JP2017156595A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸留工程におけるトナー粒子間の合一を抑制し、かつ、画像特性に優れたトナー粒子を製造する懸濁重合法を提供する。【解決手段】(1)難水溶性の無機微粒子Aを含有する第1の水系媒体中で、該無機微粒子Aが表面に付着した重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を得る造粒工程、(2)該重合性単量体を重合して重合体微粒子を得る重合工程、3)該重合体微粒子に残存する有機揮発物質を除去する蒸留工程を有し、該重合工程において、該分散液と、難水溶性の無機微粒子Bを含む第2の水系媒体とを混合し、該第1の水系媒体のpHにおける該液滴のゼータ電位Veの絶対値が1mV〜20mV、該無機微粒子Aのゼータ電位Vaおよび該無機微粒子Bのゼータ電位Vbが該液滴のゼータ電位Veに対して逆極性、該Vaの絶対値が1mV〜15mV、該Vaと該Vbが下記式(1)を満たす。|Vb|≧|Va|式(1)【選択図】なし

Description

本発明は電子写真、静電印刷、磁気記録のような、画像形成方法において静電荷画像を顕像化するためのトナー粒子およびトナーの製造方法に関する。特に、湿式法によってトナー粒子を製造する際に、蒸留時に粗大粒子や異形粒子の発生が少なく、さらに画像特性に優れたトナー粒子の製造方法に関する。
近年、トナー粒子の製造方法として、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式トナーに関する提案が盛んにおこなわれている。
たとえば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤および重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤およびその他の添加剤を均一に溶解または分散させて重合性単量体組成物とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、重合性単量体を重合させて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。
このようにして製造されたトナー粒子は、非常にシャープな粒度分布であることから、高い現像性を実現できるばかりか、高収率であることから生産性の観点からも優れている。
前述の懸濁重合法によるトナー粒子の製造において、残留有機揮発物質がトナー粒子中に残存すると、トナーを静電画像形成装置で使用する場合、画像定着時の加熱加圧等により残留有機揮発物質がトナー中から揮発して、不快な臭気を発生させる。湿式トナーの残留有機揮発物質を低減する方法の一つとして、重合後のトナー粒子の分散液の蒸留が挙げられる。
蒸留工程ではトナー粒子の分散液に飽和水蒸気を供給するため、加熱によりトナー粒子が著しく軟化される。その結果、たとえトナー粒子が分散安定剤で保護された状態であっても、保護が弱い面を介してトナー粒子同士が融合することにより、粗大粒子や異形粒子が生成する恐れがある。このような粗大粒子が生じると、収率が大幅に低下する。また、合一によりトナー中における異形粒子の存在割合が大きくなると摩擦帯電性などのトナー特性および画像評価した場合の現像特性に悪影響が現れ、画像特性の低下を招くため好ましくない。特に近年、トナーを静電画像形成装置で使用する場合、定着時の省電力化や環境安全性向上のためにトナーの低温定着性が要求されている。そのため、トナー粒子の熱耐性は一層厳しくなっており、優れた画像特性を維持するためにも、製造工程におけるトナー粒子の熱耐性の向上が重要な課題となっている。
蒸留工程におけるトナー粒子の合一による粗大粒子や異形粒子の生成を防止する方法として、例えば、減圧水蒸気蒸留により有機溶媒を除去する方法が提案されている(特許文献1参照)。
分散安定剤の性状を調整してトナー粒子の合一を抑制する手段として、重合工程中に分散安定剤として用いる難水溶性の無機微粒子のゼータ電位値を調整する方法がある。この方法では、難水溶性の無機微粒子と、重合性単量体組成物粒子の表面との間に働く静電的相互作用を制御する(特許文献2参照)。この静電的相互作用が最適となることで、造粒した液滴の分散安定性の向上と、分散安定剤の過剰な付着力に起因する微小なトナー粒子の生成の抑制を両立できる。
分散安定剤の追加添加によってトナー粒子の合一を抑制する手段として、重合用の反応タンクに分散剤を予め塗布する方法(特許文献3参照)が提案されている。
特開2011−8018号公報 特開2012−159751号公報 特許第5451062号
特許文献1に開示の方法は、低温で蒸留を行うことで合一を抑制しているため、十分な溶媒除去効果が得られない。近年、残留有機揮発物質の規制は、世界的に厳しくなっており、合一抑制のための低温蒸留と残留有機揮発物質の規制値以下の低減を両立することは困難である。
特許文献2に開示の方法は、蒸留工程中に温度が上昇すると、トナーの軟化による合一が促進されるため、より強い分散安定剤の付着力および、粒子間反発を得る必要がある。そのため、重合工程中のゼータ電位制御だけでは合一抑制に対して十分ではない。
特許文献3に開示の方法によると、分散安定剤のゼータ電位制御が行われていないため、分散安定剤一粒子あたりのトナー粒子への付着が十分でなく、また、一度トナー粒子に付着した分散安定剤の剥離が避けられない。再び分散安定剤に覆われるまでは、保護が薄く、他のトナー粒子と融合しやすい部分が生じるため、合一を十分抑制することができない。
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、蒸留工程におけるトナー粒子間の合一抑制について鋭意検討を行った結果、以下の方法を見出した。
すなわち、本発明は、
(1)重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を、難水溶性の無機微粒子Aを含有する第1の水系媒体中に分散させ、該無機微粒子Aが表面に付着した該重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を得る造粒工程、
(2)該液滴に含まれる該重合性単量体を重合して重合体微粒子を得る重合工程、
(3)該重合体微粒子に残存する有機揮発物質を除去する蒸留工程
を有するトナー粒子の製造方法において、
該重合工程において、該分散液と、難水溶性の無機微粒子Bを含む第2の水系媒体とを混合し、
該第1の水系媒体のpHにおける該液滴のゼータ電位Veの絶対値が1mV以上20mV以下であり、
該第1の水系媒体のpHにおける該無機微粒子Aのゼータ電位Vaおよび該第1の水系媒体のpHにおける該無機微粒子Bのゼータ電位Vbが、該液滴のゼータ電位Veに対して逆極性であり、
該Vaの絶対値が1mV以上15mV以下であり、該Vaの絶対値と該Vbの絶対値とが下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー粒子の製造方法、である。
|Vb|≧|Va| 式(1)
本発明によれば、蒸留工程におけるトナー粒子の合一を効果的に抑制することができるため、粗大粒子の生成が抑制され、トナー収率が向上する。さらに、異形粒子の生成を抑制することができるため、優れた画像特性を有するトナー粒子の製造方法を提供することが可能となる。
