JP5138297B2 - 触媒担持体 - Google Patents

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本発明は、触媒担持体に関する。
従来より、車両または建設機械等の内燃機関用の各種排気ガス処理装置が提案され、実用化されている。一般的な排気ガス処理装置は、エンジンの排ガスマニホールドに連結された排気管の途上に、例えば金属等で構成されたケーシングを設け、その中にハニカム構造体を配置した構造となっている。このハニカム構造体は、排気ガス中の有害ガス成分等を触媒反応によって浄化する触媒担持体を構成する。
この触媒担持体は、例えば、低熱膨張性のコージェライト質ハニカム構造体のセル壁に、γ−アルミナ等の触媒担持層および白金等の触媒を担持して製造される。このセル壁に設置された触媒により、排気ガスに含まれるCO、HCおよびNOx等の有害ガスが浄化される。
このようなハニカム構造体を有する触媒担持体において、排気ガスの浄化性能を高めるためには、排気ガスと触媒(例えば貴金属)との接触確率を高くする必要がある。この問題に対応した触媒担持体として、アルミナ等の高比表面積材料と、無機繊維とからなり、比表面積を高めたハニカム構造体が知られている(例えば、特許文献1、2)。
特開2005−218935号公報 特開2005−349378号公報
前述のように、触媒担持体による排気ガスの浄化性能の観点からは、ハニカム構造体の比表面積は、大きいほど好ましい。しかしながら、特許文献1、2のように、ハニカム構造体の比表面積を高めようとすると、基材を十分に焼結させることができなくなるため、完成後の触媒担持体の強度が低下する場合が多い。触媒担持体の強度が低下すると、触媒担持体のケーシングへの装着時または実際の使用時に、外周方向(すなわちケーシング内面)から加わる応力によって、触媒担持体が破損するおそれがある。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、高いアイソスタティック強度を有する触媒担持体を提供することを本発明の目的とする。
本発明の一観点によれば、長手方向に延在するセルがセル壁によって区画されたハニカム構造体と、該ハニカム構造体の外周部に設置されたコート層と、を有し、前記ハニカム構造体およびコート層は、無機繊維及びウイスカの少なくとも1つを含み、前記ハニカム構造体に含まれる無機繊維及びウイスカの少なくとも1つは、主として第1の方向に配向され、前記コート層に含まれる無機繊維及びウイスカの少なくとも1つは、主として第2の方向に配向され、第1の方向は、第2の方向に対して、実質的に直交していることを特徴とする触媒担持体が提供される。
前記第1の方向は、前記ハニカム構造体の長手方向に平行な方向である
前記ハニカム構造体は、複数の柱状のハニカムユニットと、該ハニカムユニット同士を接合する接着層とを有することとしてもよい。
当該触媒担持体は、円柱状であってもよい。
前記セル壁に、触媒が担持されることとしてもよい。
前記触媒は、白金を含むこととしてもよい。
前記セル壁の厚さは、0.1mm〜0.4mmの範囲であってもよい。
本発明によれば、ハニカム構造体に含まれる無機繊維及びウイスカの少なくとも1つとコート層に含まれる無機繊維及びウイスカの少なくとも1つの配向方向を前述のように選定したため、高いアイソスタティック強度を有する触媒担持体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明による触媒担持体の一例を模式的に示す。また、図2には、触媒担持体を構成するハニカム構造体の基本単位である、ハニカムユニットの一例を模式的に示す。さらに図3には、図2のハニカムユニットのA−A断面の概略図を示す。
図1に示すように、触媒担持体100は、2つの開口面および両開口面をつなぐ外周部を有するハニカム構造体140と、該ハニカム構造体140の外周部に設置されたコート層120とを有する。通常の場合、コート層120は、完成後の触媒担持体100の外周形状を整えることを目的として、ハニカム構造体140の全長にわたって設置される。
ハニカム構造体140は、例えば、図2に示す柱状のセラミック製ハニカムユニット130を、接着層110を介して複数個(図1の例では、縦横4列ずつ16個)接合させた後、外周側を所定の形状(図1の例では、円柱状)に沿って切断することにより構成される。
図2および図3に示すように、ハニカムユニット130は、長手方向に延伸し、両端面で開口された複数のセル22と、該セルを区画するセル壁23とを有する。セル壁23には、例えば白金等の貴金属からなる触媒が担持される。従って、触媒担持体を実際に使用した場合、ハニカムユニット130のいずれかのセル22に、一方の端部から流入した排気ガスは、該セルを通過する際に、触媒と接触し、これにより、排気ガス中に含まれる有害成分(例えば、CO、HCおよびNOx)が浄化される。また、浄化された排気ガスは、セル22の他方の端部から排出される。
ハニカムユニット130は、無機粒子と無機繊維及び/又はウイスカとで構成される。コート層120も同様である。ただし、ハニカムユニット130およびコート層120は、さらに、無機バインダを含んでも良い。
