JP6125282B2 - 窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6125282B2
JP6125282B2 JP2013044899A JP2013044899A JP6125282B2 JP 6125282 B2 JP6125282 B2 JP 6125282B2 JP 2013044899 A JP2013044899 A JP 2013044899A JP 2013044899 A JP2013044899 A JP 2013044899A JP 6125282 B2 JP6125282 B2 JP 6125282B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boron nitride
powder
composite powder
particles
thermal conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013044899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014172768A (ja
Inventor
光永 敏勝
敏勝 光永
五十嵐 厚樹
厚樹 五十嵐
太樹 西
太樹 西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denka Co Ltd
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denka Co Ltd, Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denka Co Ltd
Priority to JP2013044899A priority Critical patent/JP6125282B2/ja
Publication of JP2014172768A publication Critical patent/JP2014172768A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6125282B2 publication Critical patent/JP6125282B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、窒化ホウ素複合粉末及びその用途に関する。詳しくは、パワーデバイスなどの高発熱性の電子部品の放熱部材として好適に用いられる。特に、プリント配線板の絶縁層及び熱インターフェース材の樹脂組成物に充填される、熱伝導率及び比誘電率に優れた窒化ホウ素粉末フィラー及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物に関する。
パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPU、画像チップ等の発熱性電子部品においては、使用時に発生する熱を如何に効率的に放熱するかが重要な課題となっている。従来から、このような放熱対策としては、(1)発熱性電子部品を実装するプリント配線板の絶縁層を高熱伝導化する、(2)発熱性電子部品又は発熱性電子部品を実装したプリント配線板を電気絶縁性の熱インターフェース材(Thermal Interface Materials)を介してヒートシンクに取り付ける、ことが一般的に行われてきた。プリント配線板の絶縁層及び熱インターフェース材としては、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂にセラミックス粉末を充填させたものが使用されている。
近年、発熱性電子部品内の回路の高速・高集積化、及び発熱性電子部品のプリント配線板への実装密度の増加に伴って、電子機器内部の発熱密度は年々増加している。そのため、従来にも増して高い熱伝導率を有するセラミックス粉末がフィラーとして求められてきている。
以上のような背景により、(1)高熱伝導性、(2)高絶縁性等、電気絶縁材料として優れた性質を有している、六方晶窒化ホウ素(hexagonal Boron Nitride)粉末が注目されている。
しかし、六方晶窒化ホウ素粒子は、面内方向(a軸方向)の熱伝導率が100〜200W/(m・K)であるのに対して、厚み方向(c軸方向)の熱伝導率が2〜3W/(m・K)と言われており、結晶構造と鱗片形状に由来する熱伝導率の異方性が大きい。さらに、六方晶窒化ホウ素粉末を樹脂に充填すると、粒子同士が同一方向に揃って配向する。
