JPH10104884A - 電子写真現像用フェライトキャリア - Google Patents

電子写真現像用フェライトキャリア

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JPH10104884A
JPH10104884A JP20700697A JP20700697A JPH10104884A JP H10104884 A JPH10104884 A JP H10104884A JP 20700697 A JP20700697 A JP 20700697A JP 20700697 A JP20700697 A JP 20700697A JP H10104884 A JPH10104884 A JP H10104884A
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JP
Japan
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ferrite
carrier
toner
ferrite carrier
particles
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JP20700697A
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Masahisa Ochiai
正久 落合
Tsutomu Saito
務 斎藤
Masumi Asanae
益実 朝苗
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電付与能力が高く、被覆層の安定性が大で
あり、長寿命であるLi−Mn系のフェライトキャリア
を提供する。 【解決手段】 モル比にてLi2 O3〜15%、MnO
5〜35%、Fe2 360〜90%の組成、またはこ
の組成の一部を2価の金属の酸化物から選ばれた少なく
とも1種で置換した組成を有するフェライト粒子からな
り、このフェライト粒子を構成する結晶粒の表面に微小
な凹凸を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタ、乾式複写機などの画像形成装置における画像担体
の表面に形成された静電荷像を現像する際に使用される
二成分系現像剤を構成する磁性キャリアに関するもので
あり、特に帯電付与能力が高く、表面に被覆層を形成す
る場合においても被覆層の安定性が大であり、長寿命で
あるLi−Mn系の電子写真現像用フェライトキャリア
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法を応用したプリンタ、フ
ァクシミリ等においては、例えば円筒状に形成した感光
体ドラム上に情報に対応した静電荷像を形成し、感光体
ドラムと対向して設けた永久磁石部材を内蔵する現像ロ
ールにより、磁性現像剤を吸着搬送し、現像領域におい
て磁気ブラシを形成すると共に、この磁気ブラシによっ
て前記感光体ドラム上の静電荷像形成面を摺擦し、トナ
ー像として顕像化する。そしてこの顕像化したトナー像
を記録紙に転写した後、熱定着するのが最も一般的な手
段である。
【0003】上記の現像方法において使用される磁性現
像剤としては、トナーのみからなる一成分系現像剤と、
トナーと磁性キャリアとの混合粉体である二成分系現像
剤とがある。二成分系現像剤を使用する現像方法におい
ては、トナーと磁性キャリアとを所定の比率で混合し、
両者を摩擦帯電させて、所定の極性に帯電したトナーの
みを、感光体ドラムの表面に形成された静電荷像に付着
させて可視像とするのである。
【0004】上記の二成分系現像剤には、一般的に連続
現像における画像品質の安定性が要求される。そのため
には、トナーに対する磁性キャリアの帯電付与能力およ
び現像剤抵抗を適正範囲内に維持する必要があり、現像
初期における帯電付与能力および現像剤の体積固有電気
抵抗が、長時間使用後においても変化しないことが望ま
しい。
【0005】次にトナーとしては結着樹脂中に染料、顔
