JP5735779B2 - 焼結粒子及びそれを用いた電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤並びに焼結粒子の製造方法 - Google Patents

焼結粒子及びそれを用いた電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤並びに焼結粒子の製造方法 Download PDF

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本発明は、焼結粒子及びそれを用いた電子写真現像剤用キャリア、電子写真用現像剤並びに焼結粒子の製造方法に関するものである。
電子写真方式を用いたファクシミリやプリンタ、複写機などの画像形成装置では、粉体のトナーを感光体上の静電潜像に付着させてトナー像として可視像化し、このトナー像を用紙等に転写した後、加熱・加圧して用紙等に溶融定着させている。ここで、現像剤としては、トナーのみからなる一成分系現像剤と、トナーとキャリアとからなる二成分系現像剤とに大別される。近年では、二成分系現像剤の方が、トナーの帯電制御が容易で、安定して高画質を得られ、高速現像が可能であることから広く用いられている。
二成分系現像剤を用いた現像方式では、トナーとキャリアとを現像装置内で撹拌混合し、摩擦によってトナーを所定量まで帯電させる。そして、回転する現像スリーブに現像剤を供給し、現像スリーブ状で磁気ブラシを形成させて、磁気ブラシを介して感光体へトナーを電気的に移動させて感光体上の静電潜像を可視像化する。トナー移動後のキャリアは現像スリーブ上に残留し、現像装置内で再びトナーと混合される。このため、キャリアの特性として、磁気ブラシを形成する磁気特性と、所望の電荷をトナーに付与する帯電特性および繰り返し使用における耐久性が要求される。
そこで、マグネタイトや各種フェライト等の磁性粒子の表面を樹脂で被覆したキャリアが一般に用いられているが、キャリア粒子同士の摩擦や衝突によって長期間の使用でキャリアの割れや欠けが発生し、発生した破片や微粒子が画像特性に影響を与えたり、現像装置内の部品に損傷を与えることがあった。
このような不具合を解消するため、例えば特許文献1では、キャリアを燃焼炎中で球状化処理することにより粒子の流動性を向上させる技術が提案されている。また、特許文献2では、キャリアの焼結条件を最適化することにより粒子の物理的強度を向上させる技術が提案されている。
特開2008-216339号公報 特開2007-271663号公報
上記提案技術によれば、キャリアの耐久性をある程度向上させることができると考えられるものの、近年の画像形成装置の高速化に伴う、現像剤の撹拌速度及び搬送速度のアップを考慮すればさらなる耐久性の向上が望まれる。
本発明は、このような状況のもとでなされたものであり、その目的は、長期間の使用によっても割れや欠けが生じ難く耐久性に優れた焼結粒子及びその製造方法を提供することにある。
また本発明の目的は、安定して高画質を得ることができる電子写真現像剤用キャリア及び電子写真用現像剤を提供することにある。
本発明者らは、焼結粒子の機械的強度について検討を重ねた結果、まず、粒子内部の空孔が焼結粒子の割れや欠けの起点となり、キャリアなどの焼結粒子の機械的強度を低下させることを突き止めた。キャリアなどに使用されているマグネタイト粒子のほとんどは、下記反応式(1)に示すように、Fe(ヘマタイト)を還元することにより製造されている。この還元反応において酸素ガスが発生する。また還元剤として炭素を加えた場合には、下記反応式(2)に示すように、炭素との反応により炭酸ガスが発生する。これらの製造工程において発生したガスの一部が粒子内部に残留して空孔が形成されると考えられる。そこで、気体を発生させずにFeを製造すればよいとの着想を得た。
6Fe → 4Fe + O↑ ・・・・・・・・・(1)
3Fe + C → 2Fe + CO↑ ・・・・・・(2)
また一方、焼結粒子内部に金属鉄を存在させると、粒子内部に発生した応力が金属鉄によって緩和され、クラックの拡大が抑制されるとの知見を得た。
本発明はこれらの着想及び知見に基づきなされたものであり、本発明に係る焼結粒子は、金属鉄とFeとを主成分とし、粒子中に金属鉄が分散して存在し、空隙率を5%以下としたことを特徴とする。
ここで、焼結粒子の機械的強度を一層向上させる観点からは、粉末X線回折によるFeの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)が0.05〜0.70の範囲となるようにするのが好ましい。(I/I)は金属鉄の含有量と正の相関関係があり、焼結粒子における金属鉄の含有量の一つの指標となるものである。
また、BET法による比表面積が0.09m/g以下、かつ真比重が4.95g/cm以上であるのが好ましい。
さらに、飽和磁化は70A・m/kg〜120A・m/kgの範囲が好ましい。
