JP2001145929A - 人工石板の製造方法及び人工石板 - Google Patents

人工石板の製造方法及び人工石板

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JP2001145929A
JP2001145929A JP2000270112A JP2000270112A JP2001145929A JP 2001145929 A JP2001145929 A JP 2001145929A JP 2000270112 A JP2000270112 A JP 2000270112A JP 2000270112 A JP2000270112 A JP 2000270112A JP 2001145929 A JP2001145929 A JP 2001145929A
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slab
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JP2000270112A
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English (en)
Inventor
Masaaki Fundou
正昭 分銅
Nobuhiko Yugawa
伸彦 湯川
Koji Takahata
耕治 高畠
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全面にわたって充分な基本性能を有し、しか
も、意匠性に優れ、高級感を有する長尺人工石板及び広
尺人工石板を製造する方法を提供する。 【解決手段】 マトリックス樹脂及び充填剤を含むマト
リックス材と粒状天然石とを混練機中に投入して人工石
板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工石板用組成
物を予備成形して得た人工石板用組成物予備成形物を金
型にチャージして成形する成形工程、を含む長尺人工石
板の製造方法であって、該成形工程における金型へのチ
ャージは、二以上の該人工石板用組成物予備成形物の一
部分を重ね置きして行うものである長尺人工石板の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺人工石板の製
造方法、長尺人工石板、広尺人工石板の製造方法、及
び、広尺人工石板に関する。
【0002】
【従来の技術】人工石板は、多数の粒状天然石をマトリ
ックス中に分散させた成形物であり、大理石、御影石等
の高級感あふれる天然石板と見紛うばかりの外観を有す
ることから、高級住宅建材として汎用されている。人工
石板は、天然石板とは異なり、耐熱性が優れ、圧縮強度
や曲げ強度等の強度、耐衝撃性及び表面硬度が高く、吸
水率が低く、傷つきにくいといった基本性能を有し、シ
ステムキッチン天板、カウンター、洗面化粧台、壁、
床、仕切り板等の用途に好適に用いられている。
【0003】このような人工石板は、マトリックス樹脂
及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを混練
して人工石板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工
石板用組成物を予備成形して得た人工石板用組成物予備
成形物を金型にチャージして成形する成形工程、により
板状成形物を得、更に、必要に応じて、この板状成形物
の表面を研磨する表面研磨工程を行うことにより得るこ
とができる。
【0004】人工石板の用途によっては、矩形のうちの
一方向のみが通常の寸法より長い長尺物が要求される場
合があり、また、両方向が通常の寸法より長い広尺物が
要求される場合もある。このような場合には長尺の金型
や広尺の金型を用いて成形工程を行うことにより長尺人
工石板及び広尺人工石板を得ることとなる。このような
長尺の金型や広尺の金型への人工石板用組成物予備成形
物のチャージは、1つの人工石板用組成物予備成形物に
より行おうとすると、その重量が重くなりすぎ、作業性
が悪くなることから、複数の人工石板用組成物予備成形
物を用いることにより行われている。このようにする
と、長尺の金型内にチャージされた複数の人工石板用組
成物が接合されて、長尺の板状成形物となり長尺人工石
板が得られることとなり、広尺の金型内にチャージされ
た複数の人工石板用組成物が接合されて、広尺の板状成
形物となり広尺人工石板が得られることとなる。
【0005】しかしながら、このような成形工程により
得られる長尺人工石板や広尺人工石板は、複数の人工石
板用組成物が接合されて形成されているため、その接合
部分とその他の部分とで粒状天然石の分散の態様が異な
る場合がある。そのような場合には、接合部分が充分な
強度等の基本性能を有さない場合がある。また、色分か
れや色むらが線状又は面状となって生じやすくなり、得
られる長尺人工石板又は広尺人工石板の意匠性と高級感
とが低下するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、全面にわたって充分な基本
性能を有し、しかも、意匠性に優れ、高級感を有する長
尺人工石板及び広尺人工石板を製造する方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、マトリックス
樹脂及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを
混練機中に投入して人工石板用組成物を得る混練工程、
並びに、上記人工石板用組成物を予備成形して得た人工
石板用組成物予備成形物を金型にチャージして成形する
成形工程、を含む長尺人工石板の製造方法であって、上
記成形工程における金型へのチャージは、二以上の上記
人工石板用組成物予備成形物の一部分を重ね置きして行
うものである長尺人工石板の製造方法である。本発明は
また、上記長尺人工石板の製造方法により製造されてな
る長尺人工石板でもある。
【0008】本発明はまた、マトリックス樹脂及び充填
剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを混練機中に投
入して人工石板用組成物を得る混練工程、並びに、上記
人工石板用組成物を予備成形して得た人工石板用組成物
予備成形物を金型にチャージして成形する成形工程、を
含む広尺人工石板の製造方法であって、上記成形工程に
おける金型へのチャージは、二以上の上記人工石板用組
成物予備成形物の全体を重ね置きして行うものである広
尺人工石板の製造方法でもある。本発明はまた、上記広
尺人工石板の製造方法により製造されてなる広尺人工石
板でもある。以下に本発明を詳述する。
【0009】本発明の長尺人工石板の製造方法は、マト
リックス樹脂及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天
然石とを混練機中に投入して人工石板用組成物を得る混
練工程、並びに、上記人工石板用組成物を予備成形して
得た人工石板用組成物予備成形物を金型にチャージして
成形する成形工程、を含むものである。
【0010】上記マトリックス材とは、人工石板のマト
リックスを形成するための組成物を意味し、上記組成物
は、後に詳述するように粒状天然石と混練された後に成
形されることによりマトリックスを形成するものであ
る。上記マトリックス材は、マトリックス樹脂と充填剤
とを含むものである。
