JP2018045069A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、近年では、消費電力の低減化、複写速度及び印字速度の高速化に対応した、低い定着温度でも定着性が良好で、耐久性に優れたトナーが求められている。
また、解砕を行いながら乾燥を行うことにより乾燥効率の向上とトナー粒子への乾燥履歴を均一化する方法も提案されている。(特許文献2,3)
特許文献1に記載の方法では、濾過工程後のトナーケーキを解砕又は、予備乾燥することにより、乾燥前のトナーケーキの粒径を小粒径化し乾燥を行うことで、トナー粒子への乾燥履歴の均一化が向上するものと予想される。一方でトナーケーキを解砕又は予備乾燥した後、一旦、タンク中に保持した後、原料供給機により乾燥工程に定量供給をおこなっている。乾燥工程へ原料を定量的に供給することは、トナー粒子への乾燥履歴を均一化するためには、必要であるが、解砕又は予備乾燥したトナー粒子は、水分を含有しているため、タンク内部で水分架橋により容易に再凝集してしまう。また、再凝集の傾向は、トナー粒子の含水率やタンク内部における保持時間や撹拌状態により大きく変動してしまうことが予想され、乾燥工程に供給されるトナーケーキの粒径は不均一になるものと予想され、トナー品質を低下させることが予想される。
該トナーケーキを解砕して湿潤トナー粒子を得る解砕工程;及び
該湿潤トナー粒子を気流に供給し、気体と並流に送りながら連続的に乾燥させる乾燥工程;を含むトナー粒子の製造方法であって、
該解砕工程において得られた該湿潤トナー粒子は、直接、気流の中に投入されるトナー粒子の製造方法が提供される。
本発明が好適に適用するトナーの製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合法、さらには別途重縮合したポリエステル等を用いる溶解懸濁法等があるが、湿式で造粒するトナー粒子の製造方法であれば、その他各種重合法トナーの製造が適用できる。
トナーケーキがベルトフィルタ8に供給され、湿潤トナー粒子が供給機4に貯蔵され、湿潤トナー粒子が解砕装置5にて解砕された後に、気流式乾燥機3に供給される。また、吹込みブロワ1から熱交換器2を経て気流が気流式乾燥機3に供給される。解砕された湿潤トナー粒子は、気流式乾燥機3に供給され、気体と並流に送られながら連続的に乾燥され、サイクロン6、バグフィルタ7にて捕集される。
ロータ11は、図示しない駆動手段によってロータ軸13を回転中心として回転させられる。
スクリーン12は、複数の孔を有し、ロータ11の下方に配置されている。
かかる解砕装置5においては、解砕されて、スクリーン12の孔を通過可能な粒子径となった湿潤トナー粒子のみが次工程へ送られるため、湿潤トナー粒子径分布が、均一になるため好ましい。解砕装置の種類は限定しないが、具体的にはランデルミル((株)徳寿工作所製)、ニブラー(ホソカワミクロン製)、ハンマーミル((株)アーステクニカ製)、オシュロビット((株)アーステクニカ製)などが挙げられる。
上記の問題を解決するために、本発明においては、解砕工程にて解砕された湿潤トナー粒子は、図1に示すように、解砕後、貯蔵されたり、また他の工程を経て何らかの処理をされたりすることなく、直接、気流の中に投入されて乾燥される。
0.5×10−3≦A≦4.0×10−3
凝集径Aが、4.0×10−3以下の場合、解砕された湿潤トナー粒子が、一次粒子にほぐれるまでに時間がかかり過ぎたりせず、乾燥機の内部における滞留時間が増加せず、トナー粒子の表面への離型剤や結晶性樹脂等の結晶性成分の染み出しを抑制することが容易であるため好ましい。
1.0≦B≦4.0
2.0×10−3≦C≦8.0×10−3、かつ
C≦1.0×10−3B+4.0×10−3
解砕後の湿潤トナー粒子の凝集径は、日本レーザ社製でレーザー解析式の粒度分布測定装置(VisiSizer)を用いて測定を行い、湿潤トナー粒子の凝集径の体積基準の50%平均粒径:Dv50と粒度分布の標準偏差:SDの測定を行った。
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のもの又は多官能性のものを使用することができる。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料又は染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。
<離型剤>
本発明で好ましく用いられる結晶性成分としては、以下の離型剤が挙げられる。離型剤は室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどのポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスの含有量は重合性単量体100質量部に対して1〜40質量部、より好ましくは4〜30質量部が好ましい。
結晶性ポリエステルの融点は55乃至85℃であることが必要である。融点が55℃以上であることにより、実用上問題のない耐熱保存性が得られ、85℃以下であることにより低温定着性の向上効果が得られやすくなる。好ましくは60乃至80℃以下である。
結晶性ポリエステルの酸価は4.0mg/gKOH以下、水酸基価は7.0mg/gKOH以下である必要がある。これにより帯電性の悪化が抑制され、カブリの発生が抑えられる。好ましくは、酸価は2.0mg/gKOH以下、水酸基価は4.0mg/gKOH以下である。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタジエングリコール等が挙げられる。
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
これらの荷電制御剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対して0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部である。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
重合開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部が添加される。
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート。
本発明で用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば以下のものが挙げられる。スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体。
