JP2010175841A - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 結着樹脂としてポリ乳酸を含み、良好な粉砕性及び定着性が得られ、濃度安定性及び保存性の優れた電子写真トナー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 5,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を混練した後、結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理し、微粉砕してなることを特徴とする電子写真用トナー。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子写真用トナー及びその製造方法に係り、特に、結着樹脂中に生分解性樹脂を含む電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、静電荷像をトナーにより現像して可視化し、得られたトナー像を用紙に転写した後、熱と圧力により定着させることにより行う。このような画像形成に用いるトナーとしては、結着樹脂に着色剤や帯電制御剤などを配合した混合物を混練し、粉砕して所定の粒度分布に調整したものが使用される。
従来、結着樹脂にはスチレン・アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂などの石油由来の樹脂が使用されている。近年、環境への配慮から、廃棄時に環境への負荷の少ない生分解性樹脂、さらには、再生可能資源からつくられるバイオマス由来の樹脂を、トナー用樹脂として用いる方法が提案されている。これらの生分解性樹脂やバイオマス由来のプラスチックは、バイオプラスチックと呼ばれ、化石資源の消費を削減し、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制するものと期待されている。
バイオプラスチックのうち、現在最も有望な樹脂のひとつがポリ乳酸である。ポリ乳酸は融点が170℃程度、ガラス転移点が60℃程度、分子量が10〜15万程度の結晶性ポリエステルである。現在では、食品用包装材、容器などに使用されている。また、ポリ乳酸に耐熱性、高耐久性を付加し、携帯電話の筐体などに使用することも始められている。
しかしながら、ポリ乳酸をそのままトナー用樹脂として使用する場合、硬く、粉砕性が悪いことと、軟化温度が高く、低温定着に向かないという問題があった。
そのような問題を解決するために、ポリ乳酸に植物系のワックスを多量に添加する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この提案では、ワックスを多量に添加することでトナーの軟化温度を下げることは可能となるが、ワックス成分によりトナーが凝集し易くなるため、分級効率の低下による生産性が悪化し、また、トナーの流動性が悪化することで、現像機内でのトナー搬送性が劣るなどの問題が発生する。
また、ポリ乳酸系生分解性樹脂にテルペンフェノール共重合体と特定のワックスとを配合する提案がある(例えば、特許文献2参照)。この提案では、ポリ乳酸の強靭さと、樹脂強度は低いが低温定着性には有効であるテルペンフェノール共重合体をブレンドすることで、耐久性を損なうことなく、良好な低温定着性と粉砕性を両立させることができる。
しかしながら、ポリ乳酸系生分解性樹脂の配合量は30質量%程度が限界であり、これ以上配合量を増やすと、粉砕性が悪化し、トナーを作成することが困難となってしまう。また、溶融粘度も高くなり、低温定着性が悪化してしまう。
また、低温定着性、定着安定性のため、生分解性樹脂に軟化点の異なる2種類の樹脂を配合する提案もある(例えば、特許文献3参照)。この提案では、低軟化点樹脂が高軟化点樹脂と生分解性樹脂のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に生分解性樹脂が均一に分散される。しかしながら、生分解性樹脂の結着樹脂中の配合率は13質量%程度、多くても33質量%が限界である。明確な記載はないが、その原因のひとつとして、生分解性樹脂の配合割合をこれ以上増やすと、生分解性樹脂の分散不良が起こり、耐久性、粉砕性が悪化するためと考えられる。
以上のように、生分解性樹脂、バイオマスプラスチックをトナーの結着樹脂の主成分とするには課題が多く、その一部を置き換えた場合でも、配合量が限られており、良好な特性を維持しつつ、より多くの生分解性樹脂、バイオマスプラスチックを配合できることが望まれている。
なお、生分解性樹脂を熱処理して結晶性を上げた後、粉砕する技術が知られているが(例えば、特許文献4参照)、これは、結晶性を上げることにより硬度を増加させて研磨能力や洗浄能力を高めるもので、得られた粉体の主たる用途は研磨剤であり、また、用いられる生分解性樹脂の分子量も高いものである。