料などの着色剤や、磁性粉、帯電制御剤、ワックスなど
の各種の機能性添加剤を混合分散させて粉砕した微粉末
が使用されている。一方磁性キャリアとしては鉄粉また
はフェライト粉が多用されている。このようなトナーと
磁性キャリアとの混合粉体である現像剤における帯電付
与能力および抵抗を安定した状態に維持することを目的
として、従来からトナーについては結着樹脂、帯電制御
剤、その他の添加剤の設計や選択が検討されると共に、
磁性キャリアについては鉄粉の酸化処理法、フェライト
の構成材料、更にはこれら磁性粉の表面性状、被覆材料
およびその処理方法などが種々検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記磁性キャリアのう
ち鉄粉キャリアは表面に適当な処理(例えば酸化処理)
を施して使用されるが、長時間使用すると粒子の表面が
物理的にあるいは化学的に変化してトナーが付着(トナ
ースペント)し、帯電付与能力が低下してしまったり、
あるいは使用環境の湿度に敏感となって画像の鮮明度が
低下することがあり、寿命が短いという欠点がある。
【0007】一方フェライトキャリアは鉄粉キャリアと
比較して化学的に安定であると共に、使用中における抵
抗の変化が少なく、更に見掛け密度が鉄粉キャリアの約
2/3である等の利点を有することから実用化が進めら
れてきた。
【0008】フェライトキャリアは適当な金属酸化物と
鉄酸化物との完全混合物から構成されており、Ni,Z
n,Mn,Mg,Cu,Li,Ba,V,Cr,Ca等
の酸化物と、3価の鉄酸化物との焼結体である。このよ
うなフェライトキャリアとしては種々の組成のものが知
られているが、Ni−Zn系フェライト、Mn−Zn系
フェライト、Cu−Zn系フェライトが一般的である。
【0009】しかしながら、これらのフェライトキャリ
ア中にはZn,Ni等の人体に有害な元素が含有される
ことから、廃棄物として処理される際には法的規制を受
けるなどの実用上の面で問題がある。この点Li−Mn
系フェライトキャリアは上記のような法的規制を受ける
ことがないため、近年において注目されてはいるもの
の、組成も含めて、最適現像条件が確立されてなく、高
画質の画像を安定して形成することが困難であるという
問題点がある。
【0010】またトナーに対する帯電付与能力の向上お
よび表面に被覆層を形成する場合における被覆層の安定
性の増大を図るため、フェライトキャリアの表面に凹凸
を形成する手段が採用されている。この手段の例として
特公平8−1525号公報や特公平8−12489号公
報に記載されるように、フェライトキャリアを比較的低
温の1000℃以下程度で焼成することにより、結晶粒
の成長を抑え、一次粒子による微細な結晶粒によるキャ
リア表面の凹凸を確保することが提案されている。
【0011】しかしながら、上記の手段によると焼結が
不充分となり、密度が充分に上がらない。この結果キャ
リア粒子の磁力が低くなり、キャリア付着が発生し易く
なり、画像に白抜けが生じ、画質を低下させるという問
題点がある。また凹凸が大きくその凹凸が深いものにな
るとトナーと混合した場合において、流動性が低く帯電
付与能力が低いため、帯電立上りが遅いという問題点も
併有している。
【0012】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
を解決し、帯電付与能力が高く、被覆層の安定性が大で
あり、長寿命であるLi−Mn系のフェライトキャリア
を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、モル比にてLi2 O3〜15
%、MnO5〜35%、Fe2 3 60〜90%の組
成、またはこの組成の一部を2価の金属の酸化物から選
ばれた少なくとも1種で置換した組成を有するフェライ
ト粒子からなり、このフェライト粒子を構成する結晶粒
の表面に微小な凹凸を形成する、という技術的手段を採
用した。
【0014】本発明のフェライトキャリアはLi−Mn
系フェライトキャリアであり、具体的には、モル比でL
2 O3〜15%、MnO5〜35%、Fe2 3 60
