JP5888584B2 - 樹脂組成物、樹脂シート、プリプレグシート、樹脂硬化物シート、構造体、および動力用又は光源用半導体デバイス - Google Patents
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Description
本発明は、硬化前に柔軟性を有し、硬化後には高い熱伝導率を達成可能な樹脂組成物、該樹脂組成物を用いて構成される樹脂シート、樹脂硬化物シート、構造体および動力用又は光源用半導体デバイスを提供することを課題とする。
そして前記樹脂組成物は、全エポキシ樹脂中、前記多官能エポキシ樹脂を20質量%以上含有することが好ましい。また前記多官能エポキシ樹脂は、樹脂硬化物の架橋密度およびガラス転移温度の観点から分岐構造を含むことが好ましく、具体的には、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼンノボラック型エポキシ樹脂、およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種であることが好ましい。特に、繰り返し単位に分岐構造を含むトリフェニルメタン型エポキシ樹脂およびジヒドロキシベンゼンノボラック型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種であることが、より好ましい。
本発明の第3の態様は、前記樹脂シートと、金属箔と、を有する金属箔付き樹脂シートである。
本発明の第5の態様は、前記樹脂組成物の硬化物である樹脂硬化物シートである。前記樹脂硬化物シートは、熱伝導率が10W/m・K以上であることが好ましい。
本発明の第7の態様は、前記樹脂シート、前記金属箔付き樹脂シート、前記プリプレグシート、前記樹脂硬化物シート、又は前記構造体を有する動力用又は光源用半導体デバイスである。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
さらに本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の樹脂組成物は、3官能以上のエポキシ樹脂(多官能エポキシ樹脂)を含むエポキシ樹脂と、下記一般式(I)で表される構造単位を有するノボラック樹脂を含む硬化剤と、窒化物粒子を含む無機充填材と、を含有する。かかる構成であることにより、硬化前に柔軟性を有し、硬化後において熱伝導性に優れる絶縁性の樹脂硬化物を形成することができる。
本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として多官能エポキシ樹脂を含む。多官能エポキシ樹脂を含むことで架橋密度を高めることができる。多官能エポキシ樹脂は、多官能型のエポキシ樹脂モノマーから調製することができる。
この様子を下記式(II)に示す繰り返し単位を有するエポキシ樹脂と下記式(III)に示す繰り返し単位を有するエポキシ樹脂とを比較して説明する。
ただし、ここに挙げた改質の機能や骨格は一例であり、限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、硬化剤として下記一般式(I)で表される構造単位を有するノボラック樹脂を含む。
上記分子設計の考え方から、本発明における硬化剤として用いるノボラック樹脂は、エポキシ樹脂と同様に水酸基当量がより小さい構造を選択することが好ましい。これにより、反応基である水酸基の濃度が高くなる。また、エポキシ樹脂と同様にノボラック樹脂も架橋に関与しない残基はなるべく含まない方が好ましい。
以上の観点から、硬化剤として用いるノボラック樹脂は、下記一般式(I)で表される構造単位を有する。
なお、nは平均値であればよく、すなわち、繰り返し単位を含む硬化剤骨格としては、例えば一般式(I)において、両末端に水素原子とl価のフェノール(−Ph−(OH)l)が結合した場合に得られるn=1で示される下記式(V)の化合物や、nが15を超える化合物を含んで、nが平均値として1〜15となっていてもよい。
ただし、硬化促進剤としてエポキシ基の連鎖重合が起きるイミダゾール系硬化促進剤やアミン系硬化促進剤を用いる場合には、未反応のエポキシ基が残留しにくいため、前記エポキシ樹脂を前記硬化剤に対して過剰に加えてもよい。
