JP5839640B1 - キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 - Google Patents

キャリア芯材並びにこれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】高抵抗且つ高磁力で、粒子間のバラツキがなく、長期間の使用によってもキャリア付着が生じないキャリア芯材を提供する。【解決手段】スピネル構造を有するキャリア芯材であって、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.15?以下で、印加電圧1000Vのときの電気抵抗値が1?106Ω〜1?108Ωの範囲であることを特徴とする。ここで、キャリア芯材を破砕した後の印加電圧1000Vでの電気抵抗値が、破砕する前の印加電圧1000Vでの電気抵抗値に対して30%以上であるのが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、キャリア芯材並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤などに関するものである。
電子写真方式を用いたファクシミリやプリンター、複写機などの画像形成装置では、キャリア芯材の表面を絶縁性樹脂で被覆したいわゆるコーティングキャリアと、トナーとを混合した二成分系現像剤によって、感光体表面に形成された静電潜像を可視像化している。
ここで使用されるキャリア芯材には、電気的特性と磁気的特性とが要求される。具体的には、高抵抗且つ高磁力であることが要求される。キャリア芯材の抵抗が低いと、電荷注入が起こって、キャリアが用紙に付着するいわゆるキャリア付着が生じやすくなる。また、キャリア芯材の磁力が低い場合には、現像スリーブへの吸着が弱くなり、前記と同様にキャリア付着やキャリア飛散が生じやすくなる。
そこで、例えば、特許文献1では、粒子抵抗を高くし、粒子間のバラツキを小さくすることなどを目的として、Mn、Mg、Fe、Srを所定量含有し、格子定数が所定範囲で、表面酸化被膜が形成されたフェライト粒子からなるキャリア芯材が提案されている。
また本願出願人は、先に出願した特許文献2において、キャリア飛散の主原因は低磁化率粒子であるとの知見から、低磁化率粒子の存在比率の指標として粉末X線回折パターンのピークの半値幅を用い、キャリア芯材の半値幅を所定値以下とすることを提案した。
特開2013−178414号公報 特開2008−261955号公報
ところで、特許文献1に提案のキャリア芯材の製造では、本焼成を低酸素の雰囲気下で行った後、大気雰囲気下で酸化処理(高抵抗化処理)を行ってキャリア芯材の表層に酸化被膜を形成してキャリア芯材の高抵抗化を図っている。
ところが、キャリア芯材の表層に酸化被膜を形成して高抵抗化を図っても、粒子間のバラツキは十分には抑えることができなかった。このため、長期間使用するとキャリア付着などの不具合が生じるおそれがあった。
また、特許文献2に提案のキャリア芯材では、焼成工程における酸素濃度は意識されていない。特許文献2の実施例では酸素濃度が0.20体積%(2000ppm)又は21.0体積%(210000ppm)の雰囲気下で焼成が行われているが、このような酸素濃度で焼成を行うと、キャリア芯材の高抵抗化及び電気抵抗の粒子間のバラツキ抑制が不十分となるおそれがある。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされてものであり、その目的は、高抵抗且つ高磁力で、しかも粒子間のバラツキがなく、長期間の使用によってもキャリア付着などの不具合が生じないキャリア芯材を提供することにある。
本発明者等は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、粒子の表層のみならず粒子内部までが均一に酸化されると、高抵抗で粒子間のバラツキが小さいキャリア芯材となることを見出し本発明をなすに至った。すなわち、本発明に係るキャリア芯材は、スピネル構造を有するキャリア芯材であって、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.15°以下で、印加電圧1000Vのときの電気抵抗値が1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmの範囲で、TG−DTA分析による酸素放出量が0.5wt%以上であることを特徴とする。
ここで、キャリア芯材を破砕した後の印加電圧1000Vでの電気抵抗値が、破砕する前の印加電圧1000Vでの電気抵抗値に対して30%以上であるのが好ましい。
