JP2010247145A - ハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目封止部がハニカム状の多孔質基材から外れ難いハニカムフィルタを製造することが可能なハニカムフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック原料を含有する坏土を、所定のセルの一方の端面における水力直径よりも、残余のセルの他方の端面における水力直径が小さくなるように成形してハニカム成形体を得、得られたハニカム成形体の一方の端面における所定のセルの開口部を目封止した後に焼成し、得られたハニカム焼成体の一方の端面側から、両端面が開口する残余のセル内に、触媒スラリーを流入して触媒を担持し、その後、他方の端面における残余のセルの開口部を目封止してハニカムフィルタを製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハニカムフィルタの製造方法に関する。更に詳しくは、セル内の隔壁表面に触媒が担持され、隔壁内部への触媒の侵入量が少なく、且つ、目封止部がハニカム状の多孔質基材から外れ難いハニカムフィルタを製造することが可能なハニカムフィルタの製造方法に関する。
自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排ガス中の粒子状物質は、環境への影響を考慮して排ガス中から除去する必要性が高まっている。そこで、セラミックで作製されたハニカムフィルタが、粒子状物質を除去するフィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ:DPF)として広く用いられている。DPFとしては、例えば、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備え、一方の端面が目封止され且つ他方の端面が開口されたセル(所定のセル)と、一方の端面が開口され且つ他方の端面が目封止されたセル(残余のセル)とが交互に配設された構造のものが用いられている。そして、使用時には、DPFの上記残余のセルが開口する上記一方の端面から、流体(排ガス)を流入させ、流入した排ガスを、隔壁を透過させて上記所定のセル内に透過流体として流出させ、透過流体を所定のセルが開口する上記他方の端部から流出させることにより、排ガス中の粒子状物質を隔壁で捕集除去するものである。
そして、通常、DPFは、捕集した粒子状物質を燃焼除去することにより再生しながら、継続的に使用されている。粒子状物質の燃焼反応は、通常、DPFに担持された触媒により促進されている。
DPFへの触媒の担持は、従来、ハニカム成形体の両端面に目封止部を形成した後に行っていた(例えば、特許文献1参照)。
また、ハニカム成形体の一方の端面にのみ目封止部を形成した後に、触媒を担持し、その後に目封止部を形成していない他方の端面に目封止部を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
特開昭62−247111号公報 特開昭59−211708号公報 特開2006−46200号公報
特許文献1に記載の方法では、セラミック製のハニカム成形体の両端面に目封止を行っているため、触媒を担持し難いという問題があった。また、このように両端面に目封止を行った状態で触媒を担持する方法としては、例えば、ハニカム成形体の一方の端面側から吸引を行いながら、他方の端面側から触媒スラリーを流入させることにより、ハニカム成形体に触媒を担持する方法が挙げられる。この場合、触媒スラリーは、他方の端面に開口するセル内に流入し、一方の端面側からの吸引により、多孔質の隔壁を透過して一方の端面に開口するセル内に移動し、一方の端面に開口するセル内を流れて一方の端面側から排出される。そして、触媒スラリーがセル内を流れるとき及び多孔質の隔壁を透過するときに、触媒成分が隔壁表面及び隔壁に形成された細孔内に堆積することにより、ハニカム成形体に触媒が担持される。しかし、この方法では、吸引により触媒スラリーが隔壁を透過するようにするため、隔壁の細孔内にも大量に触媒成分が担持される(堆積する)ことになる。触媒により燃焼除去する粒子状物質は、大部分が隔壁表面に堆積するため、隔壁の細孔内に存在する触媒は、粒子状物質とは接触できず、粒子状物質の燃焼にほとんど寄与することができない。そのため、この方法によってハニカム成形体に触媒を担持すると、触媒と粒子状物質との接触効率が低下するという問題があった。また、細孔内に大量に触媒成分が担持されると、ハニカム構造体(即ち、多孔質基材)の気孔率が低下してしまい、フィルタとしての圧力損失が増加してしまうという問題もあった。
また、特許文献2及び3に記載の方法においては、触媒を担持した後に目封止部を形成するため、この目封止部と隔壁との接着性を十分に得ることができず、目封止部がハニカム構造体から外れて脱離し易いという問題があった。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、セル内の隔壁表面に触媒が担持され、隔壁内部への触媒の侵入量が少なく、且つ、目封止部がハニカム構造体から外れ難いハニカムフィルタを製造するハニカムフィルタの製造方法を提供するものである。
本発明者は、前記のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、ハニカム成形体の一方の端面に目封止部を形成した後に、触媒を担持し、その後、他方の端面に目封止部を形成する製造方法において、後から(即ち、触媒担持後に)目封止を行うセルの他方の端面における水力直径を、先に(即ち、触媒担持前に)目封止を行うセルの一方の端面における水力直径よりも小さくすることによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。具体的には、本発明により、以下のハニカムフィルタの製造方法が提供される。
[1] セラミック原料を含有する坏土を、一方の端面から他方の端面まで貫通し流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム状に成形して、ハニカム成形体を形成する成形工程と、得られた前記ハニカム成形体の一方の端面における所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填し、前記第1の目封止スラリーが充填されたハニカム成形体を、焼成することにより前記第1の目封止スラリー及び前記ハニカム成形体を焼結させて、一方の端面に第1の目封止部を有する片側目封止ハニカム成形体を形成する第1目封止工程と、得られた前記片側目封止ハニカム成形体の前記第1の目封止部が形成された前記一方の端面側から、両端面が開口する残余のセル内に、触媒スラリーを流入させて、前記残余のセル内の隔壁表面に触媒を塗工してハニカム触媒体を形成する触媒担持工程と、得られた前記ハニカム触媒体の前記残余のセルの、前記ハニカム触媒体の前記第1の目封止部が形成されていない前記他方の端面側に開口する開口部に、第2の目封止スラリーを充填し、前記第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより前記第2の目封止スラリーを固化させて第2の目封止部を作製してハニカムフィルタを得る第2目封止工程と、を備え、前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、前記残余のセルの前記他方の端面における水力直径が、前記所定のセルの一方の端面における水力直径よりも小さくなる形状に形成するハニカムフィルタの製造方法。
[2] 前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、少なくとも前記第2の目封止スラリーが充填される領域において、前記残余のセルの水力直径が前記他方の端面側に向けて漸減するような形状に形成する前記[1]に記載のハニカムフィルタの製造方法。
[3] 前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、前記所定のセルの中心軸に直交する断面の形状が略八角形であるとともに、前記残余のセルの中心軸に直交する断面の形状が略四角形となるような形状に成形する前記[1]に記載のハニカムフィルタの製造方法。
[4] 前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、前記第2の目封止スラリーが充填される領域において、前記残余のセルを区画形成する隔壁表面に凹凸を有する形状に形成する前記[1]に記載のハニカムフィルタの製造方法。
