JP5822377B2 - フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents

フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 Download PDF

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Description

本発明はフェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤に関するものである。
近年の電子機器の高機能化に伴って、これらの機器の部品又は部品材料として使用されるフェライト粒子についても、高抵抗化や磁気特性の向上に加えて高帯電性が求められている。
例えば、電子写真方式を用いたファクシミリやプリンタ、複写機などの画像形成装置では、フェライト粒子の表面を絶縁性樹脂で被覆したいわゆるコーティングキャリアとトナーとを混合した二成分系現像剤によって、感光体表面に形成された静電潜像を可視像化している。
近年、画像形成装置における画像形成速度の高速化及び高画質化の市場要求に対応するため、現像装置の現像スリーブや撹拌部材の回転速度を速めて、静電潜像への現像剤の供給量及びトナーの帯電速度を速めている。
現像スリーブや撹拌部材の回転速度を速めると、遠心力によって現像スリーブから現像剤が飛散等しやすくなるため、キャリアの磁気特性をさらに向上させる必要がある。また、コーティングキャリア同士の衝突や、コーティングキャリアと現像装置内壁面との間の摩擦などが激しくなるため、フェライト粒子表面の絶縁性樹脂が使用と共に剥がれ落ちやすくなりフェライト粒子が露出しやすくなるが、このようなフェライト粒子の表面露出が生じた場合でも帯電性能が低下しないようにする必要がある。
例えば特許文献1では、マグネタイト相とフェライト相の複合磁性酸化物であって、スピネル型とマグネトプランバイト型の結晶構造から構成され、スピネル型結晶構造のAサイト及びBサイトにおけるFe2+及びFe3+の含有割合を規定した強磁性材料粉が提案されている。
特開2007-273505号公報
前記提案の強磁性材料粉をキャリアとして用いた場合、飛散防止や高抵抗化、高強度化は図れると思われるものの、帯電性能の向上は図れないと考えられる。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高抵抗化と高磁気特性を有するのみならず高帯電性をも有するフェライト粒子を提供することにある。
また本発明の目的は、画像形成速度の高速化及び高画質化に対応し得るキャリア及び現像剤を提供することにある。
本発明によれば、組成式MnFe3−X(但し、0<X≦1)で表され、アルカリ土類金属元素を含有するフェライト粒子であって、前記アルカリ土類金属元素の含有量0.43mol%以下であり、前記アルカリ土類金属元素がマグネトプランバイト型結晶構造をとらず、スピネル型結晶構造に固溶していることを特徴とするフェライト粒子が提供される。なお、フェライト粒子中のアルカリ土類金属元素の特定及び定量は、フェライト粒子を酸溶液中で溶解し、ICP(Inductively Coupled Plasma)発光分析によって行えばよい。
ここで、前記アルカリ土類金属元素としてはSr及びBaの少なくとも一方が好ましく、Srがより好ましい。
また本発明によれば、前記記載のフェライト粒子の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
さらに本発明によれば、前記記載のキャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤が提供される。
本発明のフェライト粒子では、組成式Mn Fe3−X(但し、0X≦1)で表され、アルカリ土類金属元素をスピネル型結晶構造に固溶させているので、高抵抗化と高磁気特性を有するのみならず高帯電性をも有する。
本発明のフェライト粒子を画像形成装置の電子写真現像用キャリアとして用いた場合には、高速化及び高画質化が達成される。
実施例1〜5及び比較例1,2のフェライト粒子のXRDパターンを示す図である。 Sr含有量と格子定数との関係を示すグラフである。 Sr含有量と帯電量比との関係を示すグラフである。
本発明に係るフェライト粒子の大きな特徴は、組成式MnFe3−X(但し、0<X≦1)で表され、アルカリ土類金属元素を含有するフェライト粒子であって、前記アルカリ土類金属元素の含有量0.43mol%以下であり、前記アルカリ土類金属元素がマグネトプランバイト型結晶構造をとらず、スピネル型結晶構造に固溶していることにある。これまでアルカリ土類金属元素を添加したフェライト粒子は提案もされているが、いずれもアルカリ土類金属元素の添加量が多く、スピネル型結晶構造のみならずマグネトプランバイト型結晶構造も有していた。本発明者等が鋭意検討したところ、フェライト粒子がマグネトプランバイト型結晶構造を有していると、帯電性能が格段に低下するという新たな知見が得られた。なお、本明細書においてアルカリ土類金属元素がマグネトプランバイト型結晶構造をとらず、スピネル型結晶構造に固溶しているとは、粉末X線回折分析において実施例に示す測定条件下でスピネル型結晶構造の強度ピークが見られ、マグネトプランバイト型結晶構造の強度ピークが実質的に見られないことをいうものとする。
