JP2007229703A - 粉末の混合方法、撹拌機、及び、ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

粉末の混合方法、撹拌機、及び、ハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撹拌羽根が摩耗されにくくなり、長期に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことが可能な撹拌機を用いた粉末の混合方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類の粉末の混合及び輸送を行う粉末の混合方法であって、撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、上記少なくとも1種類の粉末を投入し、上記撹拌機の撹拌棒を回転させ、上記少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させることを特徴とする粉末の混合方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、粉末の混合方法、撹拌機、及び、ハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
図2は、このようなハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
ハニカム構造体130では、図3に示すようなハニカム焼成体140がシール材層(接着剤層)131を介して複数個結束されてセラミックブロック133を構成し、さらに、このセラミックブロック133の外周にシール材層(コート層)132が形成されている。
また、ハニカム焼成体140は、図3に示すように、長手方向に多数のセル141が並設され、セル141同士を隔てるセル壁143がフィルタとして機能するようになっている。
すなわち、ハニカム焼成体140に形成されたセル141は、図3(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封口材層142により目封じされ、一のセル141に流入した排ガスは、必ずセル141を隔てるセル壁143を通過した後、他のセル141から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁143を通過する際、パティキュレートがセル壁143部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
従来、このようなハニカム構造体130を製造する際には、まず、原料粉末であるセラミック粉末とバインダとを混合し、さらに分散媒液等を添加、混合して湿潤混合物を調製する。そして、この湿潤混合物をダイスにより連続的に押出成形し、押出された成形体を所定の長さに切断することにより、角柱形状のハニカム成形体を作製する。
次に、得られたハニカム成形体を、マイクロ波乾燥や熱風乾燥を利用して乾燥させ、その後、所定のセルに目封じを施し、セルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態とした後、脱脂処理及び焼成処理を施し、ハニカム焼成体を製造する。
この後、ハニカム焼成体の側面にシール材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体同士をシール材ペーストを用いて接着させることにより、接着剤層を介してハニカム焼成体が多数結束した状態のハニカム焼成体の集合体を作製する。次に、得られたハニカム焼成体の集合体に、切削機等を用いて円柱、楕円柱等の所定の形状に切削加工を施してセラミックブロックを形成し、最後に、セラミックブロックの外周にシール材ペーストを塗布してコート層を形成することにより、ハニカム構造体の製造を終了する。
このようなハニカム構造体の製造方法において、セラミック粉末を含む原料粉末を混合する装置として、例えば、特許文献1には、含水原料を撹拌後、成形機に供給する装置が開示されている。
特開2002−253946号公報
このような製造方法では、セラミック粉末及びバインダ等を混合する工程において、撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備えた撹拌機を用いることにより、原料粉末を混合しながら、移動させることができる。
しかしながら、原料粉末の混合及び移動を上記構成を有する撹拌機を用いて行う場合、通常の金属材料からなるスクリューを備えた撹拌機では、撹拌羽根の摩耗により、スクリューの取り換えを頻繁に行わなければならないという問題が発生していた。
特に、原料粉末が、炭化ケイ素粉末等の硬いセラミック粉末を含むものである場合には、撹拌羽根の交換を頻繁に行わなければならず、当然、撹拌羽根の交換を行う際には、作業を停止する必要があるため、作業効率、及び、生産性の低下に繋がっていた。
また、特許文献1に開示された発明は、含水原料を撹拌する際に使用する装置に関する発明であるが、この発明では、セラミック粉末を含む原料粉末を撹拌した際に磨耗し易い撹拌羽根を着脱可能な構成とすることが開示されている。
しかしながら、スクリュー自体を交換する場合であっても、特許文献1の記載のように撹拌羽根のみを交換する場合であっても、頻繁に構成部材の交換を要する点では同様であり、どちらの場合も作業を停止する必要があるため、作業効率、及び、生産性を向上させるには、改善の必要があった。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、撹拌機を構成するスクリューの交換頻度を減少させるための方策を見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の粉末の混合方法は、少なくとも1種類の粉末の混合及び輸送を行う粉末の混合方法であって、
撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、
上記少なくとも1種類の粉末を投入し、上記撹拌機の撹拌棒を回転させ、上記少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させることを特徴とする。
上記粉末の混合方法において、上記少なくとも1種類の粉末は、無機粉末と有機粉末とを含むことが望ましい。
また、上記粉末の混合方法では、上記無機粉末として、粒子径の異なる2種以上の粉末を含み、かつ、上記無機粉末を粒子径の大きい順に投入した後に、有機粉末を投入することが望ましい。
また、上記粉末の混合方法において、上記高硬度部材又は上記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドであることが望ましい。
また、上記粉末の混合方法では、上記撹拌羽根の縁部と上記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下であることが望ましい。
また、上記粉末の混合方法において、上記高硬度部材又は上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、8μm以下であることが望ましい。
