JP4788802B2 - 電子写真トナー用結着樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリ乳酸樹脂を含む電子写真トナーに係り、特に、電子写真トナーのためのポリ乳酸樹脂からなる結着樹脂組成物の製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、静電荷像をトナーにより現像して可視化し、得られたトナー像を用紙に転写した後、熱と圧力により定着させることにより行う。このような画像形成に用いるトナーとしては、結着樹脂に着色剤や帯電制御剤などを配合した混合物を混練し、粉砕して所定の粒度分布に調整したものが使用される。
従来、トナーに用いる結着樹脂としては、スチレン・アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂などの石油由来の樹脂が使用されている。しかし、近年、環境への配慮から、廃棄時に環境への負荷の少ない生分解性樹脂をトナー用結着樹脂として用いる方法が提案されている。
その1つとして、結着樹脂に生分解性を有する微生物系の脂肪族ポリエステルを使用する提案(例えば、特許文献1参照)があるが、このような微生物系の脂肪族ポリエステルをトナー用樹脂として使用した場合、そのままでは、粉砕性が悪く、目的の粒度分布を得るのが困難である。また、トナーの軟化温度が高いため、定着温度を高く設定しなくてはならないという問題がある。
これらの問題を改善するため、生分解性樹脂に植物系のワックスを多量に添加して軟化温度を下げる提案(例えば、特許文献2参照)がなされている。しかし、ワックスを多量に添加することでトナーの軟化温度を下げることは可能となるが、ワックス成分によりトナーが凝集し易くなるため、分級効率の低下による生産性の悪化や、トナーの流動性が悪化することで現像器内でのトナー搬送性が劣るなどの問題が発生する。
また、低温定着性及び定着安定性を得るため、軟化点の異なる2種類の樹脂と生分解性樹脂を含有する結着樹脂を用いる提案(例えば、特許文献3参照)がある。この提案によると、低軟化点樹脂が高軟化点樹脂と生分解性樹脂のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中に生分解性樹脂が均一に分散される。しかしながら、この提案では、生分解性樹脂の結着樹脂中の配合率は13質量%程度であり、多くても33質量%に留まる。その理由は明確ではないが、原因の一つとして、生分解性樹脂の配合割合をこれ以上増やすと、生分解性樹脂の分散不良が起こり、帯電性能のバラツキにより現像性が低下するなどにより、耐久性が悪化するためと考えられる。
また、従来は、生分解性樹脂を着色剤やその他添加剤とともに混合し、溶融混練し、材料を分散させていた。生分解性樹脂のうち例えば、ポリ乳酸は融点が約170℃であり、トナー用として単独で使用するには軟化温度が高く、粉砕性も悪い。この問題を改善するため低軟化点物質を多量に混合する必要があり、そうすると溶融混練でのポリ乳酸と低軟化点物質との粘度差が大きく、均一な分散が困難な状況であった。従って、特許文献3の提案のように、つなぎ樹脂を添加しても、生分解性樹脂の配合量には限界があった。
以上のように、生分解性樹脂をトナーの結着樹脂の主要な樹脂成分とするには課題が多く、結着樹脂の一部を生分解性樹脂で置き換えた場合でも、その配合量が限られており、結着樹脂としての特性を維持しつつ、より多くの生分解性樹脂をトナー用樹脂として配合できることが望まれている。
特開平4−179967号公報 特許第2597452号公報 特開2006−91278号公報
本発明は、以上のような事情の下に為されたものであり、ポリ乳酸樹脂からなる電子写真トナー用結着樹脂、延いては良好な粉砕性及び定着性が得られる電子写真トナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った結果、生分解性樹脂を過熱水蒸気を用いて加水分解することで、その分子量を低減させると、良好な粉砕性及び定着性を有する電子写真トナー用樹脂及び電子写真トナーを得ることを見出した。
すなわち、本発明の第1の態様は、数平均分子量が50,000を超えるポリ乳酸樹脂を混合撹拌機内に投入する工程と、該混合撹拌機内へ過熱水蒸気を導入すると共に加圧しながら前記ポリ乳酸樹脂を混合撹拌して加水分解を生じさせ、前記ポリ乳酸樹脂の数平均分子量を5,000〜50,000に低減すべく調整する工程とを具備することを特徴とする電子写真トナー用結着樹脂組成物の製造方法を提供する。
