JP6100104B2 - ブラックトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法およびトナージェット法などの画像形成方法に利用される静電荷像を現像するためのブラックトナーの製造方法に関する。
近年、レーザービームプリンターおよび複写機などの電子写真装置においては、省エネルギー化と高画質化を両立させることが要求されている。トナーに求められる性能としては、低温定着性に優れ、低い定着設定温度においても画像安定性に優れ、高品位な画像品質を満たす高い着色力を発揮するトナーが望まれている。また、電子写真装置の市場の拡大に伴い、高温環境下での保管時においても、トナーが安定してその性能を発揮することが求められている。また、機器の小型化および静音化に伴う機器内部のファンレス化などにより機器内の昇温も大きくなる傾向にある。そのため、トナーには、より高温の条件においても高い保存安定性を保つことが求められてきている。
つまり、優れた低温定着性、画像安定性、保存安定性および着色力のすべてを満足できるトナーが要望されている。低温定着性を実現するためには、結着樹脂のガラス転移点(Tg)を下げることや、トナーの結着樹脂の平均分子量を下げることが必要である。
しかしながら、単純にトナーの結着樹脂のTgや平均分子量を下げてしまうと、トナーの保存安定性が低下してしまう。
特許文献1〜3には、低温定着性と保存安定性を両立する技術が開示されている。具体的には、特許文献1〜3には、トナーの結着樹脂の平均分子量やガラス転移点を低めに制御し、トナー粒子の表面の近傍に結着樹脂より平均分子量やガラス転移点の高い樹脂成分でプロテクトした、いわゆるコアシェル構造を有するトナー技術が開示されている。
また、特許文献4には、水酸基価を有するビニル系重合体をシェルに使用し、低温定着性と保存安定性に加え、トナー粒子に被覆される無機微粒子などの外添成分が、現像出力に伴って脱離することによって生じる画像弊害を抑制する方法が開示されている。つまりは、特許文献4には、多数枚画像出力時の画像安定性を向上させた方法が開示されている。
また、特許文献5には、カルボキシ基含有スチレン系樹脂をシェルに使用することで、コアとシェルの密着性を高め、長期にわたる耐久印刷においても画像安定性を高める方法が開示されている。
懸濁重合においては、特許文献4および5に記載されているように、シェル層で使用する樹脂に極性を持たせ表層近傍にもってくる必要がある。また、低温定着性、画像安定性、保存安定性を満足するにはシェル層を強固にする必要があり、そのために多くの極性樹脂を添加する場合がある。
極性樹脂を添加する際に課題になりやすいのが、着色剤の分散性である。極性樹脂を添加した場合、着色剤と極性樹脂の排斥が生じ、着色剤の凝集による分散性の低下が起こる場合がある。特に、凝集性の強いカーボンブラックは、著しく分散性が低下してしまう場合がある。シェルを強固にするために極性樹脂の添加量を増やすと、一層、カーボンブラックの分散性が低下する場合がある。
カーボンブラックの分散性を高める方法の1つとして、顔料分散剤を添加することが挙げられる。顔料分散剤は、カーボンブラックに吸着しやすい極性を持たせた樹脂が使用される場合が多い。また、シナジストと呼ばれる着色剤に吸着しやすい化合物を介して樹脂を吸着させる方法もある。
特許文献6には、アミド基を有する樹脂化合物および亜鉛フタロシアニン化合物を含有するトナー粒子の製造方法が開示されている。
しかしながら、シェル層を強固にすべく極性樹脂を添加する場合、顔料分散剤と極性樹脂が相互作用を起こし、顔料分散剤がカーボンブラックに吸着するのを妨げ、分散性を低下させることが課題となっていた。
特開2006−053353号公報 特開平8−314186号公報 特開2006−276307号公報 特開2010−91790号公報 特開2012−73325号公報 特許第4510687号公報
本発明の目的は、凝集性の高いカーボンブラックを使用するブラックトナーにおいて、低温定着性、画像安定性、保存安定性を高めるとともに、着色力の向上を達成することにある。特に、懸濁重合法において、低温定着性、画像安定性、保存安定性を向上させるために、極性樹脂を添加してシェル層を強固にする際に起こる生産工程中のカーボンブラックの凝集を抑制し、ブラックトナーの着色力を向上させることが目的である。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を行い、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、重合性単量体、カーボンブラックおよび水酸基含有スチレン系樹脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することによりトナー粒子を生成する工程を有するブラックトナーの製造方法であって、
該カーボンブラックの灰分含有量が、0.29質量%以下であり、
該水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)が、7.5以上25以下である
ことを特徴とするブラックトナーの製造方法である。
本発明の製造方法によれば、カーボンブラックの灰分含有量を低減させること、および、水酸基価をコントロールした水酸基含有スチレン系樹脂を極性樹脂として添加することで、強固なシェル層を生成しつつ、カーボンブラックの分散性を一層向上させることが可能となる。その結果として、低温定着性、画像安定性、保存安定性および着色力を向上させたブラックトナーを得ることができる。
回転子および固定子を具備する混合装置を組み込んだシステムである。 混合装置の本体側面図である。 図2中のB−B’断面における混合装置の本体断面図である。 図1中のA−A’断面における混合装置の本体断面図である。 混合装置の固定子の斜視図である。 混合装置の回転子の斜視図である。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明においては、灰分含有量が0.29質量%以下のカーボンブラックを使用すること、および、水酸基価(mgKOH/g)が7.5以上25以下の水酸基含有スチレン系樹脂を含有することが重要である。
以下、本発明に用いるカーボンブラックについて説明する。
カーボンブラックは、一般的には、アセチレンブラック法、チャネル法、ファーネス法で生成される。これらの中で、本発明においては、大量生産性やコストの観点から、ファーネス法により生成されたカーボンブラックが好ましい。ファーネス法は、耐火性材料でライニングされた反応器内でのカーボンブラック原料の酸化性熱分解、すなわち、不完全燃焼の原理に基づいて製造を行う。カーボンブラック原料としては、いわゆるカーボンブラック油などの原料油が使用されるが、ガス状の炭化水素も単独でまたは同時にカーボンブラック油と一緒に使用することもできる。カーボンブラックの品質や二次粒子細孔構造や粒径などの物性は、原料の種類、原料の流量、反応系へのアルカリ金属塩類などの添加剤の種類や量、燃焼条件、冷却速度などの様々な条件の選択によりコントロールされるものである。本発明においては、カーボンブラックの生成時にアルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類を添加し、カーボンブラックのストラクチャー発達を抑制したカーボンブラックを用いることができる。特に、アルカリ金属塩類としては、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムが好ましい。
ストラクチャーの大きさを示す指標としてDBP吸油量がある。本発明においては、DBP吸油量が30〜50ml/100gの範囲内のカーボンブラックを使用することが好ましい。DBP吸油量が50ml/100g以下である場合、ストラクチャーが大きさが適度で導電性が適度なカーボンブラックとなり、均一かつ十分なトナーの帯電性を確保しやすく、カブリなどの画像弊害が起きにくくなる。また、DBP吸油量が30ml/100g以上である場合、アルカリ金属塩類の添加量が適度であり、カーボンブラックの灰分含有量が適度になる。また、アルカリ金属類の添加量ではなく、他の製造条件でカーボンブラックの灰分含有量をコントロールしようとすると、製法上の負荷が増大し、生産性が低下する。また、アルカリ金属類の添加量でカーボンブラックの灰分含有量をコントロールすると、導電性が適度になり、トナーのチャージアップが起きにくくなり、帯電性のコントロールが容易になる。