本発明の撹拌機は、撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させる撹拌機であって、
上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする。
本発明の撹拌機において、上記高硬度部材又は上記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドであることが望ましい。
また、上記撹拌機では、上記撹拌羽根の縁部と上記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下であることが望ましい。
また、上記撹拌機において、上記高硬度部材又は上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、8μm以下であることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、少なくとも1種類のセラミック粉末を含む原料粉末の混合及び輸送を行う混合輸送工程を行った後、この原料粉末の混合物に、さらに液体原料を混合して湿潤混合物を調製し、この湿潤混合物を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、これを焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記混合輸送工程では、撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、上記原料粉末を投入し、上記撹拌機の上記撹拌棒を回転させ、上記原料粉末を混合しながら移動させることを特徴とする。
本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記原料粉末は、セラミック粉末と有機粉末とを含むことが望ましい。
また、上記ハニカム構造体の製造方法では、上記セラミック粉末として、粒子径の異なる2種以上のセラミック粉末を含み、かつ、上記セラミック粉末を粒子径の大きい順に投入した後に、有機粉末を投入することが望ましい。
また、本発明の製造方法で用いる撹拌機において、上記高硬度部材又は上記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドであることが望ましい。
また、上記製造方法で用いる撹拌機では、上記撹拌羽根の縁部と上記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下であることが望ましい。また、上記製造方法で用いる撹拌機において、上記高硬度部材又は上記高硬度被覆層の表面粗さRaは、8μm以下であることが望ましい。
本発明の粉末の混合方法によれば、高硬度被覆層が形成された撹拌羽根、又は、高硬度部材からなる撹拌羽根を備えた撹拌機を用いているので、撹拌羽根が摩耗されにくくなり、長期に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことが可能となり、運転の休止による作業効率の低下や生産量の減少を防止することができるとともに、設備費の増大を防止することができる。
また、本発明の撹拌機は、高硬度被覆層が形成された撹拌羽根、又は、高硬度部材からなる撹拌羽根を備えているため、撹拌羽根が摩耗されにくくなり、長期に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、高硬度被覆層が形成された撹拌羽根、又は、高硬度部材からなる撹拌羽根を備えた撹拌機を用いているので、撹拌羽根が摩耗されにくくなり、長期に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことが可能となり、運転の休止による作業効率の低下や生産量の減少を防止することができるとともに、設備費の増大を防止することができる。
まず、本発明の粉末の混合方法、及び、本発明の撹拌機について説明する。
本発明の粉末の混合方法は、少なくとも1種類の粉末の混合及び輸送を行う粉末の混合方法であって、
撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、
上記少なくとも1種類の粉末を投入し、上記撹拌機の撹拌棒を回転させ、上記少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させることを特徴とする。
また、本発明の撹拌機は、撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させる撹拌機であって、
上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする。
従って、本発明の粉末の混合方法は、本発明の撹拌機を用いて好適に行うことができる。
まず、本発明の撹拌機の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の撹拌機の一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)に示す撹拌機のA−A線断面図であり、(c)は、(a)に示す撹拌機の一部を示す拡大断面図である。
この撹拌機10は、主に、粗粉の無機粉末を収容するための粗粉タンク11と、微粉の無機粉末を収容するための微粉タンク12と、バインダを収容するためのバインダタンク13と、撹拌棒15及び撹拌羽根16からなり撹拌棒15を中心に回転するスクリュー14と、スクリュー14の回りに設けられたケーシング17とからなり、ケーシング17の端部に近いところに排出口18が形成されている。なお、図示はしていないが、スクリュー14の一端にはベルトが掛けられ、このベルトは、モータの一端部にも掛けられており、モータの回転に伴ってスクリュー14が回転するように構成されている。
また、各タンク、すなわち、粗粉タンク11、微粉タンク12及びバインダタンク13は、それぞれ、貯蔵部11a、12a、13aと、計量投入部11b、12b、13bとから構成されている。
また、図示はしていないが、これら原料粉末(粗粉の無機粉末、微粉の無機粉末及びバインダ)を外部より受け入れるための貯蔵タンクが別途設けられており、必要な量が空気輸送等の方法により、逐次、粗粉タンク11等の各タンクに供給される。
粗粉タンク11、微粉タンク12及びバインダタンク13では、貯蔵部11a、12a、13a蓄えられた原料粉末が、計量投入部11b、12b、13bで計量された後、所定の量スクリュー14が回転しているケーシング17の内部に落下する。
落下した各原料粉末は、撹拌羽根16により混合されるとともに輸送される。ここで、原料粉末の一つとして、炭化ケイ素粉末を用いる場合、炭化ケイ素粉末は研磨剤等にも用いられる極めて硬い無機粉末であるため、撹拌羽根16自身が炭化ケイ素粉末により摩耗してしまうおそれがある。そこで、撹拌羽根16は、その縁部から10mmの部分に、高硬度被覆層16aとして、硬質材料であるタングステンカーバイドを主成分とする溶射層が形成されている。
