JP3764083B2 - 窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、窒化アルミニウム粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子等の発熱性電子部品はますます高密度化され、それに伴い、発生した熱を如何に効率よく電子機器から逃がしてやるかが重要な課題となっている。これの解決のため、これまでにあらゆる角度からの検討が行われており、その1つに放熱部材の熱抵抗をより小さくする(熱伝導率を高める)ことが行われている。放熱部材は、発熱性電子部品の搭載された基板を電子機器に組み込む際、例えば電子機器のケーシングと該基板との間に介在させて使用されるものであり、それ自体が低熱抵抗であるとともに、介在させるに際して空隙等が残らないように良好な形状追従性(高柔軟性)が要求される。この一例として、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂などの樹脂マトリックスに窒化アルミニウム粉末が充填され、アスカーC硬度を50以下、特に30以下とした高柔軟性の放熱部材(放熱スペーサーとも呼ばれている)が実用化されている。
【0003】
放熱部材の熱伝導率を可及的に高めるため、窒化アルミニウム粉末を樹脂マトリックスに最密充填させるべく、微粉と粗粉を併用しその粒度構成を適正化する検討が古くから行われている。その一方で、窒化アルミニウム粉末それ自体の熱伝導率を高めることの研究も行われている(たとえば特開昭63−307748号公報、特開平6−209057号公報、特開平9−286606号公報、特開平2001−158610号公報)。この技術は、窒化アルミニウム粒子を粗大化して高熱伝導化を達成しようとするものであり、窒化アルミニウム粉末を焼結して窒化アルミニウム焼結体を一旦製造しそれを粉砕することを基本としている。しかしながら、この方法では、粉砕によって粒子が破砕形状となるので、その充填量を高めると樹脂組成物の流動性が悪化するので、丸みを帯びた粒子よりも高充填することができず、また上記最密充填化を行うにも何かと不都合であった。さらには、粉砕によって粒子表面が酸化したり、アルミニウムと窒素の結合が乱れて熱伝導率に悪影響を与え、また熱伝導率の増大に好ましくない微粉が発生するのでそれを除去する必要があった。しかも、焼結助剤の使用が必須となるので、それが残留し熱伝導率の増大に悪影響を与えた。
【0004】
そこで、破砕形状でない粗大窒化アルミニウム粒子の製造方法として、球状の窒化アルミニウム焼結体の製造方法が提案されている(たとえば特開平4−174910号公報)。この方法は、ミクロンレベルの窒化アルミニウム粉末をスプレードライヤーなどで造粒しそれを焼結するものである。焼結体の粉砕は行われない点で上記先行技術の問題点は緩和されるが、窒化アルミニウム粉末同士の焼結の際に、熱伝導に悪影響を与える空孔を内部に巻き込むので所期したほどには熱伝導率は高まらない。また、焼結助剤が残留することによる上記問題は解消されない。
【0005】
一方、特開平7−215707号公報では、金属アルミニウム粉末を直接窒化して窒化アルミニウム粉末を製造するに当たり、窒化反応と焼結とを同時に起こさせて粗粉化を図っている。しかし、この窒化アルミニウム粉末は非粉砕物であり格子歪みが比較的小さいにも拘わらず熱伝導率の飛躍的な向上はない。その理由は、この技術で採用されている反応温度は800〜1200℃と低いため、得られる窒化アルミニウム粒子の結晶は十分に発達していないことによる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来、樹脂組成物の熱伝導性を向上させるために、窒化アルミニウム粉末の粒子形状や粒度構成を適正化してその充填率を高めたり、窒化アルミニウム粒子自体の熱伝導率を増大させる検討が種々行われているが、今日の更なる高熱伝導性の要求は満たしていない。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、放熱部材の充填材として優れた高熱伝導性を示し、しかも充填量を高めることができる非破砕形状の窒化アルミニウム粉末を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような特性を有する窒化アルミニウム粉末を容易に製造することができる製造方法を提供することである。さらには、高熱伝導性樹脂組成物、特にその樹脂組成物で構成された放熱部材を提供することである。
【0008】
