JP5234970B2 - ハニカム構造体、排ガス浄化装置、及び、ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体、排ガス浄化装置、及び、ハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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本発明は、ハニカム構造体、排ガス浄化装置、及び、ハニカム構造体の製造方法に関する。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。
そこで、排ガス中のPMを捕集して排ガスを浄化するフィルタとして、例えば、多孔質セラミックを用いたハニカム構造体からなるハニカムフィルタが種々提案されている。
このようなハニカム構造体として、特許文献1には、多孔質セラミック焼結体からなる複数のフィルタの外周面同士をシール材層を介して接着することにより、各フィルタを一体化したハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
このようなハニカム構造体は、下記のような方法により製造することができる。
まず、セラミック粉末とバインダと分散媒液等とを混合して湿潤混合物を調製する。
次に、この湿潤混合物を押出成形し、押し出された成形体を所定の長さに切断することにより、柱状のハニカム成形体を作製する。
その後、ハニカム成形体の各セルのいずれか一方の端部が封止されるように各セルの所定の端部に封止材ペーストを充填する。次に、封止材ペーストが充填されたハニカム成形体に、脱脂処理及び焼成処理を施し、フィルタとして機能するハニカム焼成体を作製する。
次に、複数のハニカム焼成体をシール材層(接着材層)を介して結束させてハニカム焼成体の集合体を作製し、その後、必要に応じて、ハニカム焼成体の集合体の外周に切削加工を施したり、この集合体の外周にコート層を形成したりすることによりハニカム構造体を製造する。
特開2001−162121号公報
特許文献1に記載されたハニカム構造体の製造方法では、押出成形によりハニカム成形体を作製する時点で、作製するハニカム焼成体と略同形のハニカム成形体を作製し、このハニカム成形体に、封止、脱脂、焼成等の各種処理を施してハニカム焼成体を作製している。
このような製造方法において、ハニカム焼成体のサイズは、焼成処理を経ることにより、ハニカム成形体のサイズよりも若干小さくなる。そして、このようなサイズの縮小は避けることができない。
そのため、ハニカム成形体を作製する際には、サイズの縮小を見込んで、ハニカム焼成体のサイズよりも若干大きいハニカム成形体を作製する必要があった。
しかしながら、サイズの縮小量は予想値であり、焼成条件のバラツキ等により作製したハニカム焼成体のサイズにバラツキが生じることがあった。
そして、ハニカム焼成体のサイズにバラツキが生じると、複数個のハニカム焼成体を結束させてハニカム構造体を製造した場合に、ハニカム構造体の端面に凹凸が生じることとなり、場合によっては、端面研磨を行う必要があった。
しかしながら、端面研磨は、可能であれば省略が望まれる工程である。なぜなら、研磨処理を行うことにより、ハニカム構造体の端面に欠けが発生する、ハニカム構造体のセル壁の気孔に研磨粉が入り込む等の不都合が生じる場合があるからである。また、端面研磨、セル壁の気孔に入り込んだ研磨粉を除去するための洗浄等の工程の増加がそのままコストの増加に繋がるからである。
また、上述したハニカム構造体の製造方法のように、作製するハニカム焼成体と略同形のハニカム成形体を作製して各種処理を行う場合、生産性が低くなる場合があった。特に、長手方向の長さの短いハニカム構造体を製造する場合には、この傾向が顕著であった。
これについて、もう少し詳しく説明する。
上述したようなハニカム構造体の製造方法において、ハニカム成形体に焼成処理を施す際には、通常、複数個のハニカム成形体を1個の焼成用治具に収納した状態で行う。ここで、成形体の焼結を確実かつ均一に進行させるには、ハニカム成形体を焼成用治具内に収納する際に、ハニカム成形体同士をある程度離間させて収納する必要がある。
そのため、焼成用治具の大きさが同一である場合、ハニカム成形体が小さくなると、ハニカム成形体同士の間のスペース(空間)が占める割合が増加することとなり、その結果、ハニカム焼成体の生産性が低下することとなる。
別の言い方をすると、焼成用治具の大きさが同一である場合、例えば、ハニカム成形体のサイズが1/2になっても、焼成用治具内に収納することできるハニカム成形体の数が焼成用治具内に収納することができる通常のサイズのハニカム成形体の数の2倍になるわけではなく、収納することできるハニカム成形体の数は2倍未満となる。
また、焼成用治具は、ハニカム成形体の大きさに合せて最適な大きさのものを用いることが望ましく、ハニカム成形体の大きさに合せて、大きさの異なる焼成用治具を準備することが望ましいが、このような大きさの異なる焼成用治具を準備することは、製造コストの増加に繋がる。
そこで、本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行い、本発明を完成した。
請求項1に記載のハニカム構造体は、
複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、上記セルのいずれか一方の端部が封止材ペーストにより形成された封止部により封止された柱状のハニカム焼成体からなるハニカムブロックを備えたハニカム構造体であって、
上記封止部のうち、上記ハニカム焼成体の一方の端面側の封止部は焼成された第一の封止部であり、上記ハニカム焼成体の他方の端面側の封止部は未焼成の第二の封止部であることを特徴とするハニカム構造体である。
請求項1に記載のハニカム構造体は、後述する本発明のハニカム構造体の製造方法により、効率よく製造することができる。
また、請求項1に記載のハニカム構造体では、このハニカム構造体を構成するハニカム焼成体において、一方の端面側の封止部が焼成された封止部であり、他方の端面側の封止部が未焼成の封止部である。そのため、未焼成の封止部では、熱応力を緩和することができ、焼成された封止部では、高温下でもクラックや剥がれが発生しにくく、PMの漏れが発生しにくい。
請求項2に記載のハニカム構造体は、請求項1に記載のハニカム構造体において、
上記未焼成の第二の封止部が、加熱処理により固化された封止部である。
このように、未焼成の封止部が固化された封止部である場合、上述した熱応力を緩和する効果を維持しつつ、セルの端部をより確実に封止することができる。
請求項3に記載のハニカム構造体は、請求項1又は2に記載のハニカム構造体において、
上記第二の封止部が、少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む封止材ペーストを用いて形成されている。
このような封止材ペーストは、セル壁との密着性に優れるとともに、必要な強度を備え、未焼成の封止部を形成するのに特に適している。
請求項4に記載のハニカム構造体は、請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体において、
上記ハニカムブロックが、複数個のハニカム焼成体が接着材層を介して結束されてなる。
請求項5に記載のハニカム構造体は、請求項4に記載のハニカム構造体において、
上記第二の封止部の組成が、上記接着材層の組成と略同一である。
このように第二の封止部の組成と、接着材層の組成とが略同一であると、構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れる。
また、請求項6に記載のハニカム構造体は、請求項1〜3のいずれに記載のハニカム構造体において、
上記ハニカムブロックが、1個のハニカム焼成体からなる。
請求項7に記載のハニカム構造体は、請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体において、
上記ハニカムブロックの外周部にコート層が形成されている。
請求項7に記載のハニカム構造体では、外周側面からのPMの漏れがより発生しにくいため、より信頼性に優れることとなる。また、コート層を形成することにより、ハニカム構造体の外周精度(外周側面の寸法精度)を高めることができる。
請求項8に記載のハニカム構造体は、請求項7に記載のハニカム構造体において、
上記第二の封止部の組成が、上記コート層の組成と略同一である。
このように第二の封止部の組成と、コート層の組成とが略同一であると、構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れる。
請求項9に記載のハニカム構造体は、請求項1〜8のいずれかに記載のハニカム構造体において、
上記第一の封止部の組成が、上記ハニカム焼成体の組成と略同一である。
