JP2011190740A - ハニカム構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】再生時に、排ガス流出側の端部にクラックが発生することを防止することができるハニカム構造体を提供する。
【解決手段】複数のセル1を区画形成する多孔質の隔壁2及び最外周に位置する外周壁3を有するとともに、所定のセル1の一方の端部と残余のセル1の他方の端部とに配設された目封止部6を有するハニカムセグメント4を、複数個備え、複数個のハニカムセグメント4が、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合され、最外周を形成するハニカムセグメント4を不完全セグメント4aとし、その他のハニカムセグメント4を完全セグメント4bとしたときに、完全セグメント4bの中の少なくとも1つが、セル1の延びる方向における長さが不完全セグメント4aのセル1の延びる方向における長さより短い、短尺セグメント4cであり、短尺セグメント4cの片側の端面が、一方の端面11の一部を構成するハニカム構造体100。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム構造体に関し、さらに詳しくは、再生時に、排ガス流出側の端部にクラックが発生することを防止することができるハニカム構造体に関する。
化学、電力、鉄鋼等の様々な分野において、環境対策や特定物資の回収等のために使用される触媒装置用の担体、又はフィルタとして、耐熱性、耐食性に優れるセラミック製のハニカム構造体が採用されている。特に、近時では、所定のセルの一方の端部と残余のセルの他方の端部とが目封止され、当該所定のセルと当該残余のセルとが交互に配置された目封止ハニカム構造体を、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として使用し、このようなDPFによって、ディーゼル機関等から排出される粒子状物質(PM:パティキュレートマター)を捕集する方法が盛んに用いられている。そして、高温、腐食性ガス雰囲気下で使用されるハニカム構造体の材料としては、耐熱性、化学的安定性に優れた、炭化珪素(SiC)、コージェライト、チタン酸アルミニウム(AT)等が好適に用いられている。
炭化珪素は、熱膨張率が比較的大きいため、炭化珪素を骨材として形成されるハニカム構造体は、大きなものを形成すると使用時に熱衝撃により欠陥が生じることがある。また、捕集した粒子状物質を燃焼除去する際の熱衝撃により欠陥が生じることがある。そのため、炭化珪素を骨材として形成されるハニカム構造体については、所定の大きさ以上のものを製造する場合、通常、複数の小さい目封止ハニカム構造体のセグメント(ハニカムセグメント)を作製し、それらセグメントを接合して、一つの大きい接合体を作製し、その外周を粗加工、研削して円筒状等の所望の形状の目封止ハニカム構造体としている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2003−254034号公報 特開2003−291054号公報
このような、ハニカムセグメントをそれぞれの側面で接合材(接合部)により接合して形成されたハニカム構造体は、DPFとして使用し、捕集した粒子状物質を燃焼させる操作(再生)を行ったときに、排ガスの流出側の端部(流出側端部)付近が最も高温になる傾向にあり、流出側端部付近にクラックが発生することがあるという問題があった。特に、流出側端部付近の、「ハニカム構造体の中心軸に直交する断面における中央部」(流出側端部における中央部)が、最も高温になる傾向にあり、当該流出側端部付近における中央部にクラックが発生し易いという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、排ガス流出側の端部にクラックが発生することを防止することができるハニカム構造体を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、以下のハニカム構造体を提供する。
[1] 一方の端面から他方の端面まで延び流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁及び最外周に位置し前記隔壁を取り囲むように配設された外周壁を有するとともに、所定の前記セルの一方の端部と残余の前記セルの他方の端部とに配設された目封止部を有するハニカムセグメントを、複数個備え、前記複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合され、最外周を形成する前記ハニカムセグメントを不完全セグメントとし、その他の前記ハニカムセグメント(中央部に位置するハニカムセグメント)を完全セグメントとしたときに、前記完全セグメントの中の少なくとも1つが、前記セルの延びる方向における長さが前記不完全セグメントの前記セルの延びる方向における長さより短い、短尺セグメントであり、前記短尺セグメントの片側の端面が、前記一方の端面の一部を構成するハニカム構造体。