[5] 前記第1目封止工程において、担持される触媒の劣化温度以上の温度で前記焼成を行う前記[1]〜[4]のいずれかに記載のハニカムフィルタの製造方法。
[6] 前記第2目封止工程において、担持された触媒の劣化温度未満の温度で前記乾燥を行う前記[1]〜[5]のいずれかに記載のハニカムフィルタの製造方法。
[7] 前記第2の目封止スラリーが、前記担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより固化するセラミックセメントである前記[6]に記載のハニカムフィルタの製造方法。
本発明のハニカムフィルタの製造方法は、後から目封止を行うセル(即ち、上記残余のセル)の目封止を行う側の端面(即ち、上記他方の端面)における水力直径が、先に目封止を行うセル(即ち、上記所定のセル)の目封止を行う側の端面(即ち、上記一方の端面)における水力直径よりも小さくなるようにハニカム成形体を作製することによって、触媒を担持した後に形成される第2の目封止部をハニカム構造体(ハニカム状の多孔質基材)から外れ難くすることができる。更に、触媒を担持する工程において、触媒スラリーが多孔質の隔壁を透過することを抑制することができるため、担持する触媒をセル内の隔壁の表面に有効に堆積させることができるとともに、触媒担持前に形成した第1の目封止部を高温で焼結させて強固なものとすることができる。なお、第2の目封止部については、低温で固化させることによって形成するため、既に隔壁の表面に担持(堆積)させた触媒の劣化を有効に防止することもできる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態によって製造されたハニカムフィルタを模式的に示す斜視図である。 図1Aに示すハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態における製造過程を示す模式図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の他の実施形態によって製造されたハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図である。 図3Aに示すハニカムフィルタの他方の端面を拡大した平面図である。 本発明のハニカムフィルタの製造方法の他の実施形態によって製造されたハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図である。 図4Aに示すハニカムフィルタの他方の端面を拡大した平面図である。 図4Aに示すハニカムフィルタの他方の端面における残余のセルを拡大した平面図である。 ハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)ハニカムフィルタの製造方法:
本発明のハニカムフィルタの一実施形態は、図1A及び図1Bに示すような、一方の端面11から他方の端面12まで貫通し流体の流路となる複数のセル2を区画形成する、多孔質のセラミックを主成分とする隔壁3を有するハニカム形状の多孔質基材1と、一方の端面11における所定のセル2aの開口部を塞ぐように配設された第1の目封止部21(21a)と、他方の端面12における残余のセル2bの開口部を塞ぐように配設された第2の目封止部21(21b)と、第2の目封止部21(21b)が配設されたセル2(残余のセル2b)内の隔壁3表面に配設された触媒層22とを備えたハニカムフィルタを製造する方法である。
ここで、図1Aは、本発明のハニカムフィルタの製造方法の一実施形態によって製造されたハニカムフィルタを模式的に示す斜視図であり、図1Bは、図1Aに示すハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図である。
本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、図2に示すように、セラミック原料を含有する坏土を、一方の端面34から他方の端面35まで貫通し流体の流路となる複数のセル32を区画形成する隔壁33を有するハニカム状に成形して、ハニカム成形体31を形成する成形工程と、得られたハニカム成形体31の一方の端面34における所定のセル32aの開口部に第1の目封止スラリーを充填し、第1の目封止スラリーが充填されたハニカム成形体31を、焼成することにより第1の目封止スラリー及びハニカム成形体31を焼結させて、一方の端面34に第1の目封止部41を有する片側目封止ハニカム成形体36を形成する第1目封止工程と、得られた片側目封止ハニカム成形体36の第1の目封止部41が形成された一方の端面34側から、両端面が開口する残余のセル32b内に、触媒スラリーを流入させて、残余のセル32b内の隔壁33表面に触媒を塗工して、隔壁33の表面に触媒層43が配置されたハニカム触媒体37を形成する触媒担持工程と、得られたハニカム触媒体37の残余のセル32bの、ハニカム触媒体37の第1の目封止部41が形成されていない他方の端面35側に開口する開口部に、第2の目封止スラリーを充填し、第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体37を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより第2の目封止スラリーを固化させて、第2の目封止部42を形成することによりハニカムフィルタ38を得る第2目封止工程と、を備えている。
そして、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、上記した成形工程において、ハニカム成形体31を、残余のセル32bの他方の端面35における水力直径が、所定のセルの32aの一方の端面34における水力直径よりも小さくなる形状に形成する。なお、所定のセルとは、一方の端面において目封止を行う、一以上のセル(即ち、一方の端面において目封止される特定のセル)を意味し、残余のセルとは、他方の端面において目封止を行う、前記所定のセル以外のセルを意味する。
このように本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、後から目封止を行うセル(即ち、上記残余のセル)の目封止を行う側の端面(即ち、上記他方の端面)における水力直径が、先に目封止を行うセル(即ち、上記所定のセル)の反対側の端面(即ち、上記一方の端面)における水力直径よりも小さくなるようにハニカム成形体を作製することによって、触媒を担持した後に形成される第2の目封止部をハニカム構造体(多孔質基材)から外れ難くすることができる。更に、触媒担持工程において、触媒スラリーが多孔質の隔壁を透過することを抑制することができるため、担持する触媒をセル内の隔壁の表面に有効に堆積させることができるとともに、触媒担持前に形成した第1の目封止部を高温で焼結させて強固なものとすることができる。なお、第2の目封止部については、低温で固化させることによって形成するため、既に隔壁の表面に担持(堆積)させた触媒(即ち、触媒層)の劣化を有効に防止することもできる。
本実施形態のハニカムフィルタの製造方法において、「セルの水力直径」とは、セルの所定の端面における開口面積及び周長に基づき、「4×(開口面積)/(周長)」で算出される値である。ここで、(セルの)開口面積とは、セルの端面における開口面積を指し、(セルの)周長とは、そのセルの形状の周囲の長さ(形状を囲む閉じた線の長さ、換言すれば、そのセルを区画形成する隔壁表面に沿って計測される周囲の長さ)を指す。なお、セルを区画形成する隔壁表面に沿って周囲の長さを計測する場合には、設計時におけるセルの形状の周囲の長さに相当する、実際のセルの形状の周囲の長さを計測するものであり、例えば、意図しない隔壁表面の極微細な凹凸等については計測する必要はない。一方、隔壁表面に意図的に凹凸を形成した場合には、この隔壁表面の凹凸に沿って周囲の長さを計測する。
なお、特に限定させることはないが、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法においては、残余のセルの他方の端面の水力直径は、所定のセルの一方の端面の水力直径よりも、0.10〜0.80mm小さいものであることが好ましく、0.30〜0.60mm小さいものであることが更に好ましい。このように構成することによって、第2の目封止部を良好に外れ難くすることができる。なお、具体的なセルの水力直径の大きさは、残余のセル及び所定のセルの大きさ(即ち、セルの延びる方向に垂直な断面の面積)によって異なるが、例えば、残余のセルの他方の端面の水力直径は、0.50〜1.40mmであることが好ましく、0.80〜1.25mmであることが更に好ましい。一方、所定のセルの一方の端面の水力直径は、1.00〜1.90mmであることが好ましく、1.15〜1.60mmであることが更に好ましい。
