JPH1184722A - 静電荷像現像用重合トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用重合トナーの製造方法

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JPH1184722A
JPH1184722A JP23805897A JP23805897A JPH1184722A JP H1184722 A JPH1184722 A JP H1184722A JP 23805897 A JP23805897 A JP 23805897A JP 23805897 A JP23805897 A JP 23805897A JP H1184722 A JPH1184722 A JP H1184722A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な帯電性が安定的に得られ、更に高湿下
においても高い帯電量を維持できることにより、カブリ
を低く抑えたまま高い画像濃度が得られる静電荷像現像
用重合トナーの製造方法を提供することにある。 【解決手段】 重合性単量体と着色剤とを少なくとも含
む単量体組成物を分散安定剤存在下で、重合してトナー
を製造する方法であって、該単量体組成物の重合転化率
が0.2〜0.7においてさらに分散安定剤を追添加す
ることを特徴とする静電荷像現像用重合トナーの製造方
法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷等における静電荷像を現像するための重合
トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている如く多数の方法で知られているが、一般には光導
電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的
潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、
必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用い、紙等の
転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧力,加熱加
圧あるいは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得るもの
であり、そして感光体上に転写せず残ったトナーは種々
の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返され
る。
【0003】またさらに、一般的なフルカラー画像を形
成する方法について説明すると、感光体ドラムの感光体
を一次帯電器によって均一に帯電し、原稿のマゼンタ画
像信号にて変調されたレーザー光により画像露光を行な
い、感光体ドラム上に静電潜像を形成し、マゼンタトナ
ーを保有するマゼンタ現像器により該静電潜像の現像を
行ない、マゼンタトナー画像を形成する。次に搬送され
てきた転写材に、転写帯電器によって前記の感光体ドラ
ムに現像されたマゼンタトナー画像を、直接的あるいは
間接的手段を用い転写する。
【0004】一方、前記の静電潜像の現像を行なった後
の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電し、クリー
ニング手段によりクリーニングを行なった後、再び一次
帯電器によって帯電し、同様にシアントナー画像の形成
及び前記のマゼンタトナー画像を転写した転写材へのシ
アントナーの画像の転写を行ない、さらにイエロー色、
ブラック色と順次同様に行なって、4色のトナー画像を
転写材に転写する。該4色のトナー画像を有する転写材
を、定着ローラにより熱及び圧力の作用で定着すること
により、フルカラー画像を形成する。
【0005】近年このような装置は、単なる一般にいう
オリジナル原稿を複写するための事務処理用複写機とい
うだけでなく、コンピュータの出力としてのプリンター
あるいは個人向けのパーソナルコピーという分野で使わ
れ始めた。
【0006】このようなレーザービームプリンターに代
表される分野以外にも、基本エンジンを応用した普通紙
ファックスへの展開も急激に発展をとげつつある。
【0007】そのため、より小型、より軽量そしてより