[2] 前記短尺セグメントの前記セルの延びる方向における長さが、前記不完全セグメントの前記セルの延びる方向における長さに対して、45〜85%の長さである[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 全ての前記完全セグメントが、前記短尺セグメントである[1]又は[2]に記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体によれば、短尺セグメントの片側の端面を含む一方の端面を、排ガスの流入側端面として、排ガス中の粒子状物質の捕集を行い、捕集された粒子状物質を燃焼するときに(再生するときに)、流出側端部(排ガスが流出する側の端部)付近にクラックが発生することを防止することができる。これは、ハニカム構造体に捕集された粒子状物質を燃焼させるときには、流出側端部付近における中央部が最も高温になる傾向があるが、本発明のハニカム構造体は、「ハニカム構造体の中央部に位置する完全セグメントが短尺セグメントであり、短尺セグメントの片側の端面がハニカム構造体の流入側端面の一部を構成する(ハニカム構造体の流入側端面に含まれる)ように配置されている」ため、ハニカム構造体の流出側端部における中央部に「セグメントが存在せずに空間になった領域」が存在し、ハニカムセグメントにおける最も高温になる部分(流出側端部付近における中央部)が取り除かれた状態になっているからである。つまり、ハニカム構造体の流出側端部付近における中央部が取り除かれた状態になっているため、再生時におけるハニカム構造体の最高温度が低下し、クラックが発生することを防止することができるのである。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示し、セルの延びる方向に平行な断面を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態を示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を示す平面図である。 実施例1〜20及び比較例1のハニカム構造体の各評価結果を示したグラフである。 実施例21〜40及び比較例2のハニカム構造体の各評価結果を示したグラフである。 実施例41〜60及び比較例3のハニカム構造体の各評価結果を示したグラフである。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の一の実施形態は、図1〜図3に示すように、一方の端面11から他方の端面12まで延び流体の流路となる複数のセル1を区画形成する多孔質の隔壁2及び最外周に位置し隔壁2を取り囲むように配設された外周壁3を有するとともに、所定のセル1の一方の端部と残余のセル1の他方の端部とに配設された目封止部6を有するハニカムセグメント4を、複数個備え、複数個のハニカムセグメント4が、互いの側面5同士が対向するように隣接して配置された状態で接合され、最外周を形成するハニカムセグメント4を不完全セグメント4aとし、その他のハニカムセグメント(中央部に位置するハニカムセグメント)を完全セグメント4bとしたときに、完全セグメント4bの中の少なくとも1つが、セル1の延びる方向における長さが不完全セグメント4aのセル1の延びる方向における長さより短い、短尺セグメント4cであり、短尺セグメント4cの片側の端面11aが、一方の端面11の一部を構成するものである。図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示し、セルの延びる方向に平行な断面を示す模式図である。図2は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示す斜視図である。図3は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を示す平面図である。
このように、短尺セグメントの片側の端面を含む一方の端面を、排ガスの流入側端面として、排ガス中の粒子状物質の捕集を行い、捕集された粒子状物質を燃焼するときに(再生するときに)、流出側端部(排ガスが流出する側の端部)付近にクラックが発生することを防止することができる。これは、本実施形態のハニカム構造体100においては、「短尺セグメントの片側の端面を含む一方の端面」とは反対側の「他方の端面(流出側端面)」が、中央部が凹んだ形状となっているからである。つまり、ハニカム構造体に捕集された粒子状物質を燃焼させるときには、流出側端部付近における中央部が最も高温になる傾向があるが、本発明のハニカム構造体は、「ハニカム構造体の中央部に位置する不完全セグメントが短尺セグメントであり、短尺セグメントの片側の端面がハニカム構造体の流入側端面の一部を構成する(ハニカム構造体の流入側端面に含まれる)ように配置されている」ため、ハニカム構造体の流出側端部における中央部に「セグメントが存在せずに空間になった領域(凹んだ領域)」が存在し、ハニカムセグメントにおける最も高温になる部分(流出側端部付近における中央部)が取り除かれた状態になっているからである。つまり、ハニカム構造体の流出側端部付近における中央部が取り除かれた状態になっているため、再生時におけるハニカム構造体の最高温度が低下し、クラックが発生することを防止することができるのである。
