JP4753784B2 - ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置 - Google Patents

ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4753784B2
JP4753784B2 JP2006124039A JP2006124039A JP4753784B2 JP 4753784 B2 JP4753784 B2 JP 4753784B2 JP 2006124039 A JP2006124039 A JP 2006124039A JP 2006124039 A JP2006124039 A JP 2006124039A JP 4753784 B2 JP4753784 B2 JP 4753784B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
honeycomb
honeycomb structure
gravity
center
curve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006124039A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007054822A (ja
Inventor
一茂 大野
雅文 国枝
和丈 尾久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP2006124039A priority Critical patent/JP4753784B2/ja
Publication of JP2007054822A publication Critical patent/JP2007054822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4753784B2 publication Critical patent/JP4753784B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

本発明は、ハニカム構造体及び排気ガス浄化装置に関する。
従来、一般に自動車排ガス浄化に用いられるハニカム触媒は一体構造で低熱膨張性のコージェライト質ハニカム構造体の表面に活性アルミナ等の高比表面積材料と白金等の触媒金属を担持することにより製造されている。また、リーンバーンエンジンおよびディーゼルエンジンのような酸素過剰雰囲気下におけるNOx処理のためにNOx吸蔵剤としてBa等のアルカリ土類金属を担持している。
ところで、浄化性能をより向上させるためには、排ガスと触媒貴金属およびNOx吸蔵剤との接触確率を高くする必要がある。そのためには、担体をより高比表面積にして、貴金属の粒子サイズを小さく、かつ、高分散させる必要がある。しかし、単純に活性アルミナ等の高比表面積材料の担持量が増やすことのみではアルミナ層の厚みの増加を招くのみであり、接触確率を高くすることにつながらなかったり、圧力損失が高くなりすぎてしまったりするといった不具合も生じてしまうため、セル形状、セル密度、および壁厚等が工夫されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、高比表面積材料からなるハニカム構造体として、無機繊維及び無機バインダとともに押出成形したハニカム構造体が知られている(例えば、特許文献2参照)。さらに、このようなハニカム構造体を大型化するのを目的として、接着層を介して、ハニカムユニットを接合したものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、アルミナ等の高比表面積材料は、熱エージングによって、焼結が進行し、比表面積が低下し、さらに、担持されている白金等の触媒金属はそれに伴い、凝集し粒径が大きく、比表面積が小さくなる。つまり、熱エージング後に、より高比表面積であるためには、初期の段階においてその比表面積を高くする必要がある。また、上述したように、浄化性能をより向上させるためには、排ガスと触媒貴金属およびNOx吸蔵剤との接触確率を高くすることが必要である。つまり、担体をより高比表面積にして、触媒金属の粒子を小さく、かつより高分散させることが重要であるが、特許文献1に記載されているようなコージェライト質ハニカム構造体の表面に活性アルミナ等の高比表面積材料と白金等の触媒金属を担持したものでは、排ガスとの接触確率を高くすべく、セル形状、セル密度、および壁厚等を工夫し、触媒担体を高比表面積化したが、それでも十分大きくはなく、そのため、触媒金属が十分高分散されず、熱エージング後の排ガスの浄化性能が不足した。
なお、上記熱エージングとは、触媒担体として使用する際の熱に起因する熱エージング及び熱による加速試験等を行った際の熱エージングの両方を意味する。
そこで、この不足を補うために、触媒金属を多量に担持することや、触媒担体自身を大型化することで解決しようとしてきた。しかし、白金等の貴金属は非常に高価であり、限られた貴重な資源である。また、自動車に設置する場合、その設置スペースは非常に限られたものであるためどちらも適当な手段であるとはいえなかった。
さらに、高比表面積材料を無機繊維及び無機バインダとともに押し出し成形する特許文献2に記載のハニカム構造体は、基材自体が高比表面積材料からなるため、担体としても高比表面積であり、十分に触媒金属を高分散させることが可能であるが、基材のアルミナ等は比表面積を保つためには、十分に焼結させることができず、基材の強度は非常に弱いものであった。
さらに、上述したように自動車用に用いる場合、設置するためのスペースは非常に限られたものである。そのため、単位体積当たりの担体の比表面積を上げるためにセル壁を薄くする等の手段を用いるが、そうすることにより、基材の強度はいっそう弱いものとなった。また、アルミナ等は、熱膨張率が大きいこともあり、焼成(仮焼)時、および使用時に熱応力によって容易にクラックが生じてしまう。これらを考えると、自動車用として利用した場合、使用時に急激な温度変化による熱応力や大きな振動等の外力が加わるため、容易に破損し、ハニカム構造体としての形状を留めることができず、触媒担体としての機能を果たすことができないといった問題があった。
さらに、特許文献3に記載されている自動車用触媒担体では、ハニカム構造体を大型化することを目的としているため、ハニカムユニットの断面積が、200cm以上のものが示されているが、急激な温度変化による熱応力さらに大きな振動等が加わるような状況で使用した場合には、上述したように容易に破損し、形状を留めることができず、触媒担体としての機能を果たすことができないといった問題があった。
また、排気ガス浄化装置では、ハニカム構造体がマット状保持シール材を介して内燃機関の排気通路に接続されたケーシング内に設置され、内燃機関より排出された排気ガスは、このハニカム構造体内を通過することとなる。
しかしながら、上述した構成の排気ガス浄化装置において、マット状保持シール材を介してケーシング内に設置されたハニカム構造体は、通常、その外周面にシール材層が形成されており、その長手方向に垂直な断面形状が略真円に近いものであった。そのため、排気ガスの流入量が多くなることによりハニカム構造体の排気ガス流入側端面にかかる圧力が高くなった場合や、ケーシングが高温に加熱されてハニカム構造体よりも大きく膨張することにより上記ケーシング内でのマット状保持シール材によるハニカム構造体の握持力が低下した場合に、ケーシング内でハニカム構造体の位置ズレが発生することがあった。
このようにケーシング内でハニカム構造体の位置ズレが発生すると、ハニカム構造体の長手方向と排気ガスの流通方向とが非平行となって、ハニカム構造体とケーシングとが接触し、ハニカム構造体にクラックが発生することがあった。また、マット状保持シール材がハニカム構造体の排気ガス流入側端面に垂れ下がり、ハニカム構造体の排気ガス流入側端面に露出したセルを塞いでしまい、排気ガスの浄化効率が低下してしまうこともあった。
そこで、ケーシング内でハニカム構造体の位置ズレが発生することを防止するために、マット状保持シール材を介してケーシング内にハニカム構造体を配置する際、該ハニカム構造体の外周に相当な圧力を加えながら上記ケーシング内に設置する方法も考えられる。しかしながら、このような方法では、上記マット状保持シール材による圧力により上記ハニカム構造体にクラックが発生したり、作業が困難となって生産性が低下し、経済的に不利となったりすることがあった。
これに対して、断面形状を真円から偏平状態にして、真円度を調整することにより、ハニカム構造体の保持力を向上させるハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献4参照)。また、外周に凹凸を形成することによって、真円度を調整したハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献5参照)。これらのハニカム構造体では、排気ガス浄化装置としてマット状保持シール材を介してケーシング内に設置する際、上記マット状保持シール材が上記ハニカム構造体の外周部分の凹部分を充填するように食い込むため、上記ハニカム構造体の上記ケーシング内における握持力が向上し、該ケーシング内で上記ハニカム構造体の位置ズレは殆ど発生せず、ハニカム構造体の保持安定性を向上させることができるものであった。
しかしながら、ハニカムブロックにシール材層(コート層)を形成させたハニカム構造体において、単純に外部に凹凸層を形成させたりすることで、外周部を調整して保持力を向上させても、使用時の熱応力等によって、クラックが入ることがわかった。
これに対して、セルの斜めの部分の接合層を厚く設定することにより、アイソスタティック強度を上昇させたハニカム構造体が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
しかしながら、特許文献6に記載のハニカム構造体は、シール材層(コート層)を形成した後のハニカム構造体の外表面に凹凸がない。ところが凹凸がない場合には、位置に関係なく、シール材層の厚さによっては、クラックが生じることがわかった。
特開平10−263416号公報 特開平5−213681号公報 DE4341159号公報 特開2003−262118号公報 特開2001−329836号公報 特開2003−260322号公報
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、熱衝撃や振動に対して強く、高い強度を有し、熱応力が発生してもクラックが生じることがなく、その外周面から高い圧力が加えられた場合であっても、容易にクラックが生じたり破壊されたりすることがなく耐久性に優れ、加えて、触媒成分を高分散させることができるハニカム構造体と、このハニカム構造体を用いた排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
本発明のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを含んでなる柱状のハニカムブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体であって、
上記ハニカム構造体及び上記ハニカムブロックの外周面には凹凸が形成されており、
上記ハニカムユニットは、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなり、
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc1、
重心c1を有する、上記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c1との距離をD1、
重心c1を有する、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c1との距離をD2、
M1=D1−D2と定義した際に、
0.3mm≦M1であり、かつ、
上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc2、
重心c2を有する、上記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c2との距離をD3、
重心c2を有する、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c2との距離をD4、
M2=D3−D4と定義した際に、
0.5mm≦M2≦7.0mm
であることを特徴とする。
上記ハニカム構造体において、上記M1は、3.0mm以下であることが望ましい。
また、上記ハニカム構造体では、重心c1と重心c2とが一致しないことが望ましく、重心c1と重心c2との距離は、0.1〜10.0mmであることが望ましい。
上記ハニカム構造体においては、最小二乗曲線の重心c2を、上記ハニカムブロックの長手方向に少なくとも3点求めた際、これらの重心c2が、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していないことが望ましく、最小二乗曲線の重心c1を、上記ハニカム構造体の長手方向に少なくとも3点求めた際、重心c1が、上記ハニカム構造体の長手方向に平行な直線上に存在していないことが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記ハニカムブロックは、複数個のハニカムユニットを結束することによって構成されてなることが望ましい。
