JP6100104B2 - ブラックトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
該カーボンブラックの灰分含有量が、0.29質量%以下であり、
該水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)が、7.5以上25以下である
ことを特徴とするブラックトナーの製造方法である。
カーボンブラックの灰分灰分含有量は以下の手順で求める。予め秤量した15mlの磁性るつぼに約3gのカーボンブラックを入れる。るつぼを卓上マッフル炉KDF−S80(デンケン社製)に入れ、約750℃で約6時間加熱し、マッフル炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより灰分含有量を算出した。
20ccのガラス瓶にイオン交換水9ml、カーボンブラック1g添加し、1分間激しく振とうし、カーボンブラック分散液を得た。その後、市販のpH計を用いて、カーボンブラック分散液を測定し、そのpH値をカーボンブラックのpHとした。
JIS K6217−4に準拠した方法でカーボンブラックのDBP吸油量を測定した。DBP吸油量の単位は「ml/100g」である。
クライオミクロトーム(Leica社製 ULTRACUT UCT)装置に水溶性樹脂に分散したトナーを入れた。液体窒素により該装置を−80℃まで冷却し、トナー粒子が分散された水溶性樹脂を凍結した。凍結された水溶性樹脂を、ガラスナイフにより切削面形状が約0.1ミリ幅、約0.2ミリ長になるようにトリミングした。次にダイヤモンドナイフを用いて、水溶性樹脂を含むトナーの超薄切片(厚み設定:70nm)を作製し、まつげプローブを用いてTEM観察用グリッドメッシュ上に移動した。水溶性樹脂を含むトナー粒子の超薄切片を室温に戻した後、水溶性樹脂を純水に溶解させて透過型電子顕微鏡(TEM)の観察試料とした。該試料は、日立社製透過型電子顕微鏡H−7500を用い、加速電圧100kVにて観察し、トナーの断面の拡大写真を撮影した。トナーの断面は任意に選んだ。また、拡大写真の倍率は10000倍とした。上記写真撮影により得られたTEM画像は、画像解析ソフトImage−ProPlus(Media Cybernetics社製)を用いて、2値の画像データに変換した。そのうち、カーボンブラック粒子についてのみ無作為に解析を行った。カーボンブラックの平均一次粒子径は、一次粒子100個を無作為に選択し、その個数平均を平均一次粒子径とした。
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(JIS水酸基価)は、以下の方法により求める。水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の水酸基価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスなどに触れないように、褐色瓶にて保存する。フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5mol/L塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5mol/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(A)本試験
粉砕した樹脂1.0gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mLをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
結着樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[{(B−C)×28.05×f}/S]+D
本発明において、水酸基含有スチレン系樹脂の酸価(mgKOH/g)はJIS K 0070−1992に基づいて以下の方法で測定する。
200mlビーカーにサンプル1.0gを精秤し、スターラーで撹拌しながらトルエン120mlに溶解し、さらにエタノール30mlを加える。なお、精秤したサンプルの重さをW(g)とする。
装置としては例えば、電位差自動滴定装置AT−400WIN(京都電子工業株式会社製)を用いる。装置の設定は、有機溶剤に溶解する試料を対象とする。使用するガラス電極と比較電極は、有機溶剤対応のものを使用する。pHガラス電極は、例えば商品コード#100−H112(京都電子工業株式会社製)を用いる。なお、先端は乾燥させてはいけない。コルク型比較電極は、商品コード#100−R115(京都電子工業株式会社製)を用いる。なお、先端は乾燥させてはいけない。内部液が内部液補充口まで満たされているかを確認する。内部液は3.3M KCl溶液を使用する。
上記調整した試料を上記装置のオートサンプラーにセットし、上記電極を試料溶液中に浸す。次に、滴定液(1/10N KOH(エタノール溶液))を試料溶液上にセットし、0.05mLずつ自動間欠滴定で滴下させ酸価を算出する。この時のKOH溶液の使用量をS(mL)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(mL)とする。得られた結果から次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
50ccポリ瓶にイオン交換水38g、スルホン酸系官能基を有する重合体を2g添加し、MK201D(ヤマト科学社製)を用いて6hr振とうした。予め質量を測定した濾紙を用いて分散液を濾別した後にイオン交換水10gで洗浄・濾過し、濾紙および重合体を40℃で6hr真空乾燥を行い、乾燥後の濾紙および重合体の質量から予め測定した濾紙の質量を引いて、水抽出後の重合体の質量をW1(g)とした。水への抽出量は、単位はppmとし、下記式で算出した。
水への抽出量(ppm)={(2−W1)/2}×1000000
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの平均粒径および粒度分布はコールターカウンターTA−III型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)など種々の方法で測定可能である。本発明においてはコールターカウンターTA−III型(コールター社製)を用い、個数分布および重量分布を算出する。トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。また、トナー粒子の造粒性を確認する際には、懸濁重合法の場合は、重合反応終了後のトナー粒子懸濁液を少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/重量統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
