JP2016108457A - 樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた電気絶縁性と厚さ方向の熱伝導性とを有する樹脂組成物を提供する。【解決手段】樹脂組成物中の六方晶窒化ホウ素粉末(B)は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有し、その粒径分布曲線は粒径1μm超過500μm以下の範囲内に初期の極大ピークを1つ有する。超音波照射処理を施した場合には粒径分布曲線が変化し、下記の3つの条件を全て満足する粒径分布曲線となる特性を有している。(条件1)粒径1μm以上20μm以下の範囲内に第一の極大ピークを有する。(条件2)粒径1μm超過350μm以下の範囲内であり、第一の極大ピークよりも大きい粒径で且つ初期の極大ピーク以下の粒径に第二の極大ピークを有する。(条件3)第一の極大ピークの高さと第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]が0.1以上8.0以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物及びその製造方法に関する。
近年、電気部品、電子部品は小型化やハイパワー化によって発熱量が増大しているため、狭いスペースの中で電気部品、電子部品から発生する熱を如何に放熱するかが問題となっている。この問題を解消する方法の一つとして、電気部品、電子部品の発熱部とこの発熱部の熱を放熱する放熱部材との間に、絶縁性及び熱伝導性を有する接着剤又は接着シートを介在させて、発熱部から放熱部材へ熱を効率よく伝導させる手段が知られている。これらの接着剤や接着シートは、高熱伝導性を有する無機化合物フィラーを熱硬化性樹脂に充填した組成物で形成されている。しかしながら、電気部品、電子部品からの発熱量はさらに増大する傾向にあるため、これらに使用される接着剤や接着シートにはさらなる熱伝導性の向上が求められている。
そこで、近年においては、接着剤や接着シートの厚さ方向の熱伝導性を改善するため、六方晶窒化ホウ素(hBN)を放熱フィラーとして活用する技術が注目を集めている。六方晶窒化ホウ素の一次粒子は、その結晶構造がグラファイト類似の6角網目の層状構造であるとともに、粒子形状が鱗片状であり、その鱗片状粒子の厚さ方向の熱伝導率に対して面方向の熱伝導率が約20倍(60〜80W/m・K)と、熱伝導率に異方性がある。
一方、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子は、熱伝導率が等方的であり、この凝集粒子を含有する成形体の厚さ方向の熱伝導性を大幅に改善することができる絶縁性の放熱フィラーである。
この六方晶窒化ホウ素の凝集粒子を放熱フィラーとして用いて熱伝導性を改善する方法として、例えば、以下の技術が提案されている。
特許文献1には、六方晶窒化ホウ素の一次粒子と六方晶窒化ホウ素の凝集粒子の混合物を放熱フィラーとして用いて作製した接着シートが開示されている。また、特許文献2には、六方晶窒化ホウ素の凝集粒子と、それよりも小さな粒径のアルミナとを組み合わせて放熱フィラーとして用い、大粒径の六方晶窒化ホウ素の凝集粒子を変形させることによって放熱フィラーを最密化して作製した接着シートが開示されている。さらに、特許文献3には、破壊強度が異なり且つ一次粒子の平均長径が異なる2種の六方晶窒化ホウ素の凝集粒子を混合し、一方の六方晶窒化ホウ素の凝集粒子の凝集を接着シート内で崩壊させることによって高い熱伝導率と電気絶縁性を両立させた接着シートが開示されている。
特開2008−189818号公報 特開2013−39834号公報 特開2011−6586号公報
しかしながら、熱伝導率を向上させるために六方晶窒化ホウ素のみを高充填にした場合には、接着剤や接着シートの電気絶縁性、特に絶縁破壊電圧性能(耐電圧性能)や接着性が低下するという問題があった。
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、優れた電気絶縁性と厚さ方向の熱伝導性とを有する樹脂組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の[1]〜[5]の通りである。
[1] 樹脂成分(A)と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有する六方晶窒化ホウ素粉末(B)と、を含有する樹脂組成物であって、
高化式フローテスターを用いて150℃で測定した溶融粘度が0.01Pa・s以上500Pa・s以下であり、
前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)のBET比表面積は10m/g超過15m/g未満であり、
前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)の粒径分布曲線は粒径1μm超過500μm以下の範囲内に極大ピークを1つ有し、この極大ピークを初期の極大ピークとし、
前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)は、前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)を水に分散させた分散液に発振周波数19.5kHzの超音波を照射して前記凝集粒子の凝集を破壊する破壊処理を施した場合に前記粒径分布曲線が変化し、下記の3つの条件を全て満足する粒径分布曲線となる特性を有していることを特徴とする六方晶窒化ホウ素粉末。
(条件1)粒径1μm以上20μm以下の範囲内に第一の極大ピークを有する。
(条件2)粒径1μm超過350μm以下の範囲内であり、前記第一の極大ピークよりも大きい粒径で且つ前記初期の極大ピーク以下の粒径に第二の極大ピークを有する。
(条件3)前記第一の極大ピークの高さと前記第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]が0.1以上8.0以下である。
[2] 前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外のセラミックス粉末(C)をさらに含有することを特徴とする[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記樹脂成分(A)の含有量が5質量%以上40質量%以下、前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)の含有量が5質量%以上75質量%以下、前記セラミックス粉末(C)の含有量が10質量%以上90質量%以下であることを特徴とする[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 前記セラミックス粉末(C)がアルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、ガラスビーズ、酸化亜鉛粉末、マグネシア粉末、及びシリカ粉末から選択される1種以上であることを特徴とする[2]又は[3]に記載の樹脂組成物。
[5] 六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有する六方晶窒化ホウ素粉末と、樹脂成分とを混合して樹脂組成物を製造する方法であって、
前記六方晶窒化ホウ素粉末は、BET比表面積が10m/g超過15m/g未満であり且つ粒径分布曲線が粒径1μm超過500μm以下の範囲内に極大ピークを初期の極大ピークとして1つ有し、
前記六方晶窒化ホウ素粉末を水に分散させた分散液に、発振周波数19.5kHzの超音波を照射し、
その超音波を照射した六方晶窒化ホウ素粉末の粒径分布を測定して粒径分布曲線を得て、
その粒径分布曲線が下記の3つの条件を全て満足した場合に、超音波を照射していない六方晶窒化ホウ素粉末と樹脂成分とを混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
(条件1)粒径1μm以上20μm以下の範囲内に第一の極大ピークを有する。
(条件2)粒径1μm超過350μm以下の範囲内であり、前記第一の極大ピークよりも大きい粒径で且つ前記初期の極大ピーク以下の粒径に第二の極大ピークを有する。
(条件3)前記第一の極大ピークの高さと前記第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]が0.1以上8.0以下である。
本発明の樹脂組成物は、優れた電気絶縁性と厚さ方向の熱伝導性と、さらには良好な空隙率及び流動性を有する。また、本発明の樹脂組成物の製造方法は、優れた電気絶縁性と厚さ方向の熱伝導性と、さらには良好な空隙率及び流動性を有する樹脂組成物を製造することができる。
製造例1の六方晶窒化ホウ素粉末aの超音波照射処理前及び後の粒径分布曲線である。 製造例2の六方晶窒化ホウ素粉末bの超音波照射処理前及び後の粒径分布曲線である。 比較製造例1の六方晶窒化ホウ素粉末cの超音波照射処理前及び後の粒径分布曲線である。 比較製造例2の六方晶窒化ホウ素粉末dの超音波照射処理前及び後の粒径分布曲線である。 比較製造例3の六方晶窒化ホウ素粉末eの超音波照射処理前及び後の粒径分布曲線である。 比較製造例4の六方晶窒化ホウ素粉末fの超音波照射処理前及び後の粒径分布曲線である。
本発明に係る樹脂組成物及びその製造方法の実施の形態を、以下に詳細に説明する。
本発明者らは、下記のような六方晶窒化ホウ素粉末を樹脂組成物にフィラーとして配合すると、優れた電気絶縁性と厚さ方向の熱伝導性と、良好な空隙率及び流動性が樹脂組成物に付与されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末は、特定のBET比表面積を有し且つ粒径分布曲線において特定位置に極大ピークを1つ有している。さらに、本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末は、超音波照射処理によって凝集を破壊する破壊処理を施すと、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子の凝集が破壊されて粒径分布曲線が変化し、特定位置に特定高さの極大ピークを2つ有する粒径分布曲線となる特性を有している。以下に、本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末について詳述する。なお、本発明においては、六方晶窒化ホウ素粉末とは、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有する粉末を意味する。