ここで本発明の触媒担持体100では、ハニカム構造体140を構成するそれぞれのハニカムユニット130に含まれる無機繊維及び/又はウイスカと、コート層120に含まれる無機繊維及び/又はウイスカにおいて、両者の配向が実質的に直交していることに特徴がある。なお、配向が「実質的に直交する」とは、配向が60゜〜90゜で交差することを言う。例えば、図1の触媒担持体では、ハニカムユニット130の無機繊維及び/又はウイスカは、その大部分が実質的に長手方向(図2のX方向)に沿って配向されているのに対して、コート層120の無機繊維及び/又はウイスカは、その大部分が実質的に外周方向(図1の矢印Rの方向)に沿って配向されている。
触媒担持体をこのように構成した場合、ハニカムユニットおよびコート層に含まれる、強度に寄与し得る無機繊維及び/又はウイスカが、触媒担持体の内側(すなわちハニカムユニット)と外側(すなわちコート層)とで、相互に直交されるように配向されることになるため、無機繊維及び/又はウイスカが無秩序に配向されている触媒担持体に比べて、触媒担持体の強度、特にアイソスタティック強度が向上する。ここで、アイソスタティック強度とは、触媒担持体に等方的な静水圧荷重を負荷した際に破壊が生じるときの圧縮破壊荷重であり、社団法人自動車技術協会発行の自動車規格であるJASO規格M505−87に規定されている。従って、本発明では、ハニカム構造体の比表面積を従来のような、またはそれ以上の高い値に維持させたまま、触媒担持体100の強度を向上させることが可能となる。
なお、上記の例では、ハニカムユニットの無機繊維及び/又はウイスカを長手方向と平行に配向させ、コート層の無機繊維を外周方向に配向させるようにすることにより、両者に含まれる無機繊維及び/又はウイスカを実質的に直交させている。しかしながら、ハニカムユニット130およびコート層120の無機繊維及び/又はウイスカの配向の組み合わせは、これに限られるものではない。例えば、ハニカムユニットの無機繊維及び/又はウイスカが長手方向と垂直な方向(図2のY方向またはZ方向)に配向され、コート層の無機繊維及び/又はウイスカがハニカムユニットの長手方向に配向されても良い。ただし、製造の容易性の観点からは、両者に含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向は、上記の例のように(すなわち、ハニカムユニットの無機繊維及び/又はウイスカを長手方向と平行に配向させ、コート層の無機繊維及び/又はウイスカを外周方向に配向させるように)選択されることが一般的であると思われる。
本発明による触媒担持体では、ハニカムユニットの比表面積は、特に限られないが、特に、25000m/L〜70000m/Lの範囲である場合により好適である。
このような本発明による触媒担持体は、例えば、車両の排気ガス処理装置に用いることができる。
図4には、本発明による触媒担持体100が装着された排気ガス処理装置70の一例を模式的に示す。
図4に示すように、排気ガス処理装置70は、主として触媒担持体100、触媒担持体100を収容する金属製ケーシング71、および触媒担持体100とケーシング71との間に配設され、触媒担持体100を適切な位置に保持する保持シール材72で構成される。また、排気ガス処理装置70の一方の端部(導入部)には、エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスを導入するための導入管74が接続されており、排気ガス処理装置70の他方の端部(排出部)には、排気ガスを排出するための排出管75が接続されている。図において矢印は、排気ガスの流れを示している。
エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスは、導入管74を通って、ケーシング71内に導入され、導入管74と面する触媒担持体100の一方の端面からセル22を通り、ハニカム構造体140内を流通する。ハニカム構造体140に流入した排気ガスは、セル22を通過する過程で、触媒との反応により、CO、HCおよびNOx等の有害な成分が浄化される。その後、排気ガスは、触媒担持体100の他方の端面を通って、排気ガス処理装置から排出され、最終的に、排出管75を通って外部へ排出される。
このような排気ガス処理装置70では、触媒担持体100は、従来と同様の高い比表面積を有するハニカム構造体で構成されているため、良好な浄化特性を示す。また、この触媒担持体100では、ハニカム構造体に含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向と、コート層に含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向が実質的に直交しているため、触媒担持体100は、ケーシング71または保持シール材72側から加わる外周方向の圧縮応力に対して、良好な強度を示す。従って、本発明では、ハニカム構造体が高い比表面積を有しているにもかかわらず、使用時に破損することが回避される。
