JP5591060B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷潜像を顕在化するトナーに関するものである。
近年、コンピュータ及びマルチメディアの発達により、オフィスから家庭まで幅広い分野で、更なる高精細フルカラー画像を出力する手段が要望されている。このことから、市場で要求されている重要品質として時と場所に依存せず安定して高画質が得られることが挙げられる。その中で、ユーザーは高耐久性や保存安定性、高画質、装置の小型化、定着温度の低温化、更には着色力の向上化といった多岐にわたる要望をしている。
一方、静電荷潜像をトナーによって顕在化する画像形成動作に伴う一連の動作は、いずれもトナーとトナー或いはトナーと部材との接触を伴うものであり、このような接触の度にトナーは負荷を繰り返し受ける。このような負荷により、トナーの一部或は全部が損傷を受けて、トナーは現像剤として求められる流動性及び摩擦帯電性が次第に低下してくる。
そして、このような状態のトナーは帯電量の低下や帯電分布の不均一、更にはトナーの搬送性に代表されるトナー物性が現像機内でより悪化する。そして、このような状態のトナーを使用しつづけること、或いはその様な状態のトナーを長期間放置することで、より顕著にカブリに代表される画像上の不具合が発生することが分かってきている。
そして、特にこのような現象は、画像上グロスの高グロス化、それに加え省エネルギー化に対する要求により、トナー特性としてトナーの融点を低下させる技術傾向の中で現れてきている。そして、このことによって、トナーは上記部材やトナー同士との接触・摺擦によるストレスを更に受けやすく、トナー自体の流動性や摩擦帯電性が今まで以上に低下する傾向にあった。そして、今後もこの傾向は益々加速していくと思われ、トナーには高グロス及び省エネルギーを達成し得る柔らかさと高耐久性の両立が求められている。
一方、これらの課題に対し、トナーに含有される着色剤の表面処理剤や、トナー形状等を制御することによりアプローチを行っている技術がある。特に着色剤をロジンで表面処理することで、トナーの定着性、着色力、環境安定性や帯電特性を改善しようとする技術が開示されている。
例えば、ロジン化合物で処理したモノアゾ系着色剤をトナーに含有させ、トナーから抽出されるワックス濃度を制御することでトナーの定着性、着色力及び環境安定性等を良好にする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。また、着色剤としてキナクリドン顔料と溶性アゾ顔料を併用し、円形度の標準偏差を制御することで環境における帯電特性を安定させるトナーの技術が開示されている(例えば、特許文献2)。更には、ロジンまたはロジン誘導体で処理したカラー顔料を含有したポリエステルの粉砕トナーをシリコンゴム層を有した定着ローラにより定着させることでオフセットと透明性に優れた画像形成方法が得られる技術が開示されている(例えば、特許文献3)。
確かにこのような方策により、トナーとしての性能は向上している。しかし、本発明者らが鋭意検討した結果、いずれの開示されている技術も特に高温高湿環境下において長期間高速プリントアウト後、そのようなトナーの劣化状態で放置した際のトナーの帯電特性については充分とはいえなかった。即ち、カブリに代表される画像弊害が顕著であり、市場にて要求されている品質を満たす為には依然として諸特性の改善の余地があるといわざるを得ない実状である。
特開2006−235302号公報 特開2003−207944号公報 特開平4−317070号公報
本発明が解決する課題は、上記背景技術の問題点を解決したトナーを提供することである。即ち、使用環境や放置時間に依存せず安定して高画質を維持するような優れたトナーを提供することである。更には耐久性にも優れ、定着性や着色力にも優れたトナーを提供することである。
本発明は、重合性単量体、着色剤、水酸基含有スチレン系樹脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることにより得られるトナー粒子を含有するトナーであって、
該着色剤が、ロジンを5質量%以上30質量%以下の量含有しており、
トルエンに溶解させた該ロジンの懸滴法による水に対する界面張力をα(mN/m)としたとき、αが20以上28以下であり、
トルエンに溶解させた該水酸基含有スチレン系樹脂の懸滴法による水に対する界面張力をβ(mN/m)としたとき、βが20以上33以下である
ことを特徴とするトナーに関する。
本発明により、使用環境や放置時間に依存せず安定して高画質を維持するような優れたトナーを得ることができる。更には耐久性にも優れ、定着性や着色力にも優れたトナーを得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
前述のように、トナーは一連の画像形成を行う過程で、種々の部材やトナー或いはキャリアと摺擦される。トナーを充分且つ適度に帯電させるのも、或いは劣化させるのもこの摺擦に起因することから、本発明者らはこれらが作用する接触面、つまりはトナーの表面とその近傍に着目して鋭意検討を行った。
そこで、本発明者らは本発明の課題であるトナーの高温高湿環境下での放置安定性、更にはトナーの耐久性や定着性の改善について鋭意検討した。その結果、トナー粒子に含有する樹脂及び着色剤の物性を制御し且つ水系媒体中で造粒、重合することで前記課題を改善できるトナーが得られることが分かった。
即ち、重合性単量体、着色剤、水酸基含有スチレン系樹脂を少なくとも含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することにより得られるトナー粒子を含有するトナーであって、
該着色剤はロジンを5質量%以上30質量%以下の量含有しており、
トルエンに溶解させた該ロジンの懸滴法による水に対する界面張力をα(mN/m)としたとき、αが20以上28以下であり、
トルエンに溶解させた該水酸基含有スチレン系樹脂の懸滴法による水に対する界面張力をβ(mN/m)としたとき、βが20以上33以下であることを特徴とするトナーである。
本発明において、上記条件を満たすトナーとすることでトナーの高温高湿環境下における放置安定性、更にはトナーの耐久性や定着性に優れたトナーを得ることができる。