本発明において、上記好ましい範囲を満たすDBP吸油量は、市販のカーボンブラックの中では、DBP吸油量のかなり低い領域である。このようなカーボンブラックを得るためには、アルカリ金属塩類の添加量が多くなる傾向にある。本発明においては、カーボンブラックの灰分含有量を0.29質量%以下にすることが必要である。さらに、灰分含有量を0.15質量%以下にすることがより好ましい。特に上記DBP吸油量の範囲を満たすカーボンブラックにおいても、灰分含有量を0.29質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下にすることが良い。カーボンブラックの灰分は、元素分析をした結果、ストラクチャーを制御するために添加するアルカリ金属塩類に由来するカリウム、ナトリウムやファーネス法でカーボンブラックを生成する際に使用する原料油に由来する硫黄元素が主成分であることがわかっている。カーボンブラックに残存するカリウム、ナトリウムは、イオンの状態で存在していると考えられる。カリウムイオン、ナトリウムイオンは、吸湿性が高く、カーボンブラックの表面に存在し、空気中の水分が吸着することで水酸化カリウム、水酸化ナトリウムの状態で存在していると本発明者は考えている。灰分量が多いカーボンブラック程、水分含有率が高いという分析結果に基づくものである。これらが表面に存在すると、カーボンブラックを分散する工程において、本発明で使用する水酸基含有スチレン系樹脂のような分散性向上に寄与する成分の吸着を妨げてしまう。
硫黄成分に関しては、硫酸イオンで存在する場合があり、上述のカリウム、ナトリウムイオンと塩を形成し、カーボン表面に存在することで、分散性を低下させてしまう可能性がある。本発明において、灰分量を0.29質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下にすることで、カーボンブラックの分散性向上に寄与する成分を効率良く吸着させることが可能となる。
本発明のブラックトナーが含有するカーボンブラックは、平均一次粒子径が10nm以上100nm以下、pHが5.0以上10.0以下であって、トナー粒子に対する含有量が5.0質量%以上12.0質量%以下であることが好ましい。カーボンブラックを上記物性および添加量にすることで、フィラー効果による構造的な強度を高める働きや、離型剤のブリードアウト成分を捕捉する効果がより安定して機能するため、定着可能温度域をさらに広げることや、耐久現像特性を高めることができる。カーボンブラックの一次粒径が10nm以上である場合、カーボンブラックは凝集性が低く、また、離型剤に取り込まれにくい傾向も示すため、トナー粒子中での分散性に優れ、着色力が高くなりやすい。一方、100nm以下である場合、トナー粒子中での構造体としての機能が強く、また、着色力自体も高い傾向を示す。カーボンブラックのpHが5.0以上である場合、カーボンブラックの酸性の官能基の数が適度になる。ネガ帯電の重合トナーに用いた場合、他の材料には酸性の官能基を持った材料が少なくないため、カーボンブラックのpHが5.0以上であれば、同極性による他の材料との間の排斥が生じにくく、カーボンブラックの凝集が抑制される。一方、カーボンブラックのpHが10.0以下である場合、カーボンブラックの塩基性の官能基の数が適度になり、ネガトナーにおいては、帯電性の低下が起きにくい。ナトリウム、カリウムなどの灰分に由来する水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが多いほど、pHは高くなる傾向がある。
灰分量の低減方法は、各種方法が挙げられる。例えば、カーボンブラックをイオン交換水に分散した後にトルエンを添加し、カーボンブラックをトルエン層へ置換する。その後、水層部を除去し、カーボンブラックとトルエンを濾別し、イオン交換水で洗浄・乾燥する方法。また、イオン交換水だけで十分に洗浄することでも灰分量は低減できる。洗浄により灰分量を低減した場合、洗浄前に比べpHは下がる傾向にあるが、洗浄後も上述のpHが4.0以上10.0以下の範囲を満たすことが好ましい。
次に本発明で用いる水酸基含有スチレン系樹脂について説明する。
本発明において、水酸基価(mgKOH/g)が7.5以上25以下の水酸基含有スチレン系樹脂を含有することが必要である。水酸基含有スチレン系樹脂を含有させる狙いは、表層近傍に存在させることで強固なシェル形成を行うことである。加えて、製造工程中でカーボンブラックの分散性を阻害する成分として働くのではなく、カーボンブラックに吸着させ、顔料分散剤のような機能を持たせ分散性を高めることである。
特に水酸基を増やしていくことが、カーボンブラックの分散性向上に寄与し、カーボンブラックの灰分量を低減するに従い、効果が顕著になることを本発明者らは見出した。水酸基価(mgKOH/g)が7.5より小さい場合、カーボンブラックへの吸着力が低下し、分散性の低下に繋がる。結果として、トナーとしての着色力の低下に繋がる。また、極性が低くなり、トナー表層近傍に水酸基含有スチレン系樹脂が存在しづらくなるため、保存安定性が低下してしまう。水酸基価(mgKOH/g)が25より大きい場合、カーボンブラックの分散性は向上する。一方で、液滴を形成する造粒工程において、粒度分布がブロード化することにより内添材料の不均質化が生じ、画像弊害が生じてしまう。
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂は、カルボキシル基を導入し、酸価を付与してもよい。カルボキシル基を含有した場合、より一層トナー表層近傍にスチレン系樹脂を存在させることが可能となり、保存安定性を向上させることができる。一方で、酸価を高め過ぎると、顔料分散性が低下してしまう。
水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基は、カーボンブラックの表面のカルボキシル基や水酸基などの様々な官能基と水素結合を行うことで、カーボンブラックと吸着し、分散性を高めると考える。しかし、カルボキシル基は、スチレン系樹脂のカルボキシル基同士が水素結合を行い、2量体を形成することで分子同士が絡み合い、分散性を高める効果が発揮できないと本発明者らは考える。
カルボキシル基を導入する場合、酸価(mgKOH/g)が5以上25以下であることが好ましい。酸価(mgKOH/g)が5より小さい場合、トナー表層近傍にスチレン系樹脂を存在させる効果が弱くなり、カルボキシル基付与の意味合いが薄れてしまう。酸価(mgKOH/g)が25より大きい場合、液滴を形成する造粒工程において、粒度分布がブロード化することにより内添材料の不均質化が生じ、カブリなどの画像弊害が生じてしまう。また、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基でせっかく高めたカーボンブラックの分散性を阻害してしまう。
カルボキシル基を導入する場合、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価をA、酸価をBとした場合、酸価と水酸基価の割合A/Bが、0.3≦A/B≦3.0の範囲内であることが好ましい。A/Bが0.3より小さい場合、水酸基に比べカルボキシル基の割合が多くなり、顔料分散性が著しく低下してしまう。A/Bが3.0より大きい場合、水酸基が必要以上に多くなる、若しくは、カルボキシル基が低くなりすぎることを示し、製造工程における粒度分布のブロード化に伴う画像弊害や酸価が低くなりすぎることにより、トナー表層近傍にスチレン系樹脂を存在させる効果が薄くなる。
本発明において、結着樹脂との相溶性の制御しやすさという観点から水酸基含有スチレン系樹脂を用いることが好ましい。結着樹脂への相溶性を一部持たせることで、コアとなる結着樹脂とシェルとなる水酸基含有スチレン系樹脂が層分離することなく、コアとシェルの密着性が高まる。その結果、プリンターで多数枚印字した後に起こるトナーの劣化、特に、シェル部が剥離することによる画像弊害を抑制することができる。
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂に加え、カルボキシル基含有ポリエステル系樹脂を併用することが好ましい。特に、水酸基含有スチレン系樹脂が、カルボキシル基を含有する場合に併用することがより好ましい。好ましい理由は以下の通りである。懸濁重合法のように、カルボキシル基含有ポリエステル系樹脂がトナーの最表層を形成しやすいトナーの製造方法の場合、カルボキシル基を含有する水酸基含有スチレン系樹脂はトナー最表面に存在するカルボキシル基含有ポリエステル系樹脂に引き寄せられる。そのため、カルボキシル基含有ポリエステル系樹脂を使用しないトナーと比較して、トナー表面側により偏在しやすくなる。その結果、より強固なシェル層が形成され、保存安定性がさらに良化する。