本発明の樹脂組成物は、熱伝導率の観点から、無機充填材として窒化物粒子を含む。窒化物粒子としては、例えば、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの粒子が挙げられ、窒化ホウ素であることが好ましい。樹脂組成物中に無機充填材として前記窒化ホウ素を用いると、ガラス転移温度の低下が抑えられる。この理由は以下のように考えられる。
Vc=Wc/dc
Vf=Wf/df
Vr=Vf/Vc
dc:樹脂組成物の密度(g/cm3)
Vf:無機充填材の体積(cm3)、Wf:無機充填材の質量(g)
df:無機充填材の密度(g/cm3)
Vr:無機充填材の体積比率
本発明の樹脂組成物は、上記成分に加えて必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、硬化促進剤、カップリング剤、分散剤、有機溶剤、硬化促進剤を挙げることができる。
また前記無機充填材と結合する官能基としては、アルコキシ基、水酸基などを挙げることができ、このような官能基を有するカップリング剤としては、ジアルコキシシランやトリアルコキシシランを有するシラン系カップリング剤、アルコキシチタネートを有するチタネート系カップリング剤を挙げることができる。
チタネート系カップリング剤は、末端にアミノ基を有するチタネートカップリング剤(味の素ファインテクノ製 プレンアクトKR44)を使用することができる。
これらのカップリング剤は1種単独で用いても、または2種類以上を併用することもできる。
またカップリング剤の含有量は、熱伝導性、絶縁性の観点から、無機充填材に対して0.02質量%〜1質量%であることが好ましく、0.05質量%〜0.5質量%であることがより好ましい。
本発明の樹脂組成物の製造方法としては、通常行なわれる樹脂組成物の製造方法を特に制限なく用いることができる。例えば、無機充填材と必要に応じてカップリング剤を混合し、エポキシ樹脂と硬化剤を適当な有機溶剤に溶解または分散したものに加え、必要に応じて添加される硬化促進剤等のその他の成分を混合することで得ることができる。
また、エポキシ樹脂、硬化剤、および無機充填材等を混合する方法としては、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜組み合わせて行うことができる。
本発明の樹脂シートは、前記樹脂組成物をシート状に成形することで得ることができる。前記樹脂シートが前記樹脂組成物を含んで構成されることで、硬化前の保存安定性と硬化後の熱伝導性に優れる。なお、本発明の樹脂シートは、未硬化体であっても、半硬化体であってもよい。ここで半硬化とは、一般にBステージ状態と称される状態をいい、常温(25℃)における粘度が104〜105Pa・sであるのに対して、100℃における粘度が102〜103Pa・sに粘度が低下する状態を意味する。なお、粘度は、ねじり型動的粘弾性測定装置などにより測定が可能である。
なお本発明において、前記樹脂シートと前記繊維基材とを有するものを、プリプレグシートと称する。
また前記支持体は、樹脂シートの一方の面にのみ配置されていてもよく、両方の面に配置されていてもよい。
前記半硬化のための温度範囲は、樹脂組成物を構成するエポキシ樹脂に応じて適宜選択することができる。B−ステージシートの強度の観点から、熱処理により硬化反応を若干進めた方が好ましく、熱処理の温度範囲は80℃〜150℃であることが好ましく、100℃〜120℃であることがより好ましい。また、半硬化のための加熱処理の時間としては、特に制限はないが、B−ステージシートの樹脂の硬化速度と樹脂の流動性や接着性の観点で適宜選択することができ、1分以上30分以内で加熱することが好ましく、3分から10分がより好ましい。
本発明の樹脂硬化物シートは、前記樹脂組成物を硬化させることで得られる。これにより熱伝導性に優れる樹脂硬化物を構成することができる。樹脂組成物を硬化する方法としては、特に制限はなく通常用いられる方法を適宜選択することができ、例えば、加熱処理することで前記樹脂組成物が硬化される。
ただし、一般に多官能型エポキシ樹脂は硬化速度が速いため、高温での硬化は未反応のエポキシ基や水酸基などの官能基が残りやすくなり、熱伝導率の向上効果が得られにくい傾向にある。そこで、より高い熱伝導率を達成する観点から、硬化反応の活性温度付近の温度範囲(以下、「特定温度範囲」ということがある)で加熱処理を行う工程を含むことが好ましい。ここで、硬化反応の活性温度付近とは、示差熱分析においてエポキシ樹脂の硬化発熱が発生する温度から反応熱のピーク温度までを指す。
