JPH09236945A - 二成分系現像剤 - Google Patents

二成分系現像剤

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JPH09236945A
JPH09236945A JP4460296A JP4460296A JPH09236945A JP H09236945 A JPH09236945 A JP H09236945A JP 4460296 A JP4460296 A JP 4460296A JP 4460296 A JP4460296 A JP 4460296A JP H09236945 A JPH09236945 A JP H09236945A
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JP
Japan
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toner
carrier
magnetic
ferrite
image
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JP4460296A
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English (en)
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Masahisa Ochiai
正久 落合
Tsutomu Saito
務 齋藤
Masumi Asanae
益実 朝苗
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害元素を含まないLi−Mn系フェライト
キャリアを使用し、高画質の画像が得られる二成分系現
像剤を提供する。 【解決手段】 磁性キャリアと、結着樹脂および着色剤
を含有するトナーからなる二成分系現像剤において、モ
ル比にてLi2 O5〜15%、MnO8〜30%、Fe
2 3 60〜90%の基本組成を有し、表面に樹脂材料
からなる被覆層を形成し、D.C.200V/cmの電場
における体積固有電気抵抗を105 〜1013Ω・cmに形
成したLi−Mn系フェライトキャリアと、平均粒径を
5〜15μm、摩擦帯電量を絶対値で5〜60μc/g
に形成したトナーとにより構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタ、乾式複写機などの画像形成装置における画像担体
の表面に形成された静電荷像を現像する際に使用される
二成分系現像剤に関するものであり、特にLi−Mn系
のフェライトキャリアを構成要素とする二成分系現像剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法を応用したプリンタ、フ
ァクシミリ等においては、例えば円筒状に形成した感光
体ドラム上に情報に対応した静電荷像を形成し、感光体
ドラムと対向して設けた永久磁石部材を内蔵する現像ロ
ールにより、磁性現像剤を吸着搬送し、現像領域におい
て磁気ブラシを形成すると共に、この磁気ブラシによっ
て前記感光体ドラム上の静電荷像形成面を摺擦し、トナ
ー像として顕像化する。そしてこの顕像化したトナー像
を記録紙に転写した後、熱定着するのが最も一般的な手
段である。
【0003】上記の現像方法において使用される磁性現
像剤としては、トナーのみからなる一成分系現像剤と、
トナーと磁性キャリアとの混合粉体である二成分系現像
剤とがある。二成分系現像剤を使用する現像方法におい
ては、トナーと磁性キャリアとを所定の比率で混合し、
両者を摩擦帯電させて、所定の極性に帯電したトナーの
みを、感光体ドラムの表面に形成された静電荷像に付着
させて可視像とするのである。
【0004】上記の二成分系現像剤には、一般的に連続
現像における画像品質の安定性、維持性が要求される。
そのためには、トナーに対する磁性キャリアの帯電付与
能力および現像剤抵抗を適正範囲内に維持する必要があ
り、現像初期における帯電付与能力および現像剤抵抗
が、長時間使用後においても変化しないことが望まし
い。
【0005】次にトナーとしては結着樹脂中に染料、顔
料などの着色剤や、磁性粉、電荷制御剤、ワックスなど
の各種の機能性添加剤を混合分散させて粉砕した微粉末
が使用されている。一方磁性キャリアとしては鉄粉また
はフェライト粉が多用されている。このようなトナーと
磁性キャリアとの混合粉体である現像剤における帯電付
