JP2001284113A - 永久磁石およびその製造方法 - Google Patents

永久磁石およびその製造方法

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JP2001284113A
JP2001284113A JP2000101702A JP2000101702A JP2001284113A JP 2001284113 A JP2001284113 A JP 2001284113A JP 2000101702 A JP2000101702 A JP 2000101702A JP 2000101702 A JP2000101702 A JP 2000101702A JP 2001284113 A JP2001284113 A JP 2001284113A
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powder
ferrite
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JP2000101702A
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Yukio Toyoda
幸夫 豊田
Seiichi Hosokawa
誠一 細川
Etsushi Oda
悦志 尾田
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Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い製造コストにて磁気特性を向上させたフ
ェライト磁石粉末、フェライト磁石およびその応用製品
を提供する。 【解決手段】 Feの一部をMnで置換するとともに、
Feの他の一部をCo、NiまたはZnで置換したフェ
ライト磁石であって、1100℃を越え、かつ1450
℃以下の温度で仮焼を実行することによって製造された
ものである。最適な添加割合でFeをMn、Co、Ni
またはZnで置換することにより、低い製造コストで磁
気特性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライト磁石粉
末および該磁石粉末を用いた磁石およびそれらの製造技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライトは二価の陽イオン金属の酸化
物と三価の鉄とが作る化合物の総称であり、フェライト
磁石は各種回転機、マグロールやスピーカーなどの種々
の用途に使用されている。フェライト磁石の材料として
は、六方晶のマグネトプランバイト構造を持つSrフェ
ライト(SrFe1219)やBaフェライト(BaFe
1219)が広く用いられている。これらのフェライト
は、酸化鉄とストロンチウム(Sr)またはバリウム
(Ba)等の炭酸塩を原料とし、粉末冶金法によって比
較的安価に製造される。
【0003】マグネトプランバイト構造(M型)フェラ
イトの基本組成は、通常、AO・6Fe23の化学式で
表現される。元素Aは二価陽イオンとなる金属であり、
Sr、Ba、Pb、Caその他から選択される。
【0004】これまでBaフェライトにおいては、Fe
の一部をTi、Znで置換することによって、磁化が向
上することが報告されている(Journal of the Magneti
cs Society of Japan vol.21,NoS2(1997)69-72)。
【0005】さらに、Baフェライトにおいて、Baの
一部をLaなどの希土類元素で置換し、Feの一部をC
o、Znで置換することによって、保磁力や磁化が向上
することが知られている(Journal of Magnetism and M
agnetic Materials vol.31-34,(1983)793-794、Bull. A
cad. Sci. USSR (Transl.), phys. Sec. vol.25 (1961)
1405-1408)。
【0006】一方、Srフェライトにおいては、Srの
一部をLaで置換し、Feの一部をCo、Znで置換す
ることによって、保磁力および磁化が向上すると報告さ
れている(国際出願番号PCTJP98/00764、国際公開番号W
O98/38654)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのフェ
ライト磁石においても、磁気特性の改善と低い製造コス
トの両方を達成することは不十分である。すなわち、F
eの一部をTi、Znで置換したフェライトの場合、磁
化が若干向上することが報告されているが、保磁力が顕
著に減少してしまうという問題があった。また、Baま
たはSrの一部をLaで、Feの一部をCo、Znで置
換したフェライトの場合、保磁力、磁化が向上すること
が報告されているが、Laなどの希土類元素原料は高価
であるため、Laなどの希土類元素を多量に使用する
と、原料コストが増加するという問題があり、製造コス
トが相対的に低いというフェライト磁石本来の特徴を失
いかねなかった。
【0008】本発明は、かかる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その主な目的は、低い製造コストで磁気特性
の改善を図ることができるフェライト磁石およびその製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による酸化物磁性
材料は、六方晶のマグネトプランバイト構造を有するフ
ェライトを主相とする酸化物磁性材料であって、Sr、
Ba、PbおよびCaからなる群から選択された少なく
とも1種の元素から構成されるAと、Fe(鉄)と、C
o、NiおよびZnからなる群から選択された少なくと
も1種の元素から構成されるMと、Mn(マンガン)と
を含有し、A、Fe、MおよびMnの各々の構成比率
が、前記A、Fe、MおよびMnの総元素量に対し、
A:6.4原子%以上10.7原子%以下、Fe:8
1.9原子%以上93.4原子%以下、M:0.07原
子%以上3.9原子%以下、Mn:0.07原子%以上
3.9原子%以下の関係を満足することを特徴とする。
【0010】好ましい実施形態において、前記酸化物磁
性材料は、式A・(Fe12-x-yMn xyz・O19で表
現され、0.01≦x≦0.5、0.01≦y≦0.