そしてまた、平均粒径は10μm〜100μmの範囲が好ましい。
本発明によれば、前記のいずれかに記載の焼結粒子の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
また本発明によれば、前記記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤が提供される。
さらに本発明によれば、金属鉄とFeとの混合相又はFeの単相が生成するように調整された金属鉄の粉末原料とFeの粉末原料とを液中にて混合してスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧乾燥して造粒物を得る工程と、得られた造粒物を焼成して焼結粒子を得る工程とを有することを特徴とする焼結粒子の製造方法が提供される。
本発明に係る焼結粒子は、長期間の使用によっても割れや欠けが生じにくく、耐久性に優れる。
本発明に係る電子写真現像剤用キャリア及び電子写真用現像剤によれば画像形成速度の高速化に対応することができると共に、安定して高画質を得ることができる。
本発明に係る製造方法によれば、長期間の使用によっても割れや欠けが生じ難く、耐久性に優れた焼結粒子を製造することができる。
実施例1で作製した焼結粒子のSEM写真である。 実施例1で作製した焼結粒子の断面のSEM写真である。 比較例1で作製した焼結粒子のSEM写真である。 比較例1で作製した焼結粒子の断面のSEM写真である。 実施例及び比較例のXRDパターンを示す図である。
本発明に係る焼結粒子についてまず説明する。本発明に係る焼結粒子の大きな特徴は、金属鉄とFeとを主成分とし、粒子中に金属鉄が分散して存在し、空隙率を5%以下としたことにある。焼結粒子中に金属鉄が存在することによって、粒子に生じたクラックの進展が金属鉄の有する靱性で抑制される。加えて、粒子中の空隙が少ないことによって粒子強度が向上し耐久性が高まる。
後述するように、焼結粒子の製造工程において、金属鉄とFeとを原料として焼結させると、後述の反応式(3)に示すとおり、反応に伴うガスが発生しない。このため、粒子内部に形成される空孔が従来に比べて格段に少なくなる。粒子強度の観点からは、粒子の空隙率はゼロであるのが好ましいが、実使用上は5%までである。より好ましくは3%以下であり、さらに好ましくは2%以下である。
また、焼結粒子における金属鉄の含有量は、粉末X線回折によるFeの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)との比(I/I)で表して0.05〜0.70の範囲であることが好ましい。(I/I)が0.05未満であると、金属鉄の含有量が少なすぎて本発明の効果が充分に得られないおそれがある。他方、(I/I)が0.70を超えると、粒子強度は向上するものの金属鉄の含有量が多すぎて飽和磁化σsや保磁力Hcなどの磁気特性が高くなり過ぎるおそれがある。より好ましい(I/I)の範囲は0.10〜0.60の範囲である。
本発明に係る焼結粒子は、BET法による比表面積が0.09m/g以下で、且つ真比重が4.95g/cm以上であるのが好ましい。すなわち、粒子表面に窪みなどの凹凸がなく、しかも粒子内部が詰まった状態、換言すれば粒子内に空孔のすくない状態が好ましい。
本発明に係る焼結粒子の飽和磁化σsは70A・m/kg〜120A・m/kgの範囲が好ましい。飽和磁化σsが70A・m/kg未満であると、例えば、焼結粒子をキャリア芯材として用いた場合に、感光体へのキャリアの付着が頻繁に起きるおそれがある。一方、飽和磁化σsが120A・m/kgを超えると、磁気ブラシの穂が硬くなり、電子写真現像における画質低下を招くおそれがある。より好ましい飽和磁化σsは80A・m/kg〜95A・m/kgの範囲である。
本発明に係る焼結粒子の平均粒径としては10μm〜100μmの範囲が好ましい。焼結粒子の平均粒径が10μm以上であることで、粒子のそれぞれに必要な磁力が確実に付与され、例えば、焼結粒子をキャリア芯材として用いた場合に、感光体へのキャリア付着が抑制されるようになる。一方、焼結粒子の平均粒径が100μm以下であることで、画像特性を良好に保つことができるようになる。焼結粒子の平均粒径を上記範囲とするには、焼結粒子の製造工程中及び/又は製造工程後に篩等を用いて分級処理を行えばよい。また、粒度分布はシャープであるのが好ましい。
本発明の焼結粒子は各種用途に用いることができ、例えば、電子写真現像用キャリアや電磁波吸収材、電磁波シールド材用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材・補強材、ペンキ、絵具・接着剤用艶消材、充填材、補強材等として用いることができる。これらの中でも特に電子写真現像用キャリアとして好適に用いられる。
本発明の焼結粒子の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する本発明に係る製造方法で製造するのが好適である。