本発明の目的は、普通に入手できる窒化アルミニウム粉末の粒径を調整し、それを還元雰囲気下で熱処理を行い、窒化アルミニウム粒子を高結晶化・低酸素化させることによって達成することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、平均粒径が15〜50μm、3μm以下の微粉が10質量%以下である窒化アルミニウム粉末原料を窒化硼素製容器に充填し、還元雰囲気下、1900℃以上の温度で加熱し、窒化アルミニウム粉末原料の酸素量を低減し結晶性を増大させることを特徴とする、平均粒径が20〜50μm、酸素量が0.6質量%以下、X線回折によって得られるミラー指数(100)面、(002)面及び(101)面の3つの回折ピークの平均半価幅が0.095°以下である窒化アルミニウム粉末の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳しく本発明について説明する。まず、本発明によって製造される窒化アルミニウム粉末(以下「本発明の窒化アルミニウム粉末」ともいう。)について説明する。
【0011】
本発明の窒化アルミニウム粉末の平均粒径は20〜50μm、好ましくは20〜40μmである。平均粒径が20μm未満であると、それの充填された樹脂組成物の熱伝導率が著しく増大しない。また、平均粒径が50μmを越えると、窒化アルミニウム粉末の酸素量を0.6質量%以下とすることが困難となり、これもまた樹脂組成物の熱伝導率が著しく増大しない。
【0012】
本発明の窒化アルミニウム粉末の酸素量は、0.6質量%以下である。酸素量が0.6%を越えると、それの充填された樹脂組成物の熱伝導率が著しく増大しない。酸素量の下限はなく少ないほどよい。
【0013】
本発明の窒化アルミニウム粉末においては、X線回折によって得られる回折ピークの半価幅は非常に重要である。半価幅は結晶性の指標であり、結晶性が高いほど半価幅は小さくなる。結晶性、つまり半価幅を左右する因子としては、粉砕等のメカノケミカル的な作用による粒子表面の結晶の乱れ、表面や内部に不純物が存在することによる結晶欠陥等に起因する乱れ、更には結晶子の大きさ等があり、これらによって半価幅が決定される。本発明の半価幅の値は、0.095°以下、特に好ましくは0.085°以下である。この半価幅は、従来の窒化アルミニウム粉末が0.2〜0.4°程度であるのに対して極めて小さいことが特異的である。半価幅が0.095°を越えると、それの充填された樹脂組成物の熱伝導率が著しく高まらない。
【0014】
本発明において、半価幅とは、Cu−kα(2θ)のX線回折ピークにおいて、ミラー指数が(100)面と、(002)面と、(101)面との3つの回折ピークの半価幅の平均値をいう。三つの回折ピークの平均値を用いる理由は、配向性の影響を極力排除して結晶性の判断を行うためである。
【0015】
つぎに、本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法について説明する。
【0016】
本発明の製造方法は、平均粒径が15〜50μmで、3μm以下の微粉が10質量%以下の窒化アルミニウム粉末原料を、焼結助剤を添加せずに窒化硼素製容器に充填し、還元雰囲気下で1900℃以上の温度で加熱して、窒化アルミニウム粉末原料の酸素量を低減し結晶性を増大させる方法である。
【0017】
窒化アルミニウム粉末原料に焼結助剤を添加すると、加熱によって窒化アルミニウム粒子が焼結するために粉砕が必要となったり、焼結助剤成分が残留して上記問題が生じる。
【0018】
本発明で使用される窒化アルミニウム粉末原料は、平均粒径が15〜50μmで、3μm以下の微粉が10質量%以下である必要がある。平均粒径が15〜50μmとする第1の理由は、これを逸脱すると本発明の窒化アルミニウム粉末の平均粒径が得られないためである。とくに、平均粒径が50μmを越えると、粒内に取り込まれている酸素を低減させることが困難となる。これは、粒子が大きいと、酸素が粒子表面に移動する距離が大きくなり、酸素の低減が十分でなくなるためである。また、3μm以下の微粉が10質量%以下である理由については、微粉成分は熱伝導に悪影響を及ぼすと共に、微粉の一部は加熱時に粗粒に取り込まれ、粒成長を引き起こすことと関係しており、3μm以下の微粉が10質量%を越えると、その粒成長が顕著となり、所定の粒径を得るために粉砕が必要になるからである。
【0019】
本発明で使用される窒化アルミニウム粉末原料は、普通に入手できる市販の窒化アルミニウム粉末や、金属アルミニウムの直接窒化法、アルミナ還元窒化法等の常法によって製造された窒化アルミニウム粉末を粒度調整することによって得ることができる。
【0020】
窒化アルミニウム粉末原料の還元雰囲気下の加熱は、焼結助剤を添加しないで粉末状態のままで窒化硼素製容器に充填して行われる。焼結助剤を添加したり、ブロック等に成形して加熱したりすると、窒化アルミニウムの焼結が進行し本発明の窒化アルミニウム粉末は得られない。また、窒化硼素製容器に充填する理由は、1900℃以上の温度を形成するには、黒鉛製ヒーターと黒鉛容器が用いられるが、そこから発生した炭素分と窒化アルミニウムとの反応を阻止し、窒素欠陥や炭素の固溶などによって害されない窒化アルミニウム粉末を製造するためである。
【0021】
