JP2008212917A - ハニカム構造体および排気ガス処理装置 - Google Patents

ハニカム構造体および排気ガス処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高温下で使用しても前述のような破損の生じにくいハニカム構造体を提供することを課題とする。
【解決手段】実質的に相互に平行な第1および第2の端面と、両方の端面をつなぐ外周面とを有する柱状のハニカム構造体であって、前記第1の端面と第2の端面の外周形状は、相似形状であり、前記第1の端面の最大幅をD1(mm)、前記第2の端面の最大幅をD2(mm)とし、前記第1の端面と第2の端面の間の距離をL(mm)としたとき、
テーパ率P(%)=(D1−D2)/(2L)×100 式(1)
で表されるテーパ率Pが、0<P≦4%を満たすことを特徴とするハニカム構造体が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム構造体およびそのようなハニカム構造体を備える排気ガス処理装置に関する。
従来より、車両または建設機械等の内燃機関用の各種排気ガス処理装置が提案され、実用化されている。一般的な排気ガス処理装置は、エンジンの排ガスマニホールドに連結された排気管の途上に、例えば金属等で構成されたケーシングを設け、その中にハニカム構造体を配置した構造となっている。ハニカム構造体は、排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕獲して、排気ガスを浄化するフィルタ(DPF:ディーゼルパティキュレートフィルタ)として、あるいは、排気ガス中の有害ガス成分等を触媒反応によって変換する触媒担持体として機能する。
例えば、ハニカム構造体がDPFとして使用される場合、ハニカム構造体には、多孔質なセル壁を隔てて長手方向に延伸する複数の柱状セルが構成される。それぞれのセルは、いずれか一方の端部が封止材で封止されているため、ハニカム構造体内に導入された排気ガスは、必然的にセル壁を通過してからハニカム構造体外部へ排出される。従って、排気ガスがこのセル壁を通過する際に、排気ガス中のパティキュレート等を捕獲することができる。また、ハニカム構造体が触媒担持体として使用される場合、ハニカム構造体のセル壁の長手方向の表面には、触媒担持層および触媒が設置され、この触媒により、排気ガスに含まれるCO、HCおよびNOx等の有害ガスが浄化される。なお通常、ハニカム構造体とケーシングの間には、両者の当接によるハニカム構造体の破損を防止するため、例えば無機繊維マット等で構成された保持シール材が設置される(特許文献1)。
特開2005−125182号公報
近年、排気ガスの高温高圧化が進む傾向にあり、排気ガス処理装置の使用時に、高温によって生じる様々な影響(例えば、熱応力、熱サイクル等)のため、ハニカム構造体が破損する危険性が高まっている。特に、一度フィルタとして使用されたハニカム構造体は、捕獲されたパティキュレートを除去する再生処理(フィルタを再利用可能にする復元処理)時に、排気ガスの排出側において、温度が著しく上昇する傾向にあり、熱応力によって、ハニカム構造体がこの箇所で破損する危険性が極めて高くなるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、高温下で使用しても前述のような破損の生じにくいハニカム構造体を提供することを課題とする。
本発明では、実質的に相互に平行な第1および第2の端面と、両方の端面をつなぐ外周面とを有する柱状のハニカム構造体であって、
前記第1の端面と第2の端面の外周形状は、相似形状であり、
前記第1の端面の最大幅をD1(mm)、前記第2の端面の最大幅をD2(mm)とし、前記第1の端面と第2の端面の間の距離をL(mm)としたとき、以下の式(1)
テーパ率P(%)=(D1−D2)/(2L)×100 式(1)
で表されるテーパ率Pが、0<P≦4%を満たすことを特徴とするハニカム構造体が提供される。
さらに、本発明では、排気ガスの導入部および排出部を有し、前記導入部と排出部の間に設置されたハニカム構造体を備える排気ガス処理装置であって、
前記ハニカム構造体は、前述のハニカム構造体であり、前記第1の端面が、前記排気ガスの導入部に対向するように設置されることを特徴とする排気ガス処理装置が提供される。
本発明では、ハニカム構造体の外周形状を前述のように構成したため、高温下で使用しても破損の生じにくいハニカム構造体を提供することが可能となる。
以下、図面により本発明の形態を説明する。なお、以下の記載においては、排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として使用されるハニカム構造体を例に、本発明を説明する。ただし、本発明のハニカム構造体は、後述のように、触媒担持体に使用することも可能であることは、当業者には明らかであろう。
図1には、本発明によるハニカム構造体の一例を模式的に示す。また図2には、図1のハニカム構造体のA−A断面図を示す。
図1に示すように、本発明のハニカム構造体100は、2つの端面(以下、第1の端面160および第2の端面170と称する)と、両端面をつなぐ外周面とを有する。また、本発明のハニカム構造体100は、一体型セラミックブロック150と、この一体型セラミックブロック150の2つの端面(以下、一体型セラミックブロックの第1の端面159および第2の端面169と称する)を除く外周部(側面)の少なくとも一部に設置されたコート層120とを有する。従って、ハニカム構造体100の外周面は、一体型セラミックブロック150の側面および/またはコート層120で構成される。また、ハニカム構造体100の第1の端面160は、一体型セラミックブロックの第1の端面159と、これと同じ側のコート層120の端面とで構成される。同様に、ハニカム構造体100の第2の端面170は、一体型セラミックブロックの第2の端面169と、これと同じ側のコート層120の端面とで構成される。ただし、本発明のハニカム構造体100において、コート層120は、省略しても良い。