原料としてFeの粉末と金属鉄の粉末とを秤量して分散媒中に投入し混合してスラリーを作製する。本発明に係る製造方法では、後述する反応によって、ガスを発生させずにFeの単相又はFeと金属鉄との混合相を生成させる。したがって、金属鉄の配合量は、Feの単相を生成させる場合は、Feの100重量部に対して8.74重量部であり、Feと金属鉄との混合相を生成させる場合には、Feの100重量部に対して8.74重量部を超える量である。Feの粉末及び金属鉄の粉末は一般に工業用として入手できるものを用いればよいが、目的とする焼結粒子の粒径に対して十分に小さい粒径であることが望ましい。これらの原料粉末の好ましい粒径は5μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。スラリーの固形分濃度は50wt%〜90wt%の範囲が望ましい。
本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、Feの粉末及び金属鉄の粉末の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2wt%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5〜2wt%程度とするのが好ましい。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10〜100μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次に、造粒物を加熱炉に投入し焼成させて焼結粒子を生成させる。焼成工程における反応を下記反応式(3)に示す。かかる式から理解されるように、本発明の製造方法では焼成工程でガスが発生しないので、焼結粒子内にガスが残留することがなく、粒子強度を高めることができる。
4Fe + Fe → 3Fe ・・・・・・・(3)
なお、Feを過剰に配合した場合には、Feと反応しなかった金属鉄が粒子内に分散して存在することになる。前述のように、焼結粒子中に金属鉄が存在すると、焼結粒子に生じたクラックの進展を金属鉄が抑制し粒子強度がさらに高まる。
焼成温度としては800℃以上であれば焼結は進み、生成した焼結粒子の形状が維持される。焼結温度の好ましい上限値は1500℃である。焼結温度が1500℃以下であると、焼結粒子同士の過剰焼結が起こらず、異形粒子の発生が抑制されるからである。したがって、焼結温度としては800〜1500℃の範囲が好ましく、より好ましくは1100〜1300℃の範囲である。また、焼成時間としては1〜6時間の範囲が好ましい。そして、焼結温度から常温まで焼結粒子を徐々に冷却する。
また、加熱炉内には不活性ガスを供給して、加熱炉内の酸素濃度を1%以下とするのが好ましい。加熱炉内の酸素濃度を低く抑えることによって、生成されたFeの酸化分解を防止するためである。
次に、焼結粒子が互いに固着している場合には必要により解砕する。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼結粒子を解砕する。解砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。
以上のようにして作製した本発明の焼結粒子を、電子写真現像用キャリアとして用いる場合、焼結粒子をそのまま電子写真現像用キャリアとして用いることもできるが、帯電性等の観点からは、焼結粒子の表面を樹脂で被覆して用いるのが好ましい。
焼結粒子の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
焼結粒子の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液を焼結粒子に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001〜30wt%、特に0.001〜2wt%の範囲内にあるのがよい。
焼結粒子への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製した電子写真現像用キャリアとトナーとを混合してなる。電子写真現像用キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1wt%〜20wt%の範囲が好ましい。トナー濃度が1wt%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が20wt%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3〜15wt%の範囲である。
電子写真現像用キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