そして、好ましくは上記加水分解する際に加圧する。
本発明によると、結着樹脂として生分解性樹脂を含むにもかかわらず、良好な粉砕性及び定着性が得られる電子写真トナーが提供される。
また、本発明の方法に対し、初めから低分子量の樹脂を重合する方法が考えられるが、現状、量産品として低分子量のものを低コストで製造する技術は無く、生分解性樹脂を短時間で加水分解し、分子量を調整する本発明は低コスト化にも寄与する。
過熱水蒸気発生装置を示す図である。 過熱水蒸気を用いた加水分解処理装置示す図である。
以下、本発明の種々の実施形態について説明する。
本発明の第1の実施形態に係る電子写真トナー用樹脂は、生分解性樹脂を過熱水蒸気を用いて加水分解し、生分解性樹脂の分子量を低減して得られたことを特徴とする。
そして、好ましくは上記加水分解する際に加圧して得られる。
使用可能な生分解性樹脂としては、例えば、微生物産生系として、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、天然物系として、エステル化澱粉、酢酸セルロース、キトサン、化学合成系として、ポリ乳酸、ポリカプラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリビニールアルコール、ポリグリコール酸などがある。
具体的には、ネイチャーワークス社がポリ乳酸樹脂を商業的に販売しており、最近では、メタボリック社とADM社の合弁会社であるテレス社がポリヒドロキシアルカン酸系の生分解性樹脂の年5万トンの生産計画を発表している等、生分解性を活かした用途に利用され始めている。
代表的な生分解性樹脂であるポリ乳酸樹脂は、下記の構造式を有する樹脂である。
Figure 0004788802
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合により結合したポリマーであり、近年注目を集めている。即ち、自然界には、エステル結合を切断する酵素(エステラーゼ)が広く分布していることから、ポリ乳酸は環境中でこのような酵素により徐々に分解されて、単量体である乳酸に変換され、最終的には二酸化炭素と水になる。
生分解性樹脂の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。公知の製造方法のうち、例えば、ポリ乳酸においては、原料となるとうもろこし等の澱粉を発酵し、乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法や、乳酸から環状二量体ラクチドを経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法がある。乳酸には光学異性体が存在し、L−乳酸とD−乳酸があるが、これら単独または混合物のいずれの乳酸を使用しても良い。
なお、市販されているポリ乳酸は、耐熱性向上等のため、より高分子量が得られる開環重合法により合成されたものであり、その数平均分子量は100,000以上のものが主流である。このような高分子量のポリ乳酸では、軟化点が高すぎて定着性が悪く、また粉砕性も悪い。そのため、樹脂を加水分解し、分子量を低減させる必要がある。
また、ポリ乳酸は加水分解の際、比較的分子量分布を維持したまま低分子化されるもののモノマー成分が発生するためか、樹脂の臭いが強くなる傾向があり、トナー用樹脂として用いるには、臭気は大きな問題であり課題となる。
生分解性樹脂を加水分解するには生分解性樹脂を高温高湿の特定の条件下におけばよいが、高温高湿な条件を設定するため本発明者らが研究を重ねた結果、生分解性樹脂を過熱水蒸気を用いて加水分解することにより、短時間に加水分解が行われると共に、保存性の向上、臭気低減に効果があることを見出した。
従って、本発明の第1の実施形態に係る電子写真トナー用樹脂において加水分解する方法としては過熱水蒸気を用いて行われる。
ここで、過熱水蒸気とは、図1に示すような装置により、飽和水蒸気をさらに加熱して得られる熱放射性気体を言う。通常、湯を沸騰させて発生する100℃の飽和蒸気は、更に加熱すると過熱水蒸気という100℃よりも高温の水蒸気になり、これは更に200℃ぐらいの高温になると、完全に無色透明な気体に見えてくる。
ところで、飽和水蒸気を加熱するに当たり、密閉容器中にて100℃よりも高温の水蒸気とした場合を高圧水蒸気、常圧のまま100℃よりも高温の水蒸気とした場合を常圧過熱水蒸気と区別して言うこともあるが、本発明ではいずれも過熱水蒸気として扱うものとする。