また、特許文献4には、トナー用樹脂としての使用も記載されてはいるが、その分子量等からみて、トナーが必要とする10μm以下の粒径に粉砕することは、極めて困難である。
特許第2597452号公報 特許第3779221号公報 特開2006−91278号公報 特開2007−197602号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされ、結着樹脂としてポリ乳酸を含み、良好な保存性、濃度安定性、定着性、及び粉砕性を有する電子写真トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、5,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を混練した後、結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理し、微粉砕してなることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
このような電子写真用トナーにおいて、前記熱処理温度を、前記原料混合物に含まれる離型剤の融点以下の温度とすることが出来る。
本発明の第2の態様は、5,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を混練する工程、前記混練物を前記結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理する工程、及び前記熱処理された混練物を微粉砕する工程を具備することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法を提供する。
このような電子写真用トナーの製造方法において、前記熱処理温度を、前記原料混合物に含まれる離型剤の融点以下の温度とすることが出来る。
また、前記熱処理する工程を、前記混練物を冷却した後に行うことが出来る。或いは、前記熱処理する工程を、前記混練物を冷却することなく、所定の温度雰囲気に曝して徐冷することにより行うことが出来る。また、前記熱処理する工程を、前記混練物を冷却し、粗粉砕した後に行うことが出来る。
本発明によると、結着樹脂としてポリ乳酸を含み、良好な保存性、濃度安定性、定着性、及び粉砕性を有する電子写真トナー及びその製造方法が提供される。
混練物の急冷後のポリ乳酸分子の配列を示す模式図である。 混練物の熱処理後のポリ乳酸分子の配列を示す模式図である。 ポリ乳酸の加水分解処理時間を横軸に、分子量を縦軸にプロットした特性図である。 ポリ乳酸の加水分解の処理時間を横軸に、ガラス転移点(Tg)を縦軸にプロットした特性図である。 混練物を徐冷するために用いる連続式バンド型通気乾燥機を示す図である。
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーは、5,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を混練した後、結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理し、微粉砕してなることを特徴とする。
このように、結着樹脂として、5,000〜50,000、好ましくは10,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を、混練後、微粉砕前に、結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理することにより、保存性の良好なトナーを得ることが可能となった。
本実施形態に係る電子写真用トナーにおいて、混練後、微粉砕前の熱処理は、ポリ乳酸の結晶化を促進するために行われる。通常、トナーの製造における原料混合物の混練工程では、溶融した混練物は急冷されるため、混練物中のポリ乳酸の分子は、図1に示すように、ランダムに分散する非晶質の状態にあるものと考えられる。
本実施形態に係る電子写真用トナーでは、粉砕性を向上させるため、結着樹脂に含まれるポリ乳酸として、5,000〜50,000の分子量を有するものを用いているが、このように比較的分子量の低いポリ乳酸を用いると、トナーのガラス転移点が、低いもので40℃にも低くなってしまう。このようなポリ乳酸が非晶質の状態のままトナー製造工程を続行して得られた、ガラス転移点の低いトナーは、ガラス転移点を越えると保存性が極端に悪化してしまう。
これに対し、本実施形態に係る電子写真用トナーでは、混練物を急冷した後、熱処理を施すことにより、図2に示すように、ポリ乳酸分子が規則正しく配列し、即ち結晶化され、保存性を向上させることが出来る。ポリ乳酸はもともと結晶性樹脂であるため、急冷により非晶質となっても、熱処理により結晶化されるのである。なお、結晶化度にもよるが、ポリ乳酸の融点近傍の温度まで耐熱性を向上させることが出来る。ただし、保存性を向上させることが目的であるので、保存性が向上する範囲で結晶化すればよいので、必要以上に熱処理を行い、結晶化を過度に促進させる必要はない。
