JP2017165609A - 六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体、樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体、樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂組成物に充填されたときに、高い熱伝導性と高い電気絶縁性の両立に寄与する六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体を提供する。【解決手段】六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体であって、焼結助剤に由来する金属元素を500質量ppm以上5000質量ppm以下含み、吸油量が200ml/100g以上、比表面積が1m2/g以上6m2/g以下、吸油量と比表面積との比(吸油量/比表面積)の値が0.7ml/m2以上、当該凝集体の平均粒子径が10μm以上200μm以下、平均球形度が0.40以上0.80以下の六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばパワーデバイス(電力用半導体素子ともいう)などの発熱性電子部品の熱を放熱部材に伝達する中間部材の樹脂組成物中に含まれる六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体に関する。また、本発明は該六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物に関する。また、本発明は本発明に係る樹脂組成物の用途に関する。
パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPU等の発熱性電子部品においては、使用時に発生する熱を如何に効率的に放熱するかが重要な課題となっている。従来から、この分野における放熱効率の向上策としては、例えば発熱性電子部品が実装されるプリント配線板の絶縁層を高熱伝導化する、および発熱性電子部品又は発熱性電子部品を実装したプリント配線板を電気絶縁性の熱インターフェース材を介してヒートシンク等の放熱部材に取り付けることなどが一般的に行われてきた。プリント配線板の電気絶縁層や熱インターフェース材等(これらをまとめて電気絶縁部材という)の主な材料としては、例えばシリコーン樹脂やエポキシ樹脂に熱伝導率の高いセラミックス粉末を充填させた樹脂組成物が好ましく用いられている。
近年、電子機器の軽薄短小化に伴い、発熱性電子部品の実装密度も増加する一方で、電子機器内部の発熱密度も年々増加しており、熱伝導率を従来にも増して高めたセラミックス粉末が求められてきている。また、機器の信頼性要求、特に電気的信頼性の要求が高まっており、併せて高い電気絶縁性を有するセラミックス粉末も求められている。
以上のような背景により、基本的に高熱伝導率な電気絶縁性素材として優れている六方晶窒化ホウ素が注目されている。但し、六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、その結晶構造に由来して、面内方向(a軸方向ともいう)の熱伝導率が400W/(m・K)、厚み方向(c軸方向ともいう)の熱伝導率が2W/(m・K)であり、熱伝導率の異方性が甚だしく大きい(非特許文献1)。このような六方晶窒化ホウ素一次粒子をそのまま樹脂に充填すると、該一次粒子が同一方向に揃って配向するため、例えば、熱インターフェース材の製造時に、六方晶窒化ホウ素一次粒子の面内方向(即ち、高い熱伝導率を有する方向)と熱インターフェース材の厚み方向(即ち、熱を伝達したい方向)が垂直になり、六方晶窒化ホウ素粒子の高熱伝導率を十分に活かすことができなかった。
このような熱伝導率の異方性に由来する課題を解決するため、鱗片形状の六方晶窒化ホウ素一次粒子を、さらに等方的な熱伝導率を持たせるように意図された六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体が開発されている。
例えば特許文献1及び2では、六方晶窒化ホウ素一次粒子を同一方向に配向させないように凝集させた、六方晶窒化ホウ素凝集体の使用が提案されており、熱伝導率の異方性が抑制されたことが示されている。また、特許文献3では、ホウ酸塩粒子を六方晶窒化ホウ素一次粒子で被覆した、平均球形度の高い六方晶窒化ホウ素被覆粒子の使用が提案されている。
特開平9−202663号公報 特開2011−98882号公報 特開2001−122615号公報
R.F.Hill,P.H.Supancic,J.Am.Ceram.Soc.,85,851(2002)
特許文献1及び特許文献2で提案されている六方晶窒化ホウ素凝集体の形状は、松ぼっくり状(例えば、特許文献1:段落[0020]図6参照)や塊状(例えば、特許文献2:段落[0037]図3〜5参照)であり、また、平均球形度が小さいため、樹脂への充填にも限界があり、必ずしも十分な熱伝導率の向上が達せられなかった。また、特許文献3で提案されている被覆粒子においては、熱伝導率の異方性の抑制と樹脂への充填性の向上には一定の効果がある。しかしながら、熱伝導率の低いホウ酸塩粒子の含有率が高いため(例えば、特許文献3の段落[0020]、[0028]参照)、六方晶窒化ホウ素の高い熱伝導率を十分に活かしきれない課題があった。
