JP5257461B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオプラスチックを用いた電子写真用トナーおよびそれに用いる着色剤マスターバッチに係わり、より詳細には、その電子写真用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、静電荷像をトナーにより現像して可視化し、現像により得られたトナー像を用紙に転写した後、熱と圧力により定着させることにより行われる。
上記トナーは、結着樹脂に着色剤や帯電制御剤などを配合した混合物を溶融混練し、粉砕及び分級して所定の粒度分布に調整することにより製造される。このようなトナーの結着樹脂として、従来、スチレン・アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂などの石油由来の樹脂が使用されている。
近年、環境への配慮から、廃棄時に環境への負荷の少ない生分解性樹脂、さらには、再生可能資源からつくられるバイオマスプラスチックを、トナー用樹脂として用いる方法が提案されている。なお、有限な資源への配慮と、環境負荷の低減に貢献する、バイオマスプラスチックや生分解性プラスチックのことをバイオプラスチックと呼ぶ。
本発明者らは、バイオプラスチックの分子量を調整し、バイオプラスチックをトナー用のメイン樹脂として使用することを可能にした。具体的には、市販のポリ乳酸をそのまま使用するのではなく、加水分解等により、分子量を低減させることで、軟化温度を下げるとともに、粉砕性を改良した樹脂を得ることができた。
しかし、上記のように改善したバイオプラスチックを用いても、ポリ乳酸樹脂の特有の樹脂の硬さがあり、十分に粉砕性がいいとは言えず、量産性などの製造工程でフィード量が小さいなどの問題点があった。
特許文献1では、低温定着性、定着安定性のため、結着樹脂として、軟化点の異なる2種類の樹脂と生分解性樹脂を含有する提案がなされている。このトナーでは、低軟化点樹脂が高軟化点樹脂と生分解性樹脂のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に生分解性樹脂が均一に分散される。しかしながら、このトナーでは、生分解性樹脂の結着樹脂中の配合率は13質量%程度であり、多くても33質量%にとどまる。明確な記載はないが、原因のひとつとして、生分解性樹脂の配合割合をこれ以上増やすと、生分解性樹脂の分散不良が起こり、耐久性、粉砕性が悪化すると考えられる。
このように、従来は、バイオプラスチックを、着色剤やその他添加剤とともに混合し、溶融混練し、材料を分散させていた。バイオプラスチックのうち例えば、ポリ乳酸は融点が約170℃であり、トナー用として単独で使用するには、軟化温度が高く、粉砕性も悪い。それを改善するため、低軟化点物質を多量に混合する必要があり、溶融混練での粘度差が大きく、均一な分散が困難な状況であった。特許文献1のように、つなぎ樹脂を添加しても、バイオプラスチックの配合量には限界があった。
上記のように、バイオプラスチックをトナーの結着樹脂のメインとするには課題が多く、配合量も限られており、トナーの特性を維持しつつ、より多くのバイオプラスチックが配合できることが望まれている。とりわけ、バイオプラスチックを用いたトナーにおいて、バイオマス度を下げることなく、粉砕性を向上させることが求められている。
粉砕性を向上させるために、樹脂に、ドメイン構造をとりやすい樹脂などを添加する方法などがあるが、添加される樹脂自体が石油由来である場合、バイオプラスックを用いたトナーの目的に反し、バイオマス度を下げてしまうという問題がある。
更に、顔料をマスターバッチ化するために使用される樹脂についても、低粘度のポリエステル樹脂などが使用されるため、この場合も、バイオプラスックを用いたトナーの目的に反し、バイオマス度を下げてしまうという問題がある。
一方、トナーの粉砕性の向上に関して、たとえば特許文献2および3が報告されている。
特許文献2は、トナーの粉砕性を向上させるために、混練時にシリコーンオイル処理されたシリカ粒子を粉砕助剤として加えることを開示するが、特許文献2は、結着樹脂としてバイオプラスチックではなくポリエステル樹脂を使用している。
また、特許文献3は、トナーの粉砕性を向上させるために、生分解性樹脂を結晶化させる技術を開示し、かかる技術により得られた生分解性樹脂の微細な粉体をトナーの基材として使用した場合、粉砕性に優れていることが開示されている。