上記条件を満たすトナーとすることにより本発明の効果が得られることについての詳細な理由は明確ではないが、本発明者らは次のように考えている。つまり、水酸基含有スチレン系樹脂とロジンの水に対する界面張力を本発明のように制御することにより、トナー粒子表層の疎水性と耐久性を最適化することができると考えている。
本発明のトナーは水系媒体中で造粒することにより製造されるので、各材料の極性の差からトナー粒子内での配置が決定するものと考えている。即ち、樹脂中に水酸基を含有するような極性の高い材料はトナー表面近傍に配置され、反対に極性の低い材料はトナー内部に配置されることになる。
本発明の界面張力の値に制御されたロジンは適度に疎水性が高いロジンといえる。該ロジンを用いて水系媒体でトナーを製造した場合にはトナー粒子内部に存在しやすい。しかし、本発明の界面張力に制御された水酸基含有スチレン系樹脂を同時に存在させることにより、該樹脂の水酸基とロジンの極性部位の相互作用により該ロジン含有着色剤をある程度トナー表層近傍付近に存在させることが可能になると考えている。そして、本発明のロジンの疎水性によりトナー表層の疎水性をより一層高めることができ、高温高湿環境下における放置安定性が向上し高画質を維持するような優れたトナーを得ることができると本発明者らは考えている。更には、着色剤が表層近傍に存在することにより、該着色剤のフィラー効果が発現されることによってトナー表層が適度に硬くなり、トナー粒子の耐久性が向上するものと考えている。
ここで、該ロジンの懸滴法による水に対する界面張力が20未満では、ロジンの疎水性効果が不充分であり高温高湿環境下においてトナーを劣化させた状態で放置するとカブリの発生が避けられない。また、該界面張力が28を超える場合には、水酸基含有スチレン系樹脂が存在したとしてもロジンの疎水性が高過ぎることによりトナー表層近傍へ存在することが難しくなり本発明の作用効果が得られない。また、該ロジンの着色剤に対する含有量が5質量%以上30質量%の範囲では着色剤の安定した分散性が得られるため着色力が向上する。5質量%未満では含有量が少ないことにより本発明の効果である放置安定性や耐久性が得られないばかりか、ロジンの着色剤分散効果も得られなくなり着色力に劣るトナーとなる。
更に、該水酸基含有スチレン系樹脂の懸適法による水に対する界面張力が20未満では、該樹脂の親水性が高すぎることによりトナーの疎水性が悪化し、高温高湿環境下においてトナーの帯電量低下に伴なう画像弊害が避けられない。また、該界面張力が33を超える場合は疎水性が高すぎることにより該樹脂がトナーの内部に存在することから本発明のロジンもトナー表層近傍に存在させることができなくなり本発明の作用効果が得られなくなる。
この中で、トルエンに溶解させたロジンの懸適法による水に対する界面張力の調整は、ロジンに含まれる成分を調整することで制御可能である。具体的には、アビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ピマル酸、イソピマル酸、レポミマル酸、パラスチリン酸、サンドラッコピマル酸、セコデヒドロアビエチン酸、アガト酸からなる群より選ばれる化合物またはこれらのアルカリ金属塩やエステル化合物から組成を調整することで制御可能である。また、天然ロジン(トール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなど)などに含有されるアビエチン酸類の共役しているアルケニル基をアルキル基にする方法(例えば、水素添加する方法)などで制御可能である。
一方、トルエンに溶解させた水酸基含有スチレン系樹脂の懸適法による水に対する界面張力の調整は該樹脂の極性を調整することで制御可能である。具体的には、該樹脂の水酸基価や或いは酸価を有するモノマーの含有量を調整する方法、酸素や窒素など非共有電子対を有するモノマーの含有量を調整する方法、該樹脂の分子鎖の分岐度を調整する方法等である。
また、上記の如きロジンを、着色剤に含有させる方法としては、ロジンと着色剤を乾式混合した後、必要に応じて溶融混連等の熱処理を施す環式混合法や、着色剤製造時の着色剤の合成溶液中にロジンのアルカリ水溶液を加えた後、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、又はマンガン等のレーキ金属塩を添加し、ロジンを不溶化することで着色剤表面に被覆処理を施す湿式処理等が挙げられる。
以下に、本発明のトナーの更に好ましい形態について述べる。
該水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)は5以上25以下であることが好ましい。
該水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)が5以上25以下である場合には、ロジン含有着色剤のトナー粒子中での配置がトナー粒子表面に露出することも、或いは内部のみに存在することもなくより最適化される。これによりトナーの定着性が良好な傾向を示し、また高温高湿環境下において、連続出力後の長期間放置においても画像弊害の発生がしづらくなる傾向になる。この中で、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価の調整は該樹脂のヒドロキシル基含有モノマーの含有量を調整することで制御可能である。
また、トルエンに溶解させた該ロジンの懸敵法による水に対する界面張力をα(mN/m)とし、トルエンに溶解させた該水酸基含有スチレン系樹脂の懸滴法による水に対する界面張力をβ(mN/m)としたとき、
1≦(β−α)≦10
であることが好ましい。
1≦(β−α)≦10である場合には、該ロジンと該水酸基含有スチレン系樹脂の極性が最適な関係となる。つまり、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基とロジンの極性部位の相互作用が更に強くなり、トナー表層近傍における該樹脂と該ロジンを含有する着色剤の配置がより均一になると考えている。そしてこれにより、トナーの帯電性がより均一となる。また高温高湿環境下において、連続出力後に長期間放置してもカブリ等の発生がしづらくなる傾向になる。
