JP2014202937A - バイオプラスチックを用いた電子写真用マゼンタトナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結着樹脂としてバイオプラスチックを含み、マゼンタ顔料としてキナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含み、耐候性に加えて保存性にも優れた電子写真用マゼンタトナーを提供すること。【解決手段】 10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂と、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤と、前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂とを含む電子写真用マゼンタトナー。【選択図】 なし

Description

本発明は、バイオプラスチックを用いた電子写真用マゼンタトナーおよびその製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、静電荷像をトナーにより現像して可視化し、現像により得られたトナー像を用紙に転写した後、熱と圧力により定着させることにより行われる。上記トナーは、結着樹脂に着色剤や帯電制御剤などを配合した混合物を溶融混練し、粉砕及び分級して所定の粒度分布に調整することにより製造される。このようなトナーの結着樹脂として、従来、スチレン・アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂などの石油由来の樹脂が使用されている。
近年、環境への配慮から、廃棄時に環境への負荷の少ない生分解性樹脂、さらには、再生可能資源からつくられるバイオマスプラスチックを、トナー用樹脂として用いる方法が提案されている。なお、有限な資源への配慮と、環境負荷の低減に貢献する、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックのことをバイオプラスチックと呼ぶ。
本発明者らは、バイオプラスチックの分子量を調整し、バイオプラスチックをトナー用のメイン樹脂として使用することを可能にした。具体的には、市販のポリ乳酸をそのまま使用するのではなく、加水分解等により、分子量を低減させることで、軟化温度を下げるとともに、粉砕性を改良した樹脂を得ることができた。
このように分子量を調整したポリ乳酸樹脂を用いたトナーのなかでも、とりわけマゼンタトナーは、耐候性(光や熱などの外的要因によるトナー性能の劣化を起こしにくい性質)が低く、トナーの保存後に画像濃度が低下しやすく、褪色性に問題を有している。
一方、スチレン系樹脂を結着樹脂として含むマゼンタトナーにおいて、マゼンタ顔料として、キナクリドン系顔料とナフトール系顔料の2種類を組み合わせて使用することにより着色力を向上させることが提案されている(特許文献1を参照)。
特開2012−83440号公報
本発明者らは、分子量を調整したポリ乳酸樹脂を用いたマゼンタトナーにおいて、特許文献1に従って、マゼンタ顔料としてキナクリドン系顔料とナフトール系顔料の2種類を組み合わせて使用したところ、着色力が向上し、耐光性などの耐候性に優れたマゼンタトナーを製造できることを確認した。しかし、このようにして得られたマゼンタトナーは、トナーの保存性が低いというバイオプラスチックトナー特有の問題に遭遇した。
そこで、本発明は、結着樹脂としてバイオプラスチックを含み、マゼンタ顔料としてキナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含み、耐候性に加えて保存性にも優れた電子写真用マゼンタトナーを提供すること、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂と、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤と、前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂とを含む電子写真用マゼンタトナーを提供する。
また本発明の別の態様は、10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤、および前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂を含む原料混合物を溶融混練する工程と、得られた混練物を粉砕、分級する工程とを含む、電子写真用マゼンタトナーの製造方法を提供する。
