JP2001093716A - 磁気記録媒体用粉末及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用粉末及びその製造方法

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JP2001093716A
JP2001093716A JP26804599A JP26804599A JP2001093716A JP 2001093716 A JP2001093716 A JP 2001093716A JP 26804599 A JP26804599 A JP 26804599A JP 26804599 A JP26804599 A JP 26804599A JP 2001093716 A JP2001093716 A JP 2001093716A
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ferrite
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Tatsuya Chiba
龍矢 千葉
Tsutomu Otsuka
努 大塚
Etsuo Otsuki
悦夫 大槻
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Tokin Corp
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度記録媒体を簡単且つ安価に製造可能と
する磁気記録媒体用粉末の製造方法を提供すること。 【解決手段】 Fe,R,Me(但し、RはBa,Sr
の少なくとも一種であり、Meは二価金属であるFe,
Zn,Cu,Ni,Mnの少なくとも一種とする)から
成る金属硝酸塩とアミノ酸とを混合して錯体溶液を得る
錯体溶液生成工程と、この錯体溶液を400℃以下で且
つ沸点以上の温度の溶媒を用いて溶解加熱し、この溶媒
の蒸発により生じる残留物を自己発火させることによ
り、均一に微細化されて生成される一般式RMeFe
1627で表わされるW相酸化物磁性粒子を得る加熱
工程とを含む製造方法を実施し、磁気記録媒体用フェラ
イト酸化物粉末を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として塗布法に
よって高密度記録が可能な磁気記録媒体を製造するため
の磁気記録媒体用粉末に関し、詳しくは磁性粒子が六方
晶フェライト粒子である磁気記録媒体用粉末及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体の一例である磁気テ
ープは、その長手方向に磁性粉をできるだけ配向させて
いる。これは記録方式として、磁気テープ面における長
手方向に記録を行う際、その記録方向に磁化容易軸を揃
えた方が有利となるためである。このような記録方式は
面内磁気記録方式、或いは長手磁気記録方式と呼ばれ、
記録信号は磁気記録媒体の磁性相面内において、磁気記
録媒体自体の移動方向に沿った長短の磁石として蓄えら
れる。
【0003】ここで、磁気記録媒体の記録密度を上げる
ためには、これらの磁石1個分の長さを短くしなければ
ならない。しかしながら、このように磁石1個分の長さ
を短くすると、磁石の両端に現れるN極とS極とが接近
し、不可避的な自己減磁作用が増大する。又、磁気記録
媒体における隣り合った信号同士も接近するが、これら
は互いに逆向きに磁化されているので、反発力を高めて
相乗的に減磁作用を強める結果となる。
【0004】そこで、これらの減磁作用を対策するため
には、磁気記録媒体の保磁力Hを大きくするか、或い
は磁性相をより薄くする必要があるが、磁気記録媒体と
して許容される保磁力Hや膜厚には限度がある。従っ
て、長手磁気記録方式の場合、短波長化による出力減少
は或る段階で防ぎ切れなくなるという本質的に解決し難
い問題がある。これに対し、短波長化により磁化状態を
安定化させるためには、磁気記録媒体に対して磁化方向
