JP2017167447A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速化や低消費電力化を狙って結晶性樹脂を導入した重合トナー粒子の製造方法においても、粒度分布が極めてシャープで分級工程時の損失をほとんど無くすことが可能なトナー粒子の新たな製造方法を提供すること。【解決手段】固体分散安定剤を含む水系媒体中で、重合性単量体、非晶性樹脂、結晶性樹脂および脂肪酸金属塩を含有する重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含有される該重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を得るトナーの製造方法であって、該非晶性樹脂のSP値をSPaとし、該結晶性樹脂のSP値をSPcとし、該重合性単量体のSP値をSPbとしたとき、SPa−SPc≧0.3、および、SPa−SPb≧0.3、を満たし、該重合性単量体組成物中の該脂肪酸金属塩の含有量が、該重合性単量体100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下であり、該脂肪酸金属塩が、炭素数が9以上27以下の脂肪酸の金属塩であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等に用いられる、静電荷像を現像するためのトナーの製造方法に関する。
電子写真法に用いられるトナーの製造方法としては、重合性単量体を液滴状に分散させ、重合を行うことにより直接トナー粒子を得る重合トナー粒子の製造方法がある。例えば、懸濁重合法によるトナーの製造方法では、重合性単量体、着色剤、離型剤、重合開始剤を均一に溶解又は分散して重合性単量体組成物を調製し、これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散し、重合反応を行わせて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。トナー粒子の懸濁液を、必要に応じて酸又はアルカリで処理し、分散安定剤を取り除いた後に、固液分離工程で水系媒体を分離することによりトナー粒子を得る。
このような方法によって得られるトナー粒子は、球形もしくは球に近い形状で表面が均一であるため、流動性、転写性が良好で、多数回の連続現像を行っても良好な現像特性を示し、感光体へのフィルミングの発生が少ないという特徴を有している。また、この方法で得られたトナー粒子は、得られるトナー粒子の粒度分布がシャープであることから、分級工程を行っても損失が少ない。さらに生産性を高めるためには、分級による損失を最小限にする必要があり、よりシャープな粒度分布とすることが求められる。これを解決するために、特許文献1には、造粒工程を循環式の装置で行うなどの手法で粒度分布を改善する方法が記載されている。
また、近年、プリンターや複写機において高速化や低消費電力化を達成するため、結晶性樹脂を用いる手法が盛んに検討されている。特許文献2には、結晶性樹脂の融点での急激な粘度低下現象(シャープメルト)を利用し、耐熱保存性と低温定着性を両立させたトナーが記載されている。
特許第5305926号公報 特開2006−106727号公報
本発明者らは、特許文献2に記載のような結晶性樹脂を用い、懸濁重合法でトナー粒子を作製したところ、次のような課題があることがわかった。すなわち、重合性単量体組成物を水系媒体中に分散し油滴化した際に、結晶性樹脂が油水界面に露出することで分散安定剤の吸着が阻害され、合一が進んで粗大粒子が発生したり、粒度分布が乱れることがあった。
本発明は、上述の問題を解決したトナーの製造方法を提供することを目的とする。すなわち、結晶性樹脂を含有するトナーの製造方法において、粒度分布が極めてシャープで分級工程時の損失をより低減することが可能なトナーの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下の製造方法によれば極めてシャープな粒度分布のトナー粒子が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
固体分散安定剤を含む水系媒体中で、重合性単量体、非晶性樹脂、結晶性樹脂および脂肪酸金属塩を含有する重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び
該粒子に含有される該重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を得る工程、を有し、
該非晶性樹脂のSP値をSPaとし、該結晶性樹脂のSP値をSPcとし、該重合性単量体のSP値をSPbとしたとき、下記式を満たし、
SPa−SPc≧0.3
SPa−SPb≧0.3
該重合性単量体組成物中の該脂肪酸金属塩の含有量が、該重合性単量体100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下であり、
該脂肪酸金属塩が、炭素数が9以上27以下の脂肪酸の金属塩である
ことを特徴とするトナーの製造方法である。
また、本発明は、トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
固体分散安定剤を含む水系媒体中に、非晶性樹脂、結晶性樹脂、結着樹脂および脂肪酸金属塩を含有する樹脂組成物を分散させることによってトナー粒子を得る工程を有し、
該非晶性樹脂のSP値をSPaとし、該結晶性樹脂のSP値をSPcとし、該結着樹脂のSP値をSPbとしたとき、下記式を満たし、
SPa−SPc≧0.3
SPa−SPb≧0.3
該樹脂組成物中の該脂肪酸金属塩の含有量が、該結着樹脂100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下であり、
該脂肪酸金属塩が、炭素数が9以上27以下の脂肪酸の金属塩である