アルカリ土類金属元素がマグネトプランバイト型結晶構造をとらずスピネル型結晶構造に固溶しているようにするには、アルカリ土類金属元素の含有量を調整すればよい。具体的には、アルカリ土類金属元素の含有量を0.43mol%以下とするのが望ましい。アルカリ土類金属元素の含有量0.43mol%を超えると、アルカリ土類金属元素がスピネル型結晶構造に固溶しきれず、過剰なアルカリ土類金属元素がFeと反応しマグネトプランバイト型結晶構造をとり始める。アルカリ土類金属元素のより好ましい含有量は0.01mol%0.43mol%の範囲である。
本発明で使用するアルカリ土類金属元素としては、Sr,Ba,Ca,Raが挙げられ、これらの中でもSr及びBaがより好適に用いられ、さらにはSrが好適に用いられる。
本発明のフェライト粒子の粒径に特に限定はないが、平均粒径で数十μm〜数百μm程度が好ましく、粒度分布はシャープであるのが好ましい。
本発明のフェライト粒子は各種用途に用いることができ、例えば、電子写真現像用キャリアや電磁波吸収材、電磁波シールド材用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材・補強材、ペンキ、絵具・接着剤用艶消材、充填材、補強材等として用いることができる。これらの中でも特に電子写真現像用キャリアとして好適に用いられる。
本発明のフェライト粒子の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する製造方法が好適である。
まず、Fe原料とMn成分の原料、アルカリ土類金属元素原料とを秤量して分散媒中に投入し混合してスラリーを作製する。Fe原料としては、Fe等が好適に使用される。Mn成分の原料としては、例えば、MnCO、Mn等が使用できる。
アルカリ土類金属元素原料としては、例えばアルカリ土類金属元素としてSrを用いる場合には、SrSiOやSrCO,Sr(NO等から選択される少なくとも1種の化合物が好適に用いられる。アルカリ土類金属元素原料の平均粒径としては5μm以下が好ましく、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。この範囲の平均粒径のアルカリ土類金属元素原料を用いることにより、フェライト粒子のスピネル型結晶構造にアルカリ土類金属元素を効率的に固溶させることができる。
アルカリ土類金属元素の添加量としては、前述のように、アルカリ土類金属元素の含有量が0.43mol%以下となるように添加するのがよい。
本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記Fe原料、M成分の原料、アルカリ土類金属元素原料の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2wt%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2wt%程度とするのが好ましい。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。
スラリーの固形分濃度は50〜90wt%の範囲が望ましい。なお、アルカリ土類金属元素原料の添加量が、Fe原料及びM成分の原料の総重量に対し微量であるので、アルカリ土類金属元素原料を先に分散媒中に分散させ、その後、Fe原料及びM成分の原料を分散媒に分散させてもよい。これにより、分散媒に原料を均一に分散できるようになる。また、原材料であるFe原料、M成分の原料、アルカリ土類金属元素原料を分散媒に投入する前に、必要により、粉砕混合の処理をしておいてもよい。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は50μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10〜200μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次に、造粒物を800℃以上に加熱した炉に投入して、フェライト粒子を合成するための一般的な手法で焼成することにより、フェライト粒子を生成させる。焼成温度が800℃以上であれば焼結は進み、生成したフェライト粒子の形状が維持される。焼結温度の好ましい上限値は1500℃である。焼結温度が1500℃以下であると、フェライト粒子同士の過剰焼結が起こらず、異形粒子の発生が抑制されるからである。したがって、焼結温度としては800〜1500℃の範囲が好ましい。
次に、得られた焼成物を解砕する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解砕する。解砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。
その後、必要に応じて、分級後の粉末(焼成物)を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成させて高抵抗化を図ってもよい。酸化性雰囲気としては大気雰囲気又は酸素と窒素の混合雰囲気のいずれでもよい。また、加熱温度は、200〜800℃の範囲が好ましく、250〜600℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は30分〜5時間の範囲が好ましい。
以上のようにして作製した本発明のフェライト粒子を、電子写真現像用キャリアとして用いる場合、フェライト粒子をそのまま電子写真現像用キャリアとして用いることもできるが、帯電性等の観点からは、フェライト粒子の表面を樹脂で被覆して用いるのが好ましい。
フェライト粒子の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
