JP2859774B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2859774B2
JP2859774B2 JP4119535A JP11953592A JP2859774B2 JP 2859774 B2 JP2859774 B2 JP 2859774B2 JP 4119535 A JP4119535 A JP 4119535A JP 11953592 A JP11953592 A JP 11953592A JP 2859774 B2 JP2859774 B2 JP 2859774B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録の
ような画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するた
めのトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号、特公昭42−23910号公
報、および特公昭43−24748号公報などに種々の
方法が記載されている。
【0003】これらの電子写真法等に適用される現像方
法としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがあ
る。前者は、さらに二成分系現像剤を用いる方法と一成
分系現像剤を用いる方法に分けられる。
【0004】これら乾式現像用のトナーを製造する一般
的方法としては、熱可塑性樹脂中に染・顔料等の着色
剤、電荷制御剤等の添加剤を溶融混合し、均一に分散し
た後、微粉砕装置、分級機により所望の粒径を有するト
ナーを製造する方法が知られている。
【0005】これら粉砕法によるトナーにおいては、ワ
ックスなどの離型性物質を添加する場合に制約がある。
すなわち、離型性物質の分散を十分なレベルとし、遊離
した状態のものをなくすためには、樹脂との混練温度
において、溶解して液状になっていないこと、離型性
物質の含有量を5重量部以下にすることなどである。こ
のような制約のため、粉砕法によるトナーの定着性には
限界がある。
【0006】これに対して、懸濁重合によるトナー(以
後、重合トナー)は上記の制約がないことに加えて、ワ
ックスを内包することができ、良好な定着性・耐オフセ
ット性・耐ブロッキング性が得られる。
【0007】トナーに電荷を保有させるためには、トナ
ーの成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来
るが、この方法ではトナーの帯電性が低いので、現像に
より得られる画像はカブリやすく、不鮮明なものとな
る。そこで、適切な摩擦帯電性をトナーに付与するため
に、帯電性を付与する染料、顔料、さらには電荷制御剤
を添加することが行なわれている。
【0008】今日、当該技術分野で知られている電荷制
御剤としては、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、
ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシア
ニン顔料等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの電荷
制御剤のあるものは、スリーブあるいはキャリアを汚染
し易いために、それらを用いたトナーは複写枚数の増加
に伴い摩擦帯電量が低下し、画像濃度の低下を引き起こ
す。また、ある種の電荷制御剤は、摩擦帯電量が不充分
であり、温湿度の影響を受け易いために、画像濃度の環
境変動の原因となる。また、ある種の電荷制御剤は、保
存安定性が悪く、長期間保存中に摩擦帯電能が低下す
る。また、ある種の電荷制御剤は、樹脂に対する分散性
が不良であるために、これを用いたトナーは粒子間の摩
擦帯電量が不均一でカブリ易い。また、ある種の電荷制
御剤は、有色であり、カラートナーには使用できない。
【0010】また、重合トナーでは、懸濁の工程におい
て水の持つ極性により電荷制御剤がトナー表面に局在す
る傾向がある。そのため適度な帯電量を得ようとしてそ
の添加量を変えた場合、わずかの量の違いで帯電量が大
きく変わりコントロールが難しい。
【0011】さらに、電荷制御剤は、水/油界面近くに
局在しているので、懸濁工程でトナーの粒度分布に影響
を与えるが、良好な帯電性で且つシャープな粒度分布が
得られる条件は限られている。
【0012】本発明の目的は、十分な摩擦帯電量を持
ち、かつ、上記問題点を解決した静電荷像現像用トナー
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、重合
性単量体の懸濁重合によって得られるトナーであって、
少なくとも、アリール尿素あるいはアリール尿素を繰り
返し単位として有する尿素多量化物、ワックス及びアニ
オン性樹脂を含有することを特徴とする負帯電性の静電
荷像現像用トナーに係る。
【0014】また、本発明は、重合性単量体の懸濁重合
によって得られるトナーであって、少なくとも、グアニ
ジン誘導体あるいはグアニジン誘導体を繰り返し単位と
して有するグアニジン多量化物、ワックス及びカチオン
性樹脂を含有することを特徴とする正帯電性の静電荷像
現像用トナーに係る。
【0015】以下、本発明の上記負帯電性トナー及び正
帯電性トナーを詳細に説明する。
【0016】本発明の負帯電性トナーのアリール尿素と
して、一般式(I)で示されるN,N’−ビスアリール
尿素誘導体は、合成の容易さの点でも好ましい。
【0017】
【化4】 (但し、Y1 ,Y2 はフェニル基、ナフチル基を示す。
【0018】R ,R は水素原子、アルキル基、
アルコキシ基、置換基を有しても良いフェニル基、置換
基を有しても良いアラルキル基、ハロゲン原子、ニトロ
基、スルホン酸誘導体基、カルボン酸誘導体基、シアノ
基、カルボニル基、水酸基を示し、同一でも異なってい
ても良い。
【0019】R3 ,R4 は水素原子または炭素数1〜8
の炭化水素基を示す。
【0020】j,kは1,2,3のいずれかである。) 尿素誘導体を電荷制御剤として用いることは知られてい
ないが、類似化合物を電荷制御剤として用いた例として
は、特開昭61−110157号公報のチオ尿素誘導体
がある。本発明者らは、チオ尿素誘導体の摩擦帯電性を
調べたところ、負摩擦帯電性を有するものの不十分であ
ることが分かった。しかも、チオ尿素誘導体は導入する
置換基による帯電量の変化が比較的小さく、チオ尿素誘
導体の種類を変えることで、所望の摩擦帯電量のトナー
を得ることは困難である。本発明者らは、十分な摩擦帯
電性を有し、しかも置換基の種類を変えることで、摩擦
帯電量を大きく変化し得る電荷制御剤を検討した結果、
尿素誘導体を見出した。しかも、尿素誘導体の多くは無
色であり、着色したとしても淡色であり、実質的に無色