さらに従来の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の内部には、樹脂が浸入しにくい空隙が多く存在し、従って電気絶縁性を担うべき樹脂が十分に充填されないため、従来の放熱部材では、電気絶縁性が不足する課題があった。即ち、高い熱伝導率と電気的絶縁性とを両立する六方晶窒化ホウ素一次粒子の凝集体は、従来開発されていなかった。
上記の従来技術に鑑み、本発明は樹脂組成物の高い熱伝導性と高い電気絶縁性の両立に寄与する六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を提供することを課題の一つとする。また、本発明はパワーデバイスなどの発熱性電子部品が実装されるプリント配線板の電気絶縁層や、熱を放熱部材に伝達する熱インターフェース材に適用可能な、該新規六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物を提供することを別の課題とする。本発明は該樹脂組成物を用いた電気絶縁部材を提供することを更に別の課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、凝集体の平均粒子径、吸油量、吸油量と比表面積との比の、焼結助剤に由来する金属元素の含有率、及び平均球形度を適正に組み合わせた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体が上記課題に対して有効であることを見出した。
本発明は一側面において、六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体であって、焼結助剤に由来する金属元素を500質量ppm以上5000質量ppm以下含み、吸油量が200ml/100g以上、比表面積が1m2/g以上6m2/g以下、吸油量と比表面積との比(吸油量/比表面積)の値が0.7ml/m2以上、当該凝集体の平均粒子径が10μm以上200μm以下、平均球形度が0.40以上0.80以下の六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体である。
本発明に係る六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体の一実施形態においては、焼結助剤に由来する金属元素がカルシウムである。
本発明は別の一側面において、本発明に係る六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体を含む樹脂組成物である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る樹脂組成物を含む電気絶縁部材である。
本発明は更に別の一側面において、ホウ素を含む化合物と窒素を含む化合物とを含む混合物を焼成して、窒化ホウ素前駆体を得る工程、該窒化ホウ素前駆体と焼結助剤を含む水スラリーであって、該窒化ホウ素前駆体に対する該焼結助剤に由来する金属の質量割合が0.2%〜1.9%である水スラリーを得る工程、該水スラリーをアトマイザー回転数を2000〜18000rpmとして噴霧乾燥して乾燥体を得る工程、該乾燥体を1750℃〜2200℃の温度で焼成することにより六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体を得る工程、該六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体にせん断速度6000〜20000(1/秒)でせん断力を加えることにより粗化処理を施す工程を実施することを含む六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体の製造方法である。
本発明に係る六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を樹脂組成物に配合することにより、高い熱伝導性と高い電気絶縁性を兼備する樹脂組成物を得ることが可能となる。このため、該六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物は電気絶縁部材の材料として好適である。
実施例で作製した粗化処理前の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体aのSEM写真である。 実施例で作製した粗化処理後の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体A3のSEM写真である。
本発明の第1の実施形態である六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、ホウ素を含む化合物と、窒素を含む化合物とを含む混合物を焼成して、窒化ホウ素前駆体を得る工程、該窒化ホウ素前駆体と焼結助剤を含む水スラリーを得る工程、該水スラリーを噴霧乾燥して乾燥体を得る工程、該乾燥体を焼成することにより六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を得る工程、該六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体に粗化処理を施す工程を適切な条件で経ることで製造可能である。本発明に係る六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は一実施態様において、吸油量が200ml/100g以上、吸油量と比表面積との比の値が0.7ml/m2以上、平均粒子径が10μm以上200μm以下である。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、従来技術で得られていた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体に、その平均粒子径、吸油量、比表面積と吸油量との比率が特定範囲内に収まるようにさらに粗化処理を施すことにより、従来の技術では達成できなかった、樹脂組成物に高絶縁性と高熱伝導率を同時に与えることの可能な窒化ホウ素粉末を得ることができる。