そのため、撹拌羽根16が摩耗されにくく、長期間に渡ってスクリューを取り換えることなく、運転を続行することができる。
本発明の撹拌機において、上記高硬度被覆層の幅は、7〜20mmが望ましい。
高硬度被覆層の幅が7mm未満では、炭化ケイ素粉末等との接触面積が増加して撹拌羽根の摩耗が進行しやすく、一方、上記高硬度被覆層の幅が20mmを超えると、原料粉末が撹拌羽根に付着しやすくなり、原料粉末の混合が良好に進行しないことがある。
なお、本発明において、高硬度被覆層の幅とは、高硬度被覆層が形成された部分の撹拌羽根の縁部からの距離(図1中、L参照)をいう。
また、上記高硬度被覆層の厚さは、望ましい下限が0.10mm、より望ましい下限が0.20mmであり、望ましい上限が0.60mm、より望ましい上限が0.40mmである。
後述する高硬度被覆層としての望ましい硬度を確保するだけであれば、上記厚さは10μm以上あれば充分であるが、この程度の厚さでは、耐磨耗性が不充分であり、充分な耐磨耗性を確保するという点から、上記高硬度被覆層の厚さは0.10mm以上であることが望ましい。また、上記厚さが0.6mmを超えると、形成に高コストを要し、経済的に不利である。
従って、上記高硬度被覆層の厚さは、上記範囲にあることが望ましい。
また、図1に示した撹拌機10では、撹拌機10を構成する撹拌羽根の一部に、高硬度被覆層が形成されているが、本発明の撹拌機では、撹拌羽根の全体に高硬度被覆層が形成されていてもよく、場合によっては、撹拌棒及び撹拌羽根からなるスクリュー全体に高硬度被覆層が形成されていてもよい。
また、スクリューを構成する撹拌羽根の一部又は全部が、高硬度部材で構成されていてもよく、場合によっては、スクリュー全体が高硬度部材で構成されていてもよい。
しかしながら、上記撹拌機においては、上記撹拌羽根の一部に高硬度被覆層が形成されているか、又は、上記撹拌羽根の一部が高硬度部材からなることが望ましい。
上記高硬度被覆層や高硬度部材の表面粗さは、通常、撹拌棒本体や撹拌羽根本体の表面粗さよりも大きくなる傾向にあり、特に溶射により形成した高硬度被覆層は、表面粗さが、撹拌棒本体や撹拌羽根本体に比べて大きくなる傾向にある。
表面粗さが大きい場合には、原料粉末が撹拌棒や撹拌羽根に原料粉末が付着しやすく、原料粉末が撹拌羽根等に付着すると、原料粉末の均一な混合が阻害されることとなるからである。
また、上記高硬度被覆層や高硬度部材の占める領域が大きい場合には、コストがかかることも上記撹拌羽根の一部に高硬度被覆層が形成されているか、又は、上記撹拌羽根の一部が高硬度部材からなることが望ましい理由の1つである。
また、上記撹拌羽根に形成された高硬度被覆層や、上記撹拌羽根を構成する高硬度部材の表面粗さが8μm以下であることが望ましい。
上記表面粗さRaが8μmを超えると、原料粉末が撹拌羽根に付着する場合があり、このように原料粉末が撹拌羽根に付着すると、原料粉末の均一な混合が阻害されることとなるからである。
また、上記撹拌棒の表面粗さRaは、4μm以下であることが望ましい。撹拌棒の表面粗さRaが4μmを超えると、原料粉末が撹拌棒に付着する場合があり、このように原料粉末が撹拌棒に付着すると、原料粉末の均一な混合が阻害されることとなるからである。
また、撹拌棒や撹拌羽根において、その表面粗さRaが大きい場合には、これらは磨耗されやすい傾向にある。
なお、本明細書において、表面粗さRaとは、JIS B 0601に準拠した算術平均粗さRaのことである。
また、上記高硬度被覆層や高硬度部材の表面粗さRaを上記範囲にする方法としては、例えば、バフ研磨、砥石やシートを用いる方法等が挙げられる。
上記バフ研磨で使用するバフとしては、例えば、ディスク型バフ、フラップ型バフ、渦巻き型バフ等の砥粒含有バフ、ポリプロピレン不繊布等の無砥粒バフ等が挙げられる。上記砥粒含有バフに用いられる砥粒としては、例えば、アルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等が挙げられる。
上記砥石の種類としては、例えば、レジノイド砥石(樹脂系)、マグネシア砥石(セメント系)、ダイヤモンド砥石、ラバーコントロール砥石、エポキシコントロール砥石等が挙げられる。
また、シートとしては、例えば、粒度が#A60〜A240のシート研磨材を含んだものを使用することができ、具体的には、例えば、ウレタンスポンジ、ナイロン不繊布、アクリル(スポンジ)等にアルミニウムシリケート、酸化アルミニウム、シリコンカーバイド等の砥粒を付着させたもの等が挙げられる。
なお、上記高硬度被覆層や上記高硬度部材(以下、両者を併せて高硬度被覆層等ともいう)とは、本発明では、JIS Z 2244に準拠して測定したビッカース硬さ(HV)が1000以上のもののことをいう。
上記高硬度被覆層等のビッカース硬さは、1000(HV)以上であればよいが、2000(HV)以上がさらに望ましい。耐磨耗性に特に優れることとなるからである。
上記高硬度被覆層としては、セラミックコーティング材、工業用ダイヤモンド、めっき被膜等が挙げられ、その具体的な材質としては、主成分がタングステンカーバイド(HV:2500)のもののほかに、例えば、チタンカーバイド(HV:3600)、窒化チタン(HV:1800〜2500)、立方晶窒化ホウ素(HV:2700)、CVDダイヤモンド(HV:2500〜4000)、DLC(ダイヤモンドライクカーボン/HV:2000〜4000)、ZrN(HV:2000〜2200)、CrN(HV:1800〜2200)、TiCN(HV:2300〜3500)、TiAlN(HV:2300〜3300)、Al(HV:2200〜2400)、Ti3(HV:2300)、WC−12%CO(HV:1200)等を主成分とするものが挙げられる。また、めっき被膜の具体例として、無電解ニッケルメッキ(約400℃で処理)(HV:1000)、CrC4(硬質炭化クロム4%)メッキ(HV:1200)、ニッケルメッキ(SiC含有量2〜6重量%:400℃処理)(HV:1300〜1400)等が挙げられる。
なお、本明細書において、括弧内に記した各材質のビッカース硬さは、それぞれのおおよその値である。
これらのなかでは、タングステンカーバイドが望ましい。溶射により高硬度被覆層を形成する場合に、均一で、かつ、撹拌羽根本体等との密着性に優れ、強固に接着した層を形成することができるからである。
また、上記高硬度部材の材質としては、例えば、タングステンカーバイド、チタンカーバイド、窒化チタン、ZrN、CrN、TiCN、TiAlN、Al等を主成分とするものが挙げられる。
上記高硬度被覆層を形成する方法としては、溶射、めっき、これらの複合処理、CVD、PVD、UBM等が挙げられ、これらのなかでは、溶射又はめっきが望ましく、溶射が最も望ましい。
CVD、PVD等の溶射以外の方法により高硬度被覆層を形成することも可能であるが、この場合、上述した望ましい厚さの高硬度被覆層を形成するとコストが高く、また、複雑な形状や、広範囲な部分に高硬度被覆層を形成する場合に適応が困難だからである。
一方、溶射により高硬度被覆層を形成する場合には、所望の厚さを有する被膜を短時間かつ低コストで形成することができる。また、溶射では、大型部品に対しても一度に、かつ、短時間で高硬度被覆層を形成することができる。
