JP5769350B1 - フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents
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Abstract
Description
SrCO3→SrO+CO2 ・・・・・・(1)
Mnフェライト粒子を下記方法で作製した。出発原料として、Fe2O3(平均粒径:0.6μm)を10.05kg(62.9mol)と、Mn3O4(平均粒径:2μm)を4.95kg(21.6mol)と、水3.8kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を90g、フェライト中に含まれるSrOが0.3mol%となるようにSr原料としてSrCO3を55g(0.38mol)、SiO2原料としてコロイダルシリカ(固形分濃度50%)を30g(0.25mol)添加して混合物とした。この混合物の固形分濃度は80重量%であった。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10〜200μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、網目54μmの篩網を用いて粗粒を分離し、網目33μmの篩網を用いて微粒を分離した。この造粒粉を、N2とCO2とのガス流量を4:1に調整した混合ガスと、大気とを、酸素濃度が17000ppmとなるよう流入させた還元雰囲気下の電気炉に投入し、1100℃で3時間焼成した。そして、得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径35μmのフェライト粒子を得た。
フェライト中に含まれるSrOが0.6mol%となるようにSr原料としてのSrCO3の添加量を110g(0.75mol)とした以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。
フェライト中に含まれるSrOが0.9mol%となるようにSr原料としてのSrCO3の添加量を165g(1.13mol)とした以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。
フェライト中に含まれるSrOが0.6mol%となるようにSr原料としてのSrCO3の添加量を110g(0.75mol)とすると共に、焼成時に、N2とCO2とのガス流量を1:1に調整した混合ガスを電気炉に流入させた以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。
焼成時にCO2を流入させなかった以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例2と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。また、図4に、比較例1のフェライト粒子の部分拡大SEM写真を示す。
SrCO3を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。
フェライト中に含まれるSrOが1.2mol%となるようにSrCO3の添加量を220g(1.50mol%)とした以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子を作製した。そして、実施例1と同様にして各物性を測定した。表1に測定結果をまとめて示す。
Fe2O3を52mol、MnO2を40mol及びMgOを8molとなるように秤量し、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、1030℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。これを乾式ビーズミルにて粗粉砕した後、水とSrCO3を0.75mol添加し、湿式ビーズミルで6時間粉砕し、バインダー成分としてPVAをスラリー固形分に対して3.2重量%となるように添加し、ポリカルボン酸系分散剤をスラリーの粘度が2〜3ポイズになるように添加したものを粉砕スラリーとした。この際のスラリーの固形分は55重量%、スラリー粒径のD50は1.8μmであった。このようにして得られた粉砕スラリーをスプレードライヤーにて造粒、乾燥し、大気雰囲気の条件下、ロータリーを用いて大気中、700℃で一次焼成を行った。次いで、電気炉を用いて、酸素濃度0.5体積%の条件下、1130℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解粒し、さらに分級してフェライト粒子からなるキャリア芯材を得た。さらに得られたフェライト粒子からなるキャリア芯材を大気雰囲気の条件下、表面酸化処理温度520℃、ロータリー式の電気炉で表面酸化処理を行い表面酸化処理済みの比較例4に係るキャリア芯材(フェライト粒子)を得た。
Fe2O3を50.5mol、MnO2を37.5mol、MgCO3を12.5mol及びSrCO3を0.25molとなるように秤量し、ローラーコンパクターでペレット化した。得られたペレットを大気雰囲気の条件下、970℃にてロータリー式の焼成炉で仮焼成をおこなった。これを乾式ビーズミルにて粗粉砕した後、水を添加し、湿式ビーズミルで6時間粉砕し、バインダー成分としてPVAをスラリー固形分に対して3.2重量%となるように添加し、ポリカルボン酸系分散剤をスラリーの粘度が2〜3ポイズになるように添加したものを粉砕スラリーとした。この際のスラリーの固形分は55重量%、スラリー粒径のD50は1.7μmであった。このようにして得られた粉砕スラリーをスプレードライヤーにて造粒、乾燥し、大気雰囲気の条件下、ロータリーを用いて大気中、700℃で一次焼成を行った。次いで、電気炉を用いて、酸素濃度0.25体積%の条件下、1150℃で4時間保持し、本焼成を行なった。その後、解砕、分級してフェライト粒子を得た。さらに得られたフェライト粒子を、熱間部の後続に冷却部を有するロータリー式の電気炉を用い、熱間部で大気雰囲気の条件下、650℃で表面酸化処理を行った。続いて酸化処理を施されたキャリア芯材は、冷却部で150℃に冷却され、表面酸化処理済みの比較例5に係るフェライト粒子(キャリア芯材)を得た。この際、冷却部を10分で通過しており、急冷速度は50℃/分であった。