なお、従来から、100℃よりも高温の水蒸気と言えば、密閉容器中の高圧水蒸気をさしていたが、装置が大型化し、連続操作も困難であったのに対して、常圧過熱水蒸気は、常圧、すなわち大気圧であり、装置も簡単で、連続化もコンベアー操作できる利点があり、近年注目されている。
過熱水蒸気の特徴として、乾燥空気より熱を伝える効率が高く、物質を乾燥させる能力があるため乾燥機として使用されたり、脱油効果があるため、食品業界で利用されてきている。また、非常に酸素の少ない雰囲気となるため、酸化反応を抑制した加熱処理として様々な用途で使用されている。
図1は、本発明の加水分解に用いる過熱水蒸気の発生装置を示す概要図である。同図に示すように、過熱水蒸気発生装置1は、軟水器2、ボイラー3、水蒸気加熱器4、上記軟水器2へ水道水を導入する導水管5、上記軟水器2から上記ボイラー3へ軟水を送水する送水管6および送水ポンプ7、上記ボイラー3から上記水蒸気加熱器4へ水蒸気を送りこむ水蒸気送気管8、上記水蒸気加熱器4で発生した過熱水蒸気を送り出す過熱水蒸気送気管9、上記各管中に配設された調整バルブ10、11、12等を備えてなる。なお、本例の上記水蒸気加熱器4は加熱部に誘導加熱を用いた所謂IHヒータを備え、設定温度に対し±1℃以下の設定が可能とされている。
また、図2は、本発明の加水分解の方法を説明する加水分解処理装置を示す図である。同図に示すように、加水分解処理装置13は、上述した過熱水蒸気発生装置1で作られ過熱水蒸気送気管9から送り出された過熱水蒸気を混合攪拌機16へ導入する過熱水蒸気導気管14、排気管15、攪拌羽根17を回転させるモータ18、調整バルブ19、20等を備えてなる。なお、本例では、上記調整バルブ20を適宜操作することにより、混合攪拌機16内の圧力を調整(加圧)可能となっている。
本発明の第1の実施形態によれば、以上図1、図2に示したような装置を使用して加水分解を行い、その後すすぎ・乾燥を行うことにより、臭いの少ない分子量を低減した生分解性樹脂を得ることができる。
ここで、分子量を低減した生分解性樹脂の具体的な数平均分子量は、100,000以下、より好ましくは50,000以下、さらに好ましくは5,000〜50,000である。分子量が高過ぎると、十分な軟化点の低下、粉砕性の向上を図ることが困難となる。また、分子量が小さ過ぎると、製品となってからのトナーの保存性の悪化を招く可能性がある。
このように、分子量の低減された生分解性樹脂は、軟化点が低下し、粉砕性が向上し、トナー用樹脂として最適な特性を示すようになる。なお、生分解性樹脂の数平均分子量が5,000を下回ると、粉砕の際に樹脂が機内に融着してしまい、それ以上の粉砕が困難となって、トナー化が出来ない。
本発明の第2の実施形態に係る電子写真トナーは、結着樹脂として、以上説明した、分子量が低減された電子写真トナー用樹脂を用いて、従来公知の方法により製造することが出来る。例えば、生分解性樹脂と着色剤、必要に応じてその他添加剤を混合した後、この原料混合物を2軸混練機や加圧ニーダー、オープンロールなどの混練機で混練し、次いでこの混練物を冷却した後、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機等で分級することで、トナーを得ることができる。
得られた電子写真トナーは、上述したように、生分解性樹脂の分子量が低減されているため、軟化点が低下し、粉砕性及び定着性が良好となる。
ここで、トナーの粒径は特に限定されないが、通常5〜10μmとなるように調整される。このようにして得られたトナーに対し、流動性向上、帯電性調整、耐久性向上のため、外添剤を添加することができる。外添剤としては、無機微粒子が一般的であり、シリカ、チタニア、アルミナ等が挙げられ、そのうち疎水化処理されたシリカが好ましく、日本アエロジル社、CABOT社等で市販されている1次粒子径として、7〜40nmのものが良く、機能向上のため2種類以上を混ぜ合わせても良い。
本発明の第2の実施形態に係るトナーで使用される着色剤としては、従来公知のものを使用できる。例えば、黒の着色剤としては、カーボンブラック、青系の着色剤としては、C.I.Pigment15:3、赤系の着色剤としては、C.I.Pigment57:1、122、269、黄色系の着色剤としては、C.I.Pigment74、180、185等が挙げられる。本発明の目的の一つである環境への影響を考慮すると、着色剤単体で安全性が高いものが好ましい。これら着色剤の含有量は、トナー全体に対して、1〜10質量%であることが好ましい。また、着色剤は、予め樹脂と着色剤を高濃度に分散したマスターバッチの形としても良い。