本発明においては、水酸基含有スチレン系樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下であることが好ましい。また、カルボキシル基含有ポリエステル系樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂の重量平均分子量(Mw)が10000〜30000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が10000未満の場合、トナーの表層の強度が低下するため、耐久性や保存安定性が低下する傾向にある。また、重量平均分子量(Mn)が30000を超えると、トナーの表層が固くなるため、低温定着性が低下する傾向にあり、さらには画像光沢性も低下する傾向にある。
本発明に用いる水酸基含有スチレン系樹脂のガラス転移点Tgは、75℃以上105℃以下であることが好ましい。Tgが75℃より小さい場合、保存安定性が低下してしまう。一方、Tgが105℃超の場合、低温定着性が悪化してしまうだけでなく、画像光沢性も低下する傾向にある。
本発明に用いる水酸基含有スチレン系樹脂は水酸基を含有するスチレン系樹脂であり、結着樹脂と適度な極性勾配を保ち密着性を確保する観点から、結着樹脂と同組成のものを含むことが好ましい。本発明に使用できる水酸基含有スチレン系樹脂は、1級または2級の水酸基を有するモノマーを含有していることが必須である。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸メチル共重合体などを挙げることができる。1級または2級の水酸基を有するモノマーを含有した樹脂は極性が大きく、長期放置安定性がより良好となる。また、本発明の水酸基含有スチレン系樹脂は樹脂中にカルボキシル基を含有させることも可能である。具体的な重合体組成物としては、スチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−n−ブチルアクリレート−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−2−ヒドロキシエチルメタクリレート−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体などを挙げることができる。
本発明におけるブラックトナーは、スルホン酸系官能基を有する重合体を含有することが好ましい。以下、スルホン酸系官能基を有する重合体に関して以下に説明する。
本発明において、スルホン酸系官能基を有する重合体は、スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する共重合体であることが好ましい。上記重合体は、極性の高いスルホン酸基を含有していることで表層近傍に偏在し、帯電制御に優れた能力を発揮する。一方で、カーボンブラックを分散する製造工程中で、分散助剤として働き、カーボンブラックの分散性向上にも寄与する。特に、アミド結合を有する場合は、より一層、分散助剤としての働きは向上する。上記重合体を製造するためのスルホン酸基を有する単量体としてはスチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸やそれらのアルキルエステルが挙げられる。本発明に用いられるスルホン酸系官能基を含有する重合体は、上記単量体と他の単量体との共重合体であることが好ましい。上記単量体と共重合体をなす単量体としては、結着樹脂形成に使用できるビニル系重合性単量体が挙げられる。
スルホン酸系官能基を有する重合体は、上述のとおり、スルホン酸基を有する単量体を有するが、上述の共重合体を精製する際に、未反応のスルホン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体を主成分とするオリゴマーやポリマーが残存してしまう。これらの成分は、水への移行性が高い場合が多い。本発明におけるトナーの製造工程は、結着樹脂を形成する重合性単量体中でカーボンブラックを含むトナー内添成分を分散し、得られた重合性単量体組成物を水系媒体中に移行し、液滴を形成し重合を行う工程を経る。上述の未反応のスルホン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体を主成分とするオリゴマーやポリマーは、重合性単量体中でカーボンブラックを分散する際に、カーボンブラックの表面に吸着してしまい、本来分散性を高めるはずのスルホン酸系官能基を有する重合体の吸着を妨げてしまう。さらに、重合性単量体組成物が水系媒体中へ移行した際に、上述の未反応のスルホン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体を主成分とするオリゴマーやポリマーが水系媒体中に移行してしまいカーボンブラックの分散安定状態がくずれピグメントショックが起きやすくなる。
本発明において、スルホン酸系官能基を有する重合体は、重合体を水へ抽出した際の水への抽出量が2000ppm以下であることが好ましい。さらに、1500ppm以下であることがより好ましい。
水への抽出量は、ビニル系重合性単量体やビニル系重合性単量体を主成分とするオリゴマー、ポリマーは水へ移行しにくいため、未反応のスルホン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体を主成分とするオリゴマーやポリマーの量を示す指標となる。水への抽出量が、2000ppm以下である場合、カーボンブラックに対するスルホン酸系官能基を有する重合体の吸着が妨げられにくくなり、重合性単量体組成物が水系媒体中へ移行した際に、カーボンブラックの分散性が低下しにくくなる。水への抽出量を2000ppm以下にする手段としては、未反応のスルホン酸基を有する単量体、スルホン酸基を有する単量体を主成分とするオリゴマーやポリマーが水へ移行しやすい性質を利用し、濾過工程や洗浄工程を強化することが挙げられる。具体的には、リスラリーおよび濾過を繰り返すこと、つまり、濾過回数を増やすことが1つの手段である。また、洗浄水量を増やすことでも達成手段の1つである。
上記スルホン酸系官能基を有する重合体は、重合性単量体または結着樹脂100質量部に対し0.01〜5.0質量部を含有することが好ましい。より好ましくは、0.1〜3.0質量部である。上記スルホン酸基などを有する重合体が0.01〜5.00質量部の場合には、カーボンブラックの分散効果をより安定して発揮することができ、帯電安定効果にも優れる。
続いて、以下に本発明のブラックトナーに用いられる他の材料に関して説明する。
本発明のブラックトナーを製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。前記ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体または多官能性重合性単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンのようなスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートのようなアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートのようなメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルのようなビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンのようなビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては、上記単官能性重合性単量体を単独でまたは2種以上組み合わせて、または、上記単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。また、先述のスルホン酸系官能基を有する重合体のスルホン酸基を有する単量体と共重合体をなすビニル系単量体としては、上記ビニル系重合性単量体の中から選択される。
本発明に用いられる重合開始剤としては、油溶性開始剤および/または水溶性開始剤が用いられる。好ましくは、重合反応時の反応温度における半減期が0.5〜30時間のものである。また重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部の添加量で重合反応を行うと、通常、分子量1万〜10万の間に極大を有する重合体が得られ、適度な強度と溶融特性を有するトナーを得ることができる。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル如きのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド如きの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。