このように第一の封止部の組成と、ハニカム焼成体の組成とが略同一であると、構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れる。特に、1000℃近くの高温になった場合にも劣化しにくく、強度を保つことができ、信頼性に優れる。
また、請求項5、8又は9に記載のハニカム構造体では、封止部の組成が、接着材層、コート層、ハニカム焼成体のいずれかの組成と略同一である。そのため、ハニカム構造体を製造する際に、封止部を形成するための封止材ペーストを別途調製する必要がない。
請求項10に記載のハニカム構造体は、請求項1〜9のいずれかに記載のハニカム構造体において、
上記ハニカム焼成体に形成された複数のセルは、上記長手方向に垂直なセルの断面が相対的に大きい大容積セルと相対的に小さい小容積セルとからなり、
上記大容積セルには、上記第一の封止部が形成され、
上記小容積セルには、上記第二の封止部が形成されている。
このようなセルを備えたハニカム構造体は、圧力損失を上昇を抑えつつ、多量のPMを捕集するのに適している。
請求項11に記載の排ガス浄化装置は、
請求項1〜10のいずれかに記載のハニカム構造体が、保持シール材を介して金属容器内に配置された排ガス浄化装置であって、
上記ハニカム構造体が、上記第一の封止部が形成された端面側が排ガス流出側、上記第二の封止部が形成された側が排ガス流入側となるように配置されていることを特徴とする排ガス浄化装置である。
請求項11に記載の排ガス浄化装置は、ハニカム構造体として、請求項1〜10のいずれかに記載のハニカム構造体を備えており、第一の封止部(焼成された封止部)が排ガス流出側、第二の封止部(未焼成の封止部)が排ガス流入側に位置しているため、排ガス流入側に生じる高温の排ガスによる熱応力を緩和することができるとともに、再生処理を行った際に、さらに高温になる排ガス流出側での封止部のクラックや、ハニカム焼成体と封止部と剥離を防止することができる。
請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法は、
セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する工程と、
上記ハニカム成形体の両端部の所定箇所のセルが封止されるように封止材ペーストを充填する工程と、
このハニカム成形体に焼成処理を施して、第一の封止部が形成されたハニカム焼成体を作製する工程と、
少なくとも1つの上記ハニカム焼成体からなるハニカムブロックを作製する工程とを含み、
さらに、上記第一の封止部が所定箇所に形成されたハニカム焼成体を切断する工程と、
切断された上記ハニカム焼成体の上記第一の封止部が形成された側と反対側の端部の所定箇所のセルに封止材ペーストを充填し、加熱処理を施して上記封止材ペーストを固化して第二の封止部を形成する工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法である。
請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法では、請求項1〜10に記載のハニカム構造体を好適に製造することができる。
また、請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断している。
このように、焼成処理後に切断処理を行うことにより、作製する各ハニカム焼成体の長手方向の寸法精度が優れることとなり、各ハニカム焼成体の大きさのバラツキを小さくすることができる。
また、請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法は、長手方向の長さが短いハニカム構造体を製造するのに特に適している。
ハニカム構造体の製造方法においては、焼成用治具にハニカム成形体を収納して焼成処理を行うが、同一サイズの焼成用治具を使用する場合、上述したように、ハニカム成形体のサイズが小さくなると生産性が低下していく傾向にある。
これに対して、請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム成形体に焼成処理を施した後、得られたハニカム焼成体に切断処理を行うことにより、所定の長さのハニカム焼成体を作製している。
そのため、長手方向の長さの短いハニカム構造体を製造する場合であっても、優れた生産性を備えることとなる。
また、例えば、長手方向の長さが、従来の長さの半分の長さのハニカム構造体を製造する場合にも、従来と同様の焼成用治具を用いて焼成を行うことができる。
従って、ハニカム焼成体を切断する際には、2等分することが望ましい。勿論、3つ以上に切断してもよい。また、3つ以上に切断した場合には、両端以外(中央にある)のハニカム焼成体を別のハニカム構造体の製造に使用することができる。
請求項13に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記第一の封止部が形成されたハニカム焼成体を作製する工程を行った後、上記ハニカム焼成体を切断する工程を行い、
上記第二の封止部を形成する工程を行った後、上記ハニカムブロックを作製する工程を行う。
請求項14に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12又は13に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカムブロックを、1つのハニカム焼成体で作製する。
また、請求項15に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12又は13に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカムブロックは、複数個のハニカム焼成体を接着材層を介して結束して作製する。
請求項16に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記第一の封止部が形成されたハニカム焼成体を作製した後、複数の上記ハニカム焼成体を接着材層を介して結束させて、両端部に上記第一封止部が形成されたハニカムブロックを作製し、
次に、この接着材層を介して結束されたハニカムブロックを切断した後、上記ハニカムブロックの上記第一の封止部が形成された側と反対側の端部に、上記第二の封止部を形成する工程を行う。
請求項17に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項15又は16に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記第二の封止部の組成が、上記接着材層の組成と略同一である。
このように、第二の封止部の組成が、ハニカム構造体の他の構成部材の組成と略同一であると、製造したハニカム構造体において、構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくくなる。
請求項18に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12〜17のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカム焼成体は、複数のセルが、上記長手方向に垂直なセルの断面が相対的に大きい大容積セルと相対的に小さい小容積セルとからなるように形成し、
上記大容積セルには、上記第一の封止部を形成し、
上記小容積セルには、上記第二の封止部を形成する。
請求項18に記載のハニカム構造体の製造方法では、圧力損失の上昇を抑えつつ、多量のPMを捕集するのに適したハニカム構造体を製造することができる。
請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12〜18のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、上記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布し、その後、上記コート材ペーストを固化させることによりコート層を形成する工程を行う。
このように、ハニカムブロックの外周にコート層を形成することにより、より信頼性に優れたハニカム構造体を製造することができる。また、コート層を形成することにより、外周精度(外周側面の寸法精度)の高いハニカム構造体を製造することができる。
また、請求項20に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記第二の封止部の組成が、上記コート層の組成と略同一である。
このように、第二の封止部の組成が、ハニカム構造体の他の構成部材の組成と略同一であると、製造したハニカム構造体において、構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくくなる。