本発明は重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法などの湿式法によるトナー粒子の製造方法に好適に用いることができる。以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒して重合性単量体組成物の粒子を形成し、粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下に、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法について工程毎に説明し、本発明について詳細に説明する。
(重合性単量体組成物の調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。
着色剤は、予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、その他の組成物と同時、または、その他の組成物を混合した後に分散させてもよい。
(第1の水系媒体の調製)
第1の水系媒体は重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させるために用いる。そのため、水系媒体中に難水溶性の無機微粒子Aを、添加および/又は生成しておく必要がある。
(第2の水系媒体の調製)
第2の水系媒体は後述する蒸留工程にて粗大粒子や異形粒子の生成を抑制するために添加する水系媒体である。そのため、水系媒体中に難水溶性の無機微粒子Bを添加および/又は生成したものを使用する。
(造粒工程)
前述の第1の水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させ、無機微粒子Aが表面に付着した重合性単量体組成物の液滴を第1の水系媒体中に造粒する。
造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した縦型撹拌槽で行うことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定するものではないが、ULTRA‐TURRAX(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス工業(株)製)、T.K.フィルミックス(プライミクス工業(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)、キャビミックス(太平洋機工(株)製)の如き市販のものを用いることができる。また、撹拌機を縦型撹拌槽内で、撹拌槽下部から一部プロセス液を抜き出し再度撹拌槽へ戻す循環機構を有し、循環機構内にインライン式の高剪断力を有する分散機を用いることもできる。インライン式の分散機としてはコロイドミル(IKA社製)、キャビトロン(太平洋機工(株)製)、W・モーション(エム・テクニック(株)製)の如き市販の分散機を用いることができる。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物の液滴を重合工程に導入することにより、重合体微粒子を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、以下のものが挙げられる。パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼およびアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」((株)神鋼環境ソリューション製)、「ツインスター」((株)神鋼環境ソリューション製)、「マックスブレンド」(住友重機械工業(株)製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業(株)製)および「Hi−Fミキサー」(綜研化学(株)製)。
(混合工程)
上述した重合工程の開始から終了までの間に、第2の水系媒体を添加し、混合する工程である。混合工程に用いる撹拌羽根又は撹拌手段としては、以下のものが挙げられる。パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼およびアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」((株)神鋼環境ソリューション製)、「ツインスター」((株)神鋼環境ソリューション製)、「マックスブレンド」(住友重機械工業(株)製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業(株)製)および「Hi−Fミキサー」(綜研化学(株)製)。攪拌羽根又は攪拌手段としては重合工程に用いるものと同じものでも良いし、異種のものでも良い。
また、添加する第2の水系媒体の温度は重合温度の±10℃の範囲にあることが生産安定性の観点から好ましい。
(蒸留工程)
未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部の水系媒体を蒸留工程で留去する。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができるが、残留有機揮発物質を減少させるためにも、常圧下にて行うことが好ましい。しかしながら、低温定着の優れるトナーは、蒸留工程において、熱で重合体微粒子が軟化し、重合体微粒子同士の合一が進行しやすくなる。特に、無機微粒子が重合体微粒子の表面に十分な付着力を持って吸着することができない場合、重合体微粒子の表面保護が弱まり、蒸留工程中に熱で軟化した重合体微粒子同士の合一が促進される。その結果、粗大粒子や、異形粒子の割合が多くなってしまう。
(洗浄工程、固液分離工程および乾燥工程)
重合体微粒子の表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体微粒子の分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体微粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体微粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行うことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
本発明者において、該重合体組成物の液滴のゼータ電位Veの絶対値が1mV以上20mV以下であることが、無機微粒子Aを用いて重合体微粒子の粒径を所望の粒径に調整するために必要である。上記の範囲を外れた場合、該液滴単体の反発力が強いため、所望の粒径に調整することが難しい。
また、本発明において、
無機微粒子Aのゼータ電位Vaが、液滴のゼータ電位Veに対して逆極性であること、および
無機微粒子Bのゼータ電位Vbが、無機微粒子Aのゼータ電位Vaと同極性であること、も重合体微粒子を所望の粒径に調整する上で必要である。
液滴のゼータ電位Veと無機微粒子Aのゼータ電位Vaとが同極性の場合、無機微粒子Aが液滴に付着しづらいため、所望の粒径を得ることはできない。
