JP6762698B2 - 混合処理装置、混合処理方法およびトナーの製造方法 - Google Patents

混合処理装置、混合処理方法およびトナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は粉体を混合する混合処理装置に関する。また本発明による混合処理装置を用いた粉体の混合処理方法およびトナーの製造方法に関する。特に、装置の摩耗が少なく生産性に優れた混合処理装置、混合処理方法およびトナーの製造方法に関する。
粉体の混合処理および混合装置は、工業製品の製造過程において複数の原材料の調合、中間処理、製品の調整等多岐にわたり利用されている。
粉体混合装置は、混合処理室内で例えば撹拌翼のような混合処理部によって粉体を混合する。混合処理部は粉体との摩擦によって摩耗が発生する場合がある。摩耗が進むと所望の混合処理が困難となり修理や交換が必要となるといった課題が生じている。こうしたことから、耐摩耗性に優れた粉体混合装置が求められている。
耐摩耗性を向上させる方法として、部材の表面硬度を上げることが一般的に行われる。その方法としては次のものが挙げられる。すなわち、高周波焼入れ、浸炭、窒化、めっき、肉盛りおよび溶射による方法である。これらの硬度範囲は、高周波焼入れではHV(ビッカース硬さ)200からHV800、浸炭ではHV700からHV900程度である。また、窒化ではHV1000からHV1200程度である。窒化を施す場合においては、窒化の対象材料が窒化鋼でなければ前述の表面硬度は望めないことから材料費が高価である。めっき、肉盛りおよび溶射は母材に関係なく加工ができるため、HV1000からHV1200程度まで表面硬度を上げることができるばかりか、母材の材質を殆ど考慮する必要がないことから多く用いられる。
これらの方法の中でも、被摩耗部にタングステン、コバルト、鉄、クロム等を主成分とする材料を溶接により肉盛り又は溶射することによって、耐摩耗層を形成する手法が開示されている。
例えば特許文献1では、石炭焚きボイラや石炭ガス化複合発電(IGCC)等において、燃焼炉やガス化炉の下流側配管を流れるガスの組成を調査するため、ガスのサンプリングを行なうガスサンプリング装置の摩耗に対して次の手法が開示されている。クロム及びタングステンを主成分とするコバルト基合金又はNi基自溶性合金を被摩耗部に溶接による肉盛り又は溶射によって溶着層を形成することによって、耐摩耗性に優れたガスサンプリング装置を開示している。
特許文献2では、化学反応を伴う混合・混練処理を行う混合・混練機のパドルに、表面が凹凸状を成す溶接下盛層の上に耐摩耗層としてタングステン炭化物−コバルト系合金の肉盛り層を形成する耐摩耗処理されたパドルが開示されている。これによって耐摩耗層の離脱を軽減でき、離脱によって母材の摩耗の進行を抑制される。
特許文献3では、超高速フレーム溶射法によって、タングステンカーバイドまたは、クロームカーバイドを主成分とする超硬合金皮膜を膜厚0.05〜3.0mmで形成する耐摩耗性のライニング材が開示されている。
これらの方法は母材表面に耐摩耗層を形成し表面硬度を高めることで耐摩耗効果を発現させている。しかしながら、粉体混合装置の被摩耗部にこうした手法により耐摩耗層を形成した場合、一定の耐摩耗効果は確認できるが、装置の接粉部に処理粉体が擦れ摩擦が起こる場合、次第に線状の溝が複数発生してしまう。粉体混合装置では、処理粉体と被摩耗部の衝突による摩耗の他に、処理粉体が被摩耗部表面を滑ることで摩擦が生じ摩耗が発生する。摩擦による摩耗には、前述の方法では効果は限定的である。そのため、製品の生産において連続して使用した場合、摩耗の進行に応じて修理、交換が必要となるばかりか、これら作業に伴い装置を停止させるため生産性を低下させてしまう。そのため、摩擦による摩耗にも耐えうる耐摩耗処理を施した粉体混合装置が求められている。
特開2012‐137437号公報 特開2001‐162618号公報 特開平11−172408号公報
本発明は、上述の如き問題を解決した粉体混合装置、粉体処理方法およびトナーの製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、処理粉体による摩耗を抑制した粉体混合装置を提供することである。更に、処理粉体による摩耗を抑制した粉体混合装置を用いた粉体処理方法およびトナーの製造方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、粉体を混合処理するための混合処理装置であって、
該混合処理装置が、該粉体が収容される混合処理室と、該混合処理室内で回転軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、を備え、
該回転体が、回転体本体と、該回転体本体の外縁部分に形成された混合処理部と、を有し、
該混合処理室の内壁、および、該混合処理部の少なくとも一方の、該粉体に接触する部分に耐摩耗層が形成されており、
該耐摩耗層が、結着材料としての、ニッケルを含む自溶性合金と、体積基準のメディアン径(Dv50)が異なる、第1のタングステンカーバイド粒子および第2のタングステンカーバイド粒子と、を用いて形成された層であり、
該第1のタングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)をA[μm]とし、該第2のタングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)をB[μm]としたとき、AとBとの比A/Bが、1.6以上6.0以下である混合処理装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、