5、0.7≦z≦1.2である。
【0011】本発明によるフェライト磁石粉末は、上記
の酸化物磁性材料を含むことを特徴とする。
【0012】本発明によるフェライト仮焼体の製造方法
は、SrCO3、BaCO3、PbOおよびCaCO3
らなる群から選択された少なくとも1種の原料粉末と、
Fe23の原料粉末と、Co、NiおよびZnから選択
される少なくとも1種の元素の酸化物原料粉末と、Mn
の酸化物原料粉末とを混合することによって作製された
原料混合粉末を用意する工程と、前記原料混合粉末を1
100℃以上1450℃以下の温度で仮焼し、それによ
って、A・(Fe12-x-yMnxyz・O19(AはS
r、Ba、PbおよびCaからなる群から選択された少
なくとも1種の元素、MはCo、NiおよびZnからな
る群から選択された少なくとも1種の元素、0.01≦
x≦0.5、0.01≦y≦0.5、0.7≦z≦1.
2)の組成を有するフェライトの仮焼体を形成する工程
とを包含する。
【0013】本発明による他のフェライト仮焼体の製造
方法は、Sr、Ba、PbおよびCaからなる群から選
択された少なくとも1種の元素の塩化物、Feの塩化
物、Mnの塩化物、ならびにCo、NiおよびZnから
なる群から選択された少なくとも1種の元素の塩化物が
溶解したpH<6の混合溶液を用意する工程と、前記混
合溶液を800℃以上1400℃以下の加熱雰囲気中に
噴霧することによって仮焼し、それによってA・(Fe
12-x-yMnxyz・O19(AはSr、Ba、Pbおよ
びCaからなる群から選択された少なくとも1種の元
素、MはCo、NiおよびZnからなる群から選択され
た少なくとも1種の元素、0.01≦x≦0.5、0.
01≦y≦0.5、0.7≦z≦1.2)の組成を有す
るフェライトの仮焼体を形成する工程とを包含する。
【0014】本発明による磁石粉末の製造方法は、上記
何れかのフェライト仮焼体の製造方法によって形成され
た仮焼体を粉砕し、平均粒径を0.2μm以上2.0μ
m以下の範囲内にする工程を包含する。
【0015】本発明による磁石粉末の製造方法は、上記
何れかのフェライト仮焼体の製造方法によって形成され
た仮焼体に、CaO、SiO2、Cr23およびAl2
3(CaO:0.3重量%以上1.5重量%以下、Si
2:0.2重量%以上1.0重量%以下、Cr23
0重量%以上5.0重量%以下、Al23:0重量%以
上5.0重量%以下)を添加した仮焼体混合粉末を用意
する工程と、前記仮焼体混合粉を粉砕し、平均粒径を
0.2μm以上2.0μm以下の範囲内にする工程とを
包含する。
【0016】前記仮焼を1200℃以上1350℃以下
の温度で実行することが好ましい。
【0017】本発明による磁気記録媒体は上記フェライ
ト磁石粉末を含む。
【0018】本発明による磁気記録媒体は上記磁石粉末
の製造方法によって作製された磁石粉末を含む。
【0019】本発明によるボンド磁石は上記フェライト
磁石粉末を含む。
【0020】本発明による磁石の製造方法は、上記何れ
かの磁石粉末の製造方法によって作製された磁石粉末に
対して熱処理を施す工程と、前記熱処理が施された磁石
粉末からボンド磁石を作製する工程と、を包含する。
【0021】好ましい実施形態では、前記熱処理を70
0℃以上1100℃以下の温度で実行する。
【0022】本発明による焼結磁石は上記の酸化物磁性
材料を含むことを特徴とする。
【0023】本発明による焼結磁石は、上記何れかの磁
石粉末の製造方法によって作製された磁石粉末から作製
されたものである。
【0024】本発明による他の焼結磁石は、上記フェラ
イト磁石粉末から形成された焼結磁石であって、Ca
O、SiO2、Cr23およびAl23を含み、それぞ
れの添加量が、CaO:0.3重量%以上1.5重量%
以下、SiO2:0.2重量%以上1.0重量%以下、
Cr23:0重量%以上5.0重量%以下、Al23
0重量%以上5.0重量%以下である。
【0025】本発明による焼結磁石の製造方法は、上記
磁石粉末の製造方法によって作製された磁石粉末を用意
する工程と、前記磁石粉末を、濃縮、混練、磁場中成
形、焼結する工程とを包含する。
【0026】好ましい実施形態では、粉砕時あるいは混
練時に分散材を固形分比率で0.2重量%以上2.0重
量%以下添加する。
【0027】本発明による回転機は、上記何れかの焼結
磁石を備えていることを特徴とする。
【0028】本発明による磁気記録媒体は、上記何れか
の酸化物磁性材料を含む薄膜磁性層を有することを特徴
とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明では、六方晶のマグネトプ
ランバイト構造フェライト(AO・6Fe23:AはS
