JP5943465B2 - フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents

フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 Download PDF

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本発明はフェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤に関するものである。
例えば、電子写真方式を用いたファクシミリやプリンタ、複写機などの画像形成装置では、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視像化し、この可視像を用紙等に転写した後、加熱・加圧して定着させている。高画質化やカラー化の観点から、現像剤としては、キャリアとトナーとを含むいわゆる二成分現像剤が広く使用されている。
二成分現像剤を用いた現像方式では、キャリアとトナーとを現像装置内で撹拌混合し、摩擦によってトナーを所定量まで帯電させる。そして、回転する現像ローラに現像剤を供給し、現像ローラ上で磁気ブラシを形成させて、磁気ブラシを介して感光体へトナーを電気的に移動させて感光体上の静電潜像を可視像化する。トナー移動後のキャリアは現像ローラ上に残留し、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、磁気ブラシを形成する磁気特性と、所望の電荷をトナーに付与する帯電特性および繰り返し使用における耐久性が要求される。
そこで、マグネタイトや各種フェライト等の磁性粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが一般に用いられているが、これまで使用されてきたキャリアは見掛け密度(比重)が高かったため、現像剤の撹拌に要する動力が大きく、また、トナーの割れやトナー外添剤のトナー粒子内への埋没などのトナー劣化も生じやすかった。そこで、近年の画像形成装置の高速化とも相俟ってキャリアの低比重化が強く望まれていた。
例えば特許文献1では、粒子内に所定の大きさの空孔を形成してキャリア芯材を低比重化する技術が提案されている。
特開2008-310104号公報
しかしながら、前記提案のキャリア芯材では、粒子内に形成される空孔が大きく、画像形成速度の速い装置に用いた場合、キャリア芯材に割れや欠けが発生するおそれがある。また、キャリア芯材から被覆樹脂が剥離するおそれもある。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子写真方式画像形成装置のキャリア芯材として用いた場合に、現像剤の撹拌動力の低減が図れるとともに、画像形成速度が速くなっても割れや欠け、被覆樹脂の剥離などが生じることのないフェライト粒子を提供することにある。
本発明によれば、粒子表面の一部又は全部が樹脂で被覆される多孔質のフェライト粒子であって、水銀圧入法で測定した、細孔径3.0μm以下の細孔容積が0.209ml/g〜0.22ml/gの範囲であり、細孔径3.0μm以下の微分細孔容積が最大となるピーク細孔径が0.2μm〜0.332μmの範囲であることを特徴とするフェライト粒子が提供される。
ここで、粒子強度の低下を一層抑制する観点からは、走査型電子顕微鏡により撮影されたフェライト粒子の断面の反射電子像において、粒子断面を9つ領域に等分し、それぞれの区分で測定した空隙率の平均値が40%〜50%の範囲で、標準偏差が10以下であるのが好ましい。なお、空隙率の平均値及び標準偏差は粒子100個について測定した平均値である。
また本発明によれば、前記記載のフェライト粒子の一部又は全部樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
さらに本発明によれば、前記記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤が提供される。
本発明のフェライト粒子は、電子写真方式画像形成装置のキャリア芯材として用いた場合に、現像剤の撹拌動力の低減が図れ、しかも画像形成速度が速くなっても割れや欠け、被覆樹脂の剥離などの不具合は生じない。
また、本発明に係る電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤によれば、画像形成速度の高速化及び高画質化が図れる。
細孔径と微分細孔容積との関係を示すグラフである。 実施例1のフェライト粒子のSEM写真である。 実施例2のフェライト粒子のSEM写真である。 比較例2のフェライト粒子のSEM写真である。 比較例1のフェライト粒子のSEM写真である。 実施例1のフェライト粒子の微分細孔容積分布を示すグラフである。 実施例2のフェライト粒子の微分細孔容積分布を示すグラフである。 比較例2のフェライト粒子の微分細孔容積分布を示すグラフである。 比較例1のフェライト粒子の微分細孔容積分布を示すグラフである。
本発明に係るフェライト粒子は、粒子表面の一部又は全部が樹脂で被覆される多孔質粒子であって、水銀圧入法で測定した、細孔径3.0μm以下の細孔容積が0.209ml/g〜0.22ml/gの範囲であることが一つの大きな特徴である。細孔容積が0.209ml/gよりも小さいと、フェライト粒子の表面を樹脂で被覆する際に、被覆樹脂とフェライト粒子との接触面積が少なくなり、被覆樹脂がフェライト粒子から剥離しやすくなる。一方、細孔容積が0.22ml/gよりも大きいと、粒子強度の低下が大きくなり粒子の割れや欠けが生じやすくなる。