本発明においては、重合性単量体の重合度を制御するために、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤などをさらに添加し、用いることも可能である。
本発明のブラックトナーは、ワックスを含有させてもよい。具体的には以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックスおよびその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスなどの天然ワックスおよびその誘導体など。誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物などが挙げられる。さらには、以下のものが挙げられる。高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワックス;硬化ヒマシ油およびその誘導体;植物系ワックス;動物性ワックスなど。この中で特に、離型性に優れるという観点からエステルワックスおよび炭化水素ワックスが好ましい。さらに好ましくは、トータルの炭素数が同一の化合物が50〜95質量%ワックスに含有されているものが、ワックス純度が高く現像性の観点で好ましい。
本発明のブラックトナーは、先述のスルホン酸系官能基を有する重合体以外に、さらに荷電制御剤を含有してもよい。本発明のブラックトナーに用いられる荷電制御剤としては、特段の制限なく従来公知の荷電制御剤を用いることができる。具体的には、負帯電制御剤として以下の、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などに代表される芳香族カルボン酸の金属化合物;スルホン酸基、スルホン酸塩基またはスルホン酸エステル基を有する重合体または共重合体;アゾ染料あるいはアゾ顔料の金属塩または金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなどが挙げられる。また、正帯電制御剤として以下の、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物などが挙げられる。
本発明のブラックトナーにおいて、トナーの流動性を向上させる目的で、無機微粉体をトナーに添加してもよい。無機微粉体としては、フッ化ビニリデン微粉未、ポリテトラフルオロエチレン微粉末などのフッ素系樹脂粉末;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛などの脂肪酸金属塩;酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末などの金属酸化物または、上記金属酸化物を疎水化処理した粉末;および湿式製法シリカ、乾式製法シリカなどのシリカ微粉末または、それらシリカにシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤により表面処理を施した表面処理シリカ微粉末が挙げられる。無機微粉体は、トナー粒子100質量部に対して、0.01〜5質量部を使用することが好ましい。
次に本発明におけるトナーの製造方法について説明する。
本発明のブラックトナーは、懸濁重合法により製造される。具体的には、重合性単量体、カーボンブラックおよび水酸基含有スチレン系樹脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加える。そして、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を形成し(造粒し)、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合することによりトナー粒子を生成する工程を有するブラックトナーの製造方法である。
重合性単量体にカーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂(さらに必要に応じてワックス、重合開始剤、スルホン酸系官能基を有する重合体、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめる溶解工程において重合性単量体組成物とする。その後この重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に適切な撹拌機を用いて造粒し(重合開始剤は、この造粒工程で添加してもよい。)、そして重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものである。上記トナー粒子は重合終了後、公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥を行い、必要により流動性向上剤を混合し表面に付着させることで、本発明のブラックトナーを得ることができる。また、上記溶解工程の前に、分散工程を設け、メディア分散機や高せん断を付与できる高速撹拌装置を用いて重合性単量体中でカーボンブラックを予め分散してもよい。
懸濁重合法によるトナーの製造方法において、重合性単量体組成物を水系媒体に加える前に、複数のスリットを具備するリング状の突起が同心円上に多段に形成された回転子と同様の形状の固定子が一定間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置された撹拌装置を用いて、前記重合性単量体組成物を処理する工程を有することが好ましい。図1は、上述した回転子および固定子を具備する混合装置を組み込んだシステムを示し、図2は、混合装置の本体側面図を示す。また、図4は図1中のA−A’断面を示した図であり、図3は図2中のB−B’断面を示した図である。また、図5、図6は、それぞれ、混合装置の固定子221の斜視図、回転子225の斜視図を示す。
以下、混合装置について具体的に説明する。図1において、上記重合性単量体組成物を、ホールディングタンク208に投入して調製液とする。投入された調製液は、循環ポンプ210を介して、混合装置入口より供給され、混合装置においては、ケーシング202の内部に具備された、回転子225と固定子221のスリットを通過し、遠心方向に排出される。混合装置内を調製液が通過する際、回転子、固定子のスリットのずれにより生じる遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と回転子、固定子間のせん断による衝撃により調製液は混合される。回転子と固定子の形状は、複数のスリットを具備するリング状の突起が同心円上に多段に形成された形状であり、一定の間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置されていることが好ましい。回転子および固定子が相互に噛み合うように設置された形状であることにより、ショートパスが軽減され、調製液の分散が十分に行える。また、回転子と固定子が同心円方向に交互に多段に存在することにより、調製液が遠心方向に進行する際に、多くのせん断・衝撃を受けるため、一層、分散レベルを高めることができる。ホールディングタンク208は、ジャケット構造であるため、処理物の冷却・加熱が可能である。
回転子および固定子の周速とは、回転子および固定子の最大径の周速である。回転子225の周速をG(m/s)とすると、20≦G≦60で回転させ調製液を混合することが好ましい。より好ましくは、回転子の周速Gが30≦G≦40である。回転子の周速Gが20≦G≦60であれば、回転子および固定子のスリットのずれにより生じる調製液の遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と回転子、固定子間のせん断による衝撃が増し、高度な分散が達成される。これにより、従来以上に、調製液の分散ムラが非常に少なく、均一な分散状態に達することができる。回転子の周速Gが20m/sより小さい場合、遠心方向への圧縮、吐出による衝撃と回転子、固定子間のせん断による衝撃が低下し、所望の分散レベルを達するのが困難である。また、時間の経過に伴い、カーボンブラックが凝集するような分散安定性の悪い調製液が生じる場合が多い。また、回転子の周速Gが60m/sより大きい場合、回転子、固定子のスリットからの吐出時に大きな圧力損失が生じるため、十分な流量が確保できないだけでなく、着色剤などの固形物と重合性単量体が分離した状態になる場合がある。上述の混合装置としては、例えば、キャビトロン(ユーロテック社製)を好ましく用いることができる。