また、無機微粒子Aのゼータ電位Vaと無機微粒子Bのゼータ電位Vbとが逆極性の場合、
無機微粒子Aが付着した重合性単量体組成物の液滴同士または
無機微粒子Aが付着した重合体微粒子同士
を無機微粒子Bが橋掛けしてしまうため、粗大粒子や異形粒子の生成を促進してしまう。
また本発明において、該Vaの絶対値が1mV以上15mV以下であり、該Vaの絶対値と該Vbの絶対値との関係が下記式(1)を満たすことが必要である。
|Vb|≧|Va| 式(1)
この理由は定かではないが、本発明者らは以下のように考えている。
ゼータ電位とは、溶液中の微小粒子の周囲に形成されるイオン固定層とイオン拡散層とよばれる電気二重層中の、液体流動が起こり始める「滑り面」の電位として定義される。
無機微粒子の表面特性により、このゼータ電位の値は正(正帯電性)や負(負帯電性)の値を示す。また、この絶対値が大きいほど前記溶液中における無機微粒子の表面の電荷が大きいことを示す。
水系媒体中において、無機微粒子の表面は正帯電または負帯電を帯びているが、この電荷の大きさが、「無機微粒子と、重合性単量体組成物の液滴表面との吸着力」と相関を有することが知られている。よって、無機微粒子のゼータ電位値を規定することにより、トナー粒子の合一を好適に制御することができる。
安定した重合性単量体組成物の液滴を形成するためには、この液滴に対して逆電荷を有する無機微粒子を分散安定剤として用いる必要がある。
しかしながら、重合性単量体組成物の液滴形成時に用いる無機微粒子Aのゼータ電位Vaが高すぎると、無機微粒子Aが液滴表面に付着する際に、既に付着している無機微粒子Aによる反発力が強く働く。そして、液滴表面を覆う無機微粒子の被覆率が低下し、重合反応時に重合性単量体組成物の液滴の合一による液滴の粗大化や、粒度分布のブロード化を引き起こす。そのため、重合性単量体組成物の液滴の形成に用いる無機微粒子Aのゼータ電位Vaの絶対値が15mV以下である必要がある。
また、無機微粒子Aのゼータ電位Vaの絶対値が1mV未満の場合、重合性単量体組成物の液滴に無機微粒子Aを付着させる力が弱い。そのため、重合性単量体組成物の液滴表面を覆う無機微粒子の被覆率が低下し、重合反応時に重合性単量体組成物の液滴の合一による液滴の粗大化や、粒度分布のブロード化を引き起こしてしまう。
また無機微粒子Aのゼータ電位の変動係数が1以下であることが、無機微粒子が重合性単量体組成物の液滴表面に均一に付着でき、その結果、粒度分布を良くすることができるので好ましい。上記変動係数は、無機微粒子Aのゼータ電位Vaを、その標準偏差値で割った値である。
尚、後述する測定方法で測定される無機微粒子のゼータ電位は、水系媒体中で測定されるものであるため、微粒子を取りまくイオン性の成分の影響を受けた値となる。例えば、無機微粒子がリン酸カルシウムであっても、水系媒体中に存在するNa、Ca2+、Cl-、PO 3−といったイオン性の成分の量に応じて、異なるゼータ電位を示すようになる。
また、本発明に用いる無機微粒子Aの体積平均粒径(Dv)は10nm以上150nm以下であることが粒度分布に優れるトナー粒子を製造する点で好ましい。
蒸留工程においては、前述したように、低温定着の優れるトナーは、蒸留工程において、熱で重合体微粒子が軟化し、重合体微粒子同士の合一が進行しやすくなる。そのため、無機微粒子がトナー粒子の表面に十分な付着力を持って吸着し、かつできるだけトナー粒子同士が接触する箇所を減らす必要がある。本発明者らが鋭意検討した結果、蒸留工程前までに液滴表面をしっかり被覆するためには、液滴形成時に添加する無機微粒子Aよりもゼータ電位の高い無機微粒子Bを添加することが重要であることが明らかとなった。この理由は以下のように考えている。
重合性単量体組成物の液滴又は重合体微粒子の表面には無機微粒子Aが存在しているため、見掛け上の表面電荷は無機微粒子Aの影響が支配的となっている。そのため、更に重合体単量体組成物の液滴または重合体微粒子の表面に、無機微粒子Bを付着させるためには、無機微粒子Aよりも電荷の高い無機微粒子Bを用いる。そのようにすることで、露出した重合性単量体組成物の液滴または重合体微粒子の表面に、無機微粒子Bを静電的に凝集させる必要があると考えている。
また、無機微粒子Bのゼータ電位Vbとしては50mV以下であることが粗大粒子の生成を更に抑制する観点で好ましい。
また、無機微粒子Bのゼータ電位の変動係数が1以下であることが、蒸留工程で異形粒子の生成を更に抑制できる観点から好ましい。
上記変動係数は、無機微粒子Bのゼータ電位を、その標準偏差値で割った値である。
更に、ゼータ電位Vaの絶対値|Va|およびゼータ電位Vbの絶対値|Vb|の差が|Vb|−|Va|≧5を満たすことが好ましい。|Vb|−|Va|≧5を満たす場合、蒸留工程時の重合体微粒子の電気的な反発力が強まり、粗大粒子や異形粒子の生成を更に抑制できるからである。
また、無機微粒子Bの体積平均粒径(Dv)は10nm以上250nm以下であることが蒸留時の粗大化を抑制する観点で好ましい。
また、無機微粒子Bを添加し混合するタイミングとしては、重合性単量体組成物の反応転化率が40%以上であることが好ましく、更に好ましくは反応転化率が80%以上である。その理由は、蒸留に発生する粗大粒子の抑制や微小粒子化した重合体微粒子の生成を抑制するからである。
また、第1の水系媒体のpHと第2の水系媒体のpHとは、安定した粒子の分散状態を維持する観点から、近いことが好ましく、両者の差が2.0以下であることが好ましく、1.0以下であることが特に好ましい。
<難水溶性の無機微粒子A>
分散安定剤として用いる難水溶性の無機微粒子Aとしては、以下に挙げるものが使用できる。
例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<難水溶性の無機微粒子B>
混合工程に添加する難水溶性の無機微粒子Bとしては、以下に挙げるものが使用できる。
例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、ゼータ電位を前記範囲に調節するためには、例えば無機微粒子製造時の各原料の添加量や添加速度を調節することで達成可能である。
そのため、無機微粒子Bとしては、
カルシウムイオン、マグネシウムイオン、およびアルミニウムイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陽イオンと、
炭酸イオン、水酸化物イオン、およびリン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の陰イオンとからなる塩を用いることがゼータ電位の調整の観点から好ましい。
そして、それらの中でも特にリン酸カルシウム塩類を用いることが好ましい。リン酸カルシウム塩類の具体例としては、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、カルシウム欠損型アパタイト、炭酸アパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、二リン酸カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウムおよびそれら複数の混合物が好適に用いられる。また、これらのリン酸カルシウム塩類の正帯電性や酸への可溶度などを考慮すると、本発明に用いられるリン酸カルシウム塩類はヒドロキシアパタイトを含有することがさらに好ましい。