なお、以上の記載では、図1のような、接着層110を介して複数のハニカムユニット130を接合することにより構成されるハニカム構造体(いわゆる、「接合型ハニカム構造体」)を基本構造として形成される触媒担持体を例に説明した。しかしながら、本発明は、これとは別の、接着層110を有さず、一体成形によって製作された1つのハニカムユニットから成るハニカム構造体(いわゆる、「一体型ハニカム構造体」)を基本構造として形成される触媒担持体にも適用することが可能であることは当業者には明らかであろう。すなわち、この場合も、「一体型ハニカム構造体」に含まれる無機繊維の配向と、その外周面に設置されるコート層中の無機繊維及び/又はウイスカの配向とを実質的に直交させることにより、良好な強度を有する触媒担持体を得ることができる。
ハニカムユニットの組成は、特に限定されるものではないが、無機粒子と、無機繊維および/またはウィスカとを含んでなることが望ましい。無機粒子によって比表面積が向上し、無機繊維および/またはウィスカによってハニカムユニットの強度が向上することとなるからである。
上記無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライト等からなる粒子が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、これらの中では、アルミナ粒子、セリア粒子が特に望ましい。
上記無機繊維やウィスカとしては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカ−アルミナ、ガラス、チタン酸カリウムまたはホウ酸アルミニウム等からなる無機繊維やウィスカが望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維および/またはウィスカのなかでは、ホウ酸アルミニウムウィスカがより望ましい。
なお、本明細書中において、無機繊維やウィスカとは、平均アスペクト比(長さ/径)が5を超えるものをいう。また、上記無機繊維やウィスカの望ましい平均アスペクト比は、10〜1000である。
上記ハニカムユニットに含まれる上記無機粒子の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。一方、望ましい上限は97重量%であり、より望ましい上限は90重量%であり、さらに望ましい上限は80重量%であり、特に望ましい上限は75重量%である。
無機粒子の含有量が30重量%未満では、比表面積の向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体としての比表面積が小さく、触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。一方、97重量%を超えると強度向上に寄与する無機繊維および/またはウィスカの量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体の強度が低下することとなる。
上記ハニカムユニットに含まれる上記無機繊維および/または上記ウィスカの合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は70重量%であり、より望ましい上限は50重量%であり、さらに望ましい上限は40重量%であり、特に望ましい上限は30重量%である。
無機繊維および/またはウィスカの含有量が3重量%未満ではハニカム構造体の強度が低下することとなり、50重量%を超えると比表面積向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体としての比表面積が小さく触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。
また、上記ハニカムユニットは、上記無機粒子と上記無機繊維および/またはウィスカと無機バインダとを含む混合物である原料組成物を用いて製造されていることが望ましい。このように無機バインダを含む原料組成物を用いることにより、生成形体を焼成する温度を低くしても好適な強度のハニカムユニットを得ることができるからである。
上記無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
これらのなかでは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトおよびアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。
上記原料組成物中に含まれる無機バインダの量は、原料組成物に含まれる上記無機粒子と上記無機繊維および/またはウィスカと上記無機バインダとの固形分の総量に対して、固形分として、その望ましい下限は、5重量%であり、より望ましい下限は、10重量%であり、さらに望ましい下限は15重量%である。一方、望ましい上限は、50重量%であり、より望ましい上限は、40重量%であり、さらに望ましい上限は、35重量%である。
上記無機バインダの量が5重量%未満では、製造したハニカム構造体の強度が低くなることがあり、一方、上記無機バインダの量が50重量%を超えると上記原料組成物の成型性が悪くなる傾向にある。
ハニカムユニット130のセル壁23の厚さは特に限定されないが、強度の点から望ましい下限は、0.1mmであり、ガス浄化の点から望ましい上限は、0.4mmである。