前述の混合処理装置を用いて粉体の混合処理を行う混合処理方法であって、
該粉体を前記混合処理室に収容し、前記混合処理室内で前記回転体を回転させて、該粉体の混合処理を行う混合処理方法、および、
前述の混合処理装置を用いて粉体状のトナー粒子および粉体状の外添剤を混合処理する外添工程を含むトナーの製造方法であって
該粉体状のトナー粒子および該粉体状の外添剤を前記混合処理室に収容し、前記混合処理室内で前記回転体を回転させて、該粉体状のトナー粒子および該粉体状の外添剤の混合処理を行うトナーの製造方法が提供される。
以上説明したように、本発明によれば、耐摩耗性に優れた混合処理装置を提供することができる。さらには、本発明よる混合処理装置を用いた粉体の混合処理方法およびトナーの製造方法を提供することができる。
本発明に好適に用いられる混合処理装置の一例の概略図。 図1の混合処理装置の回転体を90度回転させた状態を示す概略図。 本発明に好適に用いられる混合処理装置の他の例の概略図。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明が好適に適用する混合装置は、原材料の混合、製造工程での中間処理、製品の混合処理等、各種粉体の混合工程に使用される。その他、乾式での粉体の混合処理であれば適応できる。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中で造粒し重合性単量体組成物の粒子を形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法に本発明を用いた場合について工程毎に説明する。
(着色剤含有組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を少なくとも含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、水系媒体中に重合性単量体組成物の粒子を形成することによって重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としてはハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)、T.K.フィルミックス(プライミクス(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)の如き市販のものを用いることができる。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」((株)神鋼環境ソリューション製)、「ツインスター」((株)神鋼環境ソリューション製)、「マックスブレンド」(住友重機械工業(株)製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業(株)製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学(株)製)などが挙げられる。
(蒸留工程)
必要であれば未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水系媒体を蒸留工程により留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
重合体粒子の表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、水を再度添加して重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度が要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
(外添工程)
トナー粒子への各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。トナー粒子と外添剤を混合する混合処理装置としては、例えば、図1および図2に示す混合処理装置を用いることができるが特に限定されない。
図1に示す混合処理装置1には、混合処理室2内に回転体3が具備され、回転体3は回転体本体12と混合処理部4,5とを有し、混合処理部4,5は回転体本体12の外縁部分に複数形成されている。回転体3は、混合処理室内で回転軸9を中心に回転可能に設けられている。混合処理室2の内部に収容された粉体状のトナー粒子および外添剤は、回転体3を回転させることによって混合処理部4,5がトナー粒子および外添剤を流動させることによって混合処理される。混合処理部4は混合処理部5と異なる方向へトナー粒子および外添剤を流動させるように配することが好ましく、さらには混合処理部4によって流動されるトナー粒子および外添剤の方向が混合処理部5による方向と逆方向であることが好ましい。
図1に示す例では、混合処理部4によってトナー粒子および外添剤が流動される方向は左方向であり、混合処理部5によってトナー粒子および外添剤が流動される方向は右方向である。
図2に示す混合処理装置の概略図は、図1の混合処理装置の回転体3を動力機6によって矢印11の方向へ90度回転させたものである。混合処理部5は動力機6から遠ざかる方向にトナー粒子および外添を流動させ、混合処理部4は動力機6に近づく方向にトナー粒子および外添を流動させるように具備されている。これによって、トナー粒子および外添を良好に混合することができる。
また、トナー粒子と外添剤を混合する混合処理装置としては、図3に示す混合処理装置を用いることもできるが特に限定されない。
