JP7104503B2 - 塊状窒化ホウ素粉末の製造方法及びそれを用いた放熱部材 - Google Patents
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以下の(A)~(C)の特徴を有する、一次粒子が鱗片状の六方晶窒化ホウ素が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素微粉末を用意するステップと、
(A)前記塊状窒化ホウ素微粉末の塊状粒子における累積破壊率63.2%時の粒子強度が5.0MPa以上であること。
(B)前記塊状窒化ホウ素微粉末の平均粒径が2μm以上20μm未満であること。
(C)前記塊状窒化ホウ素微粉末のX線回折から求められる配向性指数の値が20以下であること。
以下の(D)~(F)の特徴を有する、一次粒子が鱗片状の六方晶窒化ホウ素が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素粗粉末を用意するステップと、
(D)前記塊状窒化ホウ素粗粉末の塊状粒子における累積破壊率63.2%時の粒子強度が5.0MPa以上であること。
(E)前記塊状窒化ホウ素粗粉末の平均粒径が20μm以上100μm以下であること。
(F)前記塊状窒化ホウ素粗粉末のX線回折から求められる配向性指数の値が10以下であること。
前記塊状窒化ホウ素微粉末と前記塊状窒化ホウ素粗粉末とを、前記塊状窒化ホウ素微粉末の含有割合が7質量%以上50質量%以下の範囲となるようにして混合し、塊状窒化ホウ素粉末を得るステップと
を含む、塊状窒化ホウ素粉末の製造方法。
前記塊状窒化ホウ素微粉末の平均粒径を、前記塊状窒化ホウ素粗粉末の平均粒径で割った値が、0.07以上0.20以下である、[1]に記載の製造方法。
[1]または[2]に記載の製造方法により得られる塊状窒化ホウ素粉末を含む、放熱部材。
塊状窒化ホウ素微粉末(以下、単に「微粉末」とも略記する)は、JIS R1639-5:2007に準拠して求められる粒子強度(単一顆粒圧壊強さ)が、累積破壊率63.2%時に5.0MPa以上である。粒子強度が5.0MPa未満では、樹脂との混練時やプレス時などに応力で凝集粒子が崩れてしまい、熱伝導率が低下する問題が発生する。当該粒子強度は、より好ましくは6.0MPa以上、さらに好ましくは7.0MPa以上とすることができる。なお「63.2%」とは、上記JIS R1639-5:2007が引用するJIS R1625:2010にて教示されている、ワイブル(Weibull)分布関数における lnln{1/(1-F(t))} = 0 を満たす値として知られているものであり、粒子の個数基準の値である。
塊状窒化ホウ素粗粉末(以下、単に「粗粉末」とも略記する)について、塊状粒子の累積破壊率63.2%時の粒子強度(定義は上述した微粉末のものと同様である)が5.0MPa以上である。この粒子強度が5.0MPa未満では、樹脂との混練時やプレス時などに応力で凝集粒子が崩れてしまい、熱伝導率が低下する恐れがある。また粗粉末の当該粒子強度は、より好ましくは6.0MPa以上、さらに好ましくは7.0MPa以上としてもよく、また上限値は特に制限はないが、例えば、30MPa以下、20MPa以下等となるようにしてもよい。
微粉末と粗粉末とを混合して塊状窒化ホウ素粉末を調製するにあたり、微粉末と粗粉末の合計を基準として、微粉末の含有割合が7質量%以上50質量%以下の範囲となるようにする。好ましくは、微粉末の含有割合を7質量%以上45質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下にしてもよい。微粉末の割合が7質量%未満と少なすぎても、あるいは50質量%超と多すぎても、熱伝導率が低下する問題が発生する。
微粉末は、以下の手法(a)または手法(b)のいずれかによって製造可能である。
微粉末を製造するための手法(a)は、原料として炭素量18%以上21%以下かつ平均粒径5μm以上15μm以下の炭化ホウ素を用いる加圧窒化焼成工程、脱炭結晶化工程、および粉砕工程を含む。
手法(a)における加圧窒化焼成工程では、炭素量18%以上21%以下かつ平均粒径が5μm以上15μm以下の炭化ホウ素を原料として使用する。この炭化ホウ素原料を、後述する特定の焼成温度及び加圧条件の雰囲気にて、加圧窒化焼成を行うことで、炭窒化ホウ素を得ることができる。
炭化ホウ素原料の平均粒径は、最終的に得られる塊状窒化ホウ素の平均粒径に影響するため、平均粒径5μm以上15μm以下である。炭化ホウ素原料には、不純物のホウ酸や遊離炭素が、不可避的なものを除いて含まれないか、または含まれるとしても少量であることが望ましい。
