JP2018031978A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式で製造された湿潤トナー粒子を乾燥する乾燥工程において、熱媒体に晒されることによるトナー性能の劣化を著しく軽減した、トナー粒子の製造方法を提供する。【解決手段】結着樹脂と着色剤と離型剤と水を含有する湿潤トナー粒子を乾燥させる乾燥工程を含むトナー粒子の製造方法であって、乾燥工程は、該湿潤トナー粒子を気流に供給し、気体と並流に送りながら乾燥させる気流式乾燥機にて行われ、気流式乾燥機に吹き込まれる気体の相対湿度が15質量%以上30質量%以下であり、吹き込まれる気体の温度が65℃以上75℃以下であり、気流式乾燥機から排出される気体の相対湿度は70質量%以上95質量%以下であり、排出される気体の温度Aが35℃以上45℃以下である。【選択図】図1

Description

本発明はトナー粒子の製造方法に関する。
近年、トナーは、粉砕トナーと湿式で造粒されるトナーとに大別されている。粉砕トナーは熱可塑性樹脂中に着色剤を溶融混合し、均一に分散した後、溶融混練物を冷却固化させ、混練物を微粉砕装置により微粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径のトナー粒子を得ることにより製造されている。
一方、湿式で造粒されるトナーは、小粒径化や、粒度分布のシャープ化が可能であり、さらに離型剤を多量に導入するために有利なことから注目されている。それは、電子写真が多くのユーザーから高精細、高画質な画像を求められており、トナーの小粒径化や粒度分布のシャープ化は、その有効な手段となり得るからである。
湿式で造粒する具体的なトナーの製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合法、さらには別途重縮合したポリエステル等を用いる溶解懸濁法等、その他各種の重合法トナーの製造方法が提案されている。
例えば懸濁重合法では、重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて離型剤、重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤その他の添加剤)を分散、溶解させて重合性単量体組成物を調製する。この重合性単量体組成物を、液状分散媒体中で各種の造粒装置を用いて所望の粒径を有するトナー粒子を造粒・重合してトナー粒子の分散液を得る。その後、濾過・洗浄工程を経て湿潤トナー粒子として乾燥工程へ送られる。
乾燥工程では、分散媒や洗浄工程で用いた洗浄液(主として水)の除去(乾燥)が行われる。湿潤トナー粒子の乾燥方法としては、湿潤トナー粒子を減圧下に静置する、もしくは加熱・攪拌を行う真空乾燥法(特許文献1参照)や流動層を用いて乾燥を行う流動層乾燥法(特許文献2参照)などがある。これらの方法は、湿潤トナー粒子の乾燥においては一定の効果を有しているが、トナー粒子が熱媒体に長く晒されるため、トナー粒子の性能を劣化させることがある。
トナー粒子が熱媒体に晒される時間を緩和する乾燥手段として、熱気流に対して並流に送る気流乾燥を用いるトナー粒子の製造方法が提案されている(特許文献3)。これらの乾燥方法は、優れた製造方法ではある。しかし、近年、画像形成装置の省エネルギー化、高速化に対応するため、トナー粒子が少ない熱容量で溶融することが求められている。この要求に対し、トナー粒子のガラス転移温度を低く設計するなどしたトナー粒子を得る必要がある。このように設計されたトナー粒子の分散液から湿潤トナー粒子を得て気流乾燥する場合、従来と同じ熱量で乾燥を行うとトナー粒子の性能劣化が進んでしまう。一方、これらの問題を抑えるために低温で乾燥を試みると、生産量を低下させるばかりか、乾燥効率が低下するため、乾燥後のトナー粒子の含水率にバラツキが多くなることがある。
特開平8−160662号公報 特開昭63−124055号公報 特開2008−299154号公報
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、湿式で製造された湿潤トナー粒子を乾燥する乾燥工程において、熱媒体に晒されることによるトナー性能の劣化を著しく軽減した、トナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、気流乾燥による湿潤トナー粒子の乾燥に関して鋭意検討を行った結果、使用する気流に水分を一定量以上含まれるように調湿することで、加えられる熱によるトナー粒子の劣化が抑制できることを見出した。
本発明によれば、結着樹脂と着色剤と離型剤と水を含有する湿潤トナー粒子を乾燥させる乾燥工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
該乾燥工程は、該湿潤トナー粒子を気流に供給し、気体と並流に送りながら乾燥させる気流式乾燥機にて行われ、
該気流式乾燥機に吹き込まれる気体の相対湿度が15質量%以上30質量%以下であり、
該吹き込まれる気体の温度が65℃以上75℃以下であり、
該気流式乾燥機から排出される気体の相対湿度は70質量%以上95質量%以下であり、
該排出される気体の温度Aが35℃以上45℃以下である
トナー粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、トナー粒子の性能劣化を抑制した気流乾燥を行う、トナー粒子の製造方法を提供することができる。
本発明に適用できる気流式乾燥機を含む乾燥システムの概略図である。 メタノール濃度に対する波長780nmの光の透過率を示したグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明のトナー粒子の製造方法は、結着樹脂と着色剤と離型剤を含有する湿潤トナー粒子から分散媒や洗浄工程で用いた洗浄液を除去して、湿潤トナー粒子を乾燥させる乾燥工程を含む。本発明のトナー粒子の製造方法は、溶解懸濁法、乳化凝集法、懸濁重合法、および、その他の湿式でのトナー粒子の製造方法に用いることができる。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中で造粒し、重合性単量体組成物の粒子を形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