r、Ba、PbおよびCaからなる群から選択された少
なくとも1種の元素)において、Feの一部をMnで置
換するとともに、Feの他の一部を元素Mで置換する。
ここで、元素MはCo、NiおよびZnからなる群から
選択された少なくとも1種の元素である。
【0030】従来、Feの一部をCoやZn等の2価イ
オンで置換する場合は、電荷補償の観点から、同時にB
aまたはSrの一部をLa等の希土類元素イオンで置換
することが必要であると考えられていた。本発明者は、
この技術常識に拘束されることなく、Feの一部をMn
で置換することによっても、LaでSr等の一部を置換
した場合と同様の効果が得られることを見出して、本発
明を想到するに至った。
【0031】本発明の効果は、Co、NiまたはZn等
には無いMn特有の性質によって発揮されるものであ
る。Co、NiまたはZnに加え、Mnを必須元素とし
て添加することで本発明の効果が発現する理由は、マグ
ネトプランバイト型フェライト中において、Feと置換
したMnが2価以上の価数を持つイオンとして機能し、
それによって、Co等によってFeが置換された場合に
必要な電荷補償が或る程度達成されるためと推定され
る。
【0032】なお、各置換元素の割合によっては、磁気
特性の悪化を招く場合があるので、各置換元素を最適な
割合で添加する必要がある。本発明では、最適な添加割
合になるように、所定量のMn、Co、Ni、Znを添
加し、製造方法、組成、添加物などを検討することによ
って、磁気特性の向上に成功した。
【0033】本発明の酸化物磁性材料は、A・(Fe
12-x-yMnxyz・O19で表され、実質的にマグネト
プランバイト構造を有するフェライトである。その存在
形態は、仮焼体、磁石粉末、ボンド磁石、焼結磁石、磁
気記録媒体などの種々の態様を取り得る。
【0034】元素Aとして、Ba、Pb、またはCaを
選択した場合に比べ、Srを選択した場合の方が磁気特
性の改善が顕著である。このため、AとしてはSrを必
須成分として選択することが好ましい。ただし、用途に
よっては、低コストという観点からBaなどを選択する
方が有利である。本発明では、Aの一部をLa等によっ
て置換する必要はない。しかし、Aの一部を比較的少な
い量のLa等によって置換しても、本発明の効果が損な
われるわけではない。
【0035】元素Mは、上述したように、Co、Niお
よびZnからなる群から選択された少なくとも1種の元
素である。MとしてZnを選択した場合は飽和磁化が向
上し、CoおよびNiを選択した場合は異方性磁界が向
上する。特にCoを選択した場合は、異方性磁界の向上
が顕著になる。異方性磁界は保磁力の理論的上限値を示
すものであるため、異方性磁界を向上させることはは、
保磁力の増加にとって重要である。
【0036】上記組成式において、x、yおよびzはモ
ル比を表し、0.01≦x≦0.5、0.01≦y≦
0.5、0.7≦z≦1.2の関係式が満足される。x
およびyの好ましい範囲は、0.05≦x≦0.35、
0.05≦y≦0.35であり、さらに好ましい範囲
は、0.05≦x≦0.25、0.05≦y≦0.25
である。一方、zの好ましい範囲は、0.8≦z≦1.
1であり、さらに好ましい範囲は0.9≦z≦1.1で
ある。
【0037】上記組成式において、xおよびyが小さす
ぎると、Mnおよび元素MによるFeの置換量が少なく
なり、磁気特性の向上が小さくなる。逆にxおよびyが
大きすぎると、磁気特性が劣化し、コストが上昇してし
まう。一方、zが小さすぎると、元素Aを含む非磁性相
が増加し、逆にzが大きすぎると、ヘマタイト(酸化
鉄)相などが増加するため磁気特性が劣化してしまう。
【0038】組成を表す前記式において、A・(Fe
12-x-yMnxyzに対するO(酸素)のモル比は19
と表示されている。これは、Aが2価、Feが3価、M
nが4価、Mが2価と仮定した場合において、x=y、
z=1のときの化学量論組成比を示したものである。故
に、各元素の電荷やx、y、zの値が上記仮定値から異
なる場合は、A・(Fe12-x-yMnxyzに対するO
(酸素)のモル比も当然に19とは異なる値を示すこと
になる。便宜上、本明細書ではOのモル数は各元素の電
荷やx、y、zの値によらず仮に19と表示している
が、実際のOのモル比は19からずれていても良い。
【0039】なお、上記組成式で表されるフェライトに
おいて、A、Fe、MおよびMnの各々の構成比率は、
前記A、Fe、MおよびMnの総元素量に対し、以下の
範囲内にある。
【0040】A:6.4原子%以上10.7原子%以
下、Fe:81.9原子%以上93.4原子%以下、
M:0.07原子%以上3.9原子%以下、Mn:0.
