる電流値を2端子法により測定し、電気抵抗率(比抵抗)を算出する。なお、ここでは、日置電機株式会社製の超絶縁計SM−8215を用いている。また、電気抵抗率(比抵抗)の算出式は、電気抵抗率(比抵抗)(Ω・cm)=実測抵抗値(Ω)×断面積(2.4cm)÷電極間距離(0.2cm)となる。そして、表中の各電圧を印加した場合の印加時の抵抗率(比抵抗)(Ω・cm)を測定した。なお、使用する磁石は、粉体がブリッジを形成できる限り、種々のものが使用できるが、この実施形態では、表面の磁束密度が1000ガウス以上の永久磁石、例えば、フェライト磁石を使用している。
低温低湿環境、具体的には、温度10℃、相対湿度35%の環境下における電気抵抗値、および高温高湿環境、具体的には、温度30℃、相対湿度70%の環境下における電気抵抗値を示す。ここで、表中に記載の電気抵抗は対数値で示している。すなわち、電気抵抗値R(比抵抗)1×10Ω・cmは、Log Rとして算出し、換算値6.0と示している。また、電気抵抗の環境差とは、低温低湿環境における電気抵抗値から高温高湿環境における電気抵抗値を差し引いたものである。
(磁気特性)
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いてて、外部磁場0〜50000(エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して磁化σ1kを測定した。
(粒径の測定)
キャリア芯材の平均粒径は、日機装社製「マイクロトラックModel9320-X100」を用いて測定した。粒径(μm)は、特に記載がなければ体積基準である。また、スラリー中の仮焼成粉の粒径も日機装社製「マイクロトラックModel9320-X100」を用いて測定した。粒径D90は粒径累積分布における90%累積時における粒径である。
実施例1〜10のキャリア芯材は、本発明で規定する組成を有し、製造工程におけるスラリー中の仮焼成粉の粒径D90を3.5μm以下とし、本焼成工程における焼成雰囲気中の酸素濃度の切り換えを加熱段階の終了時の少なくとも1時間前から開始し、切り換え時間を1時間〜3時間の範囲とし且つ冷却段階の焼成温度が800℃未満となるまでに酸素濃度の切り換えを終了させたものであり、磁力σ1kは55Am/kg〜63Am/kgの範囲で、電気抵抗(N/N環境下)はlogRが8.1以上で環境差(logR−logR)は0.3以下と小さかった。
これに対して、比較例1のキャリア芯材は、焼成工程における酸素濃度を5000ppmとして切替を行わなかったため電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.6と大きかった。
一方、比較例2のキャリア芯材は、加熱段階に入って2時間経過後に酸素濃度の切り替えを開始し、冷却段階の800℃時点で酸素濃度を6500ppmまで切り替えることができなかった。その結果、十分な酸素濃度勾配をつけることができなかったため、電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.5と大きかった。
比較例3のキャリア芯材は、焼成工程における切替後の酸素濃度が12000ppmと高すぎてキャリア芯材の酸化反応が過剰となって電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.4と大きく、磁化も53Am/kgと小さかった。
比較例4のキャリア芯材は、焼成工程における酸素濃度を1000ppmとして切替を行わなかったため電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.4と大きかった。
比較例5のキャリア芯材は仮焼成を行わなかったため、スラリー中の粒径D90は小さく、MgOの一部が水と反応し、スラリー粘度の上昇が認められた。また、原料が細かすぎるため焼成工程において結晶成長が早く、異常な結晶成長が引き起こされ電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.4と大きかった。
比較例6のキャリア芯材は、各成分原料の仮焼成を行ったもののスラリー中の仮焼成粉の粒径D90が4.0μmと大きかったため粗大粒子が起点となり、焼成工程において異常な結晶成長が引き起こされ電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.5と大きかった。
比較例7のキャリア芯材はCa成分を含有しないため電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.4と大きく、反対に比較例8のキャリア芯材はCa成分を0.6質量%と多く含有し過ぎるため電気抵抗の環境差(logR−logR)が0.4と大きかった。
(キャリア芯材の電気抵抗測定)
キャリア芯材を恒温恒湿槽(エスペック株式会社製、MODEL;PH−1KT)を用い、温度22℃、相対湿度50%の環境下(N/N環境下)、温度10℃、相対湿度35%の環境下(L/L環境下)および温度30℃、相対湿度70%の環境下(H/H環境下)において1昼夜調湿した後、その環境下で測定を行なった。
まず、水平に置かれた絶縁板、例えば、テフロン(登録商標)でコートされたアクリル板の上に、電極として表面を電解研摩した板厚2mmのSUS(JIS)304板2枚を、電極間距離2mmとなるように配置する。この時、2枚の電極板は、その法線方向が水平方向となるようにする。2枚の電極板の間の空隙に被測定粉体200±1mgを装入した後、それぞれの電極板の背後に断面積2.4cmの磁石を配置して電極間に被測定粉体のブリッジを形成させる。この状態で、電極間に直流電圧500Vを印加し、被測定粉体を流れる電流値を2端子法により測定し、電気抵抗率(比抵抗)を算出する。なお、ここでは、日置電機株式会社製の超絶縁計SM−8215を用いている。また、電気抵抗率(比抵抗)の算出式は、電気抵抗率(比抵抗)(Ω・cm)=実測抵抗値(Ω)×断面積(2.4cm)÷電極間距離(0.2cm)となる。そして、電圧500Vを印加した時の抵抗率(比抵抗)(Ω・cm)を測定した。なお、使用する磁石は、粉体がブリッジを形成できる限り、種々のものが使用できるが、この実施形態では、表面の磁束密度が1000ガウス以上の永久磁石、例えば、フェライト磁石を使用している。
低温低湿環境、具体的には、温度10℃、相対湿度35%の環境下における電気抵抗値、および高温高湿環境、具体的には、温度30℃、相対湿度70%の環境下における電気抵抗値を示す。ここで、表中に記載の電気抵抗は対数値で示している。すなわち、電気抵抗値R(比抵抗)1×10Ω・cmは、Log Rとして算出し、換算値6.0と示している。また、電気抵抗の環境差とは、低温低湿環境における電気抵抗値から高温高湿環境における電気抵抗値を差し引いたものである。

Claims (3)

  1. Feが48質量%〜52質量%、Mnが16質量%〜22質量%、Mgが1.0質量%〜3.5質量%、Caが0.05質量%〜0.5質量%含まれるフェライト粒子からなるキャリア芯材であって、
    温度10℃・相対湿度35%の環境下(L/L環境下)における印加電圧500Vでの電気抵抗値をR(Ω・cm)とし、
    温度30℃で相対湿度70%の環境下(H/H環境下)における印加電圧500Vでの電気抵抗値をR(Ω・cm)としたとき、下記式(1)を満足することを特徴とするキャリア芯材。
    0.1≦(logR−logR)≦0.3 ・・・・・・(1)
  2. 請求項1に記載のキャリア芯材の表面が樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  3. 請求項2記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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