また、本発明のトナーに用いられる着色剤はモノアゾ系着色剤を含有することが好ましい。該着色剤の場合には本発明のロジンと親和性が良好となり、本発明の作用効果が発現しやすいからである。更には、該モノアゾ系着色剤がC.I.Pigment Red 31、C.I.Pigment Red 32、C.I.Pigment Red146、C.I.Pigment Red 150、C.I.Pigment Red 238、C.I.Pigment Red 269からなる郡より選ばれることが更に好ましい。該群より選ばれる着色剤である場合には、トナー粒子中での着色剤の分散性が更に良好となりトナーの着色力が良好な傾向をしめす。
以下に、本発明で用いられる材料について説明する。
本発明のトナーを製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、前記した単官能性重合性単量体を単独で或いは2種以上組み合わせて、又は前記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
本発明に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5乃至30時間のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万乃至10万の間に極大を有する重合体が得られ、適当な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル如きのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド如きの過酸化物系重合開始剤等が例示できる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
本発明に用いる水酸基含有スチレン系樹脂は水酸基を含有するスチレン系樹脂であり、結着樹脂と適度な極性勾配を保ち密着性を確保する観点から、結着樹脂と同組成のものを含むことが好ましい。本発明に使用できる水酸基含有スチレン系樹脂は、1級または2級の水酸基を有するモノマーを含有していることが必須である。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体等をあげることができる。1級または2級の水酸基を有するモノマーを含有した樹脂は極性が大きく、長期放置安定性がより良好となる。また、本発明の水酸基含有スチレン系樹脂は樹脂中にカルボキシル基を含有させることも可能である。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等をあげることができる。
本発明のトナーはワックスを含有させてもよい。具体的には以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム如きの石油系ワックス及びその誘導体;モンタンワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体等。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物などが挙げられる。さらには、以下のものが挙げられる。高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如きの脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックス等。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックス及び炭化水素ワックスが好ましい。更に好ましくは、トータルの炭素数が同一の化合物が50乃至95質量%ワックスに含有されているものが、ワックス純度が高く現像性の観点で好ましい。
以下に本発明のトナーの製造方法について述べる。
本発明のトナーは、懸濁重合法により製造される。この懸濁重合法においては、重合性単量体に着色剤、水酸基含有スチレン系樹脂、ロジン(更に必要に応じてワックス、重合開始剤、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とする。その後この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散し、そして重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。上記トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。
この懸濁重合法でトナーを製造する場合には、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、帯電量の分布が均一となる。また外添剤への依存度が少ない高い転写性を維持するトナーが得られやすい。
本発明に用いられる黒色着色剤としては、カーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い各色に調色されたものが利用される。特に染料やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
本発明に用いられるイエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、128、129、138、147、150、151、154、155、168、180、185、214等が例示できる。
本発明に用いられるマゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アントラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が挙げられる。具体的には、以下の、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19等が例示できる。
本発明に用いられるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1乃至20質量部添加して用いられる。