本発明における加熱条件は、温度1900℃以上の還元雰囲気下である。これ以外では、窒化アルミニウム粉末原料の低酸素化と高結晶化を行うことができず、本発明の窒化アルミニウム粉末を製造することができない。すなわち、1900℃未満の加熱ではその雰囲気がたとえ還元雰囲気であっても、あるいは1900℃以上の加熱であってもその雰囲気が還元雰囲気でないと、窒化アルミニウム粉末原料の低酸素化と高結晶化を行うことができない。加熱温度の上限については、特に制限はないが、2000℃を越えると窒化アルミニウム粉末の充填状態及び酸素量によっては焼結が起こりやすくなるので、2000℃以下であることが好ましい。温度1900℃以上における保持時間は、低酸素化と高結晶化が達成できる時間であり、1〜4時間程度であることことが好ましい。
【0022】
還元雰囲気下にするには、一酸化炭素ガスや水素ガスを窒素ガスと混合して供給する方法、窒化硼素製容器の外側を黒鉛容器で覆い、窒素ガスと極微量の酸素ガスの混合ガスを供給し、その酸素ガスと黒鉛容器とを反応させて一酸化炭素ガスを発生させる方法等がある。還元雰囲気の程度は特に限定はないが、一酸化炭素ガス濃度で数十μg/g以上が好ましい。なお、還元ガスを系外に排出する場合は、他の不活性ガスで希釈したり燃焼させたりするなどの安全対策を講ずる必要がある。
【0023】
本発明の窒化アルミニウム粉末は、例えば樹脂組成物(以下「本発明の樹脂組成物」ともいう。)や放熱部材の製造に用いることができる。以下、これについて説明する。
【0024】
本発明の樹脂組成物で使用される樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴムースチレン)樹脂等をあげることができる。
【0025】
樹脂がエポキシ樹脂である場合、その硬化剤として、例えばノボラック型樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等のビスフェノール化合物、ピロガロールやフロログルシノール等の3官能フェノール類、無水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミンなどが用いられる。
【0026】
これらの中、放熱部材のマトリックスとしては、例えばエポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、天然ゴム、シリコーン系樹脂が好適であり、高柔軟性放熱部材とするには付加反応型液状シリコーンゴムが望ましい。その具体例としては、一分子中にビニル基とH−Si基の両方を有する一液性のシリコーンや、末端又は側鎖にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと末端又は側鎖に2個以上のH−Si基を有するオルガノポリシロキサンとの二液性のシリコーンなどであり、市販品としては、東レダウコーニング社製、商品名「SE−1885」などがある。放熱部材の柔軟性は、シリコーンの架橋密度や窒化アルミニウム粉末の充填量によって調整することができる。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、上記材料をブレンダーやミキサーで混合することによって製造することができ、また放熱部材は、プレス成形法、押し出し成形法、ドクターブレード法によって樹脂組成物を成形し、それを加熱硬化することによって製造することができる。樹脂組成物中の窒化アルミニウム粉末の割合は、用途によって異なるが、放熱部材である場合は50〜85体積%であることが好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、実施例、比較例をあげて更に具体的に本発明を説明する。
【0029】
実施例1〜3 比較例1〜4
アトマイズされた平均粒径25μmのアルミニウム粉末100質量部に対し、窒化アルミニウム粉末を骨材として15質量部を配合した混合粉末をアルミニウム箔製円筒容器(高さ20cm、直径4cm)に充填し、窒素ガス(80体積%)−アンモニアガス(20体積%)の雰囲気下、最高温度1400℃に加熱された窒化炉に入れて窒化し、窒化アルミニウムインゴットを製造した。これをジョークラッシャー、Wロールクラッシャーを用いて1mm下の窒化アルミニウム粒に粗砕した後、ボールミルで30分間粉砕した。この粉砕品を45μmの振動フルイで通過させ、更に分級を行い、平均粒径が22μmで、3μm以下の微粉が5質量%の窒化アルミニウム粉末原料を製造した。
【0030】
これを容器(材質は表1に示す)に充填し、黒鉛発熱体の加熱炉にて還元雰囲気を制御して加熱した。容器への充填は、粉末を単純に充填する粉末充填か、又は粉末を直径100mmの円筒型の金型でプレス圧10MPaに成形したプレス成形品を充填するかのいずれかの方法で行った。加熱時の諸条件を表1に示す。なお、いずれの場合も、還元雰囲気ガスの流量は100リットル/分、昇温速度は1200℃までは毎時600℃、1200℃から最高温度までは毎時100℃とし、最高温度における保持時間を2時間とした。
【0031】
実施例4