図1、図2に示すように、一体型セラミックブロック150には、第1の端面159から第2の端面169に向かって延伸する多数のセル11が並設されており、セル11同士を隔てるセル壁13がフィルタとして機能するようになっている。すなわち、一体型セラミックブロック150に形成されたセル11は、図2に示すように、一体型セラミックブロックの第1の端面159または第2の端面169のいずれかに相当する側が、封止材12により目封じされており、一つのセル11に流入した排気ガスは、必ずそのセル11を隔てるいずれかのセル壁13を通過した後、他のセル11から排出されるようになっている。
ここで本発明では、ハニカム構造体100の外周形状がテーパ化されており、ハニカム構造体100の第1の端面160と第2の端面170は、相似形であるが、寸法が異なっており、テーパ率Pが0<P≦4%であることに特徴がある。ここでテーパ率P(%)とは、ハニカム構造体100の第1の端面の最大幅をD1(mm)、第2の端面の最大幅をD2(mm)とし、第1の端面と第2の端面の間の距離(すなわち、ハニカム構造体100の全長またはX方向の長さ)をL(mm)としたとき、
P(%)=(D1−D2)/(2L)×100 式(1)
で表される。なお、本願において、「テーパ(形状)」または「テーパ化」と言う用語は、ハニカム構造体100の第1の端面160と平行な面の断面積が、第1の端面160から第2の端面170に向かって、単調に減少する形状またはそのような形状に加工されることを意味する。この場合、ハニカム構造体100の第1の端面160と第2の端面170をつなぐ外周面の輪郭線は、直線状であっても曲線状であっても良いことに留意する必要がある。
また、ハニカム構造体100の第1および第2の端面の最大幅D1、D2を測定する方法は、特に限定されないが、高精度で測定を行う場合には、レーザー寸法測定器のようなレーザー投光器とレーザー受光器とを有する型式の測定機を用いることが好ましい(例えば、キーエンス社製、LS−5120またはLS−5500等)。レーザー寸法測定機を使用する場合、例えば、ハニカム構造体の第1の端面(または第2の端面)が、投光器と、これに対向するように配置された受光器を結ぶ直線上に配置されるように、ハニカム構造体が設置される。次に、投光器側からハニカム構造体の第1の端面に向かって、これと平行にレーザーを照射し、反対側の受光器でレーザーを受光する。この操作を、ハニカム構造体を中心軸の周りに360゜回転させながら実施することで、ハニカム構造体100の第1の端面の最大幅D1(または第2の端部の最大幅D2)を測定することができる。
図1の例では、ハニカム構造体100の第1の端面160と第2の端面170は、いずれも円形であり、外周面の輪郭線は直線状である。また、テーパ率Pは2%であり、第1の端面160と第2の端面170の半径差は、3mmとなっている(ハニカム構造体の全長Lは、150mmである)。
特に、本発明では、以下のいずれかの方法によって、ハニカム構造体100をこのようなテーパ形状にすることが好ましい:
1)一体型セラミックブロック150の中心軸(図2のX軸)に垂直な面の断面積を、第1の端面159から第2の端面169に沿って、連続的に減少させること、または
2)コート層120の厚さを、ハニカム構造体100の第1の端面160から第2の端面170に沿って、連続的に減少させること。
なお、1)の場合、一般には、コート層120の厚さは、ハニカム構造体100の第1の端面160から第2の端面170に沿って、一定とすることが望ましい。ただし、特定の場合には、コート層120の厚さは、ハニカム構造体100の第1の端面160から第2の端面170に沿って、連続的に変化(減少または増大)しても良い。一方、2)の場合、一般には、一体型セラミックブロック150の中心軸(図2のX軸)に垂直な面の断面積は、実質的に一定とすることが望ましい。ただし、特定の場合には、一体型セラミックブロック150の中心軸(図2のX軸)に垂直な面の断面積が、第1の端面159から第2の端面169に沿って、連続的に変化(減少または増大)しても良い。すなわち、本発明において重要なことは、最終的に得られるハニカム構造体100の外形であって、前述の特徴が成立する限り、ハニカム構造体を構成する各部材(一体型セラミックブロック150およびコート層120)の形状は、重要ではない。
ここで、1)の場合、すなわち図1および2のようなテーパ形状を有する一体型セラミックブロック150を形成する方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。図1、2のようなテーパ形状を有する一体型セラミックブロックを、押出成形により製作する。この際に、成形体の押出成型時の速度を漸増または漸減させることにより、テーパ形状を有する一体化セラミックブロックを簡単に製作することができる。すなわち、押出速度を速めることで、中心軸に対して垂直な面の断面積を低下させることができ、逆に押出速度を低下させることで、中心軸に対して垂直な面の断面積を増加させることができる。また、成形体の乾燥工程において、中心軸に対する乾燥速度を変化させることにより、テーパ形状を有する一体化セラミックブロックを製作することも可能である。
一方、2)の場合、すなわち、ハニカム構造体100の中心軸(X軸)に対して、コート層120の厚さを変化させる場合は、例えば、図3に示すように、中心軸(X軸)に沿って実質的に平行な側面を有する一体型セラミックブロック150を製作し、この側面に、第1の端面160から第2の端面170に向かって、厚さが減少するようにコート層120を設置する。なお、前述のように、この場合、一体型セラミックブロック150は、必ずしも中心軸に沿って実質的に平行な輪郭線を有する必要はないことに留意する必要がある。例えば、図4に示すように、一体型セラミックブロック150の形状は、第1の端面159から第2の端面169に向かって、中心軸(X軸)に対して垂直な面の断面積が、逆に増大するような形状であっても良い。この場合、外周部のコート層120は、ハニカム構造体100の両端面および全長Lが前述の関係を充足するように、厚さが調整される。