図3に示す混合処理装置31には、混合処理室32内に回転体33が具備され、回転体33は回転体本体41と混合処理部34,35とを有し、混合処理部34,35は回転体本体41の外縁部分に複数形成されている。回転体33は、混合処理室内で回転軸39を中心に回転可能に設けられている。混合処理室内に収容された粉体状のトナー粒子および外添剤は、回転体33を回転させることによって混合処理部34,35がトナー粒子および外添剤を流動させることによって混合処理される。混合処理部35が混合処理室32の下部のトナー粒子および外添剤を上方に流動させ、混合処理部34がトナー粒子および外添剤を混合処理室32の全体に流動させるよう具備されている。更には、混合処理室32の上部に邪魔板38が具備されている。これらによって、トナー粒子および外添剤を良好に混合することができる。
本発明の混合処理装置においては、混合処理室内の混合処理室の内壁および混合処理部の少なくとも一方の、トナー粒子および外添剤が接触する部分には、耐摩耗層が形成されている。耐摩耗層は、
結着材料としてのニッケルを含む自溶性合金と、
体積基準のメディアン径(メジアン径)が異なる、第1のタングステンカーバイド粒子および第2のタングステンカーバイド粒子と
を用いて形成された層である。
異なるメディアン径のタングステンカーバイド粒子を存在させることで、径の大きいタングステンカーバイド粒子の粒子間の埋めるように径の小さいタングステンカーバイド粒子が存在する。こうした耐摩耗層によって、径の小さいタングステンカーバイドが、径の大きいタングステンカーバイド粒子に挟まり摩擦摩耗に対しても結着材料が削られるのを防ぐことができるため好ましい。単一のメディアン径のタングステンカーバイド粒子を使用した場合、一定の耐摩耗性能を発揮する。しかしながら、結着材料が摩耗するにつれタングステンカーバイド粒子も外れやすくなることから、摩擦摩耗が発生しやすくなってしまっていた。
第1のタングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径をA[μm]とし、第2のタングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径をB[μm]としたとき、AとBとの比A/Bが、1.6以上6.0以下であることが好ましい。A/Bが、1.6以上6.0以下(1.6≦A/B≦6.0)であるとき、第1のタングステンカーバイド粒子の間隙に第2のタングステンカーバイド粒子が入り込み耐摩耗効果が大きくなるため好ましい。
1.6≦A/Bの場合、第1のタングステンカーバイド粒子の粒子径と第2のタングステンカーバイド粒子の粒子径とが近すぎず、そのためタングステンカーバイド粒子間の間隙が一様になったりせず、結着材料の摩耗を抑制でき、十分な耐摩耗性能が得られる。
A/B≦6.0の場合、第1のタングステンカーバイド粒子の間隙に入り込む第2のタングステンカーバイド粒子が小さすぎず、第2のタングステンカーバイド粒子が第1のタングステンカーバイド粒子に挟まりやすい状態となる。このため、耐摩耗性能が大きくなり好ましい。
耐摩耗層の形成方法としては、以下のような方法が好ましいが特に限定されない。
・ニッケルを含む自溶性合金とタングステンカーバイドを含む溶接棒を用いて溶接によって肉盛りする方法
・ニッケルを含む自溶性合金とタングステンカーバイドを含む溶射材を溶射することによって形成する方法
肉盛によって耐摩耗層を形成する場合、ガス溶接で行われることが好ましい。ガス溶接であれば、ニッケルを含む自溶性合金とタングステンカーバイドを含む材料と耐摩耗層形成部の母材とが密着し剥離等が無く良好に耐摩耗層を形成できる。更には、タングステンカーバイド粒子が溶融しないため、耐摩耗層中に粒子状で存在するため耐摩耗性を十分に発揮できるため好ましい。
ガス溶接以外の方法により耐摩耗層を形成する場合、例えば、アーク溶接にて施工する場合、ガス溶接よりも溶接温度が高温となり、混合装置の形状を変形させてしまう場合がある。また、特に高温の場合にはタングステンカーバイド粒子が溶融し粒子として存在しないため、本発明による耐摩耗性が損なわれるため好ましくない。ガス溶接により肉盛りするのと同時に、異なるメディアン径のタングステンカーバイド粒子を溶射することによって耐摩耗層を形成することもできる。
耐摩耗層に使用されるニッケルを含む自溶性合金とタングステンカーバイドを含む溶接棒および、ニッケルを含む自溶性合金とタングステンカーバイドを含む溶射材のタングステンカーバイド粒子の含有量は、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。50質量%より小さい場合、耐摩耗性能が小さくなるため好ましくない。90質量%より大きい場合、耐摩耗層形成面と耐摩耗層との密着性が低下し、耐摩耗層の剥離が発生するため好ましくない。
混合装置の回転軸と直交する断面において、混合処理室の内壁と混合処理部との距離が、70mm以下であると本発明の効果がより発現する。70mm以下である場合、混合処理室の内壁と混合処理部間におけるトナー粒子および外添剤の摺擦による摩耗作用が小さくならないため、耐摩耗性に優れるという本発明の効果がより発現する。
粉体混合装置の回転軸と直交する断面での混合処理室の内壁と混合処理部との距離は、一般的に10mm以上である。10mm以上の場合、混合処理室の内壁近傍の混合による遠心方向への力の影響が大きくなりすぎず、トナー粒子および外添剤が混合処理室の内壁に圧密され凝集物が発生しやすくなったりしない。また、混合処理室の内壁に凝集物が発生すると、混合処理室内の熱が放熱されにくくなり混合処理室内の温度が高くなり、これによって、粉体の品質に影響を与えることがあるが、10mm以上の場合、このようなことも発生しない。特に、トナー粒子の如き樹脂粉体は熱によって混合処理室内で融着するといった弊害が発生するが、10mm以上の場合、このような弊害も発生しないため好ましい。