特開2006−91278号公報 特開2007−93881号公報 特開2007−197602号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされ、結着樹脂としてバイオプラスチックを含み、粉砕性および色相を改善した電子写真用トナー、およびそれに用いる着色剤マスターバッチを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、5,000〜50,000の数平均分子量を有するポリ乳酸樹脂を含有する結着樹脂と、予め100〜140℃の軟化点を有する水素添加テルペン樹脂および顔料を含んで製造された着色剤マスターバッチと、を含む原料混合物を混練し、粉砕して製造される電子写真用トナーの製造方法を提供する。
このような電子写真用トナーの製造方法において、前記ポリ乳酸樹脂が、所定の数平均分子量を有するポリ乳酸樹脂を加水分解して得た樹脂であるようにすることができる。
本発明によれば、結着樹脂としてバイオプラスチックを用いた電子写真用トナーにおいて、着色剤として、100〜140℃の軟化点を有するテルペン系樹脂および顔料を含む着色剤マスターバッチを使用することにより、色相が広がりかつ粉砕性が向上した電子写真用トナーが提供される。また、本発明によれば、電子写真用トナーで用いられた際に、上記効果を提供することができる着色剤マスターバッチが提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく研究を行った結果、顔料を100〜140℃の軟化点を有するテルペン系樹脂を用いてマスターバッチ化して、トナーの着色剤として用いることで、トナーの粉砕性を向上させることができるとともに、色相を広げることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーは、5,000〜50,000の分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂および着色剤マスターバッチを含む原料混合物を混練し、粉砕してなる電子写真用トナーであって、前記着色剤マスターバッチが、100〜140℃の軟化点を有するテルペン系樹脂および顔料を含むことを特徴とする。
本実施形態に係る電子写真用トナーにおいて、結着樹脂として使用するバイオプラスチックの分子量は、5,000〜50,000、好ましくは10,000〜50,000、より好ましくは30,000〜40,000であり、分子量が50,000を超える場合、5,000未満の場合のいずれの場合にも粉砕性が劣り、トナー化が困難となる。
本実施形態に係る電子写真用トナーにおいて、着色剤は、予め樹脂と顔料を高濃度に分散したマスターバッチの形態を有し、かかる着色剤マスターバッチは、100〜140℃の軟化点を有するテルペン系樹脂および顔料を含む。かかる着色剤マスターバッチを使用することにより、トナーの粉砕性を向上させ、優れた色相を得ることが可能となった。
本実施形態において、顔料をマスターバッチ化するために使用されるテルペン系樹脂は、柑橘類等の植物(たとえばオレンジ)の精油に由来するテルペン化合物に、重合処理を行うことにより得られるテルペン樹脂、およびかかる天然由来のテルペン樹脂から誘導されるテルペン樹脂誘導体を意味し、たとえば、かかる天然由来のテルペン樹脂に更に水素添加処理を行うことにより得られる水素添加テルペン樹脂、フェノールと共重合したテルペンフェノール共重合樹脂を含む。
本実施形態において、テルペン系樹脂としては、100〜140℃の軟化点を有するものが使用され、たとえば、ヤスハラケミカル(株)より市販されるクリアロンP105(軟化点105℃)、クリアロンP115(軟化点115℃)、クリアロンP125(軟化点125℃)、クリアロンP135(軟化点135℃)、クリアロンM115(軟化点115℃)などを使用することができる。軟化点は、市販のテルペン系樹脂を使用する場合、表示される物性値に従い、軟化点が範囲により表される場合、その中央の値を意味する。また、公知技術に従って植物の精油からテルペン系樹脂を合成した場合、フローテスターを使用し、荷重20kgである一定の昇温温度内で流出した樹脂の1/2の時点の温度を軟化点と決定することができる。
本実施形態において、テルペン系樹脂の軟化点が100℃未満の場合、溶融粘度が低くなりすぎ、顔料マスターバッチの作成は困難となり、一方、軟化点が140℃を超えると、溶融粘度が高くなりすぎ、顔料のマスターバッチ化が困難となる。