なお、前述の例では、ハニカム構造体100の外周面が、第1の端面160から第2の端面170に向かって、直線的に減少するテーパ形状となっている場合を例に説明したが、ハニカム構造体100の外周部の形状は、これに限られるものではない。例えば、ハニカム構造体100の外周面は、図5、図6に示すように、その輪郭線が、第1の端面160から第2の端面170に向かって、非直線的(すなわち曲線状)に変化する形状であっても良い。なお、図5、図6のような形状は、コート層120の厚さおよび一体型セラミックブロック150の外周形状のいずれか一方、または両方を組み合わせて調整することにより、定形することができる。
このような本発明によるハニカム構造体は、例えば、車両の排気ガス処理装置に用いることができる。
図7には、本発明によるハニカム構造体100が装着された排気ガス処理装置70の一例を模式的に示す。図7において、ハニカム構造体100は、セル11の一方の端部が封止されたDPFとして使用されている。なお図の例では、一体型セラミックブロック150にコート層120は、設置されていない。
図7に示すように、排気ガス処理装置70は、主としてハニカム構造体100、ハニカム構造体100を収容する金属製ケーシング71、およびハニカム構造体100とケーシング71との間に配設され、ハニカム構造体100を適切な位置に保持する保持シール材72で構成される。また、排気ガス処理装置70の一方の端部(導入部)には、エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスを導入するための導入管74が接続されており、排気ガス処理装置70の他方の端部(排出部)には、排気ガスを排出するための排出管75が接続されている。図において矢印は、排気ガスの流れを示している。
ここで、本発明では、ハニカム構造体100の第1の端面160が、排気ガス処理装置70の排気ガス導入側となるようにして、ケーシング71内に設置されている。従って、エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスは、導入管74を通って、ケーシング71内に導入され、導入管74と面するハニカム構造体の第1の端面160の側が開放されたセル11から、ハニカム構造体100に流入される。ハニカム構造体100に流入した排気ガスは、セル壁13を通過し、このセル壁13でパティキュレートが捕集されて浄化された後、ハニカム構造体の第2の端面170の側が開放されたセル11を通って、排気ガス処理装置から排出され、最終的に、排出管75を通って外部へ排出される。ちなみに、ハニカム構造体100が触媒担持体として使用される場合は、排気ガスが触媒担持体のセル壁11を通過する際に、CO、HCおよびNOx等、排気ガス中の有害な成分が除去され、排気ガスが浄化される。
このような排気ガス処理装置70では、温度が高温となる排気ガスの排出側の寸法、すなわち、ハニカム構造体100の第2の端面170の寸法が小さくなるように構成されている。従って、第2の端面近傍の温度が高温となり、熱膨張が生じても、この箇所では、従来のテーパ形状を有さないハニカム構造体に比べて、ケーシングまたは保持シール材側からの圧縮応力を抑制することができる。従って、高温下で使用しても破損の生じにくいハニカム構造体を提供することが可能になる。
図8は、一般的な(すなわち、外周面がテーパ形状を有さない)ハニカム構造体を有する排気ガス処理装置を再生処理した際の、ハニカム構造体の温度変化を示したものである。図において、細い曲線は、ハニカム構造体の入口側近傍(入口端面から長手方向に13mm入った面の略中央部)の温度変化に対応し、太い曲線は、ハニカム構造体の出口側近傍(出口端面から長手方向に13mm入った面の略中央部)の温度変化に対応している。この図のように、ハニカム構造体の再生処理時には、ハニカム構造体の出口側の温度が900℃を超え、極めて高温となる場合がある。しかしながら、本発明によるハニカム構造体では、このような再生処理の際にも、出口側近傍で破損が生じにくいという特徴を有する。
なお、以上の説明では、一体成形によって製作された一体型セラミックブロック150を用いて構成されるハニカム構造体100を例に、本発明の特徴を説明した。しかしながら、本発明は、これとは別の型式の、例えば接着材からなる接着層210を介して、複数の多孔質ハニカムユニット230を接合することにより構成されるハニカム構造体200にも適用することが可能である。
図9には、そのように構成されたハニカム構造体の一例を示す。なお以下、前述の図1および図2に示すハニカム構造体を「一体型ハニカム構造体」と称し、図9のような、接着層210を介して複数の多孔質ハニカムユニット230を接合することにより構成される型式のハニカム構造体を「接合型ハニカム構造体」と称する。
図9に示すように、接合型ハニカム構造体200は、互いに実質的に平行な第1の端部260と第2の端部270とを有する。また、接合型ハニカム構造体200は、セラミックブロック250と、該セラミックブロック250の両端面を除く外周部に設置されたコート層220とを有する。セラミックブロック250は、ハニカム構造体200の前記第1および第2の端面260、270に対応する位置に、それぞれ、第1の端部259および第2の端部269を有する。また、セラミックブロック250は、柱状の多孔質ハニカムユニット230を、接着層210を介して複数個(図9の例では、縦横4列ずつの16個)接合させた後、外周部を所定の寸法に切断することにより構成される。図10に示すように、多孔質ハニカムユニット230は、中心軸(X軸)に沿って並設された多数のセル21を有し、セル21同士を隔てるセル壁23がフィルタとして機能する。そのため、前述の一体型セラミックブロック150と同様に、セル21は、いずれか一方の端部が封止材22により目封じされている。
ここで、接合型ハニカム構造体200の外周面をテーパ化する方法としては、前述の一体型ハニカム構造体200の1)および2)場合と同様の方法が利用できる。すなわち、