本実施形態のハニカムフィルタの製造方法は、上述したように、後から目封止を行う残余のセルの目封止を行う側の端面(他方の端面)における水力直径が、先に目封止を行うセル(即ち、上記の所定のセル)の反対側の端面(一方の端面)における水力直径よりも小さくなるようにハニカム成形体を作製するものであれば、図2に示すように、ハニカム成形体31を、少なくとも第2の目封止スラリーが充填される領域において、残余のセル32bの水力直径が他方の端面側35に向けて漸減するような形状に形成してもよい。
また、残余のセルの水力直径は、目封止を行う側の端面(他方の端面)のみ小さくなっているだけでなく、セルの延びる方向における目封止が施される部位(目封止部分)において、それ以外の部位(目封止が施されない部分)から徐々に小さくなるように構成されていてもよいし(例えば、図2に示す形態)、また、セルの延びる方向において(目封止部分を越えて)、水力直径が他方の端面側に向けて漸減するように構成されていてもよい。
なお、例えば、図5に示すハニカムフィルタ500のように、残余のセル102bの水力直径が一方の端面111側から他方の端面112側に向けて漸減し、且つ所定のセル102aの水力直径が他方の端面112側から一方の端面111側に向けて漸増するような形状に形成することによっても、残余のセル102bの目封止部121(121b)を外れ難くすることができる。ここで、図5は、ハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図である。なお、符号121aは、所定のセル102aの一方の端面111を目封止する第1の目封止部を示し、符号122は、残余のセル102b内の隔壁103表面に配設された触媒層を示す。
また、本実施形態においては、残余のセル及び所定のセルを、それぞれの大きさ(即ち、セルの延びる方向に垂直な断面の面積)が異なるように形成し、残余のセルの他方の端面における水力直径が、所定のセルの一方の端面における水力直径よりも小さくなるように構成してもよい。例えば、図3A及び図3Bに示すハニカムフィルタ300のように、成形工程において、ハニカム成形体を、所定のセル2aの中心軸に直交する断面の形状が略八角形であるとともに、残余のセル2bの中心軸に直交する断面の形状が略四角形となるような形状に成形した場合の例を示している。そして、図3A及び図3Bにおいては、残余のセル2bの他方の端面12における水力直径が、所定のセル2aの一方の端面11における水力直径よりも小さくなっている。
なお、上述した実施形態においては、残余のセルの他方の端面における開口面積を実際に小さくすることによって、そのセルの水力直径を小さくする場合の例について説明したが、例えば、図4A及び図4Bに示すハニカムフィルタ400のように、残余のセル2bの他方の端面12における周長を大きくして、相対的にセルの水力直径を小さくしてもよい。図4A及び図4Bは、ハニカム成形体(図4A及び図4Bにおいては焼成後の多孔質基材1)を、残余のセル2bの他方の端面12側の端部、より具体的には、少なくとも第2の目封止スラリーが充填される領域における、残余のセル2bを区画形成する隔壁3の表面に凹凸を有する形状に形成した場合の例を示している。
このように構成することによって、第2の目封止スラリーを充填して作製された第2の目封止部と、残余のセルを区画形成する隔壁との接触面積を大きくすることができ、第2の目封止部を外れ難くすることができる。即ち、第2の目封止部が外れる場合に生じる力の大きさに対して、隔壁に掛かる単位面積当たりの荷重を小さくすることができるため、第2の目封止部が外れ難くなる。
なお、図4Bに示すように、残余のセル2bの他方の端面12側の内面(即ち、隔壁3の表面)に凹凸を形成して周長を大きくする場合には、例えば、残余のセルの内面が滑らかに形成された四角形のセルの成形した後、残余のセルの開口部に、表面に凹凸が形成された棒状部材(例えば、天突き棒)を押し込んで、残余のセルの他方の端面側の内面(即ち、隔壁の表面)に、棒状部材の凹凸を刻み込む方法を挙げることができる。
また、上記したように、残余のセル2bの他方の端面側の内面(即ち、隔壁の表面)に凹凸を形成して周長を大きくする場合における凹凸の形状については特に制限はないが、図4Cに示すように、残余のセル2bの他方の端面側の内面における凸部の高さHは、0.03〜0.20mmであることが好ましく、0.07〜0.15mmであることが更に好ましい。また、この凸部の角度θ(即ち、凸部を形成する二辺によって形成される角度θ)は、50〜130°であることが好ましく、60〜110°であることが更に好ましい。このように構成することによって、凹凸の形状を良好に形成することができるとともに、残余のセル2bの周長を大きくて、第2の目封止部を外れ難くすることができる。また、凸凹の形状は波型であってもよい。
ここで、図3Aは、本発明のハニカムフィルタの製造方法の他の実施形態によって製造されたハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図であり、図3Bは図3Aに示すハニカムフィルタの他方の端面を拡大した平面図である。また、図4Aは、本発明のハニカムフィルタの製造方法の更に他の実施形態によって製造されたハニカムフィルタの中心軸方向に平行な断面を示す模式図であり、図4Bは、図4Aに示すハニカムフィルタの他方の端面を拡大した平面図であり、図4Cは、図4Aに示すハニカムフィルタの他方の端面における残余のセルを拡大した平面図である。なお、図3、図4A、図4B、及び図4Cにおいて、図1Bに示すハニカムフィルタの各要素と同様に構成されているものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法について、各工程毎に更に詳細に説明する。
(1−1)成形工程:
成形工程は、図2に示すように、セラミック原料を含有する坏土を、一方の端面34から他方の端面35まで貫通し流体の流路となる複数のセル32を区画形成する隔壁33を有するハニカム状に成形して、ハニカム成形体31を形成する工程である。
より具体的には、セラミック原料に、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料とする。セラミック原料としては、炭化珪素、コージェライト化原料、アルミナタイタネート、サイアロン、ムライト、窒化珪素、リン酸ジルコニウム、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ、及びLAS(リチウムアルミニウムシリケート)又はこれらを組み合わせたものを好適例として挙げることができる。特に、炭化珪素、コージェライト、ムライト、窒化珪素、アルミナ、アルミナタイタネート等のセラミックが、耐熱衝撃特性や耐アルカリ特性上好適である。なかでも酸化物系のセラミックは、コストの点でも好ましい。なお、セラミック原料は、成形原料全体に対して、30〜95質量%とすることが好ましい。
使用するセラミック原料(骨材粒子)の粒子径及び配合量、並びに添加する造孔材の粒子径及び配合量を調整することにより、所望の気孔率、平均細孔径のハニカムフィルタ(多孔質基材)を得ることができる。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、成形原料全体に対して1〜20質量%であることが好ましい。
水の含有量は、成形原料全体に対して18〜45質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、成形原料全体に対して0〜5質量%であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、成形原料全体に対して0〜20質量%であることが好ましい。
次に、得られた成形原料を混練して坏土を形成する。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、坏土を成形してハニカム成形体を形成する。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法は特に制限されず、押出成形、射出成形等の従来公知の成形法を用いることができる。所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