<(1)六方晶窒化ホウ素粉末(B)について>
本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末のBET比表面積は、六方晶窒化ホウ素粉末が配合された樹脂組成物の熱伝導性と流動性のバランスの観点から、10m/g超過15m/g未満であり、好ましくは10m/g超過13m/g以下である。BET比表面積は、例えば、ユアサアイオニクス株式会社製の全自動BET比表面積測定装置マルチソーブ16を用いて測定することができる。
また、本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末の粒径分布曲線は、粒径1μm超過500μm以下の範囲内に極大ピーク(以下「初期の極大ピーク」と記す)を1つ有している。そして、超音波照射処理を施すことによって粒径分布曲線が変化し、下記の3つの条件を全て満足する粒径分布曲線となる特性を有している。
(条件1)粒径1μm以上20μm以下の範囲内に第一の極大ピークを有する。
(条件2)粒径1μm超過350μm以下の範囲内であり、第一の極大ピークよりも大きい粒径で且つ初期の極大ピーク以下の粒径に第二の極大ピークを有する。
(条件3)第一の極大ピークの高さと第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]が0.1以上8.0以下である。
なお、本発明における粒径分布曲線は、粒径頻度分布曲線である。また、本発明においては、粒径分布曲線の極大ピークとは、縦軸を存在比率、横軸を粒径とした粒径分布曲線を微分して得られる一次導関数の符号が正から負又は負から正へ変化するようなピークを意味する。つまり、いわゆる肩ピークは極大ピークには含まれない。ただし、隣り合った2つの極大ピークの間に存在する極小ピークでの存在比率(R1)に対する、上記隣り合った2つの極大ピークのうちの低い方の極大ピークの存在比率(R2)の比、すなわちR2/R1が、1.0超1.1以下である場合には、その低い方の極大ピークは、本発明における極大ピークとみなさない。
また、超音波照射処理を施すことによって第一の極大ピーク及び第二の極大ピークの一方又は両方を複数有する粒径分布曲線に変化する場合があるが、その場合には、複数の極大ピークのうち最も小径な第一の極大ピークと、複数の極大ピークのうち最も大径な第二の極大ピークを、条件3における比の算出に採用する。
さらに、超音波照射処理とは、例えば下記のような処理である。六方晶窒化ホウ素粉末0.06gを水50gに分散させて分散液とし、この分散液に出力150Wで3分間、発振周波数19.5kHzの条件で、超音波を照射する。超音波を照射する装置は特に限定されるものではないが、振動素子がボルト締め電歪型である超音波装置を使い、発振周波数19.5±1kHzの条件で照射することが好ましく、例えば、株式会社日本精機製作所製の超音波ホモジナイザー US−150Vを使用することができる。
さらに、超音波照射処理前後の六方晶窒化ホウ素粉末の粒径分布の測定方法は、例えば下記のような方法があげられる。六方晶窒化ホウ素粉末を界面活性剤により純水中に分散させ、粒径分布をレーザ回折・散乱法により測定する。粒径分布の測定装置は、例えば、日機装株式会社製の粒度分布計マイクロトラックMT3300EXIIを使用することができる。
第一の極大ピークは、六方晶窒化ホウ素粉末の凝集粒子の凝集が超音波照射処理によって破壊されて生成した小径の凝集粒子及び一次粒子に起因するピークであると想定することができる。また、第二の極大ピークは、超音波照射処理によっても凝集が破壊されず残存した元の凝集粒子(超音波照射処理前の凝集粒子)に起因するピークであると想定することができる。すなわち、本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末は、特定の刺激が外部から付与された際に凝集が破壊されやすい凝集粒子と凝集が破壊されにくい凝集粒子とを含んでいる。
このような六方晶窒化ホウ素粉末(B)を樹脂組成物にフィラーとして配合すると、外部から付与される刺激によって六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子の凝集が破壊されるため、樹脂組成物に含有される六方晶窒化ホウ素粉末(B)は、元の凝集粒子の凝集が破壊されて生成した小径の凝集粒子及び一次粒子と、凝集が破壊されず残存した元の凝集粒子とが併存する状態となると想定できる。
したがって、上記の特性を有する六方晶窒化ホウ素粉末(B)の配合によって、優れた電気絶縁性、特に絶縁破壊電圧性能(耐電圧性能)と、優れた厚さ方向の熱伝導性とを樹脂組成物に付与することができる。また、本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末(B)は樹脂組成物中に高充填率で充填可能であるため、空隙率が低くなり、電気絶縁性及び熱伝導性の安定性を高めることができる。
六方晶窒化ホウ素粉末(B)の粒径分布曲線は、粒径1μm超過500μm以下の範囲内に初期の極大ピークを1つだけ有しており、粒径10μm以上300μm以下の範囲内に初期の極大ピークを1つだけ有することがより好ましい。この範囲内に初期の極大ピークを1つだけ有していれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を配合した樹脂組成物を約200μmあるいはそれ以下の厚さのシートに加工したときの六方晶窒化ホウ素粉末(B)の分散性が好適である。
また、第一の極大ピークは、粒径1μm以上20μm以下の範囲内にあり、粒径3μm以上19μm以下の範囲内にあることがより好ましい。第一の極大ピークが粒径1μm以上であれば、樹脂組成物中において六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子間の接触抵抗が小さくなって熱伝導率が向上する傾向がある。一方、第一の極大ピークが粒径20μm以下であれば、樹脂組成物中の六方晶窒化ホウ素粉末(B)の充填構造が最密化しやすいので、同様に凝集粒子間の接触抵抗が小さくなって熱伝導率が向上する傾向がある。
さらに、第二の極大ピークは、粒径1μm超過350μm以下の範囲内にあり、粒径5μm以上150μm以下の範囲内にあることがより好ましい。第二の極大ピークが粒径1μm超過であれば、樹脂組成物中において六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子間の接触抵抗が小さくなるので、樹脂組成物をシート状、板状に成形した場合にシート状部材、板状部材の厚さ方向の熱伝導率が向上する傾向がある。一方、第二の極大ピークが粒径350μm以下であれば、樹脂組成物をシート状、板状に成形した場合にシート状部材、板状部材の厚さに対して六方晶窒化ホウ素粉末(B)の大きさが十分に小さいので、シート状部材、板状部材の表面は凹凸が小さく滑らかとなり、シート状部材、板状部材の作製時にクラックが発生しにくく、また優れた電気絶縁性(特に耐電圧)が得られやすい。
さらに、第一の極大ピークの高さと第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]は0.1以上8.0以下であり、0.4以上4.0以下がより好ましく、0.5以上3.0以下がさらに好ましい。前記比が0.1以上であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子の凝集が適度に破壊されていることになるので、樹脂組成物中の六方晶窒化ホウ素粉末(B)の充填構造が最密化しやすい。一方、前記比が8.0以下であれば、凝集が破壊されず残存した元の凝集粒子が適度に残存していることになるので、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が樹脂組成物に配合された場合の問題、すなわち、六方晶窒化ホウ素の一次粒子の形状が鱗片状であることに由来する熱伝導率の異方性の問題、及び、六方晶窒化ホウ素の一次粒子は比表面積が大きいことに由来する問題が生じにくく、厚さ方向の熱伝導性能が優れている。
さらに、六方晶窒化ホウ素粉末(B)は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有するため、例えば六方晶窒化ホウ素粉末(B)をフィラーとして配合した樹脂組成物からシートを成形した場合には、シート内における六方晶窒化ホウ素粉末(B)の充填率を上げても、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が一定の方向に配向することが防止又は抑制される。
さらに、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の純度、すなわち、六方晶窒化ホウ素粉末(B)中の六方晶窒化ホウ素の含有率は、熱伝導性及び絶縁性の向上の観点から、96質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、99.5質量%以上が最も好ましい。
さらに、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の嵩密度は、樹脂組成物にフィラーとして配合した場合の充填性の向上の観点から、0.2g/cm以上が好ましく、0.3g/cm以上がより好ましく、0.4g/cm以上がさらに好ましい。嵩密度の測定方法は特に限定されるものではないが、容量300mLのメスシリンダーに100gの六方晶窒化ホウ素粉末(B)を投入し、振とう機によって3分間振動させた後の振動嵩密度により、嵩密度を測定することができる。
<(2)六方晶窒化ホウ素粉末(B)の製造方法について>
粒径分布曲線が粒径1μm超過500μm以下の範囲内に初期の極大ピークを1つ有し、且つ、超音波照射処理を施すと粒径分布曲線が前記3つの条件を全て満足するように変化する特性を有している本実施形態の六方晶窒化ホウ素粉末(B)は、以下に示す方法により製造することができる。
すなわち、20質量%以上90質量%以下の窒化ホウ素と10質量%以上80質量%以下の酸化ホウ素(B)からなる粗製六方晶窒化ホウ素粉末を、例えばタブレット状に成形した後に、窒素ガスを含む雰囲気下で焼成して、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有する六方晶窒化ホウ素粉末(B)を得る方法である。
なお、この六方晶窒化ホウ素粉末(B)の製造方法においては、焼成後に、粉砕及び分級の少なくとも一方をさらに実施して六方晶窒化ホウ素粉末(B)を得ることが好ましく、その中でも粉砕及び分級の両方を実施する、いわゆるブレークダウン法によって、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を得ることがより好ましい。