高速、より高画質、より高信頼性が厳しく追及されてき
ており、機械は種々の点でよりシンプルな要素で構成さ
れるようになってきている。その結果、トナーに要求さ
れる性能はより高度になり、トナーの性能向上が達成で
きなければ、より優れた機械が成り立たなくなってきて
いる。
【0008】特に、今後急速な市場の伸びが考えられる
パーソナルコンピューター用のカラープリンター、パー
ソナルカラーコピーにおいては、装置の小型化、操作
性、経済性を達成するために、現像機を一体化でき、そ
の複雑な装置を小型化し、さらにコピーコスト低減を達
成できる非磁性一成分現像用トナーが提案されている。
しかし、この非磁性一成分現像方法は、トナー担持体と
帯電付与材の摩擦によってのみ帯電荷量、担持体上のト
ナー層厚が規制されるため、例えば低湿下における帯電
速度の低下に起因する画質とカブリのバランスの問題、
高湿環境下での帯電量の低下、画質に影響しやすいトナ
ー粉体の流動性など荷電制御に関して改良する課題も残
されている。
【0009】また、こうした課題をトナーの形状からコ
ントロールするという観点から、懸濁重合法トナーが提
案されている(特公昭36−10231号公報)。即
ち、この懸濁重合法においては重合性単量体及び着色剤
(さらに必要に応じて重合開始剤、架橋剤、その他添加
剤)を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とし
た後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相
(例えば水相)中に適当な撹拌機を用いて分散し同時に
重合反応を行なわせ、所望の粒径を有するトナー粒子を
得るものであり、粉砕法トナーに比較して粒径、粒度分
布をコントロールしやすく、よって帯電荷分布の狭いト
ナーを得ることができ、荷電制御を可能にすることがで
きる。
【0010】しかし、重合トナーは上記長所を有するも
のの、その球形の形状から最密充填しやすく、流動しに
くいためチャージアップの原因となるなどの問題もあっ
た。
【0011】また、粉砕法のトナーを違い、重合トナー
は製法上液体分散安定媒中で合成するため、分散安定媒
体中に含まれるすべての物質に少なからず汚染されると
いう問題がある。さらに、分散安定剤はその電気的極性
による斥力、引力で分散媒体中に均一に分散させるもの
であり、こうしたイオン性、電気的極性を有する物質が
十分に除去されず、トナーが該物質に汚染された状態、
あるいは十分に除去されていない場合ではその帯電性も
安定せず、さらに高温高湿下では帯電性が非常に悪くな
るなど環境安定性も劣悪にある。
【0012】上記分散安定剤には、一般にポリビニルア
ルコール、ゼラチンなどの水溶性高分子や硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウムなどの難水溶性無機物質微粉末が使
用される。しかしながら、これらの分散安定剤にあって
はその除去が一般に困難で、特に、前者にあっては水溶
液が粘稠であるため、その除去が困難で、トナー表面に
存在し、上述のように摩擦帯電特性等を阻害し、画質を
極めて悪化させるという欠点があった。
【0013】また、上記分散安定媒は調製が非常に難し
く、例えば、分散安定剤が適量より少ない場合は、造粒
工程において所望の粒度が得られないか、もしくは粒度
が得られたとしても、各粒子間に存在する分散安定剤の
存在確立が少なくなるため、重合工程中に衝突した粒子
同士が凝集、合一してしまい、重合終了後の粒度分布が
広く(ブロードで)良好な帯電性が得られない。
【0014】分散安定剤が適量より多い場合は、造粒中
の撹拌によって生成される粒径1.0μm以下の超微粒
子をも安定化させることになり、これらの超微粒子を含
むトナーのチャージアップの原因となったり、帯電部材
あるいはクリーニング部材等への融着を引き起こすなど
の弊害をもたらす。
【0015】これらのうち汚染に関する問題点を解決す
る方法として、特開昭56−130762号公報、特開
昭61−22354号公報、特開平2−148046号
公報にリン酸カルシウムを分散安定剤とする方法が提案
されている。即ち、特開平2−148046号公報にお
いては、リン酸カルシウムを一度酸水溶液中に溶解し、
重合性単量体組成物を撹拌下に懸濁分散させた後水酸ア