1')セラミックブロック250の第1の端面259と平行な面の断面積を、第1の端面2599から第2の端面269に沿って、連続的に減少させること、または
2')コート層220の厚さを、ハニカム構造体200の第1の端面260から第2の端面270に沿って、連続的に減少させること、
により、テーパ形状を有する接合型ハニカム構造体を得ることができる。
なお、図9の例では、接合型ハニカム構造体200は、2')の方法、すなわち外周面のコート層220の膜厚を、第1の端面260から第2の端面270に向かって直線的に減少させることにより、接合型ハニカム構造体200の外周面がテーパ化されている。
一方、1')のセラミックブロック250を製作する場合、例えば、予め外周面の少なくとも一部にテーパ形状を有する多孔質ハニカムユニットを組み合わせて、側面がテーパ形状を有するセラミックブロック250を構成する。例えば、セラミックブロックの中心付近の多孔質ハニカムユニットを、図10に示すようなテーパを有さない外周形状とし、セラミックブロックの外端部近傍の多孔質ハニカムユニットを、所定のテーパを有する外周形状とすることにより、組み立て後のセラミックブロックの外周面をテーパ化することができる。
前述の一体型セラミックブロック150、およびセラミックブロック250を構成する多孔質ハニカムユニット230(以下、これらをまとめて「セラミック構成材」という)は、例えば、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化珪素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージュエライト、ムライト、シリカ、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等で構成される。また「セラミック構成材」は、金属シリコンと炭化珪素との複合材等、2種類以上の材料で構成されても良い。金属シリコンと炭化珪素との複合材を用いる場合には、金属シリコンを全体の0〜45重量%となるように添加することが望ましい。
多孔質ハニカムユニットの場合、上記セラミック材料の中では、耐熱性が高く、機械的特性に優れ、さらに熱伝導性が良い炭化珪素質セラミックが望ましい。機械的特性と多孔質性によるフィルタ性能とを併せ持つことにより、フィルタとして好適に使用することができるからである。なお、炭化珪素質セラミックとは、炭化珪素が60重量%以上含まれる材料をいう。一体型セラミックブロックの場合には、熱衝撃性が高く、熱膨張係数が小さいコージェライト、チタン酸アルミニウムが望ましい。
「セラミック構成材」のセル壁13、23と封止材12、22は、実質的に同一の材料で構成され、実質的に同一の気孔率を有することが望ましい。これにより、両者の密着強度を高めることができるとともに、セル壁13、23の熱膨張率と封止材12、22の熱膨張率との間の整合を図ることができ、製造時や使用時の応力によって、封止材12、22とセル壁13、23との間にクラックまたは隙間が生じることを防止することができる。
封止材12、13のセル長手方向の長さは、特に限定されないが、例えば、1〜20mmであることが望ましく、3〜10mmであることがより望ましい。
セル壁13、23の厚さは特に限定されないが、強度の点から望ましい下限は、0.1mmであり、圧力損失の点から望ましい上限は、0.6mmである。なお、セル壁13、23の厚さは、セルの長手方向に沿って、必ずしも一定である必要はない。例えば、図2に示した側面形状を有する一体型セラミックブロック150において、少なくとも一部のセル壁13(特に外周に近い側のセル壁)の厚さは、図2とは異なり、第1の端面160から第2の端面170に向かって徐々に減少しても良い。同様に、多孔質ハニカムユニットについても、該多孔質ハニカムユニットが、外周テーパ形状を有する場合、少なくとも一部のセル壁23(特に外周に近い側のセル壁)の厚さは、セラミックブロック250の第1の端面259から第2の端面269に向かって徐々に減少しても良い。
なお本発明の接合型ハニカム構造体200において、接着層210とコート層220とは、同じ材料であっても異なる材料であっても良い。また、これらの層は、緻密質でも多孔質であっても良いが、シール性を重視する場合は、緻密質であることが好ましい。接着層210およびコート層220を構成する材料は、特に限られないが、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維および/または無機粒子とからなるものを使用することができる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナ等を使用することができ、これらは単独で使用しても、2種類以上のものを混合して使用しても良い。上記無機バインダの中では、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース等を使用することができ、これらは単独で使用しても、2種類以上のものを混合して使用しても良い。上記有機バインダの中では、カルボキシルメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバーを使用することができる。これらは、単独で使用しても、2種類以上のものを混合して使用しても良い。上記無機繊維の中では、シリカ−アルミナファイバーが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を使用することができ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化ヒ素等からなる無機粉末またはウィスカー等を使用することができる。これらは、単独で使用しても、2種類以上のものを混合して使用しても良い。本明細書において、無機粉末またはウィスカーは、無機粒子に含まれることとする。上記無機粒子の中では、熱伝導性に優れる炭化珪素が望ましい。
なお、通常の場合、接着層210およびコート層220は、前記成分を含むペーストを原料として調製し、これを所定の箇所に設置後、乾燥させることにより形成される。原料となるペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。