具体的には、重合性単量体組成物の調製工程、造粒工程、重合工程、有機揮発成分の除去工程、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程、及び分級工程を含む。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造方法に本発明を用いた場合について工程毎に説明する。
(重合性単量体組成物の調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、水系媒体中に重合性単量体組成物の粒子を形成することによって重合性単量体組成物の分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行うことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、以下の如き市販のものを用いることができる。ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)、T.K.フィルミックス(プライミクス(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)。
無機分散安定剤としては、例えば、以下のもの等を挙げることができる。炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物の分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子の分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃である。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根はトナー用原料の分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、以下のものなどが挙げられる。パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼環境ソリューション(株)製)、「ツインスター」(神鋼環境ソリューション(株)製)、「マックスブレンド」(住友重機械工業(株)製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業(株)製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学(株)製)。
(有機揮発成分の除去工程)
重合工程で得られたトナー粒子の分散液中にある未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去することができる。有機揮発成分の除去工程は常圧もしくは減圧下で行うことができ、所望の濃度まで有機揮発成分を除去できる種々の除去方法を用いることができる。
(洗浄工程、固液分離工程)
トナー粒子の表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子の分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法によりトナー粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度、水を添加してトナー粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離して湿潤トナー粒子を得る。
(乾燥工程)
得られた湿潤トナー粒子は、含まれる水および水系媒体を除去し乾燥することができる。
一般的な乾燥工程としては、真空乾燥、流動層乾燥、気流式乾燥等、種々の乾燥方式を用いることができる。
本発明においては、乾燥で使用する熱媒体によるトナー性能の劣化を抑制するために、気流式乾燥が用いられる。気流式乾燥機であれば、流動層乾燥や真空乾燥に比べ短時間で湿潤トナー粒子を乾燥することができるため好ましい。トナー粒子が長時間熱に晒されると、トナー粒子中の成分の偏在やトナー粒子同士の融着などが発生し、トナー粒子の性能が損なわれるが、気流式乾燥ではトナー粒子中の成分の偏在やトナー粒子の融着が起こりにくいため好ましい。
気流式乾燥を行う気流式乾燥システムとしては、例えば図1に示す気流式乾燥システムを用いることができるが、本発明は図1に示す気流式乾燥システムに限定されない。
図1に示す気流式乾燥機4にはブロア1より供給される気体を、調湿機2と熱交換器3にて調湿・加熱した気体を供給する。供給された気体は、吹き込み口5よりループ型気流管6に送られる。
湿潤トナー粒子は湿潤トナー供給機8によって定量的に供給され、気流式乾燥機を流れる気流に合流し気流と並流に送られる。気流と湿潤トナー粒子が並流で送られることで湿潤トナー粒子は乾燥され、排出口7からループ型気流管の系外へ送られる。その後、サイクロン9にて乾燥されたトナー粒子を捕集する。
本発明においては、湿潤トナー粒子の乾燥中に、周囲の気体に一定量以上の湿度を保持させる。気流式乾燥は連続で処理が行われるため処理能力としては非常に有用である一方、単位時間当たりの熱量としては大きな熱量が加えられることとなる。気体が吹き込まれた直後が最も大きな熱量が湿潤トナー粒子に加わる。湿潤トナー粒子中の水分があるうちは、加えられる熱は水分の除去に使用されるが、水分が無くなると加えられた熱がトナー粒子に作用する。ここでの気化速度をゆるやかにすることが、乾燥に使用される熱媒体によるトナー性能の劣化を引き起こさないために重要である。本発明は、乾燥に使用する気体に一定量以上の湿度がある場合、湿潤トナー粒子から水分が気化しにくくなり速度がゆるやかになることを利用したものである。加えられている熱が水分を気化させるために使われている間は、その熱がトナー粒子に直接作用しないため、熱によるトナー性能の劣化に繋がる変化を起こしにくい。