原料として、平均粒径が0.6μmのFeの粉末10kgと、平均粒径が5.0μmの金属鉄の粉末1kgとを純水3.0kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を60g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し(ディスク回転数20,000rpm)、粒径10〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、網目91μmの篩網を用いて粗粒を分離し、網目37μmの篩網を用いて微粒を分離した。
この造粒粉を、窒素雰囲気下の電気炉に投入し1200℃で3時間焼成した。得られた焼結粒子をハンマーミルで解砕した後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径50μmの焼結粒子を得た。図1に焼結粒子のSEM写真、図2に焼結粒子の断面SEM写真をそれぞれ示す。また、得られた焼結粒子の粉体X線回折(「XRD」X-ray diffraction)分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。さらに、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を下記に示す方法で測定した。図5に、粉末X線回折分析の結果を示し、表1にその他の測定結果をまとめて示す。
(粉体X線回折分析)
X線回折分析装置(リガク社製「ULTIMAIV」)を用いてXRDパターンを測定した。X線源は銅を使用し、加速電圧40kV、電流30mAでX線を発生させた。粉末X線の測定条件は走査モード:連続測定、発散スリット:1/2°、散乱スリット:1/2°、受光スリット:0.15mm、回転速度:5.0rpm、測定角度:15°≦2θ≦95°、測定間隔:0.02°、走査速度:1.0°/分で測定を行った。
(空隙率)
焼結粒子を熱硬化性の樹脂に分散させた状態で硬化させ、クロスセクションポリッシャー(日本電子株式会社製、SM−09010)により樹脂を切断することで焼結粒子の断面観察用の試料を作成した。倍率1000倍の断面SEM写真を用いて、粒子の空孔部分とその他の部分とを階調により分離し、空孔部分の面積率を算出した。50個の粒子の面積率を測定しその平均を空隙率とした。なお、断面SEM写真における粒子の空孔部分とその他の部分との階調による分離及び面積率の計算は、画像解析ソフト(Soft Imaging System GmbH社、「analysis」)を用いた。
(比表面積)
焼結粒子の比表面積は、マウンテック社製「Macsorb(Model:1208」を用いてBET法により測定した。吸着ガスは窒素を用い、キャリアガスはヘリウムを用いた。
(真比重)
焼結粒子の真比重は、Quantachrome社製「ULTRA PYCNOMETER 1000」を用いて測定した。
(磁気特性)
室温専用振動試料型磁力計(VSM)(東英工業社製「VSM−P7」)を用いて磁化の測定を行い、印加磁界795.8kA/m(1000Oe)の磁場における飽和磁化σ及び保磁力Hcをそれぞれ測定した。
(強度指数)
サンプルミル(協立理工社製「SK−M10」)に試料100gを投入し、回転数16000rpmで40秒間粉砕処理した後、処理前後の焼結粒子の平均粒径を測定し、下記式から強度指数を算出した。この値が1.0に近いほど粉砕処理によって粒子の割れや欠けが発生せず、機械的強度が高い。
強度指数=(処理後の平均粒径)/(処理前の平均粒径)
なお、焼結粒子の平均粒径は、日機装株式会社製のマイクロトラック、Model9320−X100を用いて測定した、体積率50%までの積算粒径とした。
実施例2
焼結温度を1300℃とした以外は実施例1と同様にして焼結粒子を作製した。そして作製した焼結粒子について、実施例1と同様にして、XRD分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。また、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を前記方法で測定した。図5に、粉末X線回折分析の結果を示し、表1にその他の測定結果をまとめて示す。
実施例3
金属鉄の配合量を2kgとした以外は実施例1と同様にして焼結粒子を作製した。そして作製した焼結粒子について、実施例1と同様にして、XRD分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。また、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を前記方法で測定した。図5に、粉末X線回折分析の結果を示し、表1にその他の測定結果をまとめて示す。
実施例4