また、六方晶窒化ホウ素の鱗片状一次粒子又は低結晶性の粗製六方晶窒化ホウ素粉末を液状分散媒に分散させたスラリーを空気中で噴霧乾燥させ、さらにバインダー成分の存在下で噴霧乾燥させる、いわゆるボトムアップ法によって、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を製造することもできる。このボトムアップ法の場合は、前述のブレークダウン法における粗製六方晶窒化ホウ素粉末を成形するプロセスや焼成後に粉砕するプロセスは必要ない。また、このボトムアップ法の場合は、高強度且つシャープな粒径分布を有する球状の顆粒からなる粉末を生成させることができる。
六方晶窒化ホウ素粉末(B)を配合することにより、樹脂組成物に対して高耐電圧、高熱伝導性、低空隙率、及び溶融流動性(加工性)を付与するためには、ブレークダウン法により六方晶窒化ホウ素粉末(B)を製造することが最も好ましい。
次に、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の製造方法について、さらに詳細に説明する。まず、原料となる粗製六方晶窒化ホウ素粉末について説明し、次いで六方晶窒化ホウ素粉末(B)の製造のための成形、焼成、粉砕及び分級の各工程について説明する。
〔(I)原料である粗製六方晶窒化ホウ素粉末について〕
粗製六方晶窒化ホウ素粉末は、20質量%以上90質量%以下の窒化ホウ素と10質量%以上80質量%以下の酸化ホウ素を含有する。この粗製六方晶窒化ホウ素粉末は、後述するとおり容易に製造することができる。
粗製六方晶窒化ホウ素粉末中の窒化ホウ素の含有量が20質量%以上であると、当該粗製六方晶窒化ホウ素粉末を原料として用いて六方晶窒化ホウ素粉末(B)を高効率にて製造することができる。また、窒化ホウ素の含有量が90質量%以下であると、原料である粗製六方晶窒化ホウ素粉末を高効率にて製造することができる。これらの観点から、粗製六方晶窒化ホウ素粉末中の窒化ホウ素の含有量は、25質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、35質量%以上がさらに好ましく、また、85質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下がさらに好ましく、また、25質量%以上85質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましく、35質量%以上75質量%以下がさらに好ましい。
なお、粗製六方晶窒化ホウ素粉末における窒化ホウ素及び酸化ホウ素の合計の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、100質量%が最も好ましい。粗製六方晶窒化ホウ素粉末は、本発明の効果を阻害しない範囲内において、その他の成分を含有していてもよいが、粗製六方晶窒化ホウ素粉末におけるその他の成分の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、その他の成分を含有していないことが最も好ましい。
〔(II)粗製六方晶窒化ホウ素粉末の製造方法について〕
粗製六方晶窒化ホウ素粉末は、酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物とを混合し成形した後に、加熱し、粉砕することによって好適に得ることができる。先ず、粗製六方晶窒化ホウ素粉末の製造に用いられる原料である酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物について説明し、次いで、混合、成形、加熱及び粉砕の各工程について説明する。
〔(II−1)酸化ホウ素について〕
酸化ホウ素は、ホウ素及び酸素を含む化合物であり、ホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂等を挙げることができる。
ホウ酸としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、テトラホウ酸(H)、無水ホウ酸(B)など、一般式(B)・X(HO)〔ただしXは0以上3以下の数〕で示される化合物の1種又は2種以上があげられる。これらの中でもオルトホウ酸は、入手が容易でメラミン等のアミノ基を有する化合物との混合性が良好であるため、好適に使用することができる。
〔(II−2)アミノ基を有する化合物について〕
アミノ基を有する化合物としては、アミノトリアジン化合物、グアニジン化合物、尿素等があげられる。アミノトリアジン化合物としては、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、及びそれらの縮合物であるメラム、メレム、メロン等を例示できる。
これらの化合物の中でも、メラミン、グアニジン等のように、アミノ基とアミノ基以外の部位とのそれぞれに窒素原子を有する化合物が好ましい。
〔(II−3)酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物との混合について〕
酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物との混合方法には特に制限はなく、湿式混合及び乾式混合のいずれでもよいが、湿式混合が好ましい。湿式混合を行うことにより、まず前駆体が形成される。例えば、ホウ酸又は無水ホウ酸とメラミンとを混合したものに水を加えると、C(NH・HBO)の分子式で示される前駆体が得られる。湿式混合は、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダー等の一般的な混合装置を用いて行うことができる。
酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物との配合割合は、酸化ホウ素中のホウ素原子(B)とアミノ基を有する化合物中の窒素原子(N)との原子比(B/N)が1/3〜2/1となる割合が好ましい。原子比(B/N)が1/3以上であると、水の存在下で前駆体にならないアミノ基を有する化合物が残存することが防止又は抑制されるため、アミノ基を有する化合物が焼成中に炭化し窒化ホウ素を黒色化又は褐色化することが防止又は抑制される。また、原子比(B/N)が2/1以下までは、ホウ素原子が多いほど結晶性の良い六方晶窒化ホウ素が得られる。
アミノ基を有する化合物としてメラミンを用いる場合は、酸化ホウ素100質量部に対するメラミンの配合量は、上記観点から、30質量部以上65質量部以下が好ましい。
〔(II−4)酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物の混合物の成形について〕
次に、上記のように酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物の混合により得られた前駆体を含む混合物を、例えばタブレット状に成形することが好ましい。この前駆体を含む混合物を成形して成形体とすることにより、混合物の嵩密度が高くなり、一定容量の加熱装置に多量の混合物を装填できるので、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の生産性が向上する。
〔(II−5)成形体の加熱について〕
次に、上記の成形により得られた成形体を加熱する。この加熱により、成形体中の酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物とが反応し、六方晶窒化ホウ素が生成する。
加熱時の雰囲気は、アンモニア雰囲気又は非酸化性ガス雰囲気が好ましい。非酸化性ガス雰囲気としては、窒素ガス雰囲気、又は、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気が好ましい。これらの中でも、アンモニア雰囲気がより好ましい。
加熱温度は、酸化ホウ素とアミノ基を有する化合物との反応性の向上及び粉砕の容易性の観点から、400℃以上1500℃以下が好ましく、600℃以上1300℃以下がより好ましく、800℃以上1200℃以下がさらに好ましい。
〔(II−6)成形体の粉砕について〕
次に、成形体の加熱により得られた生成物を粉砕することにより、粗製六方晶窒化ホウ素粉末が得られる。粉砕方法には特に制限はなく、ジョー粉砕、粗ロール粉砕等を採用することができる。
〔(III)粗製六方晶窒化ホウ素粉末の成形について〕
六方晶窒化ホウ素粉末(B)を製造するため、粗製六方晶窒化ホウ素粉末を、例えばタブレット状に成形する。成形は、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子の強度の向上、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の生産性、ハンドリングの良さ、反応性の観点で好ましい。
なお、この成形の際には、粗製六方晶窒化ホウ素粉末にバインダーを添加してもよい。このバインダーとしては、特に制限はないが、ポリビニルアルコール(PVA)、ワニス、セルロース、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の樹脂があげられ、好ましくはポリビニルアルコールが用いられる。
〔(IV)成形体の焼成について〕
次に、上記の成形により得られた成形体を焼成する。粗製六方晶窒化ホウ素粉末を加圧成形して成形体としてから焼成することにより、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子が生成する。なお、成形せずに焼成を行った場合は、圧縮破壊強度の高い六方晶窒化ホウ素粉末(B)を十分に製造することができないおそれがある。
焼成時の雰囲気は、窒素ガスを含む雰囲気が好ましい。窒素ガスを含む雰囲気中における窒素ガス濃度は、60体積%以上が好ましく、80体積%以上がより好ましく、90体積%以上がさらに好ましく、99体積%以上が最も好ましい。雰囲気中の酸素ガスの濃度は低い方がよい。
焼成温度は、1000℃以上2200℃以下とすることができる。焼成温度が1000℃以上であると、窒化ホウ素の十分な高純度化が進みやすい。また、2200℃以下であると、六方晶窒化ホウ素の分解が生じにくい。これらの観点から、焼成温度は、1500℃以上2200℃以下が好ましく、1600℃以上2200℃以下がより好ましく、1700℃以上2200℃以下がさらに好ましい。
