JP2001071368A - 人工石板の製造方法及び人工石板 - Google Patents

人工石板の製造方法及び人工石板

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JP2001071368A
JP2001071368A JP25476199A JP25476199A JP2001071368A JP 2001071368 A JP2001071368 A JP 2001071368A JP 25476199 A JP25476199 A JP 25476199A JP 25476199 A JP25476199 A JP 25476199A JP 2001071368 A JP2001071368 A JP 2001071368A
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slab
extruder
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JP25476199A
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English (en)
Inventor
Masaaki Fundou
正昭 分銅
Nobuhiko Yugawa
伸彦 湯川
Koji Takahata
耕治 高畠
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充分な基本性能を有し、しかも、意匠性に優
れ、高級感を有する人工石板を生産コストを抑制して製
造する方法を提供する。 【解決手段】 マトリックス樹脂及び充填剤を含むマト
リックス材と粒状天然石とを混練機中に投入して人工石
板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工石板用組成
物を金型にチャージして成形する成形工程、を含む人工
石板の製造方法であって、該混練機は、その内面が、ビ
ッカーズ硬度900以上のものである人工石板の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工石板の製造方
法、人工石板、混練機及び押出機に関する。
【0002】
【従来の技術】人工石板は、多数の粒状天然石をマトリ
ックス中に分散させた成形物であり、大理石、御影石等
の高級感あふれる天然石板と見紛うばかりの外観を有す
ることから、高級住宅建材として汎用されている。人工
石板は、天然石板とは異なり、耐熱性が優れ、圧縮強度
や曲げ強度等の強度、耐衝撃性及び表面硬度が高く、吸
水率が低く、傷つきにくいといった基本性能を有し、シ
ステムキッチン天板、カウンター、洗面化粧台、壁、
床、仕切り板等の用途に好適に用いられている。
【0003】このような人工石板は、マトリックス樹脂
及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを混練
して人工石板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工
石板用組成物を予備成形して得た人工石板用組成物予備
成形物を金型にチャージして成形する成形工程、により
板状成形物を得、更に、必要に応じて、この板状成形物
の表面を研磨する表面研磨工程を行うことにより得るこ
とができる。
【0004】特開平3−150244号公報では、熱硬
化性樹脂と、充填剤と、20mm以下の粒状天然石とを
含有するコンパウンドに対して硬化触媒、低収縮化剤、
25mm以下の繊維補強材及び増粘剤の群からなる添加
剤の少なくとも1種を含有した人工石板用組成物を予備
成形して得た人工石板用組成物予備成形物を成形し、硬
化して得られる人工石板が開示されている。この人工石
板は、熱硬化性樹脂、低収縮化剤、充填剤等が硬化して
マトリックスとなり、その中に粒状天然石を分散させた
成形物であり、人工石板用組成物予備成形物を成形する
にあたって、増粘剤を用いて人工石板用組成物予備成形
物の粘度を高めることにより、成形性を向上させて得ら
れたものである。
【0005】しかしながら、このような人工石板の製造
においては、ステンレス鋼材等で形成された一般的な混
練機を用いて混練を行うと、混練機の内面の摩耗が激し
くなり、混練機の使用寿命が短くなる。そのため、生産
コストが上昇するという問題がある。また、混練機が摩
耗されるときに金属の微粉が生じ、これが混練された人
工石板用組成物中に取り込まれ、この人工石板用組成物
を予備成形して得た人工石板用組成物予備成形物を成形
して得られる板状成形物が黒く汚れてしまい、得られる
人工石板の意匠性と高級感とが損なわれたものとなると
いう問題がある。更に、人工石板用組成物を押出機によ
り予備成形すると、押出機についても同様の問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、充分な基本性能を有し、し
かも、意匠性に優れ、高級感を有する人工石板を生産コ
ストを抑制して製造する方法を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、マトリックス
樹脂及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを
混練機中に投入して人工石板用組成物を得る混練工程、
並びに、上記人工石板用組成物を金型にチャージして成
形する成形工程、を含む人工石板の製造方法であって、
上記混練機は、その内面が、ビッカーズ硬度900以上
のものである人工石板の製造方法である。本発明はま
た、上記人工石板の製造方法により製造されてなる人工
石板でもある。
【0008】本発明はまた、ビッカーズ硬度900以上
である内面を有する上記人工石板の製造方法に用いる混
練機でもある。本発明はまた、ビッカーズ硬度900以
上である内面を有する上記人工石板の製造方法に用いる
押出機でもある。以下に本発明を詳述する。
【0009】本発明の人工石板の製造方法は、マトリッ
クス樹脂及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石
とを混練機中に投入して人工石板用組成物を得る混練工
程、並びに、上記人工石板用組成物を金型にチャージし
て成形する成形工程、を含むものである。
【0010】上記マトリックス材とは、人工石板のマト
リックスを形成するための組成物を意味し、上記組成物
は、後に詳述するように粒状天然石と混練された後に成
形されることによりマトリックスを形成するものであ
る。上記マトリックス材は、マトリックス樹脂と充填剤
とを含むものである。
【0011】上記マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂と
必要ならば低収縮化剤とを含むものである。上記熱硬化
性樹脂としては、成形材料として用いることができるも
のであれば特に限定されず、例えば、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹
脂)、(メタ)アクリルシラップ、ジアリルフタレート
樹脂等のラジカル重合型樹脂;エポキシ樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、人工石板の強度や表面硬度等の基本性能が向上する
ことから、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0012】上記不飽和ポリエステル樹脂としては特に
限定されず、例えば、酸成分と、アルコール成分とを縮
合させて得られる重量平均分子量(Mw)が数百〜数万
程度の重合体をビニルモノマーに溶解してなるラジカル
重合型樹脂等が挙げられる。上記酸成分としては特に限