混合処理部における混合処理室の内壁に最も近い部分の周速は9.0m/秒以上であることが好ましい。混合処理部の周速は9.0m/秒以上である場合、トナー粒子および外添剤による摩耗作用がより大きくなるため本発明の耐摩耗層の効果が顕著に発現する。周速が9.0m/秒以上である場合、混合処理部トナー粒子および外添剤による摩耗作用が大きいため本発明の効果が顕著に発現する。
混合処理部の周速が70.0m/秒以下である場合、動力機への負荷が大きくならず、回転体の機械的強度や軸振れ等に対応した設計とする必要も無く、混合装置の製作コストが大きくなったりもしないため好ましい。さらに、混合処理部による撹拌熱が大きくなり混合処理室の温度が上昇してしまい混合処理室内にトナー粒子が溶着する、といった弊害が生じたりもしないため好ましい。こうしたことから、混合処理部の周速は70.0m/秒以下で運転される。
トナー粒子の真密度は一般的に、1.1g/cm以上2.0g/cm以下である。この範囲の真密度のトナー粒子を混合処理する場合、本発明の効果が好適に発現する。更に、トナー粒子の真密度が1.4以上である場合、外添時の摩耗作用がより大きくなるため本発明の耐摩耗層による耐摩耗効果がより顕著になる。
(重合性単量体)
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することができる。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート
、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下添加して用いられる。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
<離型剤>
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部、より好ましくは4乃至30質量部含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。第2の離型剤としては炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部が添加される。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、グリシジルアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート。
<結着樹脂>
本発明の懸濁重合法及び溶解懸濁法で用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ス
チレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<有機溶剤>
本発明の溶解懸濁法で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることができる。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、エステル系の溶媒またはケトン系の溶媒が、溶解性が高く好ましい。エステル系の溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられ、ケトン系の溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<有機溶媒中に添加する変性樹脂>
本発明の溶解懸濁法で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができる。例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
<活性水素基含有化合物>
本発明の溶解懸濁法で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
<外添剤>
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体積平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
外添剤として用いられる粉体の真密度は一般的に、2.0g/cm以上3.7g/cm以下である。真密度がこの範囲の外添剤であれば、本発明の耐摩耗効果が好適に発現する。更に、密度が2.9g/cm以上である場合、外添時の摩耗作用がより大きくなるため本発明の耐摩耗層による耐摩耗効果がより顕著になる。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μm程度のものがよい。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
上記磁性体のトナー中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して20乃至200質量部、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40乃至150質量部がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50乃至200Am2/kg、残留磁化(σr)2乃至20Am2/kgのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業(株)製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