また、本発明の第2の実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知の離型剤を添加することができる。そのような離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のオレフィン系ワックスや、カルナウバワックス、ライスワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、合成エステルワックス等が挙げられる。低温定着性や高速印字性能を向上させるには、離型剤の融点は60〜100℃程度と比較的低い方が好ましく、具体的には、カルナウバワックスや、合成エステルワックスが好ましい。環境への影響を考慮すると、天然物系のカルナウバワックスがより好ましい。離型剤の添加量は、トナー全体に対して、1〜10質量%であることが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知の帯電制御剤を添加することができる。例えば、正帯電制御剤として、4級アンモニウム塩、アミノ基を含有する樹脂等が、負帯電制御剤として、サルチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、カリックスアレン型のフェノール系縮合物、カルボキシル基を含有する樹脂などがある。帯電制御剤の配合量は、トナー全体に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
また、本発明の第2の実施形態に係るトナーには、必要に応じて、従来公知のトナー用樹脂を添加することができる。従来公知のトナー用樹脂としては、スチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等があるが、顔料分散性、低温定着性の観点から、トナー用に開発されたポリエステル樹脂が好ましい。トナー用樹脂は単独であっても、2種類以上を混合しても構わない。本発明の目的のひとつである環境への影響を考慮すると、トナー用樹脂は、トナー全体に対して、0〜50質量%であることが好ましい。
その他の材料として、粉砕性、定着性等改善のため、低分子量樹脂を添加することもできる。ここで、低分子量樹脂としては、分子量数百〜数千のオリゴマー領域の樹脂であり、粘着付与剤として市販されている、ロジン及びロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等がある。
また、本発明の第2の実施形態に係るトナーには、必要に応じて従来公知の加水分解抑制剤を添加することができる。加水分解抑制剤としては、例えば、カルボジイミド系化合物、イソシアネート系化合物及びオキサゾリン系化合物などが挙げられる。このような加水分解抑制剤により、残存モノマーや分解により生じた水酸基やカルボキシル機末端が封止され、加水分解の連鎖反応を抑制することができる。本発明の実施形態においては、加水分解抑制剤を添加することで、本来の耐加水分解性を向上させるほか、生分解性樹脂の分子量の調整用としても効果が得られる。
具体的な加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物である日清紡績(株)製の“カルボジライトLA−1”などが市販されている。加水分解抑制剤の添加量は、生分解性樹脂に対し、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。添加量が多過ぎると、透明性が悪化し、トナーの発色が悪化する傾向となる。
更に、本発明の第2の実施形態に係る本発明のトナーには、必要に応じて従来公知の結晶核剤を添加することができる。タルクなどの無機核剤、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ベンジリデンソルビトール、カルボン酸アミドなどの有機核剤、等が挙げられる。
実施例
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明についてより具体的に説明する。
1.実施例及び比較例で用いた成分の各物性値の測定方法。
(トナー粒径の測定)
装置:マルチサイザーII(コールター(株)製)
試料:ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。
測定:アパーチャーは100μmで行い、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
(分子量の測定)
装置:GPC(島津製作所(株)製)、検出器RI