ヒドロキシアパタイトを含有することによって無機微粒子の正帯電性がさらに良好となり、無機微粒子と負帯電性の重合体微粒子との吸着性をより高めることが可能となる。そのため、負帯電性の重合体微粒子の合一をより抑制することが可能となる。よって、より一層粒度分布のシャープなトナー粒子を得ることが可能となり、現像性の優れたトナーが得られる。さらに、これらの無機微粒子は市販のものをそのまま用いてもよいが、無機微粒子の粒径制御を考慮すると水系媒中にて無機微粒子を生成させることがよい。例えば、ヒドロキシアパタイトの場合、高撹拌下においてリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム溶液とを混合することにより得ることがよい。
そして、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム溶液を用いた場合、該無機微粒子のリン酸イオンに対するカルシウムイオンの化学当量を1.5以上にすることで、リン酸カルシウムの結晶表面のカルシウムイオン率を高めることができる。これにより、リン酸カルシウムの正電荷が高まり、蒸留時の粗大粒子の生成や異形粒子の生成の抑制により効果的である。
<重合性単量体>
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することができる。
単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用しても良い。
<着色剤>
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー185、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、および、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下を添加して用いられる。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としては、以下のものが挙げられる。マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
<離型剤>
本発明で用いられる離型剤としては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックスおよびこれらのグラフト化合物、およびこれらのブロック化合物。これらの離型剤は重合性単量体100質量部に対して、1質量部以上、40質量部以下を添加して用いられる。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。第2の離型剤としては炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノおよびポリカルボン酸およびその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシンおよび脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩およびこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料およびこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上、20質量部以下で使用するのが好ましい。
<重合開始剤>
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。
還元性物質としては以下のものが挙げられる。還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1〜6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1〜6)。
開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部が添加される。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
<樹脂添加剤>
本発明の懸濁重合法で用いられる樹脂添加剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば以下のものが挙げられる。スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、以下のものが挙げられる。スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体。
特に代表的な樹脂添加剤としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂。これらの中でも、ポリエステル樹脂を用いることが低温定着性およびトナー粒子の負帯電性を向上させる観点で好ましい。また、これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<外添剤>
本発明の製造方法で得られたトナー粒子は、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
本発明により製造されるトナーは、一成分および二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
以下、本発明における測定手法について述べる。
<体積基準のメディアン径(Dv50)、個数基準のメディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いた。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いた。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行った。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
粒度分布は下記の計算式(4)により導かれる数値を指標とした。
体積基準のメディアン径(Dv50)÷ 個数基準のメディアン径(Dn50)…式(4)
上記指標は数値が1に近いほど粒度分布がシャープなことを表す。以下この指標をDv50/Dn50とする。
<難水溶性の無機微粒子のゼータ電位測定>
難水溶性の無機微粒子のゼータ電位値(ζt)およびゼータ電位の平均値に対する標準偏差(σt)の測定は、Zetasizer Nano ZS(MALVERN社製)用いて行った。
測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「Dispersion Technology software 4.20」(MALVERN社製)を用いて行った。具体的な測定方法は下記の通りである。
無機微粒子を含有する水系媒体の製造が完了した後、水系媒体の一部を抜き取り30℃に調温した。その後、各実施例の重合時におよそ対応する、ゼータ電位調整またはpH調整を行った。
ゼータ電位調整:電荷決定イオン含有水溶液の添加
pH調整:0.1N塩酸又は0.1N水酸化ナトリウム水溶液添加