なお、焼成による一次粒子同士の結合は、走査型電子顕微鏡を用いて、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体断面の一次粒子同士の結合部分に連続組織が形成されていることを観察することにより評価することができる。また、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体表面の状態、即ち、粗化の進行程度は、該凝集体を走査型電子顕微鏡を用いて観察することで判断できる。
<六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の製造方法>
本発明に係る、粗化処理前の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体(以下、未粗化凝集体ということもある)の製造方法の例について詳述する。ホウ素を含む化合物の粉末及び窒素を含む化合物の粉末(出発原料)の混合物を焼成して窒化ホウ素前駆体を得る。ホウ素を含む化合物としては、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂などを好ましく、特にホウ酸を好ましく用いることができる。また、窒素を含む化合物としては、シアンジアミド、メラミン、尿素などを好ましく、特にメラミンを好ましく選択することができる。窒化ホウ素前駆体は結晶性の異なる二種類以上を組み合わせて使用することが凝集体の製造に有利である。
次いで、窒化ホウ素前駆体を、アルカリ金属、アルカリ土類金属化合物など、焼成時における出発原料の六方晶窒化ホウ素への変換を促進する焼結助剤の粉末、並びに、本発明の目的を逸脱しない範囲において、必要に応じて添加される、出発原料や焼結助剤以外の単体や化合物と共に水中で加熱攪拌して水スラリーを調製する。焼結助剤として使用可能なアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物としては、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムが挙げられ、少ない添加量で凝集粒子を形成し易い点の理由により炭酸カルシウムが好ましい。出発原料や焼結助剤以外の単体や化合物の例としては、炭素などの還元性物質、炭化ホウ素などのホウ素含有化合物を挙げることができる。
水スラリー中には、窒化ホウ素前駆体に対して焼結助剤に由来する金属が質量割合で0.2〜1.9%含まれるように、好ましくは1.0〜1.6%含まれるように焼結助剤の添加量を調整することが望ましい。焼結助剤に由来する金属の量は多すぎても少なすぎても熱伝導率及び絶縁破壊電圧の特性が低下する傾向にある。
得られた水スラリーを噴霧乾燥して乾燥体を得る。この際、アトマイザーの回転数は最終的に得られる凝集体の粒径に影響を与えるため、2000〜18000rpmとして噴霧乾燥することが好ましく、5000〜10000rpmとして噴霧乾燥することがより好ましい。
なお、六方晶窒化ホウ素を製造するための出発原料や焼結助剤として用いる各種化合物等は一種類に限定する必要はなく、複数種類の化合物等を同時に使用することもできる。また、出発原料中に含まれるホウ素原子と窒素原子のモル比率は、必ずしも5:5に固定する必要はなく、反応性や収率に応じて、ホウ素原子と窒素原子のモル比率を、2:8〜8:2の範囲で、好ましくは3:7〜7:3の範囲で適宜変えることが可能である。
該乾燥体を1750℃以上の温度で焼成することにより六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体を得ることができる。焼成時の雰囲気は窒素、ヘリウム、アルゴン、アンモニア等の不活性雰囲気とする方法が好ましく適用される。該乾燥体を焼成する最高温度としては、1750℃以上2200℃以下の範囲の温度が好ましく設定される。焼成温度の最高値が1750℃未満であると六方晶窒化ホウ素への変換が進み難くなる。焼成温度の最高値が2200℃を超えると、六方晶窒化ホウ素の結晶成長が進みすぎるため、比表面積が小さくなりやすく、また、解砕が困難になることがある。焼成温度は一定に保持しても、連続的または不連続的に変化させても良く、焼成時間や昇温冷却の速度にも特に制限はない。さらに該乾燥体を焼成する装置類にも特に限定はないが、該乾燥体を収納する容器には、例えば六方晶窒化ホウ素製の容器を用いることができ、加熱装置として、例えば電気ヒータを用いた焼成炉を用いることができる。
また、出発原料を準備するところから焼成が終了するまでの間に、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、さらに加熱、冷却、加湿、乾燥、及び洗浄の操作を加えることも可能である。
<粗化処理の方法>