さらに本発明のトナーは、着色剤として磁性材料を含有させ磁性トナーとすることも可能である。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性材料としては、以下の、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト如きの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの如き金属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き金属の合金及びその混合物等が例示できる。
上記磁性体は、より好ましくは、表面改質された磁性体が好ましい。重合法により磁性トナーを調整する場合には、重合阻害のない物質である表面改質剤により、疎水化処理を施したものが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤を挙げることができる。
これらの磁性体は個数平均粒径が2μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μmのものが好ましい。トナー粒子中に含有させる量としては重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し20乃至200質量部、特に好ましくは結着樹脂100質量部に対し40乃至150質量部が良い。
本発明のトナーには、帯電特性を安定化するために帯電制御剤を配合しても良い。帯電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる帯電制御剤が好ましい。さらに、トナーを直接重合法にて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない帯電制御剤が特に好ましい。具体的な化合物としては、負帯電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。正帯電制御剤として四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの帯電制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではない。内添する場合は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部の範囲で用いられる。また、外添する場合、トナー100質量部に対し、好ましくは0.005乃至1.0質量部、より好ましくは0.01乃至0.3質量部である。
上記水系媒体には、分散安定剤を添加する。分散安定剤として使用する無機化合物としては以下の、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等が例示できる。
有機化合物としては以下の、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等が例示できる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至20質量部を使用することが好ましい。
また、これら分散安定剤の微細な分散のために、0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を使用しても良い。分散安定剤の初期の作用を促進するためのものである。具体例としては以下の、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が例示できる。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いても良いが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いても良い。例えばリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
更に本発明のトナーにおいて、トナー粒子の流動性を向上させる目的で、流動性向上剤をトナー粒子に添加しても良い。流動性向上剤としては、以下の、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛の如き脂肪酸金属塩;酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末の如き金属酸化物または、上記金属酸化物を疎水化処理した粉末;及び湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如きシリカ微粉末または、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粉末等が例示できる。
流動性向上剤は、トナー粒子100質量部に対して、0.01乃至5質量部を使用することが好ましい。
以下に本発明の物性値の測定方法について説明する。
<ロジン及び水酸基含有スチレン系樹脂の界面張力の測定>
本発明における界面張力は、以下に述べる懸滴法により測定した。具体的には温度25℃の環境下にて協和界面科学(株)製のFACE 固液界面解析装置 Drop Master700を用い、レンズ部の視野としてWIDE1にて測定した。まず、鉛直方向下向きに内径が0.4mmの細管の先端部分を測定するスチレン若しくはサンプルのスチレン溶液に入れる。次に細管はシリンジ部に接続する。シリンジ部にはイオン交換水を脱気した状態で入れる。なお、本発明の測定方法においては、スチレンに溶解させるサンプル濃度は0.99質量%で実施した。次にシリンジ部を協和界面科学(株)製 AUTO DISPENSER AD−31に接続してイオン交換水を細管から押し出すことにより、スチレン若しくはサンプルのスチレン溶液内で細管先端部に液滴を作成することができる。そして、この液滴の形状から水との界面張力を計算する。液滴を作成する上での制御や計算方法については協和界面科学(株)製の測定解析システムを用いて行った。なお、計算に必要な水とスチレン溶液の密度差は水とスチレンの密度差である0.1g/cm3として行った。最終的な界面張力の測定結果は10回の測定値の平均値とした。
<水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)の測定>
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(JIS水酸基価)は、以下の方法により求める。