また、印加磁界1000A/m・10/(4π)での磁化が50Am/kg〜70Am/kgの範囲であるのが好ましい。
そしてまた、格子定数が8.480以下であるのが好ましい。
さらには、粉末X線回折パターンにおける、面指数(311)でのピーク積分強度を100とした場合の、面指数(200)でのピーク積分強度が32.0以上であるのが好ましい。
また本発明によれば、前記のキャリア芯材の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリアが提供される。
さらに本発明によれば、前記の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤が提供される。
本発明に係るキャリア芯材、電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤によれば、キャリア芯材の粒子内部まで均一組成で高抵抗であるため、長期間の使用によってもキャリア付着は大幅に抑制される。
本発明に係る電子写真現像剤を用いた現像装置の一例を示す概説図である。 実施例1及び比較例1〜3のTG曲線である。
本発明に係るキャリア芯材の大きな特徴の一つは、スピネル構造を有するキャリア芯材であって、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.15°以下であることである。
スピネル構造を有する粒子としては、一般式MFe3−X(但し、MはMg,Mn,Ti,Cu,Zn,Niなどの金属,0<X<1)で表される組成のソフトフェライト粒子が挙げられる。Ca、Srも含まれていても良い。これらの中でもMnMgフェライト、Mnフェライトが好ましい。また、粒子形状も真球状とは限らず、楕円球状、針状形状でも良く、表面も平滑でなくても良く、表面に凹凸、穴などがあっても良い。
スピネル構造を有する粒子の粒径に特に限定はないが、体積平均粒径で20μm〜200μm程度が好ましく、粒度分布はシャープであるのが好ましい。
粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークは、スピネル構造のメインピークであって、このピークの半値幅が0.15°以下であることは、キャリア芯材の表層と内部の結晶構造がほぼ均一であることを意味する。これにより、キャリア芯材は、高抵抗でバラツキの少ないものとなる。この点において、本発明に係るキャリア芯材は、高抵抗化処理によって粒子の表層にのみ酸化被膜が形成された従来のキャリア芯材と大きく異なる。前記ピークの半値幅のより好ましい範囲は0.14°以下である。なお、粉末X線回折パターンによる面指数(311)でのピークの半値幅の測定方法は、後述の実施例において説明する。
また、本発明に係るキャリア芯材は、印加電圧1000Vのときの電気抵抗値が1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmの範囲であることも大きな特徴である。前記電気抵抗値がこの範囲であることによって、キャリア芯材への電荷注入が効果的に抑制され、キャリア付着が抑えられる。前記の電気抵抗値が1×10Ω・cm未満であると、キャリア芯材への電荷注入が生じキャリア付着が生じるおそれがある。一方、前記の電気抵抗値が1×10Ω・cmより大きいと、磁力の低下が生じるおそれがある。前記の電気抵抗値のより好ましい範囲は、1×10Ω・cm〜9×10Ω・cmの範囲である。
また、キャリア芯材を、後述の実施例で説明するように破砕し、キャリア芯材を破砕した後の印加電圧1000Vでの電気抵抗値が、破砕する前の印加電圧1000Vでの電気抵抗値に対して20%以上であるのが好ましい。この電気抵抗値の割合が100%に近づく程、キャリア芯材の表層と内部とが均一組成であることを意味する。より好ましい電気抵抗値の割合は30%以上である。
本発明のキャリア芯材の、印加磁界1000A/m・10/(4π)での磁化は50Am/kg〜70Am/kgの範囲であるのが好ましい。前記磁化が50Am/kg未満であると、現像ローラの磁力が作用しにくくなり、キャリア飛散などが生じるおそれがある。一方、前記磁化が70Am/kgを超えると、電気抵抗の低下が生じるおそれがある。
本発明に係るキャリア芯材の格子定数は8.480以下であるのが好ましい。キャリア芯材の格子定数が8.480よりも大きいと、酸化の程度が不十分で、粒子の電気抵抗値のバラツキが大きくなり、長期間使用するとキャリア付着などが生じるおそれがある。
また、粉末X線回折パターンにおける、面指数(311)でのピーク積分強度を100とした場合の、面指数(200)でのピーク積分強度が32.0以上であるのが好ましい。面指数(200)でのピーク積分強度が前記範囲であることは、キャリア芯材の表層と内部の結晶構造がほぼ均一であることを意味する。これにより、キャリア芯材は、高抵抗で粒子間のバラツキの少ないものとなる。