請求項21に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12〜20のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記第二の封止部を形成する封止材ペーストが、少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む。
このような組成の封止材ペーストは、セル壁との密着性に優れるとともに、必要な強度を備え、第二の封止部(未焼成の封止部)を形成するのに、特に適している。
請求項22に記載のハニカム構造体の製造方法は、請求項12〜21のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法において、
上記第一の封止部の組成が、上記ハニカム焼成体の組成と略同一である。
このように、第一の封止部の組成が、ハニカム構造体の他の構成部材の組成と略同一であると、製造したハニカム構造体において、構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくくなる。特に、1000℃近くの高温になった場合にも劣化しにくく、強度を保つことができ、信頼性に優れる。
また、請求項17、20又は22に記載のハニカム構造体の製造方法では、封止部の組成が、接着材層、コート層、ハニカム焼成体のいずれかの組成と略同一である。そのため、ハニカム構造体を製造する際に、封止材ペーストを別途調製する必要がなく、接着材ペーストやコート材ペースト、ハニカム成形体を作製するための湿潤混合物を封止材ペーストとして用いることができる。
図1(a)〜図1(h)は、第一実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図2は、第一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)は、第一実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B線断面図である。 図4は、ハニカム構造体が設置された第一実施形態の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 図5(a)〜図5(f)は、第二実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図6(a)〜図6(g)は、第三実施形態の製造工程を説明するための説明図である。 図7は、第一〜第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。 図8(a)は、本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のB−B線断面図である。 図9(a)〜(c)は、本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法で作製するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
まず、本実施形態におけるハニカム構造体の製造方法について工程順に説明する。
図1(a)〜図1(h)は、第一実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末と有機バインダと可塑剤と潤滑剤と水とを混合して湿潤混合物を調製する。
(2)上記湿潤混合物を押出成形機に投入し、上記湿潤混合物を押出成形することにより所定の形状のハニカム成形体130を作製する(図1(a)参照)。ここでは、各セル121が所定の形状となるよう押出成形用金型を選定する。
なお、ここで作製するハニカム成形体130は、長手方向の長さが、製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さの約2倍の長さを有する。このとき、ハニカム成形体の長さは、焼成時の収縮量と、切断される切り代とを考慮して決定する。
さらに、ハニカム成形体を乾燥機を用いて乾燥させる。
(3)次に、ハニカム成形体130の各セル121の所定の端部に、封止材ペースト122を所定量充填し、各セル121を封止する。セルを封止する際には、ハニカム成形体の端面に封止用のマスクを当てて、封止の必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する(図1(b)参照)。
ここで、封止材ペーストは、最終的に出来上がるハニカム構造体において、各端面においてセルが市松模様に封止され、かつ、各セルはいずれか一方の端部のみが封止されるように充填されている。
ここで、封止材ペーストとしては、上記湿潤混合物と略同一の組成(ハニカム成形体と略同一の組成)の組成物を使用する。
ここで、上記封止材ペーストは、上記湿潤混合物と同一の組成であってもよいが、例えば、セルへの充填性を考慮して粘度を調製してもよい。粘度の調整は、有機溶媒や、水等の配合量を変更することにより行えばよい。
(4)各セルの所定の端部が封止されたハニカム成形体130を焼成用治具に載置した後、脱脂炉中で加熱し、ハニカム成形体中の有機物を除去する脱脂処理を行う。
続いて、上記脱脂処理を施したハニカム成形体を焼成用治具に載置したまま、焼成炉内に投入し、所定の温度(例えば、2200〜2300℃)で焼成処理を行い、ハニカム焼成体120を作製する(図1(c)参照)。
なお、本発明において焼成処理を経て形成された封止部22bを第一封止部という。
また、本発明において、「ハニカム成形体」には、押出成形直後の生形成体は勿論のこと、乾燥処理や脱脂処理を施した後の成形体もハニカム成形体に含むこととする。
(5)次に、上記(4)の工程で作製したハニカム焼成体120を長手方向に2等分に切断し、ハニカム焼成体20とする(図1(d)参照)。
上記ハニカム焼成体の切断は、ダイヤモンドカッター、外周型ダイヤモンド砥石、内周型ダイヤモンド砥石、マルチワイヤ、マルチブレード等を用いて行う。
このような切断処理を行うことにより、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値と同一のハニカム焼成体20を作製することができる。
また、切断して得たハニカム焼成体20は、一方の端面側の所定のセルのみ封止されていることとなる。
(6)次に、上記(5)の工程で作製したハニカム焼成体について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、ハニカム焼成体の未だ封止されていない側の端部の所定のセルに封止材ペーストを充填する。
なお、ここで充填する封止材ペーストは、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。この封止材ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
そして、この工程で充填した封止材ペーストを加熱して固化させることにより未焼成の封止部(固化された封止部)22aとする(図1(e)参照)。なお、本発明において未焼成(固化された)の封止部を第二封止部という。
なお、上記(3)の工程で充填した封止材ペーストは、上記(4)の工程の焼成処理を経ることにより焼成された封止部22bとなる。
(7)次に、各セルの所定の端部が封止された上記ハニカム焼成体20の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体20が結束されたハニカム焼成体の集合体110を作製する。この際、複数のハニカム焼成体は、第一封止部同士が同一の端面側に位置するように(第二封止部同士がもう一方の端面側に位置するように)積層する。
ここで、接着材ペーストとしては、上記(6)の工程で充填した封止材ペーストと略同一の組成を有するものを使用する。
続いて、上記ハニカム焼成体の集合体110を加熱して接着材ペースト層を固化させて接着材層11とする(図1(f)、図1(g)参照)。
なお、図1(g)は、図1(f)のA−A線断面における部分拡大断面図である。
(8)その後、ダイヤモンドカッターを用いてハニカム焼成体の集合体110に、図1(f)中の破線に沿って切削加工を施してハニカムブロックとし、ハニカムブロックの外周面にコート材ペーストを塗布し、コート材ペーストを固化させてコート層12を形成することによりハニカム構造体10とする(図1(h)参照)。
ここで、コート材ペーストとしては、例えば、上記接着材ペーストと略同一の組成をペースト状組成物を使用する。
次に、このような製造方法を経て製造されるハニカム構造体について、図面を参照しながら説明する。
図2は、第一実施形態のハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(a)は、第一実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の一例を模式的に示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のB−B線断面図である。
本実施形態のハニカム構造体10は、図2に示すようにハニカム焼成体20が接着材層11を介して複数個結束されてハニカムブロック15を構成し、さらに、このハニカムブロック15の外周にコート層12が形成されている。