与能力および抵抗を安定した状態に維持することを目的
として、従来からトナーについては結着樹脂、電荷制御
剤、その他の添加剤の設計や選択が検討されると共に、
磁性キャリアについては鉄粉の酸化処理法、フェライト
の構成材料、更にはこれら磁性粉の表面性状、被覆材料
およびその処理方法などが種々検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記磁性キャリアのう
ち鉄粉キャリアは表面に適当な処理(例えば酸化処理)
を施して使用されるが、長時間使用すると粒子の表面が
物理的にあるいは化学的に変化してトナーが付着(トナ
ースペント)し、帯電付与能力が低下してしまったり、
あるいは使用環境の湿度に敏感となって画像の鮮明度が
低下することがあり、寿命が短いという欠点がある。
【0007】一方フェライトキャリアは鉄粉キャリアと
比較して化学的に安定であると共に、使用中における抵
抗の変化が少なく、更に見掛け密度が鉄粉キャリアの約
2/3である等の利点を有することから実用化が進めら
れてきた。
【0008】フェライトキャリアは適当な金属酸化物と
鉄酸化物との完全混合物から構成されており、Ni,Z
n,Mn,Mg,Cu,Li,Ba,V,Cr,Ca等
の酸化物と、3価の鉄酸化物との焼結体である。このよ
うなフェライトキャリアとしては種々の組成のものが知
られているが、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系
フェライト、Cu−Zn系フェライトが一般的である。
【0009】しかしながら、これらのフェライトキャリ
ア中にはZn,Ni等の人体に有害な元素が含有される
ことから、廃棄物として処理される際には法的規制を受
けるなどの実用上の面で問題がある。この点Li−Mn
系フェライトキャリアは上記のような法的規制を受ける
ことがないため、近年において注目されてはいるもの
の、組成も含めて、最適現像条件が確立されてなく、高
画質の画像を安定して形成することが困難であるという
問題点がある。
【0010】またフェライトキャリアの体積固有電気抵
抗を調整するために、表面に樹脂材料からなる被覆層を
設けることがあるが、この被覆層が厚すぎるとトナーを
適正に帯電することができず、画質を低下させるという
問題点もある。
【0011】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
を解決し、有害元素を含まないLi−Mn系フェライト
キャリアを使用し、高画質の画像が得られる二成分系現
像剤を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、磁性キャリアと、結着樹脂お
よび着色剤を含有するトナーからなる二成分系現像剤に
おいて、モル比にてLi2 O5〜15%、MnO8〜3
0%、Fe2 3 60〜90%の基本組成を有し、表面
に樹脂材料からなる被覆層を形成し、D.C.200V
/cmの電場における体積固有電気抵抗を105 〜1013
Ω・cmに形成したLi−Mn系フェライトキャリアと、
平均粒径を5〜15μm、摩擦帯電量を絶対値で5〜6
0μc/gに形成したトナーとにより構成する、という
技術的手段を採用した。
【0013】本発明におけるLi−Mn系フェライトキ
ャリアは、結晶学的にはスピネル型結晶構造を有するも
のであり、具体的には、モル比でLi2 O5〜15%、
MnO8〜30%、Fe2 3 60〜90%の基本組成
を有する。Li2 Oは、5%未満であるとトナーの帯電
量が不足し、また体積固有電気抵抗が高くなりすぎるた
め画像濃度が低下し、更にエッジ効果が強すぎてベタ黒
濃度が不均一となるため好ましくない。一方Li2 Oが
15%を超えると、飽和磁化が低くなりすぎて、キャリ
ア付着が生じ易くなるため不都合である。
【0014】次にMnOは、8%未満であると、飽和磁
化が低くなるのでキャリア付着が生じ易くなり、一方3
0%を超えると、飽和磁化が高すぎて、磁気ブラシによ
る像担持体に対する摺擦力が強くなりすぎ、ブラシマー
クが生じ易いため、何れも好ましくない。更にFe2
3 は、60%未満であると、飽和磁化が低くなって画像
濃度が低下すると共に、キャリア付着が生じ易くなり、
一方90%を超えると、飽和磁化が高くなりすぎて、ブ
ラシマークを生じ易いため、何れも好ましくない。
【0015】次に本発明におけるLi−Mn系フェライ
トキャリアでは、上記の基本組成に対して、As,V,
Bi,Sb,B,Si,Ca等の金属化合物を単独また