焼成時間は、1時間以上20時間以下とすることができる。焼成時間が1時間以上であれば、窒化ホウ素の十分な高純度化が進みやすい。また、20時間以下であれば、低コストで焼成を行うことができる。これらの観点から、焼成時間は2時間以上15時間以下が好ましく、3時間以上10時間以下がより好ましい。
なお、焼成の前に成形体の乾燥を行ってもよい。乾燥温度は、150℃以上400℃以下が好ましく、200℃以上400℃以下がより好ましく、乾燥時間は、2時間以上10時間以下が好ましい。
〔(V)成形体の粉砕について〕
次に、成形体の焼成により得られた生成物を粉砕することにより、六方晶窒化ホウ素粉末(B)が得られる。粉砕方法には特に制限はなく、ジョー粉砕、粗ロール粉砕等を採用することができる。
〔(VI)分級について〕
次に、粉砕により得られた粉砕物を分級することが好ましい。分級方法には特に制限はなく、振動篩い装置、気流分級、水篩、遠心分離等により分級することができる。これらの中でも、振動篩い装置により分級することが好ましい。また、六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外の鱗片状の六方晶窒化ホウ素の一次粒子を分級によって取り除き、六方晶窒化ホウ素粉末(B)中の凝集粒子の含有率を高めることもできる。
上記した六方晶窒化ホウ素粉末(B)の製造方法は、粒径分布曲線が粒径1μm超過500μm以下の範囲内に初期の極大ピークを1つ有する六方晶窒化ホウ素粉末(B)を得るために好ましい方法であるが、上記の製造方法に限定されないことは勿論である。すなわち、粒径分布曲線が粒径1μm超過500μm以下の範囲内に初期の極大ピークを1つ有し、且つ、超音波照射処理を施した場合に粒径分布曲線が前記3つの条件を全て満足するように変化する特性を有している六方晶窒化ホウ素粉末(B)が得られるのであれば、他の製造方法により製造してもよい。
また、得られた六方晶窒化ホウ素粉末(B)に超音波照射処理を施して粒径分布を測定し、超音波照射処理後に粒径分布曲線が前記3つの条件を全て満足するように変化していることを確認すれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を使用する前の段階(例えば、樹脂組成物にフィラーとして配合する前に)で、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を含有する樹脂組成物の特性を予想することができる。
<(3)樹脂組成物について>
上記のようにして得られた六方晶窒化ホウ素粉末(B)を樹脂組成物にフィラーとして配合すれば、樹脂組成物に放熱性が付与される。すなわち、本実施形態の樹脂組成物は、樹脂成分(A)と六方晶窒化ホウ素粉末(B)とを含有する。
このような六方晶窒化ホウ素粉末(B)を樹脂成分(A)に配合した樹脂組成物は、樹脂組成物の製造時、樹脂組成物の成形時、又は樹脂組成物の成形物の使用時に外部から付与される刺激によって六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子の凝集が部分的に破壊されるため、樹脂組成物又はその成形物(例えばシート)は、元の凝集粒子の凝集が破壊されて生成した小径の凝集粒子及び一次粒子と、凝集が破壊されず残存した元の凝集粒子とを含有していると想定できる。
よって、樹脂組成物又はその成形物においては、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の各凝集粒子同士の接触頻度が、顕著に促進された状態となっていると想定できる。
そのため、本実施形態の樹脂組成物又はその成形物は、優れた電気絶縁性、特に絶縁破壊電圧性能(耐電圧性能)と、優れた厚さ方向の熱伝導性とを有している。また、六方晶窒化ホウ素粉末(B)は樹脂組成物中に高充填率で充填可能であるため、本実施形態の樹脂組成物又はその成形物は空隙率が低く、電気絶縁性及び熱伝導性の安定性が高い。
本実施形態の樹脂組成物又はその成形物は、優れた絶縁破壊電圧性能(耐電圧性能)と厚さ方向の熱伝導性とを有していることから、パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPU(中央処理装置)等の発熱性の電子部品に対して放熱部材として適用することができる。また、パワー半導体、光半導体を含む半導体素子、半導体装置、回路用金属板、前記金属板からなる回路、回路基板、混成集積回路等の電気部品を固定すると同時に絶縁するための放熱接着剤や放熱シートとして適用することができる。
〔(I)樹脂成分(A)について〕
樹脂成分(A)の種類は特に限定されるものではなく、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、(メタ)アクリロイル基含有樹脂、ビニルエステル樹脂、シリコーン樹脂等をあげることができる。これらの中でも、基材との接着性の観点からエポキシ樹脂を含有するものが好ましい。なお、本願明細書において「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリル」も同様に、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
本実施形態の樹脂組成物の成形物が、例えばパワー半導体モジュールの熱伝導性接着シートとして用いられる場合には、基材との接着性のみならず、耐熱性、耐電圧性が必要になることから、それらの要求特性に合わせた樹脂成分を選択する必要がある。まず、熱硬化性樹脂について説明する。
樹脂成分(A)として、以下のような第1の熱硬化性樹脂(A−1)を使用することができる。すなわち、第1の熱硬化性樹脂(A−1)は、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基の少なくとも1種類の反応性基を1分子中に3個以上有し、反応性基1個あたりの分子量が80以上200未満であり、且つ数平均分子量が300以上1000未満の樹脂である。
第1の熱硬化性樹脂(A−1)は、本実施形態の樹脂組成物の硬化後の架橋密度を上げ、硬化物に耐熱性、耐電圧を付与する目的で配合される。1分子中に有する反応性基が3個以上で、反応性基1個あたりの分子量が200未満であれば、架橋密度が向上して耐熱性が向上する。また、数平均分子量が1000未満であれば、樹脂組成物の流動性が適度となり、成形性が優れている。そのため、成形物に微小クラックやボイドが生じにくく、耐電圧が優れている。
第1の熱硬化性樹脂(A−1)のエポキシ基を有する樹脂としては、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂があげられる。
グルシジルアミン型エポキシ樹脂の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(製品名エポトートYH−434L、新日鉄住金化学株式会社)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−1,3−ベンゼンジ(メタンアミン)(製品名TETRAD−X、三菱ガス化学株式会社)、4−(グリシジロキシ)−N,N−ジグリシジルアニリン、3−(グリシジロキシ)−N,N−ジグリシジルアニリン等があげられる。
また、複素環型エポキシ樹脂の具体例としては、トリグリシジルイソシアヌレート(製品名TEPIC−S、日産化学工業株式会社)等があげられる。さらに、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂(製品名エピクロンHP−4700、DIC株式会社)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(製品名1032H60、三菱化学株式会社)等をあげることができる。
第1の熱硬化性樹脂(A−1)の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂としては、1分子に3個以上の水酸基を有するポリオールの(メタ)アクリル酸エステル、複素環型(メタ)アクリレートがあげられる。
1分子に3個以上の水酸基を有するポリオールの(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがあげられる。
また、複素環型(メタ)アクリレートの具体例としては、トリス(2−アクリロイロキシエチル)イソシヌレート、トリス(2−メタクリロイロキシエチル)イソシヌレート等の樹脂があげられる。
樹脂成分(A)のうち例えば25質量%以上60質量%以下を第1の熱硬化性樹脂(A−1)とすることにより、目的の性能を得ることができる。より好ましくは30質量%以上50質量%以下である。25質量%以上であれば耐熱性、耐電圧特性が好適となり、60質量%以下であれば硬化物の柔軟性が優れている。
さらに、樹脂成分(A)として、以下のような第2の熱硬化性樹脂(A−2)を使用することができる。すなわち、第2の熱硬化性樹脂(A−2)は、例えば、第1の熱硬化性樹脂(A−1)以外のエポキシ樹脂や、(メタ)アクリロイル基を有する樹脂であり、前述したように接着性の観点からエポキシ樹脂が特に好ましい。第2の熱硬化性樹脂(A−2)は、本実施形態の樹脂組成物の流動性や硬化物の接着性、柔軟性を制御する目的で配合される。
第2の熱硬化性樹脂(A−2)のエポキシ樹脂としては、例えば、2官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グルシジルエステル型エポキシ樹脂、第1の熱硬化性樹脂(A−1)に含まれない多官能エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂があげられる。
2官能グルシジルエーテル型エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂があげられる。
また、グルシジルエステル型エポキシ樹脂の具体例としては、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステル等があげられる。
さらに、第1の熱硬化性樹脂(A−1)に含まれない多官能エポキシ樹脂の具体例としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂があげられる。
さらに、線状脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、エポキシ化ポリブタジエン、及びエポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポキシ樹脂等があげられる。上記エポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、(メタ)アクリロイル基を有する樹脂としては、ジオール化合物の(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールのカプロラクトン付加物の(メタ)アクリル酸エステル等をあげることができる。
ジオール化合物の(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等があげられる。
また、ポリオールのカプロラクトン付加物の(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、ペンタエリスリトール・カプロラクトンの(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトール・カプロラクトンの(メタ)アクリル酸エステル等があげられる。
さらに、第1の熱硬化性樹脂(A−1)及び第2の熱硬化性樹脂(A−2)としてエポキシ樹脂を使用した場合には、硬化剤、硬化促進剤(硬化触媒)を配合していてもよい。硬化剤としては、例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸及び無水ハイミック酸等の脂環式酸無水物や、ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族酸無水物や、無水フタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族酸無水物があげられる。
また、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:ビスフェノールA)、2−(3−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(別名:ビスフェノールF)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(別名:ビスフェノールS)等のビスフェノール類や、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン共重合体樹脂等のフェノール樹脂類や、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド等の有機ジヒドラジドがあげられる。
硬化触媒としては、例えば、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン及びその誘導体があげられる。さらに、硬化触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類があげられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1の熱硬化性樹脂(A−1)及び第2の熱硬化性樹脂(A−2)として(メタ)アクリロイル基を有する樹脂を用いる場合には、硬化剤として有機過酸化物を配合してもよい。有機過酸化物の具体例としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウリルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド等をあげることができる。
さらに、樹脂成分(A)として、熱可塑性樹脂(A−3)を使用することができる。熱可塑性樹脂(A−3)は、未硬化又は硬化した樹脂組成物又はその成形物(例えばシート)に適度な柔軟性を付与し、例えばシート取扱い時の作業性改善や硬化物の応力緩和剤として重要な役割を果たす。
熱可塑性樹脂(A−3)の具体例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル系共重合体を例示できるが、特に柔軟性を付与したい場合にはポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。これら熱可塑性樹脂(A−3)の好ましい配合量は、樹脂成分(A)の5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。5質量%以上であれば、樹脂組成物又はその成形物の柔軟性が十分となり、30質量%以下であれば、樹脂組成物の成形性が良好となる。
〔(II)六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外のセラミックス粉末(C)について〕
本実施形態の樹脂組成物は、六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外のセラミックス粉末(C)をさらに含有することができる。セラミックス粉末(C)の配合は、樹脂組成物の流動性を高めるとともに、樹脂組成物の硬化物の厚さ方向の熱伝導率を高めるために、重要な成分である。セラミックス粉末(C)の種類は特に限定されるものではないが、例えばアルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、ガラスビーズ、酸化亜鉛粉末、マグネシア粉末、シリカ粉末(例えば溶融シリカ)、及び立方晶窒化ホウ素(cBN)から選択される1種以上があげられる。これらの中では、熱伝導率が高い(200W/m・K)ことから、窒化アルミニウム粉末が特に好ましい。
ただし、圧縮破壊強度が100MPa以上1500MPa以下のものをセラミックス粉末(C)として用いることが好ましい。六方晶窒化ホウ素粉末(B)の圧縮破壊強度が例えば1.0MPa以上20MPa以下の範囲である場合には、加熱・加圧時に六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が部分的に破壊、変形し、圧縮破壊強度が大きいセラミックス粉末(C)の粒子と面接触が生じると想定できる。その結果、樹脂組成物又はその成形物において、厚さ方向への効率的な伝熱パスルートが形成されるので、厚さ方向の熱伝導性が向上する。高熱伝導率の成形物を得るという観点では、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の好ましい圧縮破壊強度は、1.0〜3.3MPaである。
圧縮破壊強度が大きいセラミックス粒子(C)の具体例としては、古河電子株式会社製の窒化アルミニウムFAN−f50−J(体積平均粒径50μm)、FAN−f30(体積平均粒径30μm)があげられる。また、昭和電工株式会社製のアルミナCB−A50S(体積平均粒径50μm)、CB−A30S(体積平均粒径28μm)、CB−A20S(体積平均粒径21μm)、AS−10(体積平均粒径39μm)、AS−20(体積平均粒径22μm)、AL−17−1(体積平均粒径60μm)、AL−17−2(体積平均粒径60μm)、AL−13KT(体積平均粒径97μm)があげられる。さらに、ポッターズ・バロティーニ株式会社製のガラスビーズJ−320(体積平均粒径50μm)、GB301S(体積平均粒径50μm)、GB301SA−PN(体積平均粒径50μm)、GB301SB−PN(体積平均粒径50μm)、GB−301SC−PN(体積平均粒径50μm)があげられる。さらに、電気化学工業株式会社製の溶融シリカFB−20D(体積平均粒径23μm)、FB−950(体積平均粒径24μm)等があげられる。
なお、六方晶窒化ホウ素粉末(B)やセラミックス粉末(C)の圧縮破壊強度は、例えば、株式会社島津製作所の微小圧縮試験機(例えばMCT−510)を用いて測定することができる。この微小圧縮試験機は、上部加圧端子と下部加圧板の間に固定された粉末の粒子に、一定の増加割合で試験力を与え、このときの粉末の粒子の変形量を測定することにより、圧縮破壊強度を測定することができる。圧縮破壊強度は、JIS R 1639−5(2007)に示されている下記式(1)により算出できる。
Cs=2.48×(P/πd) ・・・式(1)
なお、式(1)中のCsは圧縮破壊強度(MPa)、Pは試験力(N)、dは粉末の粒子の粒径(mm)、πは円周率を表す。
また、セラミックス粒子(C)の好ましい体積平均粒径は20μm以上100μm以下であり、より好ましくは40μm以上80μm以下である。セラミックス粒子(C)の体積平均粒径が20μm以上であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子の変形、破壊が効率良く行われる。一方、100μm以下であれば、樹脂組成物を基材に平滑に塗布することができる。
さらに、樹脂組成物における樹脂成分(A)、六方晶窒化ホウ素粉末(B)、及びセラミックス粉末(C)の配合比は、樹脂成分(A)の含有量が5質量%以上40質量%以下、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の含有量が5質量%以上75質量%以下、セラミックス粉末(C)の含有量が10質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
樹脂組成物における樹脂成分(A)の含有量が5質量%以上40質量%以下の範囲内であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)やセラミックス粉末(C)を良好に分散させた樹脂組成物を製造することができる。また、樹脂組成物における六方晶窒化ホウ素粉末(B)の含有量が5質量%以上75質量%以下の範囲内で、セラミックス粉末(C)の含有量が10質量%以上90質量%以下の範囲内であれば、樹脂組成物として良好な熱伝導率、空隙率、耐電圧を達成させることができる。
そして、樹脂組成物において、揮発成分を除く六方晶窒化ホウ素粉末(B)、セラミックス粉末(C)、及びその他の無機粒子の総含有量は50質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上90質量%以下がより好ましい。95質量%以下であれば、樹脂組成物の接着性、強度が良好となる。一方、50質量%以上であれば、十分な放熱性が得られる。
また、六方晶窒化ホウ素粉末(B)と圧縮破壊強度が大きいセラミックス粉末(C)との好ましい質量比率[セラミックス粉末(C)]/[六方晶窒化ホウ素粉末(B)]は、0.1以上20以下であり、より好ましくは0.2以上10以下である。0.1以上であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子の変形、破壊が十分に生じる。一方、20以下であれば、空隙を充填すべき六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が変形、破壊によって不足することがないので、樹脂組成物の放熱性が優れている。