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を得るために実施する粗化処理の原理や方法には、特に限定はないが、該凝集体の表面を荒らして気孔や隙間を増加させる処理方法を好ましく採用することができる。粗化処理に用いる装置にも特に制限はないが、工業的な能率と操作性を考慮すると、被粉砕物にせん断力、圧迫力、衝撃力、摩擦力を与えて該凝集体の表面同士を擦り合わせて粗化処理ができる装置、一般には、せん断型粉砕機またはせん断型解砕機等(以下、まとめてせん断型粉砕機という)と呼ばれている装置を好ましく用いることができる。
粗化処理によって、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の吸油量を、粗化処理前の吸油量に対して10%以上高めることができ、好ましくは15%以上高めることができ、より好ましくは20%以上高めることができ、例えば10〜30%高めることができる。粗化処理を実施しない場合、表面気孔が少ないため内部に油分が入り込みにくくなる。このため、200ml/100g以上の吸油量を達成するのは困難である。
粗化処理は微粉化を目的とした処理ではないため、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均粒子径にほとんど変化が生じない条件で実施することが好ましい。例えば粗化処理前後で、平均粒子径の変化は±10μm以下とすることができ、典型的には±5μm以下とすることができ、より典型的には±2.5μm以下とすることができ、更により典型的には±1μm以下とすることができる。また、粗化処理前後で、比表面積の変化は±10m2/g以下とすることができ、典型的には±5m2/g以下とすることができ、より典型的には±2.5m2/g以下とすることができ、更により典型的には±1m2/g以下とすることができる。なお、該せん断型粉砕機の機械的構造として、例えばその粉砕スペース内に、被粉砕物にせん断力を与える2種類の刃が、所定長さの間隙を持つように配置された構造を有するものがある。2種類の刃は、一方が固定刃で他方が回転刃でも良いし、互いに逆方向に回転する2種類の刃であっても良い。2種類の刃の数については、それぞれ特に制限はないが、2種類の刃の間に発生するせん断速度は6000〜20000(1/秒)の範囲であることが好ましく、8000〜15000(1/秒)の範囲であることがさらに好ましい。せん断速度が6000(1/秒)より小さいと、粉砕物を粗化する効果及び能力が少なく、十分に粗化できなかったり、また処理に時間を要したりすることがある。また、せん断速度が20000(1/秒)を超えるような条件で処理すると、球形度が小さくなり過ぎ、また、一次粒子に近い形態まで微粉化された粒子の影響が無視できなくなるため、本発明の目的とする熱伝導性が発揮できなくなる傾向がある。
また、該粉砕スペース内には、所定の粒子径以下まで砕かれた粒子のみが粉砕スペース外に排出されるようなスクリーンを備えていることが好ましい。
<平均球形度>
粗化処理の程度は平均球形度により評価することができる。真球の球形度は1であるところ、球形度は粗化処理によって一般に球形度は小さくなる。本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の好ましい実施形態において、平均球形度は0.40〜0.80である。平均球形度が上記範囲にあるということは適度な粗化処理がなされていることを間接的に示している。平均球形度が0.40未満だと高熱伝導性を示すことが困難となり、また、平均球形度が0.80を超えると十分な吸油量を確保することが困難となる。平均球形度はより好ましくは0.45〜0.60であり、更により好ましくは0.45〜0.50である。
本発明において、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均球形度は以下のように測定する。試料台上の導電性両面テープに固定した一次粒子凝集体を、走査型電子顕微鏡、例えば「JSM−6010LA」(日本電子社製)にて撮影し、得られた凝集体像を画像解析ソフトウェア、例えば「Mac−View」(マウンテック社製)に取り込む。次いで、得られた写真から一次粒子凝集体の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その一次粒子凝集体の真円度はA/Bとして表示できる。そこで、一次粒子凝集体の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出することができる。このようにして得られた任意の一次粒子凝集体100個の球形度を求めその平均値を平均球形度とする。
<平均粒子径>