定されず、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸;フタ
ル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハロゲ
ン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸等の飽和二塩基酸;トリメリト酸、トリメリ
ト酸無水物、ピロメリト酸、ピロメリト酸二無水物等の
三官能以上の多塩基酸等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】上記アルコール成分としては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレンオキ
サイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上のアルコ
ール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリン等のエポキシド等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】上記ビニルモノマーとしては、反応性モノ
マーであり、成形時に上記重合体が有する不飽和基と架
橋反応するものであれば特に限定されず、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルス
チレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、エチレングリ
コールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノ
アリルエーテル、アクリロニトリル、マレイミド類;ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカ
ルボン酸、及び、これら不飽和モノカルボン酸のモノエ
ステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び、これら不飽和ジカ
ルボン酸のモノエステル;エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多
官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジアリ
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ
る。また、例えば、カルボキシル基を有する(メタ)ア
クリル系重合体に(メタ)アクリル酸グリシジルエステ
ル類を反応させて得られるような、側鎖に不飽和基を有
する(メタ)アクリル系重合体等も用いることができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0015】上記不飽和ポリエステル樹脂における上記
酸成分、上記アルコール成分及び上記ビニルモノマーの
種類や使用量としては特に限定されず、人工石板に要求
される基本性能等に応じて適宜設定すればよい。また、
上記酸成分、及び、上記アルコール成分を縮合させる方
法としては特に限定されず、例えば、反応温度や反応時
間等の反応条件も上記と同様に適宜設定すればよい。上
記重合体は、例えば、ジシクロペンタジエン等のジエン
化合物、末端官能性ブタジエン−アクリロニトリル共重
合体等のゴム成分等の種々の成分により変性されてもよ
い。
【0016】上記ビニルエステル樹脂としては特に限定
されず、例えば、エポキシ樹脂の末端に、ビニル系不飽
和カルボン酸を付加重合させて得られる反応物をビニル
系単量体に溶解してなるラジカル重合型樹脂等が挙げら
れる。
【0017】上記エポキシ樹脂としては特に限定され
ず、例えば、ビスフェノールタイプ、ノボラックタイ
プ、環状脂肪族タイプ、エポキシ化ポリブタジエンタイ
プ等のものが挙げられる。
【0018】上記ビニル系不飽和カルボン酸としては特
に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。上記ビニル系単量体としては特に限定され
ず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、メチルメタク
リレート、酢酸ビニル、クロルスチレン、ジアリルフタ
レート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0019】上記ビニルエステル樹脂における上記エポ
キシ樹脂、上記ビニル系不飽和カルボン酸及び上記ビニ
ル系単量体の種類や使用量としては特に限定されず、人
工石板に要求される基本性能等に応じて適宜設定すれば
よい。また、上記エポキシ樹脂、及び、上記ビニル系不
飽和カルボン酸を付加重合させる方法としては特に限定
されず、例えば、反応温度や反応時間等の反応条件も上
記と同様に適宜設定すればよい。
【0020】上記(メタ)アクリルシラップとしては特
に限定されず、例えば、単量体である(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリル酸エステルの重合体、及
び、架橋剤を含んでなる混合物であり、必要に応じて、
上述したビニルモノマーを更に含んでなるラジカル重合
型樹脂等が挙げられる。
【0021】上記(メタ)アクリル酸エステルとしては
特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、
(メタ)アクリルアミドを用いることもできる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。こ
れらの中でも、人工石板の耐候性、表面の光沢等の基本
性能、外観、安全性等をより一層向上させることができ
ることから、メチルメタクリレート、又は、メチルメタ
クリレートを主成分とする(メタ)アクリル酸エステル
が好ましい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体
は、上記(メタ)アクリル酸エステルや必要に応じてビ
ニルモノマーを含んだものを単量体成分として重合する
ことにより得られる。上記(メタ)アクリル酸エステル
の重合体における重合度としては特に限定されない。
【0023】上記架橋剤としては特に限定されず、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレー
ト;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリル
イソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】上記(メタ)アクリルシラップにおける上
記(メタ)アクリル酸エステル、上記(メタ)アクリル
酸エステルの重合体、架橋剤、及び、必要に応じて用い
られるビニルモノマーの種類や使用量としては特に限定
されず、人工石板に要求される基本性能等に応じて適宜
設定すればよい。
【0025】上記熱硬化性樹脂が二種以上の樹脂を含有
し、混合物となる場合、各々の樹脂の含有量としては特
に限定されない。また、上記熱硬化性樹脂としてラジカ
ル重合型樹脂を用いる場合には、上述したラジカル重合
型樹脂以外のラジカル重合型樹脂を含有してもよい。
【0026】上記マトリックス樹脂における上記低収縮
化剤としては、得られる人工石板の寸法安定性を向上さ
せるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、三次元架橋ポリス
チレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、セルロースブチレー