水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(ア)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(イ)操作
(A)本試験
粉砕した結着樹脂の試料1.0gを200ml丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mlをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗う。
指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
結着樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(ウ)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、D:結着樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
<水酸基含有スチレン系樹脂の酸価(mgKOH/g)の測定>
本発明における水酸基含有スチレン系樹脂の酸価(mgKOH/g)はJIS K 0070−1992に基づいて以下の方法で測定する。
(試料調整)
200mlビーカーにサンプル1.0gを精秤し、スターラーで攪拌しながらトルエン120mlに溶解し、さらにエタノール30mlを加える。なお、精秤したCHX不溶分の重さをW(g)とする。
(装置)
装置としては例えば、電位差自動滴定装置AT−400WIN(京都電子工業株式会社製)を用いる。装置の設定は、有機溶剤に溶解する試料を対象とする。使用するガラス電極と比較電極は、有機溶剤対応のものを使用する。
pHガラス電極は、例えば商品コード#100−H112(京都電子工業株式会社製)を用いる。尚、先端は絶対に乾燥させない。
コルク型比較電極は、商品コード#100−R115(京都電子工業株式会社製)を用いる。尚、先端は絶対に乾燥させない。内部液が内部液補充口まで満たされているかを確認する。内部液は3.3mol/KCL溶液を使用する。
(手順)
上記調整した試料を上記装置のオートサンプラーにセットし、上記電極を試料溶液中に浸す。次に滴定液(1/10N KOH(エタノール溶液))を試料溶液上にセットし、0.05mlずつ自動間欠滴定で滴下させ酸価を算出する。
この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。得られた結果から次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
<水酸基含有スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定>
本発明における水酸基含有スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量において、以下の測定方法で測定される。
測定試料は以下のようにして作製した。
測定サンプルとTHFとを5mg/mlの濃度で混合し、室温にて5時間放置した後、充分に振とうしTHFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に室温にて24時間静置して行った。その後、サンプル処理フィルタ(マイショリディスクH−25−2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製)を通過させたものをGPCの試料として調製した。
調製された試料の分子量分布及び重量平均分子量(Mw)は、GPC測定装置(HLC−8120G PC 東ソー社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の測定条件で測定した。
<測定条件>
装置:高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
また、試料の分子量の算出にあたっては、検量線は、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量較正曲線を使用した。
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。なお、トナーの製造例に用いられる水酸基含有スチレン系樹脂の詳細な物性は表1に示した。
(着色剤1の製造)
イオン交換水 1500部
C.I.Pigment Red 150 80部
上記材料を撹拌、混合し、C.I.Pigment Red 150を水中に懸濁させた。その後、テトラヒドロアビエチン酸 11部、アビエチン酸 6部、ジヒドロアビエチン酸 3部及び33%濃度の水酸化ナトリウム水溶液30部を添加した。液温を98℃に昇温した後、温度を保ったまま1時間撹拌した。65℃に高温した後、31%濃度の塩酸約60部を添加して樹脂を沈殿させた。沈殿した組成物を濾別し、イオン交換水によって洗浄した後乾燥し、着色剤1を得た。着色剤の物性を表2に示す。
(着色剤2乃至13及び比較用の着色剤1乃至4の製造)
ロジン成分の種類と添加量、着色剤の種類と量を変更する以外は、前記着色剤1の製造と同様にして着色剤2乃至13及び比較用の着色剤1乃至4を製造した。各々の物性を表2に示す。
(トナー製造例1)
60℃に加温したイオン交換水900部にリン酸三カルシウム2.3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmにて攪拌し、水系媒体を得た。
一方、
スチレン 70部
n−ブチルアクリレート 30部
水酸基含有スチレン系樹脂1 12部
着色剤1 7部
帯電制御剤ボントロンE−88(オリエント化学社製) 5部