は複合で 0.1〜 1.5重量%添加してもよい。これにより
焼結密度の向上と異常結晶粒成長の抑制がなされ、均質
な粒子表面形態を有するLi−Mn系フェライトキャリ
アが得られる。
【0016】この場合において、添加物としては、例え
ば、As2 3 ,V2 5 ,Bi23 ,Sb2 3
2 3 ,SiO2 ,CaOなどの金属酸化物が適用さ
れるが、これらは加熱により金属酸化物となりうる金属
塩類であってもよい。
【0017】なおLi−Mn系フェライトキャリアの焼
結密度の向上と異常結晶粒成長の抑制のためには、添加
する金属化合物の量は、重量にして 0.5%以下が望まし
いが、異常結晶粒成長が発生し始める 0.5%以上の添加
であっても、その重量が1.5%程度までは粒子表面への
樹脂等によるコーティングをしなくとも実用が可能であ
る。金属化合物の添加量は 0.1〜 0.5%の範囲内で使用
するのが最も望ましい。
【0018】本発明において、Li−Mn系フェライト
キャリア粒子は、その平均粒径(振動篩法によって得ら
れた各粒子の重量百分率(粒度分布)から算出)が10
〜150μmの範囲内にあることが望ましく、特殊な静
電記録などの用途の場合を除いては、粒径が10μm未
満の場合にはキャリアが感光体表面に付着しやすくな
り、一方、粒径が150μmを超える場合には、画像そ
のものが粗となり好ましくない。より好ましくは30〜
100μmの範囲である。
【0019】本発明において、上記フェライトキャリア
は、その飽和磁化値は40emu /g以上であることが望
ましい。飽和磁化値が40emu /gより小さい場合には
現像剤支持手段への吸着力が低下するために、キャリア
付着が生じやすくなり、画像上に白抜けなどの欠陥を生
じ不都合である。さらには、σ1000(1000Oeの磁
界中で測定した磁化の値)が40emu /g以上であるこ
とが望ましい。
【0020】本発明において、上記フェライトキャリア
は、D.C.200V/cmの電場における体積固有電気
抵抗値が105 〜1013Ω・cmの範囲内であることが望
ましい。これは、体積固有電気抵抗値が105 Ω・cm未
満では磁気ブラシからキャリアが離脱し易くなり、像担
持手段の表面への付着を招いてしまい、一方1013Ω・
cmを超えるとエッジ効果が強まりベタ黒現像濃度が不均
一となるからである。体積固有電気抵抗値のより好まし
い範囲は、106 〜1011Ω・cmである。
【0021】なお上記体積固有電気抵抗値は、キャリア
粒子の表面に樹脂被覆層を形成することによって調整す
ることができる。このような樹脂被覆層を形成する材料
としては、スチレン−アクリル系共重合体、シリコーン
樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。そして上記樹脂被覆
層は、体積固有電気抵抗を上記範囲に収めるために、キ
ャリア粒子の表面に薄く、またはキャリア粒子の表面が
一部露出するように形成するのが好ましく、このために
は樹脂材料をキャリア粒子100重量部に対して 0.5〜
2.0重量部添加するとよい。
【0022】樹脂の被覆法としては、例えば樹脂をトル
エン、キシレン等の溶剤に希釈し、流動床法、スプレー
法または浸漬法等により樹脂溶液をキャリア粒子表面に
塗布し、次いで溶剤を揮発させればよい。なお樹脂被覆
層の内部および/または表面に種々の添加物(カーボン
ブラック、金属またはその酸化物等の導電材、シリカ、
アルミナ、酸化チタン、タルク等の無機物質、ニグロシ
ン染料、含金属アゾ染料、トリフェニルメタン系染料、
アルキルサリチル酸金属錯体等)などを添加してもよ
い。
【0023】本発明において、上記フェライトキャリア
の保磁力が50Oeを超える場合には、粒子そのものが
永久磁石の性質を持ち、現像剤支持手段等に強く付着し
て現像に直接寄与するトナーの流動性を悪くするため
に、画像ムラが発生し良好な画像は得られなくなるの
で、その保磁力は50Oe以下であることが望ましい。
【0024】また上記フェライトキャリアには長寿命に
つながることから耐摩耗性が必要である。フェライト粒
子の破壊強度は5000g/cm2 以上であることが望ま
しい。
【0025】本発明におけるLi−Mn系フェライトキ
ャリアは、例えば次のような方法によって製造すること
ができる。最初に、所定量の金属酸化物と酸化鉄(Fe
2 3 )および添加物として金属化合物を所定量秤量し
混合する。次に、得られた混合物を800〜1000℃
の範囲で数時間仮焼し、その後数μm以下の粒径に粉砕
する。得られた粉砕粉は、必要に応じて粘結剤を加えて