本発明において、水系媒体には、分散安定剤を添加することが好ましい。無機化合物の分散安定剤としては、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナが挙げられる。有機化合物の分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、デンプンが挙げられる。これらの分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2〜20質量部を使用することが好ましい。
また、これら分散安定剤の微細な分散のために、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を使用してもよい。これは、分散安定剤の初期の作用を促進するためのものである。界面活性剤としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムが挙げられる。
分散安定剤として、無機化合物を用いる場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、より細かい粒子を得るために、水系媒体中にて上記無機化合物を生成させて用いてもよい。
例えばリン酸カルシウムの場合、高撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合するとよい。
以下本発明に用いた測定方法について説明する。
<カーボンブラックの灰分含有量の測定方法>
カーボンブラックの灰分灰分含有量は以下の手順で求める。予め秤量した15mlの磁性るつぼに約3gのカーボンブラックを入れる。るつぼを卓上マッフル炉KDF−S80(デンケン社製)に入れ、約750℃で約6時間加熱し、マッフル炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより灰分含有量を算出した。
<カーボンブラックのpHの測定方法>
20ccのガラス瓶にイオン交換水9ml、カーボンブラック1g添加し、1分間激しく振とうし、カーボンブラック分散液を得た。その後、市販のpH計を用いて、カーボンブラック分散液を測定し、そのpH値をカーボンブラックのpHとした。
<カーボンブラックのDBP吸油量測定方法>
JIS K6217−4に準拠した方法でカーボンブラックのDBP吸油量を測定した。DBP吸油量の単位は「ml/100g」である。
<カーボンブラックの平均一次粒子径の測定方法>
クライオミクロトーム(Leica社製 ULTRACUT UCT)装置に水溶性樹脂に分散したトナーを入れた。液体窒素により該装置を−80℃まで冷却し、トナー粒子が分散された水溶性樹脂を凍結した。凍結された水溶性樹脂を、ガラスナイフにより切削面形状が約0.1ミリ幅、約0.2ミリ長になるようにトリミングした。次にダイヤモンドナイフを用いて、水溶性樹脂を含むトナーの超薄切片(厚み設定:70nm)を作製し、まつげプローブを用いてTEM観察用グリッドメッシュ上に移動した。水溶性樹脂を含むトナー粒子の超薄切片を室温に戻した後、水溶性樹脂を純水に溶解させて透過型電子顕微鏡(TEM)の観察試料とした。該試料は、日立社製透過型電子顕微鏡H−7500を用い、加速電圧100kVにて観察し、トナーの断面の拡大写真を撮影した。トナーの断面は任意に選んだ。また、拡大写真の倍率は10000倍とした。上記写真撮影により得られたTEM画像は、画像解析ソフトImage−ProPlus(Media Cybernetics社製)を用いて、2値の画像データに変換した。そのうち、カーボンブラック粒子についてのみ無作為に解析を行った。カーボンブラックの平均一次粒子径は、一次粒子100個を無作為に選択し、その個数平均を平均一次粒子径とした。
<水酸基含有スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂の水酸基価(mgKOH/g)の測定>
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(JIS水酸基価)は、以下の方法により求める。水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(ア)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスなどに触れないように、褐色瓶にて保存する。フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5mol/L塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5mol/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(イ)操作
(A)本試験
粉砕した樹脂1.0gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mLをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗う。指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
結着樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(ウ)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、D:結着樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
<水酸基含有スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂の酸価(mgKOH/g)の測定>
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂の酸価(mgKOH/g)はJIS K 0070−1992に基づいて以下の方法で測定する。
(試料調整)
200mlビーカーにサンプル1.0gを精秤し、スターラーで撹拌しながらトルエン120mlに溶解し、さらにエタノール30mlを加える。なお、精秤したサンプルの重さをW(g)とする。
(装置)
装置としては例えば、電位差自動滴定装置AT−400WIN(京都電子工業株式会社製)を用いる。装置の設定は、有機溶剤に溶解する試料を対象とする。使用するガラス電極と比較電極は、有機溶剤対応のものを使用する。pHガラス電極は、例えば商品コード#100−H112(京都電子工業株式会社製)を用いる。なお、先端は乾燥させてはいけない。コルク型比較電極は、商品コード#100−R115(京都電子工業株式会社製)を用いる。なお、先端は乾燥させてはいけない。内部液が内部液補充口まで満たされているかを確認する。内部液は3.3M KCl溶液を使用する。
(手順)
上記調整した試料を上記装置のオートサンプラーにセットし、上記電極を試料溶液中に浸す。次に、滴定液(1/10N KOH(エタノール溶液))を試料溶液上にセットし、0.05mLずつ自動間欠滴定で滴下させ酸価を算出する。この時のKOH溶液の使用量をS(mL)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(mL)とする。得られた結果から次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
<スルホン酸系官能基を有する重合体の水抽出量の測定>
50ccポリ瓶にイオン交換水38g、スルホン酸系官能基を有する重合体を2g添加し、MK201D(ヤマト科学社製)を用いて6hr振とうした。予め質量を測定した濾紙を用いて分散液を濾別した後にイオン交換水10gで洗浄・濾過し、濾紙および重合体を40℃で6hr真空乾燥を行い、乾燥後の濾紙および重合体の質量から予め測定した濾紙の質量を引いて、水抽出後の重合体の質量をW1(g)とした。水への抽出量は、単位はppmとし、下記式で算出した。
水への抽出量(ppm)={(2−W1)/2}×1000000
<トナーの平均粒径および粒度分布測定>
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの平均粒径および粒度分布はコールターカウンターTA−III型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)など種々の方法で測定可能である。本発明においてはコールターカウンターTA−III型(コールター社製)を用い、個数分布および重量分布を算出する。トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。また、トナー粒子の造粒性を確認する際には、懸濁重合法の場合は、重合反応終了後のトナー粒子懸濁液を少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/重量統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