調製した水系媒体を一部抜き取り、容積10mLのシリンジに移した。次に、シリンジ先端を、イオン交換水で2回とも洗いしたゼータ電位測定用キャピラリーセル(DTS1060−Clear disposable zeta cell)の片方のサンプルポートに挿入し、気泡が発生しないよう水系媒体をゆっくりと注いだ。液がキャピラリ部分に隙間なく注入されたことを確認した後、二つのサンプルポートに栓をした。
セルを測定装置のセルホルダーに差し込み、検出部の蓋を閉じた。下記の測定条件で測定を行った。
F(ka)selection Model:Smoluchowski
Dispersant:Water
Temperature:重合または蒸留時温度(通常は70℃)
Result Calculation:General Purpose
測定終了後、表示される測定結果のレポート画面において、「Zeta Potential」の値をゼータ電位の平均値とした。
<液滴のゼータ電位測定>
本発明における液滴のゼータ電位値(ζt)の測定は、Zetasizer Nano ZS(MALVERN社製)を用いて行った。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「Dispersion Technology software 4.20」(MALVERN社製)を用いて行った。具体的な測定方法は下記の通りである。
ノニオン性界面活性剤を添加し、更に、0.1モル/リットルの塩酸又は0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整を行った水溶液を70℃に加温し、重合性単量体組成物溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(プライミクス工業(株)製)を用いて30分間撹拌した。撹拌時の周速は25m/秒とした。その後、直ちに重合性単量体組成物液滴の一部を抜き取り容積10mLのシリンジに移した。
次に、シリンジ先端を、イオン交換水で2回とも洗いしたゼータ電位測定用キャピラリーセル(DTS1060−Clear disposable zeta cell)の片方のサンプルポートに挿入し、気泡が発生しないよう水系媒体をゆっくりと注いだ。液がキャピラリ部分に隙間なく注入されたことを確認した後、二つのサンプルポートに栓をした。
セルを測定装置のセルホルダーに差し込み、検出部の蓋を閉じた。下記の測定条件で測定を行った。
F(ka)selection Model:Smoluchowski
Dispersant:Water
Temperature:重合または蒸留時温度(通常は70℃)
Result Calculation:General Purpose
測定終了後、表示される測定結果のレポート画面において、「Zeta Potential」の値をゼータ電位の平均値とした。
<無機微粒子を含む水系媒体および液滴のpH測定>
スラリーおよび無機微粒子を含む水系媒体のpHはJIS Z8802−1984の7で規定された測定方法により、以下のようなpH計を用いて測定する。
まず、電極を洗浄したものをJIS Z8802−1984の7で規定された手法により、pH計の調整を行う。
次に、測定サンプルを測定値が変化しない程度の液量10〜25mLをとり、そのサンプルの液温が±0.1℃以上変化がないようにし、上述したJIS Z8802−1984の7で規定されたガラス電極を有するpH計により測定を行う。引き続いて測定される3回の結果が、用いるpH計の再現性に応じて、それぞれ±0.02、±0.05、又は±0.1以内の範囲で一致するまで行った値を平均し、水系媒体のpHとする。
<トナー粒子の微小粒子率、アスペクト比の測定方法>
トナー粒子の微小粒子率、アスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定および解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.04g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用いた。水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を粒子周囲長とし6.332μm以上、400.0μm未満に限定し、6.332μm未満の粒子の存在比率を微小粒子率とした。アスペクト比は解析粒子径を円相当径(個数)とし4.044μm以上、100.0μm未満に限定し算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
標準ラテックス粒子の例:Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈したもの。
その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を粒子周囲長6.332μm以上、400.0μm未満、および、解析粒子径を円相当径(個数)4.044μm以上、100.0μm未満、に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定および解析条件で測定を行った。
<ポリエステル樹脂の酸価Av、水酸基価OHvの測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学(株)製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業(株)製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業(株)製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業(株)製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
本試験;
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<ポリエステル樹脂の分子量測定>
ポリエステル樹脂の分子量および分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出される。酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
GPCによる分子量の測定は、以下のようにして行う。まず、室温で24時間かけて、測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
測定サンプルの分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
標準ポリスチレン樹脂の例:商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」(東ソー(株)製)
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。
<ポリエステル樹脂1の製造例>
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に下記ポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行った。