分子量Mnは、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量である。
2.実施例及び比較例で用いた生分解性樹脂の作製
(低分子量ポリ乳酸の作製処理1(条件1))
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を15Lの混合撹拌機(上述した加水分解処理装置/図2参照)に3kg仕込み、撹拌しながら、120℃の過熱水蒸気を20kg/h吹き込んで加水分解させた。その時、圧力は開放させた。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
上記各加水分解の処理時間を下記表1に示すように可変し、分子量の異なるポリ乳酸を作製した。
(低分子量ポリ乳酸の作製処理2(条件2))
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を15Lの混合撹拌機に3kg仕込み、撹拌しながら、120℃の過熱水蒸気を20kg/h吹き込んで加水分解させた。その際、圧力が0.14〜0.17MPaとなるように圧力を調整した。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
上記各加水分解の処理時間を下記表1に示すように可変し、分子量の異なるポリ乳酸を作製した。
(低分子量ポリ乳酸の作製処理3(条件3))
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を温度80℃、湿度80%RHに設定した恒温恒湿槽に入れ加水分解させた。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
上記各加水分解の処理時間を下記表1に示すように可変し、分子量の異なるポリ乳酸を作製した。
(低分子量ポリ乳酸の作製処理4(条件4))
ポリ乳酸(海正生物化学(株)製:REVODE101B、分子量(Mn=120,000)を温度95℃に設定した温水槽に入れ加水分解させた。その後、純水ですすぎ、熱風乾燥機(60℃設定)にて1時間乾燥させた。
上記各加水分解の処理時間を下記表1に示すように可変し、分子量の異なるポリ乳酸を作製した。
Figure 0004788802
(実施例1)
次に、下記の配合量の各成分をヘンシェルミキサー(標準羽装着、三井鉱山(株)製)に投入し、混合した。
結着樹脂:加水分解処理済み樹脂1−1 90質量部
着色剤:カーボンブラック(CABOT(株)製MOGUL L) 4質量部
離型剤:カルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製) 6質量部
得られた混合粉体を2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)で溶融混練した後、延伸し、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した。その後、衝突式粉砕機(日本ニューマチック工業IDS−2)・風力分級機(日本ニューマチック工業DSX−2)にて、トナー平均粒径が9.0μmになるように粉砕及び分級を行い、微粒子を得た。
得られた微粒子100質量部に外添剤として、「RY200」(日本アエロジル(株)製:疎水性シリカ、1次粒子径12nm)を2質量部添加し、ヘンシェルミキサー(撹拌強化羽装着、三井鉱山(株)製)で3分間撹拌混合し、トナーを得た。
(実施例2〜8、比較例1〜4)
結着樹脂として、下記表2に示す種々の加水分解処理済み樹脂を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
以上のようにして得られた実施例1〜8、比較例1〜4のトナーのかぶり、濃度安定性、保存性、定着性、及び粉砕性について、下記の試験方法により試験し、評価した。
(試験1−かぶり)
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機、プロセススピード129mm/sec)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、白紙印字を行い、印字している途中でフロント扉を開けることにより、印字を強制終了させ、その時のOPCドラム上のかぶりトナーをメンディングテープに写しとり、白紙に貼り付けて、かぶりトナーを採取していないテープと比較した。測定は日本電色(株)製の分光式色差計「SE−2000」を用いて得られるXYZ値より、かぶり前後の差の最大値をカブリ値として求め、下記の基準で評価した。