また、コート層120は、通常の場合、前述の無機粒子、無機繊維及び/又はウイスカ、無機バインダを含み、さらに有機バインダを含むペーストを原料として製作される。有機バインダには、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等を使用することができ、これらは単独で使用しても、2種類以上のものを混合して使用しても良い。上記有機バインダの中では、カルボキシルメチルセルロースが望ましい。
その後、このペーストをハニカム構造体の外周面に設置した後、乾燥処理することにより、コート層が形成される。原料となるペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。コート層の厚さは、0.3mm〜2.0mmが好ましい。
また、本発明の触媒担持体100において、接着層110には、コート層120と同じ材料が使用される。ただし、接着層110は、コート層120と異なる材料であっても良い。
本発明の触媒担持体100の形状は、いかなる形状であっても良い。例えば、触媒担持体の形状は、図1に示すような円柱の他、楕円柱、多角柱等であっても良い。
(触媒担持体の製作方法)
次に、触媒担持体の製造方法を説明する。図5には、本発明の触媒担持体の製造フローの一例を示す。本発明の触媒担持体の製造方法は、無機繊維及び/又はウイスカが第1の方向に配向されたハニカム構造体を作製するステップ(ステップS100)と、ハニカム構造体の外周面に、無機繊維及び/又はウイスカが第2の方向に配向されたコート層を設置するステップ(ステップS110)と、ハニカム構造体のセル壁に触媒を設置するステップ(ステップS120)とを有する。以下、各工程について、詳しく説明する。
(ステップS100)
まず、ステップS100では、大部分の無機繊維及び/又はウイスカが第1の方向に配向されたハニカム構造体が製作される。
ここで、以下の記載では、「接合型ハニカム構造体」を製作する場合を例にして、説明する。ただし、「一体型ハニカム構造体」の場合も、ハニカムユニットの接合工程を除き、同様の工程により製作することができることは、当業者には明らかであろう。
まず、前述の材料からなる無機粒子と、前述の材料からなる無機繊維及び/又はウイスカとを含む原料ペーストを用いて押出成形機による押出成形を行い、例えば四角柱状のハニカムユニット成形体を製作する。ここで、本発明では、ハニカムユニットに含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向方向を、できる限り成形体の長手方向に揃えるため、成形機から原料ペーストを押し出す際の押出速度を、おおよそ400mm/分に制御して、押出成形を行う。なお、添加する無機繊維及び/又はウイスカの平均長さを長くすること、および金型内の流路等を調整することにより、ハニカムユニットに含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向をより容易に調整することができる。
前記原料ペーストは、これに限定されるものではないが、例えば製造後のハニカムユニットの気孔率が40〜75%となるものが好ましく、例えば前述のような無機粉末および無機繊維及び/又はウイスカに、バインダおよび分散溶媒等を加えたものであっても良い。
有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等から選ばれる1種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、セラミック粒子、無機繊維および/またはウィスカ、無機バインダの合計100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(ベンゼンなど)およびアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。
これらの無機粉末、無機繊維及び/又はウイスカ、バインダおよび分散溶媒は、アトライター等で混合し、ニーダー等で十分に混練した後、押出成形される。
また前記原料ペーストには、必要に応じて、成形助剤を添加しても良い。成形助剤としては、これに限られるものではないが、例えばエチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石けん、ポリビニルアルコール等が使用される。また前記原料ペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。
次に、得られた成形体は、乾燥することが好ましい。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機および凍結乾燥機などが挙げられる。また、得られた成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、おおよそ400℃、2時間が好ましい。更に、得られた成形体は、焼成することが好ましい。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃が好ましく、600〜1000℃がより好ましい。この理由は、焼成温度が600℃未満ではセラミック粒子などの焼結が進行せずハニカム構造体としての強度が低くなり、1200℃を超えるとセラミック粒子などの焼結が進行しすぎて単位体積あたりの比表面積が小さくなるためである。このようにして製作されたハニカムユニットの無機繊維及び/又はウイスカの大部分は、長手方向と平行に配向されている。