ことを特徴とするトナーの製造方法である。
本発明により、結晶性樹脂を含有するトナーの製造方法において、粒度分布が極めてシャープで分級工程時の損失をより低減することが可能なトナーの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明に用いられる好ましい実施態様を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明のトナーの製造方法は、固体分散安定剤を含む水系媒体中で、重合性単量体、非晶性樹脂、結晶性樹脂および脂肪酸金属塩を含有する重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含有される該重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を得る工程を有する。また、本発明の別の態様としては、固体分散安定剤を含む水系媒体中に、非晶性樹脂、結晶性樹脂、結着樹脂および脂肪酸金属塩を含有する樹脂組成物を分散させることによってトナー粒子を得る工程を有する。本発明者らは、非晶性樹脂のSP値並びに、脂肪酸金属塩の構造及び量を制御することで、粒度分布が極めてシャープな結晶性樹脂を含有するトナーが製造できることを見出した。
本発明者らは前記効果が発現するメカニズムを以下のように考えている。重合性単量体組成物または樹脂組成物を水系媒体中に分散し油滴化した際、非晶性樹脂のSP値SPaが、結晶性樹脂や重合性単量体または結着樹脂のSP値よりも大きいことにより、該非晶性樹脂は油水界面付近へ移行する。脂肪酸金属塩も極性の高い成分であるため、同様に油水界面付近へと移行する。油水界面へと極在した非晶性樹脂と脂肪酸金属塩が金属を介して架橋構造を取ることにより、油水界面に非晶性樹脂及び脂肪酸金属塩からなる膜が形成される。この油水界面の膜の存在により結晶性樹脂の表面露出が抑制され、分散安定剤が効率的に吸着することできるようになったために、粒径、粒度分布が良化したと考えている。
本発明は、固体分散安定剤を含む水系媒体中に重合性単量体組成物を分散させることによって微粒子を生成するという、懸濁重合法を利用したトナーの製造方法に適用できる。また、固体分散安定剤を含む水系媒体中に樹脂組成物を分散させることによって微粒子を生成するという、溶解懸濁法を利用したトナーの製造方法にも適用できる。懸濁重合法は、水系媒体に分散した重合性単量体の油滴内で重合を進行させる重合方法である。溶解懸濁法は結着樹脂を含む樹脂組成物を有機溶媒中に溶解させたものを水系分散媒中に分散させ、その後、有機溶媒を除去することによって樹脂微粒子を得る方法である。
本発明において、重合性単量体組成物または樹脂組成物を分散させる際の連続相である分散媒は、固体分散安定剤を含む水系媒体であれば特に限定されず、公知のものを用いることができ、使用する重合性単量体や重合法等によって適宜選択される。なお、水系媒体は、水、または水溶性有機溶剤や水溶性無機塩等の水溶性成分を含有する水を主成分とする水性の媒体であり、重合性単量体組成物が油滴として分散するものであれば特に限定されない。
懸濁重合法や溶解懸濁法に用いられる分散安定剤は、一般に保護コロイド層を形成して立体障害による反発力を発現させる水溶性高分子と、静電気的な反発力を発現させて分散安定化を図る難水溶性無機化合物とに大別される。本発明に用いられる分散安定剤は、難水溶性無機化合物である固体分散安定剤であれば特に制限はなく、公知のものを使用できる。難水溶性無機化合物の例としてはリン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩が挙げられる。分散安定剤は、重合性単量体100.0質量部に対して0.2質量部以上10.0質量部以下で使用されることが好ましい。また、溶解懸濁法でトナーを製造する場合は、分散安定剤は、結着樹脂100.0質量部に対して0.2質量部以上10.0質量部以下で使用することが好ましい。前記固体分散安定剤は市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中撹拌下にて無機化合物を生成させることもできる。例えばリン酸三カルシウムの場合、十分な撹拌下にリン酸三ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合法に好適な固体分散安定剤を得ることができる。
本発明に好適に用いられる重合性単量体(溶解懸濁法では、樹脂組成物に含まれる結着樹脂用の重合性単量体)としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体または多官能性重合性単量体を使用することができる。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系重合性単量体類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンなどのビニルケトン類等が挙げられる。
前記多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明では、上記した単官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体とを組み合わせて、または多官能性重合性単量体を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性等の観点から好ましい。
本発明にはSP値が下記のように制御された非晶性樹脂が必要である。前述の非晶性樹脂のSP値SPa、重合性単量体または結着樹脂のSP値をSPb、後述の結晶性樹脂のSP値をSPcとしたときに、下記式を満たす。
SPa−SPc≧0.3
SPa−SPb≧0.3
SPaが上述の範囲であることにより、非晶性樹脂の油水界面への移行性が確保される。SPa−SPc<0.3の場合は、結晶性樹脂が非晶性樹脂よりも水側に移行してしまうため、本発明の効果は得られない。SPa−SPb<0.3の場合は、非晶性樹脂の油水界面への移行が不十分になるため本発明の効果は得られない。