と見なし得るので、カラートナー用電荷制御剤としても
最適である。また、尿素誘導体は熱的、機械的にも安定
で、現像器内での撹拌による分解なども起こさない。従
って、複写回数の増加に係らず常に、カブリの少ない鮮
明な画像を得ることができる。
【0021】また、尿素誘導体は重合トナー製造時の懸
濁工程において、系を乱すことがないので乳化粒子の生
成や、粒度分布のブロード化が起こらない。さらに、懸
濁工程が安定していることによって、ワックスの内包化
が進むので耐ブロッキング性も向上する。
【0022】以上のように本発明の尿素誘導体を含有さ
せたトナーが、従来の電荷制御剤を含有せしめたトナー
に比べ優れた性質を有していることを見出し本発明に至
った。
【0023】また、本発明の尿素誘導体とアニオン性重
合体とを併用することによって、外添剤を添加した時の
帯電性と、添加しない時の帯電性を近づけることができ
る。アニオン性重合体だけで帯電を付与した場合、外添
剤の帯電性の影響を強く受けてしまい、たとえば耐久試
験などで外添剤を劣化させた時に帯電量が変化する現象
が起こりやすい。また逆にアニオン性重合体を用いない
と懸濁工程が安定せず、シャープな粒度分布を有するト
ナーが得られない。
【0024】以下に本発明に使用し得る尿素誘導体の具
体例を示すが、これは取り扱いの容易さなども考慮した
代表例であり本発明の化合物を何ら限定するものではな
い。
【0025】
【化5】 本発明の尿素誘導体は、通常の方法で合成できる。例え
ば、アニリン誘導体とイソシアネート誘導体をベンゼン
溶媒中で作用させれば得られる。化合物例(1)のパラ
フルオロ体は、以下のように合成した。
【0026】4−フルオロアニリン333gとベンゼン
2.5リットルを四ッ口フラスコに仕込み、4−フルオ
ロフェニルイソシアネート378gとベンゼン0.5リ
ットルの溶液を40分間で滴下した。滴下時に発熱が起
こり、55℃まで昇温した。滴下後、そのまま加熱し、
還流状態(81℃)で1.5時間反応させた。冷却後、
濾過し、濾液が透明になるまでメタノールで洗浄した。
50℃の熱風乾燥機で24時間乾燥して、灰白色粉末を
805g得た。化合物の同定はFTIR(PERKIN
−ELMER製)で行い、赤外吸収スペクトルの結果を
図1に示した。
【0027】一方、本発明の正帯電性トナーのグアニジ
ン誘導体として、一般式(II)および(III)で示
されるグアニジン誘導体は、合成の容易さの点でも好ま
しい。
【0028】
【化6】 (但し、X1 ,X2 は、置換基を有しても良いフェニル
基、ナフチル基、シクロヘキシル基を示し、同一であっ
ても異なっていても良い。
【0029】Y3 ,Y4 は、水素原子、置換基を有して
も良いアルキル基あるいはフェニル基を示し、同一であ
っても異なっていても良い。また、Y3 とY4 で環を形
成しても良い。
【0030】Z1 は、水素原子、置換基を有しても良い
アルキル基、フェニル基あるいはナフチル基を示す。)
【0031】
【化7】 (但し、X1 ,X2 ,X3 ,X4 は、置換基を有しても
良いフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基を示
し、同一でも異なっていても良い。
【0032】Y5 ,Y6 ,Y7 ,Y8 は、水素原子、置
換基を有しても良いアルキル基あるいはフェニル基を示
し、同一でも異なっていても良い。また、Y5 とY6
るいはY7 とY8 で環を形成しても良い。
【0033】Z は、連結基を示す。)グアニジン誘
導体は重合トナー製造時の懸濁工程において、系を乱す
ことがないので、粒度分布のブロード化が起こらない。
さらに、懸濁工程が安定していることによって、ワック
スの内包化が進むので耐ブロッキング性も向上する。
【0034】以上のように本発明のグアニジン誘導体を
含有させたトナーが、従来の電荷制御剤を含有せしめた
トナーに比べ優れた性質を有している。
【0035】しかし、更に検討を加えたところ本発明の
グアニジン誘導体とカチオン性重合体とを併用すること
によって、懸濁工程における乳化粒子の生成を抑制する
こと、および外添剤を添加した時の帯電性としない時の
帯電性を近づけることができることを見出し、本発明に
至った。カチオン性重合体だけで帯電を付与した場合、
外添剤の帯電性の影響を強く受けてしまい、たとえば耐
久試験などで外添剤を劣化させた時に帯電量が変化する
現象が起こりやすい。
【0036】以下に本発明に使用し得るグアニジン誘導
体の具体例を示すが、これは取り扱いの容易さなども考
慮した代表例であり本発明の化合物を何ら限定するもの
ではない。
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】 具体的合成例を挙げると、化合物例(13)は、以下の
ように合成した。温度計、コンデンサー、撹拌装置の付
いた214頭フラスコに、2,6−ジイソプロピルアニ
リン117g、水600mlを仕込み、撹拌した。ブロ
ムシアン31.8gを約15分かけて添加し、30±5
℃で1.5時間撹拌した。次いで、90℃まで徐々に昇
温し、そのまま2時間反応した。冷却後、20%に調整
した水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、中和した。析出
した結晶を濾過した後、トルエン、水で洗浄、さらにメ
タノールで洗浄した後、水洗、脱水した。50℃の熱風
で48時間乾燥後、粉砕して、白色粉末95.0gを得
た。収率83.4%,mp256〜257.7℃で、赤
外吸収スペクトルの結果を図2に示した。
【0039】上記のアリール尿素又はグアニジン誘導体
の使用量は、重合性単量体の種類、必要に応じて使用さ
れる添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法に
よって決定されるもので、一義的に限定されるものでは
ないが、好ましくは重合性単量体100重量部に対して
0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部
の範囲で用いられる。
【0040】また、これらの化合物は、従来公知の電荷
制御剤と組み合わせて使用することもできる。
【0041】本発明では、重合性単量体系に、極性基を
有する樹脂を添加して重合する。本発明に使用できる極
性樹脂を以下に例示する。
【0042】アニオン性重合体としては、アクリロニト
リル等のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン
系単量体、アクリル酸・メタクリル酸等の不飽和カルボ
ン酸、その他不飽和2塩基酸・不飽和2塩基酸無水物、
ニトロ系単量体等の重合体もしくはスチレン系単量体等
との共重合体が挙げられる。これらのアニオン性樹脂の
中で、GPCによるMw/Mnが1.2〜10のものが