〜90%の基本組成を有する。またはこの基本組成の一
部を、例えばNiO,MgO,ZnO,CuO,Ba
O,SrO等の2価の金属の酸化物から選ばれた少なく
とも1種で置換した組成としてもよい。置換する量は全
体のモル数をベースにして30%程度以下である。
【0015】Li2 Oは、3%未満であるとトナーを充
分に帯電させることができず、また体積固有電気抵抗が
高くなりすぎるため画像濃度が低下し、更にエッジ効果
が強すぎてベタ黒濃度が不均一となるため好ましくな
い。一方Li2 Oが15%を超えると、体積固有電気抵
抗が低くなりすぎて、キャリア付着が生じ易くなるため
不都合である。
【0016】次にMnOは、5%未満であると、飽和磁
化が低くなるのでキャリア付着が生じ易くなり、一方3
5%を超えると、飽和磁化が高すぎて、磁気ブラシによ
る像担持体に対する摺擦力が強くなりすぎ、ブラシマー
クが生じ易いため、何れも好ましくない。更にFe2
3 は、60%未満であると、飽和磁化が低くなって画像
濃度が低下すると共に、キャリア付着が生じ易くなり、
一方90%を超えると、飽和磁化が高くなりすぎて、ブ
ラシマークを生じ易いため、何れも好ましくない。
【0017】次に本発明におけるLi−Mn系フェライ
トキャリアでは、上記の組成のフェライト成分100重
量部に対して、As,V,Bi,Sb,B,Si,Ca
等の金属化合物を単独または複合で0.01〜1.5重量部、
好ましくは0.1 〜0.5 重量部添加してもよい。これによ
り焼結密度の向上と異常結晶粒成長の抑制がなされる。
【0018】この場合において、添加物としては、例え
ば、As2 3 ,V2 5 ,Bi23 ,Sb2 3
2 3 ,SiO2 ,CaOなどの金属酸化物が適用さ
れるが、これらは加熱により金属酸化物となりうる金属
化合物(例えばCaCO3 )であってもよい。
【0019】本発明において、Li−Mn系フェライト
キャリア粒子は、その体積平均粒径(振動篩法によって
得られた各粒子の重量百分率(粒度分布)から算出)が
10〜150μmの範囲内にあることが望ましく、特殊
な静電記録などの用途の場合を除いては、体積平均粒径
が10μm未満の場合にはキャリアが感光体表面に付着
しやすくなり、一方、体積平均粒径が150μmを超え
る場合には、画像そのものが粗となり好ましくない。よ
り好ましくは30〜100μmの範囲である。
【0020】次に上記フェライトキャリア粒子の100
0Oeの磁場中において測定される磁化値σ1000は、4
5〜80emu/gが好ましく、50〜75emu/g
が更に好ましい。磁化値σ1000が45emu/g未満で
は現像ロールへの磁気吸着力が弱いため、画像担体に付
着して白抜けという画像欠陥の原因となるので好ましく
ない。一方磁化値σ1000が80emu/gを超えると磁
気ブラシが高くかつ硬くなり、画像担体を強く摺擦する
ため、ブラシマークが付き易く、中間調も出にくくなる
ので不都合である。
【0021】本発明において、上記フェライトキャリア
の体積固有電気抵抗をD.C.200V/cmの電場にお
いて104 〜1014Ω・cmとするのが望ましい。これは
体積固有電気抵抗の値が104 Ω・cm未満では、磁気ブ
ラシから磁性キャリアが離脱し易くなり、画像担体表面
への付着を招き、一方1014Ω・cmを超えると、エッジ
効果が強まり、ベタ黒現像濃度が不均一になるからであ
る。
【0022】なお上記体積固有電気抵抗値は、前述のフ
ェライト組成中のLi2 Oのモル比を変える他に、フェ
ライト粒子の表面に樹脂被覆層を形成することによって
も調整することができる。このような樹脂被覆層を形成
する材料としては、スチレン−アクリル系共重合体、シ
リコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。この中でも
特にシリコーン樹脂が好ましく、シリコーン樹脂として
は、ポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、
フェニルメチルポリシロキサン等が用いられ、また、ア
ルキド変性シリコン、エポキシ変性シリコン、ポリエス