ルカリを添加し、再度リン酸カルシウムを油滴上に分散
安定剤として析出させる方法が提案されている。あるい
は、特開昭56−130762号公報、特開昭61−2
2354号公報では、第三リン酸ナトリウムと塩化カル
シウムとの付加物を分散安定剤として用いる方法が提案
されている。
【0016】しかしながら、前者の方法では反応性単量
体組成物を懸濁分散した後に分散安定剤を生成するの
で、重合性単量体組成物の油滴表面及び内部が汚染され
易く、また、後者の方法においても、水性分散安定媒の
水素イオン濃度や水酸イオン濃度が高いとこれらに汚染
され、充分な帯電性、環境安定性をもつには至っていな
い。
【0017】また、粒度分布を狭く(シャープに)する
方法として、特開平6−124000号公報に帯電制御
剤及び着色剤を含む重合性単量体組成物を水性媒体中で
分散安定剤を用いて分散させた後、懸濁重合させて静電
荷像現像用トナーを製造する方法において、分散安定剤
として難水溶性無機化合物粉末、分散安定助剤として界
面活性剤を用い、分散開始時に難水溶性無機化合物粉末
の一部及び界面活性剤の一部又は全部を加え、残りの難
水溶性無機化合物粉末と残りの界面活性剤、又は残りの
難水溶性無機化合物粉末を分散途中あるいは分散終了後
に加える方法が提案されている。
【0018】この方法は、確かに凝集粒子の生成を低減
させるという効果はあるものの、分散安定剤に水溶性の
界面活性剤を用いていること、また、分散安定剤の追添
加が重合開始前の造粒、分散時に行なわれることから、
表面の汚染、超微粉粒子の生成は避けられず、充分な帯
電性、環境安定性、耐久性を得るまでには至っていな
い。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の如き問題点を解決し得る静電荷像現像用重合トナーの
製造方法を提供することにある。すなわち、本発明の目
的は、良好な帯電性が安定的に得られ、更に高湿下にお
いても高い帯電量を維持できることにより、カブリを低
く抑えたまま高い画像濃度が得られる静電荷像現像用重
合トナーの製造方法を提供することにある。
【0020】本発明のさらなる目的は、帯電部材への汚
染が発生しにくく、長期間使用しても高画質画像が安定
に得られ、粒度分布が狭いため分級収率が高く、極めて
生産性の高い静電荷像現像用重合トナーの製造を提供す
ることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合性単量体
と着色剤とを少なくとも含む単量体組成物を分散安定剤
存在下で、重合してトナーを製造する方法であって、該
単量体組成物の重合転化率が0.2〜0.7においてさ
らに分散安定剤を追添加することを特徴とする静電荷像
現像用重合トナーの製造方法に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明のトナー製造方法は、分散
安定剤を含む水系分散安定媒中で懸濁重合を行ない、単
量体組成物の重合転化率が0.2〜0.7においてさら
に分散安定剤を分散安定媒中に追添加することを特徴と
し、トナーに安定した帯電性を与え、高湿下においても
高い帯電量を維持できることにより、カブリを低く抑え
たまま高い画像濃度が得られるものであり、重合反応が
ある程度進んだ過程に難水溶性無機塩化合物である分散
安定剤を追添加するためトナー粒子の汚染が低く抑えら
れることによって、帯電部材への汚染が発生しにくく、
長期間使用しても高画質画像が安定に得られ、粒度分布
が非常にシャープにあるため分級収率が高く、極めて高
い生産性が得られる。
【0023】分散安定剤の追添加を重合転化率0.2未
満で行った場合は、超微粒子の生成を必要以上に増進さ
せ、トナーのチャージアップの原因となったり、帯電部
材あるいはクリーニング部材等への融着を引き起こす。
0.7を超えて行った場合は、凝集粒子が増え、流動
性、帯電安定性が失われる。
【0024】本発明における重合転化率は重合中の試料
から、一定量をサンプリングしこの重量を測定した後、
乾燥させて、乾燥後の重量を測定して、仕込量との関係
を踏まえて、重量法により重合転化率を決定した。
【0025】本発明のトナー製造方法において、初期分
散安定媒中の分散安定剤は単量体組成物の3.0〜1
2.0重量%であることが好ましく、更に好ましくは
4.0〜10.5重量%、特に好ましくは4.5〜9.