から、加熱雰囲気中で噴霧乾燥して造粒する。得られた
球状粒子は1100〜1300℃の温度で焼結し、次い
で解砕および分級を行ってLi−Mn系フェライトキャ
リアが得られる。
【0026】本発明における現像剤は、上記フェライト
キャリアを負帯電性トナーまたは正帯電性トナーと混合
して調整される。混合はトナー濃度が2〜20重量%の
範囲になるようにするのが望ましい。本発明における現
像剤として用いるトナーは、結着樹脂と着色剤を必須成
分として、電荷制御剤、磁性体、離型剤、流動化剤など
を任意成分として含有する。
【0027】最初に負帯電性トナーについて述べる。こ
の負帯電性トナーは正に帯電したセレン感光体を用いる
正規現像方式、または負に帯電した酸化亜鉛や有機感光
体を用いる反転現像方式に適用する。近年においては電
子写真方式を採用した複写機の複写速度やレーザービー
ムプリンタの印字速度が向上し、高速定着の要求が増
し、トナーには高速定着性が強く求められている。ま
た、省エネルギーの立場からは、消費電力の少ないヒー
トロール定着装置が用いられる。そのためには、より低
温で定着するトナーが必要とされる。ポリエステル樹脂
は低軟化温度が得られやすく、このような理由から結着
樹脂には、負帯電性トナーとする場合はポリエステル樹
脂を用いることが好ましい。勿論これ以外のトナー用樹
脂(スチレン系樹脂、エポキシ樹脂など)を用いてもよ
い。ポリエステル樹脂には線状ポリエステル樹脂と非線
状ポリエステル樹脂とがあるが、より優れた高速定着性
を有する非線状ポリエステル樹脂が望ましい。
【0028】非線状ポリエステル樹脂は、1種または2
種以上のポリオールと1種または2種以上のポリカルボ
ン酸とから生成される。ただし、ポリオールとポリカル
ボン酸の少なくとも1種は3価以上であり、重縮合反応
により非線状のポリマー骨格を形成するものである。こ
こで「非線状」とは、3価以上のポリオールおよび/ま
たはポリカルボン酸の存在によりポリマー骨格に枝分か
れがある状態をいう。ポリオールとしては2価のジオー
ルおよび3価以上のポリオールがあり、ポリカルボン酸
としては2価のジカルボン酸および3価以上のポリカル
ボン酸がある。また、芳香族のビスフェノールA型ポリ
エステル樹脂が望ましい。
【0029】着色剤としては、カーボンブラック、アニ
リンブルー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウ
ルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリン
イエロー、ジスアゾイエロー、メチレンブルークロライ
ド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサ
レート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクドリ
ンマゼンタ等を挙げることができる。通常トナー全量に
対して3〜15重量%添加する。
【0030】負の電荷制御剤としては、含金属アゾ染
料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導
錯体などを挙げることができる。添加量は、トナー全量
に対して1〜10重量%の範囲が適当である。
【0031】磁性トナーとする場合には、磁性体を含有
させる。磁性体としては、フェライト、マグネタイトを
はじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す
元素を含む合金あるいは化合物、その他熱処理等何らか
の処理を施すことによって強磁性を示す種々の合金等が
用いられる。具体例としては、マグネタイト、コバルト
添加マグネタイト、スピネル型フェライト、マグネトプ
ランバイト型フェライトなどが挙げられる。これらの磁
性体は平均粒径 0.1〜1μmの微粉末として結着樹脂中
に分散され、その含有量は、トナー全量に対して30〜
60重量%の範囲が適当である。
【0032】離型剤はオフセット現象を防ぐために使わ
れる。オフセット現象とは、ヒートロール定着方式にお
いてヒートロール表面にトナーの一部が付着し再び紙上
に付着し、画像を汚す現象である。離型剤としては、ポ
リオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、部分ケ
ン化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アルコール、パ
ラフィンワックス、多価アルコールエステルなどを挙げ