を垂直方向とし、この方向に記録を行えば高密度記録化
において有利となる。
【0005】垂直磁気記録方式は、このような背景によ
って提案されたものであり、その磁気記録媒体における
垂直磁化膜には種々の材料が用いられている。中でも六
角板状を呈したフェロックスプレーナW型のフェライト
は、一層記録密度の高い垂直磁気記録媒体用材料として
有望視されている。このフェライトは、結晶粒子のc軸
が板面に垂直であり、この板面を膜面を沿って塗布する
ことにより容易に垂直磁化膜を成形することができる。
【0006】垂直磁気記録の場合、以下に挙げる三点の
長所がある。第一点は上述したように、限られたスペー
スに多くの情報を記録できる高密度化が実現できること
であり、第二点は膜厚方向の長さが長くなることによ
り、1個の磁石の両端におけるS極及びN極を相対的に
遠去け得ることで減磁作用を弱めることができることで
あり、第三点は隣り合うS極及びN極の磁化同士が強め
合うことにより、長手高密度記録の場合とは反対に磁化
状態が安定化することである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に現在
製造されているM相(BaFe1219,SeFe
19)が全て3価のFe3+イオンであるのに対
し、上述したフェロックスプレーナW型の磁気記録媒体
用フェライトの場合は2価のFe2+イオンが2個、3
価のFe3+イオンが16個から成っている。このた
め、不安定なFe2+イオンの存在により、還元雰囲気
中、即ち、酸素分圧の低い雰囲気中で焼成する必要があ
るが、この雰囲気における圧力条件の制御管理は技術的
に困難であるため、結果として、製造工程のコストアッ
プを招き易いという問題がある。
【0008】又、磁気記録媒体を製造する場合には、磁
気記録媒体用フェライト粉末と溶剤及び樹脂バインダー
とを混合してベースフィルム上に塗布するが、ここでは
磁場配向装置を用いてフェライト微粒子の磁化容易軸を
ベースフィルムに配向させる必要がある。ここで、記録
密度を大幅に向上させるためには、磁性粒子の粒度がで
きるだけ微細であることが重要となり、それ故、予め粉
砕工程を長時間行ってフェライト粉末を粉砕して微細化
させておく必要がある。
【0009】ところが、この粉砕工程における粒径の制
御も技術的に困難で、しかもその微細粉末の管理が煩雑
であるため、製造工程のコストアップ化を招く要因とな
っている。
【0010】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、高密度記録媒体を
簡単且つ安価に製造可能とする磁気記録媒体用粉末及び
その製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、Fe,
R,Me(但し、RはBa,Srの少なくとも一種であ
り、Meは二価金属であるFe,Zn,Cu,Ni,M
nの少なくとも一種とする)から成る金属硝酸塩、及び
アミノ酸を含む錯体溶液を溶媒中で溶解加熱したときの
該溶媒の蒸発により生じる残留物が自己発火されること
により均一に微細化されて生成されると共に、一般式R
MeFe1627で表わされるW相酸化物磁性粒子か
ら成る磁気記録媒体用粉末が得られる。
【0012】又、本発明によれば、Fe,R,Me(但
し、RはBa,Srの少なくとも一種であり、Meは二
価金属であるFe,Zn,Cu,Ni,Mnの少なくと
も一種とする)から成る金属硝酸塩とアミノ酸とを混合
して錯体溶液を得る錯体溶液生成工程と、錯体溶液を4
00℃以下で且つ沸点以上の温度の溶媒中で溶解加熱
し、該溶媒の蒸発により生じる残留物を自己発火させる
ことにより、均一に微細化されて生成される一般式RM
eFe1627で表わされるW相酸化物磁性粒子を得
る加熱工程とを含む磁気記録媒体粉末の製造方法が得ら
れる。
【0013】
【作用】本発明ではフェライト酸化物粉末として、金属
硝酸塩とアミノ酸とを混合した錯体溶液を溶媒中で溶解