5重量%である。分散安定剤が単量体組成物の3重量%
に満たない場合は、造粒工程においての所望の粒径が得
られないか、得られたとしても重合転化率が0.2に達
する前に凝集、合一してしまい、結果として粒径の大き
いトナーしか得られない。また、12重量%を超える場
合は、造粒工程における撹拌によって生成される超微小
粒子、乳化粒子をも分散安定化してしまうため、粒度分
布の広いトナーが得られ、分級効率が低く生産性が低い
ばかりではなく、安定した帯電性が得られず良好な現像
性が得られない。
【0026】本発明のトナー製造方法において、分散安
定媒中に追添加する分散安定剤は、初期分散安定媒中の
分散安定剤の5〜200重量%であることが好ましく、
更に好ましくは10〜150重量%であり、特に好まし
くは15〜100重量%である。
【0027】分散安定媒中に追添加する分散安定剤が初
期分散安定媒中の分散安定剤の5重量%未満の場合は、
本発明の目的としている粒度分布のシャープ化に効果が
少ない。200重量%を超える場合は、トナー精製工程
時の分散安定剤除去が困難で帯電安定性の良好なトナー
が得られず、または分散安定剤除去を完全に行うには高
コストで生産性の高いトナーを得られるものではない。
【0028】本発明に好ましく用いられる分散安定剤と
しては、硫酸、炭酸、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸
の難水溶性金属塩が用いられ、これらは分散媒中で酸ア
ルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との反応によって調製
されることが好ましい。例えば、Na3PO4水溶液にC
aCl2水溶液を徐々に添加して、難水溶性分散安定剤
であるCa3(PO42を含む分散安定媒を調製するこ
とができる。
【0029】本発明に使用される重合性単量体として
は、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メ
タクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエ
チルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独、又は
混合して使用し得る。
【0030】また、本発明での重合法トナーの単量体系
には、極性基を有する重合体、共重合体を添加して重合
しても良い。
【0031】本発明に使用できる極性重合体、共重合体
を以下に例示する。
【0032】メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチルなど含窒素単量体の重合
体もしくはスチレン−不飽和カルボン酸エステル等との
共重合体、アクリロニトリル等のニトリル系単量体、塩
化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸、メタク
リル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸、
不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の重合体もし
くはスチレン系単量体等との共重合体、ポリエステル、
エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0033】重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジ
アゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエ
チルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカ
ーボネート、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒ
ドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジク
シルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド、2,2−ビス(4,
4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、
トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過
酸化物系開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始
剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩、過酸化水素などが使用される。
【0034】重合開始剤は重合性単量体100重量部に
対し0.5〜20重量部の添加量が好ましく、単独で又
は、併用しても良い。
【0035】また、本発明では分子量をコントロールす
るために、公知の架橋剤、連鎖移動剤を添加しても良
く、好ましい添加量としては重合性単量体100重量部
に対し0.001〜15重量部である。
【0036】本発明によるトナーは、離型剤を含有して
いてもよい。
【0037】本発明に使用される離型剤としては、パラ
フィン・ポリオレフィン系ワックス及びこれらの変性
物、例えば、酸化物やグラフト処理物の他、高級脂肪
酸、及びその金属塩、アミドワックス、エステル系ワッ
クス、例えば3級/又は4級炭素を有し、2官能以上の
アルコール化合物または、カルボン酸化合物から得られ
る多官能ポリエステル化合物、1級又は/及び2級炭素
を有し、2官能以上のアルコール化合物または、カルボ
ン酸化合物から得られる多官能ポリエステル化合物及び
3級又は/及び4級炭素を有し、モノ官能のエステル化
合物などが挙げられる。
【0038】重合性単量体と着色剤及び離型剤を有する
混合物を重合せしめることにより、直接的にトナー粒子
を得る重合法トナー製法においては、離型剤は重合性単
量体100重量部に対し1〜40重量部、より好ましく
は5〜35重量部、特に好ましくは10〜30重量部使
用される。
【0039】本発明によるトナーは、荷電制御剤を含有
しても良い。
【0040】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0041】例えば、有機金属化合物、キレート化合物
が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン
金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダ
イカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハ
イドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸
及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール
等のフェノール誘導体類などがある。
【0042】また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化
合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級
アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル
酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合
体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
【0043】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0044】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性
物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチ
ルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフト
スルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフル
オロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの
類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれら
のレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレ
ーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、
りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タ
ンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、
フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチ
ルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシク
ロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサ
イド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレー
ト、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノス
ズボレート類;これらを単独であるいは2種類以上組合
せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン
系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好まし
く用いられる。
【0045】これらの荷電制御剤は、樹脂成分100重
量部に対して、0.01〜20重量部(より好ましくは
0.5〜10重量部)使用するのが良い。
【0046】トナーの着色剤としては、例えば黒色顔料
として、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチ
レンブラック等が挙げられる。
【0047】マゼンタ用顔料としては、赤口黄鉛、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカル
シウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3
B、カーミン6B、マンガン紫、ファストバイオレット
B、メチルバイオレットレーキ、ローダミンレーキ、ア
リザリンレーキ、ベンガラ、キナクリドン、C.I.ピ
グメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、
10、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、21、22、23、30、31、32、3
7、38、39、40、41、48、49、50、5
1、52、53、54、55、57、58、60、6
3、64、68、81、83、87、88、89、9
0、112、114、122、123、163、20
2、206、207、209;C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バイオレット1、2、10、1
3、15、23、29、35等が挙げられる。
【0048】シアン用顔料としては、C.I.ビグメン
トブルー2、3、15、16、17;C.I.バッドブ
ルー6;C.I.アッシドブルー45、インダンスレン
ブルー、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
アーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、ク
ロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マ
ラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーン
G等が挙げられる。
【0049】イエロー用顔料としては、ナフトールイエ
ロー、ハンザイエロー、黄鉛、カドミウムイエロー、ミ
ネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、パーマネ
ントイエローNCG、タートラジンレーキ;C.I.ピ
グメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、
11、12、13、14、15、16、17、23、6
5、73、83、97、120、127、174、17
6、180、191;C.I.バットイエロー1、3、
20等が挙げられる。
【0050】これらの顔料は、定着画像の光学濃度を維
持するために必要な量が用いられ、樹脂100重量部に
対し0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量
部の添加量が好ましい。
【0051】着色剤として使用される染料としては、以
下のものが例示される。
【0052】マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベ
ントレッド1、3、8、23、24、25、27、3
0、49、81、82、83、84、100、109、
121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソル
ベントバイオレット8、13、14、21、27、C.