前記加圧窒化焼成工程における焼成温度の下限値は、好ましくは1800℃以上、さらに好ましくは1900℃以上にできる。また、焼成温度の上限値は、好ましくは2400℃以下、より好ましくは2200℃以下である。当該焼成温度は、より好ましくは、1800~2200℃である。
手法(a)における脱炭結晶化工程では、前記加圧窒化焼成工程にて得られた炭窒化ホウ素を、常圧以上の雰囲気にて、特定の昇温速度で保持温度になるまで昇温を行い、当該保持温度で一定時間保持する熱処理を行うことにより、一次粒子(一次粒子が鱗片状の六方晶窒化ホウ素)が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素粒子を得ることができる。この脱炭結晶化工程においては、炭窒化ホウ素を脱炭化させるとともに、所定の大きさの鱗片状にさせつつ、これらを凝集させて塊状の窒化ホウ素粒子とする。
前記加圧窒化焼成工程及び前記脱炭結晶化工程を経て、鱗片状窒化ホウ素粒子(一次粒子)が凝集した塊状粒子を得ることができる。本実施形態により得られるこの塊状粒子は粒子強度が高いため、粉砕後の平均粒径が2μm以上20μm未満の微粉末となるように粉砕しても、その塊状形態および低い配向性指数を維持できるという効果を奏する。
微粉末を製造するための手法(b)は、気相反応工程、結晶化工程、および粉砕工程を含む。
気相反応工程では、ホウ酸アルコキシドとアンモニアガスとを原料とし、所定の反応温度において気相合成を行うことにより、中間体を得ることができる。気相反応工程では、管状炉(炉温度すなわち気相反応温度としては750℃以上が好ましく、750~1,600℃とすることがより好ましい)を用いることができ、キャリアガスとして不活性ガス気流を使い、当該不活性ガス気流中でホウ酸アルコキシドを揮発させることによってアンモニアガスとの気相反応を起こさせることができる。
結晶化工程では、気相反応工程で得られた中間体を鱗片状窒化ホウ素にする。結晶化工程の温度条件では、昇温を開始してから1000℃まではアンモニアガス20体積%以下、より好ましくは15体積%以下を含むアンモニア雰囲気下で昇温することができる。当該アンモニア雰囲気にはその他のガスとして不活性ガスが含まれ、好ましくは窒素またはアルゴンを含めることができる。
上記の気相合成工程及び結晶化工程を経て得られた鱗片状窒化ホウ素粉末は、高い粒子強度を有しているため、上述した平均粒径を有するようにして二次粒子(凝集粒子)を粉砕しても、依然として塊状形態および低い配向性指数を維持することが可能である。したがって手法(a)と同様に粉砕工程を行うことができる。
粗粉末は、以下の手法(c)、または公知のスプレードライ法によっても製造可能である。
粗粉末を製造するための手法(c)は、原料として炭素量18%以上21%以下かつ平均粒径6μm以上55μm以下の炭化ホウ素を用いる加圧窒化焼成工程、および脱炭結晶化工程を含む。
原料として平均粒径が6μm以上55μm以下かつ炭素量18%以上21%以下の炭化ホウ素を用いること以外は、手法(a)の加圧窒化焼成工程と同様に行い、炭窒化ホウ素を得ることができる。
上記の加圧窒化焼成工程で得られる炭窒化ホウ素を用いることを除き、手法(a)の脱炭結晶化工程と同様に行うことで、粗粉末を得ることができる。
本発明の或る実施形態によれば、上述した塊状窒化ホウ素粉末を含めるようにして用い、熱伝導樹脂組成物を製造することもできる。この熱伝導樹脂組成物の製造方法は、公知の製造方法を用いることができる。得られた熱伝導樹脂組成物は、放熱部材等に幅広く使用することができる。
熱伝導樹脂組成物に使用する樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリアミド(例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等)、ポリエステル(例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル-アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂等を用いることができる。特にエポキシ樹脂(好適にはナフタレン型エポキシ樹脂)は、耐熱性と銅箔回路への接着強度が優れていることから、プリント配線板の絶縁層として好適である。また、シリコーン樹脂は耐熱性、柔軟性及びヒートシンク等への密着性が優れていることから熱インターフェース材として好適である。
(1)平均粒径