また、ハニカム焼成体20は、図3(a)及び図3(b)に示すように、長手方向(図3(a)中、矢印aの方向)に多数のセル21が並設され、セル21同士を隔てるセル壁23がフィルタとして機能するようになっている。
即ち、ハニカム焼成体20に形成されたセル21は、図3(b)に示すように、排ガスの入口側の端部が封止材ペーストを用いて形成された封止部22aで封止されるか、又は、排ガスの出口側の端部が封止材ペーストを用いて形成された封止部22bで封止され、排ガスの出口側の端部が封止されたセル21に流入した排ガスは、必ずセル21を隔てるセル壁23を通過した後、ガスの入口側の端部が封止されたセル21から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁23を通過する際、PMがセル壁23部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
ここで、排ガスの出口側の端部を封止する封止部22bは、封止材ペーストに焼成処理を施して形成した焼成された封止部(第一封止部)である。一方、排ガスの入口側の端部を封止する封止部22aは、焼成処理を施すことなく、封止材ペーストを固化させて形成した未焼成の封止部(第二封止部)である。
また、ハニカム構造体10では、コート層12と、封止部22aとが、接着材層11を形成するペーストと略同一のペーストを用いて形成されている。
なお、図3(b)中、矢印は排ガスの流れを示す。
ハニカム構造体10では、上述したように封止部22bが焼成処理を経て形成された封止部であり、封止部22aが焼成処理を経ずに形成された封止部であるため、封止部22bと封止部22aとは、硬度(例えば、ビッカーズ硬度、ロックウェル硬度等)、強度(曲げ強度、圧縮強度、破壊強度等)、ヤング率、弾性率、熱伝導率等の機械的特性が異なることとなる。
本発明の実施形態では、ハニカム構造体の一方の端部に強度が低く、熱伝導率の小さい封止部を形成し、他方の端部に強度が高く、熱伝導率の大きい封止部を形成していることとなる。そして、ハニカム構造体の強度が低く、熱伝導率の小さい封止部が形成された端部を排ガス浄化装置の入口側、強度が高く、熱伝導率の大きい封止部が形成された端部を排ガス浄化装置の出口側に配置することが望ましい。
なお、本明細書において、焼成とは、成形体中の不安定成分(水分、バインダ等)を分解、除去し、各成分間の反応(再結晶を含む)を進行させて安定な化合物を形成することをいい、強度が一段と向上する。一方、固化とは、組成物中の各成分間での反応は起こさず、組成物中の水分等を除去することにより、物理的作用によって組成物の状態が変化し接着特性を発現させる(組成物の硬さを向上させる)ことをいう。
次に、このようなハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置について、図面を参照しながら説明する。
図4は、ハニカム構造体が設置された本実施形態の排ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。
図4に示したように、排ガス浄化装置40は、主に、ハニカム構造体10、ハニカム構造体10の外方を覆うケーシング(金属容器)41、ハニカム構造体10とケーシング41との間に配置されるアルミナ製の保持シール材42から構成されており、ケーシング41の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管43が接続されており、ケーシング41の他端部には、外部に連結された排出管44が接続されている。
ここで、ハニカム構造体10は、封止部22a(未焼成の封止部)が形成された側が排ガス流入側となり、封止部22b(焼成された封止部)が形成された側が排ガス流出側となるように、ケーシング41内に配置されている。従って、排ガス浄化装置40では、機械的特性の大きい封止部22bが排ガス流出側に位置することとなる。
なお、図4中、矢印は排ガスの流れを示している。
このような構成からなる排ガス浄化装置40では、エンジン等の内燃機関から排出された排ガスは、導入管43を通ってケーシング41内に導入され、入口側が開口したセルからハニカム構造体10の内部に流入し、セル壁を通過し、このセル壁でPMが捕集されて浄化された後、出口側が開口したセルからハニカム構造体外に排出され、排出管44を通って外部へ排出されることとなる。
また、排ガス浄化装置40では、ハニカム構造体10のセル壁に大量のPMが堆積し、圧力損失が高くなると、ハニカム構造体10の再生処理が行われる。
上記再生処理では、図示しない加熱手段を用いて加熱されたガスをハニカム構造体のセルの内部へ流入させることで、ハニカム構造体10を加熱し、セル壁に堆積したPMを燃焼除去する。また、ポストインジェクション方式を用いてPMを燃焼除去してもよい。
特に、ハニカム構造体の排ガス流出側は、排ガス流入側に比べてPMの堆積量が多くなる傾向にあり、PMを燃焼除去した場合に、ハニカム構造体の排ガス流出側は、排ガス流入側に比べて高温になりやすい傾向にある。よって、本実施形態では、より高温になりやすい排ガス流出側を機械的特性が大きい封止部とし、排ガス流入側を機械的特性が小さい封止部としている。
以下、第一実施形態の作用効果について説明する。
(1)本実施形態では、ハニカム構造体を製造する際に、ハニカム成形体に焼成処理を施してハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断している。
このように、焼成処理後に切断処理を行うことにより、作製する各ハニカム焼成体の長手方向の寸法精度が優れることとなり、各ハニカム焼成体の大きさのバラツキを小さくすることができる。従って、本実施形態は、特に研磨処理を行うことなく、端面の凹凸の少ないハニカム構造体を製造するのに適している。
具体的には、設計値よりも大きな寸法で焼成体を作製しておき、両端面側から設計値の寸法で切断を行い、2つのハニカム焼成体を作製する。このとき、中央部は切断でなくなるようにしてもよいし、切り代として破棄してもよい。また、中央部のハニカム焼成体を破棄しない場合、これを他のハニカム構造体の作製に使用することもできる。
また、本実施形態では、作製した焼成体を設計値の寸法で切断するため、ハニカム焼成体の端面研磨を行う必要がなく、ハニカム焼成体のセル壁の気孔に研磨粉が残存することもないため、端面研磨工程にともなう洗浄工程も行う必要がない。
また、ハニカム焼成体を作製した後、得られたハニカム焼成体を切断しているため、1つのハニカム成形体から2つのハニカム焼成体を作製することとなり、ハニカム焼成体を効率良く作製することができる。その結果、ハニカム構造体の生産効率が向上し、単位時間あたりのハニカム構造体の生産個数を増やすことができるので、製造コストを低減させることにつながる。
(2)本実施形態では、セルの端部を封止する封止部について、封止材ペーストを充填した後、焼成処理を施すか、又は、加熱により固化させているため、各セルの所定の端部が確実に封止されることとなる。
(3)本実施形態では、ハニカム構造体の外周にコート層が形成されているため、ハニカム構造体を用いて、排ガスを浄化した際に、ハニカム構造体の外周側面からPMが漏れることがなく、信頼性に優れることとなる。また、コート層を形成することにより、ハニカム構造体の外周側面の寸法精度が向上する。
(4)本実施形態では、ハニカム構造体を構成する未焼成の封止部と、接着材層及びコート層とが略同一の材料を用いて形成されているため、ハニカム構造体において構成部材の熱膨張係数の差に起因した内部応力が発生しにくく、より信頼性に優れることとなる。
また、ハニカム構造体を構成する焼成された封止部は、ハニカム焼成体と略同一の組成で形成されているため、再生処理時に熱衝撃があっても、セル壁と封止部との間でクラック、剥がれ等が発生しにくく、信頼性に優れ、ススの漏れを確実に防止することができる。
(5)本実施形態の排ガス浄化装置では、焼成処理を経て形成された封止部(第一封止部)が排ガス流出側に位置し、焼成処理を経ずに形成された封止部(第二封止部)が排ガス流入側に位置しているため、上記(4)に記載した効果が最も効果的に現れ、排ガス流入側で、排ガスの温度による内部応力が緩和されやすく、排ガス流出側では、PMの堆積量が多くなり、再生処理を行った際に高温になりやすい傾向にあるが、焼成された封止部のためセル壁との間にクラックが発生しにくく、PMを確実に捕集することができる。