熱処理温度としては、ガラス転移点以上、融点以下であれば良いが、混練物の中には、低融点の離型剤も含まれるため、熱処理時の離型剤のブリードを抑えるには、離型剤の融点以下の温度で熱処理することが好ましい。
具体的な熱処理温度としては、添加する離型剤の種類にもよるが、60〜100℃の範囲、より好ましくは、70〜80℃である。
また、より短時間で熱処理を行う場合には、示差走査熱量計DSCにより結晶化ピーク温度を求め、この結晶化ピーク温度で熱処理を行うことが最も好ましい。
熱処理時間については、必要な結晶化度が得られるまでの時間が必要であるが、熱処理温度や処理方法により異なり、任意に調整できる。
熱処理の方法は、特に限定されず、連続式でもバッチ式でも構わない。
以上、溶融混練物を急冷した後、熱処理する場合について説明したが、熱処理は、急冷を行うことなく、ガラス転移点以上、融点以下の温度に曝すことにより徐冷することでもよい。それによっても結晶化ないし結晶状態を保持することが可能であり、トナーの保存性を向上させることが出来る。この場合、その後の微粉砕を行うのに必要な温度まで混練物が冷却されている必要がある。
また、混練物を急冷した後、塊のまま熱処理しても良いし、破砕・粗砕した後、微粉砕前に熱処理しても良い。そうすることにより、熱処理の破砕・粗砕への悪影響を防止することが出来る。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年、環境に優しい生分解性プラスチックとして注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
本実施形態で使用されるポリ乳酸の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。原料となるとうもろこし等の澱粉を発酵し、乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法や乳酸から環状二量体ラクチドを経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法がある。
本実施形態で使用されるポリ乳酸の分子量は、重合時の反応条件を可変することで任意に調整することが可能である。ここで、汎用樹脂として使用されるポリ乳酸は、数平均分子量として、100,000程度の高い分子量が必要とされるが、本実施形態で使用されるポリ乳酸は、5,000〜50,000程度の比較的低分子のポリ乳酸であり、このように分子量が低いことにより、従来粉砕が困難であったポリ乳酸が、比較的容易に粉砕することが可能となり、ポリ乳酸を高濃度で添加することが可能となる。
また、別の方法としては、ポリ乳酸の加水分解特性を利用し、例えばポリ乳酸を高温高湿環境中に放置して加水分解処理することにより、分子量を低減させたポリ乳酸を用いる方法がある。
本実施形態に係るトナーで使用される着色剤としては、従来公知のものを使用できる。例えば、黒の着色剤としては、カーボンブラック、青系の着色剤としては、C.I.Pigment15:3、赤系の着色剤としては、C.I.Pigment57:1、122、269、黄色系の着色剤としては、C.I.Pigment74、180、185等が挙げられる。本発明の目的の一つである環境への影響を考慮すると、着色剤単体で安全性が高いものが好ましい。
これら着色剤の含有量は、トナー全体に対して、1〜10質量%であることが好ましい。また、着色剤は、予め樹脂と着色剤を高濃度に分散したマスターバッチの形として用いても良い。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知の離型剤を添加することができる。そのような離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のオレフィン系ワックスや、カルナウバワックス、ライスワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、合成エステルワックス等が挙げられる。
低温定着性や高速印字性能を向上させるには、60〜100℃程度と比較的低い融点を有する離型剤が好ましく、具体的には、カルナウバワックスや、合成エステルワックスが好ましい。環境への影響を考慮すると、天然物系のカルナウバワックスがより好ましい。
離型剤の配合量は、トナー全体に対して、1〜10質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知の正帯電又は負帯電の帯電制御剤を添加することができる。正帯電制御剤としては、例えば、4級アンモニウム塩、アミノ基を含有する樹脂等が挙げられ、負帯電制御剤としては、サルチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、カルボキシル基を含有する樹脂などが挙げられる。