平均粒径は、ベックマンコールター社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置(LS-13 320)を用いて、測定処理の前に試料にホモジナイザーをかけずに測定した。また、得られた平均粒径は体積統計値による平均粒径である。
JIS R1639-5:2007に準じて測定を実施した。測定装置としては、微小圧縮試験器(島津製作所社製「MCT-W500」)を用いた。粒子強度(σ:単位MPa)は、粒子内の位置によって変化する無次元数(α=2.48)と圧壊試験力(P:単位N)と粒子径(d:単位μm)からσ=α×P/(π×d2)の式を用いて20粒子以上で測定を行い、累積破壊率63.2%の時点での値を算出した。なお、平均粒径が2μm未満では、粒径が小さすぎるため粒子強度の算出が不可であった。
配向度の測定にはX線回折装置(リガク社製ULTIMA-IV)を用いた。微粉末と粗粉末のそれぞれを、固めて試料を作成し、試料にX線を照射して窒化ホウ素の(002)面と(100)面のピーク強度比(002)/(100)を算出して評価した。
熱伝導率は、微粉末と粗粉末とを有する塊状窒化ホウ素粉末を含んだ熱伝導樹脂組成物から作成したシートを測定用試料として、測定を行った。熱伝導率(H:単位W/(m・K))は、熱拡散率(A:単位m2/sec)と密度(B:単位kg/m3)、比熱容量(C:単位J/(kg・K))から、H=A×B×Cとして、算出した。熱拡散率は、測定用試料としてシートを幅10mm×10mm×厚み0.5mmに加工し、レーザーフラッシュ法により求めた。測定装置はキセノンフラッシュアナライザ(NETZSCH社製「LFA447NanoFlash」)を用いた。密度はアルキメデス法を用いて求めた。比熱容量は、DSC(リガク社製「ThermoPlus Evo DSC8230」)を用いて求めた。熱伝導率の合格値は15W/(m・K)以上とした。
炭化ホウ素の炭素量は炭素/硫黄同時分析計「IR-412型」(LECO社製)にて測定した。
実施例1は、以下のように、窒化ホウ素粉末を合成し、樹脂に充填した。
日本電工製オルトホウ酸(以下、「ホウ酸」とも略記する)100部と、デンカ株式会社製アセチレンブラック(商品名HS100)35部とをヘンシェルミキサーを用いて混合したのち、黒鉛製のルツボ中に充填し、アーク炉にて、アルゴン雰囲気で、2200℃にて5時間加熱し炭化ホウ素(B4C)を合成した。合成した炭化ホウ素塊をボールミルで1時間40分粉砕し、篩網を用いて粒径75μm以下に篩分け、更に硝酸水溶液で洗浄して鉄分等不純物を除去後、濾過・乾燥して平均粒径10μmの炭化ホウ素粉末を作製した。得られた炭化ホウ素粉末の炭素量は19.9%であった。
合成した炭化ホウ素を窒化ホウ素製のルツボに充填した後、抵抗加熱炉を用い、窒素ガス雰囲気下で、2000℃、9気圧(0.8MPa)の条件で10時間加熱することにより炭窒化ホウ素(B4CN4)を得た。
合成した炭窒化ホウ素100部と、ホウ酸100部とをヘンシェルミキサーを用いて混合したのち、窒化ホウ素製のルツボに充填し、抵抗加熱炉を用い0.3MPaの圧力条件で、窒素ガスの雰囲気で、室温から1000℃までの昇温速度を10℃/min、1000℃からの昇温速度を2℃/minとして、保持温度2000℃まで昇温した。当該保持温度2000℃にて、保持時間5時間で加熱することにより、一次粒子が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素を合成した。
合成した塊状窒化ホウ素をヘンシェルミキサーにより解砕をおこなった後、篩網を用いて、篩目850μmのナイロン篩にて分級を行った。その後、ジェットミル(第一実業社製PJM-80)にて0.3MPaの粉砕条件にて粉砕を行い、塊状窒化ホウ素の微粉末を得た。
日本電工製オルトホウ酸(以下、「ホウ酸」とも略記する)100部と、デンカ株式会社製アセチレンブラック(商品名HS100)35部とをヘンシェルミキサーを用いて混合したのち、黒鉛製のルツボ中に充填し、アーク炉にて、アルゴン雰囲気で、2200℃にて5時間加熱し炭化ホウ素(B4C)を合成した。合成した炭化ホウ素塊をボールミルで40分粉砕し、篩網を用いて粒径75μm以下に篩分け、更に硝酸水溶液で洗浄して鉄分等不純物を除去後、濾過・乾燥して平均粒径33μmの炭化ホウ素粉末を作製した。得られた炭化ホウ素粉末の炭素量は20.0%であった。
合成した炭化ホウ素を窒化ホウ素製のルツボに充填した後、抵抗加熱炉を用い、窒素ガスの雰囲気で、2000℃、9気圧(0.8MPa)の条件で10時間加熱することにより炭窒化ホウ素(B4CN4)を得た。