上記処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して重合性単量体組成物を得た。該重合性単量体組成物を60℃に加温し、そこにステアリン酸ステアリルを主体とするエステルワックス(DSC測定における最大吸熱ピーク67℃、Mw=1200)14部を添加混合溶解した。これに重合開始剤パーブチルPV(日本油脂社製)10部を溶解した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、65℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサーにて10,000rpmで10分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、70℃で6時間反応させた。その後液温を80℃とし更に4時間撹拌を続けた。反応終了後、−5℃/minの冷却速度で懸濁液を25℃まで冷却した。次いで、該懸濁液に塩酸を加えて燐酸カルシウム塩を溶解し、濾過・水洗を行い、湿潤着色粒子を得た。次に、上記着色粒子を温度40℃にて12時間乾燥してトナー粒子1を得た。
このトナー粒子100部と、外添剤としてBET値が200m2/gであり、一次粒径が12nmの疎水性シリカ微粉体1.6部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合してトナー1を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例2)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤2に変更する以外は同様の方法でトナー2を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例3)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤3に変更する以外は同様の方法でトナー3を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例4)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤4に変更し、水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂2に変更する以外は同様の方法でトナー4を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例5)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤5に変更し、水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂3に変更する以外は同様の方法でトナー5を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例6)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂2に変更する以外は同様の方法でトナー6を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例7)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂4に変更する以外は同様の方法でトナー7を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例8)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂6に変更する以外は同様の方法でトナー8を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例9)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂7に変更する以外は同様の方法でトナー9を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。。
(トナー製造例10)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂3に変更する以外は同様の方法でトナー10を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例11)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂5に変更する以外は同様の方法でトナー11を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例12)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤5に変更し、水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂2に変更する以外は同様の方法でトナー11を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例13)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤6に変更する以外は同様の方法でトナー13を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例14)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤7に変更する以外は同様の方法でトナー14を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例15)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤8に変更する以外は同様の方法でトナー15を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例16)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤9に変更する以外は同様の方法でトナー16を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例17)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤10に変更する以外は同様の方法でトナー17を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例18)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤11に変更する以外は同様の方法でトナー18を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例19)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤12に変更する以外は同様の方法でトナー19を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(トナー製造例20)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤13に変更する以外は同様の方法でトナー20を得た。トナーの物性を表4及び5に示す。