加熱させ、溶媒の蒸発により生じる残留物が自己発火す
ることにより生成される均一に微細化されたW相磁気記
録粒子を得ている。このフェライト酸化物粉末は、磁気
記録媒体用となるもので、W相磁気記録粒子の粒径が原
子レベルで均一化された六角板状を呈し、磁性粒子にお
ける磁化容易軸が板状面に垂直な方向となっている。従
って、この粉末を磁気配向させながらベーステープに塗
布すると、磁性粒子が一軸異方性を有する磁気記録媒体
を製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明の磁
気記録媒体用粉末及びその製造方法について、詳細に説
明する。
【0015】最初に、本発明の磁気記録媒体用粉末の概
要を簡単に説明する。この磁気記録媒体用粉末は、F
e,R,Me(但し、RはBa,Srの少なくとも一種
であり、Meは二価金属であるFe,Zn,Cu,N
i,Mnの少なくとも一種とする)から成る金属硝酸
塩、及びアミノ酸を含む錯体溶液を溶媒中で溶解加熱し
たときの溶媒の蒸発により生じる残留物が自己発火され
ることにより均一に微細化されて生成されると共に、一
般式RMeFe1627で表わされるW相酸化物磁性
粒子から成るものである。
【0016】このような磁気記録媒体用粉末は、Fe,
R,Meから成る金属硝酸塩とアミノ酸とを混合して錯
体溶液を得る錯体溶液生成工程と、錯体溶液を400℃
以下で且つ沸点以上の温度の溶媒を用いて溶解加熱し、
この溶媒の蒸発により生じる残留物を自己発火させるこ
とにより、均一に微細化されて生成される一般式RMe
Fe1627で表わされるW相酸化物磁性粒子を得る
加熱工程とを含む製造方法を実施することによって得ら
れる。
【0017】この製造方法の場合、加熱工程では原料と
なる錯体溶液を溶媒中で溶解加熱しているので、錯体溶
液の主成分が溶媒中で均一に混合される。又、その後の
溶媒の蒸発により生じる残留物の自己発火反応は高温且
つ短時間で行われるので、これにより生成される磁性粒
子は組成が均一化され、W相の単相となる。この結果、
W相酸化物磁性粒子の粒径は原子レベルで均一化され、
磁気記録媒体用に適した微細なフェライト酸化物粉末が
直接的に得られる。
【0018】因みに、この加熱工程において溶解加熱に
必要な溶媒の温度を400℃以下とした理由は、溶媒温
度が400℃以上であれば粉末の粒径が磁気記録媒体の
製造に適した大きさよりも大きくなり過ぎたり、設備費
やランニングコストが高価になる等、利点がなくなるか
らである。
【0019】このようにして得られる磁気記録媒体用フ
ェライト酸化物粉末は、六角板状を呈したW相磁気記録
粒子から成り、その磁性粒子における磁化容易軸が板状
面に垂直な方向であることから、この粉末を磁気配向さ
せながらベーステープに塗布することによって、磁性粒
子が一軸異方性を有する磁気記録媒体を製造することが
できる。即ち、この製造方法によれば、従来の粉末混合
法よりも磁気記録媒体の製造に適した高性能で低価格な
磁気記録媒体用フェライト酸化物粉末が得られる。
【0020】そこで、以下は幾つかの実施例を挙げ、本
発明の磁気記録媒体用粉末の製造方法について具体的に
説明する。
【0021】[実施例1]実施例1では、先ず錯体溶液
生成工程として、高純度の硝酸鉄(III)と硝酸バリウ
ムとをモル比で9:1モルとなるように(組成がBaO
・9Feとなるように)秤量し、純水中に溶解し
た後、この水溶液にアミノ酸を20wt%添加して充分
に混合して錯体溶液を得た。
【0022】次に、加熱工程として、この錯体溶液を1
00〜400(℃)の温度で段階別に加熱し、水分を蒸
発させた後、大気雰囲気中で密封した。更に、同じ温度
条件下で加熱を継続することにより、溶液の残留物が自
己発火されて生成される粒径が均一で微細なW相酸化物
磁性粒子から成る4種の磁気記録媒体用フェライト酸化
物粉末を得た。
【0023】そこで、これらのフェライト酸化物粉末を
X線回折により生成相を確認したところ、何れもW相単
相のフェライトであることが確認された。