造粒工程における造粒性については、コールターカウンターで測定されたD50質量%/D50個数%により調べた。D50体積%/D50個数%とは、質量分布基準の50%粒径/個数分布基準の50%粒径である。
<樹脂のMwの測定>
測定サンプルとTHFとを5mg/mlの濃度で混合し、室温にて5時間放置した後、充分に振とうしTHFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、さらに室温にて24時間静置する。その後、サンプル処理フィルター(マイショリディスクH−25−2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製)を通過させたものをGPCの試料とする。調製された試料の分子量分布およびMwは、GPC測定装置(HLC−8120G PC 東ソー社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の測定条件で測定する。
<測定条件>
装置:高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
なお、試料の分子量の算出にあたっては、検量線は、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK スタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)により作成した分子量較正曲線を使用する。
<トナーおよび樹脂のガラス転移温度の測定方法>
本発明におけるトナーのガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー約10mgを精秤し、樹脂の場合は、約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。トナーの場合、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、トナーのガラス転移温度Tgとする。
樹脂の場合、測定範囲20〜140℃の間で、昇温速度1℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40〜120℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移点Tgとする。
以下、発明を実施例により具体的に説明するがこれは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の実施例などにおける「部」は「質量部」である。
まず、ブラックトナーの製造例で用いられるカーボンブラックの製造例を下記に示す。本発明の製造例で用いられるカーボンブラックは、ファーネス法で製造されたカーボンブラックであり、製造過程でストラクチャーの制御するために、炭酸カリウム、および/または炭酸ナトリウムを添加したカーボンブラックである。
(カーボンブラック1)
カーボンブラック1は、市販のPRINTEX35(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック1の物性を表1に示す。
(カーボンブラック2の製造例)
カーボンブラック2は、カーボンブラック1をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水2Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック2を得た。カーボンブラック2の物性を表1に示す。
(カーボンブラック3の製造例)
カーボンブラック3は、カーボンブラック2をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水50Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック3を得た。カーボンブラック3の物性を表1に示す。
(カーボンブラック4の製造例)
カーボンブラック4は、カーボンブラック3をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水50Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック4を得た。カーボンブラック4の物性を表1に示す。
(カーボンブラック5の製造例)
カーボンブラック5は、カーボンブラック4をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水100Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック5を得た。カーボンブラック5の物性を表1に示す。
(カーボンブラック6の製造例)
カーボンブラック6は、カーボンブラックの製造工程時に、燃焼条件、アルカリ金属塩類の添加量を調整し、カーボンブラックを製造した後に、カーボンブラックをイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水100Lで洗浄、濾別した。得られたカーボンブラックを再度リスラリーし、分散、イオン交換水100Lで洗浄、濾別を行いカーボンブラックを得た。さらに、リスラリー、分散、イオン交換水100Lで洗浄、濾別を再び繰り返し、灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック6を得た。カーボンブラック6の物性を表1に示す。
(カーボンブラック7の製造例)
カーボンブラック7は、市販のPRINTEX45(オリオンエンジニアドカーボンズ社製);灰分含有量0.3質量%を洗浄することで得た。PRINTEX45をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水50Lで洗浄、濾別した。得られたカーボンブラックを再度リスラリーし、分散、イオン交換水50Lで洗浄、濾別を行いカーボンブラックを得た。さらに、リスラリー、分散、イオン交換水50Lで洗浄、濾別を再び繰り返し、灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック7を得た。カーボンブラック7の物性を表1に示す。
(カーボンブラック8)
カーボンブラック8は、市販のPRINTEX L(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック8の物性を表1に示す。
(カーボンブラック9)
カーボンブラック9は、市販のSpecial Black350(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック9の物性を表1に示す。
(カーボンブラック10)
カーボンブラック10は、市販のPRINTEX75(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック10の物性を表1に示す。
(カーボンブラック11)
カーボンブラック11は、市販のPRINTEX85(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック11の物性を表1に示す。
Figure 0006100104
次に、本発明における水酸基含有スチレン系樹脂の製造例を下記に示す。
(水酸基含有スチレン系樹脂1の製造例)
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中にキシレン(沸点144℃)300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。この還流下で、
・スチレン 91.2部
・メチルメタクリレート 2.5部
・メタクリル酸 2.5部
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.8部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 2.00部
の混合液を添加した後、反応時圧力を0.150MPaで重合温度を170℃にて重合を5時間行った。その後、減圧下にて脱溶剤工程を3時間行い、キシレンを除去して、粉砕することで、水酸基含有スチレン系樹脂1を得た。水酸基含有スチレン系樹脂1の物性を表2に示す。
(水酸基含有スチレン系樹脂2〜12の製造例)
水酸基含有スチレン系樹脂1の製造例において、モノマー組成、重合開始剤の量、反応温度を適宜調整し、水酸基含有スチレン系樹脂1の製造例と同様にして水酸基含有スチレン系樹脂2〜12を合成した。水酸基含有スチレン系樹脂2〜12の物性を表2に示す。