また、TG−DTA分析による酸素放出量0.5wt%以上である。酸素放出量がかかる範囲であることによって、粒子間の電気抵抗値のバラツキが抑えられ、長期間使用してもキャリア付着が生じにくくなる。より好ましい酸素放出量は0.6wt%以上である。なお、TG−DTA分析による酸素放出量の測定方法については後段の実施例において説明する。
本発明のキャリア芯材の製造方法に特に限定はないが、以下に説明する製造方法が好適である。
まず、Fe成分原料、M成分原料を秤量し、原料混合粉を作製する。なお、MはMg、Mn、Ca、Ti、Cu、Zn、Ni、Sr等の2価の金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素である。Fe成分原料としては、Fe等が好適に使用される。M成分原料としては、MnであればMnCO、Mn等が使用でき、MgであればMgO、Mg(OH)、MgCOが好適に使用できる。また、Ca成分原料としては、CaO、Ca(OH)、CaCO等から選択される少なくとも1種の化合物が好適に使用される。また、Sr成分を添加する場合には、SrCO、Sr(NOなどがSr成分原料として好適に使用される。
次いで、作製した原料混合粉を仮焼成する。仮焼成の温度としては750℃〜900℃の範囲が好ましい。750℃以上であれば、仮焼による一部フェライト化が進み、焼成時のガス発生量が少なく、固体間反応が十分に進むため、好ましい。一方、900℃以下であれば、仮焼による焼結が弱く、後のスラリー粉砕工程で原料を十分に粉砕できるので好ましい。また、仮焼成時の雰囲気としては大気雰囲気が好ましい。
そして、仮焼成した原料を解粒して分散媒中に投入しスラリーを作製する。本発明で使用する分散媒としては水が好適である。分散媒には、前記仮焼成原料の他、必要によりバインダー、分散剤等を配合してもよい。バインダーとしては、例えば、ポリビニルアルコールが好適に使用できる。バインダーの配合量としてはスラリー中の濃度が0.5質量%〜2質量%程度とするのが好ましい。また、分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウム等が好適に使用できる。分散剤の配合量としてはスラリー中の濃度が0.5質量%〜2質量%程度とするのが好ましい。その他、潤滑剤や焼結促進剤等を配合してもよい。スラリーの固形分濃度は50質量%〜90質量%の範囲が望ましい。より好ましくは60質量%〜80質量%である。60質量%以上であれば、造粒品中に粒子内細孔が少なく、焼成時の焼結不足を防ぐことができる。一方、80質量%以下であれば、会合粒子が少なく、粒子形状による流動性悪化を防ぐことができる。
次に、以上のようにして作製されたスラリーを湿式粉砕する。例えば、ボールミルや振動ミルを用いて所定時間湿式粉砕する。粉砕後の原材料の平均粒径は10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下である。振動ミルやボールミルには、所定粒径のメディアを内在させるのがよい。メディアの材質としては、鉄系のクロム鋼や酸化物系のジルコニア、チタニア、アルミナなどが挙げられる。粉砕工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。粉砕物の粒径は、粉砕時間や回転速度、使用するメディアの材質・粒径などによって調整される。
そして、粉砕されたスラリーを噴霧乾燥させて造粒する。具体的には、スプレードライヤーなどの噴霧乾燥機にスラリーを導入し、雰囲気中へ噴霧することによって球状に造粒する。噴霧乾燥時の雰囲気温度は100℃〜300℃の範囲が好ましい。これにより、粒径10μm〜200μmの球状の造粒物が得られる。なお、得られた造粒物は、振動ふるい等を用いて、粗大粒子や微粉を除去し粒度分布をシャープなものとするのが望ましい。
次に、造粒物を所定温度に加熱した炉に投入して、スピネル構造のフェライトを合成するための一般的な手法で焼成する。焼成温度としては1100℃〜1350℃の範囲が好ましい。焼成温度が1100℃以下であると、相変態が起こりにくくなるとともに焼結も進みにくくなる。また、焼成温度が1350℃を超えると、過剰焼結による過大グレインの発生がするおそれがある。前記焼成温度に至るまでの昇温速度としては250℃/h〜500℃/hの範囲が好ましい。
ここで重要なことは、所定の焼成温度において焼成雰囲気の酸素濃度を調整することである。焼成雰囲気の酸素濃度を調整することによって、粒子の表層のみならず内部まで酸素が均質に吸収され、粒子が高抵抗化されるとともに、粒子間の電気抵抗のバラツキが抑えられる。具体的には、温度1300℃において焼成雰囲気の酸素濃度を12000ppm〜18000ppmの範囲に調整するのが好ましい。もちろん、好適な酸素濃度はキャリア芯材の組成等によって適宜決定される。