本発明のハニカム構造体100、200において、第1の端面160、260(または第2の端面170、270)と平行な面の断面形状は、前述の第1および第2の両端面の関係ならびにテーパ率Pの範囲が充足されれば、いかなる形状であっても良い。例えば、ハニカム構造体の断面形状は、図1、図9に示すような円形の他、楕円形または多角形であっても良い。多角形状の場合は、各頂点部が面取りされていても良い。
また、ハニカム構造体の第1の端面の側から見たときのセル11、21の形状は、いかなる形状であっても良く、例えば、正方形、長方形、三角形、六角形または八角形である。さらに、各セルの前記形状は、全て同一の形状である必要はなく、相互に異なる形状であっても良い。
図11には、第1および第2の端面161、171を有する、図1とは別の一体型ハニカム構造体101の一例を示す。また、図12および図13には、接合型ハニカム構造体を構成する、図9とは別の多孔質ハニカムユニットを、一方の端面の側から見た図を示す。図11の例では、一体型セラミックブロック151は、2種類のセル、すなわち八角形と四角形の断面形状のセル11a、11bを備えている。また、四角形セル11bは、ハニカム構造体101の第1の端面161の側で封止されており、八角形セル11aは、ハニカム構造体101の第2の端面171の側で封止されている。同様に、図12の多孔質ハニカムユニット231は、断面形状が八角形と四角形のセル21a、21bを有し、図13の多孔質ハニカムユニット232は、断面形状がさらに別の八角形と四角形のセル21c、21dを有する。これらのセル構成配置では、セル壁の厚さは、軸方向に垂直な断面で見た場合、全てのセル11、21が等しいセル断面寸法を有するハニカム構造体(例えば、図1および図9)のセル壁に比べて、相対的に壁量が低下する傾向にある。従って、特に、ハニカム構造体の第2の端面の側では、圧縮強度がより低下する。しかしながら、本発明では、前述の効果により、このようなハニカム構造体の場合にも、出口側の端部での使用時の破損が抑制されるという特徴が得られる。
(一体型ハニカム構造体の製作方法)
次に、一体型ハニカム構造体100を例に、本発明のハニカム構造体の製造方法を説明する。
まず、前述のセラミック材料を主成分とする原料ペーストを用いて押出成形を行い、円柱状の(すなわち、外周面が中心軸方向に沿って実質的に平行な)一体型セラミックブロックの成形体を製作する。
前記原料ペーストは、これに限定されるものではないが、例えば製造後の一体型セラミックブロックの気孔率が40〜75%となるものが好ましく、例えば前述のようなセラミックからなる粉末に、バインダおよび分散溶媒等を加えたものであっても良い。セラミック粉末の粒径は、特に限定されないが、後工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と、0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
前記バインダとしては、これに限られるものではないが、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等を使用することができる。前記バインダの配合量は、通常、セラミック粉末100重量部に対して、1〜10重量部であることが望ましい。
前記分散溶媒としては、これに限られるものではないが、例えばベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール、水等が使用される。分散溶媒は、原料ペーストの粘度が所定範囲内となるように適量配合される。
これらのセラミック粉末、バインダおよび分散溶媒は、アトライター等で混合し、ニーダー等で十分に混練した後、押出成形される。
また前記原料ペーストには、必要に応じて、成形助剤を添加しても良い。成形助剤としては、これに限られるものではないが、例えばエチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石けん、ポリビニルアルコール等が使用される。また前記原料ペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。
次に、押出成形された成形体を、マイクロ乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させて、乾燥体とする。次に、乾燥体の両端面において、所定のセルの端部に、封止材ペーストを充填し、各セルのいずれか一方の端部を目封じする。
前記封止材ペーストとしては、これに限定されるものではないが、後工程を経て形成される封止材の気孔率が30〜75%となるものが好ましく、例えば、前述の原料ペーストと同様のものを使用しても良い。
次に、前記封止材ペーストが充填された乾燥体に対して、所定の条件で脱脂処理(例えば200〜500℃)および焼成(例えば1400〜2300℃)処理を行うことにより、中心軸に沿って平行な側面を有する一体型セラミックブロックを製造することができる。前記乾燥体の脱脂および焼成の条件は、従来のハニカム構造体を製造する際に使用されるものを適用することができる。
次に、一体型セラミックブロックの側面に、前記原料ペースト、前記封止材ペーストまたは他の原料ペーストを塗布して、乾燥、固着させることにより、コート層を形成する。
コート層が乾燥固化した後、ハニカム構造体の外周面がテーパ形状を有するように、このコート層を研磨する。このような工程を経て、前述の特徴的形状を有する一体型ハニカム構造体を製造することができる。
なお、以上の製造方法は一例であって、他の方法によって一体型ハニカム構造体を製造することも可能であることは、当業者には明らかである。例えば、前述のように、一体型セラミックブロックを、側面が中心軸に沿ってテーパ形状を有するように製作してから、一定の厚さでコート層を設置し、テーパ形状を有するハニカム構造体を製作しても良い。また、上記製造方法において、一体型セラミックブロックの各セルの端部の封止処理と、一体型セラミックブロックの成形体の焼成処理の順番を逆にしても良い。