ハニカム成形体の隔壁の厚さは、焼成後に、0.20〜0.50mmとなるものであることが好ましく、製造の容易さの点で、焼成後に、0.25〜0.45mmとなるものであることが好ましい。0.20mmより薄いと、得られるハニカムフィルタの強度が低下することがあり、0.50mmより厚いと、ハニカムフィルタの使用時において排ガスがセル内を通過するときの圧力損失が大きくなることがある。隔壁の厚さは、軸方向断面を顕微鏡観察する方法で測定した平均値である。
ハニカム成形体の中心軸に直交する断面のセル密度は、0.9〜93セル/cmであることが好ましく、7.8〜62セル/cmであることが更に好ましい。0.9セル/cmより小さいと、得られるハニカムフィルタの強度が低下することがあり、93セル/cmより大きいと、得られるハニカムフィルタの圧力損失が大きくなることがある。なお、上述したハニカム成形体のセル密度は、いずれか一方の端面において測定される値である。
また、ハニカム成形体のセル形状は特に限定されないが、中心軸に直交する断面において、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形、円形、又は楕円形であることが好ましく、その他不定形であってもよい。
また、ハニカム成形体の外形としては、特に限定されないが、円筒形、楕円筒形、四角筒形等の底面が多角形の筒形状、底面が不定形の筒形状等を挙げることができる。また、ハニカム成形体の大きさは、特に限定されないが、中心軸方向の長さが40〜500mmが好ましい。また、例えば、ハニカム成形体の外形が円筒状の場合、その底面の半径が50〜500mmであることが好ましい。
また、ハニカム成形体は、その最外周に位置する外周壁を有してもよい。なお、外周壁は、成形時にハニカム成形体と一体的に形成された成形一体壁であることが好ましいが、成形又は焼成後に、ハニカム成形体の外周を研削して所定形状とし、セラミックセメント等で外周壁を形成することもできる。
なお、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法における成形工程においては、ハニカム成形体を、残余のセル(即ち、後から目封止するセル)の他方の端面における水力直径が、一方の端面における水力直径よりも小さくなる形状に形成する。
より具体的には、例えば、押出成形等によって形成されたハニカム成形体の、所定のセルの他方の端面に、表面が滑らかな四角錐の天突き棒を単独又は複数個組合せた治具を押し当てることにより、残余のセルの他方の端面の水力直径を小さくすることもできる。同様な方法として、例えば、押出成形等によって形成されたハニカム成形体の、残余のセルの他方の端面に、表面に深さ0.03〜0.20mm、角度50〜130°の溝を、前記セルに押し当てる方向に平行に加工した四角錐の天突き棒を単独又は複数個組合せた治具を押し当て、残余のセルの外周長を大きくして、残余のセルの他方の端面における水力直径を小さくすることもできる。なお、天突き棒の表面の凸凹の形状は波型であってもよい。
なお、残余のセルの他方の端面における水力直径を小さくする方法については、上記方法に限定されることはなく、例えば、押出成形によってセルを形成する段階で、所定のセルの一方の端面の水力直径よりも、残余のセルの水力直径が小さくなるように形成することもできる。この場合には、所定のセルの断面形状を略八角形とし、残余のセルの断面形状を略四角形とすることで、セルを形成する多孔質の隔壁の厚さを一定にして圧力損失を下げる方法も挙げることができる。
ハニカム成形体を成形した後に、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。また、乾燥条件としては、乾燥温度30〜150℃、乾燥時間1分〜2時間とすることが好ましい。
(1−2)第1目封止工程:
次に、図2に示すように、得られたハニカム成形体31の一方の端面34における所定のセル32aの開口部に第1の目封止スラリーを充填し、この第1の目封止スラリーが充填されたハニカム成形体31を、焼成することにより第1の目封止スラリー及びハニカム成形体31を焼結させて、一方の端面34に第1の目封止部41を有する片側目封止ハニカム成形体36(即ち、一方の端面側が目封止されたハニカム成形体の焼成体)を形成する。
ハニカム成形体の一方の端面における所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填する際には、例えば、まず、ハニカム成形体の一方の端面に、残余のセルの開口部を塞ぐように市松模様状にマスクを施す。マスクの施し方は市松模様状でなくてもよい。そして、セラミック原料、水又はアルコール、及び有機バインダを含む第1の目封止スラリーを、貯留容器に貯留しておく。
第1の目封止スラリー用のセラミック原料としては、上記ハニカム成形体の成形に用いられるセラミック原料と同じであることが好ましい。セラミック原料は、第1の目封止スラリー全体の70〜90質量%であることが好ましい。また、水又はアルコールは、第1の目封止スラリー全体の10〜30質量%であることが好ましく、有機バインダは、第1の目封止スラリー全体の0.1〜2.0質量%であることが好ましい。有機バインダとしては、ヒドロキシプロポキシルメチルセルロース、メチルセルロース等を挙げることができる。
次に、上記マスクを施した側の一方の端面側を、貯留容器中に浸漬して、マスクを施していない所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填する。第1の目封止スラリーの粘度を600〜1200Pa・sにすることが好ましい。なお、目封止スラリーの粘度は、スラリー温度30℃において回転式粘度計で30rpmの回転数で測定した値である。
上記したようにして第1の目封止スラリーを所定のセルの開口部に充填した後に、そのハニカム成形体を乾燥させることが好ましい。乾燥の方法も特に制限はなく、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の公知の乾燥法を用いることができる。なかでも、成形体全体を迅速かつ均一に乾燥することができる点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は誘電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好ましい。
また、一方の端面における所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填したハニカム成形体を、本焼成する前に仮焼することが好ましい。「仮焼」とは、ハニカム成形体中の有機物(有機バインダ、造孔材等)を燃焼させて除去する操作を意味する。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼温度は200〜1000℃程度とすればよい。仮焼時間としては特に制限はないが、通常は、10〜100時間程度である。
上述したような乾燥や仮焼を必要に応じて行った後、一方の端面における所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填したハニカム成形体を、焼成(本焼成)することによって片側目封止ハニカム成形体を得る。
なお、本発明において「本焼成」とは、ハニカム成形体及び目封止スラリーを焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するための操作を意味する。ここで、「ハニカム成形体及び目封止スラリーを焼結させる」とは、ハニカム成形体及び目封止スラリーに含有される成形原料を焼結させることを意味する。焼成温度は、担持される触媒の劣化温度以上の温度であることが好ましく、例えば、ハニカム成形体の材料及び目封止部の材料がコージェライトの場合は、1380〜1450℃が好ましく、1400〜1440℃が更に好ましい。例えば、ハニカム成形体の材料及び目封止部の材料が炭化珪素の場合の焼成温度は、1200〜1600℃が好ましく、1300〜1500℃が更に好ましい。これにより、第1の目封止部をハニカム成形体の隔壁に強固に融着させることができる。また、焼成時間は、1〜200時間程度とすることが好ましい。
(1−3)触媒担持工程:
次に、図2に示すように、片側目封止ハニカム成形体36の第1の目封止部41が形成された一方の端面34側から、両端面が開口する残余のセル32b内に、触媒スラリーを流入させて、残余のセル32b内の隔壁33表面に触媒を塗工してハニカム触媒体37を形成する。