帯電制御剤の配合量は、トナー全体に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーには、ポリ乳酸以外に、必要に応じて、従来公知のトナー用樹脂を添加することができる。そのような樹脂としては、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂があるが、顔料分散性、低温定着性の観点から、トナー用に開発されたポリエステル樹脂が好ましい。樹脂は単独であっても、2種類以上を混合しても構わない。
トナー用樹脂の配合量は、本発明の目的の一つである環境への影響を考慮すると、トナー全体に対して、0〜50質量%であることが好ましい。
その他の樹脂材料として、粉砕性、定着性等改善のため、低分子量樹脂を添加することができる。ここで、低分子量樹脂とは、分子量数百〜数千のオリゴマー領域の樹脂であり、粘着付与剤として市販されている、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等がある。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて従来公知の加水分解抑制剤を添加することができる。加水分解抑制剤としては、例えば、カルボジイミド系化合物、イソシアネート系化合物及びオキサゾリン系化合物などが挙げられる。このような加水分解抑制剤により、残存モノマーや分解により生じた水酸基やカルボキシル機末端が封止され、加水分解の連鎖反応を抑制することができる。本実施形態においては、加水分解抑制剤を添加することで、本来の耐加水分解性を向上させるほか、生分解性樹脂の分子量の調整用としても効果が得られる。
具体的な加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物である日清紡績(株)製の“カルボジライトLA−1”などが市販されている。加水分解抑制剤の添加量は、生分解性樹脂に対し、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。添加量が多過ぎると、透明性が悪化し、トナーの発色が悪化する傾向となる。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知の結晶核剤を添加することができる。結晶核剤としては、タルクなどの無機核剤、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ベンジリデンソルビトール、カルボン酸アミドなどの有機核剤、等が挙げられる。
以上説明した電子写真用トナーは、従来公知の方法により製造することができる。
例えば、ポリ乳酸及びポリメタクリル酸メチルを含有する結着樹脂、着色剤、必要に応じてその他添加剤を含む原料を混合した後、2軸混練機や加圧ニーダー、オープンロールなどの混練機で混練し、混練物を得る。この混練物を冷却した後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機等で分級することで、トナーを得ることができる。
ここで、トナーの粒径は特に限定されないが、通常5〜10μmとなるように調整される。このようにして得られたトナーに対し、流動性向上、帯電性調整、耐久性向上のため、外添剤を添加することができる。
外添剤としては、無機微粒子が一般的であり、シリカ、チタニア、アルミナ等が挙げられ、そのうち疎水化処理されたシリカ(日本アエロジル(株)、CABOT(株)より市販)が好ましい。無機微粒子の粒径は、1次粒子径として、7〜40nmのものが良く、機能向上のため、2種類以上を混ぜ合わせても良い。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
1.実施例及び比較例で用いた成分の各物性値の測定方法は下記の通りである。
(軟化点の測定)
装置:フローテスター(島津製作所(株)製、CFT−500D)
試料:1g
昇温速度:6℃/分
荷重:20kg
ノズル:直径1mm、長さ1mm
1/2法:試料の半分が流出した温度を軟化点とした。
(トナー粒径の測定)
装置:マルチサイザーII(コールター(株)製)
試料:ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。
測定:アパーチャーは100μmで行い、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
(ガラス転移点(Tg)の測定)
装置:示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC−60)
試料:8mg
昇温条件:10℃/分で160℃まで昇温し、降温速度10℃/分で35℃まで冷却した後、再度10℃/分で160℃まで昇温する。