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加したときの耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物;窒化ケイ素などの窒化物;炭化物炭化ケイ素などの炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましい。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50〜200Am2/kg、残留磁化(σr)2〜20Am2/kgのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業(株)製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電したりする方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブの上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
これらキャリアの体積基準の50%平均粒径は10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
本発明で用いた測定方法について以下に述べる。
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出した。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いた。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いた。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行った。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
4)前記2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
6)サンプルスタンド内に設置した前記1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。専用ソフトで、グラフ/体積%と設定したときの「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、グラフ/個数%と設定したときの「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
トナーの濡れ性、すなわち疎水特性は、下記のようにして得たメタノール滴下透過率曲線から求めた。
まず、RO水60mLを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行った。
次いで、トナーを目開き150μmのメッシュで振るい、メッシュを通ったトナー0.1gを精秤して、上記RO水が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製した。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを0.8mL/分の滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、図4に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成した。
作成したメタノール滴下透過率曲線より、透過率が50%時点におけるメタノール濃度を算出し、この値を、トナー粒子の表面における離型剤や結晶性樹脂等の結晶性成分の染み出し指標=濡れ性とした。すなわち、離型剤や結晶性樹脂等の結晶性成分のトナー粒子の表面への染み出しが多いほど、メタノール濃度は、大きい値を示すこととなる。
画像評価は、市販のカラーレーザープリンタ[ HP Color LaserJet3525dn]を一部改造して評価を行った。改造は一色のプロセスカートリッジだけの装着でも作動するよう改良した。また、定着器を任意の温度に変更できるように改造した。このカラーレーザープリンタに搭載されていたブラックトナー用のプロセスカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した。その後、プロセスカートリッジに各実施例、比較例のトナー(300g)を導入し、トナーを詰め替えたプロセスカートリッジをカラーレーザープリンタに装着し、以下の画像評価を行った。具体的な画像評価項目は下記のとおりである。
常温常湿環境下(温度23℃/相対湿度60%)、及び、高温高湿環境下(温度30℃/相対湿度85%)において、横線で1%の印字率の画像を25,000枚プリントアウトした。その後、LETTERサイズのXEROX 4200用紙(XEROX社製、75g/m2)にハーフトーン(トナーの載り量:0.6mg/cm2)の画像をプリントアウトし、現像スジの評価をした。
(評価基準)
A:現像スジが未発生であった。
B:現像スジが1カ所以上3カ所以下発生した。
C:現像スジが4カ所以上6カ所以下発生した。
D:現像スジが7カ所以上発生、あるいは、幅0.5mm以上発生した。
(水系媒体の調製)
イオン交換水380質量部に、Na3PO4:5.3質量部、10%塩酸2.1質量部を添加し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、130s−1にて撹拌しながら、60℃に加温した。これにイオン交換水:32質量部にCaCl2:3.1質量部を溶解させた水溶液を添加し、30分間撹拌と温調を継続し、微少な難水溶性分散剤Ca3(PO4)2を含む水系媒体を調製した。
下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて5.0s-1で溶解して溶解液を調製した。
・スチレン 70.0質量部
・n−ブチルアクリレート 30.0質量部
・ポリエステル樹脂 5.0質量部
(テレフタル酸:イソフタル酸:プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物):エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)=30:30:30:10(質量比)の重縮合物、酸価11mgKOH/g、Tg=74℃、Mw(重量平均分子量)=11,000、Mn(数平均分子量)=4,000)
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15.0部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル=91.7/3.3/2.5/2.5、Mp=20,000、Mn=8,000、Mw=15,200、Mw/Mn=1.9、Tg=92.0℃、酸価=20.0mgKOH/g、水酸基価=10.0mgKOH/g)
・着色剤 C.I.Pigment Blue 15:3 7.0質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE−88,オリエント化学工業(株)製) 2.0質量部
