JP5924814B2 - フェライト粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明はフェライト粒子の製造方法に関するものである。
例えば、電子写真方式を用いたファクシミリやプリンタ、複写機などの画像形成装置では、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化し、この可視像を用紙等に転写した後、加熱・加圧して定着させている。高画質化やカラー化の観点から、現像剤としては、キャリアとトナーとを含むいわゆる二成分現像剤が広く使用されている。
二成分現像剤を用いた現像方式では、キャリアとトナーとを現像装置内で撹拌混合し、摩擦によってトナーを所定量まで帯電させる。そして、回転する現像ローラに現像剤を供給し、現像ローラ上で磁気ブラシを形成させて、磁気ブラシを介して感光体へトナーを電気的に移動させて感光体上の静電潜像を可視像化する。トナー移動後のキャリアは現像ローラ上に残留し、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、磁気ブラシを形成する磁気特性と、所望の電荷をトナーに付与する帯電特性および繰り返し使用における耐久性が要求される。
そこで、マグネタイトや各種フェライト等の磁性粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが一般に用いられているが、これまで使用されてきたキャリアは見掛け密度(比重)が高かったため、現像剤の撹拌に要する動力が大きく、また、トナーの割れやトナー外添剤のトナー粒子内への埋没などのトナー劣化も生じやすかった。そこで、近年の画像形成装置の高速化とも相俟ってキャリアの低比重化が強く望まれていた。
そこで、例えば特許文献1では、粒子内に所定の大きさの空孔を形成してキャリアコア粒子の低比重化する技術が提案されている。
特開2008-310104号公報
しかしながら、前記提案のキャリアコア粒子では、粒子内に形成される空孔が大きく、画像形成速度の速い装置に用いた場合、キャリアコア粒子の割れや欠けが発生するおそれがある。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低比重であって、電子写真方式画像形成装置のキャリアとして用いた場合に、画像形成速度が速くなっても割れや欠けが生じることのないフェライト粒子の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成する本発明に係る製造方法は、MFe3−X(但し、MはMg,Mn,Ca,Ti,Cu,Zn,Sr,Niからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素,0≦X≦1)で表される組成のフェライト粒子が生成するように成分調整されたFe成分原料とM成分原料とを分散媒中に投入してスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧乾燥させて造粒物を得る工程と、前記造粒物を焼成して焼成物を得る工程とを有するフェライト粒子の製造方法であって、M成分原料が、低酸素雰囲気下における分解温度が100℃〜600℃の範囲の第1の金属炭酸塩と、当該分解温度が650℃〜1200℃の範囲の第2の金属炭酸塩とを少なくとも含み、第1の金属炭酸塩と第2の金属炭酸塩との割合が重量比で10:1〜100:1の範囲であり、前記第1の金属炭酸塩が炭酸マンガン又は炭酸マグネシウムであり、焼成温度が第2の金属炭酸塩の分解温度以上であることを特徴とする。
ここで、前記造粒物を焼成して焼成物を得る工程において、300℃〜600℃の範囲の所定温度を5時間以上保持した後、800℃〜1200℃の範囲の所定温度を3時間以上保持するのが好ましい。
また、第1の金属炭酸塩と第2の金属炭酸塩との平均粒径の比は、1:1〜10:1の範囲であるのが好ましい。
さらに、第2の金属炭酸塩は、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムのいずれかであるのが好ましい。
本発明の製造方法では、M成分原料として分解温度の異なる2種類の金属炭酸塩を特定の重量比率で用いるので、粒子内部にほぼ均一に空孔を形成することができ、粒子の強度低下を抑えながら低比重化を図ることができる。
実施例1のフェライト粒子の断面SEM写真である。 比較例1のフェライト粒子の断面SEM写真である。
本発明に係るフェライト粒子の製造方法について工程順に以下説明する。まず、Fe成分原料とM成分原料、そして必要により添加剤とを秤量して分散媒中に投入し混合してスラリーを作製する。MはMg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr、Ni等の2価の金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素である。ここで重要なことは、M成分原料として、低酸素雰囲気下における分解温度が100℃〜600℃の範囲の第1の金属炭酸塩と、当該分解温度が650℃〜1200℃の範囲の第2の金属炭酸塩とを少なくとも用いることと、第1の金属炭酸塩と第2の金属炭酸塩との割合を重量比で10:1〜100:1の範囲とすることである。このような分解温度の異なる2種類の金属炭酸塩を所定の重量比で用いることによって、後述する造粒物を焼結させる工程において、焼結物の粒子全体に空孔がほぼ均一に形成される。なお、前記重量比のより好ましい範囲は20:1〜50:1の範囲である。
第1の金属炭酸塩及び第2の金属炭酸塩の出発原料に対する総配合量によって、粒子内部に形成される空孔の粒子断面積における総面積を制御でき、前記総配合量は、通常、1wt%〜40wt%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜20wt%の範囲である。また、第1の金属炭酸塩及び第2の金属炭酸塩の平均粒径としては、通常、0.5μm〜15μmの範囲が好適であり、平均粒径の比としては1:1〜10:1の範囲が好ましい。
本発明で使用する第1の金属炭酸塩としては、低酸素雰囲気下における分解温度が100℃〜600℃の範囲である炭酸マンガンや炭酸マグネシウムが用いられる。また、本発明で使用する第2の金属炭酸塩としては、低酸素雰囲気下における分解温度が650℃〜1200℃の範囲であるものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸カルシウムや炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムなどが好適に用いられる。そしてまた本発明で使用するFe成分原料としては、Fe等が好適に使用される。