そのため、例えば、熱インターフェース材の製造時に、六方晶窒化ホウ素粒子の面内方向(a軸方向)と熱インターフェース材の厚み方向が垂直になり、六方晶窒化ホウ素粒子の面内方向(a軸方向)の高熱伝導率を十分に活かすことができなかった。
特許文献1では、六方晶窒化ホウ素粒子の面内方向(a軸方向)を高熱伝導シートの厚み方向に配向させたものが提案されており、六方晶窒化ホウ素粒子の面内方向(a軸方向)の高熱伝導率を活かすことができる。しかし、(1)配向したシートを次工程にて積層する必要があり製造工程が煩雑になり易い、(2)積層・硬化後にシート状に薄く切断する必要があり、シートの厚みの寸法精度を確保することが困難という課題があった。
また、六方晶窒化ホウ素粒子の形状が鱗片形状であるため、樹脂への充填時に粘度が増加し、流動性が悪くなるため、高充填が困難であった。これらを改善するため、六方晶窒化ホウ素粒子の熱伝導率の異方性を抑制した種々の形状の窒化ホウ素粉末が提案されている。
特許文献2では、一次粒子の六方晶窒化ホウ素粒子が同一方向に配向せずに凝集した窒化ホウ素粉末の使用が提案されており、熱伝導率の異方性が抑制された。しかし、塊状(例えば、特許文献2:段落[0037]図3〜5参照)であり、平均球形度が小さいため、樹脂やゴムへの充填に限界があり、熱伝導率の向上には限界があった。
特許文献3では、ホウ酸塩粒子を六方晶窒化ホウ素粒子で被覆した、平均球形度の高い窒化ホウ素粉末の使用が提案されている。熱伝導率の異方性の抑制と樹脂やゴムへの充填性の向上には一定の効果がある。しかし、熱伝導率の低いホウ酸塩粒子の含有率が高いため(例えば、段落[0020]、[0028]参照)、六方晶窒化ホウ素粒子の高熱伝導率を十分に活かすことがでないという課題があった。
特許文献4では、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子が等方的に凝集した二次凝集粒子を熱硬化樹脂中に分散してなる熱伝導性シートが提案されているが、二次凝集した粒子に空隙が多く、更に高熱伝導化を達成するためには、この空隙がマイナスとなる課題があった。
特開2000−154265号公報 特開2011−98882号公報 特開2001−122615号公報 特開2010−157563号公報
本発明は、パワーデバイスなどの発熱性電子部品の放熱部材として好適に用いられ、特にプリント配線板の絶縁層及び熱インターフェース材の樹脂組成物に充填される、熱伝導率に優れた窒化ホウ素複合粉末を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明においては、以下の手段を採用する。
(1)六方晶窒化ホウ素の一次粒子が結合した窒化ホウ素粒子であり、前記窒化ホウ素粒子の集合体である窒化ホウ素粉末と、平均粒径0.1〜10μmのセラミックス粉末が複合化した複合粉末であり、複合粉末の空隙率が5〜55%、平均粒径が20〜100μm、粉末X線回折法における窒化ホウ素の(002)面と(100)面のピーク強度比I(002)/I(100)が9.0以下であることを特徴とする窒化ホウ素複合粉末。
(2)窒化ホウ素粉末と複合化するセラミックス粉末が、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする前記(1)に記載の窒化ホウ素複合粉末。
(3)前記(1)又は(2)に記載の窒化ホウ素複合粉末を含有してなる樹脂組成物。
本発明により、熱伝導率に優れた窒化ホウ素複合粉末が得られる。
本発明では、一次粒子を「六方晶窒化ホウ素粒子」、一次粒子同士が焼結により結合した状態で2個以上集合した状態を「窒化ホウ素粒子」と定義する。この「窒化ホウ素粒子」が集まった集合体を「窒化ホウ素粉末」と定義する。また、窒化ホウ素粉末とセラミックス粉末を複合化した粉末を「窒化ホウ素複合粉末」と定義する。
焼結による結合は、走査型電子顕微鏡(例えば「JSM−6010LA」(日本電子社製))を用いて、窒化ホウ素粒子の断面の一次粒子同士の結合部分を観察することにより評価することができる。観察の前処理として、窒化ホウ素複合粉末を樹脂で包埋後、CP(クロスセクションポリッシャー)法により加工し、試料台に固定した後にオスミウムコーティングを行った。観察倍率は1000倍である。
本発明の窒化ホウ素複合粉末は六方晶窒化ホウ素粒子が焼結により結合した窒化ホウ素粒子に、熱伝導性に優れたセラミックスを複合化することにより、従来の技術では達成できなかった、熱伝導率に優れた窒化ホウ素複合粉末を得ることができるものである。