本実施形態のハニカムフィルタの製造方法においては、ハニカム成形体に第1の目封止部を形成した後に、触媒を担持し、その後に、第2の目封止部を形成する。第1の目封止部を形成した後に触媒を担持すると、ハニカム成形体の他方の端部側に目封止部がまだ形成されていないため、触媒スラリーを第1の目封止部が形成されていないセル内を通過させるだけで、セル内の隔壁表面に触媒を担持することができる。
これにより、触媒スラリーが隔壁を透過するのを抑制することができるため、隔壁に形成された細孔内に侵入した触媒量が少ないハニカムフィルタを製造することができる。隔壁の細孔内に担持されている触媒量は、ハニカムフィルタに担持された全触媒量の0〜35質量%であることが好ましく、0〜25質量%であることが好ましい。35質量%より多いと、排ガスから捕集された粒子状物質と触媒との接触効率が低下することがある。隔壁の細孔内に担持された触媒量は少ないほど好ましいが、実際には5質量%が下限となる。
触媒を塗工(担持)して触媒層を配設(形成)する方法は、特に限定されず、公知の方法で担持することができる。例えば、まず、所定の触媒を含有する触媒スラリーを調製する。次いで、この触媒スラリーを、片側目封止ハニカム成形体の一方の端面側から、両端面が開口するセル(残余のセル)内に流入させる。触媒スラリーをセル内に流入させるときには、ディッピングや吸引の方法をとることが好ましい。触媒スラリーは、セル内の隔壁の表面全体に塗工することが好ましい。その後、室温又は加熱条件下で乾燥することにより、ハニカムフィルタに触媒層を配設することができる。
触媒スラリーをセル内に流入させた後に、余剰スラリーを圧縮空気で吹き飛ばすことが好ましい。その後に、触媒を乾燥、焼付けすることにより、残余のセル内の隔壁表面に触媒が塗工(担持)されたハニカム触媒体を得ることが好ましい。乾燥条件は、80〜150℃、1〜6時間とすることが好ましい。また、焼付け条件は450〜700℃、0.5〜6時間とすることが好ましい。
隔壁表面に塗工する触媒の具体例としては、ディーゼルエンジン排ガス浄化用の酸化触媒を挙げることができる。ディーゼルエンジン排ガス浄化用の酸化触媒には、貴金属が含有される。この貴金属としては、Pt、Rh、及びPdからなる群より選択される一種以上を好適例として挙げることができる。なお、貴金属の合計量を、ハニカムフィルタの体積1リットル当り、0.17〜7.07gとすることが好ましい。なお、NO選択還元用SCR触媒、NO吸蔵触媒と併用することもできる。
NO選択還元用SCR触媒は、金属置換ゼオライト、バナジウム、チタニア、酸化タングステン、銀、及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものである。NO吸蔵触媒には、アルカリ金属やアルカリ土類金属が含有される。アルカリ金属としては、例えば、K、Na、Liを挙げることができる。アルカリ土類金属としては、例えば、Caを挙げることができる。なお、K、Na、Li、及びCaの合計量を、ハニカムフィルタの体積1リットル当り、5g以上とすることが好ましい。
また、触媒スラリーに含有される触媒以外の成分としては、アルミナ等が挙げられる。
(1−4)第2目封止工程:
次に、図2に示すように、得られたハニカム触媒体37の残余のセル32bの、ハニカム触媒体37の第1の目封止部41が形成されていない他方の端面35側に開口する開口部に、第2の目封止スラリーを充填し、第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体37を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより第2の目封止スラリーを固化させて、第2の目封止部42を形成することによりハニカムフィルタ38を得る。
他方の端面側に第2の目封止スラリーを充填する方法は、上記一方の端面に第1の目封止スラリーを充填する方法と同様の方法とすることが好ましい。この場合、一方の端面に第1の目封止部を形成した所定のセルの他方の端面にマスクを施し、残余のセルの開口部に第2の目封止スラリーを充填する。なお、後述するが、第2の目封止部の深さ(mm)と、残余のセルの他方の端面の水力直径(mm)との比率を調整することによって、第2の目封止部が外れ難く、且つ、フィルタの濾過面積の過度の減少が抑制されたハニカムフィルタを製造することが可能である。このため、第2の目封止スラリーを充填する際には、第2の目封止スラリーの充填深さ(mm)と、残余のセルの他方の端面の水力直径(mm)との比率とを勘案し、適宜、第2の目封止スラリーの充填深さを決定することがより好ましい。
また、第2の目封止スラリーとしては、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより固化するものを用いることが好ましい。具体的には、コロイダルシリカ、水ガラス(珪酸ナトリウム水溶液)、アルミナ−ジルコニア複合材セメント等を挙げることができ、それらにコージェライトや炭化珪素等のセラミック粉末を加えることもできる。第2の目封止スラリーの粘度は、400〜1800Pa・sにすることが好ましい。第2の目封止スラリーの粘度は、スラリー温度30℃において回転式粘度計で30rpmの回転数で測定した値である。
なお、「触媒の劣化」とは、担持される触媒の、排ガス中の一酸化炭素(CO)、ハイドロカーボン(HC)、窒素酸化物(NO)を浄化する機能が急激に低下したり、ハニカムフィルタが捕集した粒子状物質を燃焼除去する温度が急激に上昇したりする状態になったことを意味する。触媒が劣化した状態は、ハニカムフィルタを通過する前後の排ガスの一酸化炭素(CO)、ハイドロカーボン(HC)、窒素酸化物(NO)の濃度を測定したり、ハニカムフィルタが捕集した粒子状物質を燃焼除去するのに必要な時間を測定したりする等の方法で確認することができる。「触媒の劣化温度」とは、排ガス中の一酸化炭素(CO)、ハイドロカーボン(HC)、窒素酸化物(NO)を浄化する機能が急激に低下したり、ハニカムフィルタが捕集した粒子状物質を燃焼除去する温度が急激に上昇したりする温度で、担持された触媒の種類により変化するが、一般的に800〜1000℃の温度を意味する。
第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより、予め担持された触媒の劣化を防止することができる。第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥するときの乾燥温度は、150〜950℃が好ましく、300〜800℃が更に好ましい。150℃より低いと、乾燥が不十分で目封止部と多孔質基材との接着力が弱く目封止部が使用中に抜けることがあり、950℃より高いと、触媒が劣化し、ハニカムフィルタの機能を発揮しないことがある。また、乾燥時間は、0.5〜12時間とすることが好ましい。
以上のようにして、図1A及び図1Bに示すような、一方の端面11から他方の端面12まで貫通し流体の流路となる複数のセル2を区画形成する、多孔質のセラミックを主成分とする隔壁3を有するハニカム形状の多孔質基材1と、一方の端面11における所定のセル2aの開口部を塞ぐように配設された第1の目封止部21(21a)と、他方の端面12における残余のセル2bの開口部を塞ぐように配設された第2の目封止部21(21b)と、第2の目封止部21(21b)が配設されたセル2(残余のセル2b)内の隔壁3表面に配設された触媒層22とを備えたハニカムフィルタを製造することができる。
なお、複数のハニカムセグメントを接合して一つのハニカムフィルタを作製する場合には、上記製造方法により複数のハニカムフィルタを作製し、得られたそれぞれのハニカムフィルタをハニカムセグメントとして、それぞれのハニカムセグメントの側面同士を接合することによりハニカムフィルタを得ることが好ましい。ハニカムセグメントは接合材によって接合させることが好ましい。接合材は、特に限定されるものではなく、公知のセラミック含有の接合材を用いることができる。
(2)ハニカムフィルタ:
次に、本発明のハニカムフィルタの製造方法によって製造されるハニカムフィルタについて更に詳細に説明する。
本発明のハニカムフィルタの製造方法によって製造されるハニカムフィルタは、図1A及び図1Bに示すように、第2の目封止部21bが配設されたセル2(残余のセル2b)