【0011】上記マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂と
必要ならば低収縮化剤とを含むものである。上記熱硬化
性樹脂としては、成形材料として用いることができるも
のであれば特に限定されず、例えば、不飽和ポリエステ
ル樹脂、ビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹
脂)、(メタ)アクリルシラップ、ジアリルフタレート
樹脂等のラジカル重合型樹脂;エポキシ樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、人工石板の強度や表面硬度等の基本性能が向上する
ことから、不飽和ポリエステル樹脂が好ましい。
【0012】上記不飽和ポリエステル樹脂としては特に
限定されず、例えば、酸成分と、アルコール成分とを縮
合させて得られる重量平均分子量(Mw)が数百〜数万
程度の重合体をビニルモノマーに溶解してなるラジカル
重合型樹脂等が挙げられる。上記酸成分としては特に限
定されず、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸;フタ
ル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハロゲ
ン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸、ヘット酸、メチルテト
ラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無
水フタル酸等の飽和二塩基酸;トリメリト酸、トリメリ
ト酸無水物、ピロメリト酸、ピロメリト酸二無水物等の
三官能以上の多塩基酸等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0013】上記アルコール成分としては特に限定され
ず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールA、ビスフェノールAのプロピレンオキ
サイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の三官能以上のアルコ
ール;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピク
ロルヒドリン等のエポキシド等が挙げられる。これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】上記ビニルモノマーとしては、反応性モノ
マーであり、成形時に上記重合体が有する不飽和基と架
橋反応するものであれば特に限定されず、例えば、スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルス
チレン、酢酸ビニル、アリルアルコール、エチレングリ
コールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノ
アリルエーテル、アクリロニトリル、マレイミド類;ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカ
ルボン酸、及び、これら不飽和モノカルボン酸のモノエ
ステル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸等の不飽和ジカルボン酸、及び、これら不飽和ジカ
ルボン酸のモノエステル;エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多
官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジアリ
ルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシ
アヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられ
る。また、例えば、カルボキシル基を有する(メタ)ア
クリル系重合体に(メタ)アクリル酸グリシジルエステ
ル類を反応させて得られるような、側鎖に不飽和基を有
する(メタ)アクリル系重合体等も用いることができ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0015】上記不飽和ポリエステル樹脂における上記
酸成分、上記アルコール成分及び上記ビニルモノマーの
種類や使用量としては特に限定されず、人工石板に要求
される基本性能等に応じて適宜設定すればよい。また、
上記酸成分、及び、上記アルコール成分を縮合させる方
法としては特に限定されず、例えば、反応温度や反応時
間等の反応条件も上記と同様に適宜設定すればよい。上
記重合体は、例えば、ジシクロペンタジエン等のジエン
化合物、末端官能性ブタジエン−アクリロニトリル共重
合体等のゴム成分等の種々の成分により変性されてもよ
い。
【0016】上記ビニルエステル樹脂としては特に限定
されず、例えば、エポキシ樹脂の末端に、ビニル系不飽
和カルボン酸を付加重合させて得られる反応物をビニル
系単量体に溶解してなるラジカル重合型樹脂等が挙げら
れる。
【0017】上記エポキシ樹脂としては特に限定され
ず、例えば、ビスフェノールタイプ、ノボラックタイ
プ、環状脂肪族タイプ、エポキシ化ポリブタジエンタイ
プ等のものが挙げられる。
【0018】上記ビニル系不飽和カルボン酸としては特
に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が
挙げられる。上記ビニル系単量体としては特に限定され
ず、例えば、スチレン、ビニルトルエン、メチルメタク
リレート、酢酸ビニル、クロルスチレン、ジアリルフタ
レート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0019】上記ビニルエステル樹脂における上記エポ
キシ樹脂、上記ビニル系不飽和カルボン酸及び上記ビニ
ル系単量体の種類や使用量としては特に限定されず、人
工石板に要求される基本性能等に応じて適宜設定すれば
よい。また、上記エポキシ樹脂、及び、上記ビニル系不
飽和カルボン酸を付加重合させる方法としては特に限定
されず、例えば、反応温度や反応時間等の反応条件も上
記と同様に適宜設定すればよい。
【0020】上記(メタ)アクリルシラップとしては特
に限定されず、例えば、単量体である(メタ)アクリル
酸エステル、(メタ)アクリル酸エステルの重合体、及
び、架橋剤を含んでなる混合物であり、必要に応じて、
上述したビニルモノマーを更に含んでなるラジカル重合
型樹脂等が挙げられる。
【0021】上記(メタ)アクリル酸エステルとしては
特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アク
リレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、
(メタ)アクリルアミドを用いることもできる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。こ
れらの中でも、人工石板の耐候性、表面の光沢等の基本
性能、外観、安全性等をより一層向上させることができ
ることから、メチルメタクリレート、又は、メチルメタ
クリレートを主成分とする(メタ)アクリル酸エステル
が好ましい。
【0022】上記(メタ)アクリル酸エステルの重合体
は、上記(メタ)アクリル酸エステルや必要に応じてビ