2回目の昇温時において、転移により得られる曲線部分の2つの接線の交点をガラス転移点とした。
(離型剤の融点の測定)
ガラス転移点と同様の測定を行い、2回目の昇温時の離型剤による吸熱曲線のピーク温度を融点とした。
吸熱曲線が2山以上の場合は、各ピークの平均値をピークとした。
(分子量の測定)
装置:GPC(島津製作所(株)製)、検出器RI
分子量Mnは、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量である。
2.実施例及び比較例で用いたポリ乳酸として、下記のようにして、市販ポリ乳酸を加水分解したものを用いた。
ポリ乳酸(海正生物(株)製REVODE101B)を温度80℃、湿度90%RHに設定した恒温恒湿槽内に放置することにより加水分解処理を行った。処理時間を変更して加水分解処理を行い、分子量の異なるポリ乳酸を得た。
下記表1に、加水分解処理の処理時間、加水分解されたポリ乳酸の分子量及びガラス転移点(Tg)を示す。
Figure 2010175841
上記表1に示すように、処理時間が増加するに従って、加水分解されたポリ乳酸の分子量及びガラス転移点(Tg)は低下することがわかる。
表1に示す結果をグラフ化したものを図3及び図4に示す。図3は、処理時間を横軸に、分子量を縦軸にプロットしたもの、図4は、処理時間を横軸に、ガラス転移点(Tg)を縦軸にプロットしたものである。
実施例1
下記の配合量の各成分をヘンシェルミキサー(標準羽装着、三井鉱山(株)製)に投入し、混合した。
低分子量ポリ乳酸(分子量:50,000) 90質量部
着色剤:カーボンブラック(CABOT(株)製MOGUL L) 4質量部
離型剤:カルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製) 5質量部
帯電制御剤:E−84(オリエント化学(株)製) 1質量部
混合粉体を2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)で溶融混練した後、延伸、冷却し、混練物を得た。得られた混練物を70℃の温風乾燥機で2時間処理を行った後、ロートプレックス(ホソカワミクロン社製、2mmスクリーン)で粗砕し、衝突式粉砕機(IDS−2、日本ニューマチック(株)製)、及び風力分級機(DSX−2、日本ニューマチック工業(株)製)にて、トナー平均粒径が9.0μmになるように粉砕及び分級を行い、微粒子を得た。
得られた微粒子100質量部に外添剤として、「RY200」(日本アエロジル(株)製:疎水性シリカ、1次粒子径12nm)を2質量部添加し、ヘンシェルミキサー(撹拌強化羽装着、三井鉱山(株)製)で3分間撹拌混合し、トナーを得た。
実施例2〜4、比較例1〜3
結着樹脂として、下記表2に示す種々のポリ乳酸を用い、所定の熱処理条件を採用し、又は熱処理しないことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例5
実施例1と同様の配合組成の混合粉体を2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)で溶融混練した後、延伸、冷却し、同様の混練物を得た。得られた混練物を、実施例1とは異なり、急冷することなく図5に示す連続式バンド型通気乾燥機で徐冷しながら熱処理を行った。このとき、熱処理装置の温度設定は70℃、混練物の滞留時間は30分になるように調整した。
図5に示す連続式バンド型通気乾燥機は、所定の温度に保持された加熱ユニット内をベルトコンベアが走行し、ベルトコンベア上に載置された混練物が、ベルトコンベアの走行中に所定の温度に曝されることにより徐冷される。
その後、実施例1と同様の工程を経て、粗砕、粉砕、分級、外添剤の添加、攪拌混合を行い、トナーを得た。
以上のようにして得られた実施例1〜5及び比較例1〜3のトナーのかぶり、濃度安定性、保存性、定着性、及び粉砕性について、下記の試験方法により試験し、評価した。
試験1−かぶり
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機、プロセススピード129mm/sec)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、白紙印字を行い、印字している途中でフロント扉を開けることにより、印字を強制終了させ、その時のOPCドラム上のカブリトナーをメンディングテープに写しとり、白紙に貼り付けて、カブリトナーを採取していないテープと比較した。測定は日本電色(株)製の分光式色差計「SE−2000」を用いて得られるXYZ値よりかぶり前後の差の最大値をカブリ値として求め、下記の基準で評価した。
◎:カブリ値が2未満で良好
○:カブリ値が2以上5未満で良好
△:カブリ値が5以上10未満である。実用上問題ないレベル
×:カブリ値が10以上で悪い
試験2−濃度安定性