フェライト粒子の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液をフェライト粒子に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001〜30wt%、特に0.001〜2wt%の範囲内にあるのがよい。
フェライト粒子への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
キャリアの粒子径は、一般に体積平均粒子径で20〜200μm、特に30〜150μmのものが好ましい。また、本発明のキャリアをトナーと混合し現像剤として使用する場合には、キャリアの体積平均粒子径は100μm以上とするのが好ましい。キャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に2.4〜3.0g/cmの範囲が好ましい。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製したキャリアとトナーとを混合してなる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1〜20wt%の範囲が好ましい。トナー濃度が1wt%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が20wt%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3〜15wt%の範囲である。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
原料としてのFe(平均粒径:0.6μm)10.75kg(67.3mol)と、Mn(平均粒径:2μm)4.25kg(19.0mol)とを水5.0kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を90g、還元剤としてカーボンブラックを45g、SiO原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を30g(0.25mol)、SrCOを22g(0.15mol)添加して混合物とした。このときの固形分濃度を測定したところ75重量%であった。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10〜200μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、網目156μmの篩網を用いて粗粒を分離し、網目63μmの篩網を用いて微粒を分離した。
この造粒粉を、酸素濃度が8000ppmに調整された窒素雰囲気下の電気炉に投入し1130℃で3時間焼成した。得られた焼成物を解粒後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径25μmのフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、Sr含有量を下記に示す方法で測定すると共に、粉体X線回折(「XRD」X-ray diffraction)分析を行い結晶構造を分析し格子定数を算出した。表1に結果をまとめて示す。
また、図1にXRDパターン、図2にSr含有量と格子定数との関係を示すグラフ、図3に、Sr含有量と帯電量比との関係を示すグラフをそれぞれ示す。
(平均粒径)
日機装株式会社製のマイクロトラック、Model9320−X100を用いて測定した。
(電気抵抗)
表面を電解研磨した厚さ2mmの電極としての真鍮板2枚を、距離2mm離して対向するように配置した。電極間にフェライト粒子200mgを装入した後、それぞれの電極の背後に、断面積240mmの磁石(表面磁束密度が1500ガウスのフェライト磁石)を配置して、電極間にフェライト粒子のブリッジを形成させた。そして、50Vから1000Vまでの直流電圧を電極間に印加し、フェライト粒子に流れる電流値を測定し、フェライト粒子の電気抵抗を算出した。
(帯電量比)
フェライト粒子9.5gと市販のフルカラー機のトナー0.5gとを100mlの栓付きガラス瓶に入れ、温度25℃、相対湿度50%の環境下で12時間放置して調湿した後、フェライト粒子とトナーとを入れたガラス瓶を振とう機(ヤヨイ社製「NEW-YS型」)を用いて200回/min,角度60°の条件で30分間振とうさせた。
このサンプル500mgを測定試料として、795メッシュのSUS製篩網に載せ、吸引圧5.0kPaで1分間吸引することによりトナーを除去し、残ったフェライト粒子の電荷量(Q)を測定し、下記式から重量あたりの帯電量を算出した。但し、Mはフェライト粒子の重量である。帯電量の測定は、日本パイオテク(株)製、STC−1−C1型を用いて行った。
帯電量(μC/g)=Q(μC)/M(g)
一方、SrCOを添加しない以外は前記フェライト粒子と同様の方法でリファレンスフェライト粒子を作製し、上記測定方法で帯電量を測定した。そして、リファレンスフェライト粒子の帯電量に対するフェライト粒子の帯電量比を算出した。
(磁気特性)
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて磁化の測定を行い、79.58×10(A/m)及び39.79×10(A/m)の磁場における磁化σ1000(A・m/kg)及び磁化σ500(A・m/kg)、そして飽和磁化σ(A・m/kg),残留磁化σ(A・m/kg),保磁力H(A/m)をそれぞれ測定した。
(粉体X線回折分析及び格子定数の算出)
X線回折分析装置(リガク社製「RINT2000」)を用いてXRDパターンを測定した。X線源はコバルトを使用し、加速電圧40kV、電流30mAでX線を発生させた。粉末X線の測定条件は走査モード:FT,発散スリット:1/2°、散乱スピード:1/2°、受光スリット:0.15mm、回転速度:5.000rpm、測定角度:10°≦2θ≦90°、測定間隔:0.01°、計測時間:5秒、積算回数3回で測定を行った。そして、得られたXRDパターンから格子定数を算出した。
(Sr含有量)
フェライト粒子を酸溶液中で溶解しICP発光分析装置(島津製作所製「ICPS−7510」)による定量分析から算出した。なお、Srの含有量はフェライト粒子に対するmol%のことである。
実施例2
原料としてのSrCOを55g(0.38mol)添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、XRDパターン、格子定数を前記方法で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
実施例3
原料としてのSrCOを111g(0.75mol)添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、XRDパターン、格子定数を前記方法で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
実施例4
原料としてのSrCOを221g(1.50mol)添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、XRDパターン、格子定数を前記方法で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
実施例5
原料としてのSrCOを368g(2.50mol)添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、XRDパターン、格子定数を前記方法で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
比較例1
原料としてのSrCOを553g(3.75mol)添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、XRDパターン、格子定数を前記方法で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
比較例2
原料としてのSrCOを1105g(7.50mol)添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を得た。得られたフェライト粒子の磁気特性、電気抵抗、帯電量比、XRDパターン、格子定数を前記方法で測定した。測定結果を表1にまとめて示す。
図1に示すXRDパターンによれば、実施例1〜5のフェライト粒子ではスピネル型結晶構造のピークのみが検出され、マグネトプランバイト型結晶構造のピークは検出されなかった。これに対し、比較例1,2のフェライト粒子ではスピネル型結晶構造及びマグネトプランバイト型結晶構造のピークが検出された。
また、図2に示す格子定数とSr含有量との関係からは、実施例1〜5のフェライト粒子では、Sr含有量が増えるにしたがって格子定数が大きくなる一方、Sr含有量0.43mol%を超えた比較例1,2のフェライト粒子では格子定数はほぼ一定値となった。これは、Sr含有量0.43mol%以下では、Srがスピネル型結晶構造に固溶してSr含有量の増加と共に結晶格子が大きくなるが、Sr含有量0.43mol%を超えるとスピネル型結晶構造にSrがそれ以上固溶できなくなり結晶格子の大きさが一定となるからと考えられる。
これらのことから、実施例1〜5のフェライト粒子ではSrがスピネル型結晶構造に固溶し、Sr含有量の多い比較例1,2のフェライト粒子では、Srのスピネル型結晶構造に固溶できる量が限界に達し、過剰なSrがマグネトプランバイト型結晶構造をとっていると考えられる。
そして、Srがマグネトプランバイト型結晶構造をとらず、スピネル型結晶構造に固溶した実施例1〜5のフェライト粒子では、磁気特性および電気抵抗共に実使用上問題のない範囲であった。加えて、図3から明らかなように、実施例1〜5のフェライト粒子では、リファレンスフェライト粒子に対する帯電量比が1.5以上と高い値を示した。これに対し、比較例1,2のフェライト粒子では、前記帯電量比は0.9及び0.7とリファレンスフェライト粒子の帯電量未満であった。
本発明に係るフェライト粒子では、高抵抗化と高磁気特性を実現できるのみならず高帯電性をも実現でき有用である。また、本発明に係るフェライト粒子を、例えば、画像形成装置の電子写真現像用キャリアとして用いた場合には、高速化及び高画質化が達成される。

Claims (4)

  1. 組成式MnFe3−X(但し、0<X≦1)で表され、アルカリ土類金属元素を含有するフェライト粒子であって、
    前記アルカリ土類金属元素の含有量0.43mol%以下であり、
    前記アルカリ土類金属元素がマグネトプランバイト型結晶構造をとらず、スピネル型結晶構造に固溶していることを特徴とするフェライト粒子。
  2. 前記アルカリ土類金属元素がSr及びBaの少なくとも一方である請求項1記載のフェライト粒子。
  3. 請求項1又は2に記載のフェライト粒子の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  4. 請求項3記載のキャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
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