本実施形態のハニカム構造体100は、完全セグメント4bの全てが短尺セグメント4cである。本発明のハニカム構造体は、完全セグメント4bの中の少なくとも1つが、短尺セグメント4cであり、完全セグメント4bの全てが短尺セグメント4cであってもよいし、完全セグメント4bの一部が短尺セグメント4cであってもよい。完全セグメント4bの一部が短尺セグメント4cである場合、完全セグメント4bの中の、中央部(セルの延びる方向に直交する断面における中央部)に位置する完全セグメント4b(外周部(セルの延びる方向に直交する断面における外周部)に位置する完全セグメント4bを除いた残りの完全セグメント4b)が短尺セグメント4cであることが好ましい。例えば、図4に示す、本発明のハニカム構造体の他の実施形態においては、9個の完全セグメント4bが「3個×3個」の配列で並んだ状態になっている。この場合、完全セグメント4bの全てが短尺セグメント4cであってもよいし、中央の1個の完全セグメント4b(外周(セルの延びる方向に直交する断面における外周)に位置する8個の完全セグメント4bを除いた残りの1個の完全セグメント4b)が短尺セグメント4cであってもよい。また、図5に示す、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態においては、12個の完全セグメント4bが、「「4個×4個」の配列から「角に位置する4個」を取り除いた形状」に配列された構造(2列に並ぶ完全セグメントと、他の2列に並ぶ完全セグメントとが十字状に配列された構造)になっている。この場合、完全セグメント4bの全てが短尺セグメント4cであってもよいし、中央の4個の完全セグメント4b(外周(セルの延びる方向に直交する断面における外周)に位置する8個の完全セグメント4bを除いた残りの4個の完全セグメント4b)が短尺セグメント4cであってもよい。図4は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態を示す平面図である。図5は、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態を示す平面図である。
尚、図4に示す、本発明のハニカム構造体の他の実施形態においては、完全セグメント4bの全てが短尺セグメント4cであってもよい。また、図5に示す、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態においては、完全セグメント4bの全てが短尺セグメント4cであってもよい。
本実施形態のハニカム構造体100は、短尺セグメント4cの「セルの延びる方向における長さ」が、不完全セグメント4aの「セルの延びる方向における長さ」に対して、45〜85%の長さであることが好ましく、65〜85%であることが更に好ましい。短尺セグメント4cの長さをこのような範囲にすることにより、再生時におけるハニカム構造体の最高温度をより効果的に低下させることができ、流出側端部付近のクラックの発生を、より効果的に防止することができる。45%より短いと、圧力損失が大きくなることがある。85%より長いと、最高温度を低下させる効果が小さくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体を構成する完全セグメントの、セルの延びる方向に直交する断面における形状は、特に限定されないが、正方形、長方形、三角形、五角形、六角形、八角形等の多角形が好ましい。図1〜3に示すハニカム構造体100においては、正方形である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの材料としては、セラミックが好ましく、強度及び耐熱性に優れることより、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、鉄−クロム−アルミニウム系合金からなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。これらの中でも、炭化珪素又は珪素−炭化珪素系複合材料が特に好ましい。炭化珪素は、熱膨張率が比較的大きいため、炭化珪素を骨材として形成されるハニカム構造体は、大きなものを形成すると使用時に熱衝撃により欠陥が生じることがあったが、本発明のハニカム構造体は、複数のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置され、対向する側面同士が接合部により接合された構造であるため、炭化珪素の熱膨張による応力が接合部により緩和され、ハニカム構造体の欠陥の発生を防止することができる。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの隔壁の厚さは、200〜500μmであることが好ましく、250〜450μmであることが更に好ましい。隔壁の厚さが200μmより薄いと、ハニカム構造体の強度が低下することがある。500μmより厚いと、圧力損失が大きくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント(ハニカムセグメントを構成する隔壁)は、多孔質であることが好ましい。ハニカムセグメントの気孔率は30〜80%であることが好ましく、40〜65%であることが更に好ましい。気孔率をこのような範囲とすることにより、強度を維持しながら圧力損失を小さくすることができる。気孔率が30%未満であると、圧力損失が上昇することがある。気孔率が80%を超えると、強度が低下したり、熱伝導率が低下することがある。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントは、平均細孔径が5〜50μmであることが好ましく、7〜35μmであることが更に好ましい。平均細孔径をこのような範囲とすることにより、粒子状物質(PM)を効果的に捕集することができる。平均細孔径が5μm未満であると、粒子状物質(PM)により目詰まりを起こしやすくなることがある。平均細孔径が50μmを超えると、粒子状物質(PM)がフィルターに捕集されず通過することがある。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの材質が炭化珪素である場合、炭化珪素粒子の平均粒径が5〜100μmであることが好ましい。このような平均粒径とすることにより、フィルターの気孔率及び平均細孔径を好適な値に制御しやすいという利点がある。平均粒径が5μmより小さいと、平均細孔径が小さくなることがある。平均粒径が100μmより大きいと気孔率が大きくなり過ぎることがある。原料(炭化珪素等)の平均粒径は、JIS R 1629に準拠して測定した値である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントのセル形状(ハニカム構造体の中心軸方向(セルが延びる方向)に対して垂直な断面におけるセル形状)としては、特に制限はなく、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形、円形、あるいはこれらの組合せを挙げることができる。