本発明において、気流式乾燥機に吹き込まれる気体の相対湿度は15質量%以上30質量%以下である。吹き込まれる気体の相対湿度が15質量%以上であれば、湿潤トナー粒子から水分が気化する速度をゆるやかにし、熱媒によるトナー粒子への影響を小さくすることができる。吹き込まれる気体の相対湿度が30質量%以下であれば、気化速度をゆるやかにしても、排出口付近に到達するまでに水分が気化しトナー粒子として排出される。
一方、吹き込まれる気体の相対湿度が30質量%を超える場合、一定量の水分は気化するものの、水分の気化速度が著しく低下するため、未乾燥の状態でトナー粒子が排出され乾燥不良となるため好ましくない。このような乾燥不良は、湿潤トナー粒子の供給量を小さくすることで緩和されるが、十分でなく、また、処理量が低下するため好ましくない。更に、著しく相対湿度が高い場合、水分の気化によって気体の温度が低下する排出口付近において、気化した水分が凝縮するなどし、装置の故障に繋がり生産性を著しく低下させる。
本発明において、気流式乾燥機から排出される気体の相対湿度は70質量%以上95質量%以下である。排出される気体の相対湿度が70質量%以上である場合、乾燥後半でも緩やかに水分の気化が進行し、熱媒がトナー粒子に作用することを防ぐことができる。排出される気体の相対湿度は70質量%より小さい場合、排出される迄に十分乾燥されるものの、乾燥後半に気体の熱媒がトナー粒子に作用しトナー性能を劣化させてしまうための好ましくない。排出される気体の相対湿度が95質量%以下である場合、サイクロンで捕集後も気体中の水分の凝縮が起こらず、トナー粒子の乾燥状態が保たれる。
本発明において、気流式乾燥機に吹き込まれる気体の温度は65℃以上75℃以下である。気流式乾燥機に吹き込まれる気体の温度が65℃以上であれば、湿潤トナー粒子中の水分を気化させるために十分な熱量を加えることができ、上記の相対湿度領域であっても十分乾燥することができる。65℃より小さい場、熱量が小さくなり上記湿度領域での乾燥が不十分となるため好ましくない。
気流式乾燥機に吹き込まれる気体の温度が75℃以下であれば、湿潤トナー粒子に加えられる熱量と上記の相対湿度領域であれば、乾燥速度をゆるやかにしたうえで湿潤トナー粒子を十分乾燥させることができる。75℃より大きい場合、湿潤トナー粒子に加えられる熱量が大きくなり、上記相対湿度領域であっても湿潤トナー粒子中の水分の気化速度を抑えられず、トナー性能が劣化してしまうため好ましくない。
本発明において、気流式乾燥機から排出される気体の温度は35℃以上45℃以下である。気流式乾燥機から排出される気体の温度は35℃以上であれば、上記湿度領域で吹き込まれた気体および湿潤トナー粒子から気化した水分が凝縮することなく乾燥することができる。35℃より小さい場合、気体中の水分が凝縮しやすくなり、乾燥工程後のトナー粒子の含水率が高くなってしまうため好ましくない。
気流式乾燥機から排出される気体の温度が45℃以下であれば、湿潤トナー粒子を十分乾燥できる。また、上記相対湿度領域であれば乾燥速度をゆるやかに保てる。45℃より大きい場合、上記湿度領域であっても乾燥速度が速くなるため、トナー性能の劣化が進んでしまうため好ましくない。
本発明に用いることができる気流式乾燥機は、図1のごときループ型気流管を具備する乾燥機を好適に用いることができる。その他に、気体が循環することなく一方向に送られる気流式乾燥機なども用いることができるが、特に限定されない。
吹き込まれる気体の温度、相対湿度は定期的に計測するなどして管理することが好ましい。図1に示すループ型気流管を具備する乾燥機の場合、ループ型気流管に吹き込まれる吹き込み口5に設けた温度計・湿度計取り付け部位12にて計測することが好ましいが、特に限定されない。気体が循環することなく一方向に送られる気流式乾燥機の場合、湿潤トナー粒子が気体へ供給される部分で計測されることが好ましいが特に限定されない。
気流式乾燥機から排出される気体の温度と相対湿度は管理することが好ましく、乾燥機から排出される場所で計測することが好ましい。乾燥工程終盤の状態を確認する意味においては、サイクロン9への吹き込み口9に設けた温度計・湿度計取り付け部位12にて計測することが好ましいが、特に限定されない。
乾燥されたトナー粒子の含水率が0.5質量%以下であることが好ましい。含水率が0.5質量%以下であれば、後工程を経て電子写真に用いるトナーとして電子写真に使用することができる。
気流式乾燥機から排出される気体の温度A(℃)と、トナー粒子のガラス転移点B(℃)との関係が、10≦B−A≦30であることが好ましい。この範囲で、本発明の温度、相対湿度領域外で乾燥を行うと、熱がトナー粒子に作用し、トナー粒子の樹脂が軟化することで樹脂に相溶していた離型剤等の原材料の編析が起こりやすくなる。10≦B−A≦30の範囲で、本発明の温度、相対湿度領域で乾燥工程を行うと、より効果が発現し、トナー粒子のトナー性能の劣化を著しく軽減できるため好ましい。
吹き込まれる気体の温度C(℃)と離型剤の融点D(℃)との関係が、C−D≦5であることが好ましい。C−D≦5の範囲であれば、吹き込まれる気体の温度は、湿潤トナー粒子が乾燥する過程で低下してゆくため、トナー粒子に含まれる離型剤に熱が作用し始める時点では離型剤の融点より低くなる。そのため、トナー粒子中での離型剤の編析によるトナー性能の劣化が発生しにくいため好ましい。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行うことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
(重合性単量体)
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が挙げられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することができる。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。 黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
<離型剤>