このようにして得られたスピネル構造のフェライト粒子を必要により解粒してキャリア芯材とする。具体的には、例えば、ハンマーミル等によって焼成物を解粒する。解粒工程の形態としては連続式及び回分式のいずれであってもよい。そして、必要により、粒径を所定範囲に揃えるため分級を行ってもよい。分級方法としては、風力分級や篩分級など従来公知の方法を用いることができる。また、風力分級機で1次分級した後、振動篩や超音波篩で粒径を所定範囲に揃えるようにしてもよい。さらに、分級工程後に、磁場選鉱機によって非磁性粒子を除去するようにしてもよい。キャリア芯材の粒径としては20μm〜60μmの範囲が好ましい。
なお、従来は、この後、キャリア芯材を高抵抗化させるために、キャリア芯材を酸化性雰囲気中でさらに加熱して、キャリア芯材の表層に酸化被膜を形成していた(高抵抗化処理)。しかし、キャリア芯材の表層に酸化被膜を形成する従来の高抵抗化処理では、キャリア芯材の表層と内部とで抵抗が異なり、また、キャリア芯材の粒子間で抵抗のバラツキが大きく、長期間使用するとキャリア付着などが生じていた。これに対し、本発明のキャリア芯材では、焼成工程においてキャリア芯材の内部まで酸化し高抵抗化するので、高抵抗化処理は特段必要としない。これにより、従来は必要であった高抵抗化処理工程を省くことができ、生産性が向上する。
以上のようにして作製したキャリア芯材は、所望の帯電性等を得るために外周を樹脂で被覆して電子写真現像用キャリアとする。
キャリア芯材の表面を被覆する樹脂としては、従来公知のものが使用でき、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ塩化ビニリデン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリスチレン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、並びにポリ塩化ビニル系やポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エストラマー、フッ素シリコーン系樹脂などが挙げられる。
キャリア芯材の表面を樹脂で被覆するには、樹脂の溶液又は分散液をキャリア芯材に施せばよい。塗布溶液用の溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類溶媒;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒などの1種又は2種以上を用いることができる。塗布溶液中の樹脂成分濃度は、一般に0.001質量%〜30質量%、特に0.001質量%〜2質量%の範囲内にあるのがよい。
キャリア芯材への樹脂の被覆方法としては、例えばスプレードライ法や流動床法あるいは流動床を用いたスプレードライ法、浸漬法等を用いることができる。これらの中でも、少ない樹脂量で効率的に塗布できる点で流動床法が特に好ましい。樹脂被覆量は、例えば流動床法の場合には吹き付ける樹脂溶液量や吹き付け時間によって調整することができる。
キャリアの粒子径は、一般に、体積平均粒子径で10μm〜200μmの範囲、特に20μm〜60μmの範囲が好ましい。
本発明に係る電子写真用現像剤は、以上のようにして作製したキャリアとトナーとを混合してなる。キャリアとトナーとの混合比に特に限定はなく、使用する現像装置の現像条件などから適宜決定すればよい。一般に現像剤中のトナー濃度は1質量%〜15質量%の範囲が好ましい。トナー濃度が1質量%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が15質量%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。より好ましいトナー濃度は3質量%〜10質量%の範囲である。
トナーとしては、重合法、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法など従来公知の方法で製造したものが使用できる。具体的には、熱可塑性樹脂を主成分とする結着樹脂中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含有させたものが好適に使用できる。
トナーの粒径は、一般に、コールターカウンターによる体積平均粒径で5μm〜15μmの範囲が好ましく、7μm〜12μmの範囲がより好ましい。