金属鉄の配合量を2kgとし、焼結温度を1300℃とした以外は実施例1と同様にして焼結粒子を作製した。そして作製した焼結粒子について、実施例1と同様にして、XRD分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。また、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を前記方法で測定した。図5に、粉末X線回折分析の結果を示し、表1にその他の測定結果をまとめて示す。
実施例5
金属鉄の配合量を3kgとした以外は実施例1と同様にして焼結粒子を作製した。そして作製した焼結粒子について、実施例1と同様にして、XRD分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。また、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を前記方法で測定した。図5に、粉末X線回折分析の結果を示し、表1にその他の測定結果をまとめて示す。
比較例1
金属鉄を配合しなかった以外は実施例1と同様にして焼結粒子を作製した。図3に焼結粒子のSEM写真、図4に焼結粒子の断面SEM写真をそれぞれ示す。また、実施例1と同様にして、XRD分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。さらに、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を前記方法で測定した。図5に、粉末X線回折分析の結果を示し、表1にその他の測定結果をまとめて示す。
比較例2
金属鉄を配合せず、焼結温度を1000℃とした以外は実施例1と同様にして焼結粒子を作製した。そして作製した焼結粒子について、実施例1と同様にして、XRD分析を行い、Feの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)を算出した。また、焼結粒子の空隙率、比表面積、真比重、磁気特性、強度指数を前記方法で測定した。表1に測定結果をまとめて示す。
本発明に係る焼結粒子である実施例1〜5の焼結粒子は、図1及び図2のSEM写真から理解されるように、粒子表面は滑らかで凹凸が少なく、しかも粒子内の空孔も少なかった。具体的には、表1から明らかなように、実施例1〜5の焼結粒子は空隙率が2.8以下で、比表面積は0.07m/g以下、真比重は4.95g/cm以上であった。加えてFeの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)が0.111〜0.504の範囲と、金属鉄の含有量が好適範囲であるので、飽和磁化σs及び保磁力Hcは実使用上問題のない範囲の値に抑えられ、且つ焼結粒子の強度指数は0.80以上と高い強度を示した。
これに対して、金属鉄を含有していない比較例1及び比較例2の焼結粒子は、空隙率が7.8%及び12.4%と高く、強度指数は0.58及び0.40と粒子の割れや欠けが発生しやすいものであった。
本発明に係る焼結粒子は、長期間の使用によっても割れや欠けが生じにくく、耐久性に優れ有用である。また、本発明に係る製造方法によれば、割れや欠けが生じにくいこのような焼結粒子を効率的に製造することができ有用である。

Claims (8)

  1. 金属鉄とFeとを主成分とし、粒子中に金属鉄が分散して存在し、空隙率を5%以下としたことを特徴とする焼結粒子。
  2. 粉末X線回折によるFeの最大ピーク値(I)と金属鉄の最大ピーク値(I)の比(I/I)が0.05〜0.70の範囲である請求項1記載の焼結粒子。
  3. BET法による比表面積が0.09m/g以下、かつ真比重が4.95g/cm以上である請求項1又は2記載の焼結粒子。
  4. 飽和磁化が70A・m/kg〜120A・m/kgの範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の焼結粒子。
  5. 平均粒径が10μm〜100μmの範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の焼結粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の焼結粒子の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  7. 請求項6記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含むことを特徴とする電子写真用現像剤。
  8. 金属鉄とFeとの混合相又はFeの単相が生成するように調整された金属鉄の粉末原料とFeの粉末原料とを液中にて混合してスラリーを得る工程と、前記スラリーを噴霧乾燥して造粒物を得る工程と、得られた造粒物を焼成して焼結粒子を得る工程とを有することを特徴とする焼結粒子の製造方法。
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