(比較トナー製造例1)
トナー製造例1において着色剤1を比較用着色剤1に変更する以外は同様の方法で比較トナー1を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例2)
トナー製造例1において着色剤1を比較用着色剤2に変更する以外は同様の方法で比較トナー2を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例3)
トナー製造例1において着色剤1を比較用着色剤3に変更する以外は同様の方法で比較トナー3を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例4)
トナー製造例1において着色剤1を比較用着色剤4に変更する以外は同様の方法で比較トナー4を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例5)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基含有スチレン系樹脂8に変更する以外は同様の方法で比較トナー5を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例6)
トナー製造例1において着色剤1を着色剤4に変更し、更には水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基無しスチレン系樹脂9に変更する以外は同様の方法で比較トナー6を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例7)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1を水酸基無しスチレン系樹脂に変更する以外は同様の方法で比較トナー7を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
(比較トナー製造例8)
トナー製造例1において水酸基含有スチレン系樹脂1をポリエステル樹脂に変更する以外は同様の方法で比較トナー8を得た。トナーの物性を表3及び4に示す。
Figure 0005591060
Figure 0005591060
<実施例1>
画像形成装置はLBP9600C(キヤノン製)を用い、また、使用するCRGとして下記(a)乃至(e)の条件を変更或いは改造して使用した。
(a)画像形成装置のプロセススピードを250mm/secに変更し、これに対する、現像ローラの周速は340mm/secに変更した。
(b)カートリッジの寿命を検知しないように改造した。
(c)カートリッジ有無の検知をしないように改造し、単色でも耐久評価及び画像評価が行えるようにした。
トナー1を非磁性一成分系現像剤とし、温度23℃、相対湿度60%(N/N)環境下及び、温度32℃、相対湿度83%(H/H)環境下でA4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いて画像評価を行った。
以上の条件で、0.5%の印字比率の画像を間歇モード(すなわち、1枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の現像装置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で1000枚のプリントアウトを行い、その後、該環境にて12時間放置した。そして、このプリントアウトと放置のサイクルを繰り返して通算で10000枚耐久を行った。その際、初期と10000枚の耐久後に画像評価を実施した。その後、同環境にて一ヶ月間放置し、上記サイクルを再び実施して通算20000枚のプリントアウトを行った後、画像評価を行った。
結果の詳細を表3及び4に示す。
評価実施項目
<画像濃度>
トナーの耐久性の指標として画像濃度の測定を行った。A4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)を転写材として用いて、ベタ画像を出力し、その濃度を測定(右上、右下、中心、左上、左下の5点平均)することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A;画像濃度が1.50以上
B;画像濃度が1.35以上1.50未満
C;画像濃度が1.20以上1.35未満
D;画像濃度が1.05以上1.20未満
E;画像濃度が1.05未満
評価上、Aが最もよく耐久性があり、Eが最も悪く耐久性に劣る。
<カブリ>
カブリの測定については、東京電色社製の反射濃度計、REFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して、標準紙及びプリントアウト画像の非画像部の反射率を測定した。測定で用いられるフィルターには、シアンの場合はアンバーライト、イエローの場合はブルー、マゼンタ及びブラックではグリーンフィルターを用いた。測定結果から下記の式よりカブリを算出し、以下の基準で評価した。
カブリ(反射率:%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
A;カブリ(反射率)が0.3%未満
B;カブリ(反射率)が0.3%以上0.5%未満
C;カブリ(反射率)が0.5%以上1.0%未満