ト、アセテート(アセチルセルロース)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、飽和ポリエ
ステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。これらの中でも、飽和ポリ
エステルが好ましい。
【0027】上記マトリックス樹脂は、更に必要に応じ
て、添加剤を含有してもよい。上記添加剤としては特に
限定されず、例えば、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、着
色剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、減粘
剤、カップリング剤、抗菌剤等が挙げられる。これらは
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0028】上記硬化剤としては特に限定されず、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニル
アゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル
等のアゾ化合物等のラジカル重合開始剤等が挙げられ
る。
【0029】上記増粘剤としては特に限定されず、例え
ば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の
多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の多価金属水酸化物;多官能
イソシアネート等が挙げられる。
【0030】上記内部離型剤としては特に限定されず、
例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸アミド、ラウリル酸、トリフ
ェニルホスフェート、アルキルホスフェート等が挙げら
れる。また、一般に用いられているワックス類、シリコ
ーンオイル等の離型剤を用いることもできる。上記着色
剤としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂に使
用することができる無機顔料、有機顔料、及び、トナー
等が挙げられる。
【0031】上記連鎖移動剤としては特に限定されず、
例えば、α−メチルスチレンダイマーや四塩化炭素等、
チオール化合物として、t−ブチルメルカプタン、n−
オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の
アルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトー
ル等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグ
リコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコ
レート、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコ
レート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(チオグ
リコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;
β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオ
ン酸オクチル、1,4−ブタンジオールジ(β−チオプ
ロピオネート)、トリメチロールプロパントリス−(β
−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
キス−(β−チオプロピオネート)等のβ−メルカプト
プロピオン酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0032】上記重合禁止剤としては特に限定されず、
例えば、p−t−ブチルカテコール、p−メトキシフェ
ノール、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、クロラニ
ル、m−ジニトロベンゼン、ニトロベンゼン、p−フェ
ニルジアミン、硫黄、ジフェニルピクリルヒドラジル、
ジ−p−フルオロフェニルアミン、トリ−p−ニトロフ
ェニルメチル等が挙げられる。
【0033】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
等の熱硬化性樹脂に使用することができるものを用いる
ことができる。上記減粘剤、上記カップリング剤及び上
記抗菌剤としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹
脂に使用することができるものを用いることができる。
【0034】本発明における充填剤としては、人工石板
の強度等の基本性能が向上することから、水酸化アルミ
ニウムを必須成分とするものであることが好ましく、そ
の他の成分を含んでもよい。上記その他の成分としては
特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ミル
ドファイバー、シリカ(珪砂)、川砂、珪藻土、雲母粉
末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤、繊
維補強材等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0035】上記繊維補強材としては特に限定されず、
例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック
からなる繊維等の無機繊維;アラミド、ポリエステル等
からなる有機繊維;天然繊維等が挙げられる。また、こ
れらの繊維の形態としては特に限定されず、例えば、ロ
ービング、チョップドストランド、マット、クロス(織
物)等が挙げられる。
【0036】本発明における粒状天然石としては、天然
石を粒状にしたものであれば特に限定されない。また、
陶器、磁器、ガラス、ステッドガラス等を粒状にしたも
のも用いることができる。
【0037】上記天然石の材質としては特に限定され
ず、例えば、花崗岩、安山岩等の火成岩類;砂岩、凝灰
岩等の堆積岩類;大理石、粘板岩、蛇紋岩等の変成岩
類;寒水石、ケイ石等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、人工石板が表面硬度や耐薬品性に優れたものとなる
ことから、花崗岩が好ましい。花崗岩としては特に限定
されず、例えば、藤岡御影や万成御影等の御影石、マホ
ガニー、ベルファースト、ベルデフォンタン等が挙げら
れる。
【0038】上記粒状天然石の粒度範囲としては特に限
定されず、30mm以下が好ましいが、更に好ましく
は、1〜15mmである。15mmを超えると、混練工
程において、粒状天然石の破損や磨滅を抑制することが
できなくなるおそれがある。また、混練機を傷めてしま
うおそれがある。更に、人工石板用組成物の流動性が劣
ることとなるため、製造時の作業性が低下するうえ、成
形工程において、金型への充填が不充分となるおそれが
ある。また、最大粒度は20mm以下が好ましい。更に
好ましくは、13mm以下である。
【0039】上記粒状天然石の粒度分布としては特に限
定されないが、例えば板厚13.5mmの板を成形する
場合は以下に記載するような粒度分布が好ましい。 6mm以上の粒度の粒子:0〜15重量% 5mm以上6mm未満の粒度の粒子:0〜30重量% 4mm以上5mm未満の粒度の粒子:5〜30重量% 3mm以上4mm未満の粒度の粒子:5〜50重量% 2mm以上3mm未満の粒度の粒子:10〜50重量% 1mm以上2mm未満の粒度の粒子:5〜50重量% 1mm未満の粒度の粒子:0〜10重量% 尚、これらの粒子の合計量は100重量%である。