I.ディスパースバイオレット1、C.I.ベーシック
レッド1、2、9、12、13、14、15、17、1
8、22、23、24、27、29、32、34、3
5、36、37、38、39、40;C.I.ベーシッ
クバイオレット1、3、7、10、14、15、21、
25、26、27、28、C.I.ダイレクトレッド
1、4;C.I.アッシドレッド1、C.I.モーダン
トレッド30等が挙げられる。
【0053】シアン用染料としてはC.I.ダイレクト
ブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アッ
シドブルー9、C.I.アッシドブルー15、C.I.
ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、
C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリ
ーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベー
シックグリーン6等が挙げられる。
【0054】これらの染料は、樹脂100重量部に対し
0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の
添加量が好ましい。
【0055】なお、着色剤は着色剤の持つ重合阻害性や
水相移行性に注意を払う必要があり、前記着色剤を好ま
しくは表面改質、たとえば重合阻害のない疎水化処理を
施したほうが良い。特に染料系やカーボンブラックは、
重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意
を要する。染料系を表面処理する好ましい方法として
は、これら染料の存在下に重合性単量体をあらかじめ重
合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量
体系に添加する。また、カーボンブラックについては、
上記染料と同様の処理のほか、カーボンブラックの表面
官能基と反応する物質、たとえば、ポリオルガノシロキ
サンなどで処理を行っても良い。
【0056】さらに本発明によるトナーは、更に磁性材
料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場
合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。本
発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料として
は、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化
鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれ
らの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシ
ウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及び
その混合物等が挙げられる。
【0057】これらの強磁性体は平均粒子が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重
量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂
成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0058】また、10Kエルステッド印加での磁気特
性が保磁力(Hc)20〜300エルステッド、飽和磁
化(σs)50〜200emu/g、残留磁化(σr)
2〜20emu/gのものが好ましい。
【0059】本発明の重合トナーの製造方法は、上記の
如き素材を用いて、分散安定剤の追添加以外は従来と同
様にして実施される。即ち、重合性単量体中に多官能エ
ステル化合物、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤及びそ
の他の添加剤を加え、ホモジナイザーまたは超音波分散
機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、
所定量の分散安定剤を含有する分散安定媒体中に撹拌機
またはホモミキサー、ホモジナイザー等により分散せし
め、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、単量
体系の粒子状態が維持され、且つ単量体系の粒子の沈降
が防止される程度の撹拌を行えば良い。分散安定剤の追
添加後も同様である。重合温度は40℃以上、一般的に
は50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重
合反応後半に昇温しても良く、更に、トナー定着時の臭
いの原因等となる未反応の重合性単量体、副生成物等を
除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系
媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒
子を洗浄し、濾別にすることより回収し、乾燥する。懸
濁重合法においては、通常単量体系100重量部に対し
て水300〜3000重量部を分散媒体として使用する
のが好ましい。
【0060】本発明によるトナーは、通常一成分及び二
成分系現像剤として、いずれの現像剤にも使用できる。
たとえば、一成分系現像剤として、磁性体をトナー中に
含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に
内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及
び帯電せしめる方法がある。また、磁性体を含有しない
非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブ
ラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリ
ーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法
がある。
【0061】一方、一般的に利用されている二成分系現
像剤として用いる場合には、本発明によるトナーと共
に、キャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使
用されるキャリアとしては特に限定されるものではない
が、主として、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マ
ンガン、クロム元素からなる単独及び複合フェライト状
態で構成される。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコント
ロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえ
ば球状、扁平、不定形などを選択し、更にキャリア表面
状態の微細構造、たとえば表面凸凹性をもコントロール