なお、CVD、PVD、UBM等の方法は、大型部品に被覆層を形成することが困難であるが、小さい部品に分割して、高硬度被覆層を形成し、その後、組み立てる方法を採用すればスクリューの作製にも採用することができる。
上記溶射としては、具体的には、例えば、フレーム溶射、高速フレーム溶射、爆発溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、アークイオンコーティング(AIP)、ホロカソード(HCD)イオンコーティング等を用いることができる。
また、上記高硬度被覆層等は、上述した材質を主成分とし、その他の成分として、Co、Cr、Ni等の金属成分が含まれていてもよい。
なお、金属被覆層としては、Crプラズマ溶射(HV:600)、ロジウムメッキ(HV:800〜1000)、Cr(硬質クロム)メッキ(HV:700)、無電解ニッケルメッキ(HV:660)等も知られているが、これらの金属被覆層は、ビッカース硬さがHV1000以下と小さく、耐磨耗性が低いため、ビッカース硬さがHV1000以上となる上述したような金属被覆層が望ましい。
また、高硬度被覆層を形成する場合の撹拌羽根本体や撹拌棒本体、また、高硬度部材以外で形成される撹拌羽根や撹拌棒の材質としては、例えば、ステンレス鋼、窒化鋼、炭化鋼、超硬合金挙げられる。
上記撹拌機において、上記撹拌棒の直径は、60〜200mm、上記撹拌羽根の幅は、15〜30mmが望ましい。
また、上記撹拌羽根は、上記撹拌棒に対して略垂直に設けられていることが望ましく、上記撹拌羽根は、上記撹拌棒にらせん状に巻き付くように設けられているが、一回りした上記撹拌羽根同士の間隔は、50〜100mmに設定されていることが望ましい。すなわち、50〜100mmの一定の間隔でらせん状に設けられていることが望ましいのである。
また、上記撹拌羽根の縁部と上記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下であることが望ましい。
撹拌羽根の縁部とケーシングの内壁面とのなす距離が3mm以下であると、原料粉末を均一に混合することができない場合があり、一方、10mmを超えると、原料粉末のスムーズな輸送が困難になり、輸送量にバラツキが生じることがあるからである。
また、スクリューコンベアの処理量は特に限定されないが、通常、100〜600kg/hrであることが望ましい。
上記撹拌機において、原料粉末を供給するためのタンク(図1における、粗粉タンク11、微粉タンク12及びバインダタンク13)を複数備えている場合、各タンク間の距離は、50〜200cmであることが望ましい。
各タンク間の距離が50cm以下では、粉末の均一化や、粉末の均一な混合を達成することができない場合があり、一方、200cmも離れていれば、粉末は均一にならされ、粉末同士が均一に混合されるため、200cmを超えても、さほど混合状態に変化がみられないからである。
また、図1に示した撹拌機では、各原料粉末に対して、それぞれ1種類のタンクを備えているが、本発明の撹拌機では、各原料粉末に対して複数のタンクを備えていてもよい。
すなわち、粗粉タンクを2箇所に備えていたり、微紛タンクを2箇所に備えていたり、バインダタンクを2箇所に備えていたりしてもよい。
このような本発明の撹拌機は、高硬度被覆層が形成された撹拌羽根を使用しているため、撹拌羽根が摩耗されにくくなり、長期(例えば、6ヶ月以上)に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことができる。
本発明の粉末の混合方法は、このような撹拌機を用いて行うことができる。
本発明の粉末の混合方法では、まず、混合対象となる少なくとも1種類の粉末を撹拌機内に投入する。ここでは、上記少なくとも1種類の粉末として平均粒径の異なる2種類の無機粉末と、1種類の有機バインダとを混合する場合を例に説明する。
この場合、粗粉タンク11に相対的に平均粒径の大きい無機粉末を、微粉タンク12に相対的に平均粒径の小さい無機粉末を、バインダタンク13に有機バインダ(有機粉末)をそれぞれ投入する。そして、各タンクの排出口を開放することにより、各粉末をケーシング17内に投入する。
ここで、撹拌機10における各タンクは、粗紛タンク11、微紛タンク12及びバインダタンク13が、この順に排出口18から遠い場所に位置するように取り付けられている。
この理由は、無機粉末と有機粉末を混合する場合には、無機粉末のほうがケーシング内に長時間滞留するように投入することより、原料粉末をより均一に混合することができるからである。
また、平均粒径が異なる2種類以上の無機粉末を配合する場合に、平均粒径が大きい粉末のほうがケーシング内に長時間滞留するように投入するのも、より均一に混合することができるからである。
なお、ここでは、2種類の無機粉末と、1種類の有機バインダを混合する場合について説明したが、例えば、平均粒径の異なる2種類以上の有機バインダを混合する場合にも、粒子径の大きいもののほうが長時間ケーシング内に滞留するように投入することが望ましいのである。
また、例えば、平均粒径が略同一の複数の無機粒子を混合する場合には、嵩密度の大きい粒子が、ケーシング内に長時間停留するように投入することが望ましい。これは、有機粒子の場合も同様である。
本発明の粉末の混合方法では、スクリュー14の回転速度は、20〜200min−1(rpm)であることが望ましい。
回転速度が20min−1未満では、混合粉末の輸送速度が遅く、生産性が低下することとなり、200min−1を超えると、充分に混合することができない場合があるからである。
また、原料粉末(上記少なくとも1種類の粉末)の量は、スクリュー14が止まったとき、原料粉末の上面(図1中、A参照)が撹拌棒15の直径の半分の位置より下の部分にあることが望ましい。
原料粉末が撹拌棒の直径の半分より上に部分にも存在する程度の量となった場合には、混合不良が発生し易くなるからである。
さらに、上記原料粉末の量は、スクリュー14が動作していないときに、原料粉末の上面が撹拌棒15の下端と同じかそれよりも低い程度の量があることがより望ましい。原料粉末が良好に混合されるとともに、輸送もスムーズに進行するからである。加えて、撹拌羽根との接触面積が少ないため、撹拌羽根が磨耗されにくく、撹拌羽根の交換頻度をより低減することができるからである。
また、上記原料粉末の量は、スクリュー14が回転しているときに、原料粉末の上面がケーシングの内部の高さの10〜50%の間の位置にあることもより望ましい。
上記原料粉末の上面が、ケーシングの内部の高さの10%よりも下の位置にある場合には、原料粉末の混合が不十分になったり、輸送する量が少なくなったりする場合があり、一方、上記原料粉末の上面が、ケーシングの内部の高さの50%を超えると、スクリューの回転に伴って、原料粉末がスクリューの上部まで回り込むこととなり、撹拌羽根が磨耗し易く、かつ、撹拌棒まで磨耗される傾向にあるからである。
このような本発明の粉末の混合方法では、粉末を均一に混合することができるとともに、撹拌羽根に高硬度被覆層が形成された撹拌機を用いているので、撹拌羽根が摩耗されにくくなり、長期に渡ってスクリューを取り換え無しに運転を行うことが可能となり、運転の休止による作業効率の低下や生産量の減少を防止することができるとともに、設備費の増大を防止することができる。