【0040】5mm以上の粒度の粒子の分布が、上記の
範囲を超えると、混練工程において、粒状天然石の破損
や磨滅を抑制することができなくなるおそれがある。ま
た、混練機を傷めてしまうおそれがある。更に、人工石
板用組成物の流動性が劣ることとなるため、製造時の作
業性が低下するうえ、金型への充填が不充分となるおそ
れがある。1mm未満の粒度の粒子の割合が10重量%
を超えると、人工石板に黒ずみが発生するおそれがあ
る。1mm以上5mm未満の粒度の粒子の分布が上記の
範囲を超えると、粒度分布が均一に近くなるため、人工
石板の表面に形成される粒状天然石の柄が、天然石に近
似しにくくなるおそれがある。
【0041】上記粒状天然石の平均粒度としては特に限
定されないが、3〜8mmであることが好ましい。3m
m未満であると、粒度分布が均一に近くなるため、人工
石板の表面に形成される粒状天然石の柄が、天然石に近
似しにくくなるおそれがある。8mmを超えると、混練
工程において、粒状天然石の破損や磨滅を抑制すること
ができなくなるおそれがある。また、混練機を傷めてし
まうおそれがある。更に、人工石板用組成物の流動性が
劣ることとなるため、製造時の作業性が低下するうえ、
成形工程において、金型への充填が不充分となるおそれ
がある。より好ましくは、4〜7mmである。上記粒状
天然石の種類と粒子の状態とは、本発明の人工石板の外
観と基本性能とを決定づける要素であり、得られる人工
石板の用途に応じて適宜選択することができる。
【0042】本明細書中において、粒状天然石の最大粒
度とは、目開き(b+d)mm〔但し、d>0〕のふる
いを通過し、bmmのふるいに残ったものを最大粒度b
mmという。本明細書中において、粒状天然石の粒度分
布とは、混練機に投入前の粒状天然石について、粒状天
然石を構成している各粒子の粒度の分布を意味し、横軸
に粒度をとり、縦軸に各粒度を有する粒子の重量割合
(重量%)をとって表すことができるものである。上記
粒度分布は、JIS Z 8815のふるい分け法に準
拠して測定することができる。本明細書中において、平
均粒度とは、代表粒子径を意味する。上記代表粒子径と
は、横軸に粒度をとり、縦軸に各粒度を有する粒子の重
量割合(重量%)をとって粒状天然石の粒度分布を表す
場合において、最小粒度から粒度が大きくなる方向へ各
粒度の重量割合(重量%)を累積し、その合計が50重
量%となる粒度である。
【0043】人工石板の製造方法において、上記マトリ
ックス樹脂における各成分、上記充填剤及び上記粒状天
然石の種類並びに使用量としては、それらの組み合わ
せ、人工石板を成形するための成形条件、又は、人工石
板に要求される基本性能やその用途等に応じて適宜設定
すればよく、特に限定されない。
【0044】上記マトリックス樹脂における上記低収縮
化剤の使用量においては、熱硬化性樹脂100重量部に
対して、0〜50重量部となるようにすることが好まし
い。50重量部を超えると、人工石板の強度等の基本性
能が低下するおそれがある。また、上記マトリックス樹
脂における上記増粘剤の使用量においては、熱硬化性樹
脂の重量平均分子量や粘度によって適宜設定することが
できる。
【0045】上記充填剤の使用量においては、マトリッ
クス樹脂100重量部に対して、30〜300重量部と
なるようにすることが好ましい。30重量部未満である
と、人工石板の強度等の基本性能が低下するおそれがあ
り、300重量部を超えると、人工石板用組成物の流動
性が劣るため製造時の作業性が低下するおそれがある。
上記充填剤においては、上記水酸化アルミニウムが充填
剤全量に対して、50〜100重量%であることが好ま
しい。50重量%未満であると、人工石板の強度等の基
本性能が低下するおそれがある。より好ましくは、70
〜100重量%である。
【0046】上記粒状天然石の使用量においては、マト
リックス樹脂100重量部に対して、50〜1000重
量部となるようにすることが好ましい。50重量部未満
であると、人工石板の強度や表面硬度等の基本性能と意
匠性とが低下するおそれがあり、1000重量部を超え
ると、人工石板用組成物の流動性が劣るため成形時に充
填性が低下するおそれがある。より好ましくは、300
〜800重量部である。
【0047】人工石板の製造は、マトリックス樹脂及び
充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを混練機中
に投入して人工石板用組成物を得る混練工程、並びに、
上記人工石板用組成物を金型にチャージして成形する成
形工程、更に、必要に応じて、成形品の表面を研磨する
表面研磨工程を経るものである。上記人工石板用組成物
を金型にチャージして成形するにあたって、必要ならば
予備成形工程を含むことにより、人工石板用組成物を予
備成形して得た人工石板用組成物予備成形物を用いて金
型にチャージして成形することが好ましい。
【0048】上記混練工程は、上記マトリックス材を構
成する各成分と粒状天然石とを充分に混練することによ
り、粒状天然石をマトリックス材中に分散させて人工石
板用組成物を得るために行われる。上記人工石板用組成
物は、上記混練工程により得られるものであり、上述し
た各成分が混練された組成物である。
【0049】上記混練工程は、例えば、まずマトリック
ス樹脂の一部又は全部をディスパー等の撹拌機で調製し
てからニーダー等の混練機へ投入、混練し、次いで残り
の成分を順次ニーダー等の混練機で混練して行うことが
できる。
【0050】上記ニーダー等の混練機の形式としては特
に限定されず、例えば、シグマブレード型、バンバリー
型等が挙げられる。上記ニーダー等の混練機の内面を形
成する材質としては特に限定されず、例えば、オーステ
ナイト系ステンレス鋼材、マルテンサイト系ステンレス
鋼材、サブゼロ硬化型ステンレス鋼材等のステンレス鋼
材;S55C等の鋼材等が挙げられる。また、これらの
鋼材により形成されたニーダー等の混練機の内面をクロ
ムメッキしてもよい。
【0051】上記ニーダー等の混練機における混練の回
転速度及び温度としては特に限定されないが、マトリッ
クス材と粒状天然石とを充分に混練するために、回転速
度は20〜50rpm、温度は10〜60℃に設定する
ことが好ましい。より好ましくは、温度が15〜40℃
である。上記混練工程においては、上述した各成分の混
練機への投入順序等やその他の混練方法等は特に限定さ
れない。
【0052】上記混練工程において、混練機の内面が摩
耗されると、混練機が摩耗されるときに金属の微粉が生
じ、これが混練された人工石板用組成物中に取り込ま
れ、得られる人工石板が黒く汚れて意匠性と高級感とが
損なわれたものとなる。また、混練機の使用寿命が短く
なるため、生産コストが上昇することとなる。これを解
消するためには、上記混練工程において、混練機の内面
の摩耗が生じないようにすることが必要である。
【0053】本発明者らは、鋭意検討の結果、上記混練
工程において、上記混練機の内面が、ビッカース硬度9
00以上となるようにすることにより、充分な基本性能
を有し、しかも、意匠性に優れ、高級感を有する人工石
板を生産コストを抑制して製造することができることを
見いだし、本発明を完成させたものである。
【0054】本明細書中において、「意匠性に優れる」
とは、マトリックス中に分散されている粒状天然石が、
種々の色、形状、模様等を呈することにより、表面に形
成された模様や柄等の人工石板の外観が、見る者に良好
な印象を与えることを意味する。また、本明細書中にお
いて、「高級感を有する」とは、マトリックス中に分散
された粒状天然石と、充分な透明性があるマトリックス
とにより、粒状天然石が本来有する御影石や大理石等の
天然石と同様な高級感が、人工石板の表面に現れている