セラミックス粉末は、窒化ホウ素粒子群の粒子間の空隙を埋めるように存在し、窒化ホウ素粒子と複合化している。
本発明の窒化ホウ素複合粉末は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子同士が焼結により結合した窒化ホウ素粒子と、平均粒径0.1〜10μmのセラミックス粉末が複合化した複合粉末であり、複合粉末の空隙率が5〜55%、平均粒径が20〜100μm、粉末X線回折法における窒化ホウ素の(002)面と(100)面のピーク強度比I(002)/I(100)が9.0以下である。このように設計された窒化ホウ素複合粉末はこれまで存在せず、この窒化ホウ素複合粉末を充填した樹脂組成物は高熱伝導性を確保することができる。
<原料の窒化ホウ素粉末>
本発明の窒化ホウ素粉末は、原料としてアモルファス窒化ホウ素と六方晶窒化ホウ素、触媒、高熱伝導セラミックス粉末を混合、焼成して得られる。アモルファス窒化ホウ素の粒径は、平均粒径2〜6μmが好ましい。六方晶窒化ホウ素の粒径は、平均粒径10〜30μmが好ましい。
<複合化するセラミックス>
窒化ホウ素粉末に複合化するセラミックス粉末は、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなど熱伝導率が10W/(m・K)以上を示す高熱伝導セラミックスが好適である。熱伝導率が10W/(m・K)より小さいと、窒化ホウ素粒子本来の熱伝導率を損なう事となり、窒化ホウ素複合粉末の熱伝導率が高くならない。また、平均粒径が20〜100μmの窒化ホウ素粉末と複合化するので、複合化するセラミックスの平均粒径は、0.1〜10μmである。0.1μmより小さいと複合化に用いる粒子の数が相対的に増え、粒子間熱抵抗の発生により窒化ホウ素複合粉末の熱伝導率が高くならないため、好ましくない。一方、10μmより大きいと、窒化ホウ素粒子間の空隙にうまく複合化できない。また、セラミックス粉末の最大粒子径は、20μm以下が好ましい。20μmより大きいと、窒化ホウ素粒子の空隙にうまく複合化できないので、好ましくない。
<空隙率>
本発明の窒化ホウ素複合粉末においては、セラミックス粉末との複合化した窒化ホウ素複合粉末の空隙率が5〜55%である。空隙率が5%小さいと、窒化ホウ素粒子間の空隙を埋めるために用いるセラミックス粉末の含有割合が高くなり、骨格となる集合した窒化ホウ素粒子が破壊されるために好ましくない。空隙率が55%を超えると、樹脂への混練時に受ける剪断応力により球状構造が破壊され、一次粒子の六方晶窒化ホウ素粒子が同一方向に配向するために好ましくない。骨格となる集合体である窒化ホウ素粒子自体は、51〜60%の空隙率を要しており、本発明の窒化ホウ素複合粉末は、セラミックス粉末を窒化ホウ素粒子群の粒子間の空隙に充填した形態で、5〜55%の空隙率とするのが良い。
<空隙率の評価方法>
空隙率は、水銀ポロシメーターを用いて細孔体積を測定することにより求めた値である。水銀ポロシメーターを用いた細孔体積としては、例えば「PASCAL 140−440」(FISONS INSTRUMENTS社製)を用いて測定することができる。この測定の原理は、式、ε=V/(V+1/ρ)×100、に基づいている。式中、εは窒化ホウ素粒子の空隙率(%)、Vは細孔体積から粒子間空隙を差し引いた値(cm/g)、ρは一次粒子の六方晶窒化ホウ素粒子の密度2.34(g/cm)である。
<平均粒径>
本発明の窒化ホウ素複合粉末においては、平均粒径が20〜100μmである。20μmより小さいと、窒化ホウ素複合粉末同士及の接点の増加にともなう接触熱抵抗の増加により熱伝導率が低下する。100μmより大きいと、窒化ホウ素複合粉末の粒子強度が低下するため、樹脂への混練時に受ける剪断応力により球状構造が破壊され、一次粒子の六方晶窒化ホウ素粒子が同一方向に配向する。
<平均粒径の定義・評価方法>
平均粒径は、レーザー回折光散乱法による粒度分布測定において、累積粒度分布の累積値50%の粒径である。粒度分布測定機としては、例えば「MT3300EX」(日機装社製)にて測定することができる。測定に際しては、溶媒には水、分散剤としてはヘキサメタリン酸を用い、前処理として、30秒間、ホモジナイザーを用いて20Wの出力をかけて分散処理させた。水の屈折率には1.33を用い、窒化ホウ素粉末の屈折率については1.80を用いた。一回当たりの測定時間は30秒である。