非晶性樹脂は、上記の範囲内のSP値を有していれば、特に制限はなく、ポリエステル樹脂やカルボキシル基含有のスチレン系樹脂など公知の非晶性樹脂を用いることができる。前記重合性単量体との親和性を抑え表面移行性を十分に確保する観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。ポリエステル系樹脂であることで粒度分布がより良化する。
ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げる酸成分単量体とアルコール成分単量体とを縮合重合した樹脂を用いることができる。酸成分単量体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、及び、トリメリット酸が挙げられる。
アルコール成分単量体としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンのアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
カルボキシル基含有スチレン系樹脂としては、スチレン系のアクリル酸共重合体、スチレン系のメタクリル酸共重合体、スチレン系のマレイン酸共重合体等が好ましく、特にスチレンアクリル−アクリル酸系共重合体が帯電量を制御し易く好ましい。また、カルボキシル基含有スチレン系樹脂は1級または2級の水酸基を有するモノマーを含有していることがより好ましい。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。
非晶性樹脂の酸価は5.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下が好ましい。より好ましくは5.0mgKOH/g以上12.0mgKOH/g以下である。酸価がこの範囲であることにより、該非晶性樹脂の表面移行性が十分に確保されるだけでなく、非晶性樹脂由来の酸により油水界面の膜がより強固に形成されるため粒度分布がより良化する。
重合性単量体組成物中の非晶性樹脂の含有量は、重合性単量体100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは2.0質量部以上10.0質量部以下である。溶解懸濁法では、非晶性樹脂の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
結晶性樹脂は結晶性樹脂のSP値をSPcとしたときに、SPa−SPc≧0.3を満たしていれば特に制限されず、結晶性ポリエステルや結晶性を有するビニルポリマー、またそれらの変性体など公知のものを使用できる。本発明は結晶性ポリエステルがより好ましい。
結晶性ポリエステルは、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。
酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が望ましく特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。中でも、炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
その他のモノマーとしては、特に限定は無く、従来公知の2価又のカルボン酸と、2価のアルコールがある。これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール構成成分としては脂肪族ジアルコールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられ、中でも炭素数6から10のものが結晶融点や帯電性の観点から好ましい。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95モル%以上用いることが好ましく、98モル%以上用いることがより好ましい。
その他の2価のジアルコールとしては、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド又は(及び)プロピレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステルは、GPCによる分子量測定で、重量平均分子量が5,000以上50,000以下の範囲であることが好ましく、10,000以上30,000以下の範囲であることがより好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあることで、トナーの耐久性と帯電性のバランスが高度に保たれたものとなる。
また、結晶性ポリエステルは、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上30質量部以下含有することが好ましい。結晶性ポリエステルの含有量がこの範囲にあることで、トナーの劣化を抑制する効果が得られるうえに、着色剤や離型剤の分散状態を良好に保ち、トナーの帯電性を高く維持することが出来る。
結晶性樹脂は、非晶性のビニルポリマー部位を有する結晶性樹脂、すなわち、ビニル変性結晶性樹脂であってもよい。
本発明には脂肪酸金属塩を用いる。脂肪酸金属塩が非晶性樹脂と共に油水界面へと移行し、架橋構造による膜を形成することにより本発明の効果が発揮される。
脂肪酸金属塩中の脂肪酸の炭素数は9以上27以下である。炭素数が9未満の場合は、脂肪酸の水溶性が大きくなってしまうため、重合性単量体組成物中から水系媒体中への脂肪酸の溶出がおこり本発明の効果は得られない。炭素数が27より大きい場合は、脂肪酸金属塩が重合性単量体に対して溶けにくくなるため、非晶性樹脂との架橋構造が取れなくなり本発明の効果は得られない。