ことを意味する。
【0055】上記混練機の内面がビッカース硬度900
未満であると、混練機の内面の摩耗が生じることとな
る。上記混練機の内面がビッカース硬度900未満であ
る場合に混練機の内面の摩耗が生じる理由としては以下
のことが考えられる。即ち、混練される粒状天然石の表
面硬度が高いことや、混練機中に投入されたマトリック
ス材と粒状天然石とを含んだ組成物の流動性が本質的に
良くないために充分に混練された人工石板用組成物を得
るために混練力が必要であることを原因として、混練機
中に投入されたマトリックス材と粒状天然石とを含んだ
組成物が混練機中で混練されるときに、粒状天然石が混
練機の内面を摩耗することとなる。上記混練機の内面の
摩耗がより生じにくくなるためには、上記混練機の内面
が、ビッカース硬度1000以上となるようにすること
が好ましい。更に好ましくは、ビッカース硬度1100
以上である。
【0056】本明細書中において、混練機の内面とは、
混練機中に投入されたマトリックス材と粒状天然石とを
含んだ組成物が混練される部分の表面のことを意味す
る。上記混練される部分とは、混練機における容器の内
面;混練翼等のことを意味する。上記表面は、その全体
であってもよく一部であってもよいが、混練機の内面の
摩耗をできる限り抑制するために、その全体であること
が好ましい。また、一部である場合には、特に摩耗が起
こりやすい箇所として、例えば、大きな混練力がかかる
箇所であることが好ましい。上記大きな混練力がかかる
箇所としては、例えば、混練機における容器の内面にお
いて混練翼との間隙が狭くなる箇所;混練翼の先端部等
が挙げられる。
【0057】本明細書中において、ビッカース硬度と
は、JIS Z 2244に準拠して、荷重30kgで
測定したビッカース硬度を意味する。通常使用される一
般的な混練機の内面は、オーステナイト系ステンレス鋼
材で内面が形成された混練機ではビッカース硬度200
程度であり、マルテンサイト系ステンレス鋼材で内面が
形成された混練機ではビッカース硬度200〜250程
度である。また、サブゼロ硬化型ステンレス鋼材で内面
が形成された混練機ではビッカース硬度350〜500
程度である。更に、クロムメッキされた内面を有する混
練機ではビッカース硬度850程度である。従って、こ
れらの混練機では、その内面をビッカース硬度900以
上とすることができない。
【0058】上記混練機の内面をビッカース硬度900
以上とする手段としては特に限定されず、例えば、ビッ
カース硬度900以上である材料を混練機の内面に形成
させることにより達成することができる。上記ビッカー
ス硬度900以上である材料としては特に限定されず、
例えば、セラミック、超硬金属等が好ましい。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。セラ
ミックを用いる場合は、混練機の内面が摩耗されたとし
ても、人工石板用組成物が黒く汚れないことから好まし
い。また、超硬金属を用いる場合は、ビッカース硬度が
向上し、混練機の使用寿命が長くなることから好まし
い。より好ましくは、混練機の使用寿命がより長くなる
ことから、超硬金属を用いることである。
【0059】上記セラミックとしては特に限定されず、
例えば、TiN、TiCN、TiAlN、ZrN等の窒
化物;TiC、SiC、WC等の炭化物;SiO2 等の
酸化物;アルミナチタニア、Al23 等のアルミナ;
DLC(Diamond Like Carbon)、
C(ダイヤモンド)等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、TiC、TiN、TiCN、WC、アルミナチタニ
ア、Al23 等が好ましい。より好ましくは、アルミ
ナチタニア、Al23 である。
【0060】上記超硬金属としては特に限定されず、例
えば、WC、TiC等の炭化物にCo、Ni等の金属を
共焼結させたサーメット等が挙げられる。これらは単独
で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの
中でも、WCにCo等の金属を共焼結させたWCサーメ
ットが好ましい。
【0061】上記ビッカース硬度900以上である材料
を混練機の内面に形成する方法としては特に限定され
ず、例えば、溶射方法、PVD(物理的蒸着方法)、C
VD(化学的蒸着方法)等の混練機の内面に被膜を形成
する方法;タイル状やチップ状にしたものを混練機の内
面に貼り付ける方法等が挙げられる。また、セラミック
や超硬金属を併用して、無電解ニッケルメッキの一種で
あるカニゼン法により金型の表面をメッキすることによ
り行うこともできる。これらの中でも、形成される被膜
が混練機の内面と強固に密着し、混練機の使用寿命が長
くなることから、溶射方法が好ましい。また、セラミッ
クの場合には、形成される内面が厚くなることから、セ
ラミックタイルやセラミックチップを混練機の内面に貼
り付ける方法も好ましい。
【0062】上記溶射方法としては特に限定されず、例
えば、ジェットコート溶射、プラズマ溶射等による方法
が好ましい。より好ましくは、ジェットコート溶射によ
る方法である。上記ジェットコート溶射による方法とし
ては特に限定されず、例えば、極超音速ジェット燃焼ガ
スにより混練機の内面に粉末溶射する方法等の高エネル
ギーのガス溶射による方法等が挙げられる。上記プラズ
マ溶射による方法としては特に限定されず、例えば、溶
射する粉末をプラズマトーチの中に落下させ、混練機の
内面に吹き付ける方法等が挙げられる。
【0063】上記混練機は、例えば、その内面に、WC
サーメット等の超硬金属やアルミナチタニア等のセラミ
ックを溶射することにより被膜が形成されたものである
ことが好ましい。また、Al23 のセラミックタイル
やセラミックチップを貼り付けることによりその内面が
形成されたものであることが好ましい。より好ましく
は、その内面に、WCサーメット等の超硬金属を溶射す
ることにより被膜が形成されたものである。
【0064】上記溶射被膜の厚みとしては特に限定され
ず、例えば、20〜300μmであることが好ましい。
20μm未満であると、混練機の使用寿命が短くなるお
それがある。溶射被膜が厚くなるほど好ましいが、30
0μmを超えると、本発明の奏する効果が同様なものと
なる。より好ましくは、30〜200μmである。上記
セラミックタイルやセラミックチップの厚みとしては特
に限定されず、例えば、1〜10mmであることが好ま
しい。1mm未満であると、混練機の使用寿命が短くな
るおそれがある。セラミックタイルやセラミックチップ
が厚くなるほど好ましいが、10mmを超えると、本発
明の奏する効果が同様なものとなる。より好ましくは、
2〜6mmである。
【0065】上記混練工程は、粒状天然石として、モー
ス硬度3〜9のものを含む場合に、混練機の内面の摩耗
が抑制されるという作用が充分に発揮されるため、好適
に適用することができるものである。
【0066】本発明における成形工程は、上記人工石板
用組成物を、必要ならば予備成形して得た上記人工石板
用組成物予備成形物を金型にチャージして成形すること
により、板状成形物を得るために行われる。
【0067】本明細書中において、予備成形とは、金型
へのチャージを容易とし、また、人工石板用組成物の充
填性を向上させるために、混練工程で得られた人工石板
用組成物の形状を整えることであり、例えば、人工石板
用組成物を容器等に梱包するプリフォーム梱包により行
うものや、押出機により押出することにより行うもの等
である。
【0068】上記人工石板用組成物予備成形物とは、上
記予備成形により得られるものである。上記人工石板用
組成物や上記人工石板用組成物予備成形物は、通常、バ
ルクモールディングコンパウンド(BMC)ともいう。
上記プリフォーム梱包の方法としては特に限定されず、