トナー表面には、必要により、改質剤を添加してもよい。改質剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアとトナーとの混合は、従来公知の混合装置を用いることができる。例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、タンブラーミキサー、ハイブリタイザー等を用いることができる。
本発明の現像剤を用いた現像方法に特に限定はないが、磁気ブラシ現像法が好適である。図1に、磁気ブラシ現像を行う現像装置の一例を示す概説図を示す。図1に示す現像装置は、複数の磁極を内蔵した回転自在の現像ローラ3と、現像部へ搬送される現像ローラ3上の現像剤量を規制する規制ブレード6と、水平方向に平行に配置され、互いに逆向きに現像剤を撹拌搬送する2本のスクリュー1,2と、2本のスクリュー1,2の間に形成され、両スクリューの両端部において、一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤の移動を可能とし、両端部以外での現像剤の移動を防ぐ仕切板4とを備える。
2本のスクリュー1,2は、螺旋状の羽根13,23が同じ傾斜角で軸部11,21に形成されたものであって、不図示の駆動機構によって同方向に回転し、現像剤を互いに逆方向に搬送する。そして、スクリュー1,2の両端部において一方のスクリューから他方のスクリューに現像剤が移動する。これによりトナーとキャリアからなる現像剤は装置内を常に循環し撹拌されることになる。
一方、現像ローラ3は、表面に数μmの凹凸を付けた金属製の筒状体の内部に、磁極発生手段として、現像磁極N、搬送磁極S、剥離磁極N、汲み上げ磁極N、ブレード磁極Sの5つの磁極を順に配置した固定磁石を有してなる。現像ローラ3が矢印方向に回転すると、汲み上げ磁極Nの磁力によって、スクリュー1から現像ローラ3へ現像剤が汲み上げられる。現像ローラ3の表面に担持された現像剤は、規制ブレード6により層規制された後、現像領域へ搬送される。
現像領域では、直流電圧に交流電圧を重畳したバイアス電圧が転写電圧電源8から現像ローラ3に印加される。バイアス電圧の直流電圧成分は、感光体ドラム5表面の背景部電位と画像部電位との間の電位とされる。また、背景部電位と画像部電位とは、バイアス電圧の最大値と最小値との間の電位とされる。バイアス電圧のピーク間電圧は0.5〜5kVの範囲が好ましく、周波数は1〜10kHzの範囲が好ましい。またバイアス電圧の波形は矩形波、サイン波、三角波などいずれであってもよい。これによって、現像領域においてトナー及びキャリアが振動し、トナーが感光体ドラム5上の静電潜像に付着して現像がなされる。
その後現像ローラ3上の現像剤は、搬送磁極Sによって装置内部に搬送され、剥離電極Nによって現像ローラ3から剥離して、スクリュー1,2によって装置内を再び循環搬送され、現像に供していない現像剤と混合撹拌される。そして汲み上げ極Nによって、新たに現像剤がスクリュー1から現像ローラ3へ供給される。
なお、図1に示した実施形態では現像ローラ3に内蔵された磁極は5つであったが、現像剤の現像領域での移動量を一層大きくしたり、汲み上げ性等を一層向上させるために、磁極を8極や10極、12極と増やしてももちろん構わない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
実施例1
キャリア芯材を次のようにして作製した。出発原料として、10.38kgのFeと、4.12kgのMnと、0.19kgのMgOと、0.034kgのSrCOとを純水5.58kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを59g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を176g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、粒径100μmを超える粗粒は篩網を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1300℃まで4.5時間かけて昇温し、その後1300℃で3時間保持し焼成を行った。このとき、電気炉内の酸素濃度は15000ppmとした。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径35.3μmのキャリア芯材を得た。
得られたキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。なお、本実施例及び後段の比較例で得られたキャリア芯材はスピネル構造有するフェライト粒子である。表1及び表2に測定結果をまとめて示す。