脂肪酸金属塩中の脂肪酸は上記の炭素数の他に特に制限はなく、以下にあげる脂肪酸が用いられる。ノナン酸やラウリン酸、ステアリン酸、セロチン酸などの直鎖飽和脂肪酸や、オレイン酸やリノール酸などの直鎖不飽和脂肪酸、15−メチルヘキサデカン酸などの分岐構造をもった脂肪酸、2−ヒドロキシドデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸のように他の官能基を有する脂肪酸など、公知のものを使用できる。好ましくは炭素数が15以上24以下の直鎖不飽和脂肪酸である。
重合性単量体組成物中の脂肪酸金属塩の含有量は、重合性単量体100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下である。また、溶解懸濁法では、樹脂組成物中の脂肪酸金属塩の含有量は、結着樹脂100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下である。0.3質量部未満の場合、脂肪酸金属塩の量が少ないために架橋による膜形成が不十分であり、本発明の効果は得られない。5.0質量部よりも多い場合、逆に架橋が進みすぎるため油滴の分裂が起きにくくなってしまい、粗大粒子が生成しやすくなる。
また、脂肪酸金属塩は、下記条件Aを満たす脂肪酸金属塩であることが好ましい。
〈条件A〉
回転平板型レオメーターを用いて25℃および50Hzの条件で、混合物Maの損失弾性率を測定したときの値をG”(a)[Pa]とし、混合物Mbの損失弾性率を測定したときの値をG”(b)[Pa]としたときに、
1.1≦G”(b)/G”(a)≦2.0、を満たす。
(混合物Maは、重合性単量体又は結着樹脂1.4質量部および非晶性樹脂1.4質量部を含有するものである。混合物Mbは、重合性単量体又は結着樹脂1.4質量部、非晶性樹脂1.2質量部および脂肪酸金属塩0.2質量部を含有するものである。)
上記範囲を満たす脂肪酸金属塩であることにより、架橋による膜形成で結晶性樹脂の油水界面への露出が抑制され、分散安定剤が効率的に吸着するだけでなく、形成された膜が適度な粘性をもつことで吸着した分散安定剤の脱離を物理的に抑制することができ、粒度分布がより良化する。
脂肪酸金属塩の中心金属は、特に制限されないが、2または3の価数を有する金属であることが好ましい。中心金属の価数が上記範囲であることにより、油水界面での架橋構造が効率的に形成され、本発明の効果がより増大する。価数が2または3の金属としては、Ca、Mg、Zn、Cu、Al、Feなどが挙げられる。
本発明の製造方法には、定着時の離型性を確保するためにワックスを用いることもできる。本発明に用いられるワックスとしては、公知のワックス成分を用いることができる。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの天然ワックス及びそれらの誘導体が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコール等のアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併用して用いることができる。
本発明の製造方法に用いられる着色剤としては、以下の有機顔料、有機染料、及び、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、及び、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、及び、66。
マゼンタ系着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及び、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、及び、254。
イエロー系着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及び、アリルアミド化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185、191、及び、194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系着色剤、マゼンタ系着色剤、及びシアン系着色剤を用いて黒色に調色されたものが挙げられる。
本発明の製造方法では、荷電制御剤を用いても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体を用いることが好ましい。スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体としては、特にスルホン酸基含有アクリルアミド系モノマー又はスルホン酸基含有メタクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上含有することが好ましい。より好ましくは5質量%以上含有することである。荷電制御樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が35℃以上90℃以下、ピーク分子量(Mp)が10,000以上30,000以下、重量平均分子量(Mn)が25,000以上50,000以下である。これを用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい摩擦帯電特性を付与することができる。更に、荷電制御樹脂がスルホン酸基を含有している為、着色剤の分散液中の荷電制御樹脂自身の分散性、及び、着色剤の分散性が向上し、着色力、透明性、及び、摩擦帯電特性をより向上させることができる。
本発明の製造方法では、重合性単量体を重合させるために、重合開始剤を用いてもよい。本発明に用いることができる重合開始剤としては、有機過酸化物系開始剤やアゾ系重合開始剤が挙げられる。有機過酸化物系開始剤としては、以下のものが挙げられる。ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、及び、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
アゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、及び、アゾビスメチルブチロニトリルが挙げられる。
また、重合開始剤として、酸化性物質と還元性物質とを組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては、過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、及び、アンモニウム塩)の無機過酸化物、及び、4価のセリウム塩の酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、及び、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、及び、エチルアミンの如き炭素数1〜6程度のアミン)、ヒドロキシルアミンの如きアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、及び、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸又はその塩、及び低級アルデヒド(炭素数1〜6)が挙げられる。
重合開始剤は、10時間半減期温度を参考に選択され、単独又は混合して利用される。前記重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが、重合性単量体100.0質量部に対し0.5質量部以上20.0質量部以下が添加される。
また、重合度を制御するため公知の連鎖移動剤、及び、重合禁止剤を更に添加し用いることも可能である。
これまで述べたように、本発明は懸濁重合法と溶解懸濁法に適用できるが、懸濁重合法を例に本発明のトナーの製造方法について、より具体的に説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体中に着色剤、非晶性樹脂、結晶性樹脂、脂肪酸金属塩を通常用いられる撹拌装置、ホモジナイザーまたは超音波分散機等によって均一に溶解及び/または分散させて重合性単量体組成物を調製する。また、必要に応じて離型剤や荷電制御剤等を添加することもできる。
(水系分散媒体調製工程及び造粒工程)
固体分散安定剤を含む水系分散媒を調製する。この水系分散媒体と重合性単量体組成物を一定の割合で造粒装置に供給する。水系分散媒体と重合性単量体組成物の供給方法は特に限定されるものではなく、それぞれを個別に供給しても良い。または、水系分散媒体と重合性単量体組成物を予め混合したものを供給しても良い。分散液滴の粒子径をシャープにするためには、均一に混合された水系分散媒と重合性単量体組成物の混合溶液に高い剪断力をかけ液滴を生成させる必要がある。高剪断力を有する分散機には、マイルダー(荏原製作所社製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、DRS2000(IKA社製)、TKフィルミックス(プライミクス社製)等があり、適宜選択することができる。造粒工程は回分式であっても循環式であってもよく、適宜選択することができる。
(重合工程)
本発明における重合工程には温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。重合温度は40℃以上、好ましくは50以上90℃以下で行われる。必要に応じて重合開始剤や連鎖移動剤、重合禁止剤を用いてもよい。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。
(精製工程)
(固液分離工程、洗浄工程及び乾燥工程)
未反応のモノマーや副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水性分散媒を蒸留により留去してもよい。蒸留は常圧もしくは減圧下で行うことができる。分散液滴が重合することで得られる重合体微粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体微粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、固液分離法により重合体微粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体微粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。なお、乾燥手段として熱をかけることができるが、通常多くの熱量をトナー粒子にかけるとトナー粒子中に内包された離型剤や低分子量成分が表出するため現像性に影響を与えることがある。しかし、本発明によるトナー粒子は分子量分布がシャープであり低分子量成分が少ないため乾燥温度が110℃以下であればトナー粒子の現像性に影響を与えることはない。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものである。さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を所定外粒子として取り除くこともできる。
以下に各測定、算出方法を述べる。
<SP値の計算方法>
本発明におけるSP値は、Fedorsの式(1)を用いて求める。ここでのΔei,及びΔviの値は著「コーティングの基礎科学」54〜57頁、1986年(槇書店)の表3〜9による原子および原子団の蒸発エネルギーとモル体積(25℃)」を参照にした。
δi=(Ev/V)1/2=(Δei/Δvi)1/2 式(1)
Ev:蒸発エネルギー
V:モル体積
Δei:i成分の原子または原子団の蒸発エネルギー
Δvi:i成分の原子または原子団のモル体積