本発明によれば、結着樹脂としてバイオプラスチックを含み、マゼンタ顔料としてキナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含み、耐候性に加えて保存性にも優れた電子写真用マゼンタトナーが提供されるとともに、その製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明者らは、バイオプラスチックを含有する結着樹脂と、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤とを含有するマゼンタトナー原料に、ロジン変性フェノール樹脂を、結着樹脂100質量%に対し1〜5質量%の量で添加することにより、マゼンタトナーの保存性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の実施形態に係る電子写真用マゼンタトナーは、10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂と、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤と、前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂とを含むことを特徴とする。
なお、本明細書において「保存性」といった場合、長期間の保存安定性および加速環境下での保存性の両方を意味する。
本実施形態で使用されるロジン変性フェノール樹脂は、フェノール樹脂を天然樹脂のロジンで変性した樹脂を指す。本実施形態において、ロジン変性フェノール樹脂は、当該技術分野で使用されるものを使用することができ、好ましくは130〜145℃の軟化点を有するものを使用することができ、たとえば、タマノル135(荒川化学工業(株)製、軟化点135℃)、ハリフェノールP660(ハリマ化成、軟化点140℃)などを使用することができる。なお、ここで軟化点は、市販のロジン変性フェノール樹脂において、範囲により表される場合、その中央の値を意味する。ロジン変性フェノール樹脂の軟化点が低すぎると、トナーの製造時に混合羽根や粉砕分級機に融着が起こりやすく、トナーの保存性を高めることが困難になり、一方、ロジン変性フェノール樹脂の軟化点が高すぎると粉砕性が低下する傾向がある。
本実施形態において、ロジン変性フェノール樹脂は、結着樹脂100質量%に対し、1〜5質量%、好ましくは2〜4質量%とすることができる。ロジン変性フェノール樹脂の含有量は、トナー質量に対する値で表すと、1〜3質量%とすることができる。本明細書において「トナー質量」とは、外添剤を添加する前のトナー粒子の質量を指し、外添剤は含まない。
ロジン変性フェノール樹脂の含有量が、結着樹脂100質量%に対し、1質量%を下回ると、トナーの保存性を向上させることができず、5質量%を超えると、粉砕性が低下する。
本実施形態において、ロジン変性フェノール樹脂は、トナー原料の混合の際に添加されてもよいし、トナー原料の溶融混練の際に添加されてもよい。
本実施形態において結着樹脂として使用されるバイオプラスチックの数平均分子量は、10,000〜30,000、好ましくは15,000〜20,000である。本実施形態では、バイオプラスチックの数平均分子量が30,000を超える場合、粉砕性が劣り、10,000未満の場合、トナーの保存性が低下する。
結着樹脂として使用されるバイオプラスチックは、ポリ乳酸を用いることが出来る。ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年、環境に優しい生分解性プラスチックとして注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
本実施形態で使用されるポリ乳酸の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。原料となるとうもろこし等の澱粉を発酵し、乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法や乳酸から環状二量体を経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法がある。乳酸には、光学異性体が存在し、L−乳酸とD−乳酸があるが、これら単独または混合物のいずれの乳酸を使用しても良い。ポリ乳酸の数平均分子量は、重合時の反応条件を可変することで任意に調整することが可能である。
商業的に販売されているポリ乳酸は耐熱性向上等のため、より高分子のポリ乳酸が得られる開環重合法で合成されたものであり、その数平均分子量は100,000以上のものが主流である。本実施形態で結着樹脂として使用されるバイオプラスチックは、10,000〜30,000の数平均分子量を有する。したがって、所望の数平均分子量のポリ乳酸は、市販のポリ乳酸を加水分解することにより得ることができる。
ポリ乳酸を加水分解させる方法としては、恒温恒湿槽にポリ乳酸を置く方法が挙げられる。例えば、恒温恒湿槽を温度80℃、湿度80%RHに設定し、ポリ乳酸を処理すると、加水分解により分子量が低下し、数十時間でトナー用樹脂として適当な軟化温度、良好な粉砕性を得ることができる。