この場合、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積は、5〜50cmであることが望ましい。また、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積の総和は、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積の85%以上を占めることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト及びゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記無機繊維及び/又はウィスカは、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種であることが望ましい。
上記ハニカム構造体において、上記ハニカムユニットは、上記無機粒子と上記無機繊維及び/又はウィスカと無機バインダとを含む混合物を用いて製造されており、
上記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種であることが望ましい。
上記ハニカム構造体は、触媒が担持されていることが望ましく、上記触媒は、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び、酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが望ましい。
本発明の排気ガス浄化装置は、本発明のハニカム構造体がマット状保持シール材を介して内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置されたことを特徴とする。
上記排気ガス浄化装置において、上記マット状保持シール材は、無膨張セラミック繊維質マットであることが望ましい。
本発明のハニカム構造体は、熱衝撃に対する強度が高く(耐久性が大きく)、その外周面から高い圧力が加えられた場合であっても、容易にクラックが生じたり破壊されたりすることがなく耐久性に優れたものとなる。
また、ハニカムユニットが、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなるため、無機粒子によって比表面積が向上し、無機繊維及び/又はウィスカによってハニカムユニットの強度が向上し、本発明のハニカム構造体を触媒コンバータとして特に好適に用いることができる。
また、重心c1と重心c2とが一致しないハニカム構造体(以下、重心不一致型ハニカム構造体という)では、押し抜き強度が高く、排気ガス浄化装置として、マット状保持シール材等を介してケーシング内に組み付けられ、長時間触媒コンバータやハニカムフィルタとして使用した場合(熱衝撃を受けた場合)であっても、がたつきが生じることがなく、耐久性に優れたものとなる。
さらに、最小二乗曲線の重心c2を、上記ハニカムブロックの長手方向に少なくとも3点求めた際、これらの重心c2が、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していないハニカム構造体、又は、最小二乗曲線の重心c1を、上記ハニカム構造体の長手方向に少なくとも3点求めた際、重心c1が、上記ハニカム構造体の長手方向に平行な直線上に存在していないハニカム構造体(以下、微小彎曲型ハニカム構造体という)では、押し抜き強度と耐久性とに優れたハニカム構造体となる。
本発明の排気ガス浄化装置は、本発明のハニカム構造体を用いてなるため、本発明のハニカム構造体の効果を享受することができるとともに、長時間使用してもハニカム構造体のがたつきが生じることのない、熱衝撃に対する強度に優れたものとすることができる。
以下、本発明のハニカム構造体及び排気ガス浄化装置について図面を参照しながら説明する。
初めに、本発明のハニカム構造体について説明する。
本発明のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを含んでなる柱状のハニカムブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体であって、
上記ハニカム構造体及び上記ハニカムブロックの外周面には凹凸が形成されており、
上記ハニカムユニットは、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなり、
上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc1、
重心c1を有する、上記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c1との距離をD1、
重心c1を有する、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c1との距離をD2、
M1=D1−D2と定義した際に、
0.3mm≦M1であり、かつ、
上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc2、
重心c2を有する、上記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c2との距離をD3、
重心c2を有する、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c2との距離をD4、
M2=D3−D4と定義した際に、
0.5mm≦M2≦7.0mm
であることを特徴とする。
本発明のハニカム構造体は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを含んでなる柱状のハニカムブロックを有して構成されているが、上記ハニカムブロックは、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して結束されることにより構成されていてもよく(以下、上記構造のハニカムブロックを含むハニカム構造体(ブロック)を集合体型ハニカム構造体(ブロック)ともいう)、全体が一体として焼結形成されたセラミック部材から構成されていてもよい(以下、上記構造のハニカムブロックを含むハニカム構造体(ブロック)を一体型ハニカム構造体(ブロック)ともいう)。
本発明のハニカム構造体において、ハニカムブロックが上記集合体型ハニカムブロックである場合、セル壁は、ハニカムユニットのセルを隔てるセル壁と、ハニカムユニットの外壁及びハニカムユニット間のシール材層(好ましくは接着剤としても機能する)とから構成されており、一方、上記ハニカムブロックが上記一体型ハニカムブロックである場合、一種類のセル壁のみにより構成されている。
図1は、本発明のハニカム構造体に用いられる集合体型ハニカムブロックの一例を模式的に示した斜視図であり、図2(a)〜(c)は、図1に示したハニカムブロックを構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。
図1に示したように、本発明のハニカム構造体10は、その形状が異なる複数の多孔質セラミックからなるハニカムユニット20、200、210がそれぞれシール材層11を介して結束されて略円柱形状のハニカムブロックを構成しており、図1には示していないが、上記ハニカムブロックの外周面には凹凸が形成されている。
このようなハニカム構造体10を構成するハニカムユニット20は、図2(a)に示したように、その長手方向に多数のセル21がセル壁22を隔てて並設された断面視略正方形の角柱状である。
また、ハニカムユニット200は、図2(b)に示したように、その長手方向に多数のセル201がセル壁202を隔てて並設され、その外周の一部が切除された断面視略扇型の柱状であり、上記外周の切除された部分にセル201の一部が露出している。即ち、ハニカムユニット200の外周面の一部分には、上記露出したセル201により溝状の凹凸が形成されている。
また、ハニカムユニット210は、図2(c)に示したように、その長手方向に多数のセル211がセル壁212を隔てて並設され、その外周の一の角部付近が切除された柱状であり、上記外周の切除された部分にセル211の一部が露出している。即ち、ハニカムユニット210の外周面の一部分には、上記露出したセル211により溝状の凹凸が形成されている。
上述した構造のハニカムユニット20、200及び210がシール材層11を介して組み合わされることによりハニカム構造体のハニカムブロック10は構成されているが、角柱状のその外周面に凹凸を有しないハニカムユニット20は、上記ハニカムブロックの中心付近に位置しており、その外周面に溝状の凹凸を有するハニカムユニット200及びハニカムユニット210は、上記ハニカムブロックの外周付近に位置している。
即ち、ハニカム構造体10において、上記ハニカムブロックの外周面に形成された溝状の凹凸は、ハニカムユニット200及びハニカムユニット210を構成するセルの一部が削除され、残った部分が外周面に露出したものである。
図3は、本発明のハニカム構造体に用いられる一体型ハニカムブロックの一例を模式的に示した斜視図である。
このハニカムブロックは、多数のセル31がセル壁32を隔てて長手方向に並設された一のハニカムユニットからなる略円柱状のハニカムブロックを構成しており、該ハニカムブロックの外周面には凹凸33が形成されている。
このような構造のハニカム構造体30において、上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸33は、図1及び図2に示したハニカム構造体10の場合と同様に、ハニカムブロックを構成するセル31の一部が削除され、残った部分が外周面に露出したものである。
このように本発明のハニカム構造体は、集合体型ハニカム構造体又は一体型ハニカム構造体のいずれの場合であっても、ハニカムブロックの外周面に凹凸が形成されている。
本発明者らの研究によると、従来は、このようなハニカム構造体には、シール材層を設けることで、全体外周を均一にさせて、円柱の側面には溝上の凹凸をなくして平坦にさせてきたが、ハニカム構造体の熱衝撃試験等を行うと、ハニカム構造体の外周面に凹凸(望ましくは、長手方向全ての断面において効果を及ぼすことができるように溝状の凹凸)を残した場合において、ハニカムブロックの凹凸状態のバランスが悪くなると、熱衝撃性が悪化することが判明した。この理由は明確ではないが、以下の通りであると考えられる。
即ち、ハニカム構造体は中心から外周部に向って、均等に熱の放出が起こるが、表面に凹凸があると、表面の表面積が向上することにより、冷却効果が生まれ、急激な温度衝撃が引きおこりやすくなる。また、より、微視的にみて、凸部の頂点が凹部の谷部分と比較して熱衝撃を受けやすくいと考えられる。
また、このとき、ハニカムユニットとシール材層(コート層)は、材料が異なったり、密度等が異なることによって、全く同じ物性値を示さないために、その部分にも熱の応力が生じると考えられる。
上述した2つの箇所の凹凸の状況を変更させることによって、それぞれの熱応力による内部の歪みを緩和させることができるのではないかと考えられる。
以下、本発明のハニカム構造体やハニカムブロックの外周面に形成された凹凸について説明する。
なお、ハニカム構造体においては、ハニカムブロックにシール材層(コート層)を形成した後に同様の測定をすればよいので、以下にハニカムブロックの測定に限定して説明をする。勿論、ハニカムブロックの測定は、ハニカム構造体の製造工程中に測定を行えばよいが、製造後であれば、シール材層(コート層)を加工、研磨等によって除去した後ハニカムブロック部分において同様の測定を行えばよい。
本発明のハニカム構造体に用いるハニカムブロックにおいて、上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸の大きさを求めるには、まず、上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面(以下、単にハニカムブロックの断面ともいう)の輪郭上の点を10箇所以上測定することにより得られる上記輪郭上の点の位置データを2次元座標上にプロットする。
図4(a)は、上記ハニカムブロックの断面の輪郭上の点についての位置データを2次元座標軸上にプロットし、描かれる曲線の一例を示した図である。
図4(a)に示したように、上記輪郭上の点について測定した位置データを2次元座標軸上にプロットすると、上記ハニカムブロックの断面と略同形状の屈曲部を有する曲線40が描かれる。
なお、図4(a)に示した曲線40は、図1に示したハニカム構造体10のハニカムブロックの断面の輪郭上の点についての位置データを2次元座標軸上にプロットした図であり、2次元座標軸は省略している。
本発明のハニカム構造体において、上記輪郭上の点についての位置データは、10箇所以上測定する。測定する位置データの数が10箇所未満であると、上記2次元座標軸上に描かれる曲線の形状が、上記ハニカムブロックの断面形状と大きく異なることとなり、正確に上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸のばらつきを求めることができなくなる。