測定サンプルとTHFとを5mg/mlの濃度で混合し、室温にて5時間放置した後、充分に振とうしTHFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、さらに室温にて24時間静置する。その後、サンプル処理フィルター(マイショリディスクH−25−2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製)を通過させたものをGPCの試料とする。調製された試料の分子量分布およびMwは、GPC測定装置(HLC−8120G PC 東ソー社製)を用い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の測定条件で測定する。
装置:高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
本発明におけるトナーのガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、トナー約10mgを精秤し、樹脂の場合は、約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いる。トナーの場合、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、トナーのガラス転移温度Tgとする。
カーボンブラック1は、市販のPRINTEX35(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック1の物性を表1に示す。
カーボンブラック2は、カーボンブラック1をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水2Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック2を得た。カーボンブラック2の物性を表1に示す。
カーボンブラック3は、カーボンブラック2をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水50Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック3を得た。カーボンブラック3の物性を表1に示す。
カーボンブラック4は、カーボンブラック3をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水50Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック4を得た。カーボンブラック4の物性を表1に示す。
カーボンブラック5は、カーボンブラック4をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水100Lで洗浄、濾別し灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック5を得た。カーボンブラック5の物性を表1に示す。
カーボンブラック6は、カーボンブラックの製造工程時に、燃焼条件、アルカリ金属塩類の添加量を調整し、カーボンブラックを製造した後に、カーボンブラックをイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水100Lで洗浄、濾別した。得られたカーボンブラックを再度リスラリーし、分散、イオン交換水100Lで洗浄、濾別を行いカーボンブラックを得た。さらに、リスラリー、分散、イオン交換水100Lで洗浄、濾別を再び繰り返し、灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック6を得た。カーボンブラック6の物性を表1に示す。
カーボンブラック7は、市販のPRINTEX45(オリオンエンジニアドカーボンズ社製);灰分含有量0.3質量%を洗浄することで得た。PRINTEX45をイオン交換水1500mlに200g添加し、ディスパー翼で6hr分散させた後に、加圧濾過機を用いて濾別した。その後、イオン交換水50Lで洗浄、濾別した。得られたカーボンブラックを再度リスラリーし、分散、イオン交換水50Lで洗浄、濾別を行いカーボンブラックを得た。さらに、リスラリー、分散、イオン交換水50Lで洗浄、濾別を再び繰り返し、灰分量の低減を行った。洗浄、濾別後、40℃24hr乾燥を行った後に、コーヒーミルを使用して粉砕した後に、再度100℃で5hr乾燥を行い、カーボンブラック7を得た。カーボンブラック7の物性を表1に示す。
カーボンブラック8は、市販のPRINTEX L(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック8の物性を表1に示す。
カーボンブラック9は、市販のSpecial Black350(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック9の物性を表1に示す。
カーボンブラック10は、市販のPRINTEX75(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック10の物性を表1に示す。
カーボンブラック11は、市販のPRINTEX85(オリオンエンジニアドカーボンズ社製)を使用した。カーボンブラック11の物性を表1に示す。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中にキシレン(沸点144℃)300部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。この還流下で、
・スチレン 91.2部
・メチルメタクリレート 2.5部
・メタクリル酸 2.5部
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート 3.8部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 2.00部
の混合液を添加した後、反応時圧力を0.150MPaで重合温度を170℃にて重合を5時間行った。その後、減圧下にて脱溶剤工程を3時間行い、キシレンを除去して、粉砕することで、水酸基含有スチレン系樹脂1を得た。水酸基含有スチレン系樹脂1の物性を表2に示す。