また、本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントのセル密度は、特に制限されないが、15.5〜62.0セル/cmであることが好ましく、23.2〜54.3セル/cmであることが更に好ましい。セル密度が、15.5セル/cmより小さいと、粒子状物質を捕集する隔壁の面積が小さくなり、排ガスを流通させたときに、短時間で圧力損失が大きくなることがある。セル密度が、62.0セル/cmより大きいと、セルの断面積(セルの延びる方向に直交する断面の面積)が小さくなるため、圧力損失が大きくなることがある。
また、本実施形態のハニカム構造体の中心軸方向に直交する断面において、配置されているハニカムセグメントの個数は、16〜144個であることが好ましく、16〜100個であることが更に好ましい。ハニカムセグメントの大きさは、中心軸に直交する断面の面積が3〜25cmであることが好ましく、9〜21cmであることが更に好ましい。3cmより小さいと、ハニカム構造体にガスが流通するときの圧力損失が大きくなることがあり、25cmより大きいと、ハニカム構造体をハニカムセグメントの集合体とすることによる破損防止効果が小さくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体は、図1に示すように、ハニカムセグメント4の、所定のセルの一方の端部と、残余のセルの他方の端部とに目封止部を有し、当該所定のセルと当該残余のセルとが、ハニカムセグメントの端面に市松模様が形成されるように、交互に配置されている。
本実施形態のハニカム構造体100は、図1、図2に示されるように、隣接するハニカムセグメント4間に接合部13が配置され、ハニカムセグメント4が接合部13により接合されていることが好ましい。接合部13は、隣接するハニカムセグメントの対向する側面の全体に配置されることが好ましい。接合部13は、ハニカム構造体に負荷がかかったときの緩衝材としての役割も果たす。接合部13の材料は、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したもの等が好ましい。接合部13の厚さは、0.2〜2.0mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmであることが更に好ましい。0.2mmより薄いと、隣接するハニカムセグメント4同士が接触することがある。2.0mmより厚いと、排ガスを浄化するときの圧力損失が大きくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体は、図1に示すように、外周全体(端面を除く)を取り囲むように形成された外周部14を備えることが好ましい。外周部14を備えることにより、ハニカム構造体の真円度が向上する等の効果を奏する。本実施形態のハニカム構造体の外周部14の厚さは、0.1〜4.0mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmであることが更に好ましい。0.1mmより薄いと、外周コートを行うときにクラックが発生し易くなることがある。4.0mmより厚いと、排ガスを浄化するときの圧力損失が大きくなることがある。外周部の厚さというときは、外周部の外周面から、最も近い位置にあるセルまでの距離をいう。
本実施形態のハニカム構造体の全体の形状は特に限定されず、例えば、円筒形状、オーバル形状等所望の形状とすることができる。また、ハニカム構造体の大きさは、例えば、円筒形状の場合、底面の直径が50〜450mmであることが好ましく、100〜350mmであることが更に好ましい。また、ハニカム構造体の中心軸方向の長さは、100〜400mmであることが好ましく、115〜310mmであることが更に好ましい。
(2)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体の一実施形態の製造方法について説明する。
(2−1)ハニカムセグメントの作製:
まず、セラミック原料にバインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料とする。セラミック原料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、コージェライト化原料、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、鉄−クロム−アルミニウム系合金からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、炭化珪素又は珪素−炭化珪素系複合材料が好ましい。珪素−炭化珪素系複合材料とする場合、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末を混合したものをセラミック原料とする。セラミック原料の含有量は、成形原料全体に対して30〜90質量%であることが好ましい。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、成形原料全体に対して2〜20質量%であることが好ましい。