測定する位置データの数は、10箇所以上であれば特に限定されないが、100箇所以上であることが望ましい。上記2次元座標軸上に描かれる曲線の形状が実際のハニカムブロックの断面形状に近くなるからである。
また、測定する上記輪郭上の点は、上記輪郭上で等間隔であることが望ましい。より正確なハニカムブロックの外周面の凹凸のばらつきを測定することができるからである。
上記輪郭上の点の位置データを2次元座標軸上にプロットする際には、市販されている三次元測定機を用いることができる。
上記三次元測定機としては特に限定されず、例えば、ミツトヨ社製の「LEGEXシリーズ」、「FALCIO−APEXシリーズ」、「Bright−Apexシリーズ」、「MACHシリーズ」、「CHNシリーズ」、「BH−Vシリーズ」等が挙げられる。
次に、上記輪郭上の点についての位置データを用いた最小二乗法により最小二乗曲線を上記2次元座標軸上に描き、その重心c2を求める。
次に、重心c2を有する、上記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と、重心c2を有する、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線とを求める。
同心最小外接曲線、同心最大内接曲線は、円に限られず、楕円でもよく、そのほかの曲線であってもよい。また、同心最小外接曲線と同心最大内接曲線とは、重心c2を共有する相似形となる。
なお、円であれば、JIS B 0621の真円度を求める方法に準拠すればよい。
図4(b)は、図4(a)に示した位置データを用いて最小二乗法により描いた最小二乗曲線と、同心最小外接曲線と、同心最大内接曲線と、重心c2との一例を示した図であり、2次元座標軸は省略している。
図4(b)に示したように、最小二乗曲線41は、図4(a)に示した曲線40よりも滑らかな凹凸を有するものであり、重心c2からより大きな距離の同心最小外接曲線42とより小さな距離の同心最大内接曲線43との間に構成されている。
ここで、同心最小外接曲線42と同心最大内接曲線43とは、上述のように、重心c2からみて同心曲線であり、具体的には、同心最小外接曲線42は、その線上に最小二乗曲線41の凸部分の少なくとも一部が存在し、最小二乗曲線41の他の部分が同心最小外接曲線の内部に存在する重心c2からみて距離が最小の曲線であり、同心最大内接曲線43は、その線上に最小二乗曲線41の凹部の少なくとも一部が存在し、最小二乗曲線41のその他の部分が同心最大内接曲線の外側に存在する重心c2からみて距離が最大の曲線である。
本発明では、上述した最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c2との距離D3(図中、A参照)、及び、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c2との距離D4(図中、B参照)を測定するとともに、D3−D4=M2を計算する。
本発明のハニカム構造体のハニカムブロックでは、M2によって、上述ハニカムブロックの外表面に形成された凹凸の大きさを代表することができる。
また、本発明では、ハニカム構造体についても、全く同様に、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc1とする。そして、重心c1を有する、上記最小二乗曲線の同心最小外接曲線を求め、該同心最小外接曲線と重心c1との距離をD1とする。また、重心c1を有する、上記最小二乗曲線の同心最大内接曲線を求め、該同心最大内接曲線と重心c1との距離をD2とするとともに、D1−D2=M1を計算する。
本発明のハニカム構造体においては、M1は0.3mm以上である。
M1が0.3mm未満であると、上記ハニカム構造体の外周面には殆ど凹凸が形成されていないこととなり、係るハニカム構造体は、上述したような、熱応力の問題が生じない。
M1は、3.0mm以下であることが望ましい。M1が3.0mmを超えると、上記ハニカム構造体の外周面に形成された凹凸が大きく、このようなハニカム構造体は、上述したように、上記ハニカムブロックの外周面の凸部に熱応力によるクラックや欠けが発生しやすくなってしまう。
また、本発明のハニカム構造体の用いられるハニカムブロックにおいては、0.5mm≦M2≦7.0mmである。
M2が0.5mm未満であると、上記ハニカムブロックの外周面には殆ど凹凸が形成されていないこととなり、係るハニカムブロックとシール材層(コート層)との間に、熱応力が生じて、クラックが生じると考えられる。
一方、M2が7.0mmを超えると、上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸が大きく、このようなハニカム構造体は、係るハニカムブロックとシール材層(コート層)との間に、熱応力が生じて、クラックが生じると考えられる。
このように、本発明のハニカム構造体は、ハニカムブロックの外周面には、所定の大きさの凹凸が形成されている。上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸は、図1〜3に示したハニカム構造体のように、ハニカムブロックを構成するセルの一部が削除され、残った部分が外周面に露出したものであってもよいが、例えば、図5(a)及び(b)に示したハニカム構造体50及びハニカム構造体500のように、ハニカムブロックの外周面に、階段状の凹凸が形成されていてもよい。
なお、図5(a)は、集合体型ハニカムブロック50の別の一例を模式的に示した正面図であり、(b)は、一体型ハニカムブロック500の別の一例を模式的に示した正面図である。
図5(a)及び(b)に示したハニカムブロック50、及び、ハニカムブロック500は、ハニカムブロックの外周面付近に形成されたセルを含む全てのセルの断面形状が略正方形であり、上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸は、上記ハニカムブロックの外周面付近のセルの断面形状に沿って階段状に形成されている。
このようなハニカムブロック50及び500は、ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸の形状が異なるほかは、図1に示したハニカム構造体10、及び、図3に示したハニカム構造体30と略同様の構造となっている。
本発明のハニカム構造体を構成するハニカムユニットは、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなるものである。
上記無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライト等からなる粒子が望ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。これらのなかでは、アルミナからなる粒子が特に望ましい。
上記無機繊維やウィスカとしては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム等からなる無機繊維やウィスカが望ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記無機繊維や上記ウィスカの望ましいアスペクト比(長さ/径)は、望ましい下限が2であり、より望ましい下限が5であり、さらに望ましい下限が10である。一方、望ましい上限は、1000であり、より望ましい上限は800であり、さらに望ましい上限は500である。
上記ハニカムユニットに含まれる上記無機粒子の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。
一方、望ましい上限は97重量%であり、より望ましい上限は90重量%であり、さらに望ましい上限は80重量%であり、特に望ましい上限は75重量%である。
無機粒子の含有量が30重量%未満では、比表面積の向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体としての比表面積が小さく、触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。一方、97重量%を超えると強度向上に寄与する無機繊維及び/又はウィスカの量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体の強度が低下することとなる。
上記ハニカムユニットに含まれる上記無機繊維及び/又はウィスカの合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は70重量%であり、より望ましい上限は50重量%であり、さらに望ましい上限は40重量%であり、特に望ましい上限は30重量%である。
無機繊維及び/又はウィスカの合計量が3重量%未満ではハニカム構造体の強度が低下することとなり、50重量%を超えると比表面積向上に寄与する無機粒子の量が相対的に少なくなるため、ハニカム構造体としての比表面積が小さく触媒成分を担持する際に触媒成分を高分散させることができなくなる場合がある。
また、上記ハニカムユニットは、上記無機粒子と上記無機繊維及び/又はウィスカと無機バインダとを含む混合物を用いて製造されていることが望ましい。
このように無機バインダを含む混合物を用いることにより、生成形体を焼成する温度を低くしても十分な強度のハニカムユニットを得ることができる。
上記無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。
これらのなかでは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種が望ましい。
上記無機バインダの量は、後述する製造工程で調整する原料ペーストの固形分として、その望ましい下限は、5重量%であり、より望ましい下限は、10重量%であり、さらに望ましい下限は15重量%である。一方、望ましい上限は、50重量%であり、より望ましい上限は、40重量%であり、さらに望ましい上限は、35重量%である。
上記無機バインダの含有量が50重量%を超えると成型性が悪くなる。
また、本発明のハニカム構造体が図1に示した集合体型ハニカム構造体である場合、複数のハニカムユニットは、接着剤として機能するシール材層を介して結束されているが、該シール材層(接着剤層)を構成する材料としては特に限定されず、例えば、無機バインダと、無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等を挙げることができる。また、必要に応じて、有機バインダが配合されたものも用いることができる。
なお、上述した通り、本発明のハニカム構造体のハニカムブロックの外周面のシール材層(コート層)を構成する材料は、上記シール材層(接着剤層)と同じ材料からなるものであってもよく、異なる材料からなるものであってもよい。さらに、上記シール材層(接着剤層)とシール材層(コート層)とが同じ材料からなるものである場合、その材料の配合比は同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバー、シリカ−アルミナファイバーが望ましい。上記無機繊維の繊維長の下限値は、5μmが望ましい。また、上記無機繊維の繊維長の上限値は、100mmが望ましく、100μmがより望ましい。5μm未満であると、シール材層の弾性を向上させることができない場合があり、一方、100mmを超えると、無機繊維が毛玉のような形成をとりやすくなるため、無機粒子との分散が悪くなることがある。また、100μmを超えると、シール材層の厚さを薄くすることが困難になる場合がある。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素等からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化珪素が望ましい。
また、本発明のハニカム構造体が、上述したような集合型のハニカム構造体の場合、すなわち、ハニカムブロックが複数個のハニカムユニットを結束して構成されている場合、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積は、望ましい下限が5cmであり、より望ましい下限が6cmであり、さらに望ましい下限が8cmである。一方、望ましい上限は50cmであり、より望ましい上限は40cmであり、さらに望ましい上限は30cmである。
5cm未満では、複数個のハニカムユニットを接合するシール材層の断面積が大きくなるため触媒を担持する比表面積が相対的に小さくなるとともに、圧力損失が相対的に大きくなってしまうことがあり、断面積が50cmを超えると、ユニットの大きさが大きすぎ、それぞれのハニカムユニットに発生する熱応力を十分に抑えることができないことがある。
一方、ハニカムユニットの断面積が5〜50cmであれば、ハニカム構造体に対するシール材層の占める割合を調整させることが可能になる。このことによって、ハニカム構造体の単位体積あたりの比表面積を大きく保つことができ、触媒成分を高分散させることが可能となるとともに、熱衝撃や振動などの外力が加わってもハニカム構造体としての形状を保持することができる。また、圧力損失が小さくなることからも断面積は5cm以上であることが望ましい。