水酸基含有スチレン系樹脂1の製造例において、モノマー組成、重合開始剤の量、反応温度を適宜調整し、水酸基含有スチレン系樹脂1の製造例と同様にして水酸基含有スチレン系樹脂2〜12を合成した。水酸基含有スチレン系樹脂2〜12の物性を表2に示す。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレーブ中に
・テレフタル酸 24.00部
・イソフタル酸 24.00部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 115.20部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物 12.80部
・シュウ酸チタンカリウム(触媒) 0.035部
上記ポリエステルモノマーおよび触媒を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下220℃で20時間反応を行い、さらに10〜20mmHgの減圧下で1時間反応させた。その後、170℃に降温し、無水トリメリット酸を0.15部添加して、170℃で1.0時間反応させ、降温後粉砕し、ポリエステル樹脂1を得た。ポリエステル樹脂1の性状を表2に示す。
還流管、撹拌機、温度計、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250部、2−ブタノン150部および2−プロパノール100部を加えた。さらに、モノマーとしてスチレン89.1部、アクリル酸2−エチルヘキシル5部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸5.9部を添加し、撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.30部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を50分かけて滴下して5時間撹拌を継続した。さらに、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート0.15部を2−ブタノン20部で希釈した溶液を30分かけて滴下して、その後5時間撹拌して重合を終了し重合溶液S1を得た。
濾別操作の回数を表3のように変更する以外は、スルホン酸系官能基を有する重合体1の製造例と同様の方法で重合体を製造した。スルホン酸系官能基を有する重合体2〜4の性状を表3に示す。
下記の方法により懸濁重合トナーを製造した。
60℃に加温したイオン交換水900部にリン酸三カルシウム2.3部を添加し、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて12,000rpmにて撹拌し、水系媒体を得た。また、下記の材料をプロペラ式撹拌装置にて100r/minで均一に溶解混合して樹脂含有単量体を調製した。
・スチレン 40部
・n−ブチルアクリレート 30部
・フィッシャートロプシュワックスHNP−51:最大吸熱ピーク=78.0℃
10.0部
・水酸基含有スチレン系樹脂1 15部
・スチレン 30部
・カーボンブラック1 6.0部
・帯電制御剤ボントロンE−88(オリエント化学社製) 5.0部
・スルホン酸系官能基を有する重合体1 1.0部
次に、該着色剤分散液と該樹脂顔料単量体を混合して調製液を得た後、該調製液を60℃に加温し、プロペラ式撹拌装置150r/minで40min撹拌した。次いで、該調製液に重合開始剤1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液を12部添加した。重合開始剤添加5分経過後に、60℃に加温した水系媒体に該調製液を投入し、クレアミックスを12000rpmで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら70℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに5時間反応させた。重合終了後、液温を約30℃に降温し、希塩酸を加えて水系媒体のpHを2.0以下として難水溶性分散剤を溶解した。さらに洗浄、乾燥を行ってトナー粒子を得た。この得られたトナー粒子100部に対し、1.5部のシリカ粒子(RY200:日本アエロジル社製)とジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体0.2部(平均一次粒径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、トナー1を得た。トナー1に対して、下記の評価方法に従い評価を行った。評価結果を表4に示す。
画像形成装置としては市販のレーザービームプリンターであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、以下特に断りの無い限り、温度23℃、相対湿度50%の環境下において、評価紙として坪量が75g/m2のbusiness4200(Xerox社製)を用いて行った。
0.1mg/cm2から1.0mg/cm2の範囲で転写紙上にトナー量の異なる数種類のベタ画像を作成し、それらの画像濃度を「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定し、転写紙上のトナー量と画像濃度の関係を求めた後、特に転写紙上のトナー量が0.5mg/cm2の場合に対応する画像濃度をもって相対的に着色力を評価した。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.35以上1.40未満
C:画像濃度が1.20以上1.35未満
D:画像濃度が1.20未満
上記評価機を用い、耐久試験を行うことによりトナーの耐久性を評価した。耐久試験の条件は、高温高湿環境(30℃,80%RH;H/H)の環境下において、印字比率が2%のオリジナル画像を1日に3000枚のプリントアウトを行い、4日間で合計12000枚の出力を行った。
A:非常に良好:1.0%未満
B:良好:1.0%以上2.0%未満
C:実用上問題なし:2.0%以上3.0%未満
D:実用上問題あり:3.0%以上
カブリ(反射率[%])=(標準紙の反射率[%])−(サンプルの反射率[%])
こすり試験(低温定着性)