本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記Fe成分原料、M成分原料の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2wt%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2wt%程度とするのが好ましい。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。スラリーの固形分濃度は50〜90wt%の範囲が望ましい。また、Fe成分原料、M成分原料を分散媒に投入する前に、必要により、粉砕混合の処理をしておいてもよい。
そして、以上のようにして作製されたスラリーを必要により湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は50μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
次に、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100℃〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10μm〜200μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次いで、造粒物を焼成炉に投入して、フェライト粒子を合成するための一般的な手法で焼成することにより、フェライト粒子を生成させる。焼成温度条件に特に限定はないが、第1の金属炭酸塩及び第2の金属炭酸塩を効果的に熱分解させる観点からは、300℃〜600℃の範囲の所定温度を5時間以上保持し、その後800℃〜1200℃の範囲の所定温度を3時間以上保持するのが好ましい。300℃〜600℃の範囲の所定温度で5時間以上保持することによって、まず分解温度の低い第1金属炭酸塩が分解して金属酸化物と炭酸ガスとが生成される。通常、焼成は温度800℃以上で進むため、生成された炭酸ガスは、まだ十分には焼結が進んでいない造粒物から外に抜け出、造粒物内に細孔が形成され、造粒物の表面には細孔の開口が形成される。
その後、800℃〜1200℃の範囲の所定温度まで昇温し、当該温度で3時間以上保持すると、焼結反応が始まり、造粒物の表面に形成された開口が結晶成長によって一旦塞がれる。そして第2金属炭酸塩の分解が始まり、金属酸化物と炭酸ガスとが生成される。生成された炭酸ガスは、新たな細孔を形成するとともに、既に形成されている細孔に繋がり、塞がれていた開口を再び開けて外部に抜け出る。これにより、焼結物の粒子全体に空孔がほぼ均一に形成され、粒子の強度低下を抑えながら低比重化が図れるようになる。
次に、このようにして得られた焼成物を必要により解粒する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。
その後、必要に応じて、分級後の粉末(焼成物)を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成してフェライト粒子の高抵抗化を図ってもよい(高抵抗化処理)。酸化性雰囲気としては大気雰囲気又は酸素と窒素の混合雰囲気のいずれでもよい。また、加熱温度は、200℃〜800℃の範囲が好ましく、250℃〜600℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は0.5時間〜5時間の範囲が好ましい。
以上のようにして本発明の製造方法で作製したフェライト粒子は各種用途に用いることができ、例えば、電子写真現像用キャリアや電磁波吸収材、電磁波シールド材用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材・補強材、ペンキ、絵具・接着剤用艶消材、充填材、補強材等として用いることができる。これらの中でも特に電子写真現像用キャリアとして好適に用いられる。
前記フェライト粒子を電子写真現像用キャリアとして用いる場合、フェライト粒子をそのまま電子写真現像用キャリアとして用いることもできるが、帯電性等の観点からは、フェライト粒子の表面を樹脂で被覆して用いるのが好ましい。
フェライト粒子の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
フェライト粒子の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液をフェライト粒子に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001〜30wt%、特に0.001〜2wt%の範囲内にあるのがよい。
フェライト粒子への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
フェライト粒子を電子写真現像用キャリア芯材として用いる場合、その粒子径は、一般に、体積平均粒子径で10〜200μmの範囲、特に10〜50μmの範囲が好ましい。また、フェライト粒子の好ましい電気抵抗は、印加電圧1000Vにおいて1.0×10Ω・cm〜1.0×1010Ω・cmの範囲である。電気抵抗が1.0×10Ω・cm未満であると、電荷リークの発生するおそれがある一方、電気抵抗が1.0×1010Ω・cmを超えると、エッジ効果が大きくなり画像濃度の低下を招くおそれがある。フェライト粒子のより好ましい電気抵抗は、1.0×10Ω・cm〜1.0×10Ω・cmの範囲である。
そしてまた、フェライト粒子の見掛け密度(比重)としては、1.50g/cm以下であるのが好ましい。見掛け密度が1.50g/cmよりも高いと撹拌に要する動力を充分には軽減できないからである。より好ましい見掛け密度は1.45g/cm以下である。
以上のようにして作製されたキャリアはトナーと混合されて二成分現像剤とされる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1wt%〜15wt%の範囲が好ましい。トナー濃度が1wt%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が15wt%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3〜10wt%の範囲である。