なお、水銀圧入法は、水銀に加える圧力を変化させて、細孔中に侵入した水銀の体積を測定する方法である。圧力と水銀が侵入した細孔径において、圧力P、細孔径D、水銀の接触角θ、水銀の表面張力Sとすると、力の釣り合いから下記式が導かれる。
P×D=−4S×COSθ
接触角θと表面張力Sとを定数とすれば、圧力Pとそのとき水銀が侵入し得る細孔径Dは反比例することになる。そこで、圧力Pとそのときに侵入する水銀の液量Vを、圧力を変えて測定することにより得られるP−V曲線の横軸Pを、そのまま上記式から細孔径に置き換えて細孔分布を求める。そして、各細孔径に対する細孔容積の積算値を微分し、各細孔径における微分細孔容積とする。図1に、細孔径と微分細孔容積との関係を示すグラフを例示する。
図1から理解されるように、水銀圧入法では、フェライト粒子に存在する細孔と同時に、フェライト粒子間の空隙も測定される。そこで本発明では、フェライト粒子に存在する細孔に限定するために、細孔容積及びピーク細孔径を細孔径3.0μm以下のものに限定した。
また、本発明に係るフェライト粒子のもう一つの大きな特徴は、細孔径3.0μm以下における、微分細孔容積が最大となるピーク細孔径が0.2μm〜0.332μmの範囲であることである。ピーク細孔径が0.2μmよりも小さいと、細孔中に被覆樹脂が浸入しにくくなり被覆樹脂とフェライト粒子との接着強度が弱くなる。一方、ピーク細孔径が0.332μmより大きいと、粒子強度の低下が大きくなり粒子の割れや欠けが生じやすくなる。なお、細孔径3.0μm以下の範囲におけるピーク細孔径に限定したのは、前述のように、フェライト粒子間の空隙を除くためである。
さらに、走査型電子顕微鏡により撮影されたフェライト粒子の断面の反射電子像において、粒子断面を9つ領域に等分し、それぞれの区分で測定した空隙率の平均値が40%〜50%の範囲で、標準偏差が10以下であるのが好ましい。空隙率の平均値および標準偏差が前記範囲であることは、フェライト粒子内に空隙が均一に存在していることを意味し、粒子強度の低下が一層抑制される。
フェライト粒子の細孔容積や細孔径、粒子内の空隙を前記所定の範囲にするには、後述するフェライト粒子の製造工程において、例えば、原料を媒体液中に投入し混合してスラリーを作製する際に、同時に添加する分散剤を高分子量(長鎖)のものにする、あるいは原料の粒径や粒度分布、焼成する際の温度や時間を調整することによって制御すればよい。
本発明に係るフェライト粒子の平均粒径としては10μm〜100μmの範囲が好ましい。フェライト粒子の平均粒径が10μm以上であることで、粒子のそれぞれに必要な磁力が確実に付与され、例えば、フェライト粒子をキャリア芯材として用いた場合に、感光体へのキャリア付着が抑制されるようになる。一方、フェライト粒子の平均粒径が100μm以下であることで、画像特性を良好に保つことができるようになる。フェライト粒子の平均粒径を上記範囲とするには、フェライト粒子の製造工程中及び/又は製造工程後に篩等を用いて分級処理を行えばよい。また、粒度分布はシャープであるのが好ましい。
本発明に係るフェライト粒子の見掛け密度としては2.5g/cm以下であるのが好ましい。見掛け密度が2.5g/cm以下であることで、例えばフェライト粒子を電子写真現像用キャリア芯材として用いた場合に、キャリアを含む現像剤の撹拌動力の軽減が図れるようになる。より好ましい見掛け密度は1.5g/cm以下である。
本発明に係るフェライト粒子の好ましい飽和磁化σは、20A・m/kg〜90A・m/kgの範囲である。飽和磁化σが20A・m/kg未満であると、例えば、フェライト粒子を電子写真現像用キャリア芯材として用いた場合に、感光体へのキャリア付着が頻繁に起きるおそれがある。一方、飽和磁化σが90A・m/kgを超えると、磁気ブラシの穂が硬くなり、電子写真現像における画質低下を招くおそれがある。フェライト粒子の、より好ましい飽和磁化σは50A・m/kg〜90A・m/kgの範囲であり、さらに好ましくは70A・m/kg〜90A・m/kgの範囲である。
また、本発明に係るフェライト粒子の、外部磁場79.58×10A/m(1000エルステッド)における磁化σ1kは50A・m/kg〜70A・m/kgの範囲であるのが好ましい。フェライト粒子の磁気特性をこの範囲とすることで、例えばフェライト粒子をキャリア芯材として用いた場合に、磁気ブラシの保磁力が十分確保され、感光体にキャリアが付着する現象が抑制される。
本発明のフェライト粒子は各種用途に用いることができ、例えば、電子写真現像用キャリア芯材や電磁波吸収材、電磁波シールド材用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材・補強材、ペンキ、絵具・接着剤用艶消材、充填材、補強材等として用いることができる。これらの中でも特に電子写真現像用キャリア芯材として好適に用いられる。
本発明のフェライト粒子の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する本発明に係る製造方法で製造するのが好適である。