テレフタレート: 29.9質量部
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物: 48.5質量部
イソソルビド: 1.2質量部
エチレングリコール: 4.5質量部
テトラブトキシチタネート: 0.125質量部
その後トリメリット酸を2.1質量部およびテトラブトキシチタネートを0.120質量部追加し、220℃で3時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で2時間反応してポリエステル樹脂1を得た。得られた樹脂の酸価Avは4.0、水酸基価OHvは33.0、重量平均分子量Mwは10,000であった。
なお、上記イソソルビドとは、下記式(3)の構造を持つ化合物である。
Figure 2017156595
<ポリエステル樹脂2の製造例>
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に下記のポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で200℃で5時間反応を行った。
テレフタル酸: 25.9質量部
イソフタル酸: 5.0質量部
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物: 48.5質量部
テトラブトキシチタネート: 0.125質量部
その後、トリメリット酸を2.1質量部およびテトラブトキシチタネートを0.120質量部追加し、220℃で3時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で2時間反応してポリエステル樹脂2を得た。得られた樹脂の酸価Avは4.0、水酸基価OHvは33.0、重量平均分子量Mwは10,000であった。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。第1および第2の水系媒体と重合性単量体組成物の総量が、23kgになるように、下記の比率で材料を調整した。
(第1の水系媒体の調製1)
造粒タンクに下記の材料を入れ、リン酸ナトリウム水溶液を作製し、50℃に加温した。
イオン交換水 203.8質量部
リン酸ナトリウム12水和物 4.0質量部
10wt%塩酸 1.6質量部
下記のイオン交換水に下記の材料を溶解し、塩化カルシウム水溶液を得た。
イオン交換水 16.3質量部
塩化カルシウム2水和物 2.3質量部
前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(プライミクス工業(株)製)を用いて周速25m/秒にて30分間撹拌した。
第1の水系媒体のpHを測定したところ、5.2であった。生成したリン酸カルシウムのゼータ電位Vaを測定したところ+10mVであった。また、体積平均粒径Dvは80nmであった。
(第2の水系媒体の調製1)
下記の点を変更した以外は、第1の水系媒体の調製1と同様の方法により第2の水系媒体を調製した。
リン酸ナトリウム水溶液用イオン交換水 51.3質量部
リン酸ナトリウム12水和物 1.3質量部
10wt%塩酸 0.3質量部
塩化カルシウム溶解用イオン交換水 10.4質量部
塩化カルシウム2水和物 1.5質量部
加温 50℃
第2の水系媒体のpHを測定したところ、5.0であった。また、体積平均粒径Dvは80nmであった。
第2の水系媒体に0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、第1の水系媒体のpHである5.2に調整した。pHを5.2に調整した後の第2の水系媒体において、リン酸カルシウムのゼータ電位Vbを測定したところ+20mVであった。
(着色剤含有組成物の調製)
スチレン 39.0質量部
カーボンブラック 6.5質量部
荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業(株)製) 0.5質量部
上記材料を、アトライタ(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、着色剤含有組成物を調製した。
(重合性単量体組成物の調製)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(プライミクス工業(株)製)を用いて、周速20m/秒にて混合・分散した。
・着色剤含有組成物 45.5質量部
・スチレン 33.0質量部
・n−ブチルアクリレート 28.0質量部
・ポリエステル樹脂 2.0質量部
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成(株)製)
0.7質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−51;日本精蝋(株)製)10.0質量部、ベヘン酸ベヘニル(融点72℃)2.0質量部を投入し、30分間分散・混合を行った。重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
なお、上記重合性単量体組成物の液滴を用いて、前述の方法により液滴のゼータ電位Veを測定したところ、−15mV(pH5.2)であった。
(造粒工程)
第1の水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて周速20m/秒で撹拌した。次いで造粒タンク下部より、造粒タンク内の混合液を連続的に抜き出しタンク上部に混合液を戻し循環させた。循環ライン中に具備したキャビトロン(太平洋機工(株)製)を用いてローター周速40m/秒にて重合性単量体組成物を第1の水系媒体中で分散させた。キャビトロンを通過した積算流量が、造粒タンクに仕込んだ液量の5倍となるまで循環させ、重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を得た。
(重合工程および混合工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。昇温完了後20分間経過した後、70℃に加温した第2の水系媒体63.1質量部を追加添加し、更に280分間反応させた(70℃の全反応時間300分間)。その後、更に85℃に昇温し、120分間反応させた。
重合反応終了時のサンプルの粒度測定を精密粒度分布測定装置により行ったところ、体積基準のメディアン径(Dv50)は5.95μmであった。粒度分布(Dv50/Dn50)は1.15であった。
(蒸留)
重合工程終了後、重合スラリーに120℃の水蒸気を5kg/時間の流量で供給を開始した。水蒸気の供給を開始した後、98℃に達した時点から蒸留開始とし、8時間蒸留を行った。蒸留終了時のサンプルの粒度測定を精密粒度分布測定装置により行った。体積基準のメディアン径(Dv50)が6.18μm、粒度分布(Dv50/Dn50)は1.17であった。
(洗浄/濾過/乾燥)
冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1の微小粒子率、アスペクト比をフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いて測定したところ、16個数%、0.90であった。