<疎水化剤>
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明により製造されるトナーは、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電したりする方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、直接金属化合物と重合性単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用できる。
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準のメディアン径として測定する。
これらキャリアの平均粒径は10乃至100μm、より好ましくは20乃至50μmであることが望ましい。
二成分系現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2質量%乃至15質量%、好ましくは4質量%乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こりやすい。
<体積基準のメディアン径(Dv50)、個数基準のメディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
<真密度の測定方法>
真密度は、乾式自動密度計オートピクノメーター(ユアサアイオニクス(株)製)により測定した。条件は下記の通りである。
セル SMセル(10mL)
サンプル量 8mL
この測定装置は、気相置換法に基づいて、固体・液体の真密度を測定するものである。液相置換法と同様、アルキメデスの原理に基づいているが、置換媒体としてガス(アルゴ
ンガス)を用いるため、精度が高い。
<タングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)の測定方法>
タングステンカーバイドの体積基準のメディアン径(Dv50)は以下のようにして算出する。測定装置としては、光学顕微鏡 BX51(オリンパス(株)製)を用いる。
試料作成は、プレパラートにタングステンカーバイド粒子を乗せ、その後エアブローし不要なタングステンカーバイド粒子を除去する。タングステンカーバイド粒子を乗せたプレパラートを顕微鏡にセットし透過光に設定し、対物レンズは20倍のものを使用する。
ピントを合わせ、10視野の画像を記録する。
画像解析ソフトStreamを使用し、画像解析によって体積基準のメディアン径(Dv50)を算出する。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。以下にトナー粒子の製造方法について記載する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
〔トナー粒子Aの作成〕
<未処理磁性体の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9.0に維持しながら、空気を吹き込み、温度80℃以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーをろ過と洗浄を行った後、再びろ過をした。その後、解砕、乾燥を行い、未処理の磁性体を得た。
<シラン化合物1の調製>
イソブチルトリメトキシシラン20質量部をイオン交換水80質量部に対して攪拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度40℃に保持し、ディスパー翼を用いて周速0.46m/秒で2時間分散させて加水分解を行い、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物1を得た。
<処理磁性体1の製造>
未処理の磁性体をヘンシェルミキサー(日本コークス工業(株)製)に入れ、周速34.5m/秒で分散しながら、シラン化合物1を噴霧して加えた。そのまま10分間分散させた後、シラン化合物1が吸着した磁性体を取り出し、温度160℃で2時間静かに置いて処理磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を処理磁性体1として得た。
<トナー粒子Aの製造>
(水系媒体の調整)
イオン交換水720質量部に0.1M−Na3PO4水溶液440質量部を投入して60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液61.2質量部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
(分散工程)
・スチレン 76.00質量部
・n−ブチルアクリレート 24.00質量部
・ジビニルベンゼン 0.52質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土谷化学工業(株)製) 1.00質量部
・処理磁性体1 80.00質量部
・非晶質ポリエステル 3.00質量部
(ビスフェノールAのE.O.付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂:数平均分子量 Mn=5,000、酸価=12mgKOH/g、ガラス転移温度 Tg=68℃)
上記成分を第一撹拌部材と第二撹拌部材および撹拌槽を有する分散装置を用いて30分散処理を行った。用いた分散装置の装置構成は表1に示す。