次に、このようにして得られたキャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製した。具体的には、シリコーン樹脂450重量部と、(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン9重量部とを、溶媒としてのトルエン450重量部に溶解してコート溶液を作製した。このコート溶液を、流動床型コーティング装置を用いてキャリア芯材50000重量部に塗布し、温度300℃の電気炉で加熱してキャリアを得た。以下、比較例についても同様にしてキャリアを得た。
得られたキャリアと平均粒径5.0μm程度のトナーとを、ポットミルを用いて所定時間混合し、二成分系の電子写真現像剤を得た。この場合、キャリアとトナーとをトナーの重量/(トナーおよびキャリアの重量)=5/100となるように調整した。以下、全ての比較例についても同様にして現像剤を得た。得られた現像剤について後述の実機評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例2
焼成工程における電気炉内の酸素濃度を20000ppmとした以外は実施例1と同様にして平均粒径34.8μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
実施例3
キャリア芯材を次のようにして作製した。出発原料として、11.13kgのFeと、3.76kgのMnと、0.4kgのMgOとを純水5.58kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを59g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を176g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、粒径100μmを超える粗粒は篩網を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1200℃まで4.5時間かけて昇温し、その後1200℃で3時間保持し焼成を行った。このとき、電気炉内の酸素濃度は30000ppmとした。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径33.6μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
実施例4
キャリア芯材を次のようにして作製した。出発原料として、10.14kgのFeと、4.863kgのMnとを純水5.58kg中に分散し、還元剤としてカーボンブラックを59g、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を176g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、粒径100μmを超える粗粒は篩網を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1200℃まで4.5時間かけて昇温し、その後1200℃で3時間保持し焼成を行った。このとき、電気炉内の酸素濃度は30000ppmとした。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径36.3μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
比較例1
焼成工程における電気炉内の酸素濃度を10000ppmとした以外は実施例1と同様にして平均粒径35.1μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
比較例2
焼成工程における電気炉内の酸素濃度を5000ppmとした以外は実施例1と同様にして平均粒径35.2μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
比較例3
キャリア芯材を次のようにして作製した。出発原料として、11.40kgのFeと、4.50kgのMnと、0.58kgのMgOと、0.169kgのSrCOとを純水7.14kg中に分散し、分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム系分散剤を10g添加して混合物とした。この混合物を湿式ボールミル(メディア径2mm)により粉砕処理し、混合スラリーを得た。
この混合スラリーをスプレードライヤーにて約130℃の熱風中に噴霧し、粒径10μm〜100μmの乾燥造粒物を得た。この造粒物から、粒径100μmを超える粗粒は篩網を用いて除去した。