例えば、ヘキサンジオール(HO−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−OH)は、原子団(−OH)×2+(−CH2)×6から構成され、計算SPは下記式で求められる。
δi=(Δei/Δvi)1/2=[{(5220)×2+(1180)×6}/{(13)×2+(16.1)×6}]1/2
SP値(δi)は11.95となる。
<G”(b)/G”(a)の測定方法>
測定装置としては、回転平板型レオメーター「ARES」(TA INSTRUMENTS社製)を用いる。
(混合物Maの調製)
非晶性樹脂1.4g及び重合性単量体1.4gをバイアル瓶に取り、60℃に加熱しながら良くかき混ぜ、溶解させることで混合物Maを得る。
(混合物Mbの調製)
非晶性樹脂1.2g及び脂肪酸金属塩0.2gをバイアル瓶に取り良くかき混ぜた後、重合性単量体1.4gを加え、60℃に加熱しながら良くかき混ぜ、溶解させることで混合物Mbを得る。
(測定)
混合物Maを25mmパラレルプレート上に乗せ、上下のプレート間が該試料で満たされ、かつ上下のプレート間の間隔(Gap)が0.5mmになるように試料の量を調整する。室温(25℃)で温度が安定したのを確認し、50Hzの周波数における損失弾性率G”(a)を測定する。同様の手法で混合物Mbの損失弾性率G”(b)も測定し、その比G”(b)/G”(a)を算出する。
<酸価の測定方法>
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した非晶性樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価[mgKOH/g]、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量[ml]、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量[ml]、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料[g]である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<結晶性樹脂1の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に、ヘキサンジオール54.0部および、ドデカン二酸100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。エステル化触媒としてチタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合する。その後、温度180℃に昇温し、減圧させながら所望の分子量となるまで反応させて結晶性樹脂1を得た。結晶性樹脂1の重量平均分子量(Mw)は18000であった。
<結晶性樹脂2の製造>
撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に、ヘキサンジオール54.0部および、ドデカン二酸100.0部を添加して撹拌しながら温度130℃まで加熱した。チタン(IV)イソプロポキシド0.7部を加えた後、温度160℃に昇温し5時間かけて縮重合する。アクリル酸15.0部、スチレン110.0部を1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま1時間撹拌を続けた後、8.3kPaにて1時間スチレン系樹脂成分の単量体の除去を行った。その後210℃に昇温し、5時間反応を行い結晶性樹脂2を得た。
<結晶性樹脂3の製造>
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン 100.0部
・ベヘニルアクリレート 100.0部
前記容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱してベヘニルアクリレートを完全に溶解させた。そこにt−ブチルパーオキシピバレート 3.0部を滴下し8時間撹拌した。さらに、100℃に加熱して6時間重合した。その後溶媒を留去し結晶性樹脂3を得た。
<非晶性樹脂1の製造>
・テレフタル酸 20.0部
・イソフタル酸 20.0部
・無水トリメリット酸 1.0部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物 10.0部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 90.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を撹拌機、温度計、窒素導入管、脱水管、および、減圧装置を備えた反応容器に入れ、窒素雰囲気化、220℃で5時間反応させ非晶性樹脂1を得た。
<非晶性樹脂2および4乃至9の製造>
表1に示すような原料および製造条件に変更すること以外は非晶性樹脂1の製造方法と同様にして非晶性樹脂2および4乃至9を得た。尚、表1中のTPAはテレフタル酸、IPAはイソフタル酸、TMAは無水トリメリット酸、BPA−(PO)3はビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物、BPA−(PO)2はビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、BPA−(EO)2はビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物をそれぞれ表わす。
Figure 2017167447
<非晶性樹脂3の製造>
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン 100.0部
・スチレン 85.0部
・アクリル酸n−ブチル 15.0部
・マレイン酸 8.0部
・t−ブチルパーオキシピバレート 3.0部