<ピーク強度比I(002)/I(100)>
本発明の窒化ホウ素複合粉末においては、熱伝導率の異方性が抑制されていること、つまり配向性が小さいがことが好ましい。配向性は、粉末X線回折法による(002)面の回折線のピーク強度I(002)と(100)面の回折線のピーク強度I(100)との比I(002)/I(100)で測定することができる。六方晶窒化ホウ素粒子の厚み方向は結晶学的な(002)面すなわちc軸方向、面内方向は(100)面すなわちa軸方向にそれぞれ一致している。窒化ホウ素粒子を構成する一次粒子の六方晶窒化ホウ素粒子が、完全にランダムな配向(無配向)で有る場合、I(002)/I(100)≒6.7になる(「JCPDS[粉末X線回折データベース]」No.34−0421[BN]の結晶密度値[Dx])。高結晶の六方晶窒化ホウ素ではI(002)/I(100)は一般に20より大きい。
本発明の窒化ホウ素複合粉末においては、I(002)/I(100)は9.0以下である。I(002)/I(100)が9.0より大きいと、六方晶窒化ホウ素粒子の配向により樹脂組成物の熱伝導率が減少する。
<ピーク強度比I(002)/I(100)の評価方法>
配向性、すなわち粉末X線回折法によるI(002)/I(100)の測定は、例えば、「D8 ADVANCE Super Speed」(ブルカー・エイエックスエス社製)を用いて測定できる。前処理として、窒化ホウ素粉末をプレス成型した後、X線を成型体の面内方向の平面の法線に対して、互いに対称となるように照射した。測定時は、X線源はCuKα線を用い、管電圧は45kV、管電流は360mAである。
<窒化ホウ素複合粉末を含有してなる樹脂組成物>
つぎに、本発明の窒化ホウ素複合粉末を含有してなる樹脂組成物について説明する。樹脂組成物中の窒化ホウ素質複合粉末の割合は20〜80体積%であることが好ましい。また、本発明の窒化ホウ素複合粉末より平均粒径の小さいセラミックミックス粉末や金属粉末、例えば窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、アルミニウム、銅、銀、金、カーボン等の粉末を適宜第二フィラーとして樹脂に添加しても良い。粒子の充填構造をより密にすることができるので、充填性が向上し、結果として樹脂組成物の熱伝導率を著しく向上させることができる。
<樹脂>
樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリフタルアミド、ポリアセタール等を用いることができる。特にエポキシ樹脂は、耐熱性と銅箔回路への接着強度が優れていることから、プリント配線板の絶縁層として好適である。また、シリコーン樹脂は耐熱性、柔軟性及びヒートシンク等への密着性が優れていることから熱インターフェース材として好適である。これら樹脂、特に熱硬化性樹脂には適宜、硬化剤、無機フィラー、シランカップリング剤、さらには濡れ性やレベリング性の向上及び粘度低下を促進して加熱加圧成形時の欠陥の発生を低減する添加剤を含有することができる。この添加剤としては、例えば、消泡剤、表面調整剤、湿潤分散剤等がある。
以下、本発明を実施例、比較例をあげて更に具体的に説明する。
<実施例1〜11、比較例1〜6>
酸素含有量が2.4%、BN純度96.3%、及び平均粒径が3.8μmであるアモルファス窒化ホウ素粉末(表1ではアモルファスBN)、酸素含有量が0.1%、BN純度98.8%、及び平均粒径が12.8μmである六方晶窒化ホウ素粉末(表1では六方晶BN)、炭酸カルシウム(「PC−700」白石工業社製)、更に10W/(m・k)以上を示す空隙に充填するセラミックスとして、窒化ケイ素(「デンカ窒化珪素 SN−9FWS、SN−9及びSN−F2」電気化学工業社製を所定平均粒径に分級)、窒化アルミニウム(「窒化アルミニウム SANグレード」電気化学工業社製、平均粒径1.2μm)、酸化アルミニウム(「デンカ球状アルミナ DAW03」電気化学工業社製、平均粒径3.8μm)、酸化亜鉛(「酸化亜鉛 1種」境化学工業社製、平均粒径0.5μm)、水酸化アルミニウム(「水酸化アルミニウム C−303」住友化学社製、平均粒径0.3μm)及びエタノールを、表1に示す配合でヘンシェルミキサーを用いて混合した後、ボールミルで粉砕してスラリーを得た。さらに、スラリーに対して、ポリビニルアルコール樹脂(「ゴーセノール」日本合成化学社製)を0.5質量%となるように外割添加し、溶解するまで50℃で加熱撹拌した後、噴霧乾燥機にて乾燥温度130℃で球状化処理を行った。なお、噴霧乾燥機の球状化装置としては、回転式アトマイザーを使用した。得られた処理物をバッチ式高周波炉にて窒素流量10L/minで焼成した後、解砕及び分級処理を行い、窒化ホウ素複合粉末を得た。表1に示すように、原料配合、ボールミル粉砕条件、噴霧乾燥条件、焼成条件を調整して、表2(実施例)および表3(比較例)に示す17種の粉末A〜Qを製造した。