実施例1のトナー粒子1を以下に示す評価基準に従い評価した。評価結果は表2に示す通りであり、実施例1のトナー粒子1は蒸留時に粗大化することなく非常に良好な結果が得られた。
<トナー粒子の粗大化度評価>
トナー粒子の粗大粒子を表す指標としては、蒸留工程前後でのトナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)の変化を使用する。すなわち、蒸留工程後のDv50と蒸留工程前のDv50との差(ΔDv50)が大きいほど、粒子が合一もしくは、粗大化したことを表す。なお、評価基準は以下の通りである。
A:0.00μm以上0.10μm未満。
B:0.10μm以上0.25μm未満。
C:0.25μm以上0.40μm未満。
D:0.40μm以上。
<微小粒子率評価>
トナー粒子中に占める微小粒子の割合が高いと、現像スジ等の画像弊害を引き起こす原因となる。粒子周囲長が6.332μm未満の粒子の存在比率を微小粒子率とした。
A:0%以上10%未満。
B:10%以上15%未満。
C:15%以上20%未満。
D:20%以上。
<アスペクト比評価>
トナー粒子の合一の有無を示す指標としては、アスペクト比を使用する。
粒子同士の合一が少なく、粒子像がより円形の時にアスペクト比Rは1に近づき、粒子同士の合一が多く、粒子像の針状度が高くなればなるほどアスペクト比Rは小さい値になる。トナー粒子のアスペクト比Rが小さい場合、トナー粒子の真球性が低下するため、現像性や転写性に弊害を生じる場合がある。
A:0.93%以上。
B:0.93%未満0.91%以上。
C:0.91%未満0.88%以上。
D:0.88%未満。
〔実施例2〕
第2の水系媒体の添加タイミングを70℃に昇温が完了した後、60分経過した後に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子2を得た。得られたトナー粒子2の物性は表2に示す。
〔実施例3〕
第2の水系媒体の添加タイミングを70℃に昇温が完了した後、30分経過した後に変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子3を得た。得られたトナー粒子3の物性は表2に示す。
〔実施例4〜22〕
実施例1において、造粒工程に用いるポリエステル樹脂、第1の水系媒体の調製条件および第2の水系媒体の調製条件を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子4〜22を得た。得られたトナー粒子4〜22の物性は表2に示す通りである。
〔実施例23〕
下記の手順によってトナーを製造した。第1および第2の水系媒体と重合性単量体組成物の総量が、23kgになるように、下記の比率で材料を調整した。
(第1の水系媒体の調製23)
造粒タンクに下記の材料を入れ、水酸化ナトリウム水溶液を作製し、70℃に加温した。
イオン交換水 203.8質量部
水酸化ナトリウム 0.4質量部
10wt%塩酸 0.2質量部
下記のイオン交換水に下記の材料を溶解し、塩化マグネシウム水溶液を得た。
イオン交換水 16.3質量部
塩化マグネシウム6水和物 1.05質量部
前述の水酸化ナトリウム水溶液に塩化マグネシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(プライミクス工業(株)製)を用いて周速25m/秒にて30分間撹拌した。
第1の水系媒体のpHを測定したところ、7.6であった。生成した水酸化マグネシウムのゼータ電位Vaを測定したところ−5mVであった。また、体積平均粒径Dvは150nmであった。
(第2の水系媒体の調製23)
下記の点を変更した以外は、第1の水系媒体の調製23と同様の方法により第2の水系媒体を調製した。
水酸化ナトリウム水溶液用イオン交換水 51.3質量部
水酸化ナトリウム 0.2質量部
10wt%塩酸 0.1質量部
塩化マグネシウム溶解用イオン交換水 10.4質量部
塩化マグネシウム6水和物 0.4質量部
加温 75℃
第2の水系媒体のpHを測定したところ、7.3であった。また、体積平均粒径Dvは250nmであった。
第2の水系媒体に0.1モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、第1の水系媒体のpHである7.6に調整した。pHを7.6に調整した後の第2の水系媒体において、水酸化マグネシウムのゼータ電位Vbを測定したところ−15mVであった。
(着色剤含有組成物の調製)
スチレン 39.0質量部
カーボンブラック 6.5質量部
荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業(株)製) 0.5質量部
上記材料を、アトライタ(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、着色剤含有組成物を調製した。
(重合性単量体組成物の調製)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(プライミクス工業(株)製)を用いて、周速20m/秒にて混合・分散した。
・着色剤含有組成物 45.5質量部
・スチレン 33.0質量部
・n−ブチルアクリレート 28.0質量部
・4級アンモニウム塩 0.7質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−51;日本精蝋(株)製)10.0質量部、ベヘン酸ベヘニルワックス(融点72℃)2.0質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、
重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記重合性単量体組成物を用いて、前述の方法により液滴のゼータ電位Veを測定したところ、+5mV(pH7.6)であった。
(造粒工程)
第1の水系媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて周速20m/秒で撹拌した。次いで造粒タンク下部より、造粒タンク内の混合液を連続的に抜き出しタンク上部に混合液を戻し循環させた。循環ライン中に具備したキャビトロン(太平洋機工(株)製)を用いてローター周速40m/秒にて重合性単量体組成物を水系媒体中で分散させた。キャビトロンを通過した積算流量が、造粒タンクに仕込んだ液量の5倍となるまで循環させ、重合性単量体組成物の分散液を得た。
(重合工程および混合工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。昇温完了後300分間反応させた後、70℃に加温した第2の水系媒体63.1質量部を追加添加し、更に85℃に昇温し、120分間反応させた。
重合反応終了時のサンプルの粒度測定を精密粒度分布測定装置により行ったところ、体積基準のメディアン径(Dv50)は6.38μmであった。粒度分布(Dv50/Dn50)は1.25であった。
(蒸留)
重合工程終了後、重合スラリーに120℃の水蒸気を5kg/時間の流量で供給を開始した。水蒸気の供給を開始した後、98℃に達した時点から蒸留開始とし、8時間蒸留を行った。蒸留終了時のサンプルの粒度測定を精密粒度分布測定装置により行った。体積基準のメディアン径(Dv50)が6.65μm、粒度分布(Dv50/Dn50)は1.28であった。この結果、蒸留中にトナーの合一は、ほとんど生じておらず、良好な蒸留操作であった。