例えば、常温で熟成してもしなくてもよい。
【0069】上記押出機の形式としては特に限定され
ず、例えば、2軸コーン型押出機等が挙げられる。上記
押出機の内面を形成する材質としては特に限定されず、
例えば、オーステナイト系ステンレス鋼材、マルテンサ
イト系ステンレス鋼材、サブゼロ硬化型ステンレス鋼材
等のステンレス鋼材;S55C等の鋼材等が挙げられ
る。また、これらの鋼材により形成された押出機の内面
をクロムメッキしてもよい。
【0070】上記押出機により押出する方法としては特
に限定されず、例えば、押出の回転速度、バレル温度、
ダイ温度等は適宜設定すればよい。また、人工石板用組
成物の押出機への投入方法等も特に限定されない。
【0071】上記成形工程が、上記人工石板用組成物を
人工石板用組成物予備成形物とする予備成形工程を含む
ものであり、上記予備成形工程が、押出機により予備成
形するものである場合に、上記押出機の内面の摩耗が激
しくなると、押出機が摩耗されるときに金属の微粉が生
じ、これが押出された人工石板用組成物予備成形物中に
取り込まれ、得られる人工石板が黒く汚れて意匠性と高
級感とが損なわれたものとなる。また、押出機の使用寿
命が短くなるため、生産コストが上昇することとなる。
これを解消するためには、上記人工石板用組成物を人工
石板用組成物予備成形物とする予備成形工程を含むもの
であり、上記予備成形工程が、押出機により予備成形す
るものである場合に、押出機の内面の摩耗が生じないよ
うにすることが好ましい。
【0072】本発明者らは、鋭意検討の結果、上記成形
工程が、上記人工石板用組成物を人工石板用組成物予備
成形物とする予備成形工程を含むものであり、上記予備
成形工程が、押出機により予備成形するものである場合
に、上記押出機の内面が、ビッカース硬度900以上と
なるようにすることにより、充分な基本性能を有し、し
かも、意匠性に優れ、高級感を有する人工石板を生産コ
ストを抑制して製造することができることを見いだし
た。
【0073】上記押出機の内面がビッカース硬度900
未満であると、押出機の内面の摩耗が生じることとな
る。上記押出機の内面がビッカース硬度900未満であ
る場合に押出機の内面の摩耗が生じる理由としては以下
のことが考えられる。即ち、人工石板用組成物中に含ま
れる粒状天然石の表面硬度が高いことや、人工石板用組
成物の流動性が本質的に良くないために人工石板用組成
物を押出するために押出力が必要であることを原因とし
て、人工石板用組成物が押出機で押出されるときに、人
工石板用組成物中に含まれる粒状天然石が押出機の内面
を摩耗することとなる。上記押出機の内面の摩耗がより
生じにくくなるためには、上記押出機の内面が、ビッカ
ース硬度1000以上となるようにすることが好まし
い。更に好ましくは、ビッカース硬度1100以上であ
る。
【0074】本明細書中において、押出機の内面とは、
押出機中に投入された人工石板用組成物が押出される部
分の表面のことを意味する。上記押出される部分とは、
押出機における容器(バレル、ダイ等の部分)の内面;
スクリュー等のことを意味する。上記表面は、その全体
であってもよく一部であってもよいが、押出機の内面の
摩耗をできる限り抑制するために、その全体であること
が好ましい。また、一部である場合には、特に摩耗が起
こりやすい箇所として、例えば、大きな押出力がかかる
箇所であることが好ましい。上記大きな押出力がかかる
箇所としては、例えば、押出機におけるバレルの内面に
おいてスクリューとの間隙が狭くなる箇所、ダイの内
面;スクリューの先端部等が挙げられる。
【0075】通常使用される一般的な押出機の内面は、
上述した混練機の場合と同様に、ビッカース硬度900
未満である。上記押出機の内面をビッカース硬度900
以上とする手段としては特に限定されず、例えば、上述
した混練機の場合と同様にすることにより達成すること
ができる。
【0076】上記成形工程は、例えば、人工石板用組成
物予備成形物を加熱された金型にチャージした後、加圧
することにより下側の金型(下型)と上側の金型(上
型)とを型締めし、人工石板用組成物予備成形物が展延
されて金型内に充填され、所定時間保持するプレス成形
(圧縮成形)等の加圧成形等により行うことができる。
【0077】上記金型の材質としては特に限定されず、
例えば、オーステナイト系ステンレス鋼材、マルテンサ
イト系ステンレス鋼材、サブゼロ硬化型ステンレス鋼材
等のステンレス鋼材等が挙げられる。また、これらの鋼
材により形成された金型の表面をクロムメッキしてもよ
い。上記金型は、成形工程における金型の摩耗を抑制す
ることにより、成形工程における生産コストを抑制し、
また、板状形成物の表面が黒く汚れることを抑制するた
めに、その表面がビッカース硬度900以上のものであ
ることが好ましい。より好ましくは、ビッカース硬度1
000以上であり、更に好ましくは、ビッカース硬度1
100以上である。
【0078】本明細書中において、金型の表面とは、人
工石板用組成物が充填される金型のキャビティ部分の表
面のことを意味する。上記表面は、その全体であっても
よく一部であってもよいが、金型の表面の摩耗をできる
限り抑制するために、その全体であることが好ましい。
また、一部である場合には、特に摩耗が起こりやすい箇
所であることが好ましい。上記金型の表面をビッカース
硬度900以上とする手段としては特に限定されず、例
えば、上述した混練機の場合と同様にすることにより達
成することができる。
【0079】本明細書中において、人工石板用組成物を
金型にチャージするとは、下側の金型(下型)上に人工
石板用組成物を配置することをいう。上記人工石板用組
成物の配置方法としては特に限定されない。上記金型へ
のチャージは、BMCチャージ機等により行うことがで
き、成形された板状成形物の金型からの取り出しは、製
品取り出し機等により行うことができる。上記金型の加
圧は、例えば、圧力50〜200kgf/cm2 で行う
ことができる。
【0080】上記金型の加熱温度としては特に限定され
ないが、100〜170℃が好ましい。また、上型と下
型とが同じ温度であっても、異なる温度であってもよ
い。上記金型が加圧されている成形時間としては特に限
定されないが、180〜700秒であることが好まし
い。加熱温度が100℃未満であったり、成形時間が1
80秒未満であったりすると、人工石板用組成物の硬化
が充分でなくなるおそれがあり、700秒を超えると経
済的ではない。加熱温度が170℃を超えると、人工石
板の基本性能、意匠性及び高級感が低下するおそれがあ
る。
【0081】本発明における表面研磨工程は、例えば、
天然石の表面研磨工程と同様に、湿式研磨機により連続
研磨又は単軸研磨することにより行うことができる。上
記表面研磨工程により、成形工程により得られる板状成
形物の表面が0.5〜2.0mm程度研磨され、得られ
る人工石板におけるマトリックス中の粒状天然石の柄が
表面研磨工程前のものよりも明確となり、意匠性が向上
することとなる。
【0082】本発明の人工石板は、湿式ダイヤモンドカ
ッター、面取り機、ウォータージェット等の一般の天然
石加工用の工具や、天然石に用いることができる接着剤
等を使用して、切断、穴あけ、接合、接着等を行う加工
工程や施工工程を施すことができるものである。
【0083】本発明の人工石板は、上述した本発明の人
工石板の製造方法により製造されてなるものである。本
発明の人工石板において、マトリックス中に分散された
上記粒状天然石は、人工石板全量に対して、30〜90
重量%であることが好ましい。30重量%未満である
と、人工石板の表面硬度等の基本性能が低下するおそれ
があったり、人工石板の表面に形成される粒状天然石の
柄が少なくなることから、意匠性が低下するおそれがあ
り、90重量%を超えると、人工石板用組成物を成形す