本明細書において、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積とは、ハニカム構造体が上記断面積の異なる複数のハニカムユニットを含むときには、ハニカム構造体を構成する基本ユニットとなっているハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積をいい、通常、上記断面積が最大のハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積をいう。
また、集合型ハニカム構造体では、複数のハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して接合した構造をとるため、熱衝撃や振動に対する強さをより高めることができる。
この理由としては、急激な温度変化等によってハニカム構造体に温度分布がついた場合にもそれぞれのハニカムユニットあたりにつく温度差を小さく抑えることができるためであると推察される。あるいは、熱衝撃や振動をシール材層によって緩和可能となるためであると推察される。また、このシール材層は、熱応力等によってハニカムユニットにクラックが生じた場合においても、クラックがハニカム構造体全体に伸展することを防ぎ、さらにハニカム構造体のフレームとしての役割をも担い、ハニカム構造体としての形状を保ち、触媒担体としての機能を失わないことになると考えられる。
また、上記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積の総和は、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積の85%以上を占めることが望ましく、90%以上占めることがより望ましい。
85%未満では、シール材層の断面積が占める割合が大きくなり、ハニカムユニットの総断面積が減るので、触媒を担持する比表面積が相対的に小さくなるとともに、圧力損失が相対的に大きくなってしまうからである。
また、90%以上では、より圧力損失を小さくすることができる。
本発明のハニカム構造体の気孔中には、排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒が担持されていてもよい。
このような触媒が担持されていることで、本発明のハニカム構造体は、排気ガスに含有される上記CO、HC及びNOx等を浄化するための触媒コンバータとして機能する。
上記触媒としては特に限定されず、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、酸化物等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記貴金属からなる触媒は、所謂、三元触媒であり、このような三元触媒が担持された本発明のハニカム構造体は、従来公知の触媒コンバータと同様に機能するものである。従って、ここでは、本発明のハニカム構造体が触媒コンバータとしても機能する場合の詳しい説明を省略する。
但し、本発明のハニカム構造体に担持させることができる触媒は、上記貴金属に限定されることはなく、排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒であれば、任意のものを担持させることができる。
以上、説明したように、本発明のハニカム構造体は、ハニカムブロックの外周面に所定の大きさに制御された凹凸が形成されているため、熱衝撃に強いものになる。その外周面から高い圧力が加えられた場合であっても、容易にクラックが生じたり破壊されたりすることがなく耐久性に優れたものとなる。
また、ハニカム構造体を構成するハニカムユニットが、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなるため、無機粒子によって比表面積が向上し、無機繊維及び/又はウィスカによってハニカムユニットの強度が向上することとなる。
このような本発明のハニカム構造体は、触媒コンバータ等に好適に用いることができる。
本発明のハニカム構造体では、重心c1と重心c2とは一致しないものであることが望ましい。上述したように、このハニカム構造体を、重心不一致型ハニカム構造体ということとする。
この重心不一致型ハニカム構造体では、微小彎曲型ハニカム構造体、すなわち、ハニカムブロックの最小二乗曲線の重心c2を、上記ハニカムブロックの長手方向に少なくとも3点求めた際、これらの重心c2が、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していないか、又は、ハニカム構造体の最小二乗曲線の重心c1を、上記ハニカム構造体の長手方向に少なくとも3点求めた際、重心c1が、上記ハニカム構造体の長手方向に平行な直線上に存在していないハニカム構造体を製造しやすくなる。
また、この重心不一致型ハニカム構造体が排ガス浄化装置として用いられる場合においては、保持耐久性が増す。このメカニズムは定かではないが、重心不一致型ハニカム構造体ではフィルタの中央部分から、周辺部分に熱伝達が起こる場合において、部分的に熱伝達が良い場所と悪くなる箇所が生じる。そのため、熱伝達が高い箇所の保持マットは、熱によって疲労、腐食、結晶化等が起こって、保持力が悪くなるが、逆方向は相対的に保持力が保たれる。そのため、熱疲労を受けた箇所に圧縮力がかかって、押しぬき荷重の減少が防止されると考えられる。
なお、c1−c2の距離は、0.1〜10.0mmが好ましい。0.1mm未満では、同心状となっているので、押し抜き強度は大きくならない。一方、c1−c2の距離が10.0mmを超えると、温度分布が逆向きになってしまうので、保持力が逆転してしまう。
図6(a)は、微小彎曲型ハニカム構造体に用いられるハニカムブロックの一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示したハニカム構造体のA、B及びCにおけるハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が描く断面曲線を模式的に示した斜視図である。
図6(a)に示したように、微小彎曲型ハニカム構造体60は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニット65がシール材層(接着剤層)61を介して複数個結束された柱状のハニカムブロックを含んで構成されている。即ち、微小彎曲型ハニカム構造体60は、図1に示したハニカム構造体10と略同様の構造であり、集合体型ハニカム構造体である。
微小彎曲型ハニカム構造体において、ハニカムブロックの外周面には、凹凸が形成されている。
上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸は、本発明のハニカム構造体において、図2(a)〜(c)や図5(a)、(b)を用いて説明したように、上記ハニカムブロックを構成するセルの一部が削除され、残った部分が外周面に露出したものであってもよく、階段状に形成されていてもよい。
また、上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸の大きさは、本発明のハニカム構造体と同様となるように制御されていることが望ましい。ハニカム構造体のアイソスタティック強度が優れたものとなるからである。
微小彎曲型ハニカム構造体では、上述したように、ハニカムブロックの最小二乗曲線(以下、断面曲線ともいう)の重心c2を、上記ハニカムブロックの長手方向に少なくとも3点求めた際、これらの重心c2が、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していないハニカム構造体や、ハニカム構造体の最小二乗曲線の重心c1を、上記ハニカム構造体の長手方向に少なくとも3点求めた際、重心c1が、上記ハニカム構造体の長手方向に平行な直線上に存在していないハニカム構造体である。
即ち、図6(b)に示したように、ハニカム構造体60のハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により求めた最小二乗曲線の重心c2−1、c2−2及びc2−3は、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線L上に存在していない。
本発明者らの研究によると、ハニカム構造体の押し抜き強度は、ハニカム構造体のハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が描く断面曲線の重心の位置に大きく関係しており、上記ハニカム構造体の押し抜き強度は、上記ハニカムブロックにおける一の断面曲線の重心c2と他の断面曲線の重心c2とが、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線に対して所定の範囲内でばらついているときに優れたものとなることが判明した。
ここで、「ハニカム構造体の押し抜き強度」とは、所定の部材でハニカムブロックの外周面全体が握持されることにより保持固定された状態のハニカム構造体が、その一方の端面側から加えられる圧力等の外力に対して、ズレを発生させることなく抗することのできる限界の強度のことをいう。
この理由は、明確ではないが、以下の通りであると考えられる。
即ち、所定の部材でハニカム構造体の外周面全体が握持されることにより保持固定された状態のハニカム構造体は、その一方の端面に圧力等の外力が加えられると、その内部に上記外力に起因した応力が上記ハニカムブロックの一方の端面から他方の端面に向けて発生する。
このとき、上記ハニカムブロックにおける一の断面曲線の重心と他の断面曲線の重心とが上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していると、上記ハニカムブロックに生じた応力が、上記ハニカムブロックの一方の端面から他方の端面に向けて真っ直ぐに伝わるため、ハニカム構造体と該ハニカム構造体を握持する部材との間に働く力が大きくなり、その結果、ハニカム構造体の押し抜き強度が低くなると考えられる。
一方、上記ハニカムブロックにおける一の断面曲線の重心c2と他の断面曲線の重心c2とが上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していないと、上記ハニカムブロックに生じた応力は、ハニカムブロックの一方の端面から他方の端面に向けて伝わる際に分散され、ハニカム構造体と該ハニカム構造体を握持する部材との間に働く力が小さくなり、その結果、ハニカム構造体の押し抜き強度が高くなると考えられる。
微小彎曲型ハニカム構造体の押し抜き強度を上述したように高いものとするためには、上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面曲線の重心のばらつきを所定の範囲に制御する必要がある。
以下、上記断面曲線の重心のばらつきについて、図6(a)及び(b)に示したハニカム構造体60等を用いて詳述する。
即ち、微小彎曲型ハニカム構造体におけるハニカムブロックの長手方向に垂直な断面曲線の重心c2のばらつきを求めるには、まず、微小彎曲型ハニカム構造体60の断面曲線Aにおける重心c2−1の位置データと、断面曲線Bにおける重心c2−2の位置データと、断面曲線Cにおける重心c2−3の位置データとをそれぞれ求め、これらの重心c2−1、c2−2及びc2−3の位置データから求められる図示しない最小二乗直線を描く。
上記断面曲線の重心c2の位置データを求める方法としては特に限定されず、例えば、上述した三次元測定機により測定することができる。
また、求める断面曲線の重心c2の位置データの数としては、3箇所以上であれば特に限定されない。測定する断面曲線の重心c2のデータが3箇所未満であると、上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面曲線の相似の中心を示す最小二乗直線を描くことができないからである。
なお、測定する断面曲線の相似の中心の位置データは、3箇所以上であれば特に限定されないが、5箇所以上であることが望ましく、上記ハニカムブロックの長手方向に等間隔に求めることが望ましい。より正確なハニカムブロックの長手方向に垂直な断面曲線の重心のばらつきを求めることができるからである。
次に、断面曲線Aにおける重心c2−1と上記最小二乗直線との距離r、断面曲線Bにおける重心c2−2と上記最小二乗直線との距離r、及び、断面曲線Cにおける重心c2−3と上記最小二乗直線との距離rをそれぞれ求める。これらr〜rは、各重心c2−1〜c2−3から上記最小二乗直線へ引いた垂線の長さにより決定される。
次に、断面曲線Aにおける重心c2−1から断面曲線Aの最外点までの距離D3−1、断面曲線Bにおける重心c2−2から断面曲線Bの最外点までの距離D3−2、及び、断面曲線Cにおける重心c2−3から断面曲線Cの最外点までの距離D3−3をそれぞれ求める。
上記ハニカム構造体では、それぞれの重心と上記断面曲線の最外点との距離に対する、上記重心の位置データに基づいて最小二乗法により描いた最小二乗直線と上記重心との距離の比が0.1〜3%にあることが望ましい。