また、ポリ乳酸を加水分解させる別の方法として、過熱水蒸気を使用する方法や、ポリ乳酸と水とを溶融混練する方法や、ポリ乳酸をアルカリ性水溶液(たとえば水酸化ナトリウム水溶液)中で加熱加圧条件下で加水分解させる方法が挙げられる。
本実施形態において、着色剤としては、従来公知のキナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を組み合わせて使用することができる。キナクリドン系顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202等が挙げられる。ナフトール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド269、等が挙げられる。環境への影響を考慮すると、着色剤単体で安全性が高いものが好ましい。
本実施形態において、着色剤は、予め樹脂と顔料を高濃度に分散したマスターバッチを使用してもよい。すなわち、本実施形態において、着色剤は、第一の樹脂とキナクリドン系顔料とを含む第一の顔料マスターバッチ、および第二の樹脂とナフトール系顔料とを含む第二の顔料マスターバッチの組合せを使用してもよい。ここで第一の樹脂および第二の樹脂は、顔料マスターバッチを作製するために当該技術分野で使用されるものであり、たとえば、軟化点100〜120℃であるポリエステル樹脂を使用することができる。第一の樹脂および第二の樹脂は、同一であっても異なっていてもよい。
キナクリドン系顔料とナフトール系顔料を含有する着色剤は、当該技術分野で一般的に採用される添加量で添加され、結着樹脂に対し3質量%以上の量で添加されることが好ましく、結着樹脂に対し3〜4質量%の量で添加されることがより好ましい。着色剤の含有量は、トナー質量に対する値で表すと、2〜3質量%とすることができる。
キナクリドン系顔料とナフトール系顔料は、公知技術に従って、2種類の顔料の併用効果が発揮されるような配合割合で添加され、一方の顔料の添加量が極端に少なくなることがないように添加される。たとえば、キナクリドン系顔料とナフトール系顔料は、2:0.7〜0.7:2の質量比で添加されることが好ましく、1:2〜2:1の質量比で添加されることがより好ましい。キナクリドン系顔料の配合割合が過度に低いと、トナーの耐候性が悪くなる傾向がみられ、ナフトール系顔料の配合割合が過度に低いと、画像濃度が低下する傾向がみられる。
本実施形態のトナーには、必要に応じて、従来公知の離型剤を添加することができる。そのような離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のオレフィン系ワックスや、カルナウバワックス、ライスワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、合成エステルワックス等が挙げられる。
低温定着性や高速印字性能を向上させるには、60〜100℃程度と比較的低い融点を有する離型剤が好ましく、具体的には、カルナウバワックスや、合成エステルワックスが好ましい。環境への影響を考慮すると、天然物系のカルナウバワックスがより好ましい。離型剤の配合量は、トナー質量に対して、1〜15質量%であることが好ましい。
本実施形態のトナーには、その原料として、必要に応じて、従来公知の帯電制御剤を添加することができる。例えば、正帯電制御剤として、4級アンモニウム塩、アミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤として、サルチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、カルボキシル基を含有する樹脂などが挙げられる。帯電制御剤の添加量は、トナー質量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
本実施形態のトナーには、バイオプラスチック以外に、必要に応じて、従来公知のトナー用樹脂を添加することができる。そのような樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂があるが、顔料分散性、低温定着性の観点から、トナー用に開発されたポリエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂は単独であっても、2種類以上を混合しても構わない。これらの樹脂の配合量は、環境への影響を考慮すると、トナー質量に対して、0〜50質量%であることが好ましい。
その他の材料として、粉砕性、定着性等の改善のため、低分子量の樹脂を添加することができる。ここで、低分子量の樹脂としては、分子量数百〜数千のオリゴマー領域の樹脂であり、粘着付与剤として市販されている。ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等がある。
