JP6614913B2 - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は電子写真、静電印刷、磁気記録のような、画像形成方法において静電荷画像を顕像化するためのトナーおよびトナー粒子の製造方法に関する。特に、所望の粒子径外の微小粒子が少なく、現像性に優れたトナー粒子の製造方法に関する。
近年、トナー粒子の製造方法として、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式トナーに関する提案が盛んにおこなわれている。
たとえば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤およびその他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて着色剤含有組成物とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、重合性単量体を重合させて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。
このようにして製造されたトナー粒子は、非常にシャープな粒度分布であることから、高い現像性を実現できるばかりか、高収率であることから生産性の観点からも優れている。
上述したように生成される湿式トナーは非常に優れた製造方法である。しかし、トナー粒子を得る過程でトナー粒子径に比べはるかに小さい粒子(微小粒子)が発生してしまう。微小粒子を含むトナーを電子写真に用いると、カートリッジ内の部材に固着又は融着する。固着又は融着した微小粒子がトナーに混入すると、現像スジやカブリが発生し問題となる。
また、湿式トナーの製造過程でトナー粒子の懸濁液は、ろ過、洗浄、乾燥、外添を経てトナーとなる。微小粒子が含まれたトナー粒子の懸濁液を、ろ過する場合、微小粒子がろ過材に目詰まりしろ過性能を低下させる。また、微小粒子を含むトナー粒子を乾燥させる場合、乾燥機内に微小粒子が融着して装置内に付着してしまう。この付着物が剥離し、トナー中に含まれると現像性を悪化させる。
ろ過材の目詰まりや、装置内への付着は生産安定性を損なうばかりか、その除去に時間を要し生産性を損なってしまう。これらのことから、微小粒子の生成を抑制するトナー粒子の製造方法が求められている。
微小粒子の発生を抑制する手段として、例えば特許文献1では、重合性単量体組成物の分散・造粒に用いるために、リン酸カルシウム塩を分散剤として含有する水系分散媒体を調製する工程において、リン酸イオン含有水溶液にカルシウムイオン含有水溶液を、該リン酸イオン含有水溶液のリン酸イオンモル数の比が0.005〜0.5s-1となる速度で添加するトナー製造方法を開示している。
特許文献2では、分散安定剤となる難水溶性無機化合物微粒子を、2種類の水溶性無機化合物のうちのいずれか一方の無機化合物の水溶液と他方の無機化合物の固形物とを接触させて反応させる重合トナーの製造方法を開示している。
こうした手法は分散剤の性状を良化させることにより、微小粒子の発生を抑制することが出来るが、近年の電子写真の高画質化の要求に対しては限定的であり、更なる微小粒子の低減が要求されている。
特許文献3では、多価金属塩である金属塩Aと、リン酸イオン、リン酸水素イオン、炭酸イオン、及び水酸化物イオンから選ばれる化合物Bを混合し得られる分散安定剤の調整において、化合物Bに対する金属塩Aの化学当量比が、3.2以上であるトナーの製造方法を開示している。
特許文献4では、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に水溶性無機アルミニウム化合物を添加するトナーの製造方法を開示している。
これらの手法では多価金属塩にて微小粒子の発生を抑制するものであるが、前述した水系媒体中の着色剤含有組成物の分散液滴の安定性を損なう場合があり、複数の粒子の合一が発生し、合一したトナー粒子が発生することがある。この合一したトナー粒子を電子写真に用いると、各構成部材との付着力が通常のトナー粒子とは異なるため転写不良が発生するため好ましくない。また、多価金属塩を使用する場いトナーに残存すると少量であってもトナーの帯電性に大きく影響し、カブリ等の画像弊害の原因になってしまう。そのため、洗浄工程にかかる負荷が大きくなり著しく生産性を低下させるため好ましくない。
特開平11−119465号公報 特開2005−134411号公報 特開2007−127678号公報 特開2008−9092号公報
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、懸濁重合法及び溶解懸濁法によるトナー粒子の製造方法であって、微小粒子の発生を抑制し、且つ、トナー粒子の合一を抑制するトナー粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、微小粒子の抑制及びトナー粒子の合一抑制について鋭意検討を行った結果、以下の方法を見出した。
すなわち、合成時に塩化ナトリウムを副生する分散安定剤を、該副生する塩化ナトリウム以外の塩化ナトリウムを含まない水系媒体中で合成し、分散安定剤および副生した塩化ナトリウムを含有する水系媒体を調製する工程(1)と、
該工程(1)で得られた水系媒体に該副生した塩化ナトリウムとは別の塩化ナトリウムを追加する工程(2)と、
該工程(2)で得られた水系媒体に着色剤含有組成物を加え、該水系媒体の中で該着色剤含有組成物の液滴を形成する造粒工程と、
この順に有するトナー粒子の製造方法であって
該着色剤含有組成物が、
(i)有機溶媒、該有機溶媒に可溶な樹脂、および着色剤を含有する組成物、または
(ii)重合性単量体と着色剤とを含有する組成物、
であり、
該工程(2)で得られた該水系媒体に含まれる塩化ナトリウムの質量が、該水系媒体に含まれる該着色剤含有組成物の質量に対して3.60質量%以上5.90質量%以下である
ことを特徴とする。
本発明によれば、微小粒子が少なく、且つ、合一したトナー粒子も少ない、現像性に優れたトナー粒子の製造方法提供することが可能となる。
電子写真装置の現像部の拡大図である。 電子写真装置の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明が好適に適用するトナーの製造方法としては、懸濁重合法、別途重縮合したポリエステル等を用いる溶解懸濁法等があるが、湿式で造粒するトナー粒子の製造方法であれば、その他各種重合法トナーの製造適用出来る。
以下に、その一例として、まず本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒し重合性単量体組成物の粒子を形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法に本発明を用いた場合について工程毎に説明する。