(接合型ハニカム構造体の製作方法)
接合型ハニカム構造体200の場合も、同様の工程で製作することが可能である。
まず前述のセラミック材料を主成分とする原料ペーストを用いて押出成形を行い、例えば四角柱状のハニカムユニット成形体を製作する。
次に、押出成形されたハニカムユニット成形体を、マイクロ乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させてハニカムユニット乾燥体とする。次に、ハニカムユニット乾燥体の所定のセルの端部に、封止材ペーストを所定量充填し、各セルのいずれか一方の端部を目封じする。
次に、前記封止材ペーストが充填されたハニカムユニット乾燥体に対して、所定の条件で脱脂処理(例えば200〜500℃)および焼成(例えば1400〜2300℃)処理を行うことにより、例えば四角柱状の多孔質ハニカムユニットを製造することができる。
次に、多孔質ハニカムユニットの側面に、後に接着層となる接着層用ペーストを均一な厚さで塗布した後、この接着層用ペーストを介して、順次他の多孔質ハニカムユニットを積層する。この工程を繰り返し、所望の寸法の(例えば、多孔質ハニカムユニットが縦横4個ずつ配列された)セラミックブロックを製作する。なお前記接着層用ペーストには、前述の原料ペーストまたは封止材ペーストを使用しても良い。
次にこのセラミックブロックを加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固定化させて、接着層を形成させるとともに、各多孔質ハニカムユニット同士を固着させる。
次にダイヤモンドカッター等を用いて、セラミックブロックを、例えば円柱状に切断加工し、側面が軸方向に沿って平行な円柱状のセラミックブロックを製作する。
さらに、このセラミックブロック250の側面に、前記接着材ペーストまたは他のコート材層用の原料ペーストを塗布して、乾燥、固着させることにより、コート層を形成する。
コート層が乾燥固化した後、ハニカム構造体の外周形状がテーパ形状となるように、このコート層を研磨する。このような工程を経て、前述の特徴的形状を有する接合型ハニカム構造体を製造することができる。
なお、接合型ハニカム構造体の場合、前述のように、各種外周形状の多孔質ハニカムユニットを組み合わせて、テーパ形状を有するセラミックブロックを製作することも可能である。また、複数の異なる形状のハニカムユニット成形体から多孔質ハニカムユニットを作製した後、接着層ペーストを介してこれらを積層して、セラミックブロックとしても良い。この場合、側面の切断加工を省略することができる。
(触媒担持体の製作方法)
なお、前述の記載では、ハニカム構造体100、200をDPFとして使用する場合を例として示したが、ハニカム構造体は、排気ガスに含まれるCO、HCおよびNOx等を浄化するための触媒担持体として使用することも可能である。そこで、以下、本発明のハニカム構造体を用いて、触媒担持体を製作する方法について説明する。
本発明のハニカム構造体を触媒担持体として使用する場合、前述のセル端部の封止処理に代えて、セル壁への貴金属等の触媒の設置処理が行われる。
まず最初に、セル壁に触媒担持層が設置される。触媒担持層としては、例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、セリア等の酸化物セラミックが挙げられる。また、セル壁にアルミナ触媒担持層を形成する方法としては、例えば、ハニカム構造体をアルミナ粉末を含む溶液中に浸漬させて、引き上げた後、これを加熱する方法がある。その後、さらにCe(NO等の溶液中にハニカム構造体を浸漬させて、触媒担持層中に希土類元素を含浸させても良い。
次に、触媒担持層に触媒が設置される。触媒材料は、特に限定されないが、例えば白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が挙げられる。またアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、遷移金属等を含んだ化合物を担持させても良い。白金触媒を設置する方法としては、例えば、触媒担持層が設置された「セラミック構成材」をジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH)(NO]HNO)等に含浸させて、加熱する方法等が利用される。
なお一体型ハニカム構造体100の場合は、一体型セラミックブロック150が製作されてから、上記工程により触媒が設置される。一方、接合型ハニカム構造体200の場合、触媒の設置は、多孔質ハニカムユニット230が製作された後であれば、どの段階で実施されても良いことに注意する必要がある。
以下、実施例により本発明の効果を詳しく説明する。
[接合型ハニカム構造体の製作]
まず、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)40重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm、アスペクト比10)10重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)50重量%を混合し、得られた混合物100重量部に対して有機バインダとしてメチルセルロース6重量部、可塑剤及び潤滑剤を少量加えて更に混合・混練して混合組成物を得た。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形を行い、生の成形体を得た。
次に、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて生の成形体を十分乾燥させ、400℃で2時間保持して脱脂した。その後、800℃で2時間保持して焼成を行い、セル断面形状が略正方形で、セル密度が93個/cm(600cpsi)、壁厚が0.2mmの、四角柱状(34.3mm×34.3mm×150mm)のハニカムユニットを得た。
