JP4788802B2 - 電子写真トナー用結着樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態に係る電子写真トナー用樹脂は、生分解性樹脂を過熱水蒸気を用いて加水分解し、生分解性樹脂の分子量を低減して得られたことを特徴とする。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
1.実施例及び比較例で用いた成分の各物性値の測定方法。
(トナー粒径の測定)
装置:マルチサイザーII(コールター(株)製)
試料:ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。
測定:アパーチャーは100μmで行い、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
装置:GPC(島津製作所(株)製)、検出器RI
分子量Mnは、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量である。
(低分子量ポリ乳酸の作製処理1(条件1))
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を15Lの混合撹拌機(上述した加水分解処理装置/図2参照)に3kg仕込み、撹拌しながら、120℃の過熱水蒸気を20kg/h吹き込んで加水分解させた。その時、圧力は開放させた。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を15Lの混合撹拌機に3kg仕込み、撹拌しながら、120℃の過熱水蒸気を20kg/h吹き込んで加水分解させた。その際、圧力が0.14〜0.17MPaとなるように圧力を調整した。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を温度80℃、湿度80%RHに設定した恒温恒湿槽に入れ加水分解させた。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を温度95℃に設定した温水槽に入れ加水分解させた。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
次に、下記の配合量の各成分をヘンシェルミキサー(標準羽装着、三井鉱山(株)製)に投入し、混合した。
着色剤:カーボンブラック(CABOT(株)製MOGUL L) 4質量部
離型剤:カルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製) 6質量部
得られた混合粉体を2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)で溶融混練した後、延伸し、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した。その後、衝突式粉砕機(日本ニューマチック工業IDS−2)・風力分級機(日本ニューマチック工業DSX−2)にて、トナー平均粒径が9.0μmになるように粉砕及び分級を行い、微粒子を得た。
結着樹脂として、下記表2に示す種々の加水分解処理済み樹脂を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
以上のようにして得られた実施例1〜8、比較例1〜4のトナーのかぶり、濃度安定性、保存性、定着性、及び粉砕性について、下記の試験方法により試験し、評価した。
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機、プロセススピード129mm/sec)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、白紙印字を行い、印字している途中でフロント扉を開けることにより、印字を強制終了させ、その時のOPCドラム上のかぶりトナーをメンディングテープに写しとり、白紙に貼り付けて、かぶりトナーを採取していないテープと比較した。測定は日本電色(株)製の分光式色差計「SE−2000」を用いて得られるXYZ値より、かぶり前後の差の最大値をカブリ値として求め、下記の基準で評価した。
○:かぶり値が2以上5未満で良好。
△:かぶり値が5以上10未満である。実用上問題ないレベル。
×:かぶり値が10以上で悪い。
試験1と同様の装置を用い、通常環境(25℃、50%RH)において、5%印字画像を14,000枚連続印字した。途中、2,000枚おきにA4ベタ画像を印字し、四隅と中央の5点について画像濃度を測定し、平均濃度を求める。(その際、白スジ等による画像欠陥部分は測定しない)各サンプリングポイントで求めた平均濃度の内、最大値、最小値から次式により濃度安定性を求め、下記の基準で評価した。
◎:濃度安定性が95%以上で良好。
○:濃度安定性が85%以上で良好。
△:濃度安定性が75%以上で実用上問題ないレベル。
×:濃度安定性が75%未満で悪い。
トナー10gをガラスビーカーに入れ、50℃、90%RHの恒温恒湿槽に8h放置した後、トナーの凝集状態を目視で確認し、下記の基準で評価した。
◎:トナーの凝集がまったく認められない。
○:トナーの凝集がほとんど認められない。
△:トナーの凝集がわずかに認められる。
×:トナーの凝集がはっきりと認められる。
試験1と同様の装置の定着部分の温度を可変できるように改造し、定着試験器とする。この装置で未定着画像を得た後、上ロールの定着温度を100〜200℃の範囲で10℃毎に可変し、未定着画像を定着器に通した。その際、下ロールは上ロールの設定温度に対し10℃低い温度に設定した。画像サンプルのコールドオフセット、ホットオフセット、剥離爪跡を目視で評価し、非オフセット領域を求め、評価した。プロセス速度は129.3mm/sec、用紙はXEROX P紙A4サイズ(重量64g/m2)で行った。また、定着器のオイル供給ロールは外して行った。
○:非オフセット領域が20℃以上である。
△:非オフセット領域が20℃以下である。
×:非オフセット領域が10℃以下である。
粉砕・分級工程にて混練粗砕物を粉砕分級する際、トナーの母体となる粒子の収率(質量%)より判断する。実状として、収率が70%以上であれば問題ない。また、この時トナーの体積平均粒径は9μm、微粉として3μm以下の個数割合が5%以下、粗粉として、16μm以上の体積割合が3%以下となるように粉砕条件を調整する。
×:収率65%未満。
以上の試験1〜5の結果を下記表2に示す。
結着樹脂として、過熱水蒸気を用いて加水分解し、分子量を5,000〜50,000の範囲に調整した樹脂を用いた実施例1〜8に係るトナーは、いずれも、かぶり、濃度安定性、保存性、定着性、及び粉砕性のすべての特性において優れた結果を示し、とりわけ、保存性、臭気の良好なトナーを得ることができた。
Claims (1)
- 数平均分子量が50,000を超えるポリ乳酸樹脂を混合撹拌機内に投入する工程と、
該混合撹拌機内へ過熱水蒸気を導入すると共に加圧しながら前記ポリ乳酸樹脂を混合撹拌して加水分解を生じさせ、前記ポリ乳酸樹脂の数平均分子量を5,000〜50,000に低減すべく調整する工程と
を具備することを特徴とする電子写真トナー用結着樹脂組成物の製造方法。
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