テルペン系樹脂の重量平均分子量は、1000〜500000であることが好ましい。
本実施形態において、顔料としては、従来公知のものを使用できる。例えば、黒の着色剤としては、カーボンブラック、青系の着色剤としては、C.I.Pigment15:3、赤系の着色剤としては、C.I.Pigment57:1、122、269、黄色系の着色剤としては、C.I.Pigment74、180、185等が挙げられる。環境への影響を考慮すると、着色剤単体で安全性が高いものが好ましい。
本実施形態において、着色剤マスターバッチの含有量は、トナー全体に対して、好ましくは2〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
本実施形態において、着色剤マスターバッチの調製は、以下のとおり行うことができる。すなわち、90〜50質量%のテルペン系樹脂と、10〜50質量%の顔料を、加圧式ニーダーによって混練することにより調製することができる。
本実施形態に係る電子写真用トナーにおいて、結着樹脂として使用されるバイオプラスチックは、ポリ乳酸を用いることが出来る。ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年、環境に優しい生分解性プラスチックとして注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
本実施形態で使用されるポリ乳酸の製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。原料となるとうもろこし等の澱粉を発酵し、乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法や乳酸から環状二量体を経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法がある。乳酸には、光学異性体が存在し、L−乳酸とD−乳酸があるが、これら単独または混合物のいずれの乳酸を使用しても良い。ポリ乳酸の分子量は、重合時の反応条件を可変することで任意に調整することが可能である。
商業的に販売されているポリ乳酸は耐熱性向上等のため、より高分子のポリ乳酸が得られる開環重合法で合成されたものであり、その数平均分子量は100,000以上のものが主流である。本実施形態で結着樹脂として使用されるバイオプラスチックは、5,000〜50,000の分子量を有する。したがって、所望の分子量のポリ乳酸は、市販のポリ乳酸を加水分解することにより得ることができる。
ポリ乳酸を加水分解させる方法としては、恒温恒湿槽にポリ乳酸を置く方法が挙げられる。例えば、恒温恒湿槽を温度80℃、湿度80%RHに設定し、ポリ乳酸を処理すると、加水分解により分子量が低下し、数十時間でトナー用樹脂として適当な軟化温度、良好な粉砕性を得ることができる。
また、ポリ乳酸を加水分解させる別の方法として、過熱水蒸気を使用する方法や、ポリ乳酸と水とを溶融混練する方法が挙げられる。
本実施形態のトナーには、必要に応じて、従来公知の離型剤を添加することができる。そのような離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のオレフィン系ワックスや、カルナウバワックス、ライスワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、合成エステルワックス等が挙げられる。
低温定着性や高速印字性能を向上させるには、60〜100℃程度と比較的低い融点を有する離型剤が好ましく、具体的には、カルナウバワックスや、合成エステルワックスが好ましい。環境への影響を考慮すると、天然物系のカルナウバワックスがより好ましい。離型剤の配合量は、トナー全体に対して、1〜15質量%であることが好ましい。
本実施形態のトナーには、その原料として、必要に応じて、従来公知の帯電制御剤を添加することができる。例えば、正帯電制御剤として、4級アンモニウム塩、アミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤として、サルチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、カルボキシル基を含有する樹脂などが挙げられる。帯電制御剤の添加量は、トナー全体に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