Figure 0006125282
<樹脂への充填>
得られた窒化ホウ素複合粉末A〜Qの樹脂への充填材としての特性を評価するため、エポキシ樹脂(「エピコート807」三菱化学社製)と硬化剤(「アクメックスH−84B」日本合成化工社製)に対し窒化ホウ素複合粉末が60体積%となるように混合し、PET製シートの上に厚みが1.0mmになるように塗布した後、500Paの減圧脱泡を10分間行った。その後、温度150℃、圧力160kg/cm条件で60分間のプレス加熱加圧を行って0.5mmのシートとした。
得られた窒化ホウ素複合粉末シートの熱伝導率を次に示す方法に従って評価した。それらの結果を表2(実施例)、表3(比較例)に示す。
<熱伝導率評法>
熱伝導率(H;W/(m・K))は、熱拡散率(A:m/sec)と比重(B:kg/m)、比熱容量(C:J/(kg・K))から、H=A×B×Cとして、算出した。熱拡散率は、測定用試料としてシートを幅10mm×10mm×厚み0.5mmに加工し、レーザーフラッシュ法により求めた。測定装置はキセノンフラッシュアナライザ(「LFA447NanoFlash」NETZSCH社製)を用いた。比重はアルキメデス法を用いて求めた。比熱容量は、DSC(「ThermoPlus Evo DSC8230」リガク社製)を用いて求めた。
Figure 0006125282
Figure 0006125282
実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明の窒化ホウ素複合粉末を含有してなる樹脂組成物は、優れた熱伝導率を示している。
本発明は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が結合した窒化ホウ素粒子の集合体である窒化ホウ素粉末の窒化ホウ素粒子間の空隙に着目し、その空隙に熱伝導率が10W/(m・k)以上を示す、セラミックス粉末を複合した結果、非常に熱伝導率が高い樹脂組成物を得ることが出来た。
本発明の窒化ホウ素複合粉末は、樹脂への充填材として使用される。また、本発明の窒化ホウ素複合粉末を含有した樹脂組成物は、プリント配線板の絶縁層及び熱インターフェース材及び自動車両面放熱パワーモジュールに用いられる。

Claims (3)

  1. 六方晶窒化ホウ素の一次粒子が結合した窒化ホウ素粒子であり、前記窒化ホウ素粒子の集合体である窒化ホウ素粉末と、平均粒径0.1〜10μmのセラミックス粉末が複合化した複合粉末であり、複合粉末の空隙率が5〜55%、平均粒径が20〜100μm、粉末X線回折法における窒化ホウ素の(002)面と(100)面のピーク強度比I(002)/I(100)が9.0以下であることを特徴とする窒化ホウ素複合粉末。
  2. 窒化ホウ素粉末と複合化するセラミックス粉末が、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ホウ素複合粉末。
  3. 請求項1又は2に記載の窒化ホウ素複合粉末を含有してなる樹脂組成物。
JP2013044899A 2013-03-07 2013-03-07 窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物 Active JP6125282B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013044899A JP6125282B2 (ja) 2013-03-07 2013-03-07 窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013044899A JP6125282B2 (ja) 2013-03-07 2013-03-07 窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014172768A JP2014172768A (ja) 2014-09-22
JP6125282B2 true JP6125282B2 (ja) 2017-05-10

Family