【0024】一方、比較例1として、炭酸バリウムと酸
化鉄(Fe)とをモル比で1:9となるように秤
量し、エチルアルコールを混合媒として撹拌機で混合し
た後、自然乾燥して混合粉を得た。次に、この混合粉を
プレス成形し、1350℃の温度条件下で1時間焼成し
た。但し、焼成では気密性炉心管を用いて酸素ガスと窒
素ガスとを流し、酸素濃度1×10−3%の雰囲気で行
って急冷した。引き続き、この焼成物をメノー鉢で32
5メッシュ下に粗粉砕し、X線回折したところW相単相
のフェライト粒子であることが確認できた。更に、この
W相化したフェライト粉末に対し、エチルアルコールを
混合媒として50時間微粉砕した。
【0025】即ち、これらの実施例1及び比較例1に関
するフェライト粉末は、実施例1のものを本発明の製造
方法によって得ており、比較例1のものを従来の製造方
法によって得ている。
【0026】表1は、実施例1に係る4種のフェライト
粉末と比較例1のフェライト粉末とに関する飽和磁化σ
(emu/gr)及び保磁力H(Oe)を測定した
結果を示したものである。
【0027】
【表1】 表1から明らかなように、試料番号1〜4に関する本発
明のフェライト粉末は、100〜400(℃)の各温度
条件下の何れであるかを問わず、比較例1のフェライト
粉末と較べて磁気特性が優れるという磁気記録媒体用材
料として一層望ましい結果が得られた。
【0028】[実施例2]実施例2では、先ず錯体溶液
生成工程として、高純度の硝酸鉄(III)と硝酸ストロ
ンチウムとをモル比で9:1モルとなるように(組成が
SrO・9Feとなるように)秤量し、純水中に
溶解した後、この水溶液にアミノ酸を20wt%添加し
て充分に混合して錯体溶液を得た。
【0029】次に、加熱工程として、この錯体溶液を1
00〜400(℃)の温度で段階別に加熱し、水分を蒸
発させた後、大気雰囲気中で密封した。更に、同じ温度
条件下の加熱により、実施例1の場合と同様に溶液の残
留物が自己発火されて生成される粒径が均一で微細なW
相酸化物磁性粒子から成る4種の磁気記録媒体用フェラ
イト酸化物粉末を得た。
【0030】因みに、これらのフェライト酸化物粉末を
X線回折により生成相を確認したところ、何れもW相単
相のフェライトであることが確認された。
【0031】一方、比較例2として、炭酸ストロンチウ
ムと酸化鉄(Fe)とをモル比で1:9となるよ
うに秤量し、エチルアルコールを混合媒として撹拌機で
混合した後、自然乾燥して混合粉を得た。次に、この混
合粉をプレス成形し、1350℃の温度条件下で1時間
焼成した。但し、焼成では気密性炉心管を用いて酸素ガ
スと窒素ガスとを流し、酸素濃度1×10−3%の雰囲
気で行って急冷した。引き続き、この焼成物をメノー鉢
で325メッシュ下に粗粉砕し、X線回折したところW
相単相のフェライト粒子であることが確認できた。更
に、このW相化したフェライト粉末に対し、エチルアル
コールを混合媒として50時間微粉砕した。
【0032】即ち、これらの実施例2及び比較例2に関
するフェライト粉末は、実施例2のものを本発明の製造
方法によって得ており、比較例2のものを従来の製造方
法によって得ている。
【0033】表2は、実施例2に係る4種のフェライト
粉末と比較例2のフェライト粉末とに関する飽和磁化σ
(emu/gr)及び保磁力H(Oe)を測定した
結果を示したものである。
【0034】
【表2】 表2から明らかなように、この場合も試料番号5〜8に
関する本発明のフェライト粉末は、100〜400
(℃)の各温度条件下の何れであるかを問わず、比較例
2のフェライト粉末と比べて磁気特性が優れるという磁
気記録媒体用材料として望ましい結果が得られた。
【0035】[実施例3]実施例3では、先ず錯体溶液
生成工程として、高純度の硝酸鉄(III)と硝酸バリウ
ムと硝酸鉛を組成がBaO・2ZnO・8Fe
なるように秤量し、純水中に溶解した後、この水溶液に
アミノ酸を20wt%添加して充分に混合して錯体溶液
を得た。
【0036】次に、加熱工程として、この錯体溶液を1