まず、Fe原料とM成分の原料とを秤量して分散媒中に投入し混合してスラリーを作製する。Fe原料としては、Fe粉、Fe酸化物、Fe水酸化物等が使用できる。M成分の原料としては、Mg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Sr又はNi、及びこれら2価の金属を任意に組み合わせたものが好適に使用できる。例えば、MnであればMnCO、Mn等が使用でき、MgであればMgO、Mg(OH)、MgCOが好適に使用できる。そして、これらの原料の配合比を、前記一般式で示されるフェライトの組成と一致させて秤量し混合して、金属原料混合物を得る。スラリーの固形分濃度は50〜90wt%の範囲が望ましい。原料であるFe原料、M成分の原料を分散媒に投入する前に、必要により、粉砕混合処理しておいてもよい。
本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記Fe原料、M成分の原料の他、分散剤を配合するのが好ましい。分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。通常、分散剤の分子量を大きくするほど、細孔容積は大きくなる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5wt%〜2wt%程度とするのが好ましい。また、分散媒には、必要によりバインダーを配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5wt%〜2wt%程度とするのが好ましい。また、その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを必要により湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100℃〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10μm〜200μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次に、造粒物を800℃以上に加熱した炉に投入して、フェライト粒子を合成するための一般的な手法で焼成し、焼成物前駆体を生成させる。焼成温度が800℃以上であれば焼結は進み、生成した焼成物前駆体の形状が維持される。焼結温度の好ましい上限値は1500℃である。焼結温度が1500℃以下であると、焼成物前駆体同士の過剰焼結が起こらず、異形粒子の発生が抑制されるからである。したがって、焼結温度としては800〜1500℃の範囲が好ましい。また焼成時間としては1〜6時間の範囲が好ましい。そして、焼成温度から常温までフェライト粒子を徐々に冷却する。
次に、フェライト粒子が互いに固着している場合には必要により解粒する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によってフェライト粒子を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。
その後、必要に応じて、分級後のフェライト粒子を酸化性雰囲気中で加熱して、粒子表面に酸化被膜を形成させて高抵抗化を図ってもよい。酸化性雰囲気としては大気雰囲気または酸素と窒素との混合雰囲気のいずれであってもよい。また、加熱温度は200℃〜800℃の範囲が好ましく、250℃〜600℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は0.5時間〜5時間の範囲が好ましい。
以上のようにして作製した本発明のフェライト粒子を、電子写真現像用キャリア芯材として用いる場合、フェライト粒子の表面を樹脂で被覆して電子写真現像用キャリアとする。
フェライト粒子の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
フェライト粒子の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は媒体液をフェライト粒子に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001wt%〜30wt%、特に0.001wt%〜2wt%の範囲内にあるのがよい。
フェライト粒子への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。また細孔に隙間なく充填するため、予め減圧に保ったうえで、樹脂を導入する方法も好適に用いられる。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製した電子写真現像用キャリアとトナーとを混合してなる。電子写真現像用キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1wt%〜20wt%の範囲が好ましい。トナー濃度が1wt%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が20wt%を超える場合、現像装置内でオーバートナーとなり、トナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3〜15wt%の範囲である。
電子写真現像用キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