以下、本発明の第一実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日油社(日本油脂社)製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形する押出成形工程を行い、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルの封止をしていない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次いで、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。その後、上記ハニカム成形体の乾燥体の所定のセルに上記湿潤混合物と同一の組成のペーストに充填した。具体的には、各セルにおいて、いずれか一方の端部が封止されるように、上記湿潤混合物と同一の組成のペーストを封止材ペーストとして充填した。その後、再び乾燥機を用いて乾燥させた。
(3)次に、ハニカム成形体の乾燥体を焼成用治具に載置した後、400℃で脱脂処理を行い、さらに、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成処理を行うことにより、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(4)次に、上記ハニカム焼成体を板厚0.5mmの外周型ダイヤモンド砥石を用いて2等分し、所定のセルの一方の端面側のみ封止された大きさが34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体を作製した。
(5)上記(4)の工程で得たハニカム焼成体について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填した。
ここで、封止材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる封止材ペーストを使用した。
その後、この工程で充填した封止材ペーストを180℃の熱風を用いた加熱を15分間行うことにより固化させて封止部とした。
(6)次に、上記(1)〜(5)の工程を経て作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃で20分間の加熱で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。続いて、ダイヤモンドカッターを用いて、ハニカム焼成体の集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のハニカムブロックを作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、上記(5)の工程で使用した封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(7)次に、ハニカムブロックの外周部にコート材ペーストを塗布し、コート材ペースト層を形成した。そして、このコート材ペースト層を120℃で固化して、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
ここで、コート材ペーストとしては、上記(5)の工程で使用した封止材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(比較例1)
(1)押出形成工程を経て作製する生のハニカム成形体の長手方向の長さを、焼成後に150mmになる寸法とした以外は、実施例1の(1)の工程と同様にして、図3(a)に示した形状と略同様の形状であって、セルの封止をしていない生のハニカム成形体を作製した。
(2)次に、マイクロ波乾燥機を用いて上記生のハニカム成形体を乾燥させ、ハニカム成形体の乾燥体を作製した。その後、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、所定のセルの端部に封止材ペーストを充填した。
ここで、封止材ペーストとしては、上記湿潤混合物と同一の組成の組成物を使用した。
(3) 次に、封止材ペーストを充填したハニカム成形体に、実施例1の(3)の工程と同様の条件で、脱脂処理及び焼成処理を行い、ハニカム焼成体を作製した。
ここで、作製したハニカム焼成体は、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体である。
(4)次に、上記(3)の工程で作製したハニカム焼成体を用いて、実施例1の(6)及び(7)の工程と同様の方法を用いることにより、複数個のハニカム焼成体が接着材層を介して結束したハニカム構造体を作製した。
(ハニカム構造体の評価)
(1)圧力損失の測定
実施例1及び比較例1のそれぞれで製造したハニカム構造体を用いて、図4に示した排ガス浄化装置40を組み上げた。そして、排ガス浄化装置40の導入管43に2Lのコモンレール式ディーゼルエンジンを接続した。さらに、ハニカム構造体の前後に圧力計を取り付けた。
そして、エンジンを回転数1500min−1、トルク50Nmで運転し、運転開始から5分後の差圧を測定した。
その結果、実施例1のハニカム構造体の圧力損失は、2.3kPaであり、比較例1のハニカム構造体の圧力損失は、2.4kPaであった。
このように、実施例1で作製したハニカム構造体の圧力損失は、比較例1(従来の方法)で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(2)再生限界値の測定
実施例1及び比較例1のそれぞれで製造したハニカム構造体を用いて、図4に示した排ガス浄化装置40を組み上げた。そして、排ガス浄化装置40の導入管43に2Lのコモンレール式ディーゼルエンジンを接続した。
そして、エンジンを回転数2000min−1、トルク50Nmで所定時間運転し、その後、再生処理を行う実験を、運転時間を増加させながら継続して行い、ハニカム構造体(特に封止部)にクラックが発生するか否かを観察した。
そして、クラックが発生した際に捕集していたPMの量を再生限界値とした。
その結果、実施例1のハニカム構造体の再生限界値は、7.9g/lであり、比較例1のハニカム構造体の再生限界値は、7.7g/lであった。
このように、実施例1で作製したハニカム構造体の再生限界値は、比較例1(従来の方法)で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(第二実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図5(a)〜図5(f)は、第二実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(4)の方法と同様の方法を用いて、ハニカム焼成体120を作製する(図5(a)参照)。
(2)次に、作製したハニカム焼成体120の側面に、接着材層となる接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体120が結束されたハニカム焼成体の集合体110′を作製する。
ここで、接着材ペーストとしては、下記(4)の工程で使用する封止材ペーストと略同一の組成を有するものを使用する。
また、この工程では、ハニカム焼成体を結束させた後、上記ハニカム焼成体の集合体を加熱することにより、接着材ペースト層を固化させて接着材層11とする(図5(b)参照)。
(3)次に、上記(2)の工程で作製したハニカム焼成体の集合体110′を長手方向に2等分に切断し、ハニカム焼成体の集合体110とする(図5(c)参照)。
上記ハニカム焼成体の切断は、ダイヤモンドカッター、外周型ダイヤモンド砥石、内周型ダイヤモンド砥石、マルチワイヤ、マルチブレード等を用いて行う。
このような切断処理を行うことにより、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一のハニカム焼成体の集合体110を作製することができる。
(4)次に、上記(3)の工程で切断したハニカム焼成体の集合体110について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、封止する必要のあるセルの端部のうち、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填する。
その後、充填した封止材ペーストを加熱により固化させて、封止部22aとする(図5(d)、図5(e)参照)。
なお、図5(e)は、図5(d)のC−C線断面における部分拡大断面図である。
ここで、封止材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。この封止材ペーストはさらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
(5)その後、ダイヤモンドカッターを用いてハニカム焼成体の集合体110に、図5(d)中の破線に沿った切削加工を施してハニカムブロックとし、ハニカムブロックの外周面にコート材ペーストを塗布し、コート材ペーストを加熱により固化させてコート層12を形成することによりハニカム構造体10とする(図5(f)参照)。
ここで、コート材ペーストとしては、例えば、上記(4)の工程で使用する封止材ペーストと略同一の組成を有するものを使用する。