00〜400(℃)の温度で段階別に加熱し、水分を蒸
発させた後、大気雰囲気中で密封した。更に、同じ温度
条件下の加熱により、実施例1の場合と同様に溶液の残
留物が自己発火されて生成される粒径が均一で微細なW
相酸化物磁性粒子から成る4種の磁気記録媒体用フェラ
イト酸化物粉末を得た。
【0037】因みに、これらのフェライト酸化物粉末を
X線回折により生成相を確認したところ、何れもW相単
相のフェライトであることが確認された。
【0038】一方、比較例3として炭酸バリウムと酸化
鉄(Fe)と酸化鉛とを組成がBaO・2ZnO
・8Feとなるように秤量し、エチルアルコール
を混合媒として撹拌機で混合した後、自然乾燥して混合
粉を得た。次に、この混合粉をプレス成形し、1350
℃の温度条件下で1時間焼成した。但し、焼成では気密
性炉心管を用いて酸素ガスと窒素ガスとを流し、酸素濃
度1×10−3%の雰囲気で行って急冷した。引き続
き、この焼成物をメノー鉢で325メッシュ下に粗粉砕
し、X線回折したところW相単相のフェライト粒子であ
ることが確認できた。更に、このW相化したフェライト
粉末に対し、エチルアルコールを混合媒として50時間
微粉砕した。
【0039】これらの実施例3及び比較例3に関するフ
ェライト粉末は、何れも組成がBaO・2ZnO・8F
から成っており、実施例3のものを本発明の製
造方法によって得ており、比較例3のものを従来の製造
方法によって得ている。
【0040】表3は、実施例3に係る4種のフェライト
粉末と比較例3のフェライト粉末とに関する飽和磁化σ
(emu/gr)及び保磁力H(Oe)を測定した
結果を示したものである。
【0041】
【表3】 表3からも、試料番号9〜12に関する本発明のフェラ
イト粉末は、100〜400(℃)の各温度条件下の何
れであるかを問わず、比較例3のフェライト粉末と比べ
て磁気特性が優れることが判った。
【0042】[実施例4]実施例4では、先ず錯体溶液
生成工程として、高純度の硝酸鉄(III)と硝酸ストロ
ンチウムと硝酸鉛とを組成がSrO・2ZnO・8Fe
となるように秤量し、純水中に溶解した後、この
水溶液にアミノ酸を20wt%添加して充分に混合して
錯体溶液を得た。
【0043】次に、加熱工程として、この錯体溶液を1
00〜400(℃)の温度で段階別に加熱し、水分を蒸
発させた後、大気雰囲気中で密封した。更に、同じ温度
条件下の加熱により、実施例1の場合と同様に溶液の残
留物が自己発火されて生成される粒径が均一で微細なW
相酸化物磁性粒子から成る4種の磁気記録媒体用フェラ
イト酸化物粉末を得た。
【0044】因みに、これらのフェライト酸化物粉末を
X線回折により生成相を確認したところ、何れもW相単
相のフェライトであることが確認された。
【0045】一方、比較例4として、炭酸ストロンチウ
ムと酸化鉄(Fe)と酸化鉛とを組成がSrO・
2ZnO・8Feとなるように秤量し、エチルア
ルコールを混合媒として撹拌機で混合した後、自然乾燥
して混合粉を得た。次に、この混合粉をプレス成形し、
1350℃の温度条件下で1時間焼成した。但し、焼成
では気密性炉心管を用いて酸素ガスと窒素ガスとを流
し、酸素濃度1×10 %の雰囲気で行って急冷し
た。引き続き、この焼成物をメノー鉢で325メッシュ
下に粗粉砕し、X線回折したところW相単相のフェライ
ト粒子であることが確認できた。更に、このW相化した
フェライト粉末に対し、エチルアルコールを混合媒とし
て50時間微粉砕した。
【0046】これらの実施例4及び比較例4に関するフ
ェライト粉末は、何れも組成がSrO・2ZnO・8F
から成っており、実施例4のものを本発明の製
造方法によって得ており、比較例4のものを従来の製造
方法によって得ている。
【0047】表4は、実施例4に係る4種のフェライト
粉末と比較例4のフェライト粉末とに関する飽和磁化σ
(emu/gr)及び保磁力H(Oe)を測定した
結果を示したものである。
【0048】
【表4】 表4からも、試料番号13〜16に関する本発明のフェ