(着色剤含有組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む着色剤含有組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、その他の組成物と同時、または、その他の組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
後述する分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより水系媒体中に着色剤含有組成物の液滴を造粒することによって着色剤含有組成物分散液を得る。
水系分散媒中には分散安定剤および、塩化ナトリウムを含むことが望ましい。着色剤含有組成物が後述するような高剪断撹拌装置にて造粒されると、トナー粒子径とは異なる所定外の微小な液滴が発生する。塩化ナトリウムは、発生する微小な液滴の表面電位を失わせることから、液滴の電気的反発力が小さくなり液滴安定性を失わせ微小な液滴の合一を促進する。これによって微小な液滴が減少し、重合過程を経たトナー粒子中の微小粒子を抑制できると推察される。
着色剤含有組成物の質量に対する塩化ナトリウムの質量が3.60質量%以上5.90質量%以下であることが好ましい。3.60質量%より少ない場合、微細な液滴のまわりに作用する塩化ナトリウムの量が不十分であり、微小粒子が増えてしまう。5.90質量%より多い場合、過剰な塩化ナトリウムがトナー粒子径の着色剤含有組成物の液滴にも作用してしまう。そのため、後工程の重合過程で液滴が合一し、合一トナー粒子が発生してしまうため好ましくない。合一トナー粒子を含むトナーを電子写真に用いると転写不良の原因となる。着色剤含有組成物の質量に対する塩化ナトリウムの濃度は、更に好ましくは4.00質量%以上5.00質量%以下である。
塩化ナトリウムは着色剤含有組成物の液滴の表面に対して作用するため、微細な液滴であるほど表面積が小さく少量であっても液滴の安定性を失いその形状を維持できず他の液滴と合一する。そのため、微小粒子を抑制することが出来る。一方、大きい液滴であれば表面積も大きく一定量以下の塩化ナトリウム量であればその安定性を保持できるため、合一トナー粒子の発生や粒度分布への影響が少ないと考えられる。こうした作用によって前述の濃度範囲が適切だと推察される。
着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度において、着色剤含有組成物の質量は、下記造粒工程で水系分散媒体に含まれないものの総量の和である。
造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としてはULTRA‐TURRAX(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業社製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)、キャビミックス(大平洋機工社製)の如き市販のものを用いることができる。また、撹拌機を縦型撹拌槽内で、撹拌槽下部から一部プロセス液を抜き出し再度撹拌槽へ戻す循環機構を有し、循環機構内にインライン式の高剪断力を有する分散機を用いることも出来る。インライン式の分散機としてはコロイドミル(IKA社製)、キャビトロン(大平洋機工社製)、W・モーション(エム・テクニック社製)の如き市販の分散機を用いることが出来る。撹拌機の撹拌翼の周速(ローター、ステーター式の場合、ローターの周速)は25m/s以上の場合、撹拌翼の剪断力が大きくなる。それに伴い、微小な液滴が発生しやすくなるため本発明の効果が顕著になる。周速が75m/sを超える撹拌翼は撹拌熱による発熱が大きいため、その発熱により経時で重合性単量体の熱重合が進みポリマー化するため、得られるトナー粒子の粒度分布が悪化してしまう。また、75m/sを超える周速で装置を運転させることは装置の耐久性の観点からも生産装置として用いるのは適当ではない。
(水系分散媒体の調製)
分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができるが特に限定されない。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
分散安定剤は合成時に塩化ナトリウムが副生する分散安定剤がより好ましく、水系媒体は、分散安定剤の合成時に副生した塩化ナトリウムと、これとは別に添加された塩化ナトリウムとを含有することがより好ましい。一般的に分散安定剤は塩化ナトリウムによって表面電位が低下する。しかし、塩化ナトリウムが副生する方法によって生成した分散安定剤は着色剤含有組成物の液滴との電気的な付着力が大きいため、塩化ナトリウムの影響が相対的に小さくなると考えられる。そのため、遮蔽力が維持されるため着色剤含有組成物の液滴の合一をより抑制できるため好ましい。
塩化ナトリウムが副生する分散安定剤を用いる場合、分散安定剤を生成した後に塩化ナトリウムを追加することが好ましい。塩化ナトリウムが副生する分散安定剤は、塩化ナトリウムを含む水溶液中で反応・生成させると、反応速度が遅くなり、分散剤の粒径が大きくなったり、着色剤含有組成物の液滴へ集りにくくなったりする。これによって分散安定剤の遮蔽力が小さくなり、着色剤含有組成物の液滴の安定性が低下するため、合一トナー粒子の発生しやすくなる。一方、分散剤生成後に塩化ナトリウムを添加する場合、分散安定剤の粒径には作用しないため、遮蔽力を維持することが出来る。そのため、合一トナー粒子の発生は抑制される。
水系分散媒体中の塩化ナトリウム量は、分散安定剤生成時に塩化ナトリウムが副生する場合、副生した塩化ナトリウムの量も含めて計算される。例えば、リン酸ナトリウムと塩化カルシウムから、分散安定剤としてヒドロキシアパタイトを生成する場合下記式(1)から、副生する塩化ナトリウムを算出し、水系分散媒体中の塩化ナトリウム濃度を計算する。
6Na3PO4+10CaCl2+2H2O→[Ca3(PO423Ca(OH)2+18NaCl+2HCl …式(1)
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(蒸留工程)
必要であれば未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水系媒体を蒸留工程により留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
重合体粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