るときの流動性が低下するおそれがある。また、人工石
板の強度等の基本性能が低下するおそれがある。
【0084】本発明の人工石板は、その製造における混
練工程において、混練機の内面の摩耗が抑制され、ま
た、成形工程が、人工石板用組成物を人工石板用組成物
予備成形物とする予備成形工程を含むものであり、予備
成形工程が、押出機により予備成形するものである場合
に、押出機の内面の摩耗が抑制されたものであることか
ら、耐熱性に優れ、圧縮強度や曲げ強度等の強度、耐衝
撃性及び表面硬度が高く、吸水率が低く、傷つきにくい
といった基本性能を充分に有し、優れた意匠性を有し、
しかも、マトリックスにおける透明性が高いものである
ため、粒状天然石として、御影石や花崗岩、大理石、そ
の他どのような天然石を粒状天然石として用いたとして
も、当該天然石のもつ高級感をその表面に現すことがで
き、タイル、壁用パネル等の建築用装飾材;浴槽(バス
タブ)、洗面化粧台(カウンター)、流し台(シン
ク)、浴室パネル、システムキッチン天板(キッチンカ
ウンター)、テーブル天板等の住設機器;各種装飾品、
表札等に好適に適用することができるものである。
【0085】本発明の混練機は、上述した本発明の人工
石板の製造方法に用いられるものであり、ビッカーズ硬
度900以上である内面を有するものである。好ましく
は、ビッカーズ硬度1000以上である内面を有するも
のである。更に好ましくは、ビッカーズ硬度1100以
上である内面を有するものである。本発明の混練機は、
上述した本発明の人工石板の製造方法における混練工程
において、その内面の摩耗が抑制されたものであること
から、その使用寿命が長く、生産コストの上昇を抑制す
ることができるものである。また、充分な基本性能を有
し、しかも、意匠性に優れ、高級感を有する人工石板を
製造することができるものである。
【0086】本発明の押出機は、上述した本発明の人工
石板の製造方法に用いられるものであり、ビッカーズ硬
度900以上である内面を有するものである。好ましく
は、ビッカーズ硬度1000以上である内面を有するも
のである。更に好ましくは、ビッカーズ硬度1100以
上である内面を有するものである。本発明の押出機は、
上述した本発明の人工石板の製造方法における成形工程
が、上記人工石板用組成物を人工石板用組成物予備成形
物とする予備成形工程を含むものであり、上記予備成形
工程が、押出機により予備成形するものである場合に、
その内面の摩耗が抑制されたものであることから、その
使用寿命が長く、生産コストの上昇を抑制することがで
きるものである。また、充分な基本性能を有し、しか
も、意匠性に優れ、高級感を有する人工石板を製造する
ことができるものである。
【0087】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、「部」は、「重量部」を示す。
【0088】調製例1 温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器
としての四ツ口フラスコに、α,β−不飽和二塩基酸と
しての無水マレイン酸980部、及び、多価アルコール
としてのビスフェノールAのエチレンオキシド2付加物
3360部を仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガス置換し
た。次に、この混合物を撹拌しながら最高温度が215
℃となるように加熱し、脱水反応を所定時間行った。こ
れにより、酸価が17の不飽和ポリエステルを得た。そ
して、この不飽和ポリエステル70部、ビニル単量体と
してのスチレン30部、及び、安定剤としてのハイドロ
キノン0.02部を混合することにより、樹脂A−1を
得た。
【0089】調製例2 温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器
としての四ツ口フラスコに、飽和二塩基酸としてのイソ
フタール酸1660部、及び、多価アルコールとしての
ジプロピレングリコール1380部を仕込んだ後、フラ
スコ内を窒素ガス置換した。次に、この混合物を撹拌し
ながら最高温度が215℃となるように加熱し、脱水反
応を所定時間行った。これにより、酸価が12の飽和ポ
リエステルを得た。そして、この飽和ポリエステル60
部、ビニル単量体としてのスチレン40部、及び、安定
剤としてのハイドロキノン0.02部を混合することに
より、樹脂B−1を得た。
【0090】実施例1 熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂であるA−
1 85部、低収縮化剤として飽和ポリエステル樹脂で
あるB−1 15部、カップリング剤としてKBM−5
03(商品名、信越化学工業社製)2.0部、連鎖移動
剤としてα−メチルスチレンダイマー0.5部、紫外線
吸収剤としてチヌビン320(商品名、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)0.5部、重合禁止剤として
パラベンゾキノン0.1部、及び、着色剤としてトナー
であるAT−3(商品名、大日精化株式会社製)0.3
部を容器に仕込み、ディスパーにより10分間撹拌し
た。その後、硬化剤としてパーヘキサTMH(商品名、
日本油脂株式会社製)2.0部を添加して更にディスパ
ーにより10分間撹拌してマトリックス樹脂を調製し
た。
【0091】次いで、調製したマトリックス樹脂全量、
充填剤として水酸化アルミニウムであるハイジライトH
−320(商品名、昭和電工社製)200部、粒状天然
石としてモース硬度7である藤岡御影250部を、セラ
ミックチップを混練翼と容器の内壁に貼り付けたニーダ
ーに投入し、ニーダーを回転させて1分間混練した後、
ニーダーを回転させた状態で、充填剤として強化ガラス
繊維であるチョップドストランドECS06B−144
/P(商品名、日本電気硝子社製)20部、及び、内部
離型剤としてステアリン酸亜鉛であるSZ−2000
(商品名、堺化学工業社製)2.0部を投入して1分間
混練した後、ニーダーを停止させ、上記と同じ粒状天然
石250部を投入した後、再びニーダーを回転させ1分
間混練した後、ニーダーを回転させた状態で、上記と同
じ強化ガラス繊維20部を投入して更に2分15秒間混
練して混練を終了した。ニーダーを回転させて混練した
合計時間は、5分15秒であった。この混練物をニーダ
ーから取り出して混練工程を終了し、400mm×40
0mm(約8kg)の寸法にプリフォーム梱包すること
により予備成形したBMCを得た。用いた藤岡御影の粒
度分布は、6mm以上の粒度の粒子が4重量%であり、
5mm以上6mm未満の粒度の粒子が16重量%であ
り、4mm以上5mm未満の粒度の粒子が24重量%で
あり、3mm以上4mm未満の粒度の粒子が28重量%
であり、2mm以上3mm未満の粒度の粒子が20重量
%であり、1mm以上2mm未満の粒度の粒子が7重量
%であり、1mm未満の粒度の粒子が1重量%であっ
た。ニーダーは、MSオープン型ニーダー;100L
(商品名、モリヤマ社製)であり、SUS304で形成
されたニーダーの内面全体にアルミナ(Al23 )タ
イルを隙間なく貼り付けたものを用いた。その内面は、
ビッカース硬度1300であった。また、回転速度を2
9〜38rpmに設定した。
【0092】次いで、得られたBMCを、2500トン
の大型油圧プレス機を用い、135/130℃に設定し
た寸法670mm×2470mmの金型に、プリフォー
ムしたBMC6枚をBMCチャージ機によりチャージし
た。BMCのチャージパターンは、6枚のBMCを金型
の長尺側の辺に沿って中央に横1列として、BMCの一
辺と金型の一辺とが平行となるように配置するものとし
た。その後、圧力80kgf/cm2 で420秒間プレ
ス成形し、厚さが約13.5mmの板状成形物を得て成