前記容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱して10時間撹拌した。さらに、100℃に加熱して6時間重合した。その後溶媒を留去させて非晶性樹脂3を得た。
<非晶性樹脂10の製造>
還流冷却管、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を入れた。
・トルエン 100.0部
・スチレン(St) 84.5部
・アクリル酸n−ブチル(BA) 11.3部
・メタクリル酸メチル(MMA) 2.5部
・メタクリル酸(MAA) 4.0部
・t−ブチルパーオキシピバレート 3.0部
前記容器内を毎分200回転で撹拌し、70℃に加熱して10時間撹拌した。さらに、100℃に加熱して6時間重合した。その後溶媒を留去させて非晶性樹脂10を得た。
非晶性樹脂1〜10の各物性を表2に示す。
Figure 2017167447
<負荷電性制御樹脂1の製造>
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール255.0部、2−ブタノン145.0部および2−プロパノール100.0部を添加し、重合性単量体としてスチレン88.0部、アクリル酸2−エチルヘキシル6.0部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.0部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.0部を2−ブタノン20.0部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、さらに5時間撹拌して重合を終了し、凝集物を得た。
次に、重合溶媒を減圧留去した後に得られた凝集物を150メッシュ(目開き104μm)のスクリーンを装着したカッターミルにて100μm以下に粗粉砕し、さらにジェットミルにより微粉砕した。その微粉体を250メッシュ(目開き61μm)の篩により分級し、60μm以下の粒子を分別して得た。次に該粒子を10%の濃度になるようにメチルエチルケトン(MEK)を加え溶解し、前述の溶液をMEKの20倍量のメタノール中に徐々に投じ再沈殿した。得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のメタノールで洗浄し、ろ過した粒子を温度35℃にて48時間真空乾燥した。
さらに前述の真空乾燥後の粒子を10%の濃度になるようにMEKを加え再溶解し、前述の溶液をMEKの20倍量のn−ヘキサン中に徐々に投じ再沈殿した。得られた沈殿物を再沈殿に使用した量の2分の1のn−ヘキサンで洗浄し、ろ過した粒子を35℃にて48時間真空乾燥して極性重合体を得た。こうして得られた極性重合体はガラス転移温度(Tg)が83℃であり、メインピーク分子量(Mp)が21,500、数平均分子量(Mn)が11,000、重量平均分子量(Mw)が33,000であり、酸価は14.5mgKOH/gであった。また、1H−NMR(日本電子社製EX−400:400MHz)で測定された組成はスチレン:アクリル酸2−エチルヘキシル:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸=88.0:6.0:5.0(質量比)であった。得られた極性重合体を負荷電性制御樹脂1とする。
<脂肪酸金属塩>
本発明で使用した脂肪酸金属塩を表3に示す。
Figure 2017167447
<トナー1の製造>
温度60℃に加温したイオン交換水1300.0部に、リン酸三カルシウム(固体分散安定剤)9.0部を添加し、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、撹拌速度15,000rpmにて撹拌し、水系媒体を調製した。
また、下記の結着樹脂材料をプロペラ式撹拌装置にて撹拌速度100rpmで撹拌しながら、混合して溶解液を調製した。
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 25.0部
・結晶性樹脂1 20.0部
次に上記溶解液に、
・シアン着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 6.5部
・炭化水素ワックス(Tm=78℃) 9.0部
・負荷電性制御樹脂1 0.7部
・非晶性樹脂1 5.0部
・脂肪酸金属塩1 1.0部
を加え、その後、混合液を温度65℃に加温した後にT.K.ホモミキサーにて、撹拌速度10,000rpmにて撹拌し、溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
続いて、上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤としてパーブチルPV(10時間半減期温度54.6℃(日本油脂製))6.0部を加えた。そして、温度70℃にてT.K.ホモミキサーを用いて、撹拌速度15,000rpmで20分間撹拌し、造粒した。
プロペラ式撹拌装置に移して撹拌速度200rpmで撹拌しつつ、温度85℃で5時間、重合性単量体組成物中の重合性単量体であるスチレンおよびn−ブチルアクリレートを重合反応させ、トナー粒子を含むスラリーを製造した。重合反応終了後、該スラリーを冷却した。冷却されたスラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子(トナー粒子1)を得た。
<トナー2〜27の製造>
表4に示すように原材料および添加部数を変更すること以外はトナー1と同様の製造方法でトナー2〜27を得た。
Figure 2017167447
<造粒性評価>
上記手法で得られたトナー粒子の造粒性は以下のようにして評価した。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積平均粒径(Dv)、体積50%粒径(Dv50)および個数50%粒径(Dn50)を算出する。
(評価基準)