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の好ましい実施形態においては、該凝集体の平均粒子径は10μm以上200μm以下である。一般的には平均粒子径が小さくなると、該凝集体と樹脂界面の総数の増加にともなう接触熱抵抗の増加により熱伝導率が低下していく傾向がある。但し、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均粒子径が大きくなるほど、該凝集体の機械的強度が低下する傾向があり、また樹脂への混練時に受ける剪断応力により凝集体の構造の一部が破壊され、一次粒子へと戻った鱗片形状の六方晶窒化ホウ素が同一方向に配向するため、高熱伝導率を発現しなくなることもある。従って、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均粒子径は200μm以下である。好ましい平均粒子径は20μm以上120μm以下の範囲である。さらに好ましい平均粒子径は40μm以上70μm以下の範囲である。なお、本発明で言う平均粒子径は、レーザー回折光散乱法による粒度分布測定において、体積基準による累積粒度分布の累積値50%の粒子径である。粒度分布測定に際しては、該凝集体を分散させる溶媒には水、分散剤としてはヘキサメタリン酸を用いることができる。このとき水の屈折率には1.33を、また、窒化ホウ素粉末の屈折率については1.80の数値を用いることができる。また、一回当たりの測定時間にも特に制限はないが、通常5秒以上120秒以下であり、15秒以上60秒以下程度に設定するのが一般的で好ましい。
<吸油量>
吸油量は本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体において特定の樹脂浸入量、すなわち絶縁性を示す指標である。なお、本発明者らの鋭意検討により、焼成で得られた直後の六方晶窒化ホウ素に、さらに粗化処理を施すことにより吸油量の向上を図ることが可能であることを見出した。吸油量の数値が高いほど樹脂の浸入量が高くなる傾向が示される。好ましい実施形態において、本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体100g当たりの吸油量は200ml(以下、200ml/100gのように記す)以上である。吸油量が200ml/100g未満であると、樹脂浸入量が不足してボイドが残るため、電気的高絶縁性を得ることができない。好ましい吸油量は220ml/100g以上である。なお、樹脂の浸入量の観点からは吸油量は高い方が好ましいが、吸油量が高すぎることは、該凝集体の凝集密度が低くて、その機械的強度も低く、必ずしも絶縁性能が優れることを意味しないため、500ml/100g以下であることが一般的に望ましく、400ml/100g以下であることがより望ましく、300ml/100g以下であることが更により望ましい。
本発明において吸油量は、JIS K5101−13−1:2004(「顔料試験方法」−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法)に示される手順に基づき測定される。
<比表面積>
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の比表面積は、一般に市販されているガス吸着現象を利用した測定装置を用い、比表面積の計算方法としてBET1点法を適用して算出した値である。
<吸油量と比表面積との比率>
好ましい実施形態において、本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の吸油量と比表面積との比率、即ち、(吸油量/比表面積)の値は、0.70ml/m2以上である。さらに好ましい比率は0.75ml/m2以上であり、さらにより好ましい比率は0.80ml/m2以上である。この比率が0.70ml/m2未満であると、該一次粒子凝集体の内部への樹脂浸入量が減少する傾向があり、要求されている電気的高絶縁性を満足しなくなる。また、この比率の上限は特に設定されないが、典型的には2.0ml/m2以下であり、より典型的には1.8ml/m2以下である。
<焼結助剤に由来する金属元素の含有率>
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体が、本発明の特性を有する凝集体であるためには、最終的に得られる本発明の第1の実施形態である六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体に含まれる焼結助剤に由来する金属元素の含有率は、500〜5000質量ppmであることが好ましい。該金属元素の含有率のさらに好ましい範囲は、1000〜3000質量ppmである。なお本発明では、該焼結助剤に由来する金属元素がカルシウムであることが好ましい。該金属元素の含有率が500質量ppmより小さいと、一次粒子同士の焼成による結合強度が不十分となり、樹脂へ充填する際の混練の剪断応力と窒化ホウ素粒子同士の面接触時の圧縮応力(特に加熱加圧成形時)に耐えうる凝集体強度を得ることができない。また、該金属元素の含有率が5000質量ppmより大きいと、窒化ホウ素粒子の弾性率が高くなるため、六方晶窒化ホウ素一次粒子同士の面接触が不十分になり、本発明の第2の実施形態である樹脂組成物となしたときの熱伝導率が低下し、本発明の第3の実施形態である電気絶縁部材を得ることができない。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体に含まれる、焼結助剤に由来する金属元素の含有率は、例えば、走査型蛍光X線分析装置を用いて測定することができる。
<六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物>