好ましく、酸価が5〜100のものが好ましい。
【0043】本発明に使用できるカチオン性重合体とし
ては、メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル
酸ジエチルアミノエチルなど含窒素単量体の重合体もし
くはスチレン・不飽和カルボン酸エステル等との共重合
体が挙げられる。これらのカチオン性樹脂の中で、GP
CによるMw/Mnが1.2〜10のものが好ましく、
アミン価が0.5〜100のものが好ましい。
【0044】また、アニオン性又はカチオン性樹脂の添
加量は、重合性単量体100重量部に対して0.1〜5
0重量部であることが好ましい。
【0045】次に、本発明の分子量測定方法を以下に示
す。
【0046】1)サンプル調製 <標準試料>標準試料として、次に示した市販の標準ポ
リスチレン(東ソー製)を用いる。次のように15個の
標準ポリスチレンを4グループに分ける。
【0047】8.42×106 7.06×105
3.79×104 2.98×103 4.48×106 3.35×105 1.96×1
4 8.7×102 2.89×106 1.9×105 9.1×10
3 5.0×102 1.09×106 9.64×104 5.57×1
3 30mlサンプルビンにグループ内の試料を約3mgず
つ取り、15mlのTHFを加え、室温に4時間放置す
る。次いでメンブランフィルター(0.50μm:東ソ
ー製)を用いてろ過し、標準試料とする。
【0048】<未知試料>試料60mgをサンプルビン
に秤量し、さらにTHF15mlを加える。抽出条件は
初期3時間は30分毎に振とうしながら、室温に24時
間放置する。不溶分を遠心分離(5000rpm/20
min)により沈降させた後、その上澄み液についてメ
ンブランフィルター(0.50μm:東ソー製)を用い
てろ過し、サンプルとする。
【0049】2)GPC 装置としてウォーターズ社、150C ALC/GPC
を用い、以下の条件で測定した。
【0050】1.溶媒:THF(キシダ化学製 特級) 2.カラム:ショーデックスKF−801,KF−80
2,KF−803,KF−804,KF−805,KF
−806,KF−807の7連結(昭和電工製) 3.温度:40℃ 4.流速:1.0ml/min 5.注入量:1.0ml 6.検出器:RI 3)GPCデータ処理法 <検量線> 1.標準試料のクロマトグラムを取りピーク時の保持時
間を読む。ピークが分かれている時はメインピークの時
間とする。
【0051】2.標準試料の分子量とピークの保持時間
より検量線を引く。
【0052】<未知試料>未知試料のクロマトグラムを
取り、その保持時間から検量線を用いて分子量を算出す
る。
【0053】本発明において熱ロール定着時の離型性を
よくする目的で、トナー中に炭化水素系化合物等一般に
離型剤として用いられているワックス類を配合する。本
発明に用いられるワックス類としては、パラフィン・ポ
リオレフィン系ワックス及び、これらの変性物、例え
ば、酸化物やグラフト処理物の他、高級脂肪酸、および
その金属塩、アミドワックスなどがあげられる。これら
ワックスの融点は55〜130℃、好ましくは60〜1
00℃を有するものが望ましく、融点が55℃よりも低
いとトナーの耐オフセット性が不十分であり、130℃
よりも高いと水相の懸濁重合ではワックスが凝固して造
粒性が悪化する。
【0054】本発明におけるワックスの融点の測定は、
DSC−7(パーキンエルマー製)を用いて昇温速度1
0℃/minで行い、1回目の昇温時のDSCカーブに
おいて、最大の吸熱を示すピークの頂点の温度をワック
スの融点とする。
【0055】また、これらワックスの含有量は、5〜5
0phrである必要があり好ましくは、10〜40ph
rが良い。含有量が5phrよりも少ないと離型性効果
が不十分となり、50phrよりも多いとワックスの内
包化が不十分となる。「phr」は、樹脂100重量部
当りの重量部を示す単位である。
【0056】上記重合トナーに使用できる重合性単量体
としては、スチレン・o−メチルスチレン・m−メチル
スチレン・p−メチルスチレン・p−メトキシスチレン
・p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル
酸メチル・アクリル酸エチル・アクリル酸n−ブチル・
アクリル酸イソブチル・アクリル酸n−プロピル・アク
リル酸n−オクチル・アクリル酸ドデシル・アクリル酸
2−エチルヘキシル・アクリル酸ステアリル・アクリル
酸2−クロルエチル・アクリル酸フェニル等のアクリル
酸エステル類、メタクリル酸メチル・メタクリル酸エチ
ル・メタクリル酸n−プロピル・メタクリル酸n−ブチ
ル・メタクリル酸イソブチル・メタクリル酸n−オクチ
ル・メタクリル酸ドデシル・メタクリル酸2−エチルヘ
キシル・メタクリル酸ステアリル・メタクリル酸フェニ
ル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル・メタクリル酸
ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類その
他アクリロニトリル・メタクリロニトリル・アクリルア
ミド等の単量体が挙げられる。
【0057】これらの単量体は単独、又は混合して使用
し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン
誘導体を単独で、又はほかの単量体と混合して使用する
ことがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
【0058】重合開始剤としては、いずれか適当な重合
開始剤、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾ
イルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、
ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロ
ペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤
が挙げられる。これら重合開始剤は、重合性単量体の
0.5〜20重量%の添加量が好ましい。
【0059】本発明では架橋剤を添加しても良く、好ま
しい添加量としては、0.001〜15重量%である。
【0060】また、本発明の静電荷像現像用トナーは磁
性材料を含有させて磁性トナーとして用いることも出来
る。用いられる磁性材料としては、マグネタイト、γ−
酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄、コバルト、ニッケルなどの金属或はこれらの金属と
アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミ
ウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タング
ステン、バナジウムの様な金属との合金およびその混合
物等が挙げられる。
【0061】特に、本発明においては、重合法を用いて
トナーを得る為、磁性材料の持つ重合阻害性や水相移行
性に注意を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例
えば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施してお
いたほうが良い。これらの磁性材料は平均粒径が0.1
〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが
望ましく、磁性トナー中に含有させる量としては結着樹
脂成分100重量部に対して40〜150重量部、好ま
しくは60〜120重量部である。
【0062】本発明に使用される着色剤としては、カー
ボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシ
ン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6
G、ローダミンレーキ、カルコオイルブルー、クロムイ
エロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベ
ンガル、トリアリールメタン系染料、モノアゾ系、ジス
アゾ系染顔料等従来公知の染顔料を単独或いは混合して
使用し得る。
【0063】本発明においては重合法を用いてトナーを
得るため、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意
を払う必要があり、好ましくは表面改質、たとえば、重
合阻害性のない物質による疎水化処理を施しておいたほ
うが良い。特に染料系やカーボンブラックは重合阻害性
を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
染料系を表面処理する好ましい方法としては、あらかじ
めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方
法が挙げられ、得られた重合着色剤を単量体系に添加す
る。また、カーボンブラックについては、上記染料と同
様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応す
る物質、たとえばポリオルガノシロキサン等でグラフト
処理を行っても良い。
【0064】本発明で用いられる重合トナーは以下の如
き方法にて得られる。即ち、重合性単量体中に離型剤・
着色剤・荷電制御剤・重合開始剤その他の添加剤を加
え、ホモジナイザー・超音波分散機等によって均一に溶
解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する
水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー・ホモジナイ
ザー等により分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所
望のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下の粒径を
有するように撹拌速度・時間を調整し造粒する。その後
は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ
粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。反応
終了後、分散安定化剤を除去し、生成したトナー粒子を
洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法におい
ては、通常単量体系100重量部にたいして水300〜
3000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0065】上記工程において、重合温度は40℃以
上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行
う。
【0066】本発明において用いられる分散剤として
は、一般的な分散剤をもちいることが可能で、場合によ
っては、適当な安定化剤を併用することができる。例え
ば、無機化合物として、リン酸三カルシウム・リン酸マ
グネシウム・リン酸アルミニウム・リン酸亜鉛・炭酸カ
ルシウム・炭酸マグネシウム・水酸化カルシウム・水酸
化マグネシウム・水酸化アルミニウム・メタケイ酸カル
シウム・硫酸カルシウム・硫酸バリウム・ベントナイト
・シリカ・アルミナ等が挙げられる。有機化合物とし
て、ポリビニルアルコール・ゼラチン・メチルセルロー
ス・メチルヒドロキシプロピルセルロース・エチルセル
ロース・カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩・
ポリアクリル酸及びその塩・デンプン等を水相に分散さ
せて使用できる。この分散剤は、重合性単量体100重
量部に対して、0.2〜20重量部を使用することが好
ましい。又、これら分散剤の微細な分散の為に、0.0
01〜0.1重量部の界面活性剤等の安定化剤を併用し
てもよい。これは上記分散剤の所期の作用を促進する為
のものであり、その具体例としては、ドデシルベンゼン
硫酸ナトリウム・テトラデシル硫酸ナトリウム・ペンタ
デシル硫酸ナトリウム・オクチル硫酸ナトリウム・オレ
イン酸ナトリウム・ラウリル酸ナトリウム・ステアリン
酸カリウム・オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0067】本発明の電荷制御剤を用いたトナーにおい
ては、重量平均粒径が3〜15μmのトナーが使用可能
である。特に、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が
12〜60個数%含有され、8〜12.7μmの粒径を
有するトナー粒子が1〜33個数%含有され、16μm
以上の粒径を有するトナー粒子が2.0重量%以下含有
され、トナーの重量平均粒径が4〜10μmであること
が現像特性の上からより好ましい。
【0068】トナーの粒度分布は種々の方法によって測
定できるが、本発明においてはコールターカウンターを
用いて行うのが適当である。
【0069】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数
分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機
製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン
製)を接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて
約1%NaCl水溶液を調整する。例えば、ISOTO
N(R)−II(コールターサイエンティフィックジャ
パン社製)が使用できる。測定法としては前記電解水溶
液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好
ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5m
l加え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を
懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処
理を行ない、前記コールターカウンターTA−II型に
より、アパチャーとして100μmアパーチャーを用い
て、トナーの体積、個数を測定して2〜40μmの粒子
の体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明
に係るところの体積分布から求めた重量基準の重量平均
径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネルごとの
代表値とする)、体積分布から求めた重量基準の粗粉量
(16μm以上)、個数分布から求めた個数基準の微粉
個数(5μm以下)を求めた。
【0070】本発明で用いられる各種特性付与を目的と
した添加剤としては、たとえば、以下のようなものが用
いられる。
【0071】1)流動性付与剤:無機酸化物(酸化ケイ
素,酸化アルミニウム,酸化チタンなど)・カーボンブ
ラック・フッ化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を
行ったものが、より好ましい。
【0072】2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロ
ンチウム,酸化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグ
ネシウム,酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)金属塩(硫酸カルシウ
ム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)など。
【0073】3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン,ポリテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金
属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムな
ど)など。
【0074】4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニ
ウムなど)・カーボンブラックなど。
【0075】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.1〜10重量部が用いられ、好ましくは、
0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、又、複数併用しても良い。
【0076】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分に混合し、本発明に係
るトナーを製造することができる。
【0077】さらに本発明のトナーは、キャリアと混合
して二成分トナーとして用いることもできる。本発明に
使用し得るキャリアとしては、公知のものが使用可能で
あり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の様な磁
性を有する粉体、ガラスビーズ等、及びこれらの表面を
樹脂等で処理したものが掲げられる。又、キャリア表面
を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステ
ル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリア
ミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂など或いは、これらの混合物を用いることがで
きる。
【0078】本発明のトナーは、従来公知の手段で、電
子写真、静電記録及び静電印刷等における静電荷像を顕
像化する為の現像には全て使用可能なものである。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、これは本発明を何ら限定するものではない。尚、
以下の配合における部数は全て重量部である。
【0080】実施例1 0.1MのNa3 PO4 水溶液と1MのCaCl2 水溶
液を用意する。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)
の20リットル反応釜中に0.1MのNa3 PO4 を4
51部とイオン交換水709部を投入し9500rpm
で撹拌した。1MのCaCl2 水溶液68部を、60℃
に加温した上記フラスコ中にホモミキサー撹拌下に徐々
に加え、Ca3 (PO42 を含む分散媒を得た。
【0081】 スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 C.I.ピグメントブルー15:3 10部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,酸価=20) 化合物例(1)のパラフルオロ体 4部 上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3と
スチレンだけを予備混合を行った。次に上記処方すべて
を60℃に加温し溶解、分散して単量体混合物にした。
さらに、60℃に保持しながら、開始剤2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を加え
て溶解し、単量体組成物を調製した。
【0082】前記ホモミキサーの20リットル反応釜中
で調製した分散媒に、上記単量体組成物を投入した。6
0℃で窒素雰囲気としたホモミキサーを用いて9500
rpmで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。そ
の後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で10時間重合
させた。
【0083】重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩
酸を加えてCa3 (PO42 を溶解して、ろ過、水
洗、乾燥することにより重合トナーを得た。
【0084】得られたトナーの粒径をコールターカウン
ターで測定したところ、重量平均径8.5μmでシャー
プな粒度分布を有していた。
【0085】また、電子顕微鏡でトナーの表面を観察し
たところ、乳化微粒子の付着はほとんど見られなかっ
た。
【0086】得られたトナー100部に対して、BET
表面積が180m2 /gである疎水性シリカ0.6部を
外添した。
【0087】このトナー7部に対し、平均粒径が50μ
mであるアクリルコートされたフェライトキャリア93
部を混合し現像剤とした。
【0088】この現像剤を市販のカラー電子写真複写機
CLC−500(キヤノン(株)製)で複写試験した。
【0089】その結果、23℃/60%の環境条件下
で、初期から画像濃度1.51の鮮やかな画像が得ら
れ、1万枚複写後の劣化は認められなかった。また、帯
電量をブローオフ法により測定したところ−28μC/
gであった。
【0090】次に、15℃/10%の環境条件下で複写
試験したところ、初期から1.47の高濃度の画像が得
られた。更に、35℃/85%の環境条件下において
も、濃度1.55の良好な画像が得られた。
【0091】また、50℃、2日間のブロッキング試験
で良好な結果が得られ、且つ低温定着性も良好であっ
た。
【0092】実施例2 実施例1と同様にして、マゼンタトナー、イエロートナ
ー、ブラックトナーを得た。 ・マゼンタトナー スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 C.I.ピグメントレッド122 12部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,酸価=20) 化合物例(1)のパラフルオロ体 4部 重量平均径8.8μm 実施例1と同条件での帯電量−25μC/g ・イエロートナー スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 C.I.ピグメントイエロー17 7部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,酸価=20) 化合物例(1)のパラフルオロ体 4部 重量平均径8.3μm 実施例1と同条件での帯電量−29μC/g ・ブラックトナー スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 カーボンブラック 10部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,酸価=20) 化合物例(1)のパラフルオロ体 4部 重量平均径8.1μm 実施例1と同条件での帯電量−27μC/g これらのトナーは、それぞれシャープな粒度分布を有し
ており、電子顕微鏡による観察でも乳化微粒子はほとん
ど付着していなかった。
【0093】これらのトナーを実施例1と同様にして、
現像剤とした。
【0094】実施例1のシアントナーと合わせて、実施
例1と同様な条件下で4色のフルカラー画像を得たとこ
ろ、混色性、階調性に優れた鮮やかなフルカラー画像が
得られた。
【0095】また、35℃/85%及び15℃/10%
の環境条件下で複写試験を行ったが23℃/60%の場
合と同様に良好な結果が得られた。
【0096】また、これらのトナーは50℃、2日間の
ブロッキング試験で良好な結果が得られ、且つ低温定着
性も良好であった。
【0097】実施例3 単量体混合物の処方を以下のようにした以外は、実施例
1と同様にして重量平均径8.8μmの重合トナーを得
た。
【0098】粒度分布は磁性体の影響を受けたもののシ
ャープな分布であり、乳化微粒子の付着もほとんどなか
った。
【0099】 スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 20部 磁性体(チタンカップリング処理品) 160部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,酸価=20) 化合物例(2)のパラトリフルオロメチル体 6部 このトナーについて、実施例1と同じシリカを同比率で
混合し、市販の複写機(商品名NP−6650,キヤノ
ン(株)製)に適用して23℃/60%の環境条件下、
複写試験をしたところ、画像濃度1.41、カブリやが
さつきがなく、解像性が6.3本/mmの鮮明な画像が
得られた。さらに、3万枚連続複写して耐久性能を調べ
たところ、画像濃度1.39、解像性6.3本/mmと
初期の画像と比較して遜色のない良好な画像が得られ
た。また、現像スリーブ上のトナーの摩擦帯電量を測定
したところ、初期においては−12.5μC/g、3万
枚複写後は、−11.6μC/gで、ほとんどスリーブ
汚染は認められなかった。次いで、15℃/10%の環
境条件下、複写試験をしたところ、同様に高濃度で良好
な画質の画像が得られた。3万枚の連続複写試験におい
ても同様に良好な結果であった。35℃/85%の環境
条件下、同様に連続複写試験を行なったところ、良好な
結果であった。更にこの環境条件下、このトナーを1か
月間放置した後に同じ複写試験を行なったが、問題のな
い十分な結果であった。
【0100】また、50℃、2日間のブロッキング試験
で良好な結果が得られ、且つ低温定着性も良好であっ
た。
【0101】比較例1 実施例1における化合物例(1)4gをN,N’ビス
(4−クロルフェニル)チオ尿素4部に変える以外は、
実施例1と同様な方法により重量平均粒径8.4μmの
微粉体を得、さらに同じシリカを同比率で混合し、トナ
ーを得た。また、トナー表面を観察したところ乳化微粒
子の付着が実施例1よりも多かった。
【0102】このトナーを実施例1と同様に市販のカラ
ー電子写真複写機CLC−500(キヤノン(株)製)
に適用して23℃/60%の環境条件下、複写試験をし
たところ、画像濃度1.39の画像が得られた。しか
し、連続複写試験を行なって耐久性能を調べたところ、
2000枚で画像濃度1.20と低下し、かつ地カブリ
が生じ、実用上問題となる品質であった。また、複写機
内でのトナー飛散がひどく、この時の摩擦帯電量は−1
2μC/gであった。
【0103】実施例4 0.1MのNa3 PO4 水溶液と1MのCaCl2 水溶
液を用意する。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)
の20リットル反応釜中に0.1MのNa3 PO4 を4
51部とイオン交換水709部を投入し10000rp
mで撹拌した。1MのCaCl2 水溶液68部を、60
℃に加温した上記フラスコ中にホモミキサー撹拌下に徐
々に加え、Ca3 (PO42 を含む分散媒を得た。