均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(吸熱ピークトップ温度:77.2℃)15.0質量部を加え70分混合溶解した後、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.5質量部を溶解させ重合性単量体組成物を得た。
得られた重合性単量体組成物を分散装置から排出した後、分散装置に水を投入し撹拌した後に水を排出した。
上記分散工程を1セットとし重合性単量体組成物を製造し、同じ分散装置を使用して20サイクル繰り返し、重合性単量体組成物を分散装置から排出し、分散装置に水を投入し撹拌し水を排出した。
(造粒工程)
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N雰囲気下においてハイシェアミキサー(IKA社製)にて3000rpmにて15分間撹拌し重合性単量体組成物の分散液を得た。
(反応工程)
造粒工程終了後、重合性単量体組成物の分散液を、パドル撹拌羽根を具備した撹拌槽に移し、撹拌しつつ0.5℃/分の速度で70℃まで昇温し、70℃に保持したまま4時間反応させた。その後、0.2℃/分の速度で90℃に昇温し、2時間保持した後、0.5℃/分の速度で30℃まで徐々に冷却した。
(洗浄・濾過・乾燥工程)
冷却後、塩酸を加えて洗浄した後に濾過・乾燥してトナー粒子Bを得た。
得られたトナー粒子Aの体積基準のメディアン径(Dv50)は7.5μm、真密度は1.4g/cmであった。
〔実施例1〕
(混合処理装置)
図1に示す混合処理装置にて外添工程を行った。混合処理装置の混合処理室の内壁と混合処理部の粉体(トナー粒子)に接触する部分にはオーステナイト系ステンレスを使用し、表面に耐摩耗層を形成した。
耐摩耗層は、
ニッケルを含む自溶性合金と体積基準のメディアン径が250μmの第1のタングステンカーバイド粒子とを含むガス溶接棒を用いてガス溶接にて肉盛りすると共に、
ニッケルを含む自溶性合金と体積基準のメディアン径が80μmの第2のタングステンカーバイド粒子とを含む溶射材を溶射し形成した。
回転軸と直交する断面上の混合処理部における混合処理室の内壁に最も近い部分との距離は30mmに設定した。
(外添工程)
下記の材料を、図1に示す混合処理装置に投入し、混合処理部の周速を15.4m/秒で回転させ5分間混合しトナーを得た。
・トナー粒子A 100質量部
外添剤として
・疎水性シリカ微粉体 真密度2.0g/cm(個数平均一次粒子径7.2nm) 0.6質量部
・酸化チタン微粒子 真密度2.9g/cm (個数平均一次粒子径:20nm) 0.5質量部
(摩耗評価)
粉体混合装置の摩耗状態は、該添工程を5000バッチ行い、1000バッチ、2500バッチ、5000バッチ終了後に混合処理室の内壁と混合処理部それぞれに摩耗評価をした。摩耗評価の結果を表1に示す。
(評価基準)
A:摩耗が無い
B:スジ状の摩耗が1から3本発生している。
C:スジ状の摩耗が多数重なっている部分が複数個所存在する
D:摩耗により接粉部の形状が一部変化している
E:摩耗により接粉部の形状が大きく変形し、交換が必要。
〔実施例2〕
第1のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径70μm、第2のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径45μmのものを用いた以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例3〕
第1のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径90μm、第2のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径15μmのものを用いた以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例4〕
第1のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径60μm、第2のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径45μmのものを用いた以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例5〕
第1のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径250μm、第2のタングステンカーバイド粒子を体積基準のメディアン径15μmのものを用いた以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例6〕
回転軸と直交する断面の混合処理部と混合処理室の内壁との距離を70mmに設定した以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例7〕
混合処理部の周速を9.0m/秒で回転させ5分間混合した以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例8〕
混合処理部の周速を70.0m/秒で回転させ5分間混合した以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例9〕
耐摩耗層は、
ニッケルを含む自溶性合金と体積基準のメディアン径が250μmの第1のタングステンカーバイド粒子を含む溶接棒を用いてアーク溶接にて肉盛りすると共に、
ニッケルを含む自溶性合金と体積基準のメディアン径が80μmの第2のタングステンカーバイド粒子とを含む溶射材を溶射し形成した以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔実施例10〕