次に本発明の第2の実施形態である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物について説明する。該樹脂組成物中に含まれる該一次粒子凝集体の割合は20体積%以上80体積%以下であることが好ましい。なお、このときに本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体より平均粒子径の小さい各種セラミックミックス粉末(以下、各種セラミックス粉末と称する)、例えば窒化アルミニウム、六方晶窒化ホウ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素の粉末を、本発明の目的を損なわない範囲において、1種類以上適宜添加しても良い。各種セラミックス粉末の適切な平均粒子径は、本発明の窒化ホウ素粉末の凝集体の平均粒子径によって変化するが、本発明の窒化ホウ素粉末の凝集体の平均粒子径に対して40%以下であることが好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。例えば本発明の窒化ホウ素粉末の凝集体の平均粒子径が50μmの場合は、20μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましい。粒子の充填構造をより密にすることができるので、充填性が向上し、結果として樹脂組成物の熱伝導率を著しく向上させることができる。各種セラミックス粉末の平均粒子径は本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体と同様の手順で測定される。
<樹脂>
本発明の第2の実施形態である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物に用いることのできる樹脂の種類には、特に限定はないが、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリフタルアミド、ポリアセタール、ナイロン樹脂等を好ましく挙げることができる。これら樹脂、特に熱硬化性樹脂には適宜、硬化剤、無機フィラー、シランカップリング剤、さらに濡れ性やレベリング性の向上及び粘度低下を促進して加熱加圧成形時の欠陥の発生を低減する添加剤を含有することができる。この添加剤としては、例えば、消泡剤、表面調整剤、湿潤分散剤等がある。また、エポキシ樹脂は、耐熱性と銅箔回路への接着強度が優れていることから、プリント配線板の絶縁層として好適である。さらにシリコーン樹脂及びシリコーンゴムは耐熱性、柔軟性及びヒートシンク等への密着性が優れていることから熱インターフェース材として好適である。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体と樹脂とを混合して樹脂組成物となす場合には、両者を混合しやすくするため、必要に応じて有機溶剤を加えても良い。有機溶剤としては、例えば、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、2−メトキシエタノール、1−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール及び2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びジイソブチルケトンケトン等のケトン類、トルエン及びキシレン等の炭化水素類が挙げられる。なお、これらの希釈剤は、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の第3の実施形態である電気絶縁部材は、第2の実施形態である六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物を成形加工した、さらに必要に応じて他の素材等と組み合わせてなした、電気絶縁部材である。
以下、本発明を、参考例、実施例、比較例を挙げてさらに具体的に説明する。
<参考例1:未粗化凝集体aの作製>
ホウ酸52kgとメラミン50kgを混合し、バッチ式高周波炉にて窒素雰囲気下で、一次焼成として1000℃で4時間焼成後、さらに二次焼成として1600℃で4時間焼成した前駆体(イ)と、ホウ酸52kgとメラミン50kgを混合し、バッチ式高周波炉にて窒素雰囲気下で、一次焼成として1000℃で4時間焼成後、さらに二次焼成として2000℃で4時間焼成した前駆体(ロ)を得た。
該前駆体(イ)の粉末15.72kgと、該前駆体(ロ)の粉末5.24kgと、焼結助剤の炭酸カルシウム(白石工業社製、PC−700)0.54kg及び水78.5kgを追加添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、ボールミルで5時間粉砕し、水スラリーを得た。さらに該水スラリー100質量部に対して、窒化ホウ素粒子を糊付けするためのポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学社製、ゴーセノール)を0.5質量部添加し、溶解するまで50℃で加熱撹拌した後、7000rpmの回転数で運転させた回転式アトマイザーを通して温度230℃の噴霧乾燥機中に噴出させた。回収された該水スラリー乾燥処理物を、さらに三次焼成として、バッチ式高周波炉にて窒素雰囲気下で、1850℃で4時間焼成した後、荒く解砕して未粗化凝集体aを得た。このときの条件を表1にまとめて記した。
<参考例2〜14:未粗化凝集体b〜nの作製>
さらに前駆体(イ)及び前駆体(ロ)は参考例1と同じ物を用い、それらの配合条件、炭酸カルシウム及び水の配合条件、ボールミル粉砕時間、噴霧乾燥条件、三次焼成条件を調整して、未粗化凝集体aと同様の手順で、未粗化凝集体b〜nを作製した。これらの条件等は、参考例1と併せて表1に示した。
<実施例1〜10、比較例1〜10:粗化処理された凝集体の作製>