次いで、本発明を溶解懸濁法によるトナーの製造方法に用いた場合の一例について説明する。
(分散工程)
結着樹脂(有機溶媒に可溶な樹脂)を有機溶媒に溶解させ樹脂溶解液に着色剤を分散させ着色剤含有組成物を作製する方法としては、有機溶媒中に撹拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加してゆき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
(造粒工程)
分散安定剤を含む水系媒体中に前述の工程で得られた着色剤含有組成物を分散させ、トナー粒子組成物の分散液を作製する。トナー粒子組成物の末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、活性水素基含有化合物を添加し、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する変性樹脂を反応させることにより結着樹脂を生成しながら、トナー粒子組成物の分散液を形成してもよい。造粒工程で使用する装置としては、前述した懸濁重合法同様、例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としてはハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)、T.K.フィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
撹拌機の撹拌翼の周速(ローター、ステーター式の場合、ローターの周速)は25m/s以上75m/s以下の範囲でより効果が顕著になる。周速が75m/sを超える撹拌翼は撹拌熱による発熱が大きいことや、装置の耐久性の観点から、生産装置として用いるのは適当ではない。
水系媒体中には適宜界面活性剤を使用してもよい。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
(水系分散媒体の調製)
水系分散媒体中には分散安定剤と塩化ナトリウムが含まれていることが好ましい。前述の懸濁重合と同様に、着色剤含有組成物の質量に対する塩化ナトリウムの質量が3.7質量%以上6.2質量%以下であることが好ましい。
分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。分散安定剤における要件は、前述の懸濁重合法における手段と同様である。
(脱溶工程)
得られたトナー粒子組成物の分散液から有機溶剤を除去するためには、系全体を撹拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。もしくは、トナー粒子組成物の分散液を撹拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。
(熟成工程)
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために、熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
脱溶工程と熟成工程は、同一の容器で行ってもよいし、別々の容器で行ってもよい。
(洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程及び分級工程)
上記の工程については、前述した懸濁重合法における手法と同様の操作を行えばよい。
<重合性単量体>
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
<離型剤>
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部、より好ましくは4乃至30質量部含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。第2の離型剤としては炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部が添加される。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリシジルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジメタアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート。
<結着樹脂>
本発明の懸濁重合法及び溶解懸濁法で用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<有機溶剤>
本発明の溶解懸濁法で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<有機溶媒中に添加する変性樹脂>
本発明の溶解懸濁法で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
<活性水素基含有化合物>
本発明の溶解懸濁法で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
<外添剤>
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μm程度のものがよい。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
上記磁性体のトナー中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して20乃至200質量部、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40乃至150質量部がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50乃至200Am2/kg、残留磁化(σr)2乃至20Am2/kgのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
<疎水化剤>
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明により製造されるトナーは、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電する方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには直接金属化合物と重合性単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用することが可能である。