図3に示す混合処理装置を用いて外添工程を行った。混合処理装置の混合処理室の内壁と混合処理部の粉体(トナー粒子)に接触する部分にはオーステナイト系ステンレスを使用し、表面に耐摩耗層を形成した以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔比較例1〕
図1に示す混合処理装置の粉体に接触する部分にはオーステナイト系ステンレスを使用し、表面に耐摩耗層を形成しなかった以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔比較例2〕
回転軸と直交する断面の混合処理部と混合処理室の内壁との距離を70mmに設定した以外は比較例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔比較例3〕
混合処理部の周速を9.0m/秒で回転させ5分間混合した以外は比較例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔比較例4〕
耐摩耗層は、ニッケルを含む自溶性合金中に体積基準のメディアン径が250μmのタングステンカーバイド粒子を含む溶接棒を用いてガス溶接により肉盛りすることにより形成した。このこと以外は比較例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔比較例5〕
耐摩耗層は、ニッケルを含む自溶性合金中に体積基準のメディアン径が80μmのタングステンカーバイド粒子を含む溶接棒を用いてガス溶接により肉盛りすることにより形成したこと以外は比較例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
〔比較例6〕
図3に示す混合処理装置の粉体に接触する部分にはオーステナイト系ステンレスを使用し、表面に耐摩耗層を形成なかった以外は実施例1と同様の条件、方法により外添工程を行い、摩耗評価を行った。摩耗評価の結果を表1に示す。
Figure 0006762698
1、31‥‥混合装置
2、32‥‥混合処理室
3、33‥‥回転体
4、34‥‥混合処理部
5、35‥‥混合処理部
6、36‥‥動力機
7、37‥‥ジャケット
38‥‥邪魔板
9、39‥‥回転軸
12、41‥‥回転体本体

Claims (8)

  1. 粉体を混合処理するための混合処理装置であって、
    該混合処理装置が、
    該粉体が収容される混合処理室と、
    該混合処理室内で回転軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、
    を備え、
    該回転体が、
    回転体本体と、
    該回転体本体の外縁部分に形成された混合処理部と、
    を有し、
    該混合処理室の内壁、および、該混合処理部の少なくとも一方の、該粉体に接触する部分に耐摩耗層が形成されており、
    該耐摩耗層が、
    結着材料としての、ニッケルを含む自溶性合金と、
    体積基準のメディアン径(Dv50)が異なる、第1のタングステンカーバイド粒子および第2のタングステンカーバイド粒子と、
    を用いて形成された層であり、
    該第1のタングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)をA[μm]とし、該第2のタングステンカーバイド粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)をB[μm]としたとき、AとBとの比A/Bが、1.6以上6.0以下であ
    ことを特徴とする混合処理装置。
  2. 前記粉体に接触する部分にオーステナイト系ステンレスが使用されている請求項1に記載の混合処理装置。
  3. 前記耐摩耗層が、ガス溶接によって形成されている請求項1または2に記載の混合処理装置。
  4. 前記回転軸と直交する断面において、
    前記混合処理室の内壁と
    前記混合処理部における前記混合処理室の内壁に最も近い部分と
    の距離が、70mm以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の混合処理装置。
  5. 前記混合処理室の内壁の、前記粉体に接触する部分に、前記耐摩耗層が形成されている請求項1〜のいずれか1項に記載の混合処理装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の混合処理装置を用いて粉体の混合処理を行う混合処理方法であって、
    該粉体を前記混合処理室に収容し、前記混合処理室内で前記回転体を回転させて、該粉体の混合処理を行うことを特徴とする混合処理方法。
  7. 前記混合処理部における前記混合処理室の内壁に最も近い部分の周速が9.0m/秒以上になるように前記回転体の回転を制御して前記粉体の混合処理を行う請求項に記載の混合処理方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合処理装置を用いて粉体状のトナー粒子および粉体状の外添剤を混合処理する外添工程を含むトナーの製造方法であって、
    該粉体状のトナー粒子および該粉体状の外添剤を前記混合処理室に収容し、前記混合処理室内で前記回転体を回転させて、該粉体状のトナー粒子および該粉体状の外添剤の混合処理を行うことを特徴とするトナーの製造方法。
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