(ポリエステル樹脂1の製造例)
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に
・テレフタル酸 24.00部
・イソフタル酸 24.00部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 115.20部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物 12.80部
・シュウ酸チタンカリウム(触媒) 0.035部
上記ポリエステルモノマーおよび触媒を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下220℃で20時間反応を行い、さらに10〜20mmHgの減圧下で1時間反応させた。その後、170℃に降温し、無水トリメリット酸を0.15部添加して、170℃で1.0時間反応させ、降温後粉砕し、ポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1の性状を表2に示す。
Figure 0006100104
次に、本発明におけるスルホン酸系官能基を有する重合体の製造例を下記に示す。
(スルホン酸系官能基を有する重合体1の製造例)
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部および2−プロパノール100部を加えた。さらに、モノマーとしてスチレン89.1部、アクリル酸2−エチルヘキシル5部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.9部を添加し、撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.30部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を50分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。さらに、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.15部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、その後5時間撹拌して重合を終了し重合溶液S1を得た。
撹拌機、リービッヒ冷却管、温度計を備えた2リットルのセパラブルフラスコにイオン交換水500gを仕込み、これに重合溶液S1を100g仕込み、95℃下の条件下において10時間加熱撹拌しながら脱溶剤を行い、得られた重合体分散液を濾別した。得られた重合体をイオン交換水にリスラリーし、再度濾別を行った。この操作を再び繰り返し、合計で5回の濾別操作を行った。その後、乾燥、解砕を行いスルホン酸系官能基を有する重合体1を得た。スルホン酸系官能基を有する重合体1の性状を表3に示す。
(スルホン酸系官能基を有する重合体2〜4)
濾別操作の回数を表3のように変更する以外は、スルホン酸系官能基を有する重合体1の製造例と同様の方法で重合体を製造した。スルホン酸系官能基を有する重合体2〜4の性状を表3に示す。
Figure 0006100104
次にトナーの本発明における実施例、比較例を下記に示す。
〔実施例1〕
下記の方法により懸濁重合トナーを製造した。
60℃に加温したイオン交換水900部にリン酸三カルシウム2.3部を添加し、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて12,000rpmにて撹拌し、水系媒体を得た。また、下記の材料をプロペラ式撹拌装置にて100r/minで均一に溶解混合して樹脂含有単量体を調製した。
・スチレン 40部
・n−ブチルアクリレート 30部
・フィッシャートロプシュワックスHNP−51:最大吸熱ピーク=78.0℃
10.0部
・水酸基含有スチレン系樹脂1 15部
また、下記の材料をアトライターで分散し、着色剤分散液を得た。
・スチレン 30部
・カーボンブラック1 6.0部
・帯電制御剤ボントロンE−88(オリエント化学社製) 5.0部
・スルホン酸系官能基を有する重合体1 1.0部
次に、該着色剤分散液と該樹脂顔料単量体を混合して調製液を得た後、該調製液を60℃に加温し、プロペラ式撹拌装置150r/minで40min撹拌した。次いで、該調製液に重合開始剤1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を12部添加した。重合開始剤添加5分経過後に、60℃に加温した水系媒体に該調製液を投入し、クレアミックスを12000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら70℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、液温を約30℃に降温し、希塩酸を加えて水系媒体のpHを2.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た。この得られたトナー粒子100部に対し、1.5部のシリカ粒子(RY200:日本アエロジル社製)とジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体0.2部(平均一次粒径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナー1を得た。トナー1に対して、下記の評価方法に従い評価を行った。評価結果を表4に示す。
各種画像評価は以下のようにして評価を行った。
<評価機>
画像形成装置としては市販のレーザービームプリンターであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、以下特に断りの無い限り、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、評価紙として坪量が75g/m2のbusiness4200(Xerox社製)を用いて行った。
なお、評価機の改造点は、評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが270mm/secとなるように改造した。
評価に用いるカートリッジは市販のブラックカートリッジを用いた。すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを200g充填して評価を行った。
<着色力>
0.1mg/cm2から1.0mg/cm2の範囲で転写紙上にトナー量の異なる数種類のベタ画像を作成し、それらの画像濃度を「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定し、転写紙上のトナー量と画像濃度の関係を求めた後、特に転写紙上のトナー量が0.5mg/cm2の場合に対応する画像濃度をもって相対的に着色力を評価した。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.35以上1.40未満
C:画像濃度が1.20以上1.35未満
D:画像濃度が1.20未満
<画像カブリ>
上記評価機を用い、耐久試験を行うことによりトナーの耐久性を評価した。耐久試験の条件は、高温高湿環境(30℃,80%RH;H/H)の環境下において、印字比率が2%のオリジナル画像を1日に3000枚のプリントアウトを行い、4日間で合計12000枚の出力を行った。
なお、評価のタイミングは1000枚おきと、各評価日の最初の1枚目においてべた白画像を出力して、下記評価基準により行った。
「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)を用いて、標準紙とプリントアウト画像の白地部分の反射率を測定して、下記式によりカブリ(反射率;%)を算出した。フィルターは、ブルーフィルターを装着して測定した。評価基準は耐久を通しての最悪値を以下の基準により判断した。
A:非常に良好:1.0%未満
B:良好:1.0%以上2.0%未満
C:実用上問題なし:2.0%以上3.0%未満
D:実用上問題あり:3.0%以上
カブリ(反射率[%])=(標準紙の反射率[%])−(サンプルの反射率[%])
<定着性評価(低温定着性)>
こすり試験(低温定着性)
トナーが充填されたプロセスカートリッジを常温常湿環境下(23℃/50%RH)にて48時間放置する。その後、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力する。転写紙上のトナー乗り量は、0.45(mg/cm2)とし、定着開始温度を評価した。転写紙は、Fox River Bond(90g/m2)を使用した。定着器は、LBP−5400(キヤノン製)の定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。また、外部定着器は、定着温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを240mm/secの定着条件で測定した。