即ち、ハニカム構造体60において、D3−1に対するr、D3−2に対するr及びD3−3に対するrが、それぞれ0.1〜3%にあることが望ましい。0.1%未満であると、ハニカムブロックに長手方向に垂直な断面曲線の重心に殆どばらつきがないこととなり、ハニカム構造体の押し抜き強度が低くなることがあり、一方、3%を超えると、ハニカムブロックの面厚の不均等が大きくなり、例えば、上記ハニカム構造体を排気ガス浄化装置として用いるためにマット状保持シール材を介してケーシング内に設置すると、使用するに従ってがたつきが生じてしまい、却って押し抜き強度が低くなり、耐久性に劣ることがある。さらに、ケーシング内に設置すること自体が困難となる。
上記微小彎曲型ハニカム構造体のその他の構成や該ハニカム構造体を構成する材料等は、上述した本発明のハニカム構造体において、集合体型ハニカム構造体として説明したものと同様のものが挙げられるため、ここではその詳しい説明を省略する。
なお、重心不一致型ハニカム構造体や微小彎曲型ハニカム構造体も上述した本発明のハニカム構造体と同様に、排気ガス浄化用ハニカムフィルタや触媒コンバータとして機能するようにしてもよい。
以上、説明したように、微小彎曲型ハニカム構造体は、ハニカムブロックの外周面に凹凸が形成され、該ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が描く断面曲線の重心と、上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が描く他の断面曲線の重心とが、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在せず、そのばらつきも所定の範囲に制御されているため、押し抜き強度とともに耐久性に優れたものとなる。
従って、例えば、微小彎曲型ハニカム構造体を排気ガス浄化装置として、マット状保持シール材等を介してケーシング内に設置し、ハニカム構造体の一方の端面側から排気ガス等による圧力が加えられた場合であっても、上記ハニカム構造体が上記ケーシング内でズレてしまうことは殆どない。
このような微小彎曲型ハニカム構造体も触媒コンバータ等として好適に用いることができる。
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体は、例えば、下記の製造方法(第一の製造方法)により製造することができる。
第一の製造方法は、上記ハニカムユニットを構成するセラミック材料を含むセラミック成形体を乾燥させることにより得られたセラミック乾燥体の外周加工を行い、その形状が異なる複数種類のセラミック乾燥体を作製する工程を含むことを特徴とするものである。
第一の製造方法では、まず、上記ハニカムユニットを構成するセラミック材料を含む混合組成物を調製し、該混合組成物を用いて押出成形を行うことにより角柱形状のセラミック成形体を作製するセラミック成形体作製工程を行う。
上記混合組成物としては、上記無機粒子、並びに、上記無機繊維及び/又は上記ウィスカを必ず含み、さらにこれらに加えて、上述した無機バインダや、有機バインダ、分散媒、成形助剤等が適宜添加されたものを用いることができる。
上記有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いて良いし、2種以上併用してもよい。
上記有機バインダの配合量は、上記無機粒子、上記無機繊維、上記ウィスカ及び上記無機バインダの合計、100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。分散媒は、上記混合組成物の粘度が一定範囲内となるように、適量配合する。
上記成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
上記ハニカム構造体の製造方法では、これらの原料を、ミキサやアトライタ等で混合したり、ニーダー等で充分に混練したりすることにより、混合組成物を調製する。
また、上記混合組成物は、製造後のハニカム構造体の気孔率が20〜80%程度となるものが望ましい。
上記混合組成物を用いて押出成形を行うことにより角柱形状で複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状成形体を作製し、この成形体を所定の長さに切断することにより図2(a)に示したハニカムユニット20と略同形状の角柱形状のセラミック成形体を作製する。
次に、上記セラミック成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機及び凍結乾燥機等を用いて乾燥させてセラミック乾燥体とする。
次に、上記セラミック乾燥体の外周加工を行い、その形状が異なる複数種類のセラミック乾燥体を作製する外周加工工程を行う。具体的には、図2(b)及び(c)に示したハニカムユニット200及び210と略同形状のセルとなる部分の一部が削除され、残った部分が外周面に露出することにより凹凸が形成されたセラミック乾燥体を作製する。
後述する焼成工程を経てその形状の異なる複数種類のハニカムユニットを製造し、続くブロック作製工程において、これら形状の異なる複数種類のハニカムユニットを組み合わせて接着し、その外周面に凹凸を有する略円柱形状のハニカムブロックを作製するためである。
上記セラミック乾燥体の外周加工方法において、その形状が異なる複数種類のセラミック乾燥体を作製する方法としては特に限定されず、例えば、特開2000−001718号公報に開示された、一端部に砥石が形成され、その内径がハニカムブロックの外径と略同じ大きさに調整された円筒形状の切削部材を、円筒の中心を回転軸として回転させながら角柱形状のセラミック乾燥体の一方の端面側からその外周の一部を切削するように長手方向に移動させる方法や、特開2000−001719号公報に開示された、円板形状の台金部の外周部を含む部分に砥石が配設された切削部材を、台金部の中心を回転軸として回転させながら角柱形状のセラミック乾燥体の外周に接触させ、該切削部材をセラミック乾燥体の長手方向に移動させることで外周の一部を切削する方法等が挙げられる。
上記外周加工工程において、上記セラミック乾燥体の外周面の一部に形成する凹凸の大きさは、目的とするハニカム構造体の大きさにより適宜決定されるが、後述するハニカムブロック作製工程を経て作製されるハニカムブロックの外周面に形成される凹凸の大きさが、上述した本発明のハニカム構造体におけるハニカムブロックの外周面に形成された凹凸の大きさと同じとなるように調整する。
なお、後述するコート層形成工程を行う場合、ハニカムブロック作製工程にて作製されるハニカムブロックの外周面に形成される凹凸の大きさが、本発明のハニカム構造体におけるハニカムブロックの外周面に形成された凹凸よりも大きくなるような凹凸を上記セラミック乾燥体の外周面に形成しておき、続く上記コート層形成工程で上記ハニカムブロックの外周面に形成されるコート層により、上記外周面に形成された凹凸の大きさを調整してもよい。
次に、上記形状の異なる複数種類のセラミック乾燥体を加熱して、上記セラミック乾燥体に含まれるバインダを除去し、セラミック脱脂体とする脱脂処理を施す。
上記セラミック乾燥体の脱脂工程は、通常、セラミック乾燥体を脱脂用治具に載置した後、脱脂炉に搬入し、おおよそ400℃で2時間程度に加熱することにより行う。これにより、上記バインダ等の大部分が揮散するとともに、分解、消失する。
そして、上記セラミック脱脂体を、600〜1200℃で加熱することで焼成し、セラミック粉末を焼結させてハニカムユニットを製造する焼成工程を行う。
焼成温度が600℃未満では、セラミック粒子など焼結が進行せず、ハニカム構造体としての強度が低くなる場合があり、1200℃を超えると、セラミック粒子などの焼結が進行しすぎて単位体積あたりの比表面積が小さくなり、触媒を担持させた際に、触媒成分を充分に高分散させることができなくなる場合があるからである。
なお、より望ましい焼成温度は、600〜1000℃である。
なお、脱脂工程から焼成工程に至る一連の工程では、焼成用治具上に上記セラミック乾燥体を載せ、そのまま、脱脂工程及び焼成工程を行うことが好ましい。脱脂工程及び焼成工程を効率的に行うことができ、また、載せ代え等において、セラミック乾燥体が傷つくのを防止することができるからである。
次に、上記製造したその形状の異なる複数種類のハニカムユニットをシール材(接着剤)ペーストを介して組み合わせ、略円柱形状のハニカムブロックを作製するハニカムブロック作製工程を行う。
このハニカムブロック作製工程においては、例えば、刷毛、スキージ、ロール等を用いて、ハニカムユニットの2つの側面の略全面にシール材(接着剤)ペースト塗布し、所定の厚さのシール材(接着剤)ペースト層を形成する。
そして、このシール材(接着剤)ペースト層を形成してから、他のハニカムユニットを接着する工程を繰り返して行い、所定の大きさで図1に示したハニカム構造体10ような円柱状のセラミック積層体を作製する。
ここで、上記シール材(接着剤)ペースト層を介して接着されるハニカムユニットの数は、目的とするハニカムブロックの形状、大きさ等を考慮して適宜決定される。
なお、上記セラミック積層体の外周付近には、図2(b)及び(c)に示した形状のハニカムユニットを用い、上記セラミック積層体の外周付近以外の部分には、図2(a)に示した形状のハニカムユニットを用いることが望ましい。円柱形状のハニカムブロックを作製するためである。このようなセラミック積層体は、その外周面にセルの一部が切除され、残った部分が露出することにより凹凸が形成されている。
次に、このようにして作製したセラミック積層体を、例えば、50〜150℃、1時間の条件で加熱してシール材(接着剤)ペースト層を乾燥、硬化させ、シール材層(接着剤層)を形成し、ハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して複数個結束されたハニカムブロックを作製し、集合体型ハニカム構造体を製造する。
上記シール材(接着剤)ペーストを構成する材料としては、第一の本発明のハニカム構造体において説明したシール材層(接着剤層)を構成する材料と同様の材料が挙げられる。
また、上記シール材(接着剤)ペーストにより形成されたシール材層(接着剤層)中には、さらに少量の水分や溶剤等を含んでいてもよいが、このような水分や溶剤等は、通常、シール材(接着剤)ペーストを塗布した後の加熱等により殆ど飛散する。
この製造方法では、上記ハニカムブロックを作製した後、該ハニカムブロックの外周面にシール材層(コート層)を形成するシール材層(コート層)形成工程を行う。
また、シール材層(コート層)を形成した後、外周部分の加工を行うことにより、ハニカム構造体の外周面に形成された凹凸の大きさを制御する。
上記シール材層(コート層)を構成する材料としては特に限定されるものではないが、無機繊維、無機バインダ等の耐熱性の材料を含むものが好ましい。上記シール材層(コート層)は、上述したシール材層(接着剤層)と同じ材料により構成されていてもよい。
上記シール材層(コート層)を形成する方法としては特に限定されず、例えば、回転手段を備えた支持部材を使用し、上記ハニカムブロックをその回転軸方向に軸支、回転させ、上記シール材層(コート層)となるシール材(コート)ペーストの塊を、回転しているハニカムブロックの外周部に付着させる。そして、板状部材等を用いてシール材(コート材)ペーストを引き延ばし、シール材(コート材)ペースト層を形成し、この後、例えば、120℃以上の温度で乾燥させることにより、水分を蒸発させることで、ハニカムブロックの外周部にシール材層(コート層)を形成する方法を用いることができる。
以上説明したように、第一の製造方法よると、脆性材料であるセラミックに切削加工を施すことがないため、上記ハニカムブロックの外周に欠けを発生させることなく、その外周面に凹凸が形成され、複数のハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して結束された構造のハニカムブロックを含むハニカム構造体を製造することができる。
また、第一の製造方法によれば、外周加工工程においてセラミック乾燥体の外周面の一部に形成する凹凸の大きさを調整したり、シール材層(コート層)形成工程においてハニカムブロックの外周面形成するシール材層(コート層)の厚さを調整したりすることにより、ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸の大きさが所定の範囲に制御された本発明のハニカム構造体を製造することができる。
さらに、第一の製造方法では、上記外周加工工程にて予めその形状の異なる複数種類のセラミック乾燥体を作製しており、このようなセラミック乾燥体を用いて脱脂工程及び焼成工程を行うと、製造されるハニカムユニットには、多少の反りが発生する。そのため、上記ハニカムユニットの反りの向きや大きさをシール材層(接着剤層)の厚さ等により制御しながら製造されるハニカム構造体は、ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が形成する断面曲線の重心と、上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が形成する他の断面曲線の重心とが、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在しないこととなる。即ち、第一の製造方法によると、重心不一致型ハニカム構造体を製造することができる。