本発明の構造体は、前記樹脂シートまたは前記樹脂硬化物シート(以下、総称して「本発明のシート」という場合がある)と、本発明のシートの片面または両面に接して設けられた金属板と、を有する。
前記樹脂シート、前記金属箔付き樹脂シート、前記プリプレグシート、前記樹脂硬化物シートおよび前記構造体は、動力用又は光源用の半導体デバイスに用いることができる。
TPM−Ep:トリフェニルメタン型エポキシ樹脂 (日本化薬製 EPPN−502H、多官能・分岐型固形エポキシ樹脂、エポキシ当量168g/eq)
PhN−Ep:ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂 (三菱化学製 jER 152、多官能・直鎖型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量165g/eq)
BisAF−Ep:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂混合物 (新日鐵化学製 ZX−1059、二官能型液状エポキシ樹脂、エポキシ当量165g/eq)
TPM−N:トリフェニルメタン型ノボラック樹脂 (日本化薬製 EPPN−502H、多官能・分岐型ノボラック樹脂、水酸基当量:103g/eq)
XLC:フェノール・フェニレンアラルキル樹脂 (三井化学製 XLC−LL、多官能型固形アラルキル型樹脂、水酸基当量:175g/eq)
Res:レゾルシノール (和光純薬製 試薬、二価単核フェノール化合物、水酸基当量55g/eq)
HP−40 (窒化ホウ素、水島合金鉄製;体積平均粒径40μm、六方晶、凝集、アスペクト比1.5)
AA−18 (酸化アルミニウム、住友化学製;体積平均粒子径18μm)
AA−3 (酸化アルミニウム、住友化学製;体積平均粒子径3μm)
AA−04 (酸化アルミニウム、住友化学製;体積平均粒子径0.4μm)
TPP:トリフェニルフォスフィン(和光純薬社製)
PAM:N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)
BYK−106 (ビックケミー・ジャパン社製)
REB122−4 (日立化成工業製、乳酸エチル45%溶液)
CHN:シクロヘキサノン
PET:片面離型処理済みポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業株式会社製、フィルムバイナ 75E−0010CTR−4)
GTS:電解銅箔(古河電工株式会社製、厚さ80μm、GTSグレード)
<参考例1>
多官能エポキシ樹脂としてTPM−Epを85部、硬化剤としてTPM−Nを52部、硬化促進剤としてTPPを0.3部を、離型処理した直径5cmのステンレスシャーレに計量し、ホットプレート上で150℃にて加熱溶融しながら混合した後、150℃で1時間放置して硬化した。更に、160℃2時間と190℃2時間の二次硬化を行った後、ステンレスシャーレから樹脂硬化物を取り外し、エポキシ樹脂硬化物を得た。動的粘弾性測定の結果、280℃以上でゴム状平坦領域が存在し、貯蔵弾性率の最小値は310℃で54MPaであった。
実施例1のエポキシ樹脂としてTPM−Epの代わりにBisAF−Epを66部、硬化剤としてTPM−Nの代わりにXLCを71部用いたこと以外は同様にして樹脂硬化物を得た。
下記方法により、参考例1及び2の樹脂組成の硬化物について、架橋密度を算出した。参考例1と参考例2を比較すると、参考例1の樹脂組成の硬化物は、架橋密度が約3倍も高くなることが分かった。
樹脂硬化物の架橋密度は、古典的ゴム弾性理論によると樹脂硬化物のゴム状平坦領域の貯蔵弾性率最小値(E’min)から(式2)より求めることが可能である。
E’min:引張貯蔵弾性率最小値(Pa)、ρ:密度(g/cm3)
φ:フロント係数(φ≒1)、R:気体定数(J/K・mol)
T:E’minの絶対温度(K)
<実施例1>
250mLのポリ瓶に多官能エポキシ樹脂としてTPM−Epを8.5g(85部)、硬化剤としてTPM−Nを5.2g(52部)、硬化促進剤としてTPPを0.11g(1.1部)、無機充填材としてHP−40を56g(560部)、AA−04を11.3g(113部)、カップリング剤としてPAMを0.07g(0.7部)、分散剤としてBYK−106を0.1g(1部)およびREB122−4を1.6g(16部)、溶剤としてCHNを50g(500部)、直径5mmのアルミナボール100g(1000部)を計量した後、ポリ瓶のフタを閉じボールミルで回転数100回転/分で30分間混合し樹脂組成物ワニスを得た。