ライト粉末は、100〜400(℃)の各温度条件下の
何れであるかを問わず、比較例4のフェライト粉末と比
べて磁気特性が優れることが判った。
【0049】以上の各実施例による試料番号1〜16に
関する本発明のフェライト粉末は、何れもその磁性粒子
における磁化容易軸が板状面に垂直な方向であることか
ら、これらの粉末を磁気配向させながらベーステープに
塗布することによって、磁性粒子が一軸異方性を有する
磁気記録媒体を製造することができる。
【0050】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
磁性粒子における磁化容易軸が板状面に垂直な方向であ
って、均一に微細化されたW相磁気記録粒子から成る磁
気記録媒体用フェライト酸化物粉末を製造しているの
で、この粉末を磁気配向させながらベーステープに塗布
することによって、磁性粒子が一軸異方性を有する高密
度記録が可能な磁気記録媒体を提供できるようになる。
又、本発明の磁気記録媒体用粉末の製造方法の場合、加
熱工程にて原料となる錯体溶液を溶媒中で溶解加熱して
いるので、錯体溶液の主成分が溶媒中で均一に混合さ
れ、これにより生成される磁性粒子の組成が均一化され
ると共に、溶媒の蒸発により生じる残留物の自己発火反
応が高温且つ短時間で行われるので、粒径が原子レベル
で均一化されたW相の単相から成るW相酸化物磁性粒子
が簡単に得られるようになる。この結果、従来のフェロ
ックスプレーナW型フェライトで必要であった雰囲気の
圧力制御が不要になるため、製造工程に要する技術的な
管理が簡単となり、磁気記録媒体用に適した微細なフェ
ライト酸化物粉末を直接的に安価に得られるようにな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大槻 悦夫 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 Fターム(参考) 4G002 AA07 AA08 AB02 AB07 AE03 5D006 BA06 BA08 5E040 AB03 AB09 CA06 NN18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe,R,Me(但し、RはBa,Sr
    の少なくとも一種であり、Meは二価金属であるFe,
    Zn,Cu,Ni,Mnの少なくとも一種とする)から
    成る金属硝酸塩、及びアミノ酸を含む錯体溶液を溶媒中
    で溶解加熱したときの該溶媒の蒸発により生じる残留物
    が自己発火されることにより均一に微細化されて生成さ
    れると共に、一般式RMeFe1627で表わされる
    W相酸化物磁性粒子から成ることを特徴とする磁気記録
    媒体用粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気記録媒体用粉末を用
    いて成ることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 Fe,R,Me(但し、RはBa,Sr
    の少なくとも一種であり、Meは二価金属であるFe,
    Zn,Cu,Ni,Mnの少なくとも一種とする)から
    成る金属硝酸塩とアミノ酸とを混合して錯体溶液を得る
    錯体溶液生成工程と、前記錯体溶液を400℃以下で且
    つ沸点以上の温度の溶媒を用いて溶解加熱し、該溶媒の
    蒸発により生じる残留物を自己発火させることにより、
    均一に微細化されて生成される一般式RMeFe16
    27で表わされるW相酸化物磁性粒子を得る加熱工程と
    を含むことを特徴とする磁気記録媒体粉末の製造方法。
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Cited By (4)

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