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、少なくとも1種類のセラミック粉末を含む原料粉末の混合及び輸送を行う混合輸送工程を行った後、この原料粉末の混合物に、さらに液体原料を混合して湿潤混合物を調製し、この湿潤混合物を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、これを焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
上記混合輸送工程では、撹拌棒及び撹拌羽根からなり上記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、上記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、上記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、上記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、上記原料粉末を投入し、上記撹拌機の上記撹拌棒を回転させ、上記原料粉末を混合しながら移動させることを特徴とする。
即ち、本発明のハニカム構造体の製造方法は、原料粉末の混合輸送工程において、既に説明した本発明の撹拌機及び粉末の混合方法を使用するものである。
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法について、工程順に説明する。
ここでは、構成材料の主成分が炭化ケイ素のハニカム構造体を製造する場合を例に、無機粉末として炭化ケイ素粉末を使用した場合のハニカム構造体の製造方法について説明する。
勿論、ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他に、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等も構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
(1)まず、平均粒径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダ(有機粉末)とを乾式混合して混合粉末を調製する。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、この工程において、上述した本発明の粉末の混合方法を使用する。
ここで、調製された混合粉末は、撹拌機の排出口(図1では、18)から、排出され、次工程に投入される。
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μm程度の平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μm程度の平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合せたものが好ましい。
ハニカム焼成体の気孔径等を調節するためには、焼成温度を調節する必要があるが、無機粉末の粒径を調節することにより、気孔径を調節することができる。
そして、0.3〜50μm程度の平均粒径を有する粉末を撹拌機の排出口から最も遠いタンク(図1中、粗紛タンク11)に投入し、0.1〜1.0μm程度の平均粒径を有する粉末を排出口から2番目に遠いタンク(図1中、微紛タンク12)に投入する。
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記バインダの配合量は、通常、無機粉末100重量部に対して、1〜10重量部程度が望ましい。
なお、有機バインダは、撹拌機の排出口から最も近いタンク(図1中、バインダタンク13)に投入する。
(2)次に、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記(1)の工程で調製した混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、上記分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、ここで調製した、炭化ケイ素粉末を用いた湿潤混合物は、その温度が28℃以下であることが望ましい。温度が高すぎると、有機バインダがゲル化してしまうことがあるからである。
また、上記湿潤混合物中の有機分の割合は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は10〜17重量%であることが望ましい。
(3)上記湿潤混合物は、調製後、搬送機で押出成形機に搬送し、押出成形により所定の形状のハニカム成形体とする。
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、セラミック乾燥体とする。
次いで、必要に応じて、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
(4)次に、上記封止材ペーストが充填されたセラミック乾燥体を、所定の条件で脱脂(例えば、200〜500℃)、焼成(例えば、1400〜2300℃)することにより、全体が一の焼結体から構成され、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットからなり、上記セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体(図3参照)を製造することができる。
上記セラミック乾燥体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。
(5)次に、ハニカム焼成体の側面に、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカム焼成体の集合体を作製する。
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
(6)次に、このハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着されたハニカム焼成体の集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロックを作製する。
そして、ハニカムブロックの外周に上記シール材ペーストを用いてコート層を形成する。このような工程を経ることにより、ハニカム焼成体が接着剤層を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロックの外周部にコート層が設けられたハニカム構造体(図2参照)を製造することができる。
また、本発明のハニカム構造体の製造方法では、この後、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させてもよい。
上記触媒の担持は、集合体を作製する前のハニカム焼成体に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