実施例1のエポキシ樹脂をTPM−Epの代わりにBisAF−Epを6.6g(66部)、硬化剤としてTPM−Nの代わりにXLCを7.1g(71部)用いたこと以外は同様にして樹脂硬化物を得た。
実施例1の無機充填材をHP−40およびAA−04の代わりに、AA−18を84.9g(849部)、AA−3を30.9g(309部)およびAA−04を12.9g(129部)を用いたこと以外は実施例1と同様にして樹脂硬化物を得た。
比較例1の無機充填材をHP−40およびAA−04の代わりに、AA−18を84.9g(849部)、AA−3を30.9g(309部)およびAA−04を12.9g(129部)を用いたこと以外は比較例1と同様にして樹脂硬化物を得た。
得られた両面銅箔付き樹脂シート硬化物を、過硫酸ナトリウムの20%水溶液のエッチング液に浸漬し、銅箔が完全に溶解するまで処理した。銅箔除去が完了した後、シート状硬化物を十分水洗し、120℃で4時間乾燥したサンプルを銅箔除去樹脂シート硬化物サンプルとした。
銅箔除去樹脂シート硬化物サンプルから10mm角のサンプルを切り出し、NETZSCH社製Nanoflash LFA447型を用いて、フラッシュ法により25℃における銅箔除去済みの樹脂シート硬化物の厚さ方向の熱拡散率を測定した。
銅箔除去樹脂シート硬化物サンプルから約3mm角のサンプルを、重量が20〜40mgになるように数枚切り出した。示差走査熱量計(PERKINELMER社製Pyris−1)を用いて、サファイアを基準試料として、25℃における銅箔除去済みの樹脂シート硬化物の比熱を測定した。
アルキメデス法密度測定装置(アルファミラージュ社製SD−200L)を用いて、25℃における銅箔除去済みの樹脂シート硬化物の密度を測定した。
上記で求めた熱拡散率、比熱および密度を、(式3)に代入し、樹脂硬化物シートの厚さ方向の熱伝導率を求めた。
Cp:比熱(J/kg・K)、ρ:密度(g/cm3)
銅箔除去樹脂シート硬化物から長さ33mm×幅5mmの試料を切り出し、Rheometric Scientific社製SOLIDS ANALYZER IIを用いて 引っ張りモードで30〜350℃の貯蔵弾性率の温度依存性を測定した。
tanδのピーク温度を動的粘弾性測定におけるガラス転移温度(Tg)として読み取った。試験条件は昇温速度5℃/分、周波数10Hz、スパン間距離21mm、引張り歪量0.1%、空気雰囲気中とした。
実施例1と比較例1の結果から、窒化ホウ素を無機充填材の主成分とすると、マトリックス樹脂の架橋密度が約3倍になると熱伝導率が3割高くなることが明らかになった。
一方、比較例2と比較例3の結果から、酸化アルミニウムを無機充填材の主成分とすると、マトリックス樹脂の架橋密度が約3倍になっても、1割の向上にとどまっていた。比較例2のガラス転移温度が実施例1と比べて35℃低下していることから、酸化アルミニウムの吸着水が硬化反応を阻害し架橋密度が下がったことが原因と考えられる。
<実施例2〜7、比較例4〜5>
実施例1の手順に従い、表2に示す材料を配合し、樹脂硬化物を得た。なお、表2に記載のない材料である、硬化促進剤、カップリング剤、分散剤は実施例1と同量を配合した。
上記で得られた樹脂組成物について、上記と同様にして、樹脂硬化物の熱伝導率およびガラス転移温度を測定した。また、以下のようにして、樹脂組成物の柔軟性、および樹脂組成物によって形成される樹脂硬化物の絶縁破壊電圧を評価した。結果を表2に示した。
作製したB−ステージシートを長さ100mm、幅10mmに切出し、表面のPETフィルムを除去した。アルミ製で、直径が20〜140mm、20mm刻みの円板を多段に重ねた治具にサンプルをあてがい、25℃において破損せずに曲げられる最小径が、20mmの場合に◎で良好、40mmまたは60mmの場合に○、80mmまたは100mmの場合に△で実用の限界、120mm以上で×で不適と評価した。
金属製容器に銅箔除去樹脂シート硬化物サンプルを置き、シート状に電極(アルミ製平丸電極、直径25mm、接触面20mm)を設置した。次いでフロリナート絶縁油(3M社製 FC−40)を注ぎ、フロリナートに浸漬した状態で総研電製DAC−6032Cを用いて25℃における絶縁破壊電圧を測定した。測定条件は、周波数50Hz、昇圧速度500V/秒の一定速度昇圧とした。