07原子%以上3.9原子%以下。
【0041】次に、本発明の磁石粉末の製造方法を説明
する。
【0042】まず、SrCO3、BaCO3、PbOまた
はCaCO3の粉末とFe23の粉末とを1:4.2か
ら1:7.2の範囲のモル比で混合する。このとき、F
eの置換物として、Mnの酸化物、ならびにCo、Ni
およびZnからなる群から選択された少なくとも1種の
元素の酸化物を原料粉末に添加する。
【0043】Mn、Co、Ni、およびZnの添加は、
このように各々の酸化物粉末として添加することができ
るが、酸化物以外の粉末(例えば炭酸塩、水酸化物、硝
酸塩、硫酸塩、塩化物など)や溶液を添加することもで
きる。また、Sr、Ba、Pb、Ca、Fe、Mn、C
o、Ni、およびZnからなる群から選択された少なく
とも2種の元素から構成された化合物を添加しても良
い。
【0044】上記粉末に対して、必要に応じてホウ素化
合物(B23やH3BO3等)を含む他の化合物を1重量
%程度、BaCl2等を含む他の化合物を3重量%以下
程度添加してもよい。
【0045】上記の原料粉末の他に、必要に応じて他の
化合物、たとえばSi、Ca、Pb、Al、Ga、C
r、Sn、In、Co、Ni、Ti、Mn、Cu、G
e、Nb、Zr、Li、Mo、Bi、希土類元素(Yを
含む)等を含む化合物を3重量%以下程度添加してもよ
い。また、微量であれば不可避成分等の不純物を含有し
ていてもよい。
【0046】なお、本願明細書において、原料混合粉末
を用意する工程とは、上記のような原料混合粉末を最初
から作製する場合のみならず、第三者によって作製され
た原料混合粉末を購入して用いる場合や、第三者によっ
て作製された粉末を混合する場合をも広く含むものとす
る。
【0047】混合された原料粉末は、次にバッチ炉、連
続炉、ロータリーキルン等を用いて1100℃〜145
0℃の温度に加熱され、固相反応によってマグネトプラ
ンバイト構造フェライト化合物を形成する。このプロセ
スを「仮焼」と呼び、得られた化合物を「仮焼体」と呼
ぶ。仮焼時間は、0.5〜5時間であることが好まし
い。仮焼工程では、温度の上昇と共に固相反応によりフ
ェライト相が形成され、約1100℃で完了するが、こ
の温度以下では、未反応のヘマタイトが残存しているた
め、磁石特性が劣化する。1100℃を越えると本発明
の効果が発生するが、仮焼温度が1100〜1200℃
では本発明の効果が小さく、温度が上昇すると共に効果
が大きくなる。また、仮焼温度が1350℃を超える
と、結晶粒が成長しすぎ、粉砕工程において粉砕に多大
な時間を要することになる等不都合が生じるおそれがあ
る。以上のことから、仮焼温度は1200℃以上135
0℃以下という温度範囲内に設定することが好ましい。
【0048】本発明に係るマグネトプランバイト構造フ
ェライト仮焼体は、原料成分の溶解した混合溶液を加熱
雰囲気中に噴霧し、それによって仮焼を行う噴霧熱分解
法によって作製することもできる。この場合、上記混合
溶液は、Sr、Ba、PbおよびCaからなる群から選
択された少なくとも1種の元素の塩化物と、Feの塩化
物と、Mnの塩化物と、Co、NiおよびZnからなる
群から選択された少なくとも1種の元素の塩化物とを溶
解することによって作製される。
【0049】以下、噴霧熱分解法によってフェライト仮
焼体の粉末を作製する方法の一例を説明する。
【0050】まず、塩化第一鉄溶液および塩化ストロン
チウム溶液を、FeとSrの元素比がモル比で8.4:
1から14.4:1の範囲となるように混合する。この
とき、Mnの塩化物溶液、ならびにCo、NiおよびZ
nからなる群から選択された少なくとも1種の元素の塩
化物溶液を上記混合溶液に添加し、噴霧溶液を作製す
る。
【0051】噴霧溶液は、以下に示す各原料元素群のそ
れぞれについて、塩化物溶液を作製し、それらを混合す
ることによって作製することができる。
【0052】1. Sr、Ba、PbおよびCaからな
る群から選択された少なくとも1種の元素の炭酸塩、硝
酸塩、塩化物、または酸化物 2. Mnの炭酸塩、硝酸塩、塩化物、または酸化物、
ならびに 3. Co、NiおよびZnからなる群から選択された
少なくとも1種の元素の炭酸塩、硝酸塩、塩化物、また
は酸化物。
【0053】噴霧溶液は、上述のように、各原料元素の
塩化物溶液を混合することによって作製してもよいが、
塩化第一鉄溶液に対して、上記の原料化合物を直接に溶
解して作製することも効率的である。
【0054】塩化第一鉄溶液としては、製鉄所の圧延工
程において鋼板等の塩酸酸洗を行う際に生じる廃酸を用
いることも可能である。
【0055】噴霧溶液には、必要に応じてB23、H3
BO3等を含む他の化合物を1重量%程度や他の化合