本実施形態では、このような工程を経ることによりハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態の製造方法により製造されるハニカム構造体の構成は、第一実施形態のハニカム構造体の構成と同様である。また、本実施形態の製造方法により製造されたハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置の構成は、第一実施形態の排ガス浄化装置の構成と同様である。
第二実施形態に係るハニカム構造体、排ガス浄化装置、及び、ハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態と同様の作用効果を享受することができる。
以下、本発明の第二実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例2)
(1)実施例1の(1)〜(3)の工程と同様にして、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、大きさが34.3mm×34.3mm×300.5mm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(2)次に、上記(1)の工程で作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃、20分の加熱処理で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
その後、上記ハニカム焼成体の集合体を、板厚0.5mmの外周型ダイヤモンド砥石を用いて2等分し、長手方向の長さが150mmで所定のセルの一方の端面側のみ封止されたハニカム焼成体の集合体とした。
この工程で、上記接着材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる接着材ペーストを使用した。
(3)次に、上記(2)の工程で得たハニカム焼成体の集合体について、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填した。その後、充填した封止材ペーストを180℃の熱風を用いた加熱を15分間行うことにより固化させて封止部とした。
ここで、封止材ペーストとしては、上記(2)の工程で用いた接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(4)次に、ダイヤモンドカッターを用いて集合体の外周を切断することにより、接着材層の厚さ1mmの円柱状のハニカムブロックを作製した。
その後、ハニカムブロックの外周部にコート材ペーストを塗布し、コート材ペースト層を形成した。そして、このコート材ペースト層を180℃で20分間乾燥して、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
ここで、コート材ペーストとしては、上記(2)の工程で使用した接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
このような実施例2で作製したハニカム構造体では、一方の端面側の封止部は焼成処理を経て形成されており、他方の端面側の封止部は焼成処理を経ずに形成されていることとなる。
また、本実施例で製造したハニカム構造体について、実施例1と同様の方法で、圧力損失、及び、再生限界値を測定したところ、それぞれ、2.3kPa及び7.9g/lであった。
このように、実施例2で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1(従来の方法)で作製したハニカム構造体と同程度であった。
(第三実施形態)
本実施形態では、ハニカム構造体の製造方法の工程順序が第一実施形態におけるハニカム構造体の製造方法の工程順序と異なる。
図6(a)〜図6(g)は、第三実施形態の製造工程を説明するための説明図である。
(1)本実施形態のハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態のハニカム構造体の製造方法の(1)〜(5)の方法と同様の方法を用いて、長手方向の長さが製造するハニカム構造体の設計値の長手方向の長さと同一のハニカム焼成体20を作製する(図6(a)、図6(b)参照)。
(2)次に、上記(1)の工程で作製したハニカム焼成体20の側面に、接着材ペーストを塗布して接着材ペースト層を形成し、この接着材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返して所定数のハニカム焼成体が結束されたハニカム焼成体の集合体110を作製する。
また、この工程では、ハニカム焼成体を結束させた後、上記ハニカム焼成体の集合体を加熱することにより、接着材ペースト層を固化させて接着材層11とする(図6(c)、図6(d)参照)。
なお、図6(d)は、図6(c)のD−D線断面における部分拡大断面図である。
ここで、接着材ペーストとしては、下記(3)の工程で使用する封止材ペーストと略同一の組成のペーストを使用する。
(3)次に、上記(2)の工程で作製したハニカム焼成体の集合体110について、各セル21のいずれか一方の端部が封止されるように、封止する必要のあるセルの端部のうち、未だ封止されていないセルの端部に封止材ペーストを充填する。
その後、充填した封止材ペーストを加熱により固化させ、封止部22aとする(図6(e)、図6(f)参照)。
なお、図6(f)は、図6(e)のE−E線断面における部分拡大断面図である。
ここで、封止材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機粒子とからなるものを使用する。この封止材ペーストは、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよい。
(4)その後、ダイヤモンドカッターを用いてハニカム焼成体の集合体110に、図6(e)中の破線に沿った切削加工を施してハニカムブロックとし、ハニカムブロックの外周面にコート材ペーストを塗布し、コート材ペーストを加熱処理により固化させてコート層12を形成することによりハニカム構造体10とする(図6(g)参照)。
ここで、コート材ペーストとしては、例えば、上記(3)の工程で充填した封止材ペーストと略同一の組成を有するものを使用する。
本実施形態では、このような工程を経ることによりハニカム構造体を製造することができる。
また、本実施形態の製造方法により製造されるハニカム構造体の構成は、第一実施形態のハニカム構造体の構成と同様である。また、本実施形態の製造方法により製造されたハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置の構成は、第一実施形態の排ガス浄化装置の構成と同様である。
第三実施形態に係るハニカム構造体、排ガス浄化装置、及び、ハニカム構造体の製造方法では、第一実施形態と同様の作用効果を享受することができる。
以下、本発明の第三実施形態をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例3)
(1)まず、実施例1の(1)〜(5)の工程と同様にして、所定のセルの一方の端面側のみ封止された大きさが34.3mm×34.3mm×150mmのハニカム焼成体を作製
した。
(2)次に、実施例2の(2)の工程と同様にして、上記(1)の工程で作製したハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、この接着材ペーストを介して上記ハニカム焼成体16個を接着させ、さらに、180℃、20分間の加熱処理で接着材ペーストを固化させることにより、四角柱状のハニカム焼成体の集合体を作製した。
ここで、接着材ペーストとしては、平均粒径0.6μmの炭化ケイ素粒子30.0重量%、シリカゾル21.4重量%、カルボキシメチルセルロース8.0重量%、及び、水40.6重量%からなる接着材ペーストを使用した。
(3)次に、実施例2の(3)の工程と同様にして、各セルのいずれか一方の端部が封止されるように封止部を形成した。
ここで、封止部を形成するための封止材ペーストとしては、上記(2)の工程で用いた接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
(4)次に、実施例2の(4)の工程と同様にして、ハニカム焼成体の集合体の外周加工と、コート層の形成とを行い、外周にコート層が形成された直径143.8mm×長さ150mmの円柱状のハニカム構造体を製造した。
ここで、コート層を形成するためのコート材ペーストとしては、上記(2)の工程で使用した接着材ペーストと同一の組成のペーストを使用した。
このような実施例3で作製したハニカム構造体では、一方の端面側の封止部は焼成処理を経て形成されており、他方の端面側の封止部は焼成処理を経ずに形成されていることとなる。
また、本実施例で製造したハニカム構造体について、実施例1と同様の方法で、圧力損失、及び、再生限界値を測定したところ、それぞれ、2.5kPa及び7.9g/lであった。