また、本発明のハニカム構造体は、以下に説明する製造方法(第二の製造方法)を用いて製造することもできる。
第二の製造方法は、複数種類の断面形状を有するセラミック成形体を押出成形法により作製する工程を含むことを特徴とするものである。
第二の製造方法では、まず、上記ハニカムユニットを構成するセラミック材料を含む混合組成物を調製し、該混合組成物を用いて複数種類の断面形状を有するセラミック成形体を作製するセラミック成形体作製工程を行う。
即ち、第二の製造方法では、上記混合組成物を押出成形することにより、角柱形状のセラミック成形体、及び、その外周面の一部に凹凸が形成されたセラミック成形体を作製する。
ここで、外周面の一部に凹凸が形成されたセラミック成形体の上記凹凸は、例えば、図2(a)〜(c)に示したハニカムユニット20、200、210のように、セルの一部が切除され、残った部分が外周面に露出したものであってもよいが、例えば、図5(a)に示したハニカム構造体50の外周付近を構成するハニカムユニットのように階段状に形成されたものであってもよい。
上記セラミック成形体の外周面の一部に形成される凹凸の大きさは、目的とするハニカム構造体の大きさにより適宜決定されるが、本製造方法において、セラミック乾燥体の外周面の一部に形成した凹凸と同じ大きさに制御することが望ましい。第二の製造方法により、アイソスタティック強度に優れる本発明のハニカム構造体を製造することができるからである。
その後、作製した上記複数種類の断面形状を有するセラミック成形体を用いて、第一の製造方法と同様の乾燥工程、脱脂工程、焼成工程及びハニカムブロック作製工程を行い、必要に応じてシール材層(コート層)形成工程を行うことにより、ハニカムブロックの外周面に凹凸が形成されたハニカム構造体を製造することができる。
以上説明したように、第二の製造方法よると、脆性材料であるセラミックに切削加工を施すことがないため、上記ハニカムブロックの外周に欠けを発生させることなく、その外周面に凹凸が形成され、複数のハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して結束された構造のハニカムブロックを含むハニカム構造体を製造することができる。
また、第二の製造方法によれば、セラミック成形体作製工程においてセラミック成形体の外周面の一部に形成する凹凸の大きさを調整したり、シール材層(コート層)形成工程においてハニカムブロックの外周面形成するシール材層(コート層)の厚さを調整したりすることにより、ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸の大きさが所定の範囲に制御された本発明のハニカム構造体を製造することができる。
さらに、第二の製造方法では、上記セラミック成形体作製工程にて予めその形状の異なる複数種類のセラミック成形体を作製しており、このようなセラミック成形体を用いて乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程を行うと、製造されるハニカムユニットには反りが発生する。そのため、上記ハニカムユニットの反りの向きや大きさをシール材層(接着剤層)の厚さ等により制御しながら製造されるハニカム構造体は、ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が形成する断面曲線の重心と、上記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が形成する他の断面曲線の重心とが、上記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在しないこととなる。即ち、第二の製造方法によると、微小彎曲型ハニカム構造体を好適に製造することができる。
ここまで、説明したハニカム構造体の製造方法は、集合型ハニカム構造体の製造方法であるが、上述したように、本発明のハニカム構造体は、一体型のハニカム構造体であってもよく、この場合、上述した製造方法において、セラミック材料を含む混合組成物を調製した後、所定の形状に押出成形し、さらに、乾燥、脱脂、焼成を行うことにより一体型ハニカムブロックとし、その後、その外周に所定のシール材層(コート層)を形成することにより製造することができる。
次に、本発明の排気ガス浄化装置について説明する。
本発明の排気ガス浄化装置は、上述した本発明のハニカム構造体がマット状保持シール材層を介して内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置されたことを特徴とするものである。
図7は、本発明の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図であり、図8(a)は、図7に示した排気ガス浄化装置におけるマット状保持シール材を巻き付けたハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その部分拡大断面図である。
図7に示したように、本発明の排気ガス浄化装置70は、主に、ハニカム構造体80、ハニカム構造体80の外方を覆うケーシング71、及び、ハニカム構造体80とケーシング71との間に配置されたマット状保持シール材72から構成されており、ケーシング71の排気ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管74が接続されており、ケーシング71の他端部には、外部に連結された排出管75が接続されている。なお、図7中、矢印は排気ガスの流れを示している。
なお、本発明の排気ガス浄化装置70において、ハニカム構造体80は、図1、図3及び図5に示したような本発明のハニカム構造体であってもよく、図6に示したような第二の本発明のハニカム構造体であってもよい。
本発明の排気ガス浄化装置70において、ハニカム構造体80のセル壁に排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化する所謂触媒コンバータとして機能する場合、ハニカム構造体80のセル壁の表面や気孔中には、上記排気ガス中のCO、HC及びNOx等を浄化することができる触媒が担持されている。
上記触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、酸化物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
即ち、この場合、排気ガス浄化装置70では、エンジン等の内燃機関から排出された排気ガスは、導入管74を通ってケーシング71内に導入され、ハニカム構造体80(触媒コンバータ)のセルを通る際、上記排気ガス中のCO、HC及びNOx等が触媒と接触し、浄化された後、排出管75を通って外部へ排出されることとなる。
本発明の排気ガス浄化装置70において、ハニカム構造体80(ハニカムブロック)は、図8(b)に示したように、その外周面に形成された凹凸部にシール材層(コート材層)701が形成され、その外周面にも凹凸が設けられ、マット上保持シール材72を介してケーシング71内に組み付けられている。
ハニカム構造体80がマット状保持シール材72により上記のように保持されることで、ハニカム構造体80とマット状保持シール材72との間には、所謂アンカー効果が得られ、使用中にハニカム構造体とマット状保持シール材との間に位置ズレが発生しにくくなり、本発明の排気ガス浄化装置の耐久性を向上させることができるとともに、排気ガスがハニカム構造体80の外周部分から排気ガスが漏出することを防止することもできる。
特に、本発明の排気ガス浄化装置におけるハニカム構造体が重心不一致型ハニカム構造体や微小彎曲型ハニカム構造体である場合、上述したように、重心不一致型ハニカム構造体や微小彎曲型ハニカム構造体は、その押し抜き強度が非常に優れたものであるため、導入管からケーシング内に流入した排気ガスによりハニカム構造体の一方の端面に大きな圧力が加わった場合であっても、該ハニカム構造体は、排気ガスの流通方向にズレることはなく、本発明の排気ガス浄化装置は、非常に耐久性に優れたものとなる。
なお、図8(b)において、ハニカム構造体80のハニカムブロックの外周面に形成された凹凸は、図5(a)に示したハニカム構造体50のように階段状であるが、上記ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸は、勿論図2又は図3に示したように、ハニカムブロックを構成するセルの一部が削除され、残った部分が外周面に露出したものであってもよい。
マット状保持シール材72は、ハニカム構造体80をケーシング71内で保持、固定するとともに、使用中のハニカム構造体80を保温する断熱材として機能する。
このようなマット状保持シール材72を構成する材料としては特に限定されず、例えば、結晶質アルミナ繊維、アルミナ−シリカ繊維、ムライト、シリカ繊維等の無機繊維や、これらの無機繊維を一種以上含む繊維等が挙げられる。
また、バーミキュライトを実質上含まない無膨張性マット、バーミキュライトを少量含む低膨張性マットが挙げられ、両者のうちでは、実質上バーミキュライトを含まない無膨張性マットが望ましい。
上記マット状保持シール材としては、無膨張セラミック繊維質マットが特に望ましい。
また、マット状保持シール材72には、アルミナ及び/又はシリカが含有されていることが望ましい。マット状保持シール材72の耐熱性及び耐久性が優れたものとなるからである。特に、マット状保持シール材72は、50重量%以上のアルミナが含有されていることが望ましい。900〜950℃程度の高温下であっても、弾性力が高くなり、ハニカム構造体80を保持する力が高まるからである。
また、マット状保持シール材72には、ニードルパンチ処理が施されていることが望ましい。保持シール材72を構成する繊維同士が絡み合い、弾性力が高くなり、ハニカム構造体80を保持する力が向上するからである。
このような材料からなるマット状保持シール材72は、図8(a)に示したように、ハニカム構造体80の外周面の略全体を覆うように巻き付けられていることが望ましい。ハニカム構造体80を均一に握持することができ、ハニカム構造体80の保持安定性に優れるからである。
以上、説明したように、本発明の排気ガス浄化装置は、本発明のハニカム構造体のハニカムブロックの外周面の凹部にマット状保持シール材が充填した状態でケーシング内に組み付けられているため、上記ハニカムブロックとマット状保持シール材との間には、所謂アンカー効果が生じ、上記ハニカム構造体の保持安定性が優れたものとなる。
従って、本発明の排気ガス浄化装置は、使用中にケーシング内に流入してくる排気ガスの圧力やハニカム構造体の温度上昇等によりマット状保持シール材によるハニカム構造体の握持力が低下したり、ハニカム構造体の位置ズレが生じたりすることがなく、耐久性に優れたものとなる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)γアルミナ粒子(平均粒径2μm)40重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm、アスペクト比10)10重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)50重量%を混合し、得られた混合物100重量部に対して有機バインダとしてメチルセルロース6重量部、可塑剤及び潤滑剤を少量加えて更に混合・混練して混合組成物を得た。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形を行い、生の成形体を得た。この生の成形体は、角柱状(34.3mm×34.3mm×300mm)、セル密度が31個/cm、セル壁の厚さが0.35mmである。
(2)次に、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて生の成形体を十分乾燥させてセラミック乾燥体とした後、円板形状の台金部の外周部を含む部分に砥石が配設された切削部材を用いてその外周の一部を切削する外周加工を行い、図2(b)及び図2(c)に示したような角柱の一部が切除され、その部分に貫通孔の一部が露出したセラミック乾燥体を作製した。
(3)400℃で2hr保持して脱脂した。その後、800℃で2hr保持して焼成を行い、その形状が異なる複数種類のハニカムユニットを得た。
このとき、製造するハニカムユニットに反りが発生することのないように、セラミック乾燥体の外周部分をセラミック乾燥体の外形と略同形状の保持部を有する固定治具で保持固定し、ゆっくりと昇温した。
なお、ハニカムユニットのセル壁の電子顕微鏡(SEM)写真を図9に示す。
このハニカムユニットは、原料ペーストの押出方向に沿ってシリカ−アルミナ繊維が配向していることがわかる。