物、たとえばSi、Ca、Pb、Al、Ga、Cr、S
n、In、Co、Ni、Ti、Mn、Cu、Ge、N
b、Zr、Li、Mo、Bi、希土類元素(Yを含む)
等を含む化合物を3重量%以下程度添加してもよい。ま
た、微量であれば不可避成分等の不純物を含有していて
もよい。
【0056】作製した噴霧溶液を、焙焼炉等を用いた8
00℃〜1400℃の加熱雰囲気中に噴霧することによ
って乾燥および仮焼を同時に行い、マグネトプランバイ
ト構造フェライト仮焼体を形成する。加熱雰囲気の温度
は1000℃以上1400℃以下の範囲が好ましく、さ
らに好ましくは1200℃以上1350℃以下である。
【0057】上記噴霧溶液の仮焼は、製鉄所内の塩酸回
収装置を用いて行えば、効率的に噴霧熱分解法による仮
焼体を作製することができる。
【0058】これらの仮焼工程によって得られた仮焼体
は、A・(Fe12-x-yMnxyz・O19(AはSr、
Ba、PbおよびCaからなる群から選択された少なく
とも1種の元素、MはCo、NiおよびZnからなる群
から選択された少なくとも1種の元素)で表され、実質
的にマグネトプランバイト構造を有するフェライトであ
る。この仮焼体を粉砕および/または解砕する粉砕工程
よって本実施形態の磁石粉末を得ることができる。その
平均粒径は、好ましくは2μm以下、より好ましくは
0.2μm以上1μm以下の範囲内にある。平均粒径の
さらに好ましい範囲は、0.4μm以上0.8μm以下
である。なお、これらの平均粒径は空気透過法によって
測定したものである。
【0059】より均一な磁石粉末を得るため、得られた
磁石粉末を再び仮焼工程と粉砕工程を行っても良い。
【0060】なお、上記フェライト磁石粉末に対して熱
処理を施し、フレキシビリティのあるゴムや硬質軽量の
プラスチックなどの各種バインダと混ぜ固めてボンド磁
石を作製することもできる。この場合、本発明の磁石粉
末をバインダと混練した後、成形加工を行う。混練時に
は公知の各種分散剤および界面活性剤を固形分比率で
0.2重量%以上2.0重量%以下添加することが好ま
しい。成形加工は、射出成形、押し出し成形、ロール成
形等の方法によって磁場中または無磁場中で実行され
る。
【0061】上記熱処理は仮焼体の粉砕および/または
解砕工程時に仮焼体粒子に導入された結晶歪を除去する
ために行われる。700℃以上の熱処理により仮焼体粒
子中の結晶歪は緩和されて保磁力が回復する。しかし、
1100℃以上の熱処理では、粉末の粒成長が起こり始
めるために保磁力が低下する。一方、磁化は1000℃
までは保磁力とともに上昇するが、この温度以上では配
向度が低下し、磁化が減少する。この理由としては、粉
末粒子同士の融着が起こることが考えられる。以上のこ
とから、上記熱処理は700〜1100℃の温度範囲で
0.1〜3時間行うことが好ましい。熱処理温度のより
好ましい範囲は、900〜1000℃である。
【0062】なお、上記フェライト磁石粉末に対して熱
処理を施した後、公知の各種バインダと混練して塗布す
ることによって塗布型の磁気記録媒体を作製することが
できる。
【0063】次に、本発明のフェライト磁石の製造方法
を説明する。
【0064】まず、前述の方法によって仮焼体を製造す
る。次にこの仮焼体を振動ミル、ボールミルおよび/ま
たはアトライターを用いた微粉砕工程によって、仮焼体
を微粒子に粉砕する。微粒子の平均粒径は0.4〜0.
7μm程度(空気透過法)にすることが好ましい。微粉
砕工程は、乾式粉砕(1μmを超える粗粉砕)と湿式粉
砕(1μm以下の微粉砕)とを組み合わせて行うことが
好ましい。
【0065】微粉砕工程時に、磁気特性の改善の目的
で、仮焼体にCaO、SiO2、Cr23およびAl2
3(CaO:0.3重量%以上1.5重量%以下、Si
2:0.2重量%以上1.0重量%以下、Cr23
0重量%以上5.0重量%以下、Al23:0重量%以
上5.0重量%以下)などを添加してもよい。
【0066】湿式粉砕に際しては、水などの水系溶媒や
種々の非水系溶媒を用いることができる。湿式粉砕に際
して溶媒と仮焼体粉末とが混合したスラリーが生成され
る。スラリーには公知の各種分散剤および界面活性剤を
固形分比率で0.2重量%以上2.0重量%以下添加す
ることが好ましい。この微粉砕工程時に、Bi23等を
含む他の化合物を1重量%以下程度添加してもよい。
【0067】その後、スラリー中の溶媒を除去しながら
磁場中または無磁場中でプレス成形する。プレス成形の
あと、脱脂工程、焼結工程、加工工程、洗浄工程、検査
工程などの公知の製造プロセスを経て、最終的にフェラ
イト磁石の製品が完成する。焼結工程は、空気中で例え
ば1100℃から1250℃の温度範囲で0.5〜2時