ボールミル粉砕時間を30分から45分とし、平均粒径17μm、3μm以下の粒子含有率9質量%の窒化アルミニウム粉末原料を用いたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を製造した。
【0032】
比較例5
実施例1の窒化アルミニウム粉末原料100質量部に、平均粒径1.7μm、3μm以下が80質量%の市販の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製「Hグレード」)を8質量部添加し、平均粒径20μm、3μm以下の微粉が11質量%の窒化アルミニウム粉末原料を調整し、それを用いたこと以外は、実施例1と同様にして窒化アルミニウム粉末を製造した。
【0033】
比較例6
市販の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製Hグレード)100質量部に焼結助剤としてイットリア粉末を5質量部添加し、焼成温度1900℃で焼結して窒化アルミニウム焼結体を製造した。これをジョークラッシャー、Wロールクラッシャー及び振動ミルを組み合わせて粉砕し、分級を行って平均粒径25μmの窒化アルミニウム粉末とした。
【0034】
参考例1
市販の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製Hグレード)を用意した。
【0035】
以上の窒化アルミニウム粉末について、その平均粒径D50、酸素量、半価幅を以下に従って測定した。それらの結果を表2に示す。
【0036】
(1)平均粒径D50:マイクロトラック社製レーザー回折散乱法粒度分布測定装置を用いて測定した。
(2)酸素量:LECO社製酸素/窒素同時分析装置を用いて測定した。
(3)半価幅:粉末X線回折装置を用いて、ミラー指数(100)面、(002)面及び(101)面の3つの回折ピークの平均半価幅を算出した。なお、X線回折において管球はCuでKα1ピークを用いた。
【0037】
つぎに、上記窒化アルミニウム粉末をシリコーン樹脂に充填した放熱部材を以下に従って作製し、そのアスカーC硬度と熱伝導率を測定した。それらの結果を表2に示す。
【0038】
上記窒化アルミニウム粉末と市販の窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製Hグレード)とを質量比で70:30で混合し、それをシリコーン樹脂(東芝シリコーン社製商品名「TSE3070」)に、窒化アルミニウム粉末:樹脂の体積比が70:30となる割合でラブプラストミルを用いて混練した。この混練物を金板2枚に挟んで、10MPaの圧力で厚さ0.5mmのシート状に成型し、乾燥機中、150℃の温度で5時間保持し加硫させて放熱部材とした。
【0039】
アスカーC硬度は、上記放熱部材を直径29mmの大きさに打ち抜いた後、数枚重ねて高さ10mmに調整した後、アスカーC型スプリング式硬さ試験機を用い、SRIS 0101に準拠して測定した。
【0040】
また、熱伝導率は、シート状成型物をTO−3型銅製ヒーターケースと銅板の間に挟み、締め付けトルク300kPaでセットした後、ヒータケースに電力15Wをかけて5分間保持した後、ヒーターケースと銅板の温度差を測定し、TO−3型の伝熱面積0.0006m2から算出した。
【0041】
熱伝導率(W/mK)={電力(W)×シート厚さ(0.0005m)}÷{伝熱面積(0.0006m2)×温度差(℃)}
【0042】
なお、放熱部材の熱伝導率の測定方法には幾通りもあるが、本発明で採用した方法は、柔軟性を持つ放熱部材を発熱性電子部品の搭載された基板を電子機器に組み込むときの状態を最も正確に反映させた方法である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
表1、2より、実施例で製造された窒化アルミニウム粉末は、比較例に比べて酸素量が少なく、半価幅が非常に小さい粉末であり、これの充填された放熱部材は非常に熱伝導率が高いことが分かる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、放熱部材の熱伝導率を著しく向上させることができる窒化アルミニウム粉末の製造方法が提供される。
Claims (1)
- 平均粒径が15〜50μm、3μm以下の微粉が10質量%以下である窒化アルミニウム粉末原料を窒化硼素製容器に充填し、還元雰囲気下、1900℃以上の温度で加熱し、窒化アルミニウム粉末原料の酸素量を低減し結晶性を増大させることを特徴とする、平均粒径が20〜50μm、酸素量が0.6質量%以下、X線回折によって得られるミラー指数(100)面、(002)面及び(101)面の3つの回折ピークの平均半価幅が0.095°以下である窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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