することが好ましい。一般的には、上記無機酸化物を焼
成、造粒することにより、あらかじめ、キャリアコア粒
子を生成した後、樹脂にコーティングする方法が用いら
れているが、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味
合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して
低密度分散キャリアを得る方法や、さらには、直接無機
酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合
せしめ真球状分散キャリアを得る重合キャリアを得る方
法なども利用することが可能である。
【0062】上記キャリアの表面を樹脂等で被覆する系
は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被覆材
を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに
付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公
知の方法がいずれも適用できる。
【0063】キャリア表面への固着物質としてはトナー
材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ
化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジ
ターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレ
ン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブ
チラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基
性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末
などを単独あるいは複数で用いるのが適当であるが、必
ずしもこれに制約されない。
【0064】上記化合物の処理量は、一般には総量でキ
ャリア100重量部に対し0.1〜30重量部、好まし
くは0.5〜20重量部である。
【0065】これらキャリアの平均粒径は10〜100
μm、好ましくは20〜50μmを有することが好まし
い。
【0066】特に好ましい態様としては、Cu−Zn−
Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系
樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポ
リフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタアクリレー
ト樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチ
ルメタアクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン
系共重合体;などを90:10〜20:80、好ましく
は70:30〜30:70の比率の混合物としたもの
で、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%
コーティングし、250メッシュパス、400メッシュ
オンのキャリア粒子が70重量%以上ある上記平均粒径
を有するコートフェライトキャリアであるものが挙げら
れる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン−
テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜90:
10)が例示され、スチレン系共重合体としてはスチレ
ン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜8
0:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル
−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10〜
50)が例示される。
【0067】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦
帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0068】本発明におけるトナーと混合して二成分現
像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー
濃度として、2重量%〜15重量%、好ましくは4重量
%〜13重量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が2重量%未満では画像濃度が低く実用不可と
なり、15重量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せ
しめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0069】さらに、該キャリアの磁性特性は以下のも
のが良い。磁気的に飽和させた後の1000エルステッ
ドにおける磁化の強さ(σ1000)は30乃至300em
u/cm3であることが必要である。さらに高画質化を
達成するために、好ましくは100乃至250emu/
cm3であることがよい。300emu/cm3より大き
い場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。
30emu/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減
少するためにキャリア付着を生じやすい。
【0070】また、キャリア形状は丸さの度合いを示す
SF1が180以下、凹凸の度合いを示すSF2が25
0以下であることが好ましい。なお、SF1、SF2は
以下の式にて定義され、ニレコ社製のLVZEX II
Iにて測定された。
【0071】
【数1】
【0072】後述する実施例におけるトナー帯電量及び
画質劣化の評価方法は、以下の通りである。
【0073】(1)画質について 外添剤を適量外添し、現像剤を得た後、22℃/60%
の環境下(これ以降、常温/常湿下と称す。)におい
て、市販の複写機を用い、耐久試験を行い、目視にて評
価する。
【0074】(2)環境帯電量について 環境帯電量は以下の環境条件下にトナー及びキャリアを
一昼夜放置した後、以下の方法により測定した。
【0075】高温/高湿(30℃/80%),低温/低
湿(20℃/20%)の環境下でブローオフ法に基づ
き、次の要領で帯電量を測定した。
【0076】図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリ
ーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定し
ようとするトナーとキャリアの重量比1:19の混合物
を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入