テル変性シリコン、ウレタン変性シリコン、アクリル変
性シリコン等の変性樹脂も使用可能である。上記樹脂被
覆層は、体積固有電気抵抗を上記範囲に収めるためにフ
ェライト粒子の表面に薄く、またはフェライト粒子の表
面が一部露出するように形成するのが好ましく、このた
めには樹脂材料をフェライト粒子100重量部に対して
0.1〜3.0重量部添加するとよい。
【0023】本発明のフェライトキャリア粒子は次の方
法により樹脂被覆することができる。先ずベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロ
フラン、クロロホルム、ヘキサンなどの適当な溶媒を用
いて樹脂の溶液、分散液又はエマルジョンを作製する。
この溶液、分散液又はエマルジョンは流動床法、スプレ
ー法又は浸漬法によりフェライトキャリア粒子の表面に
塗布される。均一の厚さの被覆を得るには流動床法又は
スプレー法により流動状態に保つことが好ましい。樹脂
溶液の場合、樹脂層から素速く溶媒を除去するために2
00℃以下、好ましくは100〜150℃の温度でスプ
レーする。エマルジョンの場合は室温から100℃の範
囲でスプレーする。
【0024】なお樹脂被覆層の内部および/または表面
に種々の添加物(カーボンブラック、金属またはその酸
化物等の導電材、シリカ、アルミナ、酸化チタン、タル
ク等の無機物質、ニグロシン染料、含金属アゾ染料、ト
リフェニルメタン系染料、アルキルサリチル酸金属錯体
等)などを添加してもよい。
【0025】本発明のLi−Mn系フェライトキャリア
は、例えば次のような方法によって製造することができ
る。最初に、所定量の金属酸化物と酸化鉄(Fe
2 3 )および添加物として金属化合物を所定量秤量し
混合する。次に、得られた混合物を800〜1000℃
の範囲で0.5 〜4時間仮焼し、その後0.3 〜3μm程度
の粒径に粉砕する。得られた粉砕粉は、必要に応じて粘
結剤を加えてから、100〜200℃の加熱雰囲気中で
噴霧乾燥して造粒する。
【0026】得られた粒子を、通常の焼結温度1200
〜1300℃で2〜24時間焼結する。仮焼後に粉砕さ
れた微粉末は、造粒後の焼結の際に、焼結が充分に進む
につれてその形態を失い、微粉末同士が溶融して結晶粒
を形成する。この場合の結晶粒の大きさは1〜50μm
程度である。次にこの焼結フェライト粉を熱処理する。
この熱処理により、焼結フェライト粒子を構成する結晶
粒の表面に隙間なく多くの微小な凹凸が形成される。こ
の微小な凹凸がトナーに対する摩擦帯電付与能力を向上
させ、あるいはフェライト粒子の表面被覆層が剥離する
のを防止するのである。
【0027】上記の熱処理は、酸素濃度5%以下(好ま
しくは2%以下)の窒素などの不活性ガス雰囲気中にお
いて、750〜1200℃(好ましくは800〜115
0℃)で、0.5 〜3時間放置する。または、ロータリー
キルン等で、不活性ガスを流しながら処理してもよい。
【0028】この熱処理により結晶粒の表面に微小な凹
凸が無数に形成される。この微小凹凸はキャリアのトナ
ーを摩擦帯電させる能力を高める。また、微小凹凸は被
覆層のキャリア表面への固着強度をアンカー効果によっ
て高めるので、被覆層はキャリアから剥離しにくくな
る。
【0029】本発明において、結晶粒の表面の微小凹凸
は、走査型電子顕微鏡による観察において、その凹凸の
深さが0.5μm以下であることが好ましい。また、焼
結フェライト粒子を構成する上記の結晶粒の大きさは、
走査型電子顕微鏡で写真を撮り、一定方向における各結
晶粒の最大寸法を測定して数平均したものである。
【0030】また通常の焼結温度よりも高い温度、例え
ば1320℃で焼結を行うことにより、粒度分布におい
て比較的小粒径のキャリア芯材を比較的大粒径のキャリ
ア芯材の表面に融着させることができ、前記と同様な微
小な凹凸をキャリア芯材の表面に形成することができ
る。体積固有電気抵抗は、テフロン(登録商標)製の直
径3.04mmのシリンダー中に約2mmの厚さに試料を挿入
し、約200gの荷重を加え、両電極間に200V/cm
の直流電圧を印加し測定した。
【0031】本発明のフェライトキャリアは、非磁性ト