本実施形態のトナーには、バイオプラスチック以外に、必要に応じて、従来公知のトナー用樹脂を添加することができる。そのような樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂があるが、顔料分散性、低温定着性の観点から、トナー用に開発されたポリエステル樹脂が好ましい。これらの樹脂は単独であっても、2種類以上を混合しても構わない。これらの樹脂の配合量は、環境への影響を考慮すると、トナー全体に対して、0〜50質量%であることが好ましい。
その他の材料として、粉砕性、定着性等の改善のため、低分子量の樹脂を添加することができる。ここで、低分子量の樹脂としては、分子量数百〜数千のオリゴマー領域の樹脂であり、粘着付与剤として市販されている。ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等がある。
本実施形態のトナーには、必要に応じて従来公知の加水分解抑制剤を添加することができる。加水分解抑制剤として、例えば、カルボジイミド系化合物、イソシアネート系化合物及びオキサゾリン系化合物などが挙げられる。このような加水分解抑制剤は、残存モノマーや分解により生じた水酸基やカルボキシル基末端を封止し、加水分解の連鎖反応を抑制することができる。
加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物であるカルボジライトLA−1(日清紡績(株)製)などが市販されている。加水分解抑制剤の添加量は、バイオプラスチックに対し、0.01〜15質量%であることが好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
本実施形態のトナーには、必要に応じて従来公知の結晶核剤を添加することができる。結晶核剤として、タルクなどの無機核剤、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ベンジリデンソルビトール、カルボン酸アミドなどの有機核剤、等が挙げられる。
以上説明した電子写真用トナーは、従来公知の方法により製造することができる。
例えば、特定の分子量に調整されたバイオプラスチック、マスターバッチ化された着色剤、および必要に応じてその他添加剤を含む原料を混合した後、2軸混練機や加圧ニーダー、オープンロールなどの混練機で混練し、混練物を得る。この混練物を冷却した後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機等で分級することで、トナーを得ることができる。
ここで、トナーの粒径は特に限定されないが、通常5〜10μmとなるように調整される。このようにして得られたトナーに対し、流動性向上、帯電性調整、耐久性向上のため、外添剤を添加することができる。
外添剤としては、無機微粒子が一般的であり、シリカ、チタニア、アルミナ等が挙げられ、そのうち疎水化処理されたシリカ(日本アエロジル(株)、CABOT(株)より市販)が好ましい。無機微粒子の粒径は、1次粒子径として、7〜40nmのものが良く、機能向上のため、2種類以上を混ぜ合わせても良い。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
実施例1
シアン顔料マスターバッチは、シアン顔料C.Iピグメントブルー15:3(山陽色素(株)製)40質量%と、水素添加テルペン樹脂クリアロンP115(ヤスハラケミカル(株)、軟化点115℃)60質量%とを加圧ニーダーにより混練することにより調製した。
結着樹脂として、分子量を低減したポリ乳酸(分子量35,000、軟化点145℃)80質量部、着色剤として、上述のとおり調製したシアン顔料マスターバッチ(山陽色素(株)製/テルペン系樹脂)11質量部、離型剤として、カルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製)6質量部、帯電制御剤として、LR−147(日本カーリット(株)製)1.5質量部、加水分解制御剤として、カルボジライトLA−1(日清紡ケミカル(株)製)10質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、標準羽装着)に投入し混合した。
得られた混合粉体を2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)で溶融混練したあと、延伸、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した後、粉砕機(ホソカワミクロンAFG−200)・分級機(ホソカワミクロンTTSP−100)にて、トナー平均粒径が6.0μmになるように粉砕分級を行い着色微粒子を得た。