れ、5〜10分間手で振盪し、該混合物(現像剤)約
0.5〜1.5gを入れ金属製のフタ4をする。このと
きの測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とする。次
に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶
縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調
整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状
態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除
去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とす
る。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)と
する。また、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW
2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/k
g)は下式の如く計算される。
【0077】
【数2】
【0078】(3)カブリの測定方法 カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTOME
TER MODELTC−6DSを使用して測定し、シ
アントナー画像ではamberフィルターを、ブラッ
ク,マゼンタトナー画像ではgreenフィルターを、
イエロートナー画像ではblueフィルターを使用し、
下記式より算出した。数値が小さいほど、カブリが少な
い。
【0079】カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率
(%)−サンプルの非画像部の反射率(%)
【0080】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは、本発明をなんら限定するものではない。
【0081】重合トナー製造例1 イオン交換水1000gに、0.1M−Na3PO4水溶
液510gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモ
ミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rp
mにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液7
5gを徐々に添加し、水系分散安定媒体を得た。
【0082】一方、 スチレン 160g n−ブチルアクリレート 40g 銅フタロシアニン顔料 7.5g スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 9g (モノマー重量比=85:5:10 重量平均分子量=約57000) ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 5g マイクロクリスタリンワックス(m.p.=65℃) 45g 上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサーを用い
て、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これ
に、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)9gを溶解し、重合性単量体組成物を
調製した。
【0083】前記水系分散安定媒中に上記重合性単量体
組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、TK
式ホモミキサーにて10000rpmで22分間撹拌
し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹
拌翼で撹拌しつつ、60℃において、2時間反応させ
た。この時点における転化率は0.3であった。ここ
で、前記と同様に調製した分散安定媒を700g加え、
さらに60℃において8時間反応させ、重合反応終了
後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた
後、ろ過、水洗、乾燥をして、重合体粒子を得た。
【0084】更に、得られた粒子100重量部に対し
て、重量平均粒径0.06μmの疎水性酸化チタン2.
0重量部を外添し、懸濁重合シアントナー1を得た。得
られたシアントナーの重量平均粒径は5.7μmであっ
た。また、重量平均粒径と個数平均粒径との比は1.3
2であった。
【0085】重合トナー製造例2 イオン交換水1200gに、0.1M−Na3PO4水溶
液343gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモ
ミキサーを用いて、12000rpmにて撹拌した。こ
れに1.0M−CaCl2水溶液52gを徐々に添加
し、水系分散安定媒体を得た以外は、製造例1と同様に
して重合体粒子を得た。さらに製造例1と同様に疎水性
酸化チタンを外添し、懸濁重合シアントナー2を得た。
得られたシアントナーの重量平均粒径は6.3μmであ
った。また、重量平均粒径と個数平均粒径との比は1.
37であった。
【0086】重合トナー製造例3 イオン交換水550gに、0.1M−Na3PO4水溶液
903gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミ
キサーを用いて、12000rpmにて撹拌した。これ
に1.0M−CaCl2水溶液135gを徐々に添加
し、水系分散安定媒体を得た以外は、製造例1と同様に
して重合体粒子を得た。さらに製造例1と同様に疎水性
酸化チタンを外添し、懸濁重合シアントナー3を得た。
得られたシアントナーの重量平均粒径は5.2μmであ
った。また、重量平均粒径と個数平均粒径との比は1.
30であった。
【0087】重合トナー製造例4 2時間反応させた後、加える分散安定媒を150gにし
た以外は、製造例1と同様にして重合体粒子を得た。さ
らに製造例1と同様に疎水性酸化チタンを外添し、懸濁
重合シアントナー4を得た。得られたシアントナーの重
量平均粒径は5.8μmであった。また、重量平均粒径
と個数平均粒径との比は1.40であった。
【0088】重合トナー製造例5 イオン交換水1390gに、0.1M−Na3PO4水溶
液170gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモ
ミキサーを用いて、12000rpmにて撹拌した。こ
れに1.0M−CaCl2水溶液26gを徐々に添加
し、水系分散安定媒体を得た以外は、製造例1と同様に
して重合体粒子を得た。さらに製造例1と同様に疎水性
酸化チタンを外添し、懸濁重合シアントナー5を得た。
得られたシアントナーの重量平均粒径は7.5μmであ
った。また、重量平均粒径と個数平均粒径との比は1.