次に、ハニカムユニットの側面に、後に接着層となる接着層用ペーストを均一な厚さで塗布した後、この接着層用ペーストを介して、順次他のハニカムユニットを積層する。この工程を繰り返し、所望の寸法の(例えば、ハニカムユニットが縦横4個ずつ配列された)ハニカム構造体を製作する。
接着層用ペーストとしては、特に限定されるものではないが、例えば、無機バインダとセラミック粒子を混ぜたものや、無機バインダと無機繊維及び/又はウイスカを混ぜたものや、無機バインダとセラミック粒子と無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらのペーストに有機バインダを加えたものとしてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種以上が挙げられる。
ハニカムユニットを接合させる接着層の厚さは、0.3〜2.0mmが好ましい。接着層の厚さが0.3mm未満では十分な接合強度が得られないおそれがあるためである。また、接着層は、触媒担体として機能しない部分であるため、2.0mmを超えると、ハニカム構造体の単位体積あたりの比表面積が低下する。
次にこのハニカム構造体を加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固定化させて、接着層を形成させるとともに、ハニカムユニット同士を固着させる。
次にダイヤモンドカッター等を用いて、ハニカム構造体を、例えば円柱状に切断加工し、円柱状のハニカム構造体を製作する。
なお、例えば、図6に示すように、断面が扇形の形状や断面が正方形の形状にハニカムユニット11を成形し、これらを接合させて所定のハニカム構造体の形状(図6では円柱状)になるようにして、切断・研磨工程を省略しても良い。
(ステップS110)
次に、ステップS110では、以下のようにして、前述のハニカム構造体に、大部分の無機繊維及び/又はウイスカが第2の方向(すなわち、第1の方向と略直交する方向)に配向されたコート層が設置される。
まず、ハニカム構造体の外周部に、コート層用の原料ペーストが設置される。図7には、コート層用の原料ペーストをハニカム構造体に設置する際に使用される設置装置の概略図を示す。
図7に示すように、設置装置600は、把持装置610と、ペースト供給器620と、ペースト均質化手段630とを有する。ペースト供給器620およびペースト均質化手段630は、図7では、相互に対向するように配置されているが、近接していることが望ましい。
把持装置610は、ハニカム構造体140の端面を把持することができる構造となっている。また、把持装置610は、ハニカム構造体140を長手軸Cの周囲で回転させることの可能な手段を有する。
ペースト供給器620は、コート層用の原料ペーストが収容されたペースト収容器(図示されていない)と配管625を介して接続されている。配管625には、ストップバルブ(図示されていない)等が設置されている。また、ペースト供給器620には、一つの側面に、図中横方向に沿って、多数のノズル621が一列に設置されている。また、ペースト供給器620は、このノズル621が設置された面が、把持装置610に把持されたハニカム構造体140の外周面と対向するように配置される。ペースト均質化手段630は、図中横方向に沿って形成されたブレード635を有する。ペースト均質化手段630は、このブレード635が把持装置610に設置されたハニカム構造体140の外周面に所定の距離をおいて配置される。
ペースト供給器620の各ノズル621は、幅Dおよび長さLを有する。また、ペースト均質化手段630のブレード635は、ハニカム構造体140の全長と同等以上の長さを有する。また、ブレード635は、先端がブレード状になっており、回転するハニカム構造体140と当接した際に柔軟に変形することができるよう、ゴムまたはプラスチックなどの弾性体で構成されていることが望ましい。
このような構成の原料ペーストの設置装置600を用いて、以下のように、ハニカム構造体140の外周面に、コート層用の原料ペーストが設置される。
まず、把持装置610に、ハニカム構造体が把持される。また、このハニカム構造体の外周面に対して僅かの隙間が形成されるようにして、ペースト供給器620およびペースト均質化手段630が配設される。なお、ペースト供給器620の各ノズル621の先端から、ハニカム構造体の外周面までの距離は、通常5mm〜10mmの範囲であり、ペースト均質化手段630のブレード635の先端から、ハニカム構造体の外周面までの距離は、通常0.3mm〜2.0mmの範囲である。
次に、ハニカム構造体がC軸に沿って回転される。回転速度は、例えば、約10rpm〜50rpmである。次に、前述のストップバルブを「開」にすることにより、ペースト収容器に充填されているコート層用の原料ペーストが、配管625を介してペースト供給器620に供給される。この原料ペーストは、ノズル621を経由して圧送され、ハニカム構造体140の外周面に原料ペーストが塗布される。塗布された原料ペーストは、ペースト均質化手段630のブレード635によって、ハニカム構造体140の外周面に、均一に塗り広げられ、ハニカム構造体140の外周面には、均一な厚さ(例えば、0.3mm〜2.0mm)の原料ペーストが設置される。