ナー若しくは磁性トナーと混合して二成分系現像剤とし
て使用する。非磁性トナーと混合する場合、そのトナー
濃度は現像剤の3〜10重量%とし、磁性トナーと混合
する場合は15〜70重量%とする。
【0032】
【発明の実施の形態】まず下記( )内のモル比となる
ように原料を秤量して、ボールミルにより混合した。こ
の場合において、A〜Cのものにはフェライト成分10
0重量部に対し焼結助剤としてV2 5 を0.2 重量部添
加した。得られた混合粉を900℃の温度で2時間仮焼
し、仮焼した試料はアトライターにより粉砕した。粉砕
後の平均粒径は約0.7μmであった。次いで、粉砕した
試料に粘結剤としてP.V.A(ポリビニルアルコー
ル)を1.0重量%加え、スプレードライヤーにより噴霧
乾燥して造粒した。得られた造粒粉をアルミナ製の容器
に入れて、下記の焼結条件で焼結し、更に解砕および分
級してLi−Mn系フェライトキャリアを得た。これら
のフェライトキャリアの物性値を表1に示す。 (A)組成:LiO(6)+MnO(30)+Fe2
3 (64) 焼結条件:1280℃空気中で5時間焼結後、950℃
2 雰囲気中で2時間熱処理 (B)組成:LiO(9)+MnO(18)+Fe2
3 (73) 焼結条件:1320℃空気中で5時間焼結 (C)組成:LiO(12)+MnO(8)+Fe2
3 (80) 焼結条件:1280℃空気中で5時間焼結後、950℃
2 雰囲気中で2時間熱処理 (D)組成:LiO(9)+MnO(18)+Fe2
3 (73) 焼結条件:1150℃空気中で5時間焼結 (E)組成:LiO(12)+MnO(8)+Fe2
3 (80) 焼結条件:1280℃空気中で5時間焼結。
【0033】なお上記フェライトキャリア(C)および
(E)に対しては、フェライト粒子100重量部に対し
シリコーン樹脂(東レ・シリコーン製 SR2410)
2.0重量部を、200℃×2時間硬化の流動床被覆処理
により、表面に被覆層を形成した。
【0034】次にトナーは下記の要領で作製した。すな
わち重量部でビスフェノールA型ポリエステル(結着樹
脂;Mw=19,600,Mn=2,000)87部、カー
ボンブラック(着色剤;三菱化成製 #50)10部、
ポリプロピレン(離型剤;三洋化成製 TP32)2
部、電荷制御剤(日本化薬製 カヤチャージ T−2
N)1部を乾式混合する。それを150℃に加熱した2
軸ルーダーにて溶融混練した後に冷却し、冷却物を機械
式粉砕機にて開口径1mmの金網を通過する程度まで粗粉
砕し、次いで風力式粉砕機・ジェットミルで微粉砕し
た。これを風力式分級機(アルピネ社製 100MZ
R)で体積平均粒径が約10μmとなるように分級し、
負帯電性の粉末を調整した。この粉末に疎水性シリカ
(流動化剤;日本アエロジル社製 アエロジル R97
2)0.5部を添加し、トナーとした。このトナーの摩擦
帯電量は−27.8μc/g、体積固有電気抵抗は1014
Ω・cmであった。
【0035】体積固有電気抵抗は、テフロン(登録商
標)製の直径3.04mmのシリンダー中に約2mmの厚さに
試料を挿入し、約200gの荷重を加え、両電極間に4
kV/cmの直流電圧を印加し測定した。摩擦帯電量は、
市販の摩擦帯電量測定器(東芝ケミカル社製 TB−2
00型)を用いて、フェライトキャリアとトナーの組み
合わせによる摩擦帯電量を測定して得られた値である。
トナーの平均粒径(体積基準)の測定には、同じく市販
されているコールターカウンターモデルTA−II型(コ
ールターカウンター社製)を用いた。また磁化値σ1000
の測定には振動試料型磁力計(東英工業社製VSM−
3)を用いた。
【0036】上記トナーを前記の磁性キャリアと混合し
て、トナー濃度5重量%の二成分系の磁性現像剤とし、
画像形成を行い、画像評価した結果を表1に併記する。
この場合、感光体ドラムはOPCにより形成し、表面電
位−650V、周速60mm/秒とした。現像ロールは永
久磁石部材(4極非対称着磁、現像用主磁極の表面磁束
密度800G、他の磁極の表面磁束密度700G)と、
SUS304製、外径20mmのスリーブ(150r.p.