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準の50%平均粒径として測定する。
これらキャリアの平均粒径は10乃至100μm、より好ましくは20乃至50μmであることが望ましい。
二成分系現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2質量%乃至15質量%、好ましくは4質量%乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こりやすい。
次に本発明が用いられる画像形成方法について図1及び図2を用いて説明する。
本願実施例で用いられる画像形成方法を含む、画像形成装置の構成を図2に示す。図2に示された画像形成装置は転写方式電子写真プロセスを用いたレーザビームプリンタである。特に、図2はタンデム型のカラーLBP(カラーレーザープリンタ)の断面図を示す。
図2において、101(101a〜101d)は図示矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転する潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称する)である。感光ドラム101a、101b、101c、101dは順にカラー画像のイエロー(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン(C)成分、ブラック(Bk)成分のそれぞれを分担するものである。
以下Y、M、C、Bkの各画像形成装置をそれぞれユニットa、ユニットb、ユニットc、ユニットdと呼ぶ。
これらの感光ドラム101a〜101dは、不図示のドラムモータ(直流サーボモータ)によって回転駆動されるが、各感光ドラム101a〜101dにそれぞれ独立した駆動源を設けても良い。尚、ドラムモータの回転駆動は不図示のDSP(デジタルシグナルプロセッサ)によって制御され、その他の制御は不図示のCPUによって行われる。
また、静電吸着搬送ベルト109aは、駆動ローラ109bと固定ローラ109c,109e及びテンションローラ109dに張架されており、駆動ローラ109bによって図示矢印方向に回転駆動され、記録媒体Sを吸着して搬送する。
以下、4色のうち、ユニットa(イエロー)を例として説明する。
感光ドラム101aはその回転過程で1次帯電手段102aにより所定の極性及び電位に一様に1次帯電処理される。そして、感光ドラム101aに対してレーザービーム露光手段(以下、スキャナーと称する)103aにより光像露光がなされ、該感光ドラム101a上に画像情報の静電潜像が形成される。
次に、現像部104aによってトナー像が感光ドラム101a上に形成され、静電潜像が可視化される。同様な工程が他の3色(マゼンタ(B)、シアン(C)及びブラック(Bk))についてもそれぞれ実施される。
而して、4色のトナー像は、所定のタイミングで給紙ローラ108bにより搬送されてきた記録媒体Sを停止、再搬送するレジストローラ108cにより同期され、感光ドラム101a〜101dと静電吸着搬送ベルト109aとのニップ部において記録媒体Sにトナー像が順次転写される。また、これと同時に記録媒体Sへのトナー像転写後の感光ドラム101a〜101dはクリーニング手段106a,106b,106c,106dによって転写残トナー等の残存付着物が除去され、繰り返し作像に供される。
4つの感光ドラム101a〜101dからトナー像が転写された記録媒体Sは、駆動ローラ109b部において静電吸着搬送ベルト109a面から分離されて定着器110に送り込まれ、定着器110においてトナー像が定着された後、排出ローラ110cによって排出トレー113に排出される。
次に現像部の拡大図(図1)を用いて、本発明に適用されうる非磁性一成分接触現像方式での画像形成方法の具体例を説明する。図1において、現像ユニット13は、一成分現像剤としての非磁性トナー17を収容した現像剤容器23と、現像剤容器23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜像担持体(感光ドラム)10と、対向設置されたトナー担持体14とを備え、潜像担持体10上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。潜像担持体接触帯電部材11は潜像担持体10に当接している。潜像担持体接触帯電部材11のバイアスは電源12により印加されている。
トナー担持体14は、上記開口部にて図に示す右略半周面を現像剤容器23内に突入し、左略半周面を現像剤容器23外に露出して横設されている。この現像剤容器23外へ露出した面は、図1のように現像ユニット13の図中左方に位置する潜像担持体10に当接している。
トナー担持体14は矢印B方向に回転駆動され、潜像担持体10の周速は50〜170mm/s、トナー担持体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1〜2倍の周速で回転させている。
トナー担持体14の上方位置には、SUS等の金属板や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料、バネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板を基体とし、トナー担持体14への当接面側にゴム材料を接着したもの等からなる規制部材16が、規制部材支持板金24に支持され、自由端側の先端近傍をトナー担持体14の外周面に面接触にて当接するように設けられており、その当接方向としては、当接部に対して先端側がトナー担持体14の回転方向上流側に位置するいわゆるカウンター方向になっている。規制部材16の一例としては、厚さ1.0mmの板状のウレタンゴムを規制部材支持板金24に接着した構成で、トナー担持体14に対する当接圧(線圧)を、適宜設定したものである。当接圧は、好ましくは、20〜300N/mである。なお、当接圧の測定は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部に挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜いた値から換算する。なお、規制部材16は当接面側にゴム材料などを接着したものの方がトナーとの付着性の面で、長期使用において規制部材へのトナーの融着、固着を抑制できるため望ましい。また規制部材16は、トナー担持体14に対する当接状態を先端を当接させるエッジ当接とすることも可能である。なお、エッジ当接とする場合は、トナー担持体との接点におけるトナー担持体の接線に対する規制部材の当接角を40度以下になるよう設定するとトナーの層規制の点で更に望ましい。
トナー供給ローラ15は、規制部材16のトナー担持体14表面との当接部に対しトナー担持体14の回転方向上流側に当接され、かつ回転可能に支持されている。このトナー供給ローラ15のトナー担持体14に対する当接幅としては、1〜8mmが有効で、またトナー担持体14に対してその当接部において相対速度を持たせることが好ましい。
帯電ローラ29は本発明の画像形成方法に必須のものではないが、設置されているとより好ましい。帯電ローラ29はNBR、シリコーンゴム等の弾性体であり、抑圧部材30に取り付けられている。そしてこの抑圧部材30による帯電ローラ29のトナー担持体14への当接荷重は0.49〜4.9Nに設定する。帯電ローラ29の当接により、トナー担持体14上のトナー層は細密充填され均一コートされる。規制部材16と帯電ローラ29の長手位置関係は、帯電ローラ29がトナー担持体14上の規制部材16当接全域を確実に覆うことができるように配置されるのが好ましい。
また、帯電ローラ29の駆動については、トナー担持体14との間は従動又は同周速が必須であり、帯電ローラ29とトナー担持体14間に周速差が生じるとトナーコートが不均一になり、画像上にムラが発生するため好ましくない。
帯電ローラ29のバイアスは、電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に直流で(図1の27)印加されており、トナー担持体14上の非磁性トナー17は帯電ローラ29より、放電によって電荷付与を受ける。
帯電ローラ29のバイアスは、非磁性トナーと同極性の放電開始電圧以上のバイアスであり、トナー担持体14に対して1000〜2000Vの電位差が生じるように設定される。
帯電ローラ29による帯電付与を受けた後、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、一様に潜像担持体10との対向部である現像部へ搬送される。
この現像部において、トナー担持体14上に薄層形成されたトナー層は、図1に示す電源27によってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間に印加された直流バイアスによって、潜像担持体10上の静電潜像にトナー像として現像される。
<微小粒子率、アスペクト比の測定方法>
トナー粒子の微小粒子率およびアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を粒子周囲長とし、6.332μm以上400.0μm未満に限定し、6.332μm未満の粒子の存在比率を微小粒子とした。アスペクト比は解析粒子径を円相当径(個数)とし、4.044μm以上100.0μm未満に限定し算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を粒子周囲長6.332μm以上400.0μm未満、および、解析粒子径を円相当径(個数)4.044μm以上、100.0μm未満、に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<体積平均メディアン径(Dv50)、個数平均メディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
粒度分布は下記の計算式(2)により導かれる数値を指標とした。
体積平均メディアン径(Dv50)÷個数平均メディアン径(Dn50)…式(2)
上記指標は数値が1に近いほど粒度分布がシャープなことを表す。以下この指標をDv50/Dn50とする。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物の調製)
スチレン21.76質量部に対して、C.I.ピグメントレッド122を1.78質量部及びC.I.ピグメントレッド150を1.33質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.44質量部用意した。これらを、アトライター(日本コークス社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(着色剤含有組成物の調製)
下記材料を同一容器内に投入しTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.76質量部
・スチレン 11.55質量部
・n−ブチルアクリレート 11.10質量部
・ポリエステル樹脂 2.22質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.33質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.44質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)8.0質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.44質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水117.92質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水7.53質量部に塩化ナトリウム2.51質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(造粒)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて周速20m/sで撹拌した。次いで造粒タンク下部より、造粒タンク内の混合液を連続的に抜き出しタンク上部に混合液を戻し循環させた。循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)を用いてローター周速40m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた。キャビトロンを通過した積算流量が、造粒タンクに仕込んだ液量の5倍となるまで循環させ、着色剤含有組成物の分散液を得た。
この時の、着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し4.99質量%であった。また、造粒工程における総プロセス液量に対する着色剤含有組成物の割合は32%であった。
(重合/洗浄/濾過/乾燥)
着色剤含有組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。5時間反応させた後、更に85℃に昇温し、2時間反応させた。冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、個数平均メディアン径(Dn50)、微小粒子率、および、アスペクト比を表1に示す。