・粒径(Dv)
A:Dvが5.0以上6.3以下(粒径が著しく良好である)
B:Dvが6.3より大きく6.4以下(粒径が良好である)
C:Dvが6.4より大きく6.5以下(粒径が良いレベルである)
D:Dvが4.5以上5.0未満もしくは6.5より大きく6.6以下(粒径が劣る)
E:Dvが4.5未満もしくは6.6より大きい(粒径が著しく劣る)
・粒度分布(Dv50/Dn50)
A:Dv50/Dn50が1.20未満(粒度分布が著しく良好である)
B:Dv50/Dn50が1.20以上1.25未満(粒度分布が良好である)
C:Dv50/Dn50が1.25以上1.30未満(粒度分布が良いレベルである)
D:Dv50/Dn50が1.30以上1.35未満(粒度分布が劣る)
E:Dv50/Dn50が1.35以上(粒度分布が著しく劣る)
<画像評価>
得られたトナー粒子100.0部に対して、外添剤として、シリカ微粒子に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粒子(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で、撹拌速度3000rpmで15分間混合して画像評価用のトナーを得た。
画像形成装置としてキヤノン製LBP−2040を使用し、そのカートリッジに得られたトナーを100g充填した。常温常湿下(24℃/60%RH)において、トナー劣化の促進試験として2時間空回転を行った後、印字率2%の横線のみからなる画像パターンで1000枚の画出し試験を行い、非画像部のカブリの測定を行った。かぶりの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、かぶりは下記の式より算出した。
かぶり(反射率)(%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
(評価基準)
A:1.5%未満(非常に良好)
B:1.5%以上2.5%未満(良好)
C:2.5%以上4.0%未満(良いレベル)
D:4.0%以上(劣る)
〔実施例1〜23〕
実施例1〜23では、トナーとして、トナー1〜23をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表5に示す。
〔比較例1〜4〕
比較例1〜4では、トナーとしてトナー24〜27をそれぞれ用いて上記評価を行った。その評価結果を表5に示す。
Figure 2017167447

Claims (6)

  1. トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    固体分散安定剤を含む水系媒体中で、重合性単量体、非晶性樹脂、結晶性樹脂および脂肪酸金属塩を含有する重合性単量体組成物の粒子を形成する工程、及び
    該粒子に含有される該重合性単量体を重合させることによってトナー粒子を得る工程、を有し、
    該非晶性樹脂のSP値をSPaとし、該結晶性樹脂のSP値をSPcとし、該重合性単量体のSP値をSPbとしたとき、下記式を満たし、
    SPa−SPc≧0.3
    SPa−SPb≧0.3
    該脂肪酸金属塩の含有量が、該重合性単量体100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下であり、
    該脂肪酸金属塩が、炭素数が9以上27以下の脂肪酸の金属塩である
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    固体分散安定剤を含む水系媒体中に、非晶性樹脂、結晶性樹脂、結着樹脂および脂肪酸金属塩を含有する樹脂組成物を分散させることによってトナー粒子を得る工程を有し、
    該非晶性樹脂のSP値をSPaとし、該結晶性樹脂のSP値をSPcとし、該結着樹脂のSP値をSPbとしたとき、下記式を満たし、
    SPa−SPc≧0.3
    SPa−SPb≧0.3
    該樹脂組成物中の該脂肪酸金属塩の含有量が、該結着樹脂100.0質量部に対して0.3質量部以上5.0質量部以下であり、
    該脂肪酸金属塩が、炭素数が9以上27以下の脂肪酸の金属塩である
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  3. 前記脂肪酸金属塩が、下記条件Aを満たす脂肪酸金属塩である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法:
    〈条件A〉
    回転平板型レオメーターを用いて25℃および50Hzの条件で、混合物Maの損失弾性率を測定したときの値をG”(a)[Pa]とし、混合物Mbの損失弾性率を測定したときの値をG”(b)[Pa]としたときに、
    1.1≦G”(b)/G”(a)≦2.0、を満たす。
    (該混合物Maは、前記重合性単量体又は前記結着樹脂1.4質量部および前記非晶性樹脂1.4質量部を含有するものである。
    該混合物Mbは、前記重合性単量体又は前記結着樹脂1.4質量部、前記非晶性樹脂1.2質量部および前記脂肪酸金属塩0.2質量部を含有するものである。)
  4. 前記脂肪酸金属塩の中心金属の価数が、2または3である請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  5. 前記非晶性樹脂の酸価が、5.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記非晶性樹脂が、5.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下の酸価を持つポリエステル樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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