内の隔壁3表面に担持された触媒層22を備えている。このような触媒層22を備えていることにより、隔壁3に捕集された粒子状物質を効果的に燃焼除去することが可能となる。また、第2の目封止部21bが配設されたセル2(残余のセル2b)内の隔壁3表面に触媒層を担持することにより、第1の目封止部21aが配設された一方の端面11側から排ガスを流入させると、第2の目封止部21bが配設されたセル2(残余のセル2b)の開口部から排ガスが流入し、第2の目封止部21bが配設されたセル2(残余のセル2b)の隔壁3表面に粒子状物質が堆積するため、触媒層22と粒子状物質とを効率的に接触させることができ、粒子状物質を効率的に燃焼除去することができる。
更に、第2の目封止部21bが触媒の劣化温度未満の温度で残余のセル2bの開口部に形成されているため、第2の目封止部を形成する段階で触媒が高温(劣化温度以上)に曝されることがなく、触媒の劣化を有効に防止することができる。このため、隔壁の細孔内に担持される触媒量を、従来のハニカムフィルタと比較して少なくしても、触媒の処理能力を良好に発現させることが可能となる。
そして、このハニカムフィルタ100は、残余のセル2bの他方の端面12における水力直径が、一方の端面11における水力直径よりも小さくなっているため第2の目封止部21bが多孔質基材1から外れ難くなっている。
目封止部21は、その平均細孔径が、0.1〜20μmであることが好ましく、1〜15μmであることが更に好ましい。平均細孔径が20μmより大きいと、粒子状物質が細孔内に侵入し細孔を塞ぐような状態となり、圧力損失が増大することがある。目封止部21の平均細孔径が0.1μmより小さいと、排ガスが通過し難くなり圧力損失が増大することがある。目封止部21の平均細孔径は水銀ポロシメーターで測定した値である。
目封止部21の気孔率は、30〜60%であることが好ましく、35〜55%であることが更に好ましい。30%より小さいと、圧力損失が増大し排ガスの処理量が低下することがあり、60%より大きいと目封止部21が脆くなり欠落し易くなる、また強度が低下するためDPF再生時に発生する熱応力によりクラックが発生しやすくなるおそれがある。目封止部21の気孔率は、水銀ポロシメーターで測定した値である。目封止部21は、上記のような平均細孔径及び気効率であるため、フィルタとして機能することができ、これにより有効フィルタ面積が大きくなる。
目封止部21の、セルの延びる方向における長さ(目封止深さ)は、1〜15mmが好ましく、1〜10mmが更に好ましい。1mmより短い(浅い)と、強度が低下することがある。15mmより長い(深い)と、フィルタの濾過面積(粒子状物質を捕集できる隔壁の面積)が小さくなることがある。目封止深さは、目封止スラリー(第1の目封止スラリー及び第2の目封止スラリー)の充填深さを調整することによって調節することができる。
なお、第2の目封止部21bの目封止深さを調整することによって、第2の目封止部21bを、多孔質基材1からより外れ難くすることができる。但し、上述したように、目封止深さを長くすることによって、フィルタの濾過面積が減少してしまうため、第2の目封止部21bの外れ強度と、濾過面積の減少する比率とを勘案し、適宜好ましい目封止深さを設定することが好ましい。
特に限定されることはないが、具体的には、以下の方法で測定される第2の目封止部の外れ強度(MPa)が、5MPa以上となることが実用上より好ましい。
第2の目封止部の外れ強度の測定方法としては、まず、ハニカムフィルタの他方の端面の第2の目封止部が完全に残る長さ以上で、ハニカムフィルタをセルの延びる方向に対し垂直に切断し、他方の端面側のハニカムフィルタの、切断した側の端面の残余のセル(第2の目封止部の有るセル)から、セルの開口径より細く、且つハニカムフィルタの長さ(切断した長さ)より長い、真直ぐで硬い棒を挿入する。次に、棒が第2の目封止部と接触した位置で止め、その後、前記棒に、ロードセルにより荷重を測定しながら荷重を印加していき、目封止部が外れて荷重が増加しなくなった時点の荷重を測定する。なお、目封止部(第2の目封止部)の外れ強度は、上述した荷重が増加しなくなった時点の荷重を、第2の目封止部の断面積で除した圧力(MPa)とする。また、測定は、複数(例えば、10箇所)の目封止部で実施し、その平均値を算出することが好ましい。
上記第2の目封止部の外れ強度を大きくして、第2の目封止部を外れ難くするためには、残余のセルの他方の端面の水力直径(mm)に対する、第2の目封止部の深さ(mm)の比の値(「第2の目封止部の深さ(mm)」/「残余のセルの他方の端面の水力直径(mm)」)を、5以上とすることが好ましい。なお、以下、この比の値を、「耐目封止外れ係数」ということがある。
耐目封止外れ係数を上記数値範囲とすることによって、第2の目封止部が外れ難く(即ち、第2の目封止部の外れ強度が大きく)、且つ、濾過面積の過度の減少が抑制されたハニカムフィルタとすることができる。なお、耐目封止外れ係数が5未満であると、第2の目封止部の外れ強度が小さくなり、第2の目封止部が比較的に外れ易くなることがある。なお、耐目封止外れ係数の上限値については特に制限はないが、耐目封止外れ係数が過剰に大きすぎると、第2の目封止部が外れ難くなるものの、例えば、第2の目封止部の深さが過剰となり、濾過面積が減少したり、圧力損失が大きくなったりすることがある。また、残余のセルの他方の端面の水力直径が小さくなり過ぎることとなり、ハニカム成形体の作製が極めて困難となったりすることがある。このため、耐目封止外れ係数の上限値は、所定の形状のハニカムフィルタ(具体的には、多孔質基材)の作製が比較的に容易に行えることと、濾過面積が過剰に減少されず、圧力損失が過剰に増大しないような条件を勘案して、適宜最適な値を決定することができる。
なお、耐目封止外れ係数は、ハニカム成形体を成形する工程(成形工程)にて得られるハニカム成形体における、残余のセルの他方の端面の水力直径の大きさ(mm)と、第2の目封止スラリーを充填する工程(第2目封止工程)における、第2の目封止スラリーを充填する深さ(mm)と、によって決定されるため、各製造工程において、ハニカム成形体の形状と第2の目封止スラリーの充填深さとを調整することによって、耐目封止外れ係数を所望の値とすることが可能である。
ハニカムフィルタ100は、一方の端部に目封止部21が形成されたセル2と、他方の端部に目封止部21が形成されたセル2とが交互に配設され、各端面が、目封止されたセルと目封止(封止)されていないセルとにより市松模様が形成されたものであることが好ましい。
多孔質基材1は、流体の流路となる複数のセル2を区画形成する、多孔質のセラミックを主成分とする隔壁3を有するハニカム形状であり、隔壁3の平均細孔径が、5〜30μmであることが好ましく、10〜25μmであることが更に好ましい。5μmより小さいと、粒子状物質の堆積が少ない場合でも圧力損失が増大することがあり、30μmより大きいとハニカムフィルタ100が脆くなり欠落し易くなることがあったり、スス捕集性能が低下したりするおそれがある。隔壁3の平均細孔径は、水銀ポロシメーターで測定した値である。なお、「セラミックを主成分とする」というときは、セラミックを全体の90質量%以上含有することをいう。セラミック以外の成分としては、特に限定されないが、金属等を挙げることができる。
隔壁3の気孔率は、30〜70%であることが好ましく、製造の容易さの点で40〜60%であることが更に好ましい。30%より小さいと、圧力損失が増大することがあり、70%より大きいとハニカムフィルタ100が脆くなり欠落し易くなることがある。隔壁3の気孔率は、水銀ポロシメーターにより測定した値である。
ハニカムフィルタは、中心軸方向における片側の端部における端面又は側面に、外部から視認可能な印が印字されていることが好ましい。これにより、第1の目封止部が配設されている端面と第2の目封止部が配設されている端面とを区別することができる。また、上記「印」が、周方向において等間隔に並ぶように3つ印字されていることが好ましい。これにより、ハニカムフィルタの外周をどの方向から見ても当該「印」を視認することが可能になる。「印」の形状は、特に限定されず、塗りつぶした円形、白抜きの円形、矢印等を挙げることができる。「印」の大きさは、10〜200mm程度が好ましい。「印」の印字方法は、耐熱インクを用いたインクジェット又はレーザーによる焼付の方法が好ましい。
また、ハニカムフィルタ100は、第1の目封止部21aが配設されている一方の端面11が、排ガスを流入する側の端面になるように排気管に装着して、排ガスの浄化を行うことが好ましい。これにより、第2の目封止部21bの外れを有効に防止することができるとともに、第2の目封止部21bが配設された側のセル2内に粒子状物質が堆積し、触媒層との接触効率を高くすることができる。
また、ハニカムフィルタは、複数のハニカムフィルタをそれぞれの側面で接合させた接合型のハニカムフィルタであってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