上記ハニカム構造体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
また、ここまで説明したハニカム構造体の製造方法により作製されるハニカム構造体は、複数のハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して結束された構成を有するハニカム構造体(以下、集合型ハニカム構造体ともいう)であるが、本発明の製造方法により製造するハニカム構造体は、円柱形状のセラミックブロックが1つのハニカム焼成体から構成されているハニカム構造体(以下、一体型ハニカム構造体ともいう)であってもよい。
このような一体型ハニカム構造体を製造する場合は、まず、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカム構造体を製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いて、ハニカム成形体を作製する。
ここで、原料粉末を混合する方法等は、上記集合型ハニカム構造体を製造する方法と同様であるため、ここではその説明を省略する。
次に、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、上記セラミック成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、セラミック乾燥体とする。次いで、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
その後、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、脱脂、焼成を行うことによりセラミックブロックを製造し、必要に応じて、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、一体型ハニカム構造体を製造することができる。また、上記一体型ハニカム構造体にも、上述した方法で触媒を担持させてもよい。
なお、上述したような製造方法により、ハニカム構造体を製造する場合において、上記集合型ハニカム構造体を製造する場合には、無機粉末として、平均粒径の異なる2種類の炭化ケイ素粉末、又は、ケイ素粉末及び炭化ケイ素粉末を用いることが望ましく、一体型ハニカム構造体を製造する場合には、無機粉末として、コージェライトの原料粉末、又は、チタン酸アルミニウム粉末を用いることが望ましい。
なお、炭化ケイ素粉末と有機バインダとを配合する場合の望ましい粒径は上述したとおりであるが、例えば、無機粉末としてケイ素粉末及び炭化ケイ素粉末とを使用する場合は、平均粒径0.1〜10μmのケイ素粉末と平均粒径5〜50μmの炭化ケイ素粉末と有機バインダとを配合することが望ましい。
また、例えば、コージェライトの原料粉末を使用する場合は、平均粒径5〜60μmのタルク粉末と、平均粒径1〜15μmのカオリン粉末と、平均粒径0.5〜15μmのアルミナ粉末と、平均粒径0.5〜10μmの水酸化アルミニウム粉末と、平均粒径1〜100μmのシリカ粉末と、平均粒径1〜15μmのグラファイト粉末と、成形助剤と、分散剤とを配合することが望ましい。
また、例えば、チタン酸アルミニウム粉末を使用する場合には、平均粒径5〜50μmの粉末と、平均粒径0.1〜15μmの粉末とを配合することが望ましい。
以上説明した本発明のハニカム構造体の製造方法では、撹拌羽根に高硬度被覆層が形成された撹拌機を用いて、原料粉末の混合を行っているので、撹拌機を構成する撹拌羽根が摩耗されにくく、長期に渡ってスクリューの取り換え無しに運転を行うことが可能で、運転の休止による作業効率の低下や生産量の減少を防止することができるとともに、設備費の増大を防止することができる。
また、ここまでは主に、セラミックフィルタとして好適に使用することができるハニカム構造体を例に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明したが、本発明のハニカム構造体の製造方法においては、上述したように封止材ペーストを充填せずにハニカム構造体を製造してもよく、封止材でセルの端部を目封じしなかったハニカム構造体は、触媒担持体として好適に使用することができ、セラミックフィルタとして使用する場合と同様の本発明の効果を得ることができる。
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末と、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末とメチルセルロース(有機バインダ)とを撹拌機10(図1参照)を用いて混合した。
具体的には、平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末を粗紛タンク11から1.8kg/minの投入速度で、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末を微粉タンク12から0.7kg/minの投入速度で、メチルセルロースをバインダタンク13から0.14kg/minの投入速度で、それぞれケーシング内に投入し、スクリューを回転速度140min−1(rpm)で駆動し、原料粉末を混合しながら排出口18に向かって輸送した。
ここで用いた撹拌機10は、粗紛タンク11、微紛タンク12、バインダタンク13、撹拌棒15と撹拌羽根16とからなるスクリュー、及び、ケーシング17を備えており、粗紛タンク11、微紛タンク12及びバインダタンク13の各タンク間の距離は100cm、撹拌棒15は直径が100mm、撹拌羽根16は撹拌棒15に対して垂直に設けられ、幅が25mm、撹拌棒15の周りを一回りした撹拌羽根16同士の間隔が80mmであった。そして、撹拌羽根16には高硬度被覆層16aとしてタングステンカーバイドの溶射層が縁部から10mmの部分に厚さ0.30mmで形成されていた。また、撹拌羽根16の縁部とケーシングの内壁面とのなす距離は5mmであった。また、撹拌羽根16の表面にはバフ研磨が施され、高硬度被覆層の部分の表面粗さRaが8μmであり、撹拌棒15の表面にもバフ研磨が施され、その表面粗さRaが4μmであった。
そして、本工程では、スクリュー14が回転しているときに、原料粉末の上面は、ケーシング17の高さの40%の位置にあった。また、混合、輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えて反対側に回りこんでいるか否か、を観察したところ、撹拌棒は超えていなかった。
(2)別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)12kg、可塑剤(グリセリン)5.6kg及び水65kgを混合して混合液体を調製した。
続いて、上記混合液体5.9kgと、撹拌機10を用いて調製した混合粉末26.4kgとを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。
(3)次に、この湿潤混合物を押出成形機に搬送し、押出成形によりハニカム成形体を作製した。その後、マイクロ波乾燥機等を用いて上記成形体を乾燥させ、ハニカム乾燥体とした後、上記湿潤混合物と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填した。