合成した炭窒化ホウ素100部と、ホウ酸200部とをヘンシェルミキサーを用いて混合したのち、窒化ホウ素製のルツボに充填し、抵抗加熱炉を用い0.3MPaの圧力条件で、窒素ガス雰囲気下で、室温から1000℃までの昇温速度を10℃/min、1000℃からの昇温速度を2℃/minとして、保持温度2000℃まで昇温し、当該保持温度2000℃にて保持時間10時間で加熱することにより、一次粒子が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素を合成した。
得られた塊状窒化ホウ素粉末の樹脂への充填材としての特性を評価するため、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名HP4032)100部と硬化剤としてイミダゾール類(四国化成社製、商品名2E4MZ-CN)10部の混合物を100体積%として、塊状窒化ホウ素粉末が55体積%となるように混合し、PET製シートの上に厚みが1.0mmになるように塗布した後、500Paの減圧脱泡を10分間行った。その後、温度150℃、圧力160kg/cm2条件で60分間のプレス加熱加圧を行って0.5mmのシートとした。
実施例2では以下のように、気相反応工程を含む手法(b)に則って微粉末を合成した。
炉心管を抵抗加熱炉に設置し温度1000℃に加熱した。ホウ酸トリメチル(多摩化学株式会社製「TMB-R」)を窒素バブリングにより導入管を通して炉心管に導入し、一方、アンモニアガス(純度99.9%以上)も、導入管を経由して炉心管に導入した。導入されたホウ酸トリメチルとアンモニアはモル比1:1.2で、炉内で気相反応し、反応時間10秒で合成することにより白色粉末を生成した。生成した白色粉末を回収した。
回収した白色粉末を窒化ホウ素製ルツボに充填し、誘導加熱炉にセットした後、窒素とアンモニア混合雰囲気で、温度1000℃までは、10体積%アンモニアガスを含んだ雰囲気下にて昇温し、1000℃以上では50体積%アンモニアガスを含んだ雰囲気下にて、保持温度である1800℃まで昇温し、当該保持温度で5時間加熱し、焼成終了後、冷却し、焼成物を回収した。
合成した塊状窒化ホウ素をヘンシェルミキサーにより解砕をおこなった後、篩網を用いて、篩目850μmのナイロン篩にて分級を行った。その後、ジェットミル(第一実業社製PJM-80)にて0.3MPaの粉砕条件にて粉砕を行い、塊状窒化ホウ素微粉末を得た。
実施例3は窒化ホウ素微粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕時間を1時間20分に変更し、「平均粒径14μmの炭化ホウ素」を合成したこと以外は実施例1と同様の条件で微粉末を製造し、かつ窒化ホウ素粗粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕時間を20分にし「平均粒径45μmの炭化ホウ素」を合成したこと以外は実施例1と同様の条件で行った。実施例1と同様に、樹脂への充填を行った。
実施例4では、窒化ホウ素微粉末のジェットミル粉砕圧を0.5MPaにしたこと以外は実施例2と同様の条件で微粉末を調製した。また窒化ホウ素粗粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕時間を1時間40分にし「平均粒径10μmの炭化ホウ素」を合成したこと以外は実施例1と同様の条件で、粗粉末を調製した。実施例1と同様に、樹脂への充填を行った。
実施例5では、窒化ホウ素粗粉末の合成方法としてスプレードライによる造粒をおこなった。すなわち、酸素含有量が2.4%、BN純度96.3%、及び平均粒径が3.8μmであるアモルファス窒化ホウ素粉末、酸素含有量が0.1%、BN純度98.8%、及び平均粒径が12.8μmである六方晶窒化ホウ素粉末、炭酸カルシウム(白石工業社製「PC-700」)、及び水を、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、ボールミルで粉砕し、水スラリーを得た。さらに、水スラリー100質量部に対して、ポリビニルアルコール樹脂(日本合成化学社製「ゴーセノール」)を0.5質量部添加し、溶解するまで50℃で加熱撹拌した後、噴霧乾燥機にて乾燥温度230℃で球状化処理を行った。なお、噴霧乾燥機の球状化装置としては、回転式アトマイザーを使用した。得られた処理物をバッチ式高周波炉にて焼成した後、焼成物に解砕及び分級処理を行い、粗粉末を得た。その原料配合割合は、アモルファス窒化ホウ素15質量%、六方晶窒化ホウ素6質量%、炭酸カルシウム1質量%、水78%とし、ボールミル粉砕時間は5時間とし、噴霧乾燥条件はアトマイザー回転数7000ppm、焼成温度1850℃、5時間とした。