◎:かぶり値が2未満で良好。
○:かぶり値が2以上5未満で良好。
△:かぶり値が5以上10未満である。実用上問題ないレベル。
×:かぶり値が10以上で悪い。
(試験2−濃度安定性)
試験1と同様の装置を用い、通常環境(25℃、50%RH)において、5%印字画像を14,000枚連続印字した。途中、2,000枚おきにA4ベタ画像を印字し、四隅と中央の5点について画像濃度を測定し、平均濃度を求める。(その際、白スジ等による画像欠陥部分は測定しない)各サンプリングポイントで求めた平均濃度の内、最大値、最小値から次式により濃度安定性を求め、下記の基準で評価した。
濃度安定性(%)=平均濃度の最小値/平均濃度の最大値×100
◎:濃度安定性が95%以上で良好。
○:濃度安定性が85%以上で良好。
△:濃度安定性が75%以上で実用上問題ないレベル。
×:濃度安定性が75%未満で悪い。
(試験3−保存性)
トナー10gをガラスビーカーに入れ、50℃、90%RHの恒温恒湿槽に8h放置した後、トナーの凝集状態を目視で確認し、下記の基準で評価した。
◎:トナーの凝集がまったく認められない。
○:トナーの凝集がほとんど認められない。
△:トナーの凝集がわずかに認められる。
×:トナーの凝集がはっきりと認められる。
(試験4−定着性)
試験1と同様の装置の定着部分の温度を可変できるように改造し、定着試験器とする。この装置で未定着画像を得た後、上ロールの定着温度を100〜200℃の範囲で10℃毎に可変し、未定着画像を定着器に通した。その際、下ロールは上ロールの設定温度に対し10℃低い温度に設定した。画像サンプルのコールドオフセット、ホットオフセット、剥離爪跡を目視で評価し、非オフセット領域を求め、評価した。プロセス速度は129.3mm/sec、用紙はXEROX P紙A4サイズ(重量64g/m2)で行った。また、定着器のオイル供給ロールは外して行った。
◎:非オフセット領域が30℃以上ある。
○:非オフセット領域が20℃以上である。
△:非オフセット領域が20℃以下である。
×:非オフセット領域が10℃以下である。
(試験5−粉砕性)
粉砕・分級工程にて混練粗砕物を粉砕分級する際、トナーの母体となる粒子の収率(質量%)より判断する。実状として、収率が70%以上であれば問題ない。また、この時トナーの体積平均粒径は9μm、微粉として3μm以下の個数割合が5%以下、粗粉として、16μm以上の体積割合が3%以下となるように粉砕条件を調整する。
○:収率65%以上。
×:収率65%未満。
以上の試験1〜5の結果を下記表2に示す。
Figure 0004788802
上記表2より、以下のことが明らかである。
結着樹脂として、過熱水蒸気を用いて加水分解し、分子量を5,000〜50,000の範囲に調整した樹脂を用いた実施例1〜8に係るトナーは、いずれも、かぶり、濃度安定性、保存性、定着性、及び粉砕性のすべての特性において優れた結果を示し、とりわけ、保存性、臭気の良好なトナーを得ることができた。
これに対し、分子量を5,000未満に調整した比較例1、2では、生分解性樹脂の分子量が低すぎ、トナー粉砕時に粉砕機内で融着が発生し、継続して粉砕を行うことができなかった。なお、参考のため、結着樹脂として分子量を50,000を超える値に調整した生分解性樹脂を用いた場合、表には示していないが、定着性及び粉砕性が悪く使用に耐えないものであった。
また、比較例3では、加水分解の処理時間が長く生産性が悪いうえ、保存性、臭気共に劣り、比較例4でも、加水分解の処理時間が長く生産性が悪いうえ、保存性に劣る結果となった。
本発明は、生分解性樹脂を含む電子写真トナー用樹脂及びそれを結着樹脂に用いた電子写真トナーに利用することができる。
1…過熱水蒸気発生装置、2…軟水器、3…ボイラー、4…水蒸気加熱器、5…導水管、6…送水管、7…送水ポンプ、8…水蒸気送気管、9…過熱水蒸気送気管、10,11,12,19,20…調整バルブ、13…加水分解処理装置、14…過熱水蒸気導気管、15…排気管、16…混合攪拌機、17…攪拌羽根、18…モータ。

Claims (1)

  1. 数平均分子量が50,000を超えるポリ乳酸樹脂を混合撹拌機内に投入する工程と、
    該混合撹拌機内へ過熱水蒸気を導入すると共に加圧しながら前記ポリ乳酸樹脂を混合撹拌して加水分解を生じさせ、前記ポリ乳酸樹脂の数平均分子量を5,000〜50,000に低減すべく調整する工程と
    を具備することを特徴とする電子写真トナー用結着樹脂組成物の製造方法。
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