次いで、再び乾燥機を用いて乾燥させた後、400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、気孔率が40%、平均気孔径が12.5μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm、セル壁の厚さが0.20mmの炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(実施例2〜4、参考例1〜3)
実施例1の(1)の工程において、撹拌機10に、粗紛タンク11、微紛タンク12及びバインダタンク13から投入する原料粉末の単位時間当りの投入量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてハニカム焼成体を製造した。また、混合、輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えて反対側に回りこんでいるか、否かを観察した。
(撹拌機の評価)
実施例1〜4及び参考例1〜3で使用した撹拌機について、下記の方法で定量排出試験を行い、排出量のバラツキを評価した。
即ち、撹拌機の排出口から30秒間に排出される混合物の重量を測定し、この測定を繰り返し10回行い、10回分の排出量のバラツキ(標準偏差σ)を算出した。
結果を表1に示す。
なお、この定量排出試験では、その排出量のバラツキが少なければ少ないほど、原料粉末が均一に混合、輸送されていることとなる。
(ハニカム焼成体の強度測定)
実施例1〜4及び参考例1〜3で得られたハニカム焼成体について、下記の方法で3点曲げ強度試験を行った。
即ち、JIS R 1601を参考に、インストロン5582を用い、スパン間距離:135mm、スピード1mm/minで3点曲げ試験を行い、各ハニカム焼成体の曲げ強度(MPa)を測定した。
結果を表1に示す。
(撹拌機の連続運転)
実施例1〜4及び参考例1〜3によるハニカム焼成体の製造を1ヶ月間連続して行い、連続運転後の撹拌羽根及び撹拌棒の磨耗量を目視により測定した。なお、磨耗量は、撹拌羽根及び撹拌棒のそれぞれにおいて、最も磨耗している部分で測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1に係る製造方法では、1ヶ月間連続運転後にも、上述した定量排出試験及び3点曲げ強度試験を行った。この結果は、表3に示す。
Figure 2007229703
表1に示したように、本発明では、スクリューが回転している際に、原料粉末の上面がケーシングの内部の高さの10〜50%の間の位置にあることが望ましいことが明らかとなった。
というのも、実施例及び参考例3の結果が示すように、10%未満では、定量排出試験における排出量のバラツキが大きく、原料粉末が均一に混合及び輸送されていないと考えられ、その結果、製造したハニカム焼成体の曲げ強度が実施例のハニカム構造体に比べて劣るものとなっているからである。
また、実施例及び参考例1、2の結果が示すように、50%を超えると、連続運転後の撹拌軸の磨耗量が大きくなっており、この理由は、混合及び輸送時に原料粉末が撹拌軸を超えることとなるからであると考えられる。従って、50%を超えるとスクリューの耐久性が劣ることとなる。
さらに、本発明では、スクリューが回転している際に、原料粉末の上面がケーシングの内部の高さの40〜50%の間の位置にあることがより望ましい。実施例の結果が示すように、定量排出試験におけるバラツキがより小さくなっているからである。
(実施例5〜7及び参考例4〜5)
撹拌羽根の縁部とケーシングの内壁面とのなす距離を表2に示す値にした以外は、実施例1と同様にしてハニカム焼成体を製造した。
そして、これらの実施例及び参考例に係るハニカム焼成体について、「撹拌機の評価」「ハニカム焼成体の強度測定」「撹拌機の連続運転」を行った。また、混合、輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えて反対側に回りこんでいるか、否かを観察した。
結果を表2に示す。なお、表2には、参考のため実施例1のデータも併記する。
Figure 2007229703
表2に示したように、本発明では、撹拌羽根の縁部と上記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下が望ましいことが明らかとなった。
というものも、実施例及び参考例4の結果が示すように、両者の距離が3mm以下の場合や、両者の距離が10mmを超える場合には、定量排出試験におけるバラツキが大きくなり、製造したハニカム焼成体の強度が劣るものとなっているからである。
(実施例8〜10及び参考例6〜7)
撹拌羽根に高硬度被覆層として形成したタングステンカーバイドの溶射層の縁部からの長さを表3に示す値とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム焼成体を製造した。
そして、これらの実施例及び参考例に係るハニカム焼成体について、「撹拌機の評価」「ハニカム焼成体の強度測定」「撹拌機の連続運転」を行った。また、1ヶ月間の連続運転後にも、定量排出試験及び3点曲げ強度試験を行った。また、混合、輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えて反対側に回りこんでいるか、否かを観察した。
結果を表3に示す。なお、表3には、参考のため実施例1のデータも併記する。
(参考例8〜9)
撹拌軸にバフ研磨を行わなかった(参考例8)、又は、撹拌羽根にバフ研磨を行わなかった(参考例9)以外は、実施例1と同様にしてハニカム焼成体を製造した。
そして、これらの実施例及び参考例に係るハニカム焼成体について、「撹拌機の評価」「ハニカム焼成体の強度測定」「撹拌機の連続運転」を行った。また、1ヶ月間の連続運転後にも、定量排出試験及び3点曲げ強度試験を行った。また、混合、輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えて反対側に回りこんでいるか、否かを観察した。
結果を表3に示す。
(比較例1)
撹拌羽根に高硬度被覆層を形成せず、さらに撹拌羽根にバフ研磨を施さなかった以外は、実施例1と同様にしてハニカム焼成体を製造した。
そして、これらの実施例及び参考例に係るハニカム焼成体について、「撹拌機の評価」「ハニカム焼成体の強度測定」「撹拌機の連続運転」を行った。また、1ヶ月間の連続運転後にも、定量排出試験及び3点曲げ強度試験を行った。また、混合、輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えて反対側に回りこんでいるか、否かを観察した。
結果を表3に示す。
Figure 2007229703
表3に示したように、本発明では、溶射層の長さは7〜20mmが望ましいこと、並びに、撹拌棒及び撹拌羽根のそれぞれにはバフ研磨が施されていることが望ましく、それぞれの表面粗さRaは、4μm以下、8μm以下が望ましいことが明らかとなった。