この造粒物を、電気炉に投入し1150℃まで4.5時間かけて昇温し、その後1150℃で5時間保持し焼成を行った。このとき、電気炉内の酸素濃度は300ppmとした。
得られた焼成物をハンマーミルで解粒した後に振動ふるいを用いて分級し、平均粒径36.8μmの芯材を得た。
得られた芯材に対し、ロータリーキルンを用いて、540℃大気中で1h高抵抗化処理を行うことでキャリア芯材を得た。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
比較例4
焼成工程における電気炉内の酸素濃度を210000ppmとした以外は実施例1と同様にして平均粒径35.8μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
比較例5
焼成工程における電気炉内の酸素濃度を300ppmとした以外は実施例3と同様にして平均粒径33.4μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
比較例6
焼成工程における電気炉内の酸素濃度を10000ppmとした以外は実施例4と同様にして平均粒径37.4μmのキャリア芯材を作製した。作製したキャリア芯材の組成、磁気特性、粉末X線回折測定、電気抵抗値等を後述の方法でそれぞれ測定した。また、実施例1と同様にして、キャリア芯材の表面を樹脂で被覆してキャリアを作製し、トナーと混合して電子写真現像剤とした後、実機評価を行った。表1及び表2に測定結果及び評価結果をまとめて示す。
(組成分析)
(Feの分析)
鉄元素を含むキャリア芯材を秤量し、塩酸と硝酸の混酸水に溶解させた。この溶液を蒸発乾固させた後、硫酸水を添加して再溶解し過剰な塩酸と硝酸とを揮発させる。この溶液に固体Alを添加して液中のFe3+を全てFe2+に還元する。続いて、この溶液中のFe2+イオンの量を過マンガン酸カリウム溶液で電位差滴定することにより定量分析し、Fe(Fe2+)の滴定量を求めた。
(Mnの分析)
キャリア芯材のMn含有量は、JIS G1311−1987記載のフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)に準拠して定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMn含有量は、このフェロマンガン分析方法(電位差滴定法)で定量分析し得られたMn量である。
(Mgの分析)
キャリア芯材のMg含有量は、以下の方法で分析を行った。本願発明に係るキャリア芯材を酸溶液中で溶解し、ICPにて定量分析を行った。本願発明に記載したキャリア芯材のMg含有量は、このICPによる定量分析で得られたMg量である。
(Srの分析)
キャリア芯材のSr含有量は、Mgの分析同様にICPによる定量分析で行った。
(電気抵抗値測定)
表面を電解研磨した厚さ2mmの電極としての真鍮板2枚を、距離2mm離して対向するように配置した。電極間にキャリア芯材200mgを装入した後、それぞれの電極の背後に、断面積240mmの磁石(表面磁束密度が1500ガウスのフェライト磁石)を配置して、電極間にキャリア芯材のブリッジを形成させた。そして、1000Vの直流電圧を電極間に印加し、キャリア芯材に流れる電流値を測定し、キャリア芯材の電気抵抗値を算出した。
次いで、キャリア芯材を粉砕器(協立理工社製「SK-M10型」)を用いて5分間破砕し、破砕したキャリア芯材の電気抵抗値を前記と同様にして測定した。
(粉末X線回折パターン及び格子定数の測定)
粉末X線回折パターン及び格子定数は、粉末X線回折装置(リガク製、RINT2000)を用いて測定した。X線源はコバルトを使用し、加速電圧40kV、電流30mAでX線を発生させた。粉末X線の測定条件は走査モード:FT、発散スリット:1/2°、散乱スピード:1/2°、受光スリット:0.15mm、回転速度:5.000rpm、測定角度:10°≦2θ≦90°、測定間隔:0.01°、計数時間:5秒で測定を行った。そして、得られたX線回折パターンから格子定数を算出した。
(磁力の測定)
磁気的特性を示す磁化の測定については、VSM(東英工業株式会社製、VSM−P7)を用いて、飽和磁化σs及び磁化σ1k、残留磁化σr、保磁力Hcをそれぞれ測定した。
(TG−DTA分析)
SII社製「TG-DTA6300」を用い、以下の測定条件でTG−DTA分析をした。得られたTG曲線から酸素放出量を求めた。図2にTG曲線を示す。
雰囲気:窒素(供給速度200ml/min,酸素濃度300ppm)
昇温速度:10℃/min
測定温度範囲:室温〜1180℃
測定試料の質量:30mg
(実機評価)
図1に示した構造の現像装置(現像ローラの周速度Vs:406mm/sec,感光体ドラムの周速度Vp:205mm/sec,感光体ドラム−現像ローラ間距離:0.3mm)に、作製した二成分現像剤を投入し、画像形成(印字率5%)を1000枚及び10000枚行った後、キャリア付着を画像上の白斑のレベルによって下記基準で評価した。