(4)次に、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)29重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm)7重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)34重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%及び水25重量%を混合し耐熱性のシール材ペーストとした。このシール材ペーストを用いて上記複数種類のハニカムユニットを多数結束させ、その後上記シール材(接着剤)ペーストを乾燥させることにより、円柱形状のハニカムブロックを作製した。
このようにして製造したハニカムブロックについて、三次元測定機(ミツトヨ社製、BH−V507)を用いて、上記実施の形態において本発明のハニカム構造体で説明した方法により、M2を求めたところ、0.0mmであった。
そこで、ハニカムブロックの外周面に研作加工を加えてM2=0.5mmとした。
(5)次に、上記ハニカムブロックの外周面に上記シール材(接着剤)ペーストと同様の組成であって、該ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸に沿った形状のシール材層(コート層)を形成することで、多数の炭化珪素からなるハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して結束され、その外周面に凹凸が形成されたハニカムブロックを含んで構成されたハニカム構造体を製造した。
このようにして製造したハニカム構造体について、同様に三次元測定機を用いて、上記ハニカムブロックと同様の方法で、M1を求めたところ、凹凸がなく、0.0mmであった。
そのあとで、ハニカム構造体に凹凸を設けるようにシール材層(コート層)に加工を加え、M1=0.3mmとした。
なお、本実施例で製造したハニカム構造体について、ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積は、11.8cmであり、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積の総和は、上記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積の93.5%を占めている。
(実施例2〜11、参考例1〜4及び比較例1〜12)
実施例1と同様に、得られたハニカムブロックやハニカム構造体の加工を行い、表面の凹凸を調整することで、それぞれ、表1に記載のM1、M2の値を持つハニカム構造体(ハニカムブロック)を作製した。
なお、実施例10〜11では、シール材(接着剤)ペーストとして、繊維長20μmのアルミナファイバー30重量%、平均粒径0.6μmの炭化珪素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性のシール材(接着剤)ペーストを用いたほかは、実施例1と同様にしてハニカムブロックを作製して加工を行い、ハニカム構造体を製造して加工を行った。
また、比較例1では、得られたハニカムブロック、ハニカム構造体の加工を行わなかったほかは、実施例1と同様にしてハニカム構造体を製造した。
[評価試験1−熱衝撃試験]
実施例1〜11、参考例1〜4及び比較例1〜12に係るハニカム構造体を電気炉にいれて、20℃/分で目標温度に昇温させて、600℃又は800℃で1時間保持させた後に、常温に空冷した。その時のクラックの有無を目視で確かめた。その結果を表1に示す。
[評価試験2−押し抜き強度の測定]
実施例1〜11、参考例1〜4及び比較例1〜12に係るハニカム構造体の周囲に、厚さ7mmの無膨張性アルミナファイバマット(三菱化学製 マフテック)を巻き、金属製の円筒ケースにはめ込んだ後に、インストロンで押しぬき荷重をかけ、抜けが発生する強度を測定した。その結果を表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜11に係るハニカム構造体の押しぬき荷重はいずれも15kgを超える大きなものであり、実施例1〜11に係るハニカム構造体は、熱衝撃を加えた時でも、ハニカム構造体の外周面付近にクラック等は一切発生していなかった。
一方、比較例1〜12のハニカム構造体では、押し抜き荷重が低いものもあり、押し抜き荷重が高いものであっても、熱衝撃が弱いものであった。
(実施例12)
次に、ハニカムブロックの重心c2とハニカム構造体の重心c1との位置をずらせたハニカム構造体を製造した。
具体的には、実施例1と同様にして、M2=0.5mmであるハニカム構造体を製造し、その後、シール材層(コート層)の厚みバランスを変更させることによってM2=0.5mmのハニカム構造体を作製した。
(実施例13〜19及び参考例5〜6)
実施例12の場合と同様にシール材層(コート層)の厚みを変更させることによって、表2に記載のM1、M2、c1−c2を有するハニカムブロック、ハニカム構造体を製造した。なお、実施例18〜19では、実施例10〜11と同様のシール材(接着剤)ペーストを用い、表2に記載のM1、M2、c1−c2を有するハニカムブロック、ハニカム構造体を製造した。
実施例12〜19及び参考例5〜6に係るハニカム構造体を、実施例1〜11等の場合と同様に、アルミナマットで巻き金属ケースに入れた後、押しぬき荷重を加えた。
また、得られたハニカム構造体を電気炉で600℃、30時間、熱処理した上で、同様に押しぬき荷重を測定した。なお、表2に示す熱処理後強度減少率とは、熱処理前の押し抜き荷重に対する熱処理後の押し抜き荷重の割合を百分率で示したものである。
表2に示すように、実施例12〜19では、60%以上の強度減少率、すなわち熱処理後も60%以上の押し抜き強度を有していたが、参考例5、6では、強度減少率は60%をきるものであった。
なお、実施例1〜19、参考例1〜6及び比較例1〜12に係るハニカム構造体を製造する際、ハニカムブロックの外周面に欠けやクラック等が発生することはなかった。
(実施例20)
(1)γアルミナ粒子(平均粒径2μm)40重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm、アスペクト比10)10重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)50重量%を混合し、得られた混合物100重量部に対して有機バインダとしてメチルセルロース6重量部、可塑剤及び潤滑剤を少量加えて更に混合・混練して混合組成物を得た。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形を行い、生の成形体を得た。
この成形体の1つは、図2(a)に示したハニカムユニット20とほぼ同様の角柱であり、その大きさは35mm×35mm×300mmで、セル密度が31/cmで、セル壁の厚さが0.35mmであった。
また、上記混合組成物を用いて図2(b)及び図2(c)に示したような角柱の一部が切除され、その部分に貫通孔が露出したハニカムユニット200、210と略同形状のセラミック成形体も作製した。
(2)次に、マイクロ波乾燥機及び熱風乾燥機を用いて生の成形体を十分乾燥させてセラミック乾燥体とした後、400℃で2hr保持して脱脂した。その後、800℃で2hr保持して焼成を行い、その形状が異なる複数種類のハニカムユニットを得た。
上記セラミック乾燥体からハニカムユニットを製造する工程では、セラミック成形体は、特に反り状態が残った固定治具で保持固定して行い、得られたハニカムユニットには、反りを生じさせた。
(3)次に、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)29重量%、シリカ−アルミナ繊維(平均繊維径10μm、平均繊維長100μm)7重量%、シリカゾル(固体濃度30重量%)34重量%、カルボキシメチルセルロース5重量%及び水25重量%を混合し耐熱性のシール材ペーストとした。このシール材ペーストを用いて上記複数種類のハニカムユニットを多数結束させ、その後上記シール材(接着剤)ペーストを乾燥させることにより、円柱形状のハニカムブロックを作製した。
(4)次に、上記ハニカムブロックの外周面に上記シール材(接着剤)ペーストと同様の組成であって、該ハニカムブロックの外周面に形成された凹凸に沿った形状のシール材層(コート層)を形成することで、多数の炭化珪素からなるハニカムユニットがシール材層(接着剤層)を介して結束され、その外周面に凹凸が形成されたハニカムブロックを含んで構成されたハニカム構造体を製造した。
(実施例21〜27及び参考例7〜8)
実施例20の場合と同様にハニカムユニットに反りを生じさせることによって、最小二乗直線からのズレが表3に記載のハニカム構造体を製造した。なお、実施例26〜27では、シール材(接着剤)ペーストとして、繊維長20μmのアルミナファイバー30重量%、平均粒径0.6μmの炭化珪素粒子21重量%、シリカゾル15重量%、カルボキシメチルセルロース5.6重量%、及び、水28.4重量%を含む耐熱性のシール材(接着剤)ペーストを用いたほかは、実施例20と同様にして最小二乗直線からのズレが表3に記載のハニカム構造体を製造した。
このようにして製造した実施例20〜27及び参考例7、8に係るハニカム構造体について、三次元測定機(ミツトヨ社製、BH−V507)を用いて、上記実施の形態において第二の本発明のハニカム構造体で説明した方法により、ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面曲線における重心と該断面曲線の最外点との距離に対する、上記重心と最小二乗曲線との距離の比を上記ハニカムブロックの長手方向に平行で等間隔に5箇所について求めたところ、0.1であった。
実施例20〜27及び参考例7〜8に係るハニカム構造体を同様に、アルミナマットで巻き金属ケースに入れた後、押しぬき荷重を加えた。
そして、それを電気炉で600℃、30時間、熱処理した上で、同様に押しぬき荷重を測定した。
表3に示すように、実施例20〜27では、60%以上の強度減少率であったが、参考例7〜8では、強度減少率は60%を切るものであった。
本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 (a)〜(c)は、本発明のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。 本発明のハニカム構造体の別の一例を模式的に示した斜視図である。 (a)は、上記ハニカムブロックの断面の輪郭上の点についての位置データを2次元座標軸上にプロットし、描かれる曲線の一例を示した図であり、(b)は、(a)に示した位置データを用いて最小二乗法により描いた最小二乗曲線と、該最小二乗曲線について、JIS B 0621に準拠して真円度を求める際の最小領域を生成する二つの円との一例を示した図である。 (a)は、本発明のハニカム構造体における集合体型ハニカム構造体の別の一例を模式的に示した正面図であり、(b)は、一体型ハニカム構造体の別の一例を模式的に示した正面図である。 (a)は、本発明のハニカム構造体の他の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、(a)に示したハニカム構造体のA、B及びCにおけるハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭が描く断面曲線を模式的に示した斜視図である。 本発明の排気ガス浄化装置の一例を模式的に示した断面図である。 (a)は、図7に示した排気ガス浄化装置におけるマット状保持シール材を巻き付けたハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図であり、(b)は、その部分拡大断面図である。 実施例1に係るハニカムユニットのセル壁の電子顕微鏡(SEM)写真である。
符号の説明
10、30、50、60、500 ハニカム構造体
11、61 シール材層(接着剤層)
20、200、210、65 ハニカムユニット
21、31、201、211 貫通孔
22、32、202、212 セル壁

Claims (14)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設されたハニカムユニットを含んでなる柱状のハニカムブロックの外周部にシール材が設けられたハニカム構造体であって、
    前記多数のセルは、端部が封止されていない貫通孔であり、
    前記ハニカム構造体及び前記ハニカムブロックの外周面には凹凸が形成されており、
    前記ハニカムユニットは、無機粒子と、無機繊維及び/又はウィスカとを含んでなり、
    前記ハニカムユニットは、前記無機粒子と、前記無機繊維及び/又はウィスカとを含む材料を600〜1200℃で焼成されてなり、
    前記無機粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト及びゼオライトからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
    前記ハニカムブロックは、複数個のハニカムユニットを結束することによって構成されてなり、
    前記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積は、5〜50cm であり、
    前記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc1、