ID=51694390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013044899A Active JP6125282B2 (ja) 2013-03-07 2013-03-07 窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6125282B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6950148B2 (ja) * 2016-03-31 2021-10-13 三菱ケミカル株式会社 窒化アルミニウム−窒化ホウ素複合凝集粒子およびその製造方法
WO2019031458A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 デンカ株式会社 低誘電率熱伝導性放熱部材
JP6936442B2 (ja) * 2017-08-31 2021-09-15 株式会社豊田中央研究所 熱伝導性フィラー、熱伝導性複合材料、及び熱伝導性フィラーの製造方法
CN112334408B (zh) * 2018-06-29 2023-10-10 电化株式会社 块状氮化硼粒子、氮化硼粉末、氮化硼粉末的制造方法、树脂组合物、及散热构件
JP7059441B2 (ja) * 2019-03-27 2022-04-25 富士フイルム株式会社 放熱シート前駆体、及び放熱シートの製造方法
CN112430119A (zh) * 2020-11-16 2021-03-02 广东省科学院材料与加工研究所 基于光固化成型技术制备高孔隙率h-BN基陶瓷材料的方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05291706A (ja) * 1992-04-13 1993-11-05 Mitsubishi Gas Chem Co Inc プリント配線用基板の製造法
JP5707052B2 (ja) * 2010-04-27 2015-04-22 電気化学工業株式会社 樹脂複合組成物及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014172768A (ja) 2014-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6296568B2 (ja) 窒化ホウ素粉末及びこれを含有する樹脂組成物
JP5969314B2 (ja) 窒化ホウ素粉末及びその用途
JP6351585B2 (ja) 樹脂含浸窒化ホウ素焼結体およびその用途
JP6125273B2 (ja) 窒化ホウ素成形体、その製造方法及び用途
TWI700243B (zh) 六方晶氮化硼粉末及其製造方法以及使用其之組成物及散熱材
JP6125282B2 (ja) 窒化ホウ素複合粉末及びそれを用いた熱硬化性樹脂組成物
JP6313766B2 (ja) 窒化ホウ素−樹脂複合体回路基板、窒化ホウ素−樹脂複合体放熱板一体型回路基板
TWI644855B (zh) 六方晶體氮化硼粉末、其製造方法、樹脂組成物及樹脂薄片
JP6612584B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂シート、およびそれを用いた金属ベース回路基板
JP6875854B2 (ja) 六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体及びその用途
JP6023474B2 (ja) 熱伝導性絶縁シート、金属ベース基板及び回路基板、及びその製造方法
JP6815152B2 (ja) 六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体
JP2017165609A (ja) 六方晶窒化ホウ素の一次粒子凝集体、樹脂組成物及びその用途
JP7273587B2 (ja) 窒化ホウ素粉末及び樹脂組成物
JP2012253167A (ja) 熱伝導性絶縁シート、金属ベース基板及び回路基板
JP2014189701A (ja) 高熱伝導性樹脂硬化物、高熱伝導性半硬化樹脂フィルム及び高熱伝導性樹脂組成物
CN109415570B (zh) 树脂材料和叠层体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6125282

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250