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1〜40質量部、より好ましくは4〜30質量部で含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。第2の離型剤としては炭素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系重合開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系重合開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1〜6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1〜6)。重合開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5〜20質量部が添加される。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート。
<結着樹脂>
本発明に用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<外添剤>
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1〜0.5μmのものがよい。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
上記磁性体のトナー中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して20〜200質量部、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40〜150質量部がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50〜200Am/kg、残留磁化(σr)2〜20Am/kgのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業(株)製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
<疎水化剤>
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明により製造されるトナーは、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電したりする方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法がある。さらには直接金属化合物と重合性単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用することも可能である。
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準の50%平均粒径として測定する。
これらキャリアの体積基準の50%平均粒径は10〜100μm、より好ましくは20〜50μmであることが好ましい。
二成分系現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%である。かかる範囲とすると通常良好な結果が得られる。
<体積基準のメディアン径(Dv50)、個数基準のメディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)を用いることができる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
粒度分布は下記の計算式(2)により導かれる数値を指標とした。
体積基準のメディアン径(Dv50)÷個数基準のメディアン径(Dn50)…式(2)
上記指標は数値が1に近いほど粒度分布がシャープなことを表す。以下この指標をDv50/Dn50とする。
<乾燥工程に使用する気体の温度の測定>
気流式乾燥機に吹き込まれる気体、および、気流式乾燥機から排出される気体の温度は以下のように測定した。測定装置として温度データーロガー(おんどとり)TR-71wf((株)ティアンドデイ製)を使用した。温度センサーを挿入可能なように加工した温度計・湿度計取り付け部位12に温度センサーを挿入し、気流式乾燥機を所定の条件で運転を開始し、運転開始から5分間経過した時点での温度を測定した。
<乾燥工程に使用する気体の相対湿度の測定>
気流式乾燥機に吹き込まれる気体、および、気流式乾燥機から排出される気体の相対湿度は以下のように測定した。測定装置として温・湿度データーロガー(おんどとり)TR-72wf−H(株式会社ティアンドデイ製)を使用した。温度センサーを挿入可能なように加工した温度計・湿度計取り付け部位12に温度センサーを挿入し、気流式乾燥機を所定の条件で運転を開始し、運転開始から5分間経過した時点での温度を測定した。
<含水率の測定>
含水率は、湿潤トナー粒子5gをアルミ皿に採取し、それを精秤(A[g])し、温度105℃に設定した乾燥機に1時間静置し、冷却後に精秤(B[g])し、以下の式で計算した値である。
含水率[%]=((A−B)/A)×100
<離型剤の融点(最大吸熱ピークのピーク温度)の測定>
本発明では、離型剤の最大吸熱ピークのピーク温度を離型剤の融点として扱った。融点は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定した。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いた。
具体的には、離型剤約1mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行った。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行った。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明の離型剤のDSC(示差走査熱量)測定における吸熱曲線の最大吸熱ピークとし、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
<トナー粒子のガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定した。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いた。具体的には、トナー粒子約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行った。この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られた。比熱変化が出る前のベースラインを延長した直線を第1の直線とし、比熱変化が出た後のベースラインを延長した直線を第2の直線とし、第1の直線と第2の直線とから縦軸方向に等距離にある直線を第3の直線とした。第3の直線と、示差熱曲線の階段状変化部分との交点の温度(いわゆる、中間点ガラス転移温度)をトナー粒子のガラス転移温度Tgとした。
<濡れ性測定>
トナー粒子の濡れ性、即ち疎水特性は、下記のようにして得たメタノール滴下透過率曲線から求めた。
まず、RO(Reverse Osmosis)水60mLを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行った。
次いで、トナー粒子を目開き150μmのメッシュで振るい、メッシュを通ったトナー0.1gを精秤して、上記RO水が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製した。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−100P」((株)レスカ製)にセットした。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、5.0s−1(300rpm)の速度で攪拌した。なお、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ20mm、最大胴径5mmの紡錘型回転子を用いた。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを0.8mL/分の滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、図2に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成した。メタノール滴下透過率曲線の透過率50%でのメタノールの濃度(体積%)をメタノール濡れ性半値とした。
メタノール濡れ性半値が大きい場合、トナー粒子の表面に疏水性物質が多く存在することが示唆される。特に、乾燥工程の条件などの違いからメタノール濡れ性半値が大きくなる場合、離型剤などの疏水性物質がトナー粒子の表面に出てきたことが示唆される。こうした場合、トナー粒子の帯電性能を低下させ、トナーとしての現像性を低下させる場合がある。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
〔湿潤トナー粒子Aの作製〕
下記の手順によって湿潤トナー粒子Aを製造した。
(顔料分散組成物の調製工程)
スチレン23.0質量部に対して、C.I.ピグメントイエロー155を1.88質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業(株)製)を0.58質量部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて温度25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(着色剤含有組成物の調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて、周速20m/秒にて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.02質量部
・スチレン 12.95質量部
・n−ブチルアクリレート 11.98質量部
・ポリエステル樹脂 1.92質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.75質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成(株)製)
0.05質量部
更に、60℃に加温した後、離型剤 マイクロクリスタリンワックス(Hi−Mic−2065;日本精蝋(株)製)4.79質量部を投入し、30分間分散・混合を行った。そして、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.31質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。離型剤の融点(℃)は表2に示す。
(水系分散媒体の調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.71質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.51質量部、10wt%塩酸1.13質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水10.20質量部に塩化カルシウム2水和物1.46質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて周速25m/秒にて30分間撹拌した。
(造粒工程)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)にて周速25m/秒で20分間撹拌して着色剤含有組成物の分散液を得た。
(反応工程)
着色剤含有組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度70℃(反応温度)に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させてトナー粒子の分散液を得た。
(洗浄/濾過/工程)
有機揮発物質除去工程を経たトナー粒子の分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。その後、トナー粒子の分散液を濾別し、ろ液と同量の水で水洗・濾過し湿潤トナー粒子Aを得た。
〔湿潤トナー粒子B〜Gの作製〕
着色剤含有組成物の調製工程において、表1に示した相違点以外は湿潤トナー粒子Aと同様の条件、方法により湿潤トナー粒子B〜Gを得た。
Figure 2018031978
〔実施例1〕
(乾燥工程)
湿潤トナー粒子Aの乾燥を、図1に示す乾燥システムを用いて行った。
乾燥機に吹き込まれる気体の温度、相対湿度は吹き込み口5に設けた温度計・湿度計取り付け部位12にて測定し、排出される気体の温度、相対湿度はサイクロン9の導入口10に設けた温度計・湿度計取り付け部位12にて測定した。
乾燥条件は表2に示す条件にて湿潤トナー粒子Aの乾燥を行い、トナー粒子A1を得た。
得られたトナー粒子A1のガラス転移温度の測定結果を表2に、含水率とメタノール濡れ性半値を表3に示す。
(外添工程)
トナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(一次粒子の数平均粒径:7nm)をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で10分間乾式混合してトナーAを得た。
得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
<現像性に関する評価>
評価機としてLBP7200C(キヤノン(株)製)の改造機を使用し、イエローカートリッジに得られたトナーを詰め替えた。高温高湿環境下(温度30℃、相対湿度80%)においてカブリの評価を行った。なお、カブリの評価は、5%の印字比率の画像を2,800枚印字後に行った。評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン(株)製、秤量80g/m)を用いた。
(1)カブリ
耐久後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」((有)東京電色製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と記録材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはブルーフィルターを用いた。
A: 1.0%未満
B: 1.0%以上2.0%未満
C: 2.0%以上3.0%未満
D: 3.0%以上4.0%未満
E: 4.0%以上
評価結果を表3に示す。
〔実施例2〜10〕
湿潤トナー粒子Aの乾燥を、図1に示す乾燥システムを用いて行った。
乾燥条件を表2に示す条件にて湿潤トナー粒子Aの乾燥を行った以外は実施例1と同様の条件、方法により、トナー粒子A2〜A10を得た。得られたトナー粒子A2〜A10の含水率とメタノール濡れ性半値を測定し、カブリの評価を行った結果を表3に示す。
〔実施例11〜16〕
湿潤トナー粒子B〜Gの乾燥を、図1に示す乾燥システムを用いて行った。
乾燥条件を表2に示す条件にて湿潤トナー粒子B〜Gの乾燥を行った以外は実施例1と同様の条件、方法により、トナー粒子B〜Gを得た。得られたトナー粒子B〜Gのガラス転移温度の測定結果を表2に、含水率とメタノール濡れ性半値、カブリの評価を行った結果を表3に示す。
〔比較例1〜9〕
湿潤トナー粒子Aの乾燥を、図1に示す乾燥システムを用いて行った。
乾燥条件を表2に示す条件にて湿潤トナー粒子Aの乾燥を行った以外は実施例1と同様の条件、方法により、トナー粒子A11〜19を得た。得られたトナー粒子A11〜19のガラス転移温度の測定結果を表2に、含水率とメタノール濡れ性半値、カブリの評価を行った結果を表3に示す。
〔比較例10〕
湿潤トナー粒子Eの乾燥を、図1に示す乾燥システムを用いて行った。
乾燥条件を表2に示す条件にて湿潤トナー粒子Eの乾燥を行った以外は実施例1と同様の条件、方法により、トナー粒子E2を得た。得られたトナー粒子E2の含水率とメタノール濡れ性半値を測定し、カブリの評価を行った結果を表3に示す。
実施例13,14と比較して、メタノール濡れ性半値が低下し、それに伴いカブリの評価結果も低下している。これらは、湿度を持たない気体を乾燥に用いたことによって、初期乾燥速度が速く、気体が高温の状況下にトナー粒子が晒されたためと推察できる。また、湿潤トナー粒子が乾燥し、トナー粒子になった時点での相対湿度が小さいため、気体の有する熱によってトナー性能の劣化に繋がったためと推察できる。
Figure 2018031978
Figure 2018031978
1 :ブロア
2 :調湿機
3 :熱交換器
4 :気流式乾燥機
5 :吹き込み口
6 :ループ型気流管
7 :排出口
8 :湿潤トナー供給機
9 :サイクロン
10:導入口
11:バグフィルター
12:温度計・湿度計取り付け部位

Claims (4)

  1. 結着樹脂と着色剤と離型剤と水を含有する湿潤トナー粒子を乾燥させる乾燥工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
    該乾燥工程は、該湿潤トナー粒子を気流に供給し、気体と並流に送りながら乾燥させる気流式乾燥機にて行われ、
    該気流式乾燥機に吹き込まれる気体の相対湿度が15質量%以上30質量%以下であり、
    該吹き込まれる気体の温度が65℃以上75℃以下であり、
    該気流式乾燥機から排出される気体の相対湿度は70質量%以上95質量%以下であり、
    該排出される気体の温度Aが35℃以上45℃以下である
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該乾燥工程にて乾燥されたトナー粒子の含水率が0.5質量%以下である請求項1に記載のトナー粒子の製造方法
  3. 該気流式乾燥機から排出される気体の温度A(℃)と、該トナー粒子のガラス転移点B(℃)との関係が、
    10≦B−A≦30
    である請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該吹き込まれる気体の温度C(℃)と該離型剤の融点D(℃)との関係が、
    C−D≦5
    である請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
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