    重心c1を有する、前記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c1との距離をD1、
    重心c1を有する、前記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c1との距離をD2、
    M1=D1−D2と定義した際に、
    0.3mm≦M1であり、かつ、
    前記ハニカムブロックの長手方向に垂直な断面の輪郭を構成する点に基づき、最小二乗法により最小二乗曲線を求め、その重心をc2、
    重心c2を有する、前記最小二乗曲線の同心最小外接曲線と重心c2との距離をD3、
    重心c2を有する、前記最小二乗曲線の同心最大内接曲線と重心c2との距離をD4、
    M2=D3−D4と定義した際に、
    0.5mm≦M2≦7.0mm
    であることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記M1は、3.0mm以下である請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 重心c1と重心c2とが一致しない請求項1又は2に記載のハニカム構造体。
  4. 重心c1と重心c2との距離は、0.1〜10.0mmである請求項3に記載のハニカム構造体。
  5. 最小二乗曲線の重心c2を、前記ハニカムブロックの長手方向に少なくとも3点求めた際、これらの重心c2が、前記ハニカムブロックの長手方向に平行な直線上に存在していない請求項1〜4のいずれかに記載のハニカム構造体。
  6. 最小二乗曲線の重心c1を、前記ハニカム構造体の長手方向に少なくとも3点求めた際、重心c1が、前記ハニカム構造体の長手方向に平行な直線上に存在していない請求項1〜5のいずれかに記載のハニカム構造体。
  7. 前記ハニカムユニットの長手方向に垂直な断面における断面積の総和は、前記ハニカム構造体の長手方向に垂直な断面における断面積の85%以上を占める請求項1〜6のいずれかに記載のハニカム構造体。
  8. 前記無機粒子は、γ−アルミナ粒子である請求項1〜のいずれか記載のハニカム構造体。
  9. 前記無機繊維及び/又はウィスカは、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム及びホウ酸アルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜のいずれかに記載のハニカム構造体。
  10. 上記ハニカムユニットは、前記無機粒子と前記無機繊維及び/又はウィスカと無機バインダとを含む混合物を用いて製造されており、
    前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト及びアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも一種である請求項1〜のいずれかに記載のハニカム構造体。
  11. 触媒が担持されている請求項1〜10のいずれかに記載のハニカム構造体。
  12. 前記触媒は、貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及び、酸化物からなる群から選択された少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項11に記載のハニカム構造体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のハニカム構造体がマット状保持シール材を介して内燃機関の排気通路に接続するケーシング内に設置されたことを特徴とする排気ガス浄化装置。
  14. 前記マット状保持シール材は、無膨張セラミック繊維質マットである請求項13に記載の排気ガス浄化装置。
JP2006124039A 2005-06-24 2006-04-27 ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置 Expired - Fee Related JP4753784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006124039A JP4753784B2 (ja) 2005-06-24 2006-04-27 ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006519719 2005-06-24
JP2006519719 2005-06-24
JP2006124039A JP4753784B2 (ja) 2005-06-24 2006-04-27 ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007054822A JP2007054822A (ja) 2007-03-08
JP4753784B2 true JP4753784B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=37918752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006124039A Expired - Fee Related JP4753784B2 (ja) 2005-06-24 2006-04-27 ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4753784B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2796831C1 (ru) * 2022-07-28 2023-05-29 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Самарский государственный технический университет" Способ нейтрализации токсичных компонентов дымовых газов без введения внешнего реагента

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5478243B2 (ja) * 2007-03-26 2014-04-23 日本碍子株式会社 接合材組成物及びその製造方法並びに接合体及びその製造方法
WO2008126305A1 (ja) * 2007-03-30 2008-10-23 Ibiden Co., Ltd. 触媒担持体および排気ガス処理装置
WO2008146350A1 (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Ibiden Co., Ltd. ハニカム構造体及びハニカム構造体の製造方法
WO2009118814A1 (ja) * 2008-03-24 2009-10-01 イビデン株式会社 ハニカムフィルタ
JP5317958B2 (ja) 2008-05-20 2013-10-16 イビデン株式会社 ハニカム構造体及び排ガス浄化装置
CN101678348B (zh) * 2008-05-20 2012-07-18 揖斐电株式会社 蜂窝结构体
JP6219737B2 (ja) * 2014-02-04 2017-10-25 日本碍子株式会社 ハニカム構造体
WO2022176321A1 (ja) * 2021-02-16 2022-08-25 株式会社デンソー 電極付きハニカム基材

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329836A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Hitachi Metals Ltd セラミックハニカム構造体
JP2002070545A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Ibiden Co Ltd セラミックハニカム構造物の収容構造
JP2002273130A (ja) * 2001-03-22 2002-09-24 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体
JP2005118747A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Ibiden Co Ltd ハニカム構造体
JP2005125182A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体、その製造方法及びキャニング構造体

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2581774B2 (ja) * 1988-07-28 1997-02-12 日本碍子株式会社 セラミックハニカム構造体およびその製造法
JPH05213681A (ja) * 1992-01-31 1993-08-24 Kawata Mfg Co Ltd ハニカム状繊維強化セラミック体およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001329836A (ja) * 2000-05-23 2001-11-30 Hitachi Metals Ltd セラミックハニカム構造体
JP2002070545A (ja) * 2000-08-25 2002-03-08 Ibiden Co Ltd セラミックハニカム構造物の収容構造
JP2002273130A (ja) * 2001-03-22 2002-09-24 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体
JP2005118747A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Ibiden Co Ltd ハニカム構造体
JP2005125182A (ja) * 2003-10-22 2005-05-19 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体、その製造方法及びキャニング構造体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2796831C1 (ru) * 2022-07-28 2023-05-29 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Самарский государственный технический университет" Способ нейтрализации токсичных компонентов дымовых газов без введения внешнего реагента

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007054822A (ja) 2007-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4666390B2 (ja) ハニカム構造体、ハニカム構造体の製造方法及び排気ガス浄化装置
KR100736306B1 (ko) 벌집형 구조체 및 배기 가스 정화 장치
KR100736303B1 (ko) 벌집형 구조체
JP4753784B2 (ja) ハニカム構造体、及び、排気ガス浄化装置
EP2119487B1 (en) Honeycomb structure and method for manufacturing the same
JP5031562B2 (ja) ハニカム構造体
JP4815108B2 (ja) ハニカム構造体
JP5042633B2 (ja) ハニカム構造体
JP5091672B2 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
JP4532063B2 (ja) ハニカム構造体
JP4753785B2 (ja) ハニカム構造体
JPWO2006137157A1 (ja) ハニカム構造体
JPWO2006137158A1 (ja) ハニカム構造体
JPWO2008126307A1 (ja) 触媒担持体および触媒担持体の製造方法
JP2008272731A (ja) 触媒担持体
JP4753781B2 (ja) ハニカム構造体
JP4753783B2 (ja) ハニカム構造体
JP5138297B2 (ja) 触媒担持体
KR100607476B1 (ko) 벌집형 구조체 및 그 제조 방법
JP2010024072A (ja) ハニカム集合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110524

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4753784

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees