JP6614913B2 - トナー粒子の製造方法 - Google Patents
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該工程(1)で得られた水系媒体に該副生した塩化ナトリウムとは別の塩化ナトリウムを追加する工程(2)と、
該工程(2)で得られた水系媒体に着色剤含有組成物を加え、該水系媒体の中で該着色剤含有組成物の液滴を形成する造粒工程と、
をこの順に有するトナー粒子の製造方法であって、
該着色剤含有組成物が、
(i)有機溶媒、該有機溶媒に可溶な樹脂、および着色剤を含有する組成物、または
(ii)重合性単量体と着色剤とを含有する組成物、
であり、
該工程(2)で得られた該水系媒体に含まれる塩化ナトリウムの質量が、該水系媒体に含まれる該着色剤含有組成物の質量に対して3.60質量%以上5.90質量%以下である
ことを特徴とする。
重合性単量体および着色剤を含む着色剤含有組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、その他の組成物と同時、または、その他の組成物を混合した後に分散させてもよい。
後述する分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより水系媒体中に着色剤含有組成物の液滴を造粒することによって着色剤含有組成物分散液を得る。
分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができるが特に限定されない。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
6Na3PO4+10CaCl2+2H2O→[Ca3(PO4)2]3Ca(OH)2+18NaCl+2HCl …式(1)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
必要であれば未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水系媒体を蒸留工程により留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
重合体粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
結着樹脂(有機溶媒に可溶な樹脂)を有機溶媒に溶解させ樹脂溶解液に着色剤を分散させ着色剤含有組成物を作製する方法としては、有機溶媒中に撹拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加してゆき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。
分散安定剤を含む水系媒体中に前述の工程で得られた着色剤含有組成物を分散させ、トナー粒子組成物の分散液を作製する。トナー粒子組成物の末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、活性水素基含有化合物を添加し、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する変性樹脂を反応させることにより結着樹脂を生成しながら、トナー粒子組成物の分散液を形成してもよい。造粒工程で使用する装置としては、前述した懸濁重合法同様、例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としてはハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)、T.K.フィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
水系分散媒体中には分散安定剤と塩化ナトリウムが含まれていることが好ましい。前述の懸濁重合と同様に、着色剤含有組成物の質量に対する塩化ナトリウムの質量が3.7質量%以上6.2質量%以下であることが好ましい。
得られたトナー粒子組成物の分散液から有機溶剤を除去するためには、系全体を撹拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。もしくは、トナー粒子組成物の分散液を撹拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために、熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜65℃、好ましくは35〜50℃である。
(洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程及び分級工程)
上記の工程については、前述した懸濁重合法における手法と同様の操作を行えばよい。
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スルホン酸もしくはスルホン酸塩基、スルホン酸エステルを有する樹脂、非金属カルボン酸系化合物。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリシジルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジメタアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート。
本発明の懸濁重合法及び溶解懸濁法で用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
本発明の溶解懸濁法で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
本発明の溶解懸濁法で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
本発明の溶解懸濁法で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
トナー粒子の微小粒子率およびアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
トナー粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積平均メディアン径(Dv50)、および個数平均メディアン径(Dn50)を算出する。
粒度分布は下記の計算式(2)により導かれる数値を指標とした。
体積平均メディアン径(Dv50)÷個数平均メディアン径(Dn50)…式(2)
下記の手順によってトナーを製造した。
スチレン21.76質量部に対して、C.I.ピグメントレッド122を1.78質量部及びC.I.ピグメントレッド150を1.33質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.44質量部用意した。これらを、アトライター(日本コークス社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
下記材料を同一容器内に投入しTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.76質量部
・スチレン 11.55質量部
・n−ブチルアクリレート 11.10質量部
・ポリエステル樹脂 2.22質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.33質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.44質量部
造粒タンクにイオン交換水117.92質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水7.53質量部に塩化ナトリウム2.51質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて周速20m/sで撹拌した。次いで造粒タンク下部より、造粒タンク内の混合液を連続的に抜き出しタンク上部に混合液を戻し循環させた。循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)を用いてローター周速40m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた。キャビトロンを通過した積算流量が、造粒タンクに仕込んだ液量の5倍となるまで循環させ、着色剤含有組成物の分散液を得た。
着色剤含有組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃に昇温した。5時間反応させた後、更に85℃に昇温し、2時間反応させた。冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
このトナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
(現像スジ/転写について)
画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用いた。現像器に実施例及び比較例記載のトナーを85g充填したものを作り、高温高湿(温度32.5℃、湿度85%RH)環境下にて24時間放置する。この際、転写紙も同様に放置する。なお、現像性に関する評価では転写紙としてはXerox4200(ゼロックス社製)(75g/m2紙)を用いた。その後、高温高湿(温度30℃、湿度85%RH)環境下にて図1に示す一成分接触現像システムの画像形成装置を図2のユニット104c部に装着し、シアン単色モードにてプロセススピードを200mm/sとして実施した。この条件下で、印字比率2%のチャートにて連続出力を実施する。現像性に関する評価は初期(1枚目)/5,000枚/10,000枚の時点で実施し、以下の方法で現像スジ/画像濃度を確認した。
ベタ画像(M/S=0.45mg/cm2)を出力した。また、同時にカートリッジ内の現像ローラー表面を目視にて観察した。以下に判定基準を示す。
A:10000枚出力時においてもベタ画像上および現像ローラー表面にスジが確認されない。実使用上全く問題ないレベル。
B:10000枚出力時において現像ローラー表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題ないレベル。
C:10000枚出力時においてベタ画像上にスジが確認される。5000枚出力時においては現像ローラー表面にスジが1ないし4本程度確認されるがベタ画像上には確認されない。実使用上問題となる可能性が低いレベル。
D:5000枚出力時において。ベタ画像上にスジが確認される。実使用上問題となる可能性が高いレベル。
(転写効率について)
現像性に関する評価と同様に、図1に示す一成分接触現像システムの現像装置の現像剤容器において、実施例及び比較例記載のトナーを85g充填し、高温高湿(温度30℃/湿度85%RH)環境下に24時間放置する。この際、転写紙も同様に放置する。その後、図2に示す画像形成装置のマゼンタ用ユニットに装着した。高温高湿(温度30℃/湿度85%RH)環境下、シアン単色モードにて、プロセススピードを200mm/sとして、印字比率2%のチャートを連続出力した。転写効率/転写均一性の評価は初期(1枚目)/5,000枚/10,000枚の時点で実施した。
A:90%以上
B:82%以上90%未満
C:75%以上82%未満
D:75%未満
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水120.83質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水4.62質量部に塩化ナトリウム1.54質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水115.76質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水9.69質量部に塩化ナトリウム3.16質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水120.02質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水5.43質量部に塩化ナトリウム1.81質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水116.84質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水8.61質量部に塩化ナトリウム2.87質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を20m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を25m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
循環ライン中にシャープフローミル(大平洋機工社製)を具備し、ローター周速を75m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
(顔料分散組成物の調製)
スチレン9.53質量部に対して、C.I.ピグメントレッド122を0.78質量部及びC.I.ピグメントレッド150を0.58質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業社製)を0.19質量部用意した。これらを、アトライター(日本コークス社製)に導入し、半径1.25mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で180分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
下記材料を同一容器内に投入し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 11.28質量部
・スチレン 5.06質量部
・n−ブチルアクリレート 4.86質量部
・ポリエステル樹脂 0.97質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
2.33質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.19質量部
造粒タンクにイオン交換水163.84質量部、リン酸ナトリウム12水和物0.893質量部、10質量%塩酸0.39質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作成し、60℃に加温した。イオン交換水3.63質量部に塩化カルシウム2水和物0.52質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水3.51質量部に塩化ナトリウム1.06質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水117.92質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加した。更に、イオン交換水7.53質量部に塩化ナトリウム2.51質量部を溶解させた塩化ナトリウム水溶液を加えリン酸ナトリウム水溶液を作製し60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。イオン交換水8.05質量部に塩化ナトリウム2.40質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(造粒)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて周速30m/sで10分撹拌し着色剤含有組成物の分散液を得た。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
(水系分散媒体の調製)
イオン交換水330.00質量部に、リン酸ナトリウム12水和物:5.36質量部、10%塩酸2.32質量部を添加し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、3,000r/minにて撹拌しながら60℃に加温した。これにイオン交換水:21.78質量部に塩化カルシウム2水和物:3.0質量部を溶解させた水溶液を添加し、30分後、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)15質量部、酢酸エチル30質量部を加え、液温を30℃まで冷却し、水系分散媒体を調製した。
・C.I.ピグメントレッド122 23質量部
・C.I.ピグメントレッド150 17質量部
・未変性ポリエステル樹脂A(三洋化成工業社製、SREL0−005) 60質量部
を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、マスターバッチを得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 682質量部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 81質量部
・テレフタル酸 283質量部
・無水トリメリット酸 22質量部
・ジブチルチンオキサイド 2質量部
を反応容器内に投入し、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧で5時間反応して中間体ポリエステルを合成した。
・中間体ポリエステル 410質量部
・イソホロンジイソシアネート 89質量部
・酢酸エチル 500質量部
を入れ100℃で5時間反応し、プレポリマーを合成した。
反応容器内に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を合成した。
・未変性ポリエステル樹脂(三洋化成工業社製、SREL0−005) 100質量部
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HPE−11) 90質量部
・マレイン酸変性パラフィンワックス(中京油脂社製、P−166) 10質量部
・酢酸エチル 400質量部
をプロペラ羽を使用して、10分間撹拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施しワックス分散液を得た。
撹拌棒、及び温度計をセットした容器内に、マスターバッチ150質量部、樹脂A(未変性ポリエステル樹脂A)700質量部、酢酸エチル850質量部を投入し、TKホモミキサー(特殊機化社製)で回転数9,000rpmで10分間混合した。
水系媒体:140質量部を入れた容器内に塩化ナトリウム2.8質量部混合し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、周速15m/sで10分間混合した。更に、上記着色剤含有組成物を60部投入し、ハイシェアミキサー(IKA製)を用いて、周速30m/sで14分間混合しトナー粒子組成物の分散液を得た。
造粒工程終了後、着色剤含有組成物の分散液を30℃で温調を継続している容器に移して回転数50rpmで撹拌を開始し、10時間脱溶剤を行った。続いて、ジャケット内温度を80℃に設定し、容器1内温度55℃まで昇温させ、更に55℃で5時間熟成を行い、トナー粒子を製造した。
冷却後、撹拌しながら塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌しトナー粒子の分散液を得た。トナー粒子の分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
このトナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(数平均一次粒子径:7nm)をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水120.45質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
(水系分散媒体の調製)
造粒タンクにイオン交換水113.73質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.04質量部、10質量%塩酸0.88質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水8.28質量部に塩化カルシウム2水和物1.18質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。更に、イオン交換水11.72質量部に塩化ナトリウム3.50質量部を溶解させこれに加え水系分散媒体を得た。
(造粒)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分撹拌し着色剤含有組成物の分散液を得た。上記以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を20m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
循環ライン中に具備したキヤビトロン(大平洋機工社製)のローター周速を25m/sにて着色剤含有組成物を水系分散媒体中で分散させた以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
Claims (3)
- 合成時に塩化ナトリウムを副生する分散安定剤を、該副生する塩化ナトリウム以外の塩化ナトリウムを含まない水系媒体中で合成し、分散安定剤および副生した塩化ナトリウムを含有する水系媒体を調製する工程(1)と、
該工程(1)で得られた水系媒体に該副生した塩化ナトリウムとは別の塩化ナトリウムを追加する工程(2)と、
該工程(2)で得られた水系媒体に着色剤含有組成物を加え、該水系媒体の中で該着色剤含有組成物の液滴を形成する造粒工程と、
をこの順に有するトナー粒子の製造方法であって、
該着色剤含有組成物が、
(i)有機溶媒、該有機溶媒に可溶な樹脂、および着色剤を含有する組成物、または
(ii)重合性単量体と着色剤とを含有する組成物、
であり、
該工程(2)で得られた該水系媒体に含まれる塩化ナトリウムの質量が、該水系媒体に含まれる該着色剤含有組成物の質量に対して3.60質量%以上5.90質量%以下である
ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。 - 前記造粒工程が、撹拌翼を具備する撹拌装置を用いて前記着色剤含有組成物の液滴を形成する工程であり、該撹拌翼の周速を25m/s以上75m/s以下とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
- 前記工程(1)が、塩化カルシウム水溶液とリン酸ナトリウム水溶液とを混合することによって前記分散安定剤を合成する工程である請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
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