(外添)
このトナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。その結果を表1に示す。
<現像性に関する評価>
(現像スジ/転写について)
画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用いた。現像器に実施例及び比較例記載のトナーを85g充填したものを作り、高温高湿(温度32.5℃、湿度85%RH)環境下にて24時間放置する。この際、転写紙も同様に放置する。なお、現像性に関する評価では転写紙としてはXerox4200(ゼロックス社製)(75g/m2紙)を用いた。その後、高温高湿(温度30℃、湿度85%RH)環境下にて図1に示す一成分接触現像システムの画像形成装置を図2のユニット104c部に装着し、シアン単色モードにてプロセススピードを200mm/sとして実施した。この条件下で、印字比率2%のチャートにて連続出力を実施する。現像性に関する評価は初期(1枚目)/5,000枚/10,000枚の時点で実施し、以下の方法で現像スジ/画像濃度を確認した。
(現像スジ)
ベタ画像(M/S=0.45mg/cm2)を出力した。また、同時にカートリッジ内の現像ローラー表面を目視にて観察した。以下に判定基準を示す。
A:10000枚出力時においてもベタ画像上および現像ローラー表面にスジが確認されない。実使用上全く問題ないレベル。
B:10000枚出力時において現像ローラー表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題ないレベル。
C:10000枚出力時においてベタ画像上にスジが確認される。5000枚出力時においては現像ローラー表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:5000枚出力時において。ベタ画像上にスジが確認される。実使用上問題となる可能性が高いレベル。
<転写性に関する評価>
(転写効率について)
現像性に関する評価と同様に、図1に示す一成分接触現像システムの現像装置の現像剤容器において、実施例及び比較例記載のトナーを85g充填し、高温高湿(温度30℃/湿度85%RH)環境下に24時間放置する。この際、転写紙も同様に放置する。その後、図2に示す画像形成装置のマゼンタ用ユニットに装着した。高温高湿(温度30℃/湿度85%RH)環境下、シアン単色モードにて、プロセススピードを200mm/sとして、印字比率2%のチャートを連続出力した。転写効率/転写均一性の評価は初期(1枚目)/5,000枚/10,000枚の時点で実施した。
(評価基準)
A:90%以上
B:82%以上90%未満
C:75%以上82%未満
D:75%未満
〔実施例2〕
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水120.83質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水4.62質量部に塩化ナトリウム1.54質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
後工程である造粒工程での着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し3.60質量%であった。
水系分散媒体を上記のように調製した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例3〕
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水115.76質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水9.69質量部に塩化ナトリウム3.16質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
後工程である造粒工程での着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し5.90質量%であった。
水系分散媒体を上記のように調製した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例4〕
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水120.02質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水5.43質量部に塩化ナトリウム1.81質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
後工程である造粒工程での着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し4.00質量%であった。
水系分散媒体を上記のように調製した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例5〕
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水116.84質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水8.61質量部に塩化ナトリウム2.87質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
後工程である造粒工程での着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し5.50質量%であった。
水系分散媒体を上記のように調製した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例6〕
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を20m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例7〕
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を25m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例8〕
循環ライン中にシャープフローミル(大平洋機工社製)を具備し、ローター周速を75m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例9〕
(顔料分散組成物の調製)
スチレン9.53質量部に対して、C.I.ピグメントレッド122を0.78質量部及びC.I.ピグメントレッド150を0.58質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.19質量部用意した。これらを、アトライター(日本コークス社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(着色剤含有組成物の調製)
下記材料を同一容器内に投入し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 11.28質量部
・スチレン 5.06質量部
・n−ブチルアクリレート 4.86質量部
・ポリエステル樹脂 0.97質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
2.33質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.19質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)1.56質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.95質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水163.84質量部、リン酸ナトリウム12水和物0.893質量部、10質量%塩酸0.39質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作成し、60℃に加温した。イオン交換水3.63質量部に塩化カルシウム2水和物0.52質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水3.51質量部に塩化ナトリウム1.06質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
後工程である造粒工程での、着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し4.99質量%であった。また、造粒工程における総プロセス液量に対する着色剤含有組成物の割合は14%であった。
以降の手順は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
得られたトナー粒子の微小粒子率、アスペクト比から、着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの割合によって本発明の効果が発現することを確認した。
〔実施例10(参考例)
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水117.92質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加した。更に、イオン交換水7.53質量部に塩化ナトリウム2.51質量部を溶解させた塩化ナトリウム水溶液を加えリン酸ナトリウム水溶液を作製し60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。イオン交換水8.05質量部に塩化ナトリウム2.40質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
水系分散媒体を上記のように調製した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例11
(造粒)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて周速30m/sで10分撹拌し着色剤含有組成物の分散液を得た。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例12
(水系分散媒体の調製)
イオン交換水330.00質量部に、リン酸ナトリウム12水和物:5.36質量部、10%塩酸2.32質量部を添加し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、3,000r/minにて撹拌しながら60℃に加温した。これにイオン交換水:21.78質量部に塩化カルシウム2水和物:3.0質量部を溶解させた水溶液を添加し、30分後、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)15質量部、酢酸エチル30質量部を加え、液温を30℃まで冷却し、水系分散媒体を調製した。
(マスターバッチの作製)
・C.I.ピグメントレッド122 23質量部
・C.I.ピグメントレッド150 17質量部
・未変性ポリエステル樹脂A(三洋化成工業社製、SREL0−005) 60質量部
を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、マスターバッチを得た。
(中間体ポリエステル及びプレポリマーの合成)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 682質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 81質量部
・テレフタル酸 283質量部
・無水トリメリット酸 22質量部
・ジブチルチンオキサイド 2質量部
を反応容器内に投入し、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応して中間体ポリエステルを合成した。
次いで、
・中間体ポリエステル 410質量部
・イソホロンジイソシアネート 89質量部
・酢酸エチル 500質量部
を入れ100℃で5時間反応し、プレポリマーを合成した。
(ケチミンの合成)
反応容器内に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を合成した。
(ワックス分散液の調製)
・未変性ポリエステル樹脂(三洋化成工業社製、SREL0−005) 100質量部
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HPE−11) 90質量部
・マレイン酸変性パラフィンワックス(中京油脂社製、P−166) 10質量部
・酢酸エチル 400質量部
をプロペラ羽を使用して、10分間撹拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施しワックス分散液を得た。
(着色剤含有組成物の作製)
撹拌棒、及び温度計をセットした容器内に、マスターバッチ150質量部、樹脂A(未変性ポリエステル樹脂A)700質量部、酢酸エチル850質量部を投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)で回転数9,000rpmで10分間混合した。