未粗化凝集体aを、固定刃と回転刃を有するせん断型解砕機(グローエンジニアリング社製、ロータリーカッターミニ RC−1S)を用いて粗化処理した。このとき、該ロータリーカッター回転刃の回転数は表2に記載した値に設定し、1kg/分の割合で該凝集体を供給し、解砕機出口に設置された直径0.3mmのスクリーンで粗粒子を取り除いた後の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体(以下、粗化処理済み凝集体A3という)を回収した。なお、ロータリーカッターの回転数毎に計算したせん断速度を表2に併せて示した。最終的に得られた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−6010LA)にて表面状態を観察し、粗化処理の状態を確認した。粗化処理前(即ち未粗化凝集体a)と粗化処理後(即ち粗化処理済み凝集体A3)の電子顕微鏡画像を図1、図2に例示する。図2に示された画像から、粗化処理済み凝集体A3は一次粒子が凝集する状態を維持しつつ、その表面に約5〜10μmの細孔が生成していることを確認した。
なお、未粗化処理凝集体aに関しては、粗化処理条件を表2、及び表3に示したように変更して、粗化処理済み凝集体A1〜A7を揃えた。さらに、未粗化凝集体b〜n(但し、未粗化凝集体hを除く)もまた、表2、及び表3に示した条件に従って粗化処理を施し、粗化処理済み凝集体B〜Nを得た。
<平均球形度の測定>
粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜N(以下、実質的に粗化処理が加えられなかったA1、Hも、粗化処理済み凝集体と併せる)の平均球形度は以下のように測定した。試料台上の導電性両面テープに固定した各粗化処理済み凝集体を、走査型電子顕微鏡「JSM−6010LA」(日本電子社製)にて撮影し、得られた凝集体像を画像解析ソフトウェア「Mac−View」(マウンテック社製)に取り込み、写真から先述した手順によって凝集体の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定し、凝集体の一個の球形度を算出した。この際の画像の倍率は100倍、画像解析の画素数は1510万画素であった。これを繰り返して任意の凝集体100個の球形度を求めその平均値を平均球形度とした。
<平均粒子径の測定>
粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜N(以下、実質的に粗化処理が加えられなかったA1、Hも、粗化処理済み凝集体と併せる)の平均粒子径を、粒度分布測定機(日機装社製、MT3300EX)を用いて測定した。粒度分布測定に際し、該凝集体を分散させる溶媒には水を、分散剤にはヘキサメタリン酸を用いた。このとき水の屈折率には1.33を、また、窒化ホウ素粉末の屈折率については1.80の数値を用いた。平均粒子径の測定値は、表2、及び表3に示した。
<吸油量の測定>
粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜Nの吸油量を、JIS K5101−13−1:2004(「顔料試験方法」−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法)に示される手順に基づき測定した。給油量の測定値は、表2、及び表3に示した。
<比表面積及び(吸油量/比表面積)値の算出>
粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜Nの比表面積の値は比表面積測定装置(ユアサアイオニクス社製、カンターソーブ)を用いて、BET1点法により測定した。また、粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜Nの(吸油量/比表面積)の値は、先に測定した吸油量を測定された比表面積の値で除することにより算出した。なお、比表面積の測定に際しては、試料1gを300℃、15分間乾燥脱気してから測定に供した。比表面積と(吸油量/比表面積)の値は、表2、及び表3に示した。
<焼結助剤に由来する金属元素の含有率の測定>
粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜Nに含まれる、焼結助剤に由来する金属元素の含有率を、走査型蛍光X線分析装置(リガク社製、ZSX PrimusII)を用いて測定した。六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を、装置に合わせてプレス成型した被検体を装置内に置き、X線管球はRh管球を用い、X線管電力は3.0kWとし、測定径はΦ=30mmとして測定した。なお、金属元素はカルシウムである。カルシウムの測定値は、表2、及び表3に示した。
<樹脂への充填>
得られた粗化処理済み凝集体A1〜A7、及びB〜Nを、電気絶縁部材としての実用特性を評価するため、エポキシ樹脂(三菱化学社製、エピコート807)が90体積%、硬化剤(日本合成化工社製、アクメックスH−84B)が10体積%、粗化処理済み凝集体が60体積%となるように混合して樹脂組成物となし、PET製シート上に厚みが1.0mmになるように塗布した後、500Pa(abs)の減圧脱泡を10分間行った。その後、温度150℃、圧力160kg/cm2条件で60分間のプレス加熱加圧を行って厚さ0.5mmのシートとした。該シートを用いて電気絶縁部材としての評価を実施例1〜10、及び比較例1〜10に対して実施した。