というのも、実施例及び参考例6の比較から明らかなように、溶射層の長さが7mm未満では、撹拌羽根の磨耗の度合いが大きく、連続運転後の定量排出試験におけるバラツキが初期値に比べて大きく増大することとなり、実施例及び参考例7の比較から明らかなように、溶射層の長さが20mmを超えると、撹拌羽根の潤滑性が低下するため、混合及び輸送時に原料粉末が撹拌棒を超えることとなり、撹拌棒の磨耗の度合いが大きく、耐久性に劣ることとなるからである。
また、実施例及び参考例8、9の比較から明らかなように、撹拌棒及び撹拌羽根のそれぞれにバフ研磨が施されていない場合には、定量排出試験におけるバラツキが大きくなり、この傾向は、連続運転後において顕著になる。この理由は、撹拌棒や撹拌羽根にバフ研磨が施されておらず、その表面粗さが大きい場合には、撹拌棒や撹拌羽根に原料粉末が付着するため、均一な混合や輸送が阻害され、さらに磨耗も進行しやすいからであると考えられる。
また、表3に示した実施例と比較例との比較から、撹拌羽根に溶射層が形成されていない場合には、磨耗の進行速度が極めて速く、耐久性に非常に劣ることが明らかとなり、1ヶ月程度の連続運転で、もはや使用に耐えうる状態にないことが明らかとなった。
(a)は、本発明の撹拌機の一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)に示す撹拌機のA−A線断面図であり、(c)は、(a)に示す撹拌機の一部を示す拡大断面図である。 ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 (a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図である。
符号の説明
10 撹拌機
11 粗紛タンク
12 微紛タンク
13 バインダタンク
14 スクリュー
15 撹拌棒
16 撹拌羽根
16a 高硬度被覆層
17 ケーシング
18 排出口

Claims (16)

  1. 少なくとも1種類の粉末の混合及び輸送を行う粉末の混合方法であって、
    撹拌棒及び撹拌羽根からなり前記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、前記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、前記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、前記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、
    前記少なくとも1種類の粉末を投入し、前記撹拌機の撹拌棒を回転させ、前記少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させることを特徴とする粉末の混合方法。
  2. 前記少なくとも1種類の粉末は、無機粉末と有機粉末とを含む請求項1に記載の粉末の混合方法。
  3. 前記無機粉末として、粒子径の異なる2種以上の粉末を含み、かつ、
    前記無機粉末を粒子径の大きい順に投入した後に、有機粉末を投入する請求項2に記載の粉末の混合方法。
  4. 前記高硬度部材又は前記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドである請求項1〜3のいずれかに記載の粉末の混合方法。
  5. 前記撹拌羽根の縁部と前記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の粉末の混合方法。
  6. 前記高硬度部材又は前記高硬度被覆層の表面粗さRaは、8μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の粉末の混合方法。
  7. 撹拌棒及び撹拌羽根からなり前記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、前記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、少なくとも1種類の粉末を混合しながら移動させる撹拌機であって、
    前記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、前記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成されていることを特徴とする撹拌機。
  8. 前記高硬度部材又は前記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドである請求項7に記載の撹拌機。
  9. 前記撹拌羽根の縁部と前記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下である請求項7又は8に記載の撹拌機。
  10. 前記高硬度部材又は前記高硬度被覆層の表面粗さRaが8μm以下である請求項7〜9のいずれかに記載の撹拌機。
  11. 少なくとも1種類のセラミック粉末を含む原料粉末の混合及び輸送を行う混合輸送工程を行った後、この原料粉末の混合物に、さらに液体原料を混合して湿潤混合物を調製し、この湿潤混合物を成形することで、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製し、これを焼成してハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    前記混合輸送工程では、撹拌棒及び撹拌羽根からなり前記撹拌棒を中心に回転するスクリューと、前記スクリューの周囲に設けられたケーシングとを備え、前記撹拌羽根の全体が高硬度部材で形成されているか、又は、前記撹拌羽根の少なくとも一部に高硬度被覆層が形成された撹拌機に、前記原料粉末を投入し、前記撹拌機の前記撹拌棒を回転させ、前記原料粉末を混合しながら移動させることを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  12. 前記原料粉末は、セラミック粉末と有機粉末とを含む請求項11に記載のハニカム構造体の製造方法。
  13. 前記セラミック粉末として、粒子径の異なる2種以上のセラミック粉末を含み、かつ、
    前記セラミック粉末を粒子径の大きい順に投入した後に、有機粉末を投入する請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記高硬度部材又は前記高硬度被覆層の主成分は、タングステンカーバイドである請求項11〜13のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. 前記撹拌羽根の縁部と前記ケーシングの内壁面とのなす距離は、3mmを超え、10mm以下である請求項11〜14のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  16. 前記高硬度部材又は前記高硬度被覆層の表面粗さRaが8μm以下である請求項11〜15のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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