間の間で行えばよい。焼結工程で得られる焼結磁石の平
均粒径は、例えば0.5〜2μmである。
【0068】本発明の回転機は、上記の方法によって製
造されたフェライト磁石を備えている点に特徴を有して
おり、その具体的構造自体は公知の回転機と同様のもの
であって良い。
【0069】また、本発明の磁気記録媒体に用いられる
薄膜磁性層の形成にはスパッタ法を用いることが好まし
い。スパッタのためのターゲットには上記フェライト磁
石を用いてもよい。また、各元素の酸化物をターゲット
として用いてもよい。スパッタ法で形成した薄膜に対し
て熱処理を施すことによって、マグネトプランバイト構
造を有するフェライトの薄膜磁性層を作製することがで
きる。
【0070】
【実施例】以下、実施例について本発明を説明する。
【0071】(実施例1)まず、Sr・(Fe12-x-y
xCoyz・O19の組成において、0≦x≦0.7、
0≦y≦0.7、x=y、z=0.97となるようにF
23粉末、SrCO3粉末、Mn34粉末およびCo
O粉末の各種原料粉末を配合する。得られた原料混合粉
末を湿式ボールミルで10時間粉砕し、乾燥して整粒し
た。その後、大気中において1300℃で3時間仮焼
し、それによって仮焼体磁石粉末を作製した。
【0072】次に、これらの仮焼体粉末に対してCaC
3を0.7重量%、SiO2を0.4重量%添加し、湿
式ボールミルで空気透過法による平均粒径が0.52μ
mになるまで微粉砕した。その後、微粉砕スラリー中の
溶媒を除去しながら磁場中でプレス成形した。成形体を
大気中1200℃で30分間焼結し、焼結磁石を作製し
た。
【0073】得られた焼結磁石について、その残留磁束
密度Brおよび保磁力HcJを測定した。測定結果を図1
に示す。図1から、0.01≦x≦0.5の範囲では、
保磁力HcJが向上し、残留磁束密度Brの劣化も少ない
ことがわかる。
【0074】同様に上記仮焼体粉末から、モーター用の
C型形状焼結磁石を作製し、これを従来の材質の焼結磁
石に代えてモーター中に組み込み、定格条件で動作させ
たところ、良好な特性を得た。また、そのトルクを測定
したところ、従来に比べて上昇していた。
【0075】上記仮焼体粉末からボンド磁石を作製した
ところ、本実施例の焼結磁石と同様の結果が得られた。
【0076】上記仮焼体粉末を、磁気記録媒体に使用し
たところ、高出力で高いS/Nが得られた。上記焼結磁
石をターゲットとして用い、スパッタ法により薄膜磁性
層を有する磁気記録媒体を作製したところ、高出力で高
いS/Nが得られた。
【0077】また、噴霧熱分解法によりSr・(Fe
12-x-yMnxCoyz・O19の組成において、0≦x≦
0.7、0≦y≦0.7、x=y、z=0.97となる
ように仮焼体粉末を作製し、同様に焼結磁石を作製し
た。その結果、本実施例の焼結磁石と同様な結果が得ら
れた。
【0078】(実施例2)Sr・(Fe12-x-yMnx
yz・O19の組成において、0.1≦x≦0.3、y
=0.2、z=0.97となる様に配合した以外は実施
例1と同様にして焼結体を作製した。得られた焼結磁石
の残留磁束密度Brおよび保磁力HcJの測定結果を図2
に示す。図2から、0.15≦x≦0.25の範囲にお
いて、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brの両方が向上
していることがわかる。この結果から、必ずしもx=y
である必要はないことがわかる。
【0079】(実施例3)Sr・(Fe12-x-yMnx
yz・O19の組成において、x=0.2、y=0.
2、0.5≦z≦1.5となる様に配合した以外、実施
例1と同様にして焼結体を作製した。得られた焼結磁石
の残留磁束密度Brおよび保磁力HcJの測定結果を図3
に示す。図3から、0.7≦z≦1.2の範囲におい
て、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brの両方が向上し
ていることがわかる。
【0080】(実施例4)Sr・(Fe12-x-yMnx
yz・O19の組成において、x=0.2、y=0.
2、z=0.97となる組成につき、仮焼温度を100
0〜1500℃と変えた以外は実施例1と同様にして焼
結体を作製した。得られた焼結磁石の残留磁束密度Br
および保磁力HcJの測定結果を図4に示す。図4から、
保磁力HcJは1000〜1450℃の範囲で優れた特性
を示し、残留磁束密度Brは1100〜1450℃の範
囲で優れた特性を示していることがわかる。また、図4
のグラフから、より好ましい温度範囲が1200℃以上
1350℃以下であることがわかる。
【0081】(実施例5)Sr・(Fe12-x-yMnx
yz・O19の組成において、x=0.2、y=0.