ることができる。特に重量平均分子量が50,000以下
の低分子量ポリプロピレン、またはポリエチレンワック
スが有効である。離型剤の含有量は、0.5〜30重量%
の範囲が適当であり、好ましくは1〜10重量%であ
る。
【0033】流動化剤としては、シリカ、アルミナ、酸
化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、
チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜
鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイソウ土などの微粉末を
トナー粒子の表面に微量添加する。添加量は、トナー全
量に対して0.05〜5重量%の範囲が適当である。
【0034】次に正帯電性トナーについて述べる。正帯
電性トナーは正に帯電したセレン感光体を用いる反転現
像方式、または負に帯電した酸化亜鉛や有機感光体を用
いる正規現像方式に適用する。ポリエステル系樹脂は負
帯電性が強く、正帯電性トナーには不適当であることか
ら、正帯電性トナーとする場合はスチレン−アクリル系
共重合体樹脂が用いられることが多い。勿論これ以外の
トナー用樹脂(エポキシ、アクリル、ポリエステルな
ど)を用いてもよい。
【0035】スチレン−アクリル系共重合体樹脂は、ス
チレン系単量体およびアクリル系単量体より得られる共
重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、例
えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン等を挙げることができる。
【0036】これらの単量体は単独で用いてもよいし、
複数のものを組み合わせて用いてもよい。また、前記の
アクリル系単量体の具体例としては、例えばアクリル
酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、ア
クリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタ
クリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタ
クリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸もしく
はメタクリル酸誘導体;その他を挙げることができる。
これらの単量体は単独で用いてもよいし、複数のものを
組み合わせて用いてもよい。スチレン−アクリル系共重
合体の製造方法は溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法
など種々の方法を用いることができる。
【0037】着色剤としては、カーボンブラック等、前
述の着色剤と同様のものを挙げることができる。通常ト
ナー全量に対して1〜20重量%添加する。正の電荷制
御剤としては、ニグロシン系染料が最も広く用いられ、
他に四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、
ピペラジン系ポリマーなども用いられる。添加量は、ト
ナー全量に対して1〜10重量%の範囲が適当である。
【0038】磁性トナーとする場合には、前述と同様の
磁性体の合金あるいは化合物等が用いられる。これらの
磁性体は平均粒径 0.3〜1μmの微粉末として結着樹脂
中に分散され、その含有量は、トナー全量に対して40
〜60重量%の範囲が適当である。
【0039】離型剤としては、前述と同様の低分子量ポ
リプロピレン、ポリエチレンワックスなどを挙げること
ができる。離型剤の含有量は、 0.5〜30重量%の範囲
が適当であり、好ましくは1〜10重量%である。
【0040】流動化剤としては、前述と同様のシリカな
どの微粉末をトナー粒子の表面に微量添加する。添加量
は、トナー全量に対して0.05〜3重量%の範囲が適当で
ある。
【0041】本発明において使用するトナーは、次のよ
うな特性を有することが望ましい。平均粒径は小さすぎ
ると、地カブリや飛散を招き、大きすぎると荒れた画像
となるので5〜15μmが望ましい。体積固有電気抵抗
は良好な転写性を保つために1014Ω・cm以上が望まし
い。摩擦帯電量は、その絶対値が小さすぎると地カブリ
が多くなり、大きすぎると画像濃度が低くなることか
ら、前述のフェライトキャリアとの組み合わせにおいて
−10〜−60μc/gが望ましい。スチレン−アクリ