(洗浄/濾過/乾燥)
冷却後、塩酸を加えpHを4.5にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子23を得た。
得られたトナー粒子23の微小粒子率、アスペクト比をフロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」を用いて測定したところ、18個数%、0.91であった。
〔実施例24〕
実施例23において、第1の水系媒体の調製条件および第2の水系媒体の調製条件を表1に示す通りに変更した以外は、実施例23と同様にしてトナー粒子24を得た。得られたトナー粒子24の物性は表2に示す通りである。
〔比較例1〕
実施例1において、第1の水系媒体の調製条件および第2の水系媒体の調製条件を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子25を得た。得られたトナー粒子25の物性は表2に示す通りである。
〔比較例2〕
実施例1において、第1の水系媒体の調製条件および第2の水系媒体の調製条件を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子26を得た。得られたトナー粒子26の物性は表2に示す通りである。
〔比較例3〜4〕
実施例23において、第1の水系媒体の調製条件および第2の水系媒体の調製条件を表1に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー粒子27〜28を得た。得られたトナー粒子27〜28の物性は表2に示す通りである。
Figure 2017156595
Figure 2017156595
Figure 2017156595
Figure 2017156595
Figure 2017156595
〔実施例25〕
(外添)
トナー粒子1 100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で10分間乾式混合してトナー1を得た。
得られたトナー1の現像性評価を以下に示す方法で行った。その評価結果は表3に示す通り良好な結果であった。
<耐久時の部材汚染性(帯電部材汚染)>
トナーの部材汚染性を評価するため、帯電部材汚染を以下の方法で評価した。
低温低湿環境下(温度10℃、相対湿度10%)において、キヤノンカラーレーザーコピア用紙(A4:81.4g/m)に印字率0.5%の画像を2枚毎に2秒の間欠時間をおいて50,000枚出力した。なお、以下の記載において特に断らない限り、キヤノンカラーレーザーコピア用紙(A4:81.4g/m)を使用しているものとする。その後、トナーカートリッジから帯電ローラを取り外した。新品のプロセスカートリッジ(市販のもの)から帯電ローラを取り外し、耐久済みの前記帯電ローラを取りつけ、ハーフトーン画像を出力した。ハーフトーン画像の均一性を目視にて評価し、帯電部材汚染の評価を行った。
なお、帯電部材が汚染されている場合には、感光体上に帯電ムラが生じ、ハーフトーン画像の濃度ムラが生じることが知られている。
(帯電部材汚染)
・評価基準
A:画像濃度にムラがなく均一である
B:画像濃度にややムラがある
C:画像濃度にムラがあるが、使用上問題とならないレベル
D:画像濃度にムラがあり、均一なハーフトーン画像になっていないレベル
<非画像部カブリの評価>
低温低湿環境(温度10℃、相対湿度10%)において、LetterサイズのHP Brochure Paper , Glossy(200g/m)に0%印字比率のベタ白画像をサンプル画像として出力した。サンプル画像出力後、印字率0.5%の画像を10,000枚出力した。その後、同環境下に、7日間保管した後、同様のベタ白画像を出力した。得られたベタ白画像に対し、カブリの評価を行った。なお、上記評価項目は高温高湿保管時の帯電性に優れるほど良好な結果が得られることが知られている。
なお、カブリ濃度(%)の測定は、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」((有)東京電色製)を用い、測定した画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度との差から、カブリ濃度(%)を算出することにより行った。フィルターは、アンバーフィルターを用いた。
・評価基準
A:カブリ濃度0.5%未満
B:カブリ濃度0.5%以上1.0%未満
C:カブリ濃度1.0%以上2.0%未満
D:カブリ濃度2.0%以上
[実施例26〜28、および比較例5]
実施例25において、表3に示すトナー粒子に変更した以外は、実施例25と同様にしてトナー2〜5を得た。得られたトナー2〜5の評価結果は表3に示す通りであった。
Figure 2017156595

Claims (5)

  1. (1)重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を、難水溶性の無機微粒子Aを含有する第1の水系媒体中に分散させ、該無機微粒子Aが表面に付着した該重合性単量体組成物の液滴を含有する分散液を得る造粒工程、
    (2)該液滴に含まれる該重合性単量体を重合して重合体微粒子を得る重合工程、
    (3)該重合体微粒子に残存する有機揮発物質を除去する蒸留工程
    を有するトナー粒子の製造方法において、
    該重合工程において、該分散液と、難水溶性の無機微粒子Bを含む第2の水系媒体とを混合し、
    該第1の水系媒体のpHにおける該液滴のゼータ電位Veの絶対値が1mV以上20mV以下であり、
    該第1の水系媒体のpHにおける該無機微粒子Aのゼータ電位Vaおよび該第1の水系媒体のpHにおける該無機微粒子Bのゼータ電位Vbが、該液滴のゼータ電位Veに対して逆極性であり、
    該Vaの絶対値が1mV以上15mV以下であり、
    該Vaの絶対値と該Vbの絶対値とが下記式(1)を満たす
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
    |Vb|≧|Va| 式(1)
  2. 該Vaの絶対値と該Vbの絶対値とが下記式(2)を満たす請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
    |Vb|−|Va|≧5 式(2)
  3. 該無機微粒子Aの体積平均粒径(Dv)が10nm以上150nm以下であり、
    該無機微粒子Bの体積平均粒径(Dv)が10nm以上250nm以下である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該無機微粒子Bがリン酸カルシウムであり、該リン酸カルシウムのリン酸イオンの化学当量に対するカルシウムイオンの化学当量の比が1.5以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該重合性単量体組成物は、ポリエステル樹脂を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。

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