水の含有量は、成形原料全体に対して5〜50質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、成形原料全体に対して0〜5質量%であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、成形原料全体に対して0〜20質量%であることが好ましい。
次に、成形原料を混練して坏土を形成する。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、坏土を押出成形して長尺のハニカム成形体12本と、短尺のハニカム成形体4本とを形成する。長尺のハニカム成形体が、不完全セグメント4aとなり、短尺のハニカム成形体が完全セグメント4b(短尺セグメント4c)となる。押出成形に際しては、所望のハニカム成形体形状、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いることが好ましい。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。ハニカム成形体は、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有する構造である。
ハニカム成形体の、セルの延びる方向に直交する断面の形状は、作製するハニカム構造体の完全セグメントの、セルの延びる方向に直交する断面の形状と同じ形状であることが好ましい。図1〜3に示されるハニカム構造体100を作製する場合には、正方形とすることが好ましい。
ハニカム成形体の隔壁厚さ、セル密度、外周部の厚さ等は、乾燥、焼成における収縮を考慮し、作製しようとする本発明のハニカム構造体の構造(ハニカムセグメントの構造)に合わせて適宜決定することができる。
得られたハニカム成形体について、焼成前に乾燥を行うことが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。乾燥の条件として、電磁波加熱方式にて、乾燥前の水分量に対して、30〜90質量%の水分を除いた後、外部加熱方式にて、3質量%以下の水分にすることが好ましい。電磁波加熱方式としては、誘電加熱乾燥が好ましく、外部加熱方式としては、熱風乾燥が好ましい。
次に、ハニカム成形体の中心軸方向長さが、所望の長さではない場合は、両端面(両端部)を切断して所望の長さとすることが好ましい。切断方法は特に限定されないが、丸鋸切断機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、ハニカム成形体を焼成して、ハニカム焼成体(長尺のハニカム焼成体及び短尺のハニカム焼成体)を作製することが好ましい。焼成の前に、バインダ等を除去するため、仮焼成を行うことが好ましい。仮焼成は大気雰囲気において、400〜500℃で、0.5〜20時間行うことが好ましい。仮焼成及び焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。焼成条件は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、1300〜1500℃で、1〜20時間加熱することが好ましい。
次に、得られたハニカム焼成体の、中心軸に直交する断面における所定のセルの一方の端部と、中心軸に直交する断面における残余のセルの他方の端部とに目封止を施し(目封止部を形成し)、ハニカムセグメントを作製する。尚、上記所定のセルと残余のセルとは、交互に配置され、ハニカムセグメントの端面にセル開口部と目封止部とによって市松模様が形成されるようにすることが好ましい。
目封止部を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。ハニカム焼成体の一方の端面にシートを貼り付けた後、当該シートの目封止部を形成しようとするセルに対応した位置に穴を開ける。そして、目封止部の構成材料をスラリー化した目封止用スラリーに、ハニカム焼成体の当該シートを貼り付けた端面に浸漬し、シートに開けた孔を通じて、目封止部を形成しようとするセルの開口端部内に目封止用スラリーを充填する。そして、ハニカム焼成体の他方の端面については、一方の端面において目封止を施さなかったセルについて、上記一方の端面に目封止部を形成した方法と同様の方法で目封止部を形成する(目封止スラリーを充填する)。目封止部の構成材料としては、ハニカム成形体の材料と同じものを用いることが好ましい。目封止部を形成した後に、上記焼成条件と同様の条件で焼成を行うことが好ましい。また、目封止部の形成は、ハニカム成形体を焼成する前に行ってもよい。
(2−2)ハニカム構造体の作製:
4本の短尺のハニカム焼成体を、セルの延びる方向に直交する断面において、それぞれの一の頂点を中央部に集めるようにして配置し、12本の長尺のハニカム焼成体を、セルの延びる方向に直交する断面において、その外側を取り囲むようにして配置して、ハニカム焼成体が4本×4本に整列するようにした状態で、ハニカム焼成体の側面同士を接合し、接合体を得ることが好ましい。本実施形態のハニカム構造体においては、短尺のハニカム焼成体の、セルの延びる方向に直交する断面の形状が正方形であるため、4つのハニカム焼成体のそれぞれの一の頂点を中央部に集めるようにして配置すると、4つのハニカム焼成体全体として正方形となる。そして、ハニカム焼成体を4本×4本に配列すると、ハニカム焼成体全体として、セルの延びる方向に直交する断面の形状が正方形となる。