トナーとしては、重合法、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法など従来公知の方法で製造したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有させたものが好適に使用できる。
トナーの粒径は、一般に、コールターカウンターによる体積平均粒径で4μm〜12μmの範囲が好ましく、5μm〜8μmの範囲がより好ましい。
トナー表面には、必要により、改質剤を添加してもよ。改質剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
Mnフェライト粒子を下記方法で作製した。出発原料として、Fe(平均粒径:0.6μm)7.0kgと、MnCO(平均粒径:5.0μm)1.9kgと、Mn(平均粒径:0.9μm)1.3kgと、CaCO(平均粒径:1μm)60gとを純水3.0kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を60g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、粒径100μmを超える粗粒は篩を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し500℃まで8時間保持した後、900℃に昇温し3時間保持し焼成を行った。このとき、電気炉内の酸素濃度は5000ppmとなるよう、酸素と窒素とを混合したガスを電気炉内に供給した。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級して、平均粒径30μmのフェライト粒子を得た。
得られたフェライト粒子の粒子断面における空孔率、見掛け密度、磁気特性、電気抵抗を下記に示す方法でそれぞれ測定した。表1に測定結果をまとめて示す。また、図1に粒子断面のSEM写真を示す。
(粒子断面における空孔率)
得られたフェライト粒子を熱硬化性樹脂中に分散させた後、加熱により樹脂を硬化させた。この硬化物の表面をクロスセクションポリッシャー(日本電子製)を用いて研磨した。研磨した粒子表面を走査電子顕微鏡(日本電子製)を用いて観察し、粒子の断面写真を撮影した。撮影した粒子断面写真を画像解析ソフト「Image-Pro」を使用して粒子部分と空孔部分に分離し、総面積に対する空孔部分の面積比を計測し空孔率とした。この空孔率を100粒子分測定し、その平均値をそれぞれ空孔率とした。
(見掛け密度)
フェライト粒子の見掛け密度はJIS Z 2504に準拠して測定した。
(磁気特性)
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて、外部磁場を0〜79.58×10A/m(10000エルステッド)の範囲で1サイクル連続的に印加して、飽和磁化、残留磁化、保磁力及び79.58×10A/m(1000エルステッド)の磁場における磁化σ1000(Am/kg)をそれぞれ測定した。
(電気抵抗)
表面を電解研磨した厚さ2mmの電極としての真鍮板2枚を、距離2mm離して対向するように配置した。電極間にフェライト粒子200mgを装入した後、それぞれの電極の背後に断面積240cmの磁石(表面磁束密度が1500ガウスのフェライト磁石)を配置して、電極間にフェライト粒子のブリッジを形成させた。そして、1000Vの直流電圧を電極間に印加し、フェライト粒子に流れる電流値を測定し、フェライト粒子の電気抵抗を算出した。
実施例2〜6,比較例1〜4
表1に示す出発原料及び配合量、焼成温度で実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。また、図2に比較例1のフェライト粒子の断面SEM写真を示す。
表1から明らかなように、分解温度の異なる2種類の金属炭酸塩を特定の重量比率で用いた、本発明の製造方法に係る実施例1〜6のフェライト粒子は、空孔率が13.2%以上と高く、見掛け密度も1.43g/cm以下と低かった。また、図1から明らかなように、実施例1のフェライト粒子では、粒子内部に均一に空孔が形成されていた。
これに対して、M成分原料として金属炭酸塩を用いなかった比較例1のフェライト粒子は、空孔率が7.2%と低く、見掛け密度も1.61g/cmと高かった。また、M成分原料として、一種類の金属炭酸塩のみを用いた比較例2〜4のフェライト粒子はいずれも、空孔率が9.2%以下と低く、見掛け密度も1.55g/cm以上と高かった。
本発明の製造方法では、M成分原料として分解温度の異なる2種類の金属炭酸塩を特定の重量比率で用いることによって、粒子内部にほぼ均一に空孔を形成することができ、粒子の強度低下を抑えながら低比重化を図ることができ有用である。

Claims (4)

  1. Fe3−X(但し、MはMg,Mn,Ca,Ti,Cu,Zn,Sr,Niからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素,0≦X≦1)で表される組成のフェライト粒子が生成するように成分調整されたFe成分原料とM成分原料とを分散媒中に投入してスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧乾燥させて造粒物を得る工程と、前記造粒物を焼成して焼成物を得る工程とを有するフェライト粒子の製造方法であって、
    M成分原料が、低酸素雰囲気下における分解温度が100℃〜600℃の範囲の第1の金属炭酸塩と、当該分解温度が650℃〜1200℃の範囲の第2の金属炭酸塩とを少なくとも含み、第1の金属炭酸塩と第2の金属炭酸塩との割合が重量比で10:1〜100:1の範囲であり、
    前記第1の金属炭酸塩が炭酸マンガン又は炭酸マグネシウムであり、
    焼成温度が第2の金属炭酸塩の分解温度以上であることを特徴とするフェライト粒子の製造方法。
  2. 前記造粒物を焼成して焼成物を得る工程において、300℃〜600℃の範囲の所定温度を5時間以上保持した後、800℃〜1200℃の範囲の所定温度を3時間以上保持する請求項1記載の製造方法。
  3. 第1の金属炭酸塩と第2の金属炭酸塩との平均粒径の比が1:1〜10:1の範囲である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 第2の金属炭酸塩が炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウムのいずれかである請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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