本実施形態のトナーには、必要に応じて従来公知の加水分解抑制剤を添加することができる。加水分解抑制剤として、例えば、カルボジイミド系化合物、イソシアネート系化合物及びオキサゾリン系化合物などが挙げられる。このような加水分解抑制剤は、残存モノマーや分解により生じた水酸堪やカルボキシル機末端を封止し、加水分解の連鎖反応を抑制することができる。
加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物であるカルボジライトLA−1(日清紡ケミカル(株)製)などが市販されている。加水分解抑制剤の添加量は、バイオプラスチックに対し、0.01〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
本実施形態のトナーには、必要に応じて従来公知の結晶核剤を添加することができる。結晶核剤として、タルクなどの無機核剤、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ベンジリデンソルビトール、カルボン酸アミドなどの有機核剤、等が挙げられる。
以上説明した電子写真用トナーは、従来公知の方法により製造することができる。
例えば、10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤、ロジン変性フェノール樹脂、並びに必要に応じてその他添加剤を含む原料を混合した後、2軸混練機や加圧ニーダー、オープンロールなどの混練機で混練し、混練物を得る。本実施形態では、ロジン変性フェノール樹脂は、結着樹脂に対し1〜5質量%の量で含有される。得られた混練物を冷却した後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機等で分級することで、トナーを得ることができる。
ここで、トナーの粒径は特に限定されないが、通常5〜10μmとなるように調整される。このようにして得られたトナーに対し、流動性向上、帯電性調整、耐久性向上のため、外添剤を添加することができる。
外添剤としては、無機微粒子が一般的であり、シリカ、チタニア、アルミナ等が挙げられ、そのうち疎水化処理されたシリカ(日本アエロジル(株)、CABOT(株)より市販)が好ましい。無機微粒子の粒径は、1次粒子径として、7〜40nmのものが良く、機能向上のため、2種類以上を混ぜ合わせても良い。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
<ポリ乳酸樹脂(低分子量ポリ乳酸)の作製>
海正生物ポリ乳酸「REVODE101B」を温度80℃、湿度80%RHに設定した恒温恒湿槽に入れ加水分解させた。処理時間を可変し、数平均分子量の異なるポリ乳酸を得た。各処理時間により得られたポリ乳酸の数平均分子量を下記表1に示す。
Figure 2014202937
加水分解処理して得られた低分子量ポリ乳酸を、トナーの結着樹脂として使用した。
<キナクリドン系顔料マスターバッチの調製>
ポリエステル樹脂(軟化点105℃、花王)50質量部およびびキナクリドン系顔料(ピグメントレッド122(富士色素)50質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)を用いて攪拌し、二軸押出機(池貝製)により溶融混練した。得られた混練物を冷却延伸してフェザーミル(ホソカワミクロン製)にて2mm以下に粉砕し、キナクリドン系顔料マスターバッチを得た。これをトナーの着色剤として使用した。
<ナフトール系顔料マスターバッチの調製>
ポリエステル樹脂(軟化点105℃、花王)50質量部およびびナフトール系顔料(ピグメントレッド150(富士色素)50質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)を用いて攪拌し、二軸押出機(池貝製)により溶融混練した。得られた混練物を冷却延伸してフェザーミル(ホソカワミクロン製)にて2mm以下に粉砕し、ナフトール系顔料マスターバッチを得た。これをトナーの着色剤として使用した。
<トナーの作製>
実施例1
結着樹脂:ポリ乳酸樹脂(数平均分子量30000) 100質量部
着色剤:キナクリドン系顔料マスターバッチ 2質量部
ナフトール系顔料マスターバッチ 2質量部
離型剤:カルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製) 3質量部
帯電制御剤:LR−147(日本カーリット(株)製) 1質量部
加水分解抑制剤:カルボジライトLA−1(日清紡ケミカル(株)製) 10質量部
粉砕助剤:テルペン系樹脂クリアロンP135(ヤスハラケミカル(株)製) 5質量部
添加剤:ロジン変性フェノール樹脂タマノル135(荒川化学工業(株)製) 5質量部。
これらの材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で攪拌した後、二軸押出機(池貝製)により溶融混練した。冷却後、衝突版式粉砕機(NPK製)を用いて粉砕を行い、気流式分級機(NPK製)を用いて分級を行って、平均粒子径9μmの粉体を得た。得られた粉体に、外添剤として疎水性シリカRX200(日本アエロジル(株)製)を、トナー100質量部に対して1質量部添加し、ヘンシェルミキサーで攪拌して、トナーを製造した。