m.)とにより形成した。
【0037】なお現像ギャップは0.5mm、ドクターギャ
ップは0.4mmとし、スリーブからバイアス電圧として、
直流−550Vを印加して画像形成を行った。得られた
トナー像は普通紙にコロナ転写後、熱ロール定着(定着
温度180℃、線圧1kg/cm)を行った。環境条件は2
0℃、60%R.H.であった。
【0038】
【表1】
【0039】表1において、画像濃度はマクベス濃度計
によって測定した反射光学密度である。また地カブリ
は、印字後の画像の白色部と印字前の白紙との濃度差で
あり、日本電色工業製測色色差計による測定値である。
なお地カブリは0.05以下であれば良好であり、0.08以
下であれば実質的に問題はない。なおキャリア付着の評
価は得られた画像上の「白抜け」の有無を目視すること
で行い、白抜けが認められない場合は○、認められる場
合は×でそれぞれ表す。
【0040】表1から明らかなように、まずキャリアD
によるものにおいては、σ1000が低いためキャリア付着
が発生すると共に、結晶粒に基づく比較的大きな凹凸を
有するため、流動性が低く、トナーの帯電が不充分とな
り、地カブリが発生した。A4版用紙10万枚の連続プ
リントテストでも同様であった。またキャリアEによる
ものにおいては、10万枚の連続プリントテストでは、
被覆層の剥離が認められ、スペントが発生し、地カブリ
による画質の低下が認められた。
【0041】これに対してキャリアA〜Cによるものに
おいては、フェライト粒子の表面に熱処理若しくは微小
粒子融着によるしわ状の微小凹凸により、トナーに対す
る帯電付与能力が増大し、良好な特性が示されている。
また上記微小凹凸に起因するアンカー効果により、被覆
層のフェライト粒子に対する固着強度が増大し、被覆層
が安定し、連続プリントにおいても良好な特性が発揮さ
れていることが認められる。
【0042】図1は本発明のフェライトキャリアの表面
形状の例を示す電子顕微鏡写真の模式図である。図1に
示すように、本発明のフェライトキャリアは、結晶粒1
の集合体からなるが、結晶粒1の表面には、しわ状の微
小凹凸が形成されている。2は結晶粒1の粒界を示す。
このような微小凹凸が形成されることにより、トナーに
対する帯電付与能力が向上し、前記表1に示すような高
画質の画像が形成され得るものと考えられる。
【0043】また上記のような微小凹凸により、表面に
被覆層を形成した場合においても、いわゆるアンカー効
果による被覆層の安定性が増大し、長寿命に寄与し得る
ものと考えられる。
【0044】
【発明の効果】本発明は以上記述のような構成および作
用であるから、下記の効果を奏し得る。 (1)キャリアの表面に微小凹凸を形成したことによ
り、トナーに対する帯電付与能力が向上し、帯電立上り
が早いと共に、高画質の画像を形成することができる。 (2)上記微小凹凸の有するアンカー効果により、被覆
層の安定性が増大し、連続プリントにおいても被覆層の
剥離が防止され、長寿命のキャリアが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフェライトキャリアの表面形状の例を
示す電子顕微鏡写真の模式図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モル比にてLi2 O3〜15%、MnO
    5〜35%、Fe23 60〜90%の組成、またはこ
    の組成の一部を2価の金属の酸化物から選ばれた少なく
    とも1種で置換した組成を有するフェライト粒子からな
    り、このフェライト粒子を構成する結晶粒の表面に微小
    な凹凸を形成したことを特徴とする電子写真現像用フェ
    ライトキャリア。
  2. 【請求項2】 フェライト粒子の表面に樹脂被覆層を形
    成したことを特徴とする請求項1記載の電子写真現像用
    フェライトキャリア。
  3. 【請求項3】 樹脂被覆層をシリコーン樹脂で形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真現像用フェラ
    イトキャリア。
  4. 【請求項4】 体積平均粒径を10〜150μmに、か
    つD.C.200V/cmの電場における体積固有電気抵
    抗を104 〜1014Ω・cmに形成したことを特徴とする
    請求項1ないし請求項3何れかに記載の電子写真現像用
    フェライトキャリア。
JP20700697A 1996-08-06 1997-08-01 電子写真現像用フェライトキャリア Pending JPH10104884A (ja)

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JP20700697A JPH10104884A (ja) 1996-08-06 1997-08-01 電子写真現像用フェライトキャリア

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