D;カブリ(反射率)が1.0%以上1.5%未満
E;カブリ(反射率)が1.5%以上
評価上、Aが最もよくトナーの耐久性に優れ、Eが最も悪くトナーの耐久性に劣る。
<現像スジ>
現像スジはハーフトーン画像(トナー載り量0.30mg/cm2)を目視で観察し、下記基準に従い評価した。
A:現像ローラ上にも、ハーフトーン部の画像上にも現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。実用上全く問題のないレベル。
B:現像ローラの両端に周方向の細いスジが1〜5本あるものの、ハーフトーン部の画像上に現像スジと見られる排紙方向の縦スジは見られない。実用上全く問題のないレベル。
C:現像ローラの両端に周方向の細いスジが数本あり、ハーフトーン部の画像上にも数本の細かい現像スジが数本見られる。しかし、画像処理で消せるレベルでの実用上問題のないレベル。
D:現像ローラ上とハーフーン部の画像上に数本の太い現像スジが見られ、画像処理でも消せない。実用上問題のあるレベル。
E:現像ローラ上とハーフーン部の画像上に多数本の現像スジが見られ、画像処理でも消せない。実用上著しく問題のあるレベル。
<ハーフトーン均一性>
ハーフトーン均一性を確認する際には、ハーフトーン全域画像(トナー乗り量0.20mg/cm2)を1枚出力中に強制的に本体電源を切り、現像された感光ドラム上のドット再現性を確認した。光学顕微鏡で100倍に拡大したものを目視しながら評価を行った。以下に判定基準を示す。
A:ドット再現性は良好で、実使用上全く問題ないレベル。
B:ドット再現性に若干の乱れが生じるものの、実使用上問題ないレベル。
C:ドット再現性に若干の乱れが生じるが、実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:ドット再現性の乱れが大きく、使用上問題となる可能性が高いレベル。
<低温定着性>
定着性として定着こすり試験を実施した。A4の複写機用普通紙(105g/m2)に単位面積あたりのトナー質量が0.5mg/cm2になるように調整し、濃度測定用の10mm×10mmの3ドット3スペース(600dpi)画像を多数有する画像を出力し、得られた定着画像を、50g/cm2の加重をかけたシルボン紙で5回摺擦し、摺擦後の画像濃度の低下率から以下に基づいて評価した。なお画像濃度の測定には、(マクベス反射濃度計(マクベス社製)を用い、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、摺擦後の画像濃度の低下率を算出した。定着こすり試験による定着性は、A乃至Cならば実用上問題は無い。
A:2%未満
B:2%以上5%未満
C:5%以上10%未満
D:10%以上
<着色力>
上記カラーレーザープリンタLBP9600C(キヤノン社製)の定着ユニットであって、手動で定着温度が設定できるように改造した定着ユニットを用いて評価した。プロセススピードは250mm/secに設定した。画像は定着ユニットを取り外したLBP9600C(キヤノン社製)を用い、単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、A4のカラーレーザーコピア用紙(キヤノン製、80g/m2)上にトナーの載り量が0.1mg/cm2から0.7mg/cm2の異なる数種類の幅100mm、長さ280mmのベタ未定着画像を作製した。該画像を定着温度180℃に設定した上記定着ユニットを用いてA4横方向に定着させた。該定着画像の濃度をX−Riteカラー反射濃度計(color reflection densitometer X−Rite 404A)を用いて測定し、転写紙上のトナー量と定着画像の濃度の関係をグラフ化する。そして、トナーの載り量が0.5mg/cm2のときの画像濃度をグラフから読み取り、以下の基準で着色力を評価した。
A:非常に良好(1.45以上)
B:良好(1.35以上1.45未満)
C:普通(1.25以上1.35未満)
D:実用上ぎりぎりのレベル(1.15以上1.25未満)
E:実用上不可レベル(1.15未満)
詳細な結果を表3及び4に示す。
<実施例2乃至20>
実施例1と同条件で、トナー2乃至20を評価した。詳細の結果を表3及び4に示す。
<比較例1乃至8>
実施例1と同条件で、比較トナー1乃至8を評価した。詳細の結果を表3及び4に示す。
Figure 0005591060
Figure 0005591060

Claims (5)

  1. 重合性単量体、着色剤、水酸基含有スチレン系樹脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該重合性単量体組成物の該粒子に含まれる該重合性単量体を重合させることにより得られるトナー粒子を含有するトナーであって、
    該着色剤が、ロジンを5質量%以上30質量%以下の量含有しており、
    トルエンに溶解させた該ロジンの懸滴法による水に対する界面張力をα(mN/m)としたとき、αが20以上28以下であり、
    トルエンに溶解させた該水酸基含有スチレン系樹脂の懸滴法による水に対する界面張力をβ(mN/m)としたとき、βが20以上33以下である
    ことを特徴とするトナー。
  2. 前記水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)が5以上25以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記αおよび前記βが、下記式(1)を満足する請求項1または2に記載のトナー。
    式(1) 1≦(β−α)≦10
  4. 前記着色剤がモノアゾ系着色剤を含有する請求項13のいずれか項に記載のトナー。
  5. 前記モノアゾ系着色剤が
    C.I.Pigment Red 31、
    C.I.Pigment Red 32、
    C.I.Pigment Red 146、
    C.I.Pigment Red 150、
    C.I.Pigment Red 238、および、
    C.I.Pigment Red 269
    からなるより選ばれる化合物である請求項4に記載のトナー。
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