トナーとキャリア(シリコン樹脂コートフェライトキャリア:平均粒径35μm)をナウターミキサーで混合し、二成分現像装置「C2250」(富士ゼロックス製)カラープリンタ毎分25枚機にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて印字し、画像の評価を行った。
実施例2〜3
実施例2〜3は、下記表2に記載されるとおり、ポリ乳酸樹脂の分子量を本発明の範囲内で変動させた以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。
実施例4〜9
実施例4〜9は、下記表2に記載されるとおり、ロジン変性フェノール樹脂の添加量を本発明の範囲内で変動させた以外は、実施例1〜3と同様にトナーを作製した。
実施例10〜15
実施例10〜15は、下記表2に記載されるとおり、キナクリドン系顔料マスターバッチまたはナフトール系顔料マスターバッチの添加量を変動させた以外は、実施例1〜3と同様にトナーを作製した。
比較例1〜3
比較例1〜3は、下記表3に記載されるとおり、ポリ乳酸樹脂の分子量を本発明の範囲外で変動させた以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。
比較例4〜9
比較例4〜9は、下記表3に記載されるとおり、ロジン変性フェノール樹脂の添加量を本発明の範囲外で変動させた以外は、実施例1〜3と同様にトナーを作製した。
比較例10〜15
比較例10〜15は、下記表3に記載されるとおり、キナクリドン系顔料マスターバッチおよび/またはナフトール系顔料マスターバッチの添加量を変動させた以外は、実施例1〜3と同様にトナーを作製した。
それぞれのトナーについて、粉砕性、高温高湿条件の保存性、保存安定性、画像濃度、耐候性を測定し、評価した。それぞれの評価方法および評価基準を以下に示す。
1.粉砕性
粉砕・分級工程で混練粗砕物を粉砕分級する際の、トナー母体粒子の収率(質量%)により、粉砕性を評価した。実状として、収率が65%以上であれば問題ない。また、この時トナーの体積平均粒径は9μm、微粉として3μm以下の個数割合が5%以下、粗粉として16μm以上の体積割合が3%以下となるように粉砕条件を調整した。
(評価基準) ○:収率65%以上
△:収率50%以上、65%未満
×:収率50%未満
−:トナー化できず。
2.高温高湿条件の保存性
高温高湿条件の保存性は、得られたトナーを50℃90%の恒温恒湿槽に5時間放置し、固まり具合で評価した。50ccビーカーに30cc目盛まで、(15g位)トナーを入れ、バネ秤で針がねが15mm進入した時の値を読んだ。
(評価基準) ○:0.5N未満
×:0.5N以上
−:トナー化できず。
3.保存安定性
保存安定性は、得られたトナーを40℃90%の恒温恒湿槽に30日間放置し、固まり具合で評価した。50ccビーカーに30cc目盛まで、(15g位)トナーを入れ、バネ秤で針がねが15mm進入した時の値を読んだ。
(評価基準) ○:0.5N未満
×:0.5N以上
−:トナー化できず。
4.画像濃度
得られたトナーを用いて、18〜22℃、40〜60%環境で、2%画像を500枚印刷後、ベタ画像印字を10枚行い、ベタ画像をX−Rite(X−Rite社製)で測定した。v、c、m、y値の一番高い値を記録した。
(評価基準) ○:合計10枚測定した記録データの平均値が1.0以上である
×:合計10枚測定した記録データの平均値が1.0未満である。
5.耐候性
耐候性評価は、印刷画像を、SX−75(スガ試験機社製)で95時間照射することにより行った。
条件: BPT 63℃、
槽内温度 43℃、
槽内湿度 50%RH、
放射照度 180W/m2
耐候性試験前の画像のL*、a*、b*の値を、それぞれL1、a1、b1とし、耐候性試験後の画像のL*、a*、b*の値を、それぞれL2、a2、b2とし、これらの値から下記式により色相変化の差(ΔE)を求め、ΔEに基づいて耐候性を評価した。
式:ΔE={(L1−L2)+(a1−a2)+(b1−b2)}
(評価基準) ○:ΔE30未満
×:ΔE30以上。
試験結果を下記表に示す。
Figure 2014202937
Figure 2014202937
実施例1〜15は、数平均分子量10,000〜30,000のポリ乳酸を結着樹脂として使用し、キナクリドン系顔料とナフトール系顔料を着色剤として使用し、ロジン変性フェノール樹脂を、結着樹脂100質量%に対し1〜5質量%の量で原料混合物に添加した。その結果、トナー製造時の粉砕性が良好で、高い画像濃度を得ることができ、かつ耐候性および保存性に優れたトナーを得ることができた。
比較例1は、ポリ乳酸の数平均分子量が120,000と大きく、粉砕性が悪かったため、トナー化を断念した。
比較例2は、ポリ乳酸の数平均分子量が38,000と大きく、粉砕性について良い結果が得られなかった。