「◎」:A3用紙10枚中に白斑がない。
「○」:A3用紙10枚中の各1枚に1〜10個の白斑がある。
「△」:A3用紙10枚中に各1枚に11個以上の白斑がある。
表2に示すように、実施例1のキャリア芯材では、1000枚及び10000枚の画像形成後もキャリア付着はまったく発生しなかった。また、実施例2〜4のキャリア芯材でも、1000枚及び10000枚の画像形成後のキャリア付着は実使用上問題のないレベルであった。
これに対し、焼成工程における酸素濃度が10000ppm及び5000ppmであった比較例1及び比較例2のキャリア芯材ではいずれも、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.159°及び0.169°と大きく、電気抵抗値の測定において電圧1000Vを印加するとブレークダウンして測定不能となった。このため、比較例1,2のキャリア芯材では、1000枚画像形成後のキャリア付着は実用上問題のないレベルであったが、10000枚画像形成後のキャリア付着は実用上問題のあるレベルであった。
また、焼成工程後に、ロータリーキルンを用いて高抵抗化処理を行った比較例3のキャリア芯材は、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.224°と大きかった。また、電圧1000Vを印加したときの電気抵抗値は2.1×10Ω・cmと高かったものの、キャリア芯材の破砕後の電気抵抗値はブレークダウンして測定不能となった。これらのことから、比較例3のキャリア芯材では、表層と内部とで電気抵抗値に大きな差があったと考えられる。このため、比較例3のキャリア芯材では、1000枚の画像形成後はキャリア付着はまったく発生しなかったが、10000枚の画像形成後はキャリア付着は実用上問題のあるレベルであった。
焼成工程における酸素濃度が210000ppmと大気雰囲気であった比較例4のキャリア芯材では、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.168°と大きく磁気特性が低かった。このため、比較例4のキャリア芯材では、1000枚の画像形成後から既にキャリア付着は実用上問題のあるレベルであった。
焼成工程における酸素濃度が300ppm及び10000ppmであった比較例5,6のキャリア芯材では、粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.182°及び0.173°と大きく、電気抵抗値の測定において電圧1000Vを印加するとブレークダウンして測定不能となった。このため、比較例5,6のキャリア芯材では、1000枚及び10000枚画像形成後のキャリア付着は実用に耐えられないレベルであった。
本発明に係るキャリア芯材は、表層のみならず内部まで均一組成で高抵抗であるため、長期間の使用によってもキャリア付着は大幅に抑制され有用である。
3 現像ローラ
5 感光体ドラム

Claims (7)

  1. スピネル構造を有するキャリア芯材であって、
    粉末X線回折パターンにおける面指数(311)でのピークの半値幅が0.15°以下で、
    印加電圧1000Vのときの電気抵抗値が1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmの範囲で
    TG−DTA分析による酸素放出量が0.5wt%以上である
    ことを特徴とするキャリア芯材。
  2. キャリア芯材を破砕した後の印加電圧1000Vでの電気抵抗値が、破砕する前の印加電圧1000Vでの電気抵抗値に対して30%以上である請求項1記載のキャリア芯材。
  3. 印加磁界1000A/m・10/(4π)での磁化が50Am/kg〜70Am/kgの範囲である請求項1又は2記載のキャリア芯材。
  4. 格子定数が8.480以下である請求項1〜3のいずれかに記載のキャリア芯材。
  5. 粉末X線回折パターンにおける、面指数(311)でのピーク積分強度を100とした場合の、面指数(200)でのピーク積分強度が32.0以上である請求項1〜4のいずれかに記載のキャリア芯材。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のキャリア芯材の表面を樹脂で被覆したことを特徴とする電子写真現像用キャリア。
  7. 請求項記載の電子写真現像用キャリアとトナーとを含む電子写真用現像剤。
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