〔(III)カップリング剤について〕
さらに、本実施形態の樹脂組成物には、六方晶窒化ホウ素粉末(B)、セラミックス粉末(C)等の無機フィラーの樹脂成分(A)への分散性を向上させる目的、樹脂組成物の加工性を向上させる目的、基材への密着性を向上させる目的等の目的で、カップリング剤を使用してもよい。例えば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)にカップリング剤を反応させて表面処理を施してもよい。
カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などがあげられるが、これらの中では、上記の分散性、加工性、密着性等をより向上させることができる点から、シラン系カップリング剤が最も好ましい。
シラン系カップリング剤の中では、特に、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノシラン化合物が好ましい。
〔(IV)その他の添加剤について〕
本実施形態の樹脂組成物には、放熱性を阻害しない範囲の量ならば、放熱性以外の特性を制御する目的で無機フィラー等の他の添加剤を配合してもよい。そのような無機フィラーの例としては、難燃性を付与する水酸化アルミニウム、樹脂組成物の流動性を制御するヒュームドシリカ、着色を行う酸化チタン等の無機顔料があげられる。
〔(V)樹脂組成物の流動性について〕
さらに、本実施形態の樹脂組成物は、シート等に成形して使用される場合があるので、成形加工に必要な流動性を備えていることが好ましい。そして、厚さ方向に高い熱伝導率を発現させつつ、良好な成形加工性を得るためには、高化式フローテスターを用いて150℃で測定した樹脂組成物の溶融粘度が、0.01Pa・s以上500Pa・s以下であることが好ましく、0.1Pa・s以上200Pa・s以下であることがより好ましい。溶融粘度が0.01Pa・s以上500Pa・s以下の範囲内であれば、好適な流動性を備えているため、樹脂組成物からシート等の成形物を容易に製造することができる。
以下に、溶融粘度測定用のサンプルの調整方法と、溶融粘度の測定方法について、詳細に説明する。
〔(V−1)溶融粘度測定用のサンプルの調整方法について〕
DIC株式会社製のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂N−680と、昭和電工株式会社製のノボラック型フェノール樹脂ショウノールBRN−5384Yを、質量比2:1となるように計量して混合する。この樹脂混合物に樹脂総量の1.0質量%の東レ株式会社製シランカップリング剤Z−6040と適量の有機溶剤とを添加し、樹脂溶液とする。なお、溶融粘度測定中に硬化しないようにするため、硬化剤や硬化触媒は前記樹脂溶液に配合していない。
この樹脂溶液と六方晶窒化ホウ素粉末(B)を、樹脂溶液中の樹脂分が43.2質量%、六方晶窒化ホウ素粉末(B)が55.8質量%となるように計量し、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製のあわとり練太郎ARE−310)に装入する。そして、六方晶窒化ホウ素粉末(B)が均一に分散するまで混合し、サンプル混合物とする。
次に、サンプル混合物を離形ポリエチレンテレフタレート(PET)シート(パナック株式会社製PET 100SG2S)上に厚さ250μmで塗布し、サンプルシートとする。このサンプルシートを常圧下70℃で30分間乾燥した後に、減圧下70℃で30分間乾燥して、サンプル混合物中の有機溶剤を除去する。乾燥したサンプル混合物を離形PETシートから剥離し、粉砕して、溶融粘度測定用のサンプルとする。
〔(V−2)溶融粘度の測定方法について〕
溶融粘度測定用のサンプルを1.6g秤取り、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製、CFT−500A)を用いて溶融粘度を測定する。測定温度は150℃とし、6MPa、4MPa、2MPa、1MPaの各測定荷重にて溶融粘度を測定し、これら測定荷重による測定結果の中で最も低い溶融粘度を、溶融粘度測定用のサンプルの溶融粘度とする。
厚さ方向に高い熱伝導率を発現させつつ、良好な溶融流動性を得るためには、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の含有率が55.8質量%である溶融粘度測定用のサンプルの溶融粘度は、測定温度150℃、測定荷重6MPaの条件で上記のように測定した場合に、0.01Pa・s以上500Pa・s以下であることが好ましく、0.1Pa・s以上200Pa・s以下であることがより好ましい。
〔(VI)樹脂組成物の製造方法について〕
本実施形態の樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、種々の方法で製造することができる。一例を以下に示す。
まず、樹脂成分(A)として例えば熱硬化性樹脂と、この熱硬化性樹脂を硬化させるために必要な量の硬化剤又は硬化促進剤とを混合する。次に、この混合物に必要に応じて溶剤を加えた後、六方晶窒化ホウ素粉末(B)と、圧縮破壊強度が大きいセラミックス粉末(C)とを加えて予備混合する。この予備混合物を、プラネタリーミキサー等を用いて混練することによって樹脂組成物を得ることができる。なお、樹脂組成物にカップリング剤を配合する場合は、カップリング剤は混練の前までに加えればよい。
このようにして得られた樹脂組成物を基材に載せて、所定のプレス圧で加圧しながら硬化させることにより、放熱性に優れた硬化物とすることができる。一般的に、放熱性を向上させるために無機フィラーを高充填化させると、硬化物内に空隙が発生するため、プレス工程でのプレス圧を大きくする必要があるが、上記したように、本実施形態の樹脂組成物は、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を用いているため、変形、破壊した六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が空隙の部分に入り込み、空隙率が低くなると想定できる。その結果、本実施形態の樹脂組成物は、優れた熱伝導性、放熱性を有している。
優れた熱伝導性、放熱性を得るためには、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子を変形、破壊するためのプレス時の圧力、樹脂組成物の流動性、及び硬化を制御する温度が重要である。好ましい圧力の範囲は1MPa以上100MPa以下であり、より好ましくは2MPa以上50MPa以下である。圧力が100MPa以下であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外のフィラーが破壊されにくく、1MPa以上であれば六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が十分に変形、破壊されると想定できる。
好ましい温度の範囲は70℃以上200℃以下であり、より好ましくは90℃以上180℃以下である。温度が200℃以下であれば、樹脂成分(A)が酸化等により分解する可能性が低く、70℃以上であれば樹脂組成物の流動性が十分となるため、得られる硬化物の平坦性が確保されやすいとともに、硬化も進行しやすい。このような条件で本実施形態の樹脂組成物を硬化した場合には、得られる硬化物の空隙率は5%以下と低い値が得られる。
次に、本実施形態の樹脂組成物をシートに加工する場合について説明する。樹脂組成物をシートに加工する場合は、塗工性を考慮して、有機溶剤に樹脂組成物を分散及び/又は溶解した樹脂組成物液を用いる。樹脂組成物液は、アプリケーター、ナイフコーター等の塗工装置を用いて支持膜に塗布した後、加熱して有機溶剤を乾燥する。好ましい乾燥温度は40℃以上150℃以下であり、より好ましくは50℃以上120℃以下である。40℃以上であれば有機溶剤が残存しにくく、150℃以下であれば、硬化性の樹脂成分(A)の反応が進みすぎることがない。溶剤乾燥後の好ましい膜厚の範囲は30μm以上500μm以下であり、より好ましくは50μm以上300μm以下である。膜厚が30μm以上であれば、配合されたフィラーの粒径の影響を受けて塗膜の平坦性が失われることがなく、500μm以下であれば、有機溶剤が残存しにくいので、熱伝導率や硬化物の物性に悪影響が及びにくい。
シートの製造方法は特に限定されるものではないが、支持膜に樹脂組成物液を塗布して形成したシートの塗面の一部又は全面に被覆膜を被せて得られる積層体を、前記の条件で加熱及び加圧する方法により、シートとすることができる。また、樹脂組成物層の厚さを大きくしたい場合には、樹脂組成物液を2つの支持膜に塗布し、一方の支持膜に塗布された塗面と他方の支持膜に塗布された塗面とを貼り合わせて得られる積層体を、前記の条件で加熱及び加圧する方法を用いるとよい。
六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が適度に破壊、変形したと想定できるシートとするときの加熱温度条件は、使用する樹脂成分(A)の軟化点以上が好ましく、具体的には50℃以上150℃以下であり、より好ましくは70℃以上120℃以下である。加熱温度条件が50℃以上であれば、樹脂が軟化して、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が適度に破壊、変形すると想定できるので、熱伝導率が良好となる。一方、150℃以下であれば、樹脂成分(A)の硬化反応が進み過ぎることがなく、電子部品等の実装時に接着性が良好となる。
また、好ましい圧力条件は1MPa以上100MPa以下、より好ましくは2〜50MPaである。圧力条件が1MPa以上であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が破壊、変形するので、熱伝導率が良好となる。一方、100MPa以下であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子の大部分が破壊されたり、六方晶窒化ホウ素の鱗片状の一次粒子が面内方向に配向して厚さ方向の熱伝導率が低下したりすることがない。
シート作製時の加熱・加圧の手段としては、バッチ式のプレス機を使用することができるが、生産性を考慮すると、連続的に加熱・加圧できるロールプレスを好ましい装置としてあげることができる。ロールプレスを使用する場合の好ましいライン速度は、0.1m/分以上5m/分以下であり、より好ましくは0.3m/分以上3m/分以下である。ライン速度が0.1m/分以上であれば生産性が良好であり、5m/分以下であれば、六方晶窒化ホウ素粉末(B)の凝集粒子が十分に破壊、変形するので、厚さ方向の熱伝導率が良好となる。