【0104】 スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 C.I.ピグメントブルー15:3 10部 スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2、アミン価=55) 化合物例(13)のジオルト体 4部 上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3と
スチレンだけを予備混合を行った。次ぎに上記処方すべ
てを60℃に加温し溶解、分散して単量体混合物にし
た。さらに、60℃に保持しながら、開始剤2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を
加えて溶解し、単量体組成物を調製した。
【0105】前記ホモミキサーの20リットル反応釜中
で調製した分散媒に、上記単量体組成物を投入した。6
0℃で窒素雰囲気としたホモミキサーを用いて1000
0rpmで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。
その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で10時間重
合させた。
【0106】重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩
酸を加えてCa3 (PO42 を溶解して、ろ過、水
洗、乾燥することにより重合トナーを得た。
【0107】得られたトナーの粒径をコールターカウン
ターで測定したところ、重量平均径8.5μmでシャー
プな粒度分布を有していた。
【0108】また、電子顕微鏡でトナーの表面を観察し
たところ、乳化微粒子の付着はほとんど見られなかっ
た。
【0109】得られたトナー100部に対して、BET
表面積が170m2 /gであるアミノ基を有するシラン
カップリング剤処理シリカ0.6部を外添した。
【0110】このトナー7部に対し、平均粒径が50μ
mであるフッ素−アクリルコートフェライトキャリア9
3部を混合し現像剤とした。
【0111】この外添トナーの帯電量を23℃/60%
の環境条件下でブローオフ法により測定したところ、+
33μC/gであった。一方外添していないトナーの帯
電量は、+37μC/gであり、帯電量の差は小さかっ
た。この現像剤を市販のカラー電子写真複写機CLC−
500(キヤノン(株)製)のOPC感光ドラムを非晶
質シリコンドラムに変えた改造機で複写試験した。その
結果、23℃/60%の環境条件下で、初期から画像濃
度1.42の鮮やかな画像が得られ、1万枚複写後の劣
化は認められなかった。
【0112】次に、15℃/10%の環境条件下で複写
試験したところ、初期から1.39の高濃度の画像が得
られた。更に、35℃/85%の環境条件下において
も、濃度1.49の良好な画像が得られた。
【0113】実施例5 実施例4と同様にして、マゼンタトナー、イエロートナ
ー、ブラックトナーを得た。 ・マゼンタトナー スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 C.I.ピグメントレッド122 12部 スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,アミン価=55) 化合物例(13)のジオルト体 4部 重量平均径8.8μm 実施例4と同条件での帯電量+31μC/g ・イエロートナー スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 C.I.ピグメントイエロー17 7部 スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,アミン価=55) 化合物例(13)のジオルト体 4部 重量平均径8.3μm 実施例4と同条件での帯電量+29μC/g ・ブラックトナー スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 60部 カーボンブラック 10部 スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 10部 (Mw=4万、Mw/Mn=3.2,アミン価=55) 化合物例(13)のジオルト体 4部 重量平均径8.1μm 実施例4と同条件での帯電量+36μC/g これらのトナーは、それぞれシャープな粒度分布を有し
ており、電子顕微鏡による観察でも乳化微粒子はほとん
ど付着していなかった。
【0114】これらのトナーを実施例4と同様にして、
現像剤とした。
【0115】実施例4のシアントナーと合わせて、実施
例4と同様な条件下で4色のフルカラー画像を得たとこ
ろ、混色性、階調性に優れた鮮やかなフルカラー画像が
得られた。
【0116】また、35℃/85%及び15℃/10%
の環境条件下で複写試験を行ったが23℃/60%の場
合と同様に良好な結果が得られた。
【0117】実施例6 単量体混合物の処方を以下のようにした以外は、実施例
4と同様にして重量平均径8.8μmの重合トナーを得
た。
【0118】粒度分布は磁性体の影響を受けたもののシ
ャープな分布であり、乳化微粒子の付着もほとんどなか
った。
【0119】 スチレン 180部 2−エチルヘキシルアクリレート 20部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 20部 磁性体(チタンカップリング処理品) 160部 スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 10部 (Mw=3万、Mw/Mn=3.0、アミン価=50) 化合物例(13)のジオルト体 6部 このトナーについて、実施例4と同じシリカを同比率で
混合し、市販の複写機(商品名NP−4835,キヤノ
ン(株)製)に適用して23℃/60%の環境条件下、
複写試験をしたところ、画像濃度1.41、カブリやが
さつきがなく、解像性が6.3本/mmの鮮明な画像が
得られた。さらに、3万枚連続複写して耐久性能を調べ
たところ、画像濃度1.39、解像性6.3本/mmと
初期の画像と比較して遜色のない良好な画像が得られ
た。また、現像スリーブ上のトナーの摩擦帯電量を測定
したところ、初期においては+8.1μC/g、3万枚
複写後は+7.5μC/gで、ほとんどスリーブ汚染は
認められなかった。次いで、15℃/10%の環境条件
下、複写試験をしたところ、同様に高濃度で良好な画質
の画像が得られた。3万枚の連続複写試験においても同
様に良好な結果であった。35℃/85%の環境条件
下、同じ複写試験、連続複写試験を行なったところ、良
好な結果であった。更にこの環境条件下、このトナーを
1か月間放置した後に同じ複写試験、連続複写試験を行