・結晶性成分:融点が67℃のマイクロクリスタリンワックス(Hi-Mic-2045,日本精蝋(株)製)
15.0質量部
上記混合液を温度60℃に加温した後にT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)にて、100s-1にて攪拌し、溶解、分散した。
これに重合開始剤・パーヘキシルPV(10時間半減期温度53.2℃(日油(株)製))10.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃にてハイシェアミキサー(IKA製)を用いて150s-1で20分間攪拌し、重合性単量体組成物の分散液を得た。
造粒工程終了後、重合性単量体組成物の分散液を、60℃で温調を行っている、重合タンクに移送した。分散液受入後、撹拌を開始するとともに、重合性単量体組成物の分散液を70℃に昇温させた。昇温後、70℃で5時間反応させた後、80℃まで昇温し、さらに1時間反応を行い、トナー粒子を製造した。
重合終了時のサンプルの粒度測定コールタにより行った。重量平均径D4が7.1μmであった。
重合反応終了後、トナー分散液を蒸留タンクへ移送した後、蒸留容器内にスチームを吹き込み98℃まで昇温し、蒸留操作を5時間行った。蒸留工程終了後、トナー分散液を98℃から20℃まで、1.0℃/分の速度で冷却し、冷却工程終了後に希塩酸を加えて水系媒体のpHを1.3以下として難水溶性分散剤を溶解した。
難水溶性分散剤を溶解したトナー粒子分散液を水平ベルトフィルタ(月島機械製)にトナーケーキの厚さが15mmとなるように供給し濾過を行い、続いて、分散液の2倍質量の水で洗浄し、更に、洗浄液とトナー粒子とを濾過しトナーケーキ(1)を得た。このトナーケーキ(1)の含水率は25%であった。その後、トナーケーキ(1)を図1中の供給機4に移送した。
続いて図1中の吹込みブロワ1、熱交換器2、バグフィルタ7の運転を開始し、気流式乾燥機3の入口温度が70℃に安定した後、解砕装置5、供給機4の順番に運転を開始し、トナーケーキの解砕及び乾燥を行い、乾燥トナー粒子を得た。解砕装置は、図2に示したランデルミル((株)徳寿製作所製)を使用し、スクリーンの孔径及び形状は、4.0×10−3(m)で円形状のものを取付け、ロータ周速度を2.5(m/秒)に調整して運転を行った。解砕装置の運転条件に関しては、表1に示す。
このときの湿潤トナー粒子凝集径の体積基準の50%平均粒径:Dv50は、1.50×10−3(m)、粒度分布の標準偏差:SDは、2.50であった。また、解砕装置から乾燥機への湿潤トナー粒子の供給性を目視で確認したが、均一に定量されており、良好な状態であった。
上記トナー粒子100.0質量部に対して、下記の外添剤1.5質量部を、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製)を用いて、撹拌速度3,000rpmで15分間混合して、トナー1を得た。
外添剤:シリカ微粉体に対して20質量%のジメチルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカ微粉体(1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/g)
続いてトナー1に関して、市販のカラーレーザープリンタ[ HP Color LaserJet3525dn]を一部改造して画像評価を行った。結果を表2に示す。
一連の試作後、解砕装置を分解し、スクリーン上へのトナー融着具合を確認したが、全く融着は発生しておらず良好な状態であった。結果を表2に示す。
トナー1の製造例において、解砕装置5のロータ周速度Bとスクリーン孔径Cを表1に記載したものに変更した以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー2〜13を得た。
解砕工程後の湿潤トナー粒子凝集径の体積基準の50%平均粒径:Dv50と標準偏差:SDを表2に記載した。また、解砕工程時、スクリーン詰まりに関しては、解砕工程より排出される湿潤トナー粒子が、一定供給されているか目視により確認を行った。更には、解砕工程終了後、解砕装置を分解しスクリーンへのトナー融着の状況を確認した。結果を表2に示す。
トナー1の製造例において、解砕装置5をランデルミル((株)徳寿製作所製)からスーパーミル((株)アーステクニカ製)に交換し、スクリーンを使用しなかった以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー14を得た。解砕時のロータ周速度は、2.5m/秒に調整した。解砕装置の運転条件に関しては、表1に示す。
解砕工程後の湿潤トナー粒子凝集径の体積基準の50%平均粒径:Dv50と標準偏差:SDを表2に記載した。また、解砕工程時、スクリーン詰まりに関しては、解砕工程より排出される湿潤トナー粒子が、一定供給されているか目視により確認を行った。更には、解砕工程終了後、解砕装置を分解しスクリーンへのトナー融着の状況を確認した。結果を表2に示す。
(トナー15の製造例)
トナー1の製造例において、製造フローを図1に示すものから図3に示すものへと変更した以外はトナー1の製造例と同様にしてトナー15を得た。具体的には、解砕装置5により湿潤トナー粒子を得た後、一旦、供給機4に湿潤トナー粒子を受け入れ、その後、気流式乾燥機3に湿潤トナー粒子を連続的に供給し乾燥を行った。解砕時のロータ周速度は、2.5m/秒に調整した。
Claims (4)
- 結晶性成分を含有する樹脂粒子を含む分散液あるいはスラリーから分散媒を除去しトナーケーキを得る濾過工程;
該トナーケーキを解砕して湿潤トナー粒子を得る解砕工程;及び
該湿潤トナー粒子を気流に供給し、気体と並流に送りながら連続的に乾燥させる乾燥工程;を含むトナー粒子の製造方法であって、
該解砕工程において得られた該湿潤トナー粒子は、直接、気流の中に投入されることを特徴とするトナー粒子の製造方法。 - 該解砕装置は、駆動手段により回転するロータと、該ロータの下方に、複数の孔を有するスクリーンとを具備する解砕装置である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
- 解砕後の湿潤トナー粒子の凝集径(体積基準の50%平均粒径)をA(m)としたとき、Aが下記の式を満たす請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
0.5×10−3≦A≦4.0×10−3 - 該ロータ周速度をB(m/秒)、該解砕装置の孔径をC(m)としたとき、B及びCが下記の各式を満たす請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
1.0≦B≦4.0、
2.0×10−3≦C≦8.0×10−3、かつ
C≦1.0×10−3B+4.0×10−3
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