焼成によりコージェライトが得られるコージェライト化原料に水、バインダを加えて混合、混練し、押出成形することにより、一方の端面から他方の端面まで貫通し流体の流路となる複数のセルを区画形成する、セラミックを主成分とする多孔質の隔壁を有するハニカム成形体を得た。ハニカム成形体の形状は、焼成後に、隔壁の厚さが300μmとなり、セル密度が46.5セル/cmになる形状とし、底面の直径が143.8mm、長さが152.4mmの円筒状となるような形状とした。また、このハニカム成形体は、焼成後にセルの水力直径が、一方の端面において表1に記載の所定のセルと、セルの水力直径が、他方の端面において表1に記載の残余のセルと、が交互に配設されるようにした。押出成形時には、所定のセルも残余のセルもセルの水力直径が焼成後に1.16mmとなるように形成し、所定のセルの他方の端面に、その表面が滑らかで、且つ所定のセルの開口径よりも大きな、四角錐の天突き棒を押し当てることにより、残余のセルの他方の端面の水力直径を0.96mmとなるようにした。実施例1における水力直径の差は、0.2mmである。
次に、得られたハニカム成形体の一方の端面における所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填し、第1の目封止スラリーが充填されたハニカム成形体を、担持される触媒の劣化温度以上の温度で焼成することにより第1の目封止スラリー及びハニカム成形体を焼結させて、一方の端面に第1の目封止部を有する片側目封止ハニカム成形体を形成した。一方の端面において、第1の目封止部が形成されるセルと第1の目封止部が形成されないセルとが、市松模様状に並ぶようにした。第1の目封止スラリーを充填するときには、一方の端面に、プラスチックフィルム製のマスクを施し、所定のセルにレーザーを用いて孔を開けて、その孔から第1の目封止スラリーを充填した。そして、充填の方法は、容器に第1の目封止スラリーを貯めておき、ハニカム成形体の端面から5mmまでが漬かるように、ハニカム成形体の目封止部を形成する側の端面を容器内に浸漬する方法とした。
第1の目封止スラリーの組成としては、ハニカム成形体の形成に用いたコージェライト化原料を80質量%、水を19質量%、有機バインダを1質量%とした。第1の目封止スラリーの粘度は、900Pa・sであった。第1の目封止スラリーの粘度は、スラリー温度30℃において回転式粘度計で30rpmの回転数で測定した値である。
第1の目封止スラリーが充填されたハニカム成形体を焼成させる前に乾燥させた。その後、約400℃で仮焼し、その後、約1420℃で焼成(本焼成)して、一方の端面に第1の目封止部を有する片側目封止ハニカム成形体を得た。
次に、片側目封止ハニカム成形体の第1の目封止部が形成された一方の端面側から、両端面が開口するセル(残余のセル)内に、触媒スラリーを流入させて、両端面が開口するセル内の隔壁表面全体に触媒を塗工してハニカム触媒体を形成した。
触媒スラリーをセル内に流入させるときには、触媒スラリーをセル内に流入させた後に、余剰スラリーを圧縮空気で吹き飛ばした。そして、触媒を乾燥、焼付けすることにより、セル内の隔壁表面全体に触媒が塗工(担持)されたハニカム触媒体とした。触媒の乾燥条件は、150℃とした。また、触媒の焼付け条件は550℃で行った。触媒の担持量は、ハニカムフィルタ1リットル当り貴金属(Pt)2gとした。また触媒スラリーのコート量はハニカムフィルタ1リットル当り100gとした。触媒スラリーの粘度は、900Pa・sであった。触媒スラリーの粘度は、スラリー温度30℃において回転式粘度計で30rpmの回転数で測定した値である。また、触媒の劣化温度は、900℃であった。触媒の劣化温度は、ハニカムフィルタが捕集した粒子状物質を燃焼除去する温度が600℃以上になる温度を測定した。
次に、残余のセルの、ハニカム触媒体の第1の目封止部が形成されていない他方の端面側に開口する開口部に、第2の目封止スラリーを充填し、第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより第2の目封止スラリーを固化させて、ハニカムフィルタを得た。ハニカム触媒体の第1の目封止部が形成されていない他方の端面側に開口する開口部に、第2の目封止スラリーを充填するときには、他方の端面に、プラスチックフィルム製のマスクを施し、残余のセルにレーザーを用いて孔を開けて、その孔から第2の目封止スラリーを充填した。充填の方法は、容器に第2の目封止スラリーを貯めておき、ハニカム成形体の端面から表1に記載の第2の目封止部の深さまで(実施例1においては、5mm)が漬かるように、ハニカム成形体の目封止を形成する側の端面を容器内に浸漬する方法とした。
第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体を乾燥するときの条件は、800℃で6時間とした。
第2の目封止スラリーの組成は、シリカゾル80質量%、コージェライト20質量%、とした。第2の目封止スラリーの粘度は、900Pa・sであった。第2の目封止スラリーの粘度は、スラリー温度30℃において回転式粘度計で30rpmの回転数で測定した値である。
得られたハニカムフィルタにおける、多孔質基材のセル密度は46.5セル/cmであり、隔壁の厚さは300μmであった。表1に、セル密度、隔壁厚さ、及び第2の目封止部の深さを示す。なお、目封止の深さは10箇所で測定し、その平均値とした。多孔質基材(隔壁)の平均細孔径は18μm、気孔率は50%であった。目封止部は、気孔率50%、平均細孔径10μmであった。気孔率、平均細孔径は市販の水銀ポロシメーターで測定した値である。得られた、ハニカムフィルタについて、以下の方法で「再生効率」、及び「第2の目封止部の外れ強度」を測定した。結果を表1に示す。また、残余のセルの他方の端面の水力直径(mm)に対する、第2の目封止部の深さ(mm)の比の値を、「耐目封止外れ係数」として算出した。結果を表1に示す。
(再生効率)
得られたハニカムフィルタの外周に、把持材としてセラミック製非熱膨張性マットを巻き、SUS409製のキャニング用缶体に押し込んで、キャニング構造体とする。その後、ディーゼル燃料(軽油)の燃焼により発生させた粒子状物質を含む燃焼ガスを、フィルタの一方の端面(第1の目封止が形成された端面)より流入させ、他方の端面(第2の目封止が形成された端面)より流出させることによって、粒子状物質をハニカムフィルタ内にハニカムフィルタの容積1リットル当り5g堆積させる。そして、一旦室温まで冷却した後、ハニカムフィルタの上記一方の端面より、500℃で一定割合の酸素を含む燃焼ガスを流入させ、ハニカムフィルタに堆積した粒子状物質を燃焼させる。表1に示す再生効率の測定結果は、上記方法により燃焼した粒子状物質の量を、試験前のハニカムフィルタに堆積した粒子状物質の量で除した値の百分率で示している。再生効率は80%以上であることが実用上好ましい。
(第2の目封止部の外れ強度)
得られたハニカムフィルタの他方の端面の第2の目封止部が完全に残る長さ以上で、ハニカムフィルタをセルの延びる方向に対し垂直に切断し、他方の端面側のハニカムフィルタの、切断した側の端面の残余のセル(第2の目封止部の有るセル)から、セルの開口径より細く、且つハニカムフィルタの長さ(切断した長さ)より長い、真直ぐで硬い棒を挿入する。棒が第2の目封止部と接触した位置で止め、その後、前記棒に、ロードセルにて荷重を測定しながら荷重を印加していき、目封止部が外れて荷重が増加しなくなった時点の荷重を測定する。表1に記載の目封止部の外れ強度は、荷重が増加しなくなった時点の荷重を第2の目封止部の断面積で除した圧力(MPa)で示している。測定は10箇所の目封止部で実施し、その平均値を求めた。第2の目封止部の外れ強度は5MPa以上であることが実用上好ましい。
(実施例2、3)
ハニカムフィルタの押出成形時の形状を表1に記載の隔壁厚さ、セル密度とし、押出成形時には、実施例2においては、所定のセルも残余のセルもセルの水力直径が焼成後に1.49mmとなるように、実施例3においては、所定のセルも残余のセルもセルの水力直径が1.69mmとなるようにセルを形成し、所定のセルの他方の端面に、その表面が滑らかで、且つ所定のセルの開口径よりも大きな、四角錐の天突き棒を押し当てることにより、残余のセルの他方の端面の水力直径を表1に記載の値とし、更に、第2の目封止部の深さを表1に記載の値とした以外は、実施例1と同様の方法によってハニカムフィルタを製造した。得られた、ハニカムフィルタについて、実施例1の場合と同様の方法で、「再生効率」、及び「第2の目封止部の外れ強度」を測定した。また、このハニカムフィルタの耐目封止外れ係数を算出した。結果を表1に示す。