このように、実施例3で作製したハニカム構造体の圧力損失及び再生限界値は、比較例1(従来の方法)で作製したハニカム構造体と同程度であった。
ここまで説明した第一〜第三の実施形態は、ハニカム構造体の製造方法が異なるものの、製造されるハニカム構造体、及び、このハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置は、同様の構成を備えることとなる。
そして、各実施形態に係るハニカム構造体の製造方法の工程は、図7に示す通りである。
図7は、第一〜第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法における工程図である。
図7に示すように、第一〜第三の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法では、ハニカム焼成体を切断するタイミング、ハニカム焼成体を複数個結束させるタイミング、及び、切断して得たハニカム焼成体のセルに封止材ペーストを充填するタイミングが異なることとなる。
(第四実施形態)
第一〜第三の実施形態に係るハニカム構造体において、各セルのハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の形状は、全て同一で、かつ、4角形であるが、本発明の実施形態のハニカム構造体において、各セルのハニカム焼成体の長手方向に垂直な断面の形状は、例えば、8角形と4角形であってもよい。
図8(a)は、本発明の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のB−B線断面図である。
図8(a)、(b)に示したハニカム焼成体70は、多数のセル71a、71bがセル壁73を隔てて長手方向(図8(a)中、矢印bの方向)に並設されており、セル71a、71bはいずれか一方の端部が封止部により封止されている。具体的には、セル71aは、排ガスの流入側の端部が未焼成の封止部(第二の封止部)72aで封止されており、セル71bは、排ガスの流出側の端部が焼成された封止部(第一の封止部)により封止されている。
ここで、セル71aの上記長手方向に垂直な断面の形状は4角形であり、セル71bの上記長手方向に垂直な断面の形状は8角形である。
従って、ハニカム焼成体70に形成された複数のセルは、上記長手方向に垂直なセルの断面が相対的に大きい大容積セルと相対的に小さい小容積セルとからなり、上記大容積セルには、上記第一の封止部が形成され、上記小容積セルには、上記第二の封止部が形成されていることとなる。
ハニカム焼成体70においても、セル71bに流入した排ガスは、必ずセル壁73を通過した後、セル71aから流出するようになっている。
従って、ハニカム焼成体70でも、セル壁73がPM等を補集するためのフィルタとして機能する。
そして、ハニカム焼成体70は、排ガス流入側が開口したセル(断面の形状が8角形のセル71b)の容積が、排ガス流出側が開口したセル(断面の形状が4角形のセル71a)の容積に比べて大きいため、圧力損失を上昇を抑えつつ、多量のPMを捕集するのに適している。
また、ハニカム焼成体が、上記大容積セルと上記小容積セルとを備える場合、上記大容積セル及び上記小容積セルの上記断面の形状の組合せは、8角形と4角形とに限定されるわわけではなく、断面積が異なる2種類の4角形の組合せ等、任意の形状の組合せであればよい。
(その他の実施形態)
第一〜第四の実施形態のハニカム構造体の製造方法では、四角柱状のハニカム焼成体を複数個結束させて、ハニカム焼成体の集合体を作製した後、切削加工を施してハニカムブロックを作製しているが、本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法では、予め、所定の形状で作製したハニカム焼成体を複数個結束してハニカムブロックとしてもよい。
図9(a)〜(c)は、本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法で作製するハニカム焼成体の別の一例を模式的に示す斜視図である。
即ち、図9(a)〜(c)に示したような、複数のセル221、231、241がセル壁223、233、243を隔てて形成されたハニカム焼成体220、230、240を所定の個数ずつ結束させてハニカムブロックとしてもよい。
なお、図2に示したハニカムブロック15を作製する場合は、ハニカム焼成体220、240をそれぞれ4個、ハニカム焼成体230を8個使用すればよい。
ここまで説明した本発明の実施形態に係るハニカム構造体では、ハニカム構造体に触媒を担持させることは記載していないが、本発明の実施形態では、ハニカム構造体に触媒を担持させてもよい。
そして、ハニカム構造体に触媒を担持させることにより、触媒が担持されたハニカム構造体や、このハニカム構造体を用いた排ガス浄化装置では排ガスに含有されるCO、HC及びNOx等の有害成分を浄化することができる。また、担持させた触媒により、PMの燃焼温度を低下させることもできる。
上記触媒としては、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、それらの酸化物等を含む触媒が挙げられる。そして、これらの触媒は、比表面積の高いアルミナ等からなる酸化物膜の表面に付与されてハニカム構造体に担持されていることが望ましい。
本発明の実施形態で使用する封止材ペーストが少なくとも無機粒子と無機バインダとを含むペーストである場合、無機粒子としては、例えば、炭化物粒子、窒化物粒子等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素粒子が望ましい。
また、無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
また、上記封止材ペーストは、さらに無機繊維及び/又はウィスカを含んでいてもよく、この場合、無機繊維及び/又はウィスカとしては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。無機繊維及び/又はウィスカのなかでは、アルミナファイバが望ましい。
また、上記封止材ペーストについては既に説明したように、ハニカム焼成体を押出成形にて作製する際に使用する湿潤混合物と略同一の組成を有するものであってもよい。
そして、焼成処理を経ることなく形成した封止部の形成に使用する封止材ペーストは、前者(少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む封止材ペースト)が望ましく、焼成処理を経て形成した封止部の形成に使用する封止材ペーストは、後者(湿潤混合物と略同一の組成のペースト)が望ましい。
ただし、前者の封止材ペーストを焼成処理を経て形成する封止部の材料として用いてもよいし、後者の封止材ペーストを焼成処理を経ることなく形成する封止部の材料として用いてもよい。
また、第一〜第四の実施形態では、焼成処理を経ることなく形成した封止部、接着材層及びコート層は全て略同一の組成のペーストを使用して形成することとしているが、これらは必ずしも略同一でなくてもよい。
本発明の実施形態のハニカム構造体の形状は、図2に示した円柱状に限定されるものではなく、楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状であればよい。
本発明の実施形態に係るハニカム焼成体の気孔率は特に限定されないが、35〜60%であることが望ましい。
上記ハニカム焼成体の平均気孔径は5〜30μmであることが望ましい。
なお、上記気孔率及び気孔径は、例えば、水銀圧入法、アルキメデス法、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定等の従来公知の方法により測定することができる。
本発明の実施形態のハニカム焼成体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他の構成材料の主成分として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等も構成材料の主成分として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
特に、炭化ケイ素を60wt%以上含むケイ素含有炭化ケイ素質セラミックが望ましい。
本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法において、押出成形する湿潤混合物に含まれるセラミック粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程を経て作製されたハニカム焼成体の大きさが、脱脂されたハニカム成形体の大きさに比べて小さくなる場合が少ないものが好ましい。
例えば、1.0〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
本発明の実施形態のハニカム構造体の製造方法において、押出成形する湿潤混合物に含まれる有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