次に、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)29重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm)7重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)34重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%及び水25重量%を混合して、封止材ペーストを調製した。ハニカムユニットの所定のセルの端部に、この封止材ペーストを所定量充填し、各セルのいずれか一方の端部を目封じした。
次に、前述の封止材ペーストと同組成の接着層用ペーストを用いて、ハニカムユニット同士を接合させた。接着層の厚さは、1mmとした。このようにして、縦横にハニカムユニットが4列ずつ接合されたセラミックブロックを作製した。
次に、ダイヤモンドカッターを用いて、このセラミックブロックが円柱形状となるように切断した。得られたセラミックブロックの第1および第2の端面は、直径が141mmの円であった。
次に、外周面にコート層を形成するため、上述の接着層用ペーストをコート層用ペーストとして使用し、これを前記セラミックブロックの側面(すなわち切断面)に塗布した。ここで、ペーストは、第1の端面(厚さ2.0mm)から、第2の端面(厚さ0.5mm)まで、厚さが徐々に減少するように塗布した。次に、これを120℃で乾燥後、700℃で2時間保持し、接着層および外周コート層の脱脂を行い、外周テーパ形状(ハニカム構造体の第1の端面の直径143mm、第2の端面の直径142mm、長さ150mm)を有するハニカム構造体を得た。このハニカム構造体のテーパ率Pは、1%であった。
[再生試験]
前述のように製作したハニカム構造体を用いて排気ガス処理装置を構成し、再生試験を行った。排気ガス処理装置は、ハニカム構造体の外周に無機繊維マット(厚さ6mm)を巻き回し、これを金属ケーシング(内径150mm×長さ190mm)内に設置して構成した。なお、ハニカム構造体は、第1の端面が排気ガス処理装置の入口側に相当するようにして、装置内に装着した。
再生試験は、エンジン(2リットル直噴エンジン)の排気管の流入側に排気ガス処理装置を設置して、以下のように行った。まず、エンジンを回転数2000rpm、トルク100Nmの条件で、9時間運転させ、ハニカム構造体に約18.8g/Lのスートを捕集させた。次に、ハニカム構造体に捕獲されたスートを燃焼させるため、エンジンの運転をポストインジェクション方式に切り替え、ポストインジェクション開始から1分後にハニカム構造体の入口温度が約600℃となるように運転した。スートを燃焼させた後に、エンジンを停止して、排気ガス処理装置からハニカム構造体を回収し、ハニカム構造体の破損状況を確認した。
試験後に、ハニカム構造体の第2の端面近傍には、破損は生じていなかった。
実施例1の場合と同様の方法により、接合型ハニカム構造体を製作し、排気ガス処理装置を構成した。ただし、この実施例2では、コート層用ペーストは、第1の端面(厚さ5.0mm)から、第2の端面(厚さ0.5mm)まで、厚さが徐々に減少するように塗布した。従って、最終的に得られたハニカム構造体のテーパ率Pは、3%であった。
実施例1の場合と同様の方法により、このハニカム構造体を装着した排気ガス処理装置を用いて再生試験を行った。試験後に、ハニカム構造体の第2の端面近傍には、破損は生じていなかった。
実施例1の場合と同様の方法により、接合型ハニカム構造体を製作し、排気ガス処理装置を構成した。ただし、この実施例3では、コート層用ペーストは、第1の端面(厚さ6.5mm)から、第2の端面(厚さ0.5mm)まで、厚さが徐々に減少するように塗布した。従って、最終的に得られたハニカム構造体のテーパ率Pは、4%であった。
実施例1の場合と同様の方法により、このハニカム構造体を装着した排気ガス処理装置を用いて再生試験を行った。試験後に、ハニカム構造体の第2の端面近傍には、破損は生じていなかった。
比較例1
実施例1の場合と同様の方法により、接合型ハニカム構造体を製作し、排気ガス処理装置を構成した。ただし、この比較例1では、コート層用ペーストを、第1の端面(厚さ0.5mm)から第2の端面(厚さ0.5mm)まで、厚さが実質的に一定となるように塗布した。従って、最終的に得られたハニカム構造体のテーパ率Pは、0である。
実施例1の場合と同様の方法により、このハニカム構造体を装着した排気ガス処理装置を用いて再生試験を行った。試験後に、ハニカム構造体の出口側端面近傍に、破損が生じていることが確認された。
本発明では、実質的に相互に平行な第1および第2の端面と、両方の端面をつなぐ外周面とを有する柱状のハニカム構造体であって、
前記第1の端面と第2の端面の外周形状は、相似形状であり、
前記第1の端面の最大幅をD1(mm)、前記第2の端面の最大幅をD2(mm)とし、前記第1の端面と第2の端面の間の距離をL(mm)としたとき、以下の式(1)
テーパ率P(%)=(D1−D2)/(2L)×100 式(1)
で表されるテーパ率Pが、0<P≦4%を満たすことを特徴とするハニカム構造体が提供される。
ここで、前記外周面の輪郭線は、直線状、曲線状または直線と曲線の組み合わせ形状であり、
前記第1の端面と平行な面の断面積は、前記第1の端面から第2の端面に向かって、単調に減少しても良い。
また、当該ハニカム構造体の第1および第2の端面は、いずれも円形状あっても良い。
また、当該ハニカム構造体の前記外周面は、コート層が設置された表面であっても良い。
また、前記コート層は、前記第1の端面から第2の端面まで、厚さが実質的に一定であっても良い。あるいは、前記コート層は、前記第1の端面から第2の端面に向かって、厚さが減少しても良い。
さらに、当該ハニカム構造体は、隔壁を介して、前記第1の端面から第2の端面まで貫通する複数の貫通セルを有し、
前記複数の貫通セルの少なくとも一部は、前記第1の端面と平行な面の断面積が、前記第1の端面から第2の端面に向かって減少しても良い。