ハニカム焼成体は、接合材を用いて接合されることが好ましい。接合材をハニカム焼成体の側面に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
接合材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したスラリー等を挙げることができる。
ハニカム焼成体の側面同士を接合する接合材が、作製されるハニカム構造体における接合部13となる(図1〜3参照)。接合部は、ハニカムセグメントの対向する側面全体に配設されることが好ましい。接合部は、ハニカムセグメントが熱膨張、熱収縮したときに、体積変化分を緩衝する(吸収する)役割を果たすとともに、各ハニカムセグメントを接合する役割を果たす。
接合体を形成した後、外周部分を切削して所望の形状にすることが好ましい。本実施形態のハニカム構造体を製造する場合には、最外周に位置する長尺のハニカム焼成体のみが切削されるようにして、セルの延びる方向に直交する断面における形状が円形になるように、切合体の外周部分を切削することが好ましい。これにより、不完全セグメントが長尺であり、完全セグメントが短尺であるハニカム構造体を得ることができる。
接合体を形成した後に、又は、更に外周部分を切削して所望の形状にした後に、外周コート処理を行い、接合体の最外周に外周部を配設してハニカム構造体を得ることが好ましい。例えば、図1(ハニカムセグメント:4個×4個)に示すハニカム構造体を製造する場合には、16個の四角柱状のハニカムセグメントを接合して接合体を作製し、接合体の外周を切削して円柱状の接合体とし、外周部を配設してハニカム構造体としている。外周コート処理を行うことにより、ハニカム構造体の真円度が向上する等の利点がある。
外周コート処理としては、外周コート材を接合体の最外周に塗布して、乾燥させる方法を挙げることができる。外周コート材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤、水等を混合したもの等を用いることができる。また、外周コート材を塗布する方法は、特に限定されず、接合体をろくろ上で回転させながらゴムへら等でコーティングする方法等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
セラミックス原料として、SiC粉、金属Si粉を80:20の質量割合で混合し、これに、成形助材としてメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシメチルセルロース、造孔材として澱粉と吸水性樹脂、界面活性剤及び水を添加して混練し、真空土練機により四角柱状の坏土を作製した。
得られた四角柱状の坏土を押出成形機を用いて、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有し、中心軸方向に直交する断面において面積の大きな第1のセルと面積の小さな第2のセルとが交互に並び、外周壁が、凸状部と凹状部とが交互に並ぶように形成された構造のハニカム成形体を形成した。得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、両端面を所定量切断した。
得られたハニカム成形体を、熱風乾燥機を用いて120℃で5時間乾燥し、その後、大気雰囲気にて脱臭装置付き大気炉を用いて約450℃で5時間かけて脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気にて約1450℃で5時間焼成して、SiC結晶粒子がSiで結合された、多孔質のハニカム焼成体を得た。ハニカム焼成体の平均細孔径は13μmであり、気孔率は41%であった。平均細孔径および気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
得られたハニカム焼成体について、所定のセルの一方の端部と、残余のセルの他方の端部とに目封止部を形成した。尚、所定のセルと残余のセルとは、交互に(互い違いに)並ぶようにして、両端面に、セルの開口部と目封止部とにより市松模様が形成されるようにした。目封止用の充填材には、ハニカム成形体と同様の材料を用いた。ハニカム焼成体に目封止部を形成した後に、上記焼成条件と同じ条件でハニカム焼成体を焼成し、ハニカム焼成体を得た。ハニカム焼成体としては、4個の短尺のハニカム焼成体と、12個の長尺のハニカム焼成体を作製した。短尺のハニカム焼成体は、底面の外形が35mm×35mm、中心軸方向長さが245mmであった。長尺のハニカム焼成体は、底面の外形が35mm×35mm、中心軸方向長さが254mmであった。
また、得られたハニカム焼成体の隔壁厚さは、0.31mmであった。また、セル密度は、46セル/cmであった。
得られたハニカム焼成体を、セルの延びる方向に直交する断面において、4個×4個の並びになるようにして、接合材で接合し、乾燥させて接合体を得た。このとき、最外周を形成しない(中央部に位置する)4つのハニカム焼成体を短尺のハニカム焼成体とした。乾燥後の接合材の厚さは、1.0mmであった。
接合材としては、アルミノシリケート無機繊維とSiC粒子との混合物を含有するスラリーを用いた。接合材としては、接合材全体に対して、水を30質量%、アルミノシリケート無機繊維を30質量%、SiC粒子を30質量%含有するものを用いた。尚、接合材に含有されるその他の成分は、有機バインダ、発泡樹脂および分散剤であった。