ニルモノマーを含んだものを単量体成分として重合する
ことにより得られる。上記(メタ)アクリル酸エステル
の重合体における重合度としては特に限定されない。
【0023】上記架橋剤としては特に限定されず、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレー
ト;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリル
イソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】上記(メタ)アクリルシラップにおける上
記(メタ)アクリル酸エステル、上記(メタ)アクリル
酸エステルの重合体、架橋剤、及び、必要に応じて用い
られるビニルモノマーの種類や使用量としては特に限定
されず、人工石板に要求される基本性能等に応じて適宜
設定すればよい。
【0025】上記熱硬化性樹脂が二種以上の樹脂を含有
し、混合物となる場合、各々の樹脂の含有量としては特
に限定されない。また、上記熱硬化性樹脂としてラジカ
ル重合型樹脂を用いる場合には、上述したラジカル重合
型樹脂以外のラジカル重合型樹脂を含有してもよい。
【0026】上記マトリックス樹脂における上記低収縮
化剤としては、得られる人工石板の寸法安定性を向上さ
せるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン、三次元架橋ポリス
チレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、セルロースブチレー
ト、アセテート(アセチルセルロース)、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリカプロラクトン、飽和ポリエ
ステル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。これらの中でも、飽和ポリ
エステルが好ましい。
【0027】上記マトリックス樹脂は、更に必要に応じ
て、添加剤を含有してもよい。上記添加剤としては特に
限定されず、例えば、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、着
色剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、減粘
剤、カップリング剤、抗菌剤等が挙げられる。これらは
それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0028】上記硬化剤としては特に限定されず、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチル
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパ
ーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、クメンヒドロパーオキサイド、シクロヘキサノン
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ビス(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネー
ト、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物;
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニル
アゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル
等のアゾ化合物等のラジカル重合開始剤等が挙げられ
る。
【0029】上記増粘剤としては特に限定されず、例え
ば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の
多価金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の多価金属水酸化物;多官能
イソシアネート等が挙げられる。
【0030】上記内部離型剤としては特に限定されず、
例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸アミド、ラウリル酸、トリフ
ェニルホスフェート、アルキルホスフェート等が挙げら
れる。また、一般に用いられているワックス類、シリコ
ーンオイル等の離型剤を用いることもできる。上記着色
剤としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂に使
用することができる無機顔料、有機顔料、及び、トナー
等が挙げられる。
【0031】上記連鎖移動剤としては特に限定されず、
例えば、α−メチルスチレンダイマーや四塩化炭素等、
チオール化合物として、t−ブチルメルカプタン、n−
オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等の
アルキルメルカプタン;チオフェノール、チオナフトー
ル等の芳香族メルカプタン;チオグリコール酸;チオグ
リコール酸オクチル、エチレングリコールジチオグリコ
レート、トリメチロールプロパントリス−(チオグリコ
レート)、ペンタエリスリトールテトラキス−(チオグ
リコレート)等のチオグリコール酸アルキルエステル;
β−メルカプトプロピオン酸;β−メルカプトプロピオ
ン酸オクチル、1,4−ブタンジオールジ(β−チオプ
ロピオネート)、トリメチロールプロパントリス−(β
−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラ
キス−(β−チオプロピオネート)等のβ−メルカプト
プロピオン酸アルキルエステル等が挙げられる。
【0032】上記重合禁止剤としては特に限定されず、
例えば、p−t−ブチルカテコール、p−メトキシフェ
ノール、ヒドロキノン、p−ベンゾキノン、クロラニ
ル、m−ジニトロベンゼン、ニトロベンゼン、p−フェ
ニルジアミン、硫黄、ジフェニルピクリルヒドラジル、
ジ−p−フルオロフェニルアミン、トリ−p−ニトロフ
ェニルメチル等が挙げられる。
【0033】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
等の熱硬化性樹脂に使用することができるものを用いる
ことができる。上記減粘剤、上記カップリング剤及び上
記抗菌剤としては特に限定されず、例えば、熱硬化性樹
脂に使用することができるものを用いることができる。
【0034】本発明における充填剤としては、人工石板
の強度等の基本性能が向上することから、水酸化アルミ
ニウムを必須成分とするものであることが好ましく、そ
の他の成分を含んでもよい。上記その他の成分としては
特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ミル
ドファイバー、シリカ(珪砂)、川砂、珪藻土、雲母粉
末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤、繊
維補強材等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。
【0035】上記繊維補強材としては特に限定されず、
例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック
からなる繊維等の無機繊維;アラミド、ポリエステル等
からなる有機繊維;天然繊維等