2、z=0.97となる組成になる様に配合した以外は
実施例1と同様にして作製した仮焼体磁石粉末を、湿式
ボールミルで空気透過法による平均粒径が1.0μmに
なるまで微粉砕した。この後、乾燥、解砕を行い、50
0〜1200℃で熱処理を行ってフェライト磁石粉末を
作製した。
【0082】得られた粉末の残留磁束密度Brおよび保
磁力HcJを試料振動式磁力計(VSM)で測定した。そ
の結果を図5に示す。図5から、保磁力HcJは1100
℃以下の熱処理で増加し、この温度以上では低下するこ
とがわかる。一方、磁化は約1000℃までは保磁力と
ともに上昇するが、この温度以上では低下することがわ
かる。
【0083】(実施例6)Sr・(Fe12-x-yMn
xyz・O19の組成において、MはCo、Niまたは
Zn、x=0.2、y=0.2、z=0.97となる様
に配合した以外は実施例1と同様にして仮焼体粉末を作
製した。また、比較例として、上記組成式において、x
=y=0、z=0.98となる様に配合した以外は実施
例1と同様にして、仮焼体粉末Sr・(Fe12z・O
19(置換なし)も作製した。
【0084】得られた仮焼体磁石粉末の飽和磁化σs
よび異方性磁界Haをパルス励磁型磁化測定装置で測定
した結果を表1に示す。パルス励磁型磁化測定装置の測
定方法は、パルス励磁型磁化測定装置で4.8MA・m
1(=60kOe)の磁場をかけて磁化測定を行い飽
和磁化(σs)を求めた。異方性磁界Haは、同パルス励
磁型磁化測定装置で2階微分磁化率を測定して求めた。
【0085】表1において、「Co置換」は、Feの一
部をMoおよびCoで置換したフェライトを示し、「N
i置換」は、Feの一部をMoおよびNiで置換したフ
ェライトを示し、「Zn置換」は、Feの一部をMoお
よびZnで置換したフェライトを示している。表1か
ら、「Co置換」および「Ni置換」では異方性磁界H
aが向上し、「Zn置換」では飽和磁化σsが向上するこ
とがわかる。
【0086】
【表1】
【0087】(実施例7)Sr・(Fe12-x-yMn
xyz・O19の組成において、x=0.2、y=0.
2、z=0.97、元素MにCoとNiのモル比を1
0:0、9:1および8:2の組み合わせとなるように
配合した以外は実施例1と同様にして焼結体を作製し
た。得られた焼結磁石の残留磁束密度Brおよび保磁力
cJの測定結果を表2に示す。表2から、元素Mにおい
てCoをNiで置換していっても、残留磁束密度Br
向上し、保磁力HcJの劣化も少ないことがわかる。
【0088】
【表2】
【0089】(実施例8)実施例1の仮焼体磁石粉末に
CaO、SiO2、Cr23、Al23を表3に示すよ
うに添加して、微粉砕を行った以外は実施例1と同様に
して焼結体を作製した。得られた焼結磁石の残留磁束密
度Brおよび保磁力HcJの測定結果を表3に示す。
【0090】
【表3】
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、六方晶マグネトプラン
バイト構造を持つフェライトにおいて、Feの一部をM
nで置換するともに、Feの他の一部をCo、Niおよ
びZnで置換することでフェライト磁石の磁気特性を向
上させつつ、低い製造コストを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Sr・(Fe12-x-yMnxCoyz・O19で表
される本発明による焼結磁石(0≦x≦0.7、0≦y
≦0.7、x=y、z=0.97)について、組成比x
(y)と残留磁束密度Brおよび保磁力HcJとの関係を
示すグラフである。
【図2】Sr・(Fe12-x-yMnxCoyz・O19で表
される本発明による焼結磁石(0.1≦x≦0.3、y
=0.2、z=0.97)について、組成比xと残留磁
束密度Brおよび保磁力HcJとの関係を示すグラフであ
る。
【図3】Sr・(Fe12-x-yMnxCoyz・O19で表
される本発明による焼結磁石(x=0.2、y=0.
2、0.5≦z≦1.5)について、組成比zと残留磁
束密度Brおよび保磁力HcJとの関係を示すグラフであ
る。
【図4】Sr・(Fe12-x-yMnxCoyz・O19で表
される本発明による焼結磁石(x=0.2、y=0.