なったが、問題のない十分な結果であった。
【0120】比較例2 実施例4におけるスチレン−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート共重合体を処方に加えないこと以外は、実施
例4と同様な方法により重量平均粒径8.4μmの微粉
体を得、さらに同じシリカを同比率で混合し、トナーを
得た。また、トナー表面を観察したところ乳化微粒子の
付着が実施例4よりも多かった。
【0121】このトナーを実施例4と同様に市販の電子
写真複写機NP−4835(キヤノン(株)製)に適用
して15℃/10%の環境条件下、複写試験をしたとこ
ろ、画像濃度1.39の画像が得られた。しかし、連続
複写試験を行なって耐久性能を調べたところ、2000
枚で画像濃度1.20と低下した。この時の摩擦帯電量
は+48μC/gであった。
【0122】
【発明の効果】上述したように電荷制御剤として本発明
の尿素誘導体又はグアニジン誘導体を含有するトナー
は、十分な摩擦帯電量を有するとともにトナー粒子間の
摩擦帯電量が均一であり、カブリのない良好な画像を与
える。また、温湿度に対する画像濃度の依存性が少いた
め広範囲な環境条件下において優れた品質の画像を提供
する。また、熱安定性も良好であり、経時変化も起りに
くいために、保存中の品質安定性に優れる。さらに、電
荷制御剤による色調障害が少ないので、カラートナーに
使用することができる。また、本発明の尿素誘導体およ
びグアニジン誘導体は、置換基の種類により摩擦帯電性
が大きく変化するので、多様な現像方法に対応できる。
【0123】また、重合トナーは低融点のワックスを
使用できる粉砕法に比べてはるかに多量のワックスを
含有できるワックスを内包できるので、良好な定着性
・耐オフセット性・耐ブロッキング性が得られる。
【0124】また、尿素誘導体およびグアニジン誘導体
は重合トナー製造時の懸濁工程において、系を乱すこと
がないので乳化粒子の生成や、粒度分布のブロード化が
起こらない。さらに、懸濁工程が安定していることによ
って、ワックスの内包化が進むので耐ブロッキング性も
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】尿素誘導体(例示化合物(1))の赤外線吸収
スペクトルを示す図である。
【図2】グアニジン誘導体(例示化合物(13))の赤
外線吸収スペクトルを示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−98360(JP,A) 特開 昭62−62370(JP,A) 特開 平2−239254(JP,A) 特開 平5−142848(JP,A) 特開 昭61−110157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/097 G03G 9/08 CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性単量体の懸濁重合によって得られ
    るトナーであって、少なくとも、アリール尿素あるいは
    アリール尿素を繰り返し単位として有する尿素多量化
    物、ワックス及びアニオン性樹脂を含有することを特徴
    とする負帯電性の静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 アリール尿素が、下記一般式(I)で示
    される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の
    静電荷像現像用トナー。 【化1】 (但し、Y ,Y はフェニル基、ナフチル基を示
    す。R ,R は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基、置換基を有しても良いフェニル基、置換基を有し
    ても良いアラルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、スル
    ホン酸誘導体基、カルボン酸誘導体基、シアノ基、カル
    ボニル基、水酸基を示し、同一でも異なっていても良
    い。R ,R は水素原子または炭素数1〜8の炭
    化水素基を示す。j,kは1,2,3のいずれかであ
    る。)
  3. 【請求項3】 前記トナーに含有されるワックスの融点
    が、55〜130℃であり、ワックスの含有量が5〜5
    0phrであることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 重合性単量体の懸濁重合によって得られ
    るトナーであって、少なくとも、グアニジン誘導体ある
    いはグアニジン誘導体を繰り返し単位として有するグア
    ニジン多量化物、ワックス及びカチオン性樹脂を含有す
    ることを特徴とする正帯電性の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 グアニジンが、下記一般式(II)また
    は(III)で示される化合物であることを特徴とする
    請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 【化2】 (但し、X ,X は、置換基を有しても良いフェ
    ニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基を示し、同一で
    あっても異なっていても良い。Y ,Y は、水素
    原子、置換基を有しても良いアルキル基あるいはフェニ
    ル基を示し、同一であっても異なっていても良い。ま
    た、Y とY で環を形成しても良い。Z は、
    水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、フェニル
    基あるいはナフチル基を示す。) 【化3】 (但し、X ,X ,X ,X は、置換基を
    有しても良いフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル
    基を示し、同一でも異なっていても良い。Y ,Y
    ,Y ,Y は、水素原子、置換基を有しても良
    いアルキル基あるいはフェニル基を示し、同一でも異な
    っていても良い。また、Y とY あるいはY
    とY で環を形成しても良い。Z は、連結基を示
    す。)
  6. 【請求項6】 前記トナーに含有されるワックスの融点
    が、55〜130℃であり、ワックスの含有量が5〜5
    0phrであることを特徴とする請求項4又は5に記載
    の静電荷像現像用トナー。
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