ここで、本発明では、コート層中の無機繊維及び/又はウイスカを、ハニカム構造体(ハニカムユニット)中の無機繊維及び/又はウイスカの配向に対して実質的に直交するように配向させるため、ペースト供給器620のノズル621の寸法を次のように調節する。
・ノズルの幅D:0.1mm〜1.0mm、またはノズルの直径0.1〜1.0mm
・ノズルの長さL:5mm〜20mm
我々の実験では、幅Dおよび長さLをこの範囲に調整したノズルを使用した場合、ハニカム構造体の外周面に設置されたコート層用の原料ペーストに含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向をペーストの押出方向に揃えることが可能であることが示されている。従って、このような工程により、コート層用の原料ペーストを設置することにより、最終的に得られるコート層に含まれる無機繊維及び/又はウイスカの配向を、円周方向に揃えることができる。
その後、ハニカム構造体に設置された原料ペーストを乾燥させて、コート層を固着させることにより、ハニカムユニットとコート層の無機繊維及び/又はウイスカの配向方向が実質的に直交したハニカム構造体を製造することができる。
(ステップS120)
次に、ステップS120では、ハニカム構造体を構成するハニカムユニットのセル壁に触媒が設置される。触媒材料は、特に限定されないが、例えば白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が挙げられる。またアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、遷移金属等を含んだ化合物を担持させても良い。白金触媒を設置する方法としては、例えば、触媒担持層が設置されたハニカムユニットをジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO)等に含浸させて、加熱する方法等が利用される。
なお、前述の製造方法の例では、触媒の担持工程は、ハニカム構造体の外周部にコート層を設置した後に実施されるが、ハニカムユニットを積層する前に行っても良い。このような工程を経て、セル壁に触媒が担持された触媒担持体が製作される。
以上のように、本発明の触媒担持体では、ハニカムユニットとコート層の無機繊維及び/又はウイスカの配向方向が実質的に直交しており、高い比表面積および高強度の両特性を有する触媒担持体を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
本発明の触媒担持体の一例を模式的に示した斜視図である。 図1の触媒担持体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。 図2のハニカムユニットのA−A線での断面概略図である。 本発明の触媒担持体が設置された排気ガス処理装置の一例を模式的に示した断面図である。 本発明による触媒担持体の製造フローの一例を示した図である。 別の方法で製作されたハニカム構造体の斜視図である。 コート層用の原料ペーストの設置装置の一例を示した図である。
符号の説明
22 セル
23 セル壁
70 排気ガス処理装置
71 ケーシング
72 保持シール材
74 導入管
75 排出管
100 触媒担持体
110 接着層
120 コート層
130 ハニカムユニット
140 ハニカム構造体

Claims (6)

  1. 長手方向に延在するセルがセル壁によって区画されたハニカム構造体と、
    該ハニカム構造体の外周部に設置されたコート層と、を有し、
    前記ハニカム構造体およびコート層は、無機繊維及びウイスカの少なくとも1つを含み、
    前記ハニカム構造体に含まれる無機繊維及びウイスカの少なくとも1つは、主として前記ハニカム構造体の長手方向に平行である第1の方向に配向され、前記コート層に含まれる無機繊維及びウイスカの少なくとも1つは、主として第2の方向に配向され、
    第1の方向は、第2の方向に対して、実質的に直交していることを特徴とする触媒担持体。
  2. 請求項1記載の触媒担持体であって、
    前記ハニカム構造体は、複数の柱状のハニカムユニットと、該ハニカムユニット同士を接合する接着層とを有することを特徴とする触媒担持体。
  3. 請求項1又は2に記載の触媒担持体であって、
    当該触媒担持体は、円柱状であることを特徴とする触媒担持体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項記載の触媒担持体であって、
    前記セル壁に、触媒が担持されることを特徴とする触媒担持体。
  5. 請求項4に記載の触媒担持体であって、
    前記触媒は、白金を含むことを特徴とする触媒担持体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項記載の触媒担持体であって、
    前記セル壁の厚さは、0.1mm〜0.4mmの範囲であることを特徴とする触媒担持体。
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