得られた着色微粒子100質量部に外添剤として、「RY50」(日本アエロジル(株)製:疎水性シリカ、1次粒子径40nm)を2.5質量部、「TG−810G」(キャボット製:疎水性シリカ、1次粒子径7nm)を0.8質量部添加し、「TG-C190」(キャボット製:疎水性シリカ、1次粒子径115nm)を1.3質量部添加しヘンシェルミキサーで混合を行い、篩を行いトナーを得た。
実施例2〜9
実施例2および3は、ポリ乳酸樹脂の分子量を変えた以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。
実施例4は、顔料マスターバッチ用樹脂として「クリアロンP125(ヤスハラケミカル(株)、水素添加テルペン樹脂、軟化点125℃)」を使用した以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。
実施例5および6は、ポリ乳酸樹脂の分子量を変えた以外は、実施例4と同様にトナーを作製した。
実施例7は、顔料マスターバッチ用樹脂として「クリアロンP135(ヤスハラケミカル(株)、水素添加テルペン樹脂、軟化点135℃)」を使用した以外は、実施例1と同様にトナーを作製した。
実施例8および9は、ポリ乳酸樹脂の分子量を変えた以外は、実施例7と同様にトナーを作製した。
比較例1〜16
比較例1は、顔料マスターバッチ用樹脂として「クリアロンP155(ヤスハラケミカル(株)、水素添加テルペン樹脂、軟化点155℃)」を使用した。比較例1は、顔料をマスターバッチ化することができなかった。
比較例2〜4は、顔料マスターバッチ用樹脂として「ペンセルD125(荒川化学工業(株)、ロジン樹脂、軟化点125℃」を使用し、比較例2〜4の間でポリ乳酸樹脂の分子量を変動させて、実施例1と同様にトナーを作製した。
比較例5〜7は、顔料マスターバッチ用樹脂として「ペンセルD135(荒川化学工業(株)、ロジン樹脂、軟化点135℃)」を使用し、比較例5〜7の間でポリ乳酸樹脂の分子量を変動させて、実施例1と同様にトナーを作製した。
比較例8〜10は、顔料マスターバッチ用樹脂として、それぞれ、「ペンセルD165(荒川化学工業(株)、ロジン樹脂、軟化点165℃)」、「ハリエスターDS−130(ハリマ化成(株)、ロジン樹脂、軟化点131℃)」、「ハリタック28JA(ハリマ化成(株)、ロジン樹脂、軟化点128℃)」を使用し、実施例1と同様にトナーを作製した。比較例8〜10はいずれも、顔料をマスターバッチ化することができなかった。
比較例11〜13は、顔料マスターバッチ用樹脂として、それぞれ、改質ポリ乳酸樹脂を使用している。改質ポリ乳酸樹脂は海生生物製ポリ乳酸樹脂REVODE110を加水分解によって目的の分子量の樹脂に改質、分子量はそれぞれ30000、35000、40000に調整した。得られた改質樹脂を使用し、実施例1と同様にトナーを作製した。比較例11〜13はいずれも、顔料をマスターバッチ化することができなかった。
比較例14〜16は、非天然樹脂であるポリエステル樹脂CBC200(花王(株)、軟化点110℃)を顔料マスターバッチ用樹脂として使用し、比較例14〜16の間でポリ乳酸樹脂の分子量を変動させて、実施例1と同様にトナーを作製した。
それぞれのトナーについて、製造効率、色相、耐久性を測定し、評価した。それぞれの評価方法および評価基準を以下に示す。
試験1−製造効率
実施例1に記載したとおり、得られた混練物を粗砕し、粉砕分級する際に平均粒径6μm±0.3になるように粉砕機・分級機AFG-TTSPの設定を行い、その状態でのフィード量を製造効率とした。
フィード量が5kg/hr以上の場合は○とした。
フィード量が4〜5kg/hrの場合は△とした。
フィード量が4kg/hr以下の場合は×とした。
試験2−色相
得られたトナーの粉体色相の評価を行った。
分光式色差計SE-2000(日本電色工業(株)製)を使用して、30φのアダプターにトナーを3g入れ10回ほどタッピングを行い、色差を測定した。
b*=−53以下の場合は◎とした。
b*=−51〜−53の場合は○とした。
b*=−49〜−51の場合は△とした。
b*=−49以上の場合は×とした。
b*がマイナスに大きい場合は色相が広いことを意味している。
試験3−耐久性