シートを作製する場合に使用される支持膜及び被覆膜は、シートの使用目的により選択することができる。例えば、銅、アルミニウム等の金属箔や、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニリデンフルオライド、ポリイミド等の高分子フィルムがあげられる。高分子フィルムを使用する場合は、樹脂組成物との離型性を良くするために、離型処理を施したものを使用してもよい。支持膜、被覆膜の好ましい厚さは10μm以上200μm以下である。
このようにして得られたシートを基材に載せて所定のプレスで加圧しながら加熱硬化させることにより、放熱性に優れた硬化物とすることができる。また、電子部品等を接着する場合には、支持膜の少なくとも1枚を剥離した後に、樹脂組成物面に電子部品等を貼り付け、加熱・加圧して硬化することで接着することができる。電子部品等の接着を行う場合には、大きすぎる圧力では電子部品等が破損するので、電子部品等が破損せずに接着できる圧力範囲にする必要がある。
シートを電子部品等の接着に使用する場合においては、接着のみが起こる条件にて加圧・加熱する。好ましい圧力の範囲は0.1MPa以上10MPa以下であり、より好ましくは0.5MPa以上8MPa以下である。0.1MPa以上であれば接着が可能であり、10MPa以下であれば、電子部品等が壊れる可能性が低い。好ましい温度の範囲は70℃以上200℃以下であり、より好ましくは90℃以上180℃以下である。200℃以下であれば、樹脂成分(A)が酸化等により分解する可能性が低く、70℃以上であれば樹脂組成物の流動性が十分となるため接着しやすい。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。
(1)六方晶窒化ホウ素粉末(B)の作製
(1−1)粗製六方晶窒化ホウ素粉末の作製
ホウ酸4g、メラミン2g及び水1gを撹拌混合し、金型内に入れて加圧してタブレット状の成形体を得た。この成形体を乾燥機中にて300℃で1時間乾燥させたものをアンモニア雰囲気下1000℃で仮焼きした。この得られた仮焼物を粉砕して粗製六方晶窒化ホウ素粉末を得た。
(1−2)六方晶窒化ホウ素粉末(B)の作製
上記の粗製六方晶窒化ホウ素粉末100質量部に対して、濃度2.5質量%のポリビニルアルコール水溶液を10質量部加え、ミキサーで撹拌混合した後、金型内に入れて加圧してタブレット状の成形体を得た。この成形体を乾燥機中にて200℃で1時間乾燥させて乾燥物を得た。この乾燥物を窒素ガス雰囲気下、1800℃で4時間焼成することにより、焼成物を得た。得られた焼成物を粉砕し、乾式振動篩い装置にて106μm上下に分級した。分級後の106μm下粉末を回収することにより、六方晶窒化ホウ素粉末(B)を得た。
そして、製造条件が安定域に達していない状態で採取したサンプルを、比較製造例の六方晶窒化ホウ素粉末とし、一方、製造条件が安定域に達した状態で採取したサンプルを、製造例の六方晶窒化ホウ素粉末とし、製造例1,2の六方晶窒化ホウ素粉末a,b及び比較製造例1〜4の六方晶窒化ホウ素粉末c,d,eを得た。なお、比較製造例4の六方晶窒化ホウ素粉末fは、比較製造例1の六方晶窒化ホウ素粉末cの分級品(45〜106μmの範囲にて分級したもの)と比較製造例2の六方晶窒化ホウ素粉末dとを質量比1対1で混合した混合物である。
製造例1,2の六方晶窒化ホウ素粉末a,bは、前記した本発明の3つの条件を全て満たすものであり、比較製造例1〜3の六方晶窒化ホウ素粉末c,d,eは、前記した本発明の3つの条件のうち少なくとも1つを満たさないものであり、比較製造例4の六方晶窒化ホウ素粉末fは、超音波照射前の状態で2つの極大ピークを有するものである。
得られた各六方晶窒化ホウ素粉末a〜fについて、BET比表面積及び圧縮破壊強度を測定した。BET比表面積は、ユアサアイオニクス株式会社製の全自動BET比表面積測定装置マルチソーブ16を用いて測定した。また、圧縮破壊強度は、株式会社島津製作所の微小圧縮試験機MCT−510を用い、前述の方法により測定した。
また、各六方晶窒化ホウ素粉末a〜fに対して、超音波照射処理(破壊処理)を施した。超音波照射処理は、各六方晶窒化ホウ素粉末a〜f0.06gを水50gに分散させた分散液に対して、振動素子がボルト締め電歪型である超音波照射装置を用いて行った。また、超音波照射処理の条件は、超音波照射装置の出力150W、発振周波数19.5kHz、照射時間3分間とした。
そして、超音波照射処理前後の六方晶窒化ホウ素粉末a〜fについて粒径分布を測定した。得られた粒径分布曲線を図1〜6に示す。また、超音波照射処理前後の粒径分布曲線から、第一の極大ピークの高さと第二の極大ピークの高さとを読み取るとともに、第一の極大ピークの高さと第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]を算出した。これらの測定結果を表1にまとめて示す。
Figure 2016108457
(2)樹脂組成物の調製1
六方晶窒化ホウ素粉末a〜fのいずれか1種73.9質量部と、樹脂成分(A)であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の製品名エポトートYD−128、エポキシ当量190g/eq)26.1質量部と、硬化触媒であるイミダゾール化合物(1−(シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール)0.8質量部とを混合し、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製のあわとり練太郎ARE−310)を用いて混練して、樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物を、熱プレスを用いて圧力6MPa、温度130℃で30分間加熱及び加圧して、厚さ200〜500μmのシート状に成形するとともに硬化させ、実施例11,12及び比較例11〜14の成形硬化板を作製した。そして、各成形硬化板について、厚さ方向の熱伝導率と空隙率を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2016108457
ここで、熱伝導率と空隙率の測定方法について説明する。まず、熱伝導率と空隙率の算出において必要となる比重の測定方法について説明する。ザルトリウス・メカニトロニクス・ジャパン株式会社製の電子天秤(CP224S)と比重/密度測定キット(YDK01/YDK01−OD/YDK01LP)とを用いて、被検試料の空気中での質量W(a)と水中での質量W(fl)をそれぞれ測定し、下記式(2)を用いて被検試料の比重ρを算出した。なお、式(2)中のρ(fl)は液体(水)の密度である。
ρ=W(a)×ρ(fl)/{W(a)−W(fl)} ・・・(2)
次に、熱伝導率の測定方法を説明する。樹脂組成物の調製において説明した厚さの成形硬化板を切断して一辺10mmの正方形状の板状試験片を得て、NETZSCH社製の熱伝導率測定装置(LFA447 Nano Flash)を使用して、25℃における熱拡散率を測定した。さらに、上記の方法により測定した成形硬化板の比重と別途求めた成形硬化板の比熱から、下記式(3)により、成形硬化板の厚さ方向の熱伝導率を算出した。
熱伝導率(W/m・K)=熱拡散率×比熱×比重 ・・・(3)
次に、空隙率の測定方法を説明する。まず、樹脂組成物の原料である樹脂成分及び六方晶窒化ホウ素粉末等のフィラーの比重を、上記の方法により測定する。そして、得られた比重と配合量(質量%)から、成形硬化板の理論比重を算出する。次に、成形硬化板の比重(実比重)を上記の方法により測定し、下記式(4)により空隙率を算出した。
空隙率(%)=100−((実比重/理論比重)×100) ・・・(4)
表2の結果から、製造例1,2の六方晶窒化ホウ素粉末a,bを用いた実施例11,12の成形硬化板は、比較例11〜14の成形硬化板と比べて空隙率が低く、厚さ方向の熱伝導率と空隙率とのバランスが良好であることが分かる。
また、比較例14で使用した六方晶窒化ホウ素粉末fは、比較製造例1の六方晶窒化ホウ素粉末cの分級品(45〜106μmの範囲にて分級したもの)と比較製造例2の六方晶窒化ホウ素粉末dとを質量比1対1で混合した混合物であるが、比較例14の成形硬化板は、他の比較例11〜13と同様に空隙率が大きかった。
(3)樹脂組成物の調製2
六方晶窒化ホウ素粉末a〜fのいずれか1種と、樹脂成分(A)であるビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の製品名エポトートYD−128、エポキシ当量190g/eq)と、六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外のセラミックス粉末(C)と、硬化触媒であるイミダゾール化合物(1−(シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、四国化成株式会社製の製品名キュアゾールC11Z−CN)とを混合し、「樹脂組成物の調製1」の場合と同様にして、樹脂組成物を調製した。各原料の配合量は表3に示す通りである(単位は質量部である)。
この樹脂組成物を用い、「樹脂組成物の調製1」の場合と同様にして、実施例21,22,32,42及び比較例21〜24の成形硬化板を作製した。そして、各成形硬化板について、厚さ方向の熱伝導率と空隙率を測定した。結果を表3に示す。
なお、セラミックス粉末(C)として用いた無機フィラーは、球状アルミナ(昭和電工株式会社製のCB−A50S、体積平均粒径50μm)、窒化アルミニウム(古河電子株式会社製のFAN−f50−J、体積平均粒径50μm)、又は球状ガラスビーズ(ポッターズ・バロティーニ株式会社製のGB301S、体積平均粒径50μm)である。
Figure 2016108457
表3の結果から、特にセラミック粒子(C)として窒化アルミニウムを配合した場合に、セラミック粒子(C)を配合しない場合(表2を参照)に比べて熱伝導率が高くなり、厚さ方向の熱伝導率と空隙率とのバランスがさらに良好であることが分かる。
(4)樹脂組成物の調製3