なお、定着開始の判断は、定着画像(低温オフセットした画像も含む)を50g/cm2の荷重をかけシルボン紙〔Lenz Cleaning Paper“dasper(R)”(Ozu Paper Co.Ltd)〕で擦り、擦り前後の濃度低下率が20%未満になる温度を定着開始点と定義した。以下に判定基準を示す。
A:定着開始点が160℃以下
B:定着開始点が160℃を超えて170℃以下
C:定着開始点が170℃を超えて190℃以下
D:定着開始点が190℃を超える
<トナーの造粒性>
トナー粒子の造粒性は、重合反応終了後のトナー懸濁液を用いて、コールターカウンターで測定されたD50重量/D50個数により調べた。
造粒性判定基準(D50重量/D50個数)
A:1.20未満:非常に粒度分布がシャープであり好ましい。
B:1.20以上1.25未満:粒度分布がシャープであり好ましい。
C:1.25以上1.30未満:粒度分布は、若干ブロード気味であるが、製品としては問題ないレベル。
D:1.30以上。粒度分布は、ブロードであり、製品としては問題なレベル。
<トナーの保存安定性評価>
トナーの保存安定性評価は、10gのトナーを100mlのポリカップに量り取り50℃の恒温層の中へ3日間放置した後、200メッシュ(目開き)の篩性により評価した。測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
測定法としては、セットした200メッシュふるい(目開き75μm)上に評価用のトナーのせ、デジタル振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように調整し、30秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残ったトナーの凝集塊の状態から保存安定性を評価した。
A:メッシュ上のトナー残量が1.0g未満であり、流動性に優れている
B:メッシュ上のトナー残量が1.0g以上1.8g未満であり、凝集塊があっても容易にほぐれる
C:メッシュ上のトナー残量が1.8g以上2.5g未満であり、凝集塊があっても何とかほぐれる
D:メッシュ上のトナー残量が2.5g以上または、凝集塊がありほぐすことが難しい
<吸着性評価/カーボンブラックに対する水酸基含有スチレン系樹脂の吸着性の間接評価)>
50ccのガラス瓶に1mmガラスビーズ20g、スチレンモノマー24g、各実施例、比較例で使用するカーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂をそれぞれ、2g、1gを添加し、ペイントシェーカー(東洋精機社製)で4hr振とうし、分散液を得た。
その分散液のグロス(光沢度)を測定を行い、グロスの高いもの程、カーボンブランクに対して、水酸基含有スチレン系樹脂が吸着しやすく分散性を高めるとし、吸着性の間接的な判断指標とした。グロスは、スーパーアート紙<金藤180kg80×160(セイブンドー社製)上部に直線上に塗布した後、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗布する。十分に乾燥させた後、平滑なガラス板の上に塗布試料を置いて測定した。測定にあたっては、HORIBA社製のGLOSS CHECKER IG320を用いて3点測定し、その平均値をグロス(光沢度)とした。
A:グロス70以上:吸着性が非常に良好
B:グロス50以上70未満:吸着性が良好
C:グロス40以上50未満:吸着性がやや劣る
D:グロス40未満:吸着性が悪い
〔実施例2〜22〕
カーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂、スルホン酸系官能基を有する重合体を表4に示すように変更する以外は、実施例1と同様の方法でトナー2〜22を作製した。評価結果を表4に示す。
〔実施例23〕
ポリエステル樹脂1を5.0部を樹脂含有単量体に追添加すること以外は、実施例4と同様の方法でトナー23を作製した。評価結果を表4に示す。
〔実施例24〕
該着色剤分散液と該樹脂顔料単量体を混合して調製液を得た後、該調製液を60℃に加温し、次いで、プロペラ式撹拌装置ではなく、該調製液を前述の図1〜6に示すような装置にて分散・混合を行うこと以外は、実施例4以外は、実施例4と同様の方法でトナー24を作製した。なお、図4における回転子225の周速G(m/s)は40(m/s)とした。評価結果を表4に示す。
〔比較例1〜4〕
カーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂、スルホン酸系官能基を有する重合体を表4に示すように変更する以外は、トナー製造例1と同様の方法でトナー25〜28を作製した。評価結果を表4に示す。
〔比較例5〕
水酸基含有スチレン系樹脂を使用しないこと以外は、実施例23と同様にしてトナー29を作製した。評価結果を表4に示す。
〔比較例6〕
水酸基含有スチレン系樹脂を使用しないこと、ポリエステル樹脂1を15.0部使用すること以外は、実施例23と同様にしてトナー30を作製した。評価結果を表4に示す。
Figure 0006100104
201 モーター、202 ケーシング、208 ホールディングタンク、209 圧力計、210 循環ポンプ、211 熱交換器、212 温度計、213 撹拌モーター、215 冷却水排出口、221 固定子、222 固定子突起、223 固定子円周溝、224 固定子突起間スリット、225 回転子、226 回転子円周溝、227 回転子突起間スリット、228 回転子突起、229 処理液入口、230 駆動軸

Claims (9)

  1. 重合性単量体、カーボンブラックおよび水酸基含有スチレン系樹脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することによりトナー粒子を生成する工程を有するブラックトナーの製造方法であって、
    該カーボンブラックの灰分含有量が、0.29質量%以下であり、
    該水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)が、7.5以上25以下である
    ことを特徴とするブラックトナーの製造方法。
  2. 前記カーボンブラックのDBP吸油量が、30〜50ml/100gの範囲内である請求項1に記載のブラックトナーの製造方法。
  3. 前記水酸基含有スチレン系樹脂の酸価(mgKOH/g)が、5以上25以下である請求項1または2に記載のブラックトナーの製造方法。
  4. 前記ブラックトナーが、スルホン酸系官能基を有する重合体を含有するものであり、前記重合体を水へ抽出した際の水への抽出量が、2000ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
  5. 前記カーボンブラックの灰分量が、0.15質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
  6. 水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価をAとし、酸価をBとした場合、酸価と水酸基価の割合A/Bが、0.3≦A/B≦3.0の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
  7. 前記カーボンブラックが、その生成時にアルカリ金属含有化合物が添加されたファーネス法によって製造されたカーボンブラックである請求項1〜6のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
  8. 前記アルカリ金属化合物が、炭酸カリウムを含有する請求項7に記載のブラックトナーの製造方法。
  9. 前記重合性単量体組成物を前記水系媒体中に加える前に、複数のスリットを具備するリング状の突起が同心円上に多段に形成された回転子と同様の形状の固定子が一定間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置された撹拌装置を用いて、前記重合性単量体組成物を処理し、その後に前記重合性単量体組成物を前記水系媒体中に加える請求項1〜8のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
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