また、前記貫通セルは、前記第1の端面から見たとき、少なくとも2種類の形状を有しても良い。
また、前記貫通セルは、いずれか一方の端部が封止されていても良い。あるいは、前記隔壁には、触媒が設置されていても良い。
特に、前記隔壁の厚さは、0.1mm〜0.6mmの範囲であっても良い。
また、本発明によるハニカム構造体は、複数の柱状のハニカムユニットと該ハニカムユニット同士を接合する接着層とを有しても良い。
さらに、本発明では、排気ガスの導入部および排出部を有し、前記導入部と排出部の間に設置されたハニカム構造体を備える排気ガス処理装置であって、
前記ハニカム構造体は、前述のハニカム構造体であり、前記第1の端面が、前記排気ガスの導入部に対向するように設置されることを特徴とする排気ガス処理装置が提供される。
本発明の一体型ハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 図1のハニカム構造体のA−A線での断面図である。 本発明の別の一体型ハニカム構造体の中心軸(X軸)に平行な断面を模式的に示した図である。 本発明のさらに別の一体型ハニカム構造体の中心軸(X軸)に平行な断面を模式的に示した図である。 本発明のハニカム構造体の側面図の一例である。 本発明の別のハニカム構造体の側面図の一例である。 本発明のハニカム構造体が設置された排気ガス処理装置の一例を模式的に示した断面図である。 一般的なハニカム構造体の再生処理の際の入口側および出口側における温度変化を示すグラフである。 本発明の接合型ハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 本発明の接合型ハニカム構造体を構成する多孔質ハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。 2種類の断面形状のセルを有する一体型ハニカム構造体を示す図である。 2種類の断面形状のセルを有する多孔質ハニカムユニットを、一方の端面の側から見た図である。 2種類の断面形状のセルを有する別の多孔質ハニカムユニットを、一方の端面の側から見た図である。
符号の説明
11,21 セル
12,22 封止材
13,23 セル壁
70 排気ガス処理装置
71 ケーシング
72 保持シール材
74 導入管
75 排出管
100,101,200 ハニカム構造体
120,121,220 コート層
150,151 一体型セラミックブロック
159,259 セラミックブロックの第1の端面
160,161,260 ハニカム構造体の第1の端面
169,269 セラミックブロックの第2の端面
170,171,270 ハニカム構造体の第2の端面
210 接着層
230,231,232 多孔質ハニカムユニット
250 セラミックブロック。

Claims (13)

  1. 実質的に相互に平行な第1および第2の端面と、両方の端面をつなぐ外周面とを有する柱状のハニカム構造体であって、
    前記第1の端面と第2の端面の外周形状は、相似形状であり、
    前記第1の端面の最大幅をD1(mm)、前記第2の端面の最大幅をD2(mm)とし、前記第1の端面と第2の端面の間の距離をL(mm)としたとき、以下の式(1)
    テーパ率P(%)=(D1−D2)/(2L)×100 式(1)
    で表されるテーパ率Pが、0<P≦4%を満たすことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記外周面の輪郭線は、直線状、曲線状または直線と曲線の組み合わせ形状であり、
    前記第1の端面と平行な面の断面積は、前記第1の端面から第2の端面に向かって、単調に減少することを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 第1および第2の端面は、いずれも円形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記外周面は、コート層が設置された表面であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  5. 前記コート層は、前記第1の端面から第2の端面まで、厚さが実質的に一定であることを特徴とする請求項4に記載のハニカム構造体。
  6. 前記コート層は、前記第1の端面から第2の端面に向かって、厚さが減少することを特徴とする請求項4に記載のハニカム構造体。
  7. 当該ハニカム構造体は、隔壁を介して、前記第1の端面から第2の端面まで貫通する複数の貫通セルを有し、
    前記複数の貫通セルの少なくとも一部は、前記第1の端面と平行な面の断面積が、前記第1の端面から第2の端面に向かって減少することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  8. 前記貫通セルは、前記第1の端面から見たとき、少なくとも2種類の形状を有することを特徴とする請求項7に記載のハニカム構造体。
  9. 前記貫通セルは、いずれか一方の端部が封止されていることを特徴とする請求項7または8に記載のハニカム構造体。
  10. 前記隔壁には、触媒が設置されていることを特徴とする請求項7または8に記載のハニカム構造体。
  11. 前記隔壁の厚さは、0.1mm〜0.6mmの範囲であることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  12. 複数の柱状のハニカムユニットと該ハニカムユニット同士を接合する接着層とを有することを特徴とする前記請求項のいずれか一項に記載のハニカム構造体。
  13. 排気ガスの導入部および排出部を有し、前記導入部と排出部の間に設置されたハニカム構造体を備える排気ガス処理装置であって、
    前記ハニカム構造体は、前記請求項のいずれか一項に記載のハニカム構造体であり、前記第1の端面が、前記排気ガスの導入部に対向するように設置されることを特徴とする排気ガス処理装置。
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