Srフェライト粒子を下記方法で作製した。出発原料として、Fe(平均粒径:0.5μm)4.3kgと、SrCO(平均粒径:3.1μm)0.7kgとを純水1.7kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム塩系分散剤(数平均分子量:8×10)を50g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、粒径100μmを超える粗粒は篩網を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し900℃まで4時間かけて昇温し、その後900℃で3時間保持し焼成を行った。このとき、電気炉内の雰囲気は大気とした。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級した。そして、さらに大気雰囲気下において温度450℃で1時間高抵抗化処理を行いフェライト粒子を得た。
得られたフェライト粒子の見掛け密度、細孔容積、ピーク細孔径、粒子強度、空隙率の平均値および標準偏差を下記に示す方法でそれぞれ測定した。表1に測定結果をまとめて示す。また、図2に、実施例1のフェライト粒子の断面SEM写真を示す。
(見掛け密度)
フェライト粒子の見掛け密度はJIS Z 2504に準拠して測定した。
(細孔容積、ピーク細孔径)
Quantachrome社製のポロシメーター「Premaster33」を用いて下記条件で微分細孔容積分布を測定した。そして、測定した微分細孔容積分布から細孔容積およびピーク細孔径を求めた。図6〜9に、実施例1〜3及び比較例1のフェライト粒子の微分細孔容積分布を示す。
ガラスセル:外容積3.2cm 浸入容積0.5cm
サンプル量:1g
低圧側測定
・脱気
・水銀充填(0〜50psi(0〜345kPa))
高圧側測定
・水銀圧入(20psi〜30000psi(139kPa〜207MPa))
水銀の表面張力:480dyn/cm
水銀の接触角 :141.3°
(粒子強度)
作製したフェライト粒子をシリコン系樹脂で被覆して樹脂被覆キャリアを作製した。そして、作製した樹脂被覆キャリア100gを協立理工社製サンプルミルに投入し、回転数12000rpmで1分間撹拌する。そして、撹拌後の樹脂被覆キャリアを、日本電子社製の元素分析装置「EX541855MU」を用いて元素マップ(倍率:500倍)で観察し、粒子100個あたりの、被覆樹脂が剥離している粒子の個数を数えた。そして、被覆樹脂が剥離している粒子個数によって下記のように評価した。
◎:被覆樹脂が剥離している粒子個数が3個以下
○:被覆樹脂が剥離している粒子個数が4〜10個
△:被覆樹脂が剥離している粒子個数が11〜15個
×:被覆樹脂が剥離している粒子個数が16個以上
(粒子断面における空隙率)
得られたフェライト粒子を熱硬化性樹脂中に分散させた後、加熱により樹脂を硬化させた。この硬化物の表面をクロスセクションポリッシャー(日本電子社製)を用いて研磨した。研磨した粒子表面を走査電子顕微鏡(日本電子社製)を用いて観察し、粒子の断面写真を撮影した。そして、100個の粒子の断面をそれぞれ9つに等分し、それぞれの区分における粒子部分と空隙部分とを画像解析ソフト「Image-Pro」を使用して計測して、総面積に対する空隙部分の面積比(空隙率)を算出し、その平均値と標準偏差を算出した。
(磁力の評価)
また、表1中の磁気的特性を示す磁化の測定については、VSM(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いて磁化率を測定した。ここで、表1中「σs」とは、飽和磁化である。
実施例2及び比較例1,2
表1に示す数平均分子量Mnの分散剤を用い、ポリマー重量が等しくなるように添加した以外は実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。また、図3に実施例2のフェライト粒子の断面SEM写真を示す。さらに、図5及び図4に比較例1,2のフェライト粒子の断面SEM写真を示す。
表1から明らかなように、実施例1,2のフェライト粒子は見掛け密度が1.3g/cm と小さく、しかも被覆樹脂の粒子から剥離も少なかった。これに対して比較例1及び比較例2のフェライト粒子は見掛け密度が1.6g/cm 及び1.5g/cm と大きく、また被覆樹脂の粒子からの剥離が見られた。
本発明のフェライト粒子は、電子写真方式画像形成装置のキャリア芯材として用いた場合に、現像剤の撹拌動力の低減が図れるとともに、画像形成速度が速くなっても割れや欠け、被覆樹脂の剥離などが生じることがなく有用である。

Claims (4)

  1. 粒子表面の一部又は全部が樹脂で被覆される多孔質のフェライト粒子であって、
    水銀圧入法で測定した、細孔径3.0μm以下の細孔容積が0.209ml/g〜0.22ml/gの範囲であり、
    細孔径3.0μm以下における、微分細孔容積が最大となるピーク細孔径が0.2μm〜0.332μmの範囲であることを特徴とするフェライト粒子。
  2. 走査型電子顕微鏡により撮影されたフェライト粒子の断面の反射電子像において、粒子断面を9つ領域に等分し、それぞれの区分で測定した空隙率の平均値が40%〜50%の範囲で、標準偏差が10以下である請求項1記載のフェライト粒子。
  3. 請求項1又は2記載のフェライト粒子の一部又は全部樹脂で被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  4. 請求項3記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
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