また、上記湿潤混合物に含まれる可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記湿潤混合物に含まれる潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
上記潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、湿潤混合物に含まれていなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等が挙げられる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、第一〜第四の実施形態では、複数個のハニカム焼成体を結束させる際に、各ハニカム焼成体の側面に接着材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体を順次積層する方法を採用している。しかしながら、複数個のハニカム焼成体を結束させる際には、例えば、ハニカム焼成体間のスペースを確保するために、ハニカム焼成体の表面に空隙保持材を貼り付け、空隙保持材を介して複数個のハニカム焼成体を組み合わせた後、ハニカム焼成体間の空隙に接着材ペーストを注入する方法を用いて、ハニカム焼成体を結束させてもよい。
また、第一〜第四の実施形態において、ハニカムブロックは複数個のハニカム焼成体が結束されているが、本発明の実施形態のハニカム構造体及び排ガス浄化装置では、必ずしもハニカムブロックが複数個のハニカム焼成体から構成されている必要はなく、ハニカムブロックが1個のハニカム焼成体から構成されていてもよい。
そして、このようなハニカムブロックが1個のハニカム焼成体から構成されたハニカム構造体を製造する際には、湿潤混合物を押出成形する工程において、長手方向に垂直な断面の形状が、ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面と略同一のハニカム成形体を作製すればよい。
10 ハニカム構造体
11 接着材層
12 コート層
15 ハニカムブロック
20 ハニカム焼成体
21 セル
22a 未焼成の封止部(第二の封止部)
22b 焼成された封止部(第一の封止部)
23 セル壁

Claims (22)

  1. 複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、前記セルのいずれか一方の端部が封止材ペーストにより形成された封止部により封止された柱状のハニカム焼成体からなるハニカムブロックを備えたハニカム構造体であって、
    前記封止部のうち、前記ハニカム焼成体の一方の端面側の封止部は焼成された第一の封止部であり、前記ハニカム焼成体の他方の端面側の封止部は未焼成の第二の封止部であることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記未焼成の第二の封止部は、加熱処理により固化された封止部である請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記第二の封止部は、少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む封止材ペーストを用いて形成されている請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ハニカムブロックは、複数個のハニカム焼成体が接着材層を介して結束されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  5. 前記第二の封止部の組成は、前記接着材層の組成と略同一である請求項4に記載のハニカム構造体。
  6. 前記ハニカムブロックは、1個のハニカム焼成体からなる請求項1〜3のいずれかに記載のハニカム構造体。
  7. 前記ハニカムブロックの外周部にコート層が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
  8. 前記第二の封止部の組成は、前記コート層の組成と略同一である請求項7に記載のハニカム構造体。
  9. 前記第一の封止部の組成は、前記ハニカム焼成体の組成と略同一である請求項1〜8のいずれかに記載のハニカム構造体。
  10. 前記ハニカム焼成体に形成された複数のセルは、前記長手方向に垂直なセルの断面が相対的に大きい大容積セルと相対的に小さい小容積セルとからなり、
    前記大容積セルには、前記第一の封止部が形成され、
    前記小容積セルには、前記第二の封止部が形成されている請求項1〜9のいずれかに記載のハニカム構造体。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のハニカム構造体が、保持シール材を介して金属容器内に配置された排ガス浄化装置であって、
    前記ハニカム構造体が、前記第一の封止部が形成された端面側が排ガス流出側、前記第二の封止部が形成された側が排ガス流入側となるように配置されていることを特徴とする排ガス浄化装置。
  12. セラミック原料を成形することにより、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を作製する工程と、
    前記ハニカム成形体の両端部の所定箇所のセルが封止されるように封止材ペーストを充填する工程と、
    このハニカム成形体に焼成処理を施して、第一の封止部が形成されたハニカム焼成体を作製する工程と、
    少なくとも1つの前記ハニカム焼成体からなるハニカムブロックを作製する工程とを含み、
    さらに、前記第一の封止部が所定箇所に形成されたハニカム焼成体を切断する工程と、
    切断された前記ハニカム焼成体の前記第一の封止部が形成された側と反対側の端部の所定箇所のセルに封止材ペーストを充填し、加熱処理を施して前記封止材ペーストを固化して第二の封止部を形成する工程とを含むことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  13. 前記第一の封止部が形成されたハニカム焼成体を作製する工程を行った後、前記ハニカム焼成体を切断する工程を行い、
    前記第二の封止部を形成する工程を行った後、前記ハニカムブロックを作製する工程を行う請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法。
  14. 前記ハニカムブロックは、1つのハニカム焼成体で作製する請求項12又は13に記載のハニカム構造体の製造方法。
  15. 前記ハニカムブロックは、複数個のハニカム焼成体を接着材層を介して結束して作製する請求項12又は13に記載のハニカム構造体の製造方法。
  16. 前記第一の封止部が形成されたハニカム焼成体を作製した後、複数の前記ハニカム焼成体を接着材層を介して結束させて、両端部に前記第一の封止部が形成されたハニカムブロックを作製し、
    次に、この接着材層を介して結束されたハニカムブロックを切断した後、前記ハニカムブロックの前記第一の封止部が形成された側と反対側の端部に、前記第二の封止部を形成する工程を行う請求項12に記載のハニカム構造体の製造方法。
  17. 前記第二の封止部の組成は、前記接着材層の組成と略同一である請求項15又は16に記載のハニカム構造体の製造方法。
  18. 前記ハニカム焼成体は、複数のセルが、前記長手方向に垂直なセルの断面が相対的に大きい大容積セルと相対的に小さい小容積セルとからなるように形成し、
    前記大容積セルには、前記第一の封止部を形成し、
    前記小容積セルには、前記第二の封止部を形成する請求項12〜17のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  19. 前記ハニカムブロックを形成する工程を行った後、さらに、前記ハニカムブロックの外周にコート材ペーストを塗布し、その後、前記コート材ペーストを固化させることによりコート層を形成する工程を行う請求項12〜18のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  20. 前記第二の封止部の組成は、前記コート層の組成と略同一である請求項19に記載のハニカム構造体の製造方法。
  21. 前記第二の封止部を形成する封止材ペーストは、少なくとも無機粒子と無機バインダとを含む請求項12〜20のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  22. 前記第一の封止部の組成は、前記ハニカム焼成体の組成と略同一である請求項12〜21のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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