試験1で用いたのと同様の装置を用い、通常環境(25℃、50%RH)において、5%印字画像を14,000枚連続印字した。途中、2,000枚おきにA4ベタ画像を印字し、四隅と中央の5点について画像濃度を測定し、平均濃度を求めた(その際、白スジ等による画像欠陥部分は測定しない)。各サンプリングポイントで求めた平均濃度のうち、最大値、最小値から次式により濃度安定性を求め、下記の基準で評価した。
濃度安定性(%)=平均濃度の最小値/平均濃度の最大値×100
◎:濃度安定性が95%以上で良好
○:濃度安定性が85%以上95%未満で良好
△:濃度安定性が75%以上85%未満で実用上問題ないレベル
×:濃度安定性が75%未満で悪い
試験3−保存性
トナー10gをガラスビーカーに収容し、50℃、90%RHの恒温恒湿槽内に24時間放置した後、トナーの凝集状態を目視で確認し、下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:トナーの凝集がまったく認められない。
○:トナーの凝集がほとんど認められない。
△:トナーの凝集がわずかに認められる。
×:トナーの凝集がはっきりと認められる。
試験4−定着性
試験1で用いたのと同様の装置の定着部分の温度を可変できるように改造し、定着試験器とする。この装置で未定着画像を得た後、上ロールの定着温度を100〜200℃の範囲で10℃毎に可変し、未定着画像を定着器に通した。その際、下ロールは上ロールの設定温度に対し10℃低い温度に設定した。画像サンプルのコールドオフセット、ホットオフセット、剥離爪跡を目視で評価し、非オフセット領域を求め、評価した。プロセス速度は129.3mm/sec、用紙はXEROX P紙A4サイズ(質量64g/m)で行った。また、定着器のオイル供給ロールは外して行った。
◎:非オフセット領域が30℃以上である。
○:非オフセット領域が20℃以上30℃未満である。
△:非オフセット領域が10℃以上20℃未満である。
×:非オフセット領域が10℃未満である。
試験5−粉砕性
粉砕・分級工程にて混練粗砕物を粉砕分級する際、トナーの母体となる粒子の収率(質量%)より判断する。実状として、収率が70%以上であれば問題ない。また、この時トナーの体積平均粒径は9μm、微粉として3μm以下の粒子の個数割合が5%以下、粗粉として16μm以上の粒子の体積割合が3%以下となるように粉砕条件を調整する。
○:収率65%以上
×:収率65%未満
以上の試験1〜5の結果を下記表2に示す。
Figure 2010175841
上記表2より、以下のことが明らかである。
混練物を急冷した後、70℃で2時間熱処理を行った実施例1〜3、100℃1時間熱処理を行った実施例4、及び急冷することなく70℃で0.5時間徐冷を行った実施例5に係るトナーは、いずれもかぶり、濃度安定性、及び粉砕性に優れ、保存性においてもほぼ満足し得る結果を示している。
これに対し、熱処理を行わなかった比較例1〜3に係るトナーは、いずれもかぶり、濃度安定性、及び粉砕性に優れているものの、保存性においては劣っていることがわかる。

Claims (7)

  1. 5,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を混練した後、結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理し、微粉砕してなることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記熱処理温度は、前記原料混合物に含まれる離型剤の融点以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 5,000〜50,000の分子量を有するポリ乳酸を含有する結着樹脂を含む原料混合物を混練する工程、前記混練物を前記結着樹脂のガラス転移点以上、融点以下の温度で熱処理する工程、及び前記熱処理された混練物を微粉砕する工程を具備することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記熱処理温度は、前記原料混合物に含まれる離型剤の融点以下であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 前記熱処理する工程を、前記混練物を冷却した後に行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記熱処理する工程を、前記混練物を冷却することなく、所定の温度雰囲気に曝して徐冷することにより行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 前記熱処理する工程を、前記混練物を冷却し、粗粉砕した後に行うことを特徴とする請求項5に記載の電子写真用トナーの製造方法。
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