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製の製品名エピクロンN−680、数平均分子量1280、エポキシ当量218g/eq)とノボラック型フェノール樹脂(昭和電工株式会社製の製品名ショウノールBRN−5834Y)を、質量比2:1となるよう計量して混合した。この樹脂混合物に、樹脂組成物の総量(樹脂成分(A)、六方晶窒化ホウ素粉末(B)、及びシランカップリング剤の総量)に対して1質量%の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ株式会社製のシランカップリング剤Z−6040)及び有機溶剤を添加し、樹脂溶液とした。
この樹脂溶液と六方晶窒化ホウ素粉末a〜fのいずれか1種を、樹脂溶液中の樹脂分が43.2質量部、六方晶窒化ホウ素粉末が55.8質量部となるように計量し、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製のあわとり練太郎ARE−310)に装入した。そして、六方晶窒化ホウ素粉末が均一に分散するまで混合し、サンプル混合物とした。
次に、サンプル混合物を離形PETシート(パナック株式会社製PET 100SG2S)上に厚さ250μmで塗布し、サンプルシートとする。このサンプルシートを常圧下70℃で30分間乾燥した後に、減圧下70℃で30分間乾燥して、サンプル混合物中の有機溶剤を除去した。乾燥したサンプル混合物を離形PETシートから剥離し、粉砕して、実施例51,52及び比較例51〜54の溶融粘度測定用のサンプルとした。
溶融粘度測定用のサンプルを1.6g秤取り、高化式フローテスター(株式会社島津製作所製、CFT−500A)を用いて溶融粘度を測定した。測定温度は150℃とし、6MPa、4MPa、2MPa、1MPaの各測定荷重にて溶融粘度を測定し、これら測定荷重による測定結果の中で最も低い溶融粘度を、溶融粘度測定用のサンプルの溶融粘度とした。結果を表4に示す。
Figure 2016108457
溶融粘度は、樹脂成分を含有する樹脂組成物からシート等の成形物を成形する場合において重要な特性となる流動性の指標となる。製造例1,2の六方晶窒化ホウ素粉末a,bを用いた実施例51,52の溶融粘度は低く、前記の熱伝導率や空隙率と流動性とのバランスが良好であることが分かる。
(5)樹脂組成物の調製4
樹脂成分(A)として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(新日鉄住金化学株式会社製の製品名エポトートYH−434L)35質量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の製品名エポトートYD−128)10質量部と、熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製の製品名エスレック SV−02)25質量部と、フェノールノボラック樹脂(昭和電工株式会社製の製品名ショウノール BRN−5834Y)10質量部と、多官能型フェノール樹脂(新日鉄住金化学株式会社製の製品名SN−395)20質量部と、を使用し、これに対して、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬株式会社製)150質量部を加えて樹脂成分を溶解し、樹脂溶液とした。
この樹脂溶液に、硬化触媒として1−(シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール(四国化成工業株式会社製の製品名キュアゾール C11Z−CN)0.3質量部を加えた。さらに、この樹脂溶液に、六方晶窒化ホウ素粉末(B)として六方晶窒化ホウ素粉末aを125質量部と、六方晶窒化ホウ素粉末以外のセラミックス粉末(C)として窒化アルミニウム(古河電子株式会社製の製品名FAN−f50)を452質量部と、溶剤としてプロプレングリコールモノメチルエーテルを25質量部を添加した。そして、自転・公転ミキサー(株式会社シンキー製のあわとり練太郎ARE−310)を用いて樹脂溶液を混練し、樹脂組成物を得た。
このように調製した樹脂組成物を、溶剤乾燥後の塗膜の厚さが約300μm、幅が10cmとなるように、自動バーコーター(テスター産業株式会社製のPI−1210)を用いて、厚さ100μmの電解銅箔に塗装した。そして、これを常圧下70℃で20分間乾燥した後に、さらに減圧下70℃で20分間乾燥して、溶剤を除去して、電解銅箔に樹脂組成物の塗膜が形成されたシートを得た。
このシートの樹脂組成物が形成された面にPETフィルムを貼りあわせて、卓上小型ロールプレス(テスター産業株式会社製の装置名SA−601)を用い、温度120℃、加圧圧力6MPa、ロール速度0.3m/分の条件で3回加熱・加圧することにより、厚さ約200μmの実施例61のシートを得た。
六方晶窒化ホウ素粉末(B)及びセラミックス粉末(C)の種類と配合量を表5に示す通りに変更する点以外は実施例61と同様にして、実施例62,72,82及び比較例61〜64のシートを得た。そして、これらのシートについて、耐電圧、熱伝導率、空隙率を測定した。測定結果をまとめて表5に示す。なお、熱伝導率と空隙率の測定方法は、前記した成形硬化板の場合と同様である。耐電圧の測定方法を以下に示す。
シートを一辺50mmの正方形状に切断し、PETフィルムを剥離した。こうして得られた樹脂組成物のシートを、厚さ35μmで一辺70mmの正方形状の電解銅箔で挟んだ状態で、温度180℃、圧力3MPaの条件でプレス硬化した。得られた両面銅張シートから両面の銅箔を剥離し、硬化シート単体を得た。この硬化シート単体を5枚用いて、下記の条件で絶縁破壊電圧試験を行った。
周波数50Hzの交流電源を用いて、硬化シートに電圧を印加した。その際には、5kV/分の速度で5kVまで昇圧後、1分間保持し、その後に5kV/分の速度で0kVまで降圧するサイクルを繰り返し行った。このような電圧印加中に1mA以上の通電が確認された時点で、硬化シートが絶縁破壊したと判断した。なお、この試験には菊水電子工業株式会社製の耐電圧/絶縁抵抗測定装置TOS9201を用い、電極には直径25mmの円柱形状のものと直径75mmの円柱形状のものを用いた。
このような絶縁破壊電圧試験を硬化シート5枚それぞれに対して行い、絶縁破壊が生じず合格したものの割合(合格率)によって耐電圧を評価した。
Figure 2016108457
表5から、製造例1,2の六方晶窒化ホウ素粉末a,bを含有する樹脂組成物を用いて作製した実施例61,62,72,82の硬化シートは、耐電圧が良好であり、熱伝導率、空隙率、流動性と、耐電圧とのバランスが良好であることが分かる。

Claims (5)

  1. 樹脂成分(A)と、六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有する六方晶窒化ホウ素粉末(B)と、を含有する樹脂組成物であって、
    高化式フローテスターを用いて150℃で測定した溶融粘度が0.01Pa・s以上500Pa・s以下であり、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)のBET比表面積は10m/g超過15m/g未満であり、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)の粒径分布曲線は粒径1μm超過500μm以下の範囲内に極大ピークを1つ有し、この極大ピークを初期の極大ピークとし、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)は、前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)を水に分散させた分散液に発振周波数19.5kHzの超音波を照射して前記凝集粒子の凝集を破壊する破壊処理を施した場合に前記粒径分布曲線が変化し、下記の3つの条件を全て満足する粒径分布曲線となる特性を有していることを特徴とする六方晶窒化ホウ素粉末。
    (条件1)粒径1μm以上20μm以下の範囲内に第一の極大ピークを有する。
    (条件2)粒径1μm超過350μm以下の範囲内であり、前記第一の極大ピークよりも大きい粒径で且つ前記初期の極大ピーク以下の粒径に第二の極大ピークを有する。
    (条件3)前記第一の極大ピークの高さと前記第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]が0.1以上8.0以下である。
  2. 前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)以外のセラミックス粉末(C)をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記樹脂成分(A)の含有量が5質量%以上40質量%以下、前記六方晶窒化ホウ素粉末(B)の含有量が5質量%以上75質量%以下、前記セラミックス粉末(C)の含有量が10質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記セラミックス粉末(C)がアルミナ粉末、窒化アルミニウム粉末、ガラスビーズ、酸化亜鉛粉末、マグネシア粉末、及びシリカ粉末から選択される1種以上であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 六方晶窒化ホウ素の一次粒子が凝集してなる凝集粒子を含有する六方晶窒化ホウ素粉末と、樹脂成分とを混合して樹脂組成物を製造する方法であって、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末は、BET比表面積が10m/g超過15m/g未満であり且つ粒径分布曲線が粒径1μm超過500μm以下の範囲内に極大ピークを初期の極大ピークとして1つ有し、
    前記六方晶窒化ホウ素粉末を水に分散させた分散液に、発振周波数19.5kHzの超音波を照射し、
    その超音波を照射した六方晶窒化ホウ素粉末の粒径分布を測定して粒径分布曲線を得て、
    その粒径分布曲線が下記の3つの条件を全て満足した場合に、超音波を照射していない六方晶窒化ホウ素粉末と樹脂成分とを混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
    (条件1)粒径1μm以上20μm以下の範囲内に第一の極大ピークを有する。
    (条件2)粒径1μm超過350μm以下の範囲内であり、前記第一の極大ピークよりも大きい粒径で且つ前記初期の極大ピーク以下の粒径に第二の極大ピークを有する。
    (条件3)前記第一の極大ピークの高さと前記第二の極大ピークの高さの比[第一の極大ピークの高さ]/[第二の極大ピークの高さ]が0.1以上8.0以下である。
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