実施例6および7は、微粉末と粗粉末の配合割合を変更した以外は実施例1と同様の条件で行った。実施例1と同様に樹脂への充填を行った。
実施例8は、窒化ホウ素微粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕を1時間20分に変更し、「平均粒径14μmの炭化ホウ素(炭素量19.8%)」を合成し、凝集窒化ホウ素をジェットミル粉砕圧0.5MPaにて粉砕したこと以外は、実施例1と同様の条件で行った。実施例1と同様に、樹脂への充填を行った。
実施例9は、窒化ホウ素微粉末の製造において、1000℃からの昇温速度を0.5℃/minで昇温をしたこと以外は実施例1と同様の条件で行った。実施例1と同様に、樹脂への充填を行った。
比較例1は、窒化ホウ素微粉末を用いなかったこと以外は実施例1と同様の条件で行った。
比較例2は、窒化ホウ素微粉末を用いなかったこと以外は実施例2と同様の条件で行った。
比較例3は、窒化ホウ素微粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕を5時間に変更し、「平均粒径2μmの炭化ホウ素炭素量(19.3%)」を合成し凝集窒化ホウ素を合成したこと以外は実施例1と同様の条件で行った。
比較例4は、窒化ホウ素微粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕時間を45分に変更し、「平均粒径25μmの炭化ホウ素(炭素量19.6%)」を合成したこと以外は実施例3と同様の条件で行った。
比較例5は、窒化ホウ素粗粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕時間を10分に変更し、「平均粒径70μmの炭化ホウ素(炭素量19.8%)」を合成したこと以外は実施例1と同様の条件で行った。
比較例6は、窒化ホウ素微粉末用の炭化ホウ素合成時の粉砕時間を45分に変更し、「平均粒径25μmの炭化ホウ素(炭素量20.0%)」を合成し、ジェットミル粉砕圧を0.5MPaにし、粗粉がなくなるまで粉砕したこと以外は実施例1と同様の条件で行った。
比較例7は、窒化ホウ素微粉末の製造において1000℃からの昇温速度を10℃/minで昇温した以外は実施例1と同様の条件で行った。
比較例8および9は、微粉末と粗粉末の配合割合を変更した以外は実施例1と同様の条件で行った。
Claims (3)
- 以下の(A)~(C)の特徴を有する、一次粒子が鱗片状の六方晶窒化ホウ素が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素微粉末を用意するステップと、
(A)前記塊状窒化ホウ素微粉末の塊状粒子における累積破壊率63.2%時の粒子強度が5.0MPa以上であること。
(B)前記塊状窒化ホウ素微粉末の平均粒径が2μm以上20μm未満であること。
(C)前記塊状窒化ホウ素微粉末のX線回折から求められる配向性指数の値が20以下であること。
以下の(D)~(F)の特徴を有する、一次粒子が鱗片状の六方晶窒化ホウ素が凝集して塊状になった塊状窒化ホウ素粗粉末を用意するステップと、
(D)前記塊状窒化ホウ素粗粉末の塊状粒子における累積破壊率63.2%時の粒子強度が5.0MPa以上であること。
(E)前記塊状窒化ホウ素粗粉末の平均粒径が20μm以上100μm以下であること。
(F)前記塊状窒化ホウ素粗粉末のX線回折から求められる配向性指数の値が10以下であること。
前記塊状窒化ホウ素微粉末と前記塊状窒化ホウ素粗粉末とを、前記塊状窒化ホウ素微粉末の含有割合が7質量%以上50質量%以下の範囲となるように、かつ前記塊状窒化ホウ素微粉末の平均粒径を、前記塊状窒化ホウ素粗粉末の平均粒径で割った値が、0.07以上0.20以下となるようにして混合し、塊状窒化ホウ素粉末を得るステップと
を含む、塊状窒化ホウ素粉末の製造方法。 - 前記塊状窒化ホウ素微粉末の平均粒径を、前記塊状窒化ホウ素粗粉末の平均粒径で割った値が、0.08以上0.19以下である、請求項1に記載の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法により得られる塊状窒化ホウ素粉末を用いる、放熱部材の製造方法。
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