形工程を終了した。
【0093】この成形工程を5回行って、5枚の板状成
形物を得た。次いで、天然石用湿式平面研磨装置によ
り、成形工程により得られた板状成形物5枚すべてにつ
いて、表面を約1mm研磨して表面研磨工程を行った
後、人工石板を得た。以下に示す方法により、得られた
人工石板を評価した。その結果を表1に記載した。
【0094】評価方法 (1)人工石板の汚れ目視評価試験 得られた人工石板の表面が黒く汚れているか否かを以下
の基準により目視評価した。得られた人工石板5枚すべ
てについて目視評価を行い、平均点数で表した。 5点:黒い汚れが観察されない。 4点:目視では確認しにくい微小な黒い汚れが僅かに観
察される。 3点:目視では確認しにくい微小な黒い汚れが所々に観
察される。 2点:小さな黒い汚れが所々に観察される。 1点:大きな黒い汚れが所々に観察される。 0点:黒い汚れが全面的に観察される。
【0095】(2)意匠性及び高級感の官能試験 得られた人工石板の外観の意匠性及び高級感について、
天然の御影石及び大理石を研磨したものを基準として、
意匠性に優れるか否かと、高級感を有するか否かを、2
1人(奇数人)により目視観察を行い評価した。尚、得
られた人工石板すべてについて目視観察を行い評価し
た。その結果を、意匠性に優れると評価した人の人数、
及び、高級感を有すると評価した人の人数の平均値で表
した。
【0096】得られた人工石板について行った意匠性及
び高級感の官能試験において、天然の御影石及び大理石
を研磨したものを基準として、評価した人の半分以上が
「意匠性に優れる」と評価した場合は、人工石板が意匠
性に優れるものであると考えられ、評価した人の半分以
上が「高級感を有する」と評価した場合は、人工石板が
高級感を有するものであると考えられる。
【0097】実施例2 実施例1において、混練機として、Superkot
508(商品名、トーカロ社)により、ジェットコート
溶射による方法で、SUS304で形成されたニーダー
の内面全体にWCサーメットの被膜を形成したものを用
いたこと以外は同様にして人工石板を得た。混練機の内
面は、ビッカース硬度1150であった。得られた人工
石板について実施例1に示す方法により評価した結果を
表1に記載した。
【0098】実施例3 実施例1において、予備成形で、押出機として2軸コー
ン型押出機である2TE−15(商品名、モリヤマ社
製)を用い、SUS304で形成された押出機の内面全
体にアルミナ(Al23 )タイルを隙間なく貼り付け
たものとして押出を行い、BMCの寸法を200mm×
800mm(約8kg)としたこと以外は同様にして人
工石板を得た。押出機の内面は、ビッカース硬度130
0であった。得られた人工石板について実施例1に示す
方法により評価した結果を表1に記載した。
【0099】実施例4 実施例2において、予備成形で、押出機として2軸コー
ン型押出機である2TE−15(商品名、モリヤマ社
製)を用い、ジェットコート溶射による方法で、SUS
304で形成された押出機の内面全体にWCサーメット
の被膜を形成したものを用いて押出を行い、BMCの寸
法を200mm×800mm(約8kg)としたこと以
外は同様にして人工石板を得た。押出機の内面は、ビッ
カース硬度1150であった。得られた人工石板につい
て実施例1に示す方法により評価した結果を表1に記載
した。
【0100】比較例1 実施例1において、混練機として、その内面がマルテン
サイト系ステンレス鋼材(SUS304)で形成された
ものをそのまま用いたこと以外は同様にして人工石板を
得た。混練機の表面は、ビッカース硬度250であっ
た。得られた人工石板について実施例1に示す方法によ
り評価した結果を表1に記載した。
【0101】比較例2 比較例1において、予備成形で、押出機として、その内
面がSUS304で形成された2軸コーン型押出機であ
る2TE−15(商品名、モリヤマ社製)をそのまま用
いて押出を行い、BMCの寸法を200mm×800m
m(約8kg)としたこと以外は同様にして人工石板を
得た。押出機の内面は、ビッカース硬度250であっ
た。得られた人工石板について実施例1に示す方法によ
り評価した結果を表1に記載した。
【0102】
【表1】
【0103】表1から明らかなように、実施例1〜4に
おいては、充分な基本性能を有し、しかも、意匠性に優
れ、高級感を有する人工石板を得ることができた。ま
た、人工石板の製造を終了した後に、混練機や押出機の
内面を目視で観察した結果、混練機や押出機が摩耗され
た痕が観察されなかった。一方、比較例1及び2におい
ては、得られた人工石板は表面が黒く汚れ、実施例1〜
4において得られた人工石板と比較して、意匠性と高級
感とに劣るものであった。また、人工石板の製造を終了
した後に、混練機や押出機の内面を目視で観察した結
果、混練機や押出機が摩耗された痕が観察された。
【0104】
【発明の効果】本発明の人工石板の製造方法は、上述の
構成よりなるので、充分な基本性能を有し、しかも、意
匠性に優れ、高級感を有する人工石板を生産コストを抑
制して製造することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高畠 耕治 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F207 AA36 AA41 AB03 AC01 AG02 AH46 KA01 KA05 KA17 4G035 AB46 AE13 AE17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂及び充填剤を含むマト
    リックス材と粒状天然石とを混練機中に投入して人工石
    板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工石板用組成
    物を金型にチャージして成形する成形工程、を含む人工
    石板の製造方法であって、該混練機は、その内面が、ビ
    ッカーズ硬度900以上のものであることを特徴とする
    人工石板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記成形工程は、前記人工石板用組成物
    を人工石板用組成物予備成形物とする予備成形工程を含
    むものであり、該予備成形工程は、押出機により予備成
    形するものであり、該押出機は、その内面が、ビッカー
    ズ硬度900以上のものであることを特徴とする請求項
    1記載の人工石板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の人工石板の製造方
    法により製造されてなることを特徴とする人工石板。
  4. 【請求項4】 ビッカーズ硬度900以上である内面を
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の人工石板
    の製造方法に用いる混練機。
  5. 【請求項5】 ビッカーズ硬度900以上である内面を
    有することを特徴とする請求項2記載の人工石板の製造
    方法に用いる押出機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003109724A (ja) * 2001-10-01 2003-04-11 Nikko Materials Co Ltd MoSi2製板状ヒーター及びその製造方法
JP2017064664A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 キヤノン株式会社 混合処理装置、混合処理方法およびトナーの製造方法

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