比較例3は、ポリ乳酸の数平均分子量が7,000と小さく、高温高湿条件の保存性および保存安定性が悪かった。
比較例4〜5は、ロジン変性フェノール樹脂の添加量が、結着樹脂に対し0.5質量%と少ないため、高温高湿条件の保存性や保存安定性の効果が得られなかった。
比較例6〜9は、ロジン変性フェノール樹脂の添加量が、結着樹脂に対し6〜7質量%と多いため、トナー製造時の粉砕性に問題が生じた。
比較例10〜11は、キナクリドン系顔料の配合割合が、着色剤全体の20質量%と少ないため、耐候性が悪かった
比較例12〜13は、ナフトール系顔料の配合割合が、着色剤全体の20質量%と少ないため、充分な画像濃度が得られなかった。
比較例14〜15は、キナクリドン系顔料とナフトール系顔料からなる着色剤の添加量が、結着樹脂に対し2質量%と少ないため、充分な画像濃度が得られなかった。
以上の結果は、10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含み、キナクリドン系顔料とナフトール系顔料を含むマゼンタトナーにおいて、ロジン変性フェノール樹脂を所定の量で添加すると、高温高湿条件の保存性および長期間の保存安定性を向上させることができることを示す。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂と、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤と、前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂とを含む電子写真用マゼンタトナー。
[2] 前記着色剤が、前記結着樹脂に対し3質量%以上の量で含有され、前記キナクリドン系顔料と前記ナフトール系顔料が1:2〜2:1の質量比で含有される、[1]に記載の電子写真用マゼンタトナー。
[3] 前記着色剤が、第一の樹脂とキナクリドン系顔料とを含む第一の顔料マスターバッチ、および第二の樹脂とナフトール系顔料とを含む第二の顔料マスターバッチからなる、[1]または[2]に記載の電子写真用マゼンタトナー。
[4] 前記バイオプラスチックがポリ乳酸である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の電子写真用マゼンタトナー。
[5] 10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤、および前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂を含む原料混合物を溶融混練する工程と、
得られた混練物を粉砕、分級する工程と
を含む、電子写真用マゼンタトナーの製造方法。
[6] 前記着色剤が、前記結着樹脂に対し3質量%以上の量で含有され、前記キナクリドン系顔料と前記ナフトール系顔料が1:2〜2:1の質量比で含有される、[5]に記載の電子写真用マゼンタトナーの製造方法。

Claims (6)

  1. 10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂と、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤と、前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂とを含む電子写真用マゼンタトナー。
  2. 前記着色剤が、前記結着樹脂に対し3質量%以上の量で含有され、前記キナクリドン系顔料と前記ナフトール系顔料が1:2〜2:1の質量比で含有される、請求項1に記載の電子写真用マゼンタトナー。
  3. 前記着色剤が、第一の樹脂とキナクリドン系顔料とを含む第一の顔料マスターバッチ、および第二の樹脂とナフトール系顔料とを含む第二の顔料マスターバッチからなる、請求項1または2に記載の電子写真用マゼンタトナー。
  4. 前記バイオプラスチックがポリ乳酸である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真用マゼンタトナー。
  5. 10,000〜30,000の数平均分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂、キナクリドン系顔料およびナフトール系顔料を含有する着色剤、および前記結着樹脂に対し1〜5質量%の量のロジン変性フェノール樹脂を含む原料混合物を溶融混練する工程と、
    得られた混練物を粉砕、分級する工程と
    を含む、電子写真用マゼンタトナーの製造方法。
  6. 前記着色剤が、前記結着樹脂に対し3質量%以上の量で含有され、前記キナクリドン系顔料と前記ナフトール系顔料が1:2〜2:1の質量比で含有される、請求項5に記載の電子写真用マゼンタトナーの製造方法。
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