その後、容器を冷却しながらTKホモミキサーの回転数を周速20m/sとし、液温が30℃となるまで撹拌した。
液温が30℃となった後、更に容器を冷却しながらワックス分散液を200質量部投入し、液温が45度以上にならないよう回転数を調整しながら混合撹拌を行った。
更にプレポリマー:194質量部、及びケチミン化合物:6質量部を加え回転数5,000rpmで30秒撹拌し着色剤含有組成物を得た。
(造粒)
水系媒体:140質量部を入れた容器内に塩化ナトリウム2.8質量部混合し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、周速15m/sで10分間混合した。更に、上記着色剤含有組成物を60部投入し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、周速30m/sで14分間混合しトナー粒子組成物の分散液を得た。
(脱溶剤・熟成)
造粒工程終了後、着色剤含有組成物の分散液を30℃で温調を継続している容器に移して回転数50rpmで撹拌を開始し、10時間脱溶剤を行った。続いて、ジャケット内温度を80℃に設定し、容器1内温度55℃まで昇温させ、更に55℃で5時間熟成を行い、トナー粒子を製造した。
(洗浄/濾過/乾燥)
冷却後、撹拌しながら塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、個数平均メディアン径(Dn50)、微小粒子率、および、アスペクト比を表1に示す。
(外添)
このトナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。その結果を表1に示す。
〔比較例1〕
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水120.45質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
後工程である造粒工程での着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し1.40質量%であった。
水系分散媒体を上記のように調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例2〕
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水113.73質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水11.72質量部に塩化ナトリウム3.50質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
後工程である造粒工程での着色剤含有組成物に対する塩化ナトリウムの質量パーセント濃度は前述の式(1)を用いて算出し6.50質量%であった。
水系分散媒体を上記のように調製した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例3〕
(造粒)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分撹拌し着色剤含有組成物の分散液を得た。上記以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例4〕
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を20m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例5〕
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を25m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
上記実施例、比較例の対色剤含有組成物に対する塩化ナトリウム濃度、造粒工程での撹拌翼の周速、得られたトナーのDv50、粒度分布、微小粒子率、アスペクト比、画像評価結果を、表1に示す。
Figure 0006614913
10:潜像担持体(感光ドラム)、11:潜像担持体接触帯電部材、12:電源、13:現像ユニット、14:トナー担持体、15:トナー供給ローラ、16:規制部材、17:非磁性トナー、23:現像剤容器、24:規制部材支持板金、27:電源、29:帯電ローラ、30:抑圧部材、101a〜d:感光ドラム、102a〜d:一次帯電手段、103a〜d:スキャナー、104a〜d:現像部、106a〜d:クリーニング手段、108b:給紙ローラ、108c:レジストローラ、109a:静電吸着搬送ベルト、109b:駆動ローラ、109c:固定ローラ、109d:テンションローラ、110:定着器110c:排出ローラ、113:排出トレー、S:記録媒体

Claims (3)

  1. 合成時に塩化ナトリウムを副生する分散安定剤を、該副生する塩化ナトリウム以外の塩化ナトリウムを含まない水系媒体中で合成し、分散安定剤および副生した塩化ナトリウムを含有する水系媒体を調製する工程(1)と、
    該工程(1)で得られた水系媒体に該副生した塩化ナトリウムとは別の塩化ナトリウムを追加する工程(2)と、
    該工程(2)で得られた水系媒体に着色剤含有組成物を加え、該水系媒体の中で該着色剤含有組成物の液滴を形成する造粒工程と、
    この順に有するトナー粒子の製造方法であって
    該着色剤含有組成物が、
    (i)有機溶媒、該有機溶媒に可溶な樹脂、および着色剤を含有する組成物、または
    (ii)重合性単量体と着色剤とを含有する組成物、
    であり、
    該工程(2)で得られた該水系媒体に含まれる塩化ナトリウムの質量が、該水系媒体に含まれる該着色剤含有組成物の質量に対して3.60質量%以上5.90質量%以下である
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 前記造粒工程が、撹拌翼を具備する撹拌装置を用いて前記着色剤含有組成物の液滴を形成する工程であり、該撹拌翼の周速を25m/s以上75m/s以下とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 記工(1)が、塩化カルシウム水溶液とリン酸ナトリウム水溶液とを混合することによって前記分散安定剤を合成する工程である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
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