得られた接合体の外周を研削し、セルの延びる方向に直交する断面の形状が円形の接合体とした。このとき、最外周を形成する12個の長尺のハニカム焼成体のみを研削した。
次に、外周を研削した接合体に外周コート処理を行い、ハニカム構造体とした(図1〜3参照)。外周コート材としては無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したものを用いた。
得られたハニカム構造体の底面の直径は、144mmであった。
得られたハニカム構造体について、以下の方法で、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失(圧損)」及び「再生時最高温度」の評価を行った。結果を表1に示す。尚、表1の「短尺セグメント短尺率」、「SML変化率」、「TSL変化率」、「圧力損失変化率」及び「再生時最高温度変化率」の欄は、比較例1についての値を基準として比較例1に対する増減(変化)を示している。比較例1の値より増えた場合を「プラス(+)」、比較例1の値より減った場合を「マイナス(−)」で表示している。例えば、「短尺セグメント短尺率」は、比較例1のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの長さとの差を、比較例1のハニカムセグメントの長さで除して100倍した値である。尚、比較例1〜3のハニカム構造体は、いずれも、全てのハニカムセグメントが同じ長さであり、実施例1〜60のハニカム構造体の不完全セグメントと同じ長さである。表1〜3において、比較例1〜3の「短尺セグメント全長」の欄は、比較例1〜3のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの長さ(全長)が記載されている。
(スートマスリミット(SML))
ハニカム構造体をDPFとして用い、順次、煤(スート)の堆積量を増加させて、再生(煤の燃焼)を行い、クラックが発生する限界を確認する。先ず、得られたハニカム構造体の外周に、保持材としてセラミック製非熱膨張性マットを巻き、ステンレス鋼(SUS409)製のキャニング用缶体に押し込んで、キャニング構造体とする。その後、ディーゼル燃料(軽油)の燃焼により発生させた煤を含む燃焼ガスを、ハニカム構造体の一方の端面(短尺セグメントの片側の端面を含む端面)より流入させ、他方の端面より流出させることによって、煤をハニカム構造体内に堆積させる。そして、一旦、室温(25℃)まで冷却した後、ハニカム構造体の上記一方の端面より、680℃の燃焼ガスを流入させ、煤が燃焼することによりハニカム構造体の圧力損失が低下したときに、燃焼ガスの流量を減少させることによって、煤を急燃焼させ、その後の目封止ハニカム構造体におけるクラックの発生の有無を確認する。この試験は、煤の堆積量がハニカム構造体の容積1リットル当り4g(以下4g/リットル等と表記)から始め、クラックの発生が認められるまで、0.5(g/リットル)ずつ増加して、繰り返し行う。クラック発生時の煤量(g/リットル)を、SMLの値とした。各実施例、比較例のハニカム構造体を5個ずつ作製し、当該5個の(N=5)測定結果の平均値を、SMLの値として表1に示した。表1の「SML」の欄において、「g/L」は、「g/リットル」を意味する。
ハニカム構造体に、SMLに相当する煤が堆積したときの、ハニカム構造体全体に堆積した煤の質量([SML(g/リットル)]×[ハニカム構造体の体積(リットル)])を、TSL(トータルスートローディング)とする。
(圧力損失)
特開2005−172652号公報に記載の「フィルタの圧力損失測定装置」を用いて、ハニカム構造体の圧力損失を測定した。測定条件としては、流体の流量を10Nm/分とし、実験時の流体温度を25℃とした。
(再生時最高温度)
ハニカム構造体に5g/Lの煤を堆積させ(ハニカム構造体をDPFとして用いる)、その後、再生(煤の燃焼)を行い、その際のハニカム構造体内部の最高温度を確認する。先ず、得られたハニカム構造体の外周に、保持材としてセラミック製非熱膨張性マットを巻き、ステンレス鋼(SUS409)製のキャニング用缶体に押し込んで、キャニング構造体とする。その後、ディーゼル燃料(軽油)の燃焼により発生させた煤を含む燃焼ガスを、ハニカム構造体の一方の端面(短尺セグメントの片側の端面を含む端面)より流入させ、他方の端面より流出させることによって、煤をハニカム構造体内に堆積させる。そして、一旦、室温(25℃)まで冷却した後、ハニカム構造体の上記一方の端面より、680℃の燃焼ガスを流入させ、煤が燃焼することによりハニカム構造体の圧力損失が低下したときに、燃焼ガスの流量を減少させることによって、煤を急燃焼させ、その際のハニカム構造体内部の最高温度を確認する。各実施例、比較例のハニカム構造体を5個ずつ作製し、当該5個(N=5)の測定結果の平均値を、再生時最高温度の値として表1に示した。
Figure 2011190740
(実施例2〜20、比較例1)
短尺セグメントの全長(セルの延びる方向における長さ)を、表1に示すように変化させた以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。得られたハニカム構造体について、実施例1の場合と同様にして、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失(圧損)」及び「再生時最高温度」の評価を行った。結果を表1及び図6に示す。図6は、実施例1〜20及び比較例1のハニカム構造体の各評価結果を示したグラフである。図6において、縦軸は、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失(圧損)」及び「再生時最高温度」のそれぞれの変化率を示し、横軸は、短尺セグメントの短尺率を示す。