71であった。
【0089】重合トナー製造例6 イオン交換水100gに、0.2M−Na3PO4水溶液
1290gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモ
ミキサーを用いて、12000rpmにて撹拌した。こ
れに1.0M−CaCl2水溶液388gを徐々に添加
し、水系分散安定媒体を得、反応途中に追添加した分散
安定媒を1400gにした以外は、製造例1と同様にし
て重合体粒子を得た。さらに製造例1と同様に疎水性酸
化チタンを外添し、懸濁重合シアントナー6を得た。得
られたシアントナーの重量平均粒径は4.5μmであっ
た。また、重量平均粒径と個数平均粒径との比は1.4
0であった。
【0090】重合トナー製造例7 反応を10時間させ、分散安定媒を反応途中で追添加し
ないこと以外は、製造例1と同様にして重合体粒子を得
た。さらに製造例1と同様に疎水性酸化チタンを外添
し、懸濁重合シアントナー7を得た。得られたシアント
ナーの重量平均粒径は8.2μmであった。また、重量
平均粒径と個数平均粒径との比は3.52であった。
【0091】上記トナー1〜7について表1にまとめて
示す。
【0092】
【表1】
【0093】<実施例1〜4>重合トナー製造例1〜4
にて製造したトナー4重量部に対し、平均粒径50μm
のフッ素−アクリルコートフェライトキャリア95重量
部を混合し、現像剤とした。この現像剤で、カラー複写
機CLC−800(キヤノン社製)を用い画像面積比率
25%のオリジナル原稿を用いて30℃/80%r.
h.及び20℃/20%r.h.の環境下で5000枚
の画出しを行った。表2に示したように、これらの現像
剤は電子写真特性の耐久性に優れ、環境変動も小さく、
5000枚後の飛散、キャリア汚染も見られず、非常に
良好な性能を示した。
【0094】<比較例1>初期分散安定媒中の該分散安
定剤が該単量体組成物の2重量%として製造したトナー
5を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、30
℃/80%r.h.下において耐久と共に帯電量の低下
が見られた。
【0095】<比較例2>初期分散安定媒中の該分散安
定剤が該単量体組成物の15重量%として製造したトナ
ー6を用いて実施例1と同様の実験を行ったところ、3
0℃/80%r.h.下において耐久と共に帯電量の低
下が見られ、5000枚後に飛散も見られた。
【0096】<比較例3>分散安定剤の追添加をしない
で製造したトナー7を用いて実施例1と同様の実験を行
ったところ、30℃/80%r.h.下において耐久と
共に帯電量の低下が見られ、5000枚後に飛散も見ら
れた。
【0097】
【表2】
【0098】
【発明の効果】本発明のトナー製造方法は、分散安定剤
を含む水系分散安定媒中で懸濁重合を行ない、重合転化
率が0.2〜0.7においてさらに分散安定剤を分散安
定媒中に追添加することによって、造粒工程中の微粉粒
子、乳化粒子の生成が非常に少なく、さらに凝集、合一
による粗粒の生成もないため、粒度分布のシャープな重
合トナーを提供することができ、分級効率が高く、極め
て生産性の高い重合トナーが得られる。
【0099】また、この製造方法は、重合反応がある程
度進んだ過程に分散安定剤を追添加するためトナー粒子
の汚染が低く抑えられ、トナーに安定した帯電性を与
え、高湿下においても高い帯電量を維持できることによ
り、カブリを低く抑えたまま高い画像濃度が得られるも
のであり、帯電部材への汚染が発生しにくく、長期間使
用しても高画質画像が安定に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体と着色剤とを少なくとも含
    む単量体組成物を分散安定剤存在下で、重合してトナー
    を製造する方法であって、該単量体組成物の重合転化率
    が0.2〜0.7においてさらに分散安定剤を追添加す
    ることを特徴とする静電荷像現像用重合トナーの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 初期分散安定媒中の該分散安定剤が、該
    単量体組成物の3〜12重量%であることを特徴とする
    請求項1に記載の静電荷像現像用重合トナーの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 分散安定媒中に後から添加する分散安定
    剤が、初期分散安定媒中の分散安定剤の5〜200重量
    %であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電
    荷像現像用重合トナーの製造方法。
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