(実施例4〜9)
ハニカムフィルタの押出成形時に、残余のセルの他方の端面に、表面に溝を形成した四角錐の天突き棒を押し当てることにより、残余のセルの外周長を大きくして、残余のセルの他方の端面の水力直径を表1に記載の値とし、更に、第2の目封止部の深さを表1に記載の値とした以外は、実施例1と同様の方法によってハニカムフィルタを製造した。なお、天突き棒に形成した溝は、天突き棒の表面を、セルに押し当てる方向に平行に溝が形成されるように加工することによって形成した。
なお、実施例4〜6では、残余のセルを区画する隔壁の表面に、凸部の高さが0.1mmで、角度90度の凹凸を設けることによって、残余のセルの外周長を大きくした。また、実施例7〜9では、残余のセルを区画する隔壁の表面に、凸部の高さが0.2mmで、角度60度の凹凸を設けることによって、残余のセルの外周長を大きくした。得られた、ハニカムフィルタについて、実施例1の場合と同様の方法で、「再生効率」、及び「第2の目封止部の外れ強度」を測定した。また、このハニカムフィルタの耐目封止外れ係数を算出した。結果を表1に示す。
(実施例10〜13)
ハニカムフィルタの押出成形時から、予め所定のセルと残余のセルの水力直径を表1に記載の値とし、更に、第2の目封止部の深さを表1に記載の値とした以外は、実施例1と同様の方法によってハニカムフィルタを製造した。得られた、ハニカムフィルタについて、実施例1の場合と同様の方法で、「再生効率」、及び「第2の目封止部の外れ強度」を測定した。また、このハニカムフィルタの耐目封止外れ係数を算出した。結果を表1に示す。
(比較例1〜8)
所定のセルの水力直径と残余のセルの水力直径とが、一方の端面側と他方の端面側とで同じ大きさとなるようにハニカム成形体を形成した以外は、実施例1、2、3と同様の方法によってハニカムフィルタを製造した。得られた、ハニカムフィルタについて、実施例1の場合と同様の方法で、「再生効率」、及び「第2の目封止部の外れ強度」を測定した。また、このハニカムフィルタの耐目封止外れ係数を算出した。結果を表1に示す。
(比較例9)
実施例1の場合と同様にして、片側目封止ハニカム成形体を作製し、触媒を担持する前に、残余のセルの第1の目封止部が形成されていない他方の端面側に、第2の目封止部を第1の目封止部と同じ方法で形成した。
次に、実施例1で使用した触媒スラリーと同じ触媒スラリーを、一方の端面側から一方の端面に開口するセル内に圧入した。その後、余剰の触媒スラリーを圧縮空気により吹き飛ばした。その後、実施例1において、触媒を乾燥、焼付けした方法と同様の方法で、担持した(圧入した)触媒を乾燥、焼付けして、ハニカムフィルタを得た。得られた、ハニカムフィルタについて、実施例1の場合と同様の方法で、「再生効率」、及び「第2の目封止部の外れ強度」を測定した。また、このハニカムフィルタの耐目封止外れ係数を算出した。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜13のハニカムフィルタは、再生効率が良好であることがわかる。更に、実施例1〜13のハニカムフィルタは、第2の目封止部が比較例1〜8のハニカムフィルタと比較して外れ難いものであった。また、第2の目封止部の外れ強度が特に良好な、具体的には、5MPa以上の実施例1〜3、5〜8、10及び12は、耐目封止外れ係数が、5以上であることがわかる。即ち、本発明のハニカムフィルタを製造する際には、耐目封止外れ係数が5以上となるように、残余のセルの他方の端面の水力直径(mm)と、第2の目封止部の深さ(mm)との比率を調整することによって、第2の目封止部の外れ強度が特に良好なハニカムフィルタを製造することができる。
一方、比較例1〜8のハニカムフィルタは、第2の目封止部が外れ易く、また、比較例9のハニカムフィルタは、第2の目封止部が外れ難いものの、再生効率が良くないことがわかる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法は、自動車用エンジン、建設機械用エンジン、産業機械用定置エンジン等の内燃機関、その他の燃焼機器等から排出される排ガス中の粒子状物質を捕集、除去するためのフィルタを製造する方法として利用することができる。
1:多孔質基材、2:セル、2a,102a:セル(所定のセル)、2b,102b:セル(残余のセル)、3,103:隔壁、11,111:一方の端面、12,112:他方の端面、21,121:目封止部、21a,121a:第1の目封止部、21b,121b:第2の目封止部、22,122:触媒層、31:ハニカム成形体、32:セル、32a:セル(所定のセル)、32b:セル(残余のセル)、33:隔壁、34:一方の端面、35:他方の端面、36:片側目封止ハニカム成形体、37:ハニカム触媒体、38:ハニカムフィルタ、41:第1の目封止部、42:第2の目封止部、43:触媒層、100,200,300,400,500:ハニカムフィルタ。

Claims (7)

  1. セラミック原料を含有する坏土を、一方の端面から他方の端面まで貫通し流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカム状に成形して、ハニカム成形体を形成する成形工程と、
    得られた前記ハニカム成形体の一方の端面における所定のセルの開口部に第1の目封止スラリーを充填し、前記第1の目封止スラリーが充填されたハニカム成形体を、焼成することにより前記第1の目封止スラリー及び前記ハニカム成形体を焼結させて、一方の端面に第1の目封止部を有する片側目封止ハニカム成形体を形成する第1目封止工程と、
    得られた前記片側目封止ハニカム成形体の前記第1の目封止部が形成された前記一方の端面側から、両端面が開口する残余のセル内に、触媒スラリーを流入させて、前記残余のセル内の隔壁表面に触媒を塗工してハニカム触媒体を形成する触媒担持工程と、
    得られた前記ハニカム触媒体の前記残余のセルの、前記ハニカム触媒体の前記第1の目封止部が形成されていない前記他方の端面側に開口する開口部に、第2の目封止スラリーを充填し、前記第2の目封止スラリーが充填されたハニカム触媒体を、担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより前記第2の目封止スラリーを固化させて第2の目封止部を作製してハニカムフィルタを得る第2目封止工程と、を備え、
    前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、前記残余のセルの前記他方の端面における水力直径が、前記所定のセルの一方の端面における水力直径よりも小さくなる形状に形成するハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、少なくとも前記第2の目封止スラリーが充填される領域において、前記残余のセルの水力直径が前記他方の端面側に向けて漸減するような形状に形成する請求項1に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、前記所定のセルの中心軸に直交する断面の形状が略八角形であるとともに、前記残余のセルの中心軸に直交する断面の形状が略四角形となるような形状に成形する請求項1に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  4. 前記成形工程において、前記ハニカム成形体を、前記第2の目封止スラリーが充填される領域において、前記残余のセルを区画形成する隔壁表面に凹凸を有する形状に形成する請求項1に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  5. 前記第1目封止工程において、担持される触媒の劣化温度以上の温度で前記焼成を行う請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  6. 前記第2目封止工程において、担持された触媒の劣化温度未満の温度で前記乾燥を行う請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカムフィルタの製造方法。
  7. 前記第2の目封止スラリーが、前記担持された触媒の劣化温度未満の温度で乾燥することにより固化するセラミックセメントである請求項6に記載のハニカムフィルタの製造方法。
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