(実施例21)
得られるハニカム構造体の構造を、図4に示すような、9個の完全セグメント4b(短尺セグメント4c)が「3個×3個」の配列で並び、その外側を16個の不完全セグメント4aが取り囲む構造(ハニカム構造体200)とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。得られたハニカム構造体について、実施例1の場合と同様にして、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失」及び「再生時最高温度」の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2011190740
(実施例22〜40、比較例2)
短尺セグメントの全長(セルの延びる方向における長さ)を、表2に示すように変化させた以外は、実施例21と同様にしてハニカム構造体を作製した。得られたハニカム構造体について、実施例1の場合と同様にして、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失」及び「再生時最高温度」の評価を行った。結果を表2及び図7に示す。図7は、実施例21〜40及び比較例2のハニカム構造体の各評価結果を示したグラフである。
(実施例41)
得られるハニカム構造体の構造を、図5に示すような、12個の完全セグメント4b(短尺セグメント4c)が、「「4個×4個」の配列から「角に位置する4個」を取り除いた形状」に配列された構造とした以外は、実施例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。得られたハニカム構造体について、実施例1の場合と同様にして、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失」及び「再生時最高温度」の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2011190740
(実施例42〜60、比較例3)
短尺セグメントの全長(セルの延びる方向における長さ)を、表3に示すように変化させた以外は、実施例41と同様にしてハニカム構造体を作製した。得られたハニカム構造体について、実施例1の場合と同様にして、「スートマスリミット(SML)」、「トータルスートローディング(TSL)」、「圧力損失」及び「再生時最高温度」の評価を行った。結果を表3及び図8に示す。図8は、実施例41〜60及び比較例3のハニカム構造体の各評価結果を示したグラフである。
表1〜3より、短尺率が15〜55%のとき(短尺セグメントのセルの延びる方向における長さが、不完全セグメントのセルの延びる方向における長さに対して、45〜85%の長さであるとき)、「圧力損失が上昇し過ぎないようにし(「圧力損失変化率」が28%以下)、TSLが低下し過ぎないようにしながら(「TSL変化率」が「−23%以上」)、再生時最高温度を低下させる(「再生時最高温度変化率」が「−11%以下」)」という効果を、より顕著に発揮することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、化学、電力、鉄鋼等の様々な分野において、環境対策や特定物資の回収等のために使用される触媒装置用の担体、又はフィルタとして好適に利用することができる。
1:セル、2:隔壁、3:外周壁、4:ハニカムセグメント、4a:不完全セグメント、4b:完全セグメント、4c:短尺セグメント、5:側面、6:目封止部、11:一方の端面、11a:短尺セグメントの片側の端面、12:他方の端面、13:接合部、14:外周部、100,200,300:ハニカム構造体。

Claims (3)

  1. 一方の端面から他方の端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁及び最外周に位置し前記隔壁を取り囲むように配設された外周壁を有するとともに、所定の前記セルの一方の端部と残余の前記セルの他方の端部とに配設された目封止部を有するハニカムセグメントを、複数個備え、
    前記複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置された状態で接合され、
    最外周を形成する前記ハニカムセグメントを不完全セグメントとし、その他の前記ハニカムセグメントを完全セグメントとしたときに、前記完全セグメントの中の少なくとも1つが、前記セルの延びる方向における長さが前記不完全セグメントの前記セルの延びる方向における長さより短い、短尺セグメントであり、
    前記短尺セグメントの片側の端面が、前記一方の端面の一部を構成するハニカム構造体。
  2. 前記短尺セグメントの前記セルの延びる方向における長さが、前記不完全セグメントの前記セルの延びる方向における長さに対して、45〜85%の長さである請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 全ての前記完全セグメントが、前記短尺セグメントである請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
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