2、z=0.97)について、仮焼温度と残留磁束密度
rおよび保磁力HcJとの関係を示すグラフである。
【図5】Sr・(Fe12-x-yMnxCoyz・O19で表
される本発明によるフェライト磁石粉末(x=0.2、
y=0.2、z=0.97)について、熱処理温度と残
留磁束密度Brおよび保磁力HcJとの関係を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 H01F 41/02 G (72)発明者 尾田 悦志 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 Fターム(参考) 4G002 AA06 AA07 AA08 AA10 AB02 AD02 AE02 5E040 AB04 AB05 AB09 BD01 CA01 CA06 NN02 NN18 5E062 CC02 CC05 CD02 CE04 CF04 CG02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六方晶のマグネトプランバイト構造を有
    するフェライトを主相とする酸化物磁性材料であって、 Sr、Ba、PbおよびCaからなる群から選択された
    少なくとも1種の元素から構成されるA、 Fe、 Co、NiおよびZnからなる群から選択された少なく
    とも1種の元素から構成されるM、ならびに Mn を含有し、 A、Fe、MおよびMnの各々の構成比率が、前記A、
    Fe、MおよびMnの総元素量に対し、 A :6.4原子%以上10.7原子%以下、 Fe:81.9原子%以上93.4原子%以下、 M :0.07原子%以上3.9原子%以下、 Mn:0.07原子%以上3.9原子%以下 の関係を満足する酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】 式A・(Fe12-x-yMnxyz・O19
    で表現され、 0.01≦x≦0.5 0.01≦y≦0.5 0.7≦z≦1.2 である請求項1に記載の酸化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の酸化物磁性材
    料を含むフェライト磁石粉末。
  4. 【請求項4】 SrCO3、BaCO3、PbOおよびC
    aCO3からなる群から選択された少なくとも1種の原
    料粉末と、Fe23の原料粉末と、Co、NiおよびZ
    nから選択される少なくとも1種の元素の酸化物原料粉
    末と、Mnの酸化物原料粉末とを混合することによって
    作製された原料混合粉末を用意する工程と、 前記原料混合粉末を1100℃以上1450℃以下の温
    度で仮焼し、それによって、A・(Fe12-x-yMn
    xyz・O19(AはSr、Ba、PbおよびCaから
    なる群から選択された少なくとも1種の元素、MはC
    o、NiおよびZnからなる群から選択された少なくと
    も1種の元素、0.01≦x≦0.5、0.01≦y≦
    0.5、0.7≦z≦1.2)の組成を有するフェライ
    トの仮焼体を形成する工程とを包含するフェライト仮焼
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 Sr、Ba、PbおよびCaからなる群
    から選択された少なくとも1種の元素の塩化物、Feの
    塩化物、Mnの塩化物、ならびにCo、NiおよびZn
    からなる群から選択された少なくとも1種の元素の塩化
    物が溶解したpH<6の混合溶液を用意する工程と、 前記混合溶液を800℃以上1400℃以下の加熱雰囲
    気中に噴霧することによって仮焼し、それによってA・
    (Fe12-x-yMnxyz・O19(AはSr、Ba、P
    bおよびCaからなる群から選択された少なくとも1種
    の元素、MはCo、NiおよびZnからなる群から選択
    された少なくとも1種の元素、0.01≦x≦0.5、
    0.01≦y≦0.5、0.7≦z≦1.2)の組成を
    有するフェライトの仮焼体を形成する工程とを包含する
    フェライト仮焼体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のフェライト仮
    焼体の製造方法によって形成された仮焼体を粉砕し、平
    均粒径を0.2μm以上2.0μm以下の範囲内にする
    工程を包含する磁石粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載のフェライト仮
    焼体の製造方法によって形成された仮焼体に、CaO、
    SiO2、Cr23およびAl23(CaO:0.3重
    量%以上1.5重量%以下、SiO2:0.2重量%以
    上1.0重量%以下、Cr23:0重量%以上5.0重
    量%以下、Al23:0重量%以上5.0重量%以下)
    を添加した仮焼体混合粉末を用意する工程と、 前記仮焼体混合粉を粉砕し、平均粒径を0.2μm以上
    2.0μm以下の範囲内にする工程とを包含する磁石粉
    末の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記仮焼を1200℃以上1350℃以
    下の温度で実行することを特徴とする請求項4または5
    に記載のフェライト仮焼体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記仮焼を1200℃以上1350℃以
    下の温度で実行することを特徴とする請求項6または7
    に記載の磁石粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項3に記載のフェライト磁石粉末
    を含む磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項6または7に記載の磁石粉末の
    製造方法によって作製された磁石粉末を含む磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載のフェライト磁石粉末
    を含むボンド磁石。
  13. 【請求項13】 請求項6または7に記載の磁石粉末の
    製造方法によって作製された磁石粉末に対して熱処理を
    施す工程と、 前記熱処理が施された磁石粉末からボンド磁石を作製す
    る工程と、を包含する磁石の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記熱処理を700℃以上1100℃
    以下の温度で実行する請求項13に記載の磁石の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 請求項3に記載の酸化物磁性材料を含
    む焼結磁石。
  16. 【請求項16】 請求項6または7に記載の磁石粉末の
    製造方法によって作製された磁石粉末から作製された焼
    結磁石。
  17. 【請求項17】 請求項3に記載のフェライト磁石粉末
    から形成された焼結磁石であって、CaO、SiO2
    Cr23およびAl23を含み、それぞれの添加量が、 CaO:0.3重量%以上1.5重量%以下、 SiO2:0.2重量%以上1.0重量%以下、 Cr23:0重量%以上5.0重量%以下、 Al23:0重量%以上5.0重量%以下 である焼結磁石。
  18. 【請求項18】 請求項6または7に記載の磁石粉末の
    製造方法によって作製された磁石粉末を用意する工程
    と、 前記磁石粉末を、濃縮、混練、磁場中成形、焼結する工
    程とを包含する焼結磁石の製造方法。
  19. 【請求項19】 粉砕時あるいは混練時に分散材を固形
    分比率で0.2重量%以上2.0重量%以下添加する請
    求項18に記載の焼結磁石の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項16または17に記載の焼結磁
    石を備えた回転機。
  21. 【請求項21】 請求項1または2に記載の酸化物磁性
    材料を含む薄膜磁性層を有する磁気記録媒体。
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