Fe2O3(体積粒径D50:0.6μm、体積粒径D90:3.0μm)10kg、Mn3O4(体積粒径D50:0.3μm、体積粒径D90:2.0μm)4kgを900℃で2時間仮焼成し、その後、振動ボールミルで1時間粉砕した。得られた仮焼原料14kgを水5kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を84g、還元剤としてカーボンブラック42g、ストロンチウムを含む原料としてのSrCO3(体積粒径D50:1.0μm、体積粒径D90:4.0μm)を103g添加して混合物とした。このときの固形分濃度を測定した結果、74重量%であった。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、仮焼原料の体積粒径D50が1.6μm、体積粒径D90が3.1μmである混合スラリーを得た。すなわち、この場合の鉄を含む原料は、仮焼原料である。また、添加するSrの量が4350ppmとなるように添加した。このスラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、乾燥造粒粉を得た。なお、このとき、目的の粒度分布以外の造粒粉については、篩により除去した。この造粒粉を電気炉に投入し、1130℃で3時間焼成した。このとき、電気炉内は、酸素濃度が0.8%、すなわち、8000ppmとなるように雰囲気を調整した電気炉にフローした。焼成時の冷却温度は、2℃/分とした。得られた焼成粉を解粒後に篩を用いて分級し、平均粒径25μmとして、比較例6に係るキャリア芯材を得た。
フェライト粒子の最大高さRz、平均長さRSm及びそのバラツキσを次のように測定した。超深度カラー3D形状測定顕微鏡(「VK−X100」株式会社キーエンス製)を用い、100倍対物レンズで表面を観察して求めた。具体的には、まず、表面の平坦な粘着テープにフェライト粒子を固定し、100倍対物レンズで測定視野を決定した後、オートフォーカス機能を用いて焦点を粘着テープ面に調整し、オート撮影機能を用いてフェライト粒子表面の3次元形状を取り込んだ。
各パラメータの測定には、装置付属のソフトウェアVK−H1XAを用いて行った。まず、前処理として、得られたフェライト粒子の表面の3次元形状から解析に用いる部分の取り出しを行った。図5に、観察画面の概略図を示す。フェライト粒子の表面の中央部分に長さ15.0μmの水平方向に延びる線分31を引き、その上下に4本間隔で10本ずつ平行線を追加した場合の線分上にあたる粗さ曲線を、計21本分取り出した。図5において、上側の10本の線分32a、下側の10本の線分32bを簡略的に示している。
デジタル反転現像方式を採用する60枚機を評価機として使用し、作製した電子写真現像剤500gを投入し、200k枚の文字画像を形成し、初期、100k枚の画像形成後、200k枚の画像形成後の画質及び帯電量を評価・測定した。画質について下記基準で評価を行った。なお、kは、1000枚を表し、100k枚とは、10万枚を意味し、200k枚とは、20万枚を意味する。
「◎」:画質が極めて良好である場合
「○」:画質が良好である場合(使用可能なもの)
「△」:画質が良好でない場合(使用不可能なもの)
「×」:画質が悪い場合
初期、100k枚の画像形成後、200k枚の画像形成後の電子写真現像剤を500mg採取し、日本パイオテク社製のSTC−1−C1型を用い、吸引圧力5.0kPa、吸引用メッシュをSUS製の795meshとして帯電量を測定した。同一サンプルについて2回の測定を行い、これらの平均値をキャリアの帯電量とした。キャリアの帯電量は下記式から算出した。なお、測定環境は、温度25℃、相対湿度50%とした。
帯電量(μC/g)=実測電荷(nC)×103×係数(1.0083×10-3)÷トナー重量
(式中、トナー重量=吸引前重量(g)−吸引後重量(g))
フェライト粒子30gをサンプルミル(協立理工社製「SK−M10型」)に投入し、回転数14000rpmで60秒間破砕試験を行った。その後、破砕試験前の粒径22μm以下の累積値と、破砕後の粒径22μm以下の累積値との変化率を、微粉増加率として算出し粒子強度の指標とした。なお、フェライト粒子の粒径22μm以下の累積値は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320-X100」)を用いて測定した。単位は体積%である。
フェライト粒子の累積粒度分布を、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックModel9320-X100」)を用いて測定し、D10,D50,D90をそれぞれ測定した。なお、単位は体積%である。
2 キャリア
11 凸部
12 凹部
21 樹脂
Claims (4)
- 組成式MXFe3−XO4(但し、MはMg,Mn,Ca,Ti,Cu,Zn,Niからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属,0<X<1)で表される材料を主成分とするフェライト粒子であって、
Sr元素がSrO換算で0.2mol%〜1.0mol%含有され、
粒子の最大高さRzが1.2μm〜1.6μmの範囲であり、
粒子の平均長さRSmが5.5μm〜6.3μmの範囲であり、
RSmのバラツキσが2.0μm〜2.4μmの範囲であり、
Srフェライトを含有する
ことを特徴とするフェライト粒子。 - 前記組成式のMがMnである請求項1記載のフェライト粒子。
- 請求項1又は2記載のフェライト粒子の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリア。
- 請求項3記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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