トナーが充填されたプロセスカートリッジを常温常湿環境下(23℃/50%RH)にて48時間放置する。その後、10mm×10mmの四角画像が転写紙全体に均等に9ポイント配列された画像パターンの未定着画像を出力する。転写紙上のトナー乗り量は、0.45(mg/cm2)とし、定着開始温度を評価した。転写紙は、Fox River Bond(90g/m2)を使用した。定着器は、LBP−5400(キヤノン製)の定着器を外部へ取り外し、レーザービームプリンター外でも動作するようにした外部定着器を用いた。また、外部定着器は、定着温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを240mm/secの定着条件で測定した。
A:定着開始点が160℃以下
B:定着開始点が160℃を超えて170℃以下
C:定着開始点が170℃を超えて190℃以下
D:定着開始点が190℃を超える
トナー粒子の造粒性は、重合反応終了後のトナー懸濁液を用いて、コールターカウンターで測定されたD50重量/D50個数により調べた。
A:1.20未満:非常に粒度分布がシャープであり好ましい。
B:1.20以上1.25未満:粒度分布がシャープであり好ましい。
C:1.25以上1.30未満:粒度分布は、若干ブロード気味であるが、製品としては問題ないレベル。
D:1.30以上。粒度分布は、ブロードであり、製品としては問題なレベル。
トナーの保存安定性評価は、10gのトナーを100mlのポリカップに量り取り50℃の恒温層の中へ3日間放置した後、200メッシュ(目開き)の篩性により評価した。測定装置としては、デジタル振動計(DEGITAL VIBLATIONMETERMODEL 1332 SHOWA SOKKI CORPORATION製)を有するパウダーテスター(細川ミクロン社製)を用いた。
A:メッシュ上のトナー残量が1.0g未満であり、流動性に優れている
B:メッシュ上のトナー残量が1.0g以上1.8g未満であり、凝集塊があっても容易にほぐれる
C:メッシュ上のトナー残量が1.8g以上2.5g未満であり、凝集塊があっても何とかほぐれる
D:メッシュ上のトナー残量が2.5g以上または、凝集塊がありほぐすことが難しい
50ccのガラス瓶に1mmガラスビーズ20g、スチレンモノマー24g、各実施例、比較例で使用するカーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂をそれぞれ、2g、1gを添加し、ペイントシェーカー(東洋精機社製)で4hr振とうし、分散液を得た。
A:グロス70以上:吸着性が非常に良好
B:グロス50以上70未満:吸着性が良好
C:グロス40以上50未満:吸着性がやや劣る
D:グロス40未満:吸着性が悪い
カーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂、スルホン酸系官能基を有する重合体を表4に示すように変更する以外は、実施例1と同様の方法でトナー2〜22を作製した。評価結果を表4に示す。
ポリエステル樹脂1を5.0部を樹脂含有単量体に追添加すること以外は、実施例4と同様の方法でトナー23を作製した。評価結果を表4に示す。
該着色剤分散液と該樹脂顔料単量体を混合して調製液を得た後、該調製液を60℃に加温し、次いで、プロペラ式撹拌装置ではなく、該調製液を前述の図1〜6に示すような装置にて分散・混合を行うこと以外は、実施例4以外は、実施例4と同様の方法でトナー24を作製した。なお、図4における回転子225の周速G(m/s)は40(m/s)とした。評価結果を表4に示す。
カーボンブラック、水酸基含有スチレン系樹脂、スルホン酸系官能基を有する重合体を表4に示すように変更する以外は、トナー製造例1と同様の方法でトナー25〜28を作製した。評価結果を表4に示す。
水酸基含有スチレン系樹脂を使用しないこと以外は、実施例23と同様にしてトナー29を作製した。評価結果を表4に示す。
水酸基含有スチレン系樹脂を使用しないこと、ポリエステル樹脂1を15.0部使用すること以外は、実施例23と同様にしてトナー30を作製した。評価結果を表4に示す。
Claims (9)
- 重合性単量体、カーボンブラックおよび水酸基含有スチレン系樹脂を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物の粒子を形成し、該粒子に含まれる該重合性単量体を重合することによりトナー粒子を生成する工程を有するブラックトナーの製造方法であって、
該カーボンブラックの灰分含有量が、0.29質量%以下であり、
該水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価(mgKOH/g)が、7.5以上25以下である
ことを特徴とするブラックトナーの製造方法。 - 前記カーボンブラックのDBP吸油量が、30〜50ml/100gの範囲内である請求項1に記載のブラックトナーの製造方法。
- 前記水酸基含有スチレン系樹脂の酸価(mgKOH/g)が、5以上25以下である請求項1または2に記載のブラックトナーの製造方法。
- 前記ブラックトナーが、スルホン酸系官能基を有する重合体を含有するものであり、前記重合体を水へ抽出した際の水への抽出量が、2000ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
- 前記カーボンブラックの灰分量が、0.15質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
- 水酸基含有スチレン系樹脂の水酸基価をAとし、酸価をBとした場合、酸価と水酸基価の割合A/Bが、0.3≦A/B≦3.0の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
- 前記カーボンブラックが、その生成時にアルカリ金属含有化合物が添加されたファーネス法によって製造されたカーボンブラックである請求項1〜6のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
- 前記アルカリ金属化合物が、炭酸カリウムを含有する請求項7に記載のブラックトナーの製造方法。
- 前記重合性単量体組成物を前記水系媒体中に加える前に、複数のスリットを具備するリング状の突起が同心円上に多段に形成された回転子と同様の形状の固定子が一定間隔を保ち、相互に噛み合うように同軸上に設置された撹拌装置を用いて、前記重合性単量体組成物を処理し、その後に前記重合性単量体組成物を前記水系媒体中に加える請求項1〜8のいずれか1項に記載のブラックトナーの製造方法。
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