得られた粗化処理済み凝集体とエポキシ樹脂とを含む樹脂組成物シートの、熱伝導率及び絶縁破壊電圧は、次に示す方法に従って評価した。
<熱伝導率>
熱伝導率(H(W/(m・K))とする)は、熱拡散率(A(m2/秒)とする)、密度(B(kg/m3)とする)及び比熱容量(C(J/(kg・K))とする)から、H=A×B×Cとして算出した。熱拡散率は、測定用試料としてシートを幅10mm×10mm×厚み0.5mmに加工し、レーザーフラッシュ法により求めた。測定装置はキセノンフラッシュアナライザ(NETZSCH社製、LFA447NanoFlash)を用いた。密度はアルキメデス法を用いて求めた。比熱容量は、DSC測定装置(リガク社製、ThermoPlus Evo DSC8230)を用いて求めた。
<絶縁破壊電圧>
絶縁破壊電圧はJIS C2110−1:2010(固体電気絶縁材料−絶縁破壊の強さの試験方法−第1部:商用周波数交流電圧印加による試験)に基づき測定した。測定用試料としてシートを100mm×100mmに5枚加工し、直径25mmの電極を用いて各シート5箇所測定した。
実施例1〜10、比較例1〜10の熱伝導率、絶縁破壊電圧は表2、表3に併せて示した。
表2の結果から、本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物を用いた電気絶縁部材は、8(W/m・K)を超える熱伝導率と、10(kV)を超える電気絶縁性を両立したものであることがわかる。また、表3の結果から、比較例の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物を用いた電気絶縁部材は8(W/m・K)を超える熱伝導率と、10(kV)を超える電気絶縁性を両立することができないことが分かる。その原因は以下に説明する通りである。
比較例1及び比較例2は粗化処理を実施しておらず、吸油量が不足した。
比較例3は未粗化凝集体を作製する際のボールミルによる粉砕時間が長すぎ、また、噴霧乾燥時のアトマイザー回転数が速すぎたことで、凝集粒子が小さくなった。このため、吸油量は高いが比表面積も大きくなってしまい、吸油量と比表面積の比が好適化されなかった。
比較例4は未粗化凝集体を作製する際の噴霧乾燥時のアトマイザー回転数が遅すぎたことで、凝集粒子が過度に大きくなった。
比較例5は焼結助剤由来のカルシウムが不足した。
比較例6は焼結助剤由来のカルシウムが過剰であった。
比較例7は三次焼成のときの焼成温度が低すぎたことで比表面積が大きくなり、吸油量と比表面積の比が好適化されなかった。
比較例8は三次焼成のときの焼成温度が高すぎたことで比表面積が小さくなり、比表面積が好適化されなかった。
比較例9は粗化処理時の剪断速度が速すぎたことにより球形度が0.4を下回った。
比較例10は粗化処理時の剪断速度が遅すぎたことで吸油量が不足した。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、高い熱伝導性と電気絶縁性を両立し、これを含む樹脂組成物を用いた電気絶縁部材は、プリント配線板の絶縁層及び熱インターフェース材として好ましく用いることができる。

Claims (5)

  1. 六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体であって、焼結助剤に由来する金属元素を500質量ppm以上5000質量ppm以下含み、吸油量が200ml/100g以上、比表面積が1m2/g以上6m2/g以下、吸油量と比表面積との比(吸油量/比表面積)の値が0.7ml/m2以上、当該凝集体の平均粒子径が10μm以上200μm以下、平均球形度が0.40以上0.80以下の六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体。
  2. 焼結助剤に由来する金属元素がカルシウムである請求項1に記載の六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体。
  3. 請求項1又は2に記載の六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体を含む樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載の樹脂組成物を含む電気絶縁部材。
  5. ホウ素を含む化合物と窒素を含む化合物とを含む混合物を焼成して、窒化ホウ素前駆体を得る工程、該窒化ホウ素前駆体と焼結助剤を含む水スラリーであって、該窒化ホウ素前駆体に対する該焼結助剤に由来する金属の質量割合が0.2%〜1.9%である水スラリーを得る工程、該水スラリーをアトマイザー回転数を2000〜18000rpmとして噴霧乾燥して乾燥体を得る工程、該乾燥体を1750℃〜2200℃の温度で焼成することにより六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体を得る工程、該六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体にせん断速度6000〜20000(1/秒)でせん断力を加えることにより粗化処理を施す工程を実施することを含む六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体の製造方法。
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