ル系共重合体樹脂を結着樹脂の主成分として含有する正
帯電性トナーにおいても同様の理由から、平均粒径が5
〜15μm、体積固有電気抵抗が1014Ω・cm以上、摩
擦帯電量が+5〜+30μc/gであることが望まし
い。
【0042】トナーの製造は例えば次のようにして行う
ことができる。着色剤と電荷制御剤をボールミル、スー
パーミキサー等の混合機にかけて予備混合し、さらに結
着樹脂、磁性体、離型剤を添加し混合する。次いで、2
本ロール、ニーダー等の混練機にかけて溶融混練した
後、冷却固化し、次いで機械式粉砕機にて粗粉砕した後
風力式粉砕機で微粉砕し、風力分級機にて分級して、平
均粒径が5〜15μmのトナーを得る。
【0043】次に先に述べた物性値の測定方法を記す。
飽和磁化値(σs )は振動試料型磁力計(東英工業社製
VSM−3型)により最大10kOeの磁場中で測定
できる。体積固有電気抵抗(R)は、テフロン(登録商
標)製の直径3.04mmのシリンダー中に約2mmの厚さに試
料を挿入し、約200gの荷重を加え、両電極間に20
0V/cm(トナーの抵抗値を測定する場合は4kV/c
m)の直流電圧を印加し測定した。摩擦帯電量(Tribo-E
lectrostatic Charge;TEC)は、市販の摩擦帯電量
測定器(東芝ケミカル社製 TB−200型)を用い
て、フェライトキャリアとトナーの組み合わせによる摩
擦帯電量を測定して得られた値である。トナーの平均粒
径(体積基準)の測定には、同じく市販されているコー
ルターカウンターモデルTA−II型(コールターカウン
ター社製)を用いた。
【0044】
【発明の実施の形態】まずモル比でLi2 O9部、Mn
O18部、Fe2 3 73部となるように原料を秤量し
て、ボールミルにより混合した。得られた混合粉を90
0℃の温度で2時間仮焼し、仮焼した試料はアトライタ
ーにより粉砕した。粉砕後の平均粒径は約 0.7μmであ
った。次いで、粉砕した試料に粘結剤としてP.V.A
(ポリビニルアルコール)を 0.5〜 1.0重量%加え、ス
プレードライヤーにより噴霧乾燥して造粒した。得られ
た造粒粉をアルミナ製の容器に入れて1200℃の温度
で焼成し、更に解砕および分級して平均粒径50μmの
Li−Mn系フェライトキャリアを得た。このフェライ
トキャリア100重量部に対し、シリコーン樹脂(東レ
シリコーン製 SR2410) 0.5〜 3.0重量部を添加
して、流動床式コーティング装置により表面に被覆層を
形成した。このフェライトキャリアの体積固有電気抵抗
は表1に示すように105 〜1014Ω・cmであった。
【0045】次にトナー(負帯電性)は下記の要領で作
製した。すなわち重量部でビスフェノールA型ポリエス
テル(結着樹脂;Mw=19,600,Mn=2,000 )87
部、カーボンブラック(着色剤;三菱化成製 #50)
10部、ポリプロピレン(離型剤;三洋化成製 TP3
2)2部、電荷制御剤(日本化薬製 カヤチャージ T
−2N)1部を乾式混合する。それを150℃に加熱し
た2軸ルーダーにて溶融混練した後に冷却し、冷却物を
機械式粉砕機にて開口径1mmの金網を通過する程度まで
粗粉砕し、次いで風力式粉砕機・ジェットミルで微粉砕
した。これを風力式分級機(アルピネ社製 100MZ
R)で体積平均粒径が約10μmとなるように分級し、
負帯電性の粉末を調整した。この粉末に疎水性シリカ
(流動化剤;日本アエロジル社製 アエロジル R97
2) 0.5部を添加し、トナーとした。このトナーの摩擦
帯電量は表1に示すように−15.8〜−37.2μc/g、体
積固有電気抵抗は1014Ω・cmであった。なおトナーの
摩擦帯電量は、キャリアを被覆する樹脂の量によって変
化させた。
【0046】上記トナーを前記の磁性キャリアと混合し
て、トナー濃度5重量%の二成分系の磁性現像剤とし、
画像形成を行い、画像評価した結果を表1に併記する。
この場合、感光体ドラムはOPCにより形成し、表面電
位−650V、周速60mm/秒とした。現像ロールは永
久磁石部材(4極非対称着磁、現像用主磁極の表面磁束
密度800G、他の磁極の表面磁束密度700G)と、
SUS304製、外径20mmのスリーブ(150r.p.
m.)とにより形成した。
【0047】なお現像ギャップは 0.4mm、ドクターギャ
ップは 0.3mmとし、スリーブからバイアス電圧として、
直流−550Vのバイアス電圧を印加して画像形成を行
った。得られたトナー像は普通紙にコロナ転写後、オイ
ルレスタイプの熱ロール定着(定着温度180℃、線圧
1kg/cm)を行った。環境条件は20℃、60%R.