比較例1、4、5の結果は、実施例1と比較して熱伝導率が低下しており、エポキシ樹脂組成物の架橋密度が低いことが原因と考えられる。
Claims (15)
- 3官能以上のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、下記一般式(I)で表される構造単位を有するノボラック樹脂を含む硬化剤と、窒化物粒子としての窒化ホウ素粒子を含む無機充填材とを含有し、
前記硬化剤が、単核ジヒドロキシベンゼンから選択される少なくとも一種を20質量%〜70質量%含む樹脂組成物。
〔一般式(I)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、lおよびmは各々独立に平均値で1〜2を表し、nは平均値で1〜15を表す。〕 - 3官能以上のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂と、下記一般式(I)で表される構造単位を有するノボラック樹脂を含む硬化剤と、窒化物粒子としての窒化ホウ素粒子を含む無機充填材とを含有し、
更に、分散剤を含有する樹脂組成物。
〔一般式(I)中、R1は水素原子またはメチル基を表し、lおよびmは各々独立に平均値で1〜2を表し、nは平均値で1〜15を表す。〕 - 前記無機充填材を50体積%〜85体積%含有する請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記3官能以上のエポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中、20質量%以上含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記3官能以上のエポキシ樹脂が、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼンノボラック型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種である請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂が更に液状または半固形エポキシ樹脂を含み、前記液状または半固形エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型およびF型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂並びにグリシジルアミン型エポキシ樹脂から選択される少なくとも一種である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記無機充填材中、前記窒化物粒子を50体積%〜95体積%含有する請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記窒化物粒子が、六方晶窒化ホウ素の凝集物または粉砕物であり、長径と短径の比率が2以下である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 更に、カップリング剤を含有する請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の樹脂組成物の未硬化体または半硬化体である樹脂シート。
- 請求項10に記載の樹脂シートと、繊維基材と、を有するプリプレグシート。
- 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の樹脂組成物の硬化物、または請求項11に記載のプリプレグシートの硬化物である樹脂硬化物シート。
- 厚さ方向の熱伝導率が10W/m・K以上である請求項12に記載の樹脂硬化物シート。
- 請求項10に記載の樹脂シートまたは請求項12若しくは請求項13に記載の樹脂硬化物シートと、前記樹脂シートまたは前記樹脂硬化物シートの片面または両面に接して設けられた金属板と、を有する構造体。
- 請求項10に記載の樹脂シート、請求項11に記載のプリプレグシート、請求項12若しくは請求項13に記載の樹脂硬化物シート、又は請求項14に記載の構造体を有する動力用又は光源用半導体デバイス。
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