N3600(カシオ計算機(株)製)プリンタを改造し、2成分現像装置としデベ濃度8%に調整した。キャリア(C-1:パウダーテック(株)製)。1.7%2枚間欠印字を2万枚まで行い、定期的にサンプリングしスジなどを確認した。スジが発生している場合などは×と評価し、良好な場合は○と評価した。
試験結果を下記表に示す。
Figure 0005257461
Figure 0005257461
表1および2において、「↑」は、上の欄と同じ内容であることを示し、マスターバッチ用樹脂の欄の空欄は、その樹脂が配合されていないことを示し、マスターバッチ用樹脂の欄の「×」は、顔料をマスターバッチ化できなかったことを示す。
実施例1〜3は、ポリ乳酸の樹脂の加水分解時間を調整し分子量30,000〜40,000までの樹脂を使用し、着色剤マスターバッチとして、40%顔料濃度のクリアロンP115(テルペン樹脂)を添加した。その結果、発色性が非常に良く粉体色相が良い結果となった。これはテルペン樹脂の透明性が非常に優れているためだと考えられる。また、粉砕性が非常に向上した。テルペン樹脂は脆く、かつポリ乳酸樹脂に分散しやすくトナー全体の粉砕性を向上させたものと思われる。
同様に実施例4〜6、7〜9は、ポリ乳酸樹脂の分子量を調整し、マスターバッチ用樹脂のテルペン樹脂のグレードを変えてトナー化を行った。結果は表にあるように良好であった。すなわち、発色性が良く粉体色相が良い結果となり、加えて、粉砕性が向上した。
比較例1は、マスターバッチ用樹脂にテルペン樹脂(クリアロンP155)を使用したが軟化点が高くマスターバッチ化が不可能であった。
比較例2〜4、5〜7は、マスターバッチ用樹脂にペンセルD125、D135(ともにロジン樹脂)を使用した。その結果、色相はテルペン樹脂よりも劣り、粉砕性が悪く総合評価として×とした。
比較例8は、ペンセルD165(ロジン樹脂)を使用したが、軟化点が高くマスターバッチ化が不可能であった。
同様に比較例9〜10は、ハリエスターDS130(ロジン樹脂)、ハリタック28JA(ロジン樹脂)を使用したが、軟化点が高くマスターバッチ化が不可能であった。
比較例11〜13は、ポリ乳酸(PLA)樹脂の加水分解を行い、分子量をそれぞれ30,000、35,000、40,000としマスターバッチ化を行ったが、溶融粘度が低すぎてマスターバッチ化することは不可能であった。
比較例14〜16は、CBC200(ポリエステル樹脂)をマスターバッチ用樹脂に使用した。その結果、色相、耐久試験ともに問題はなかったが、粉砕性が著しく劣り総合評価として×とした。
以上の結果より、比較例14〜16を除いて、バイオマス度を落とさない目的で顔料マスターバッチ用樹脂として天然系のものを使用して実験を行ったが、軟化点100〜140℃のテルペン系樹脂を使用した場合のみ、粉体色相が良く粉砕性が優れており、良好な結果が得られることが分かった。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]5,000〜50,000の分子量を有するバイオプラスチックを含有する結着樹脂および着色剤マスターバッチを含む原料混合物を混練し、粉砕してなる電子写真用トナーであって、前記着色剤マスターバッチが、100〜140℃の軟化点を有するテルペン系樹脂および顔料を含むことを特徴とする電子写真用トナー。
[2]前記テルペン系樹脂が、水素添加テルペン樹脂であることを特徴とする[1]に記載の電子写真用トナー。
[3]前記バイオプラスチックがポリ乳酸であることを特徴とする[1]または[2]に記載の電子写真用トナー。
[4]100〜140℃の軟化点を有するテルペン系樹脂および顔料を含むことを特徴とする電子写真用トナーのための着色剤マスターバッチ。
[5]前記テルペン系樹脂が、水素添加テルペン樹脂であることを特徴とする[4]に記載の電子写真用トナーのための着色剤マスターバッチ。

Claims (2)

  1. 5,000〜50,000の数平均分子量を有するポリ乳酸樹脂を含有する結着樹脂と、
    予め100〜140℃の軟化点を有する水素添加テルペン樹脂および顔料を含んで製造された着色剤マスターバッチと、
    を含む原料混合物を混練し、粉砕して製造される電子写真用トナーの製造方法。
  2. 前記ポリ乳酸樹脂が、所定の数平均分子量を有するポリ乳酸樹脂を加水分解して得た樹脂である請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
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