H.であった。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、画像濃度はマクベス濃度計
によって測定した反射光学密度である。また地カブリ
は、印字後の画像の白色部と印字前の白紙との濃度差で
あり、日本電色工業製測色色差計による測定値である。
なお地カブリは0.05以下であれば良好と認められる。ま
たキャリア付着についての評価記号は、○:優、△:
良、×:可を夫々表している。
【0050】表1から明らかなように、まずNo.1の磁
性キャリアを使用したものにおいては、表面に樹脂被覆
層を欠如し、キャリア付着が若干認められる。またNo.
6の磁性キャリアは、樹脂量が多いため樹脂被覆層が厚
くなり、体積固有電気抵抗も大であり、トナーを適正に
帯電させることができず、画像濃度の低下と共に、現像
バイアス電圧がかかりにくく、地カブリおよびキャリア
付着が発生している。
【0051】これに対してNo.2〜5の磁性キャリアを
使用したものにおいては、画像濃度が高いと共に、地カ
ブリおよびキャリア付着のない高画質の画像が得られて
いる。
【0052】次に他の発明の実施の形態について記述す
る。まずトナー(正帯電性)は下記の要領で作製した。
すなわち重量部でスチレン−nブチルアクリレート共重
合体(結着樹脂;Mw=52,000、Mn=4,200 )93
部、C.I.ピグメントブルー15−3(着色剤;シア
ン色)4部、ポリエチレンワックス(離型剤;三井石油
化学製 200P)1部、電荷制御剤(保土ヶ谷化学製
TP−415)2部を乾式混合する。以後の工程は前
記負帯電性のトナーと同様にして、体積固有電気抵抗1
14Ω・cmの正帯電性のトナーを得た。
【0053】上記トナーを前記の磁性キャリアと混合し
て、トナー濃度5重量%の二成分系の磁性現像剤とし、
前記同様の条件で画像形成を行い、画像評価した結果を
表2に併記する。
【0054】この場合、感光体ドラムは正帯電性OPC
により形成し、表面電位を+550Vとし、スリーブか
らのバイアス電圧として直流+400Vとした以外は、
前記の負帯電性のトナーの場合と同様の現像条件とし
た。
【0055】
【表2】
【0056】表2から明らかなように、No.7の磁性キ
ャリアを使用したものにおいては、表面の樹脂被覆層を
欠如するため、トナーの摩擦帯電量が低く、地カブリお
よびキャリア付着が発生している。またNo.12の磁性
キャリアを使用したものは、樹脂量が多いため体積固有
電気抵抗が大であり、トナーを適正に帯電させることが
できず、画像濃度が低いと共に、キャリア付着が発生し
ている。
【0057】これに対してNo.8〜11の磁性キャリア
を使用したものにおいては、画像濃度が高いと共に、地
カブリおよびキャリア付着のない高画質の画像が得られ
ている。
【0058】
【発明の効果】本発明は以上記述のような構成および作
用であるから、有害元素を含まないLi−Mn系フェラ
イトキャリアを使用して、高画質の画像を長期間に亘っ
て安定して得られるという顕著な効果を奏し得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性キャリアと、結着樹脂および着色剤
    を含有するトナーからなる二成分系現像剤において、 モル比にてLi2 O5〜15%、MnO8〜30%、F
    2 3 60〜90%の基本組成を有し、表面に樹脂材
    料からなる被覆層を形成し、D.C.200V/cmの電
    場における体積固有電気抵抗を105 〜1013Ω・cmに
    形成したLi−Mn系フェライトキャリアと、平均粒径
    を5〜15μm、摩擦帯電量を絶対値で5〜60μc/
    gに形成したトナーとにより構成したことを特徴とする
    二成分系現像剤。
JP4460296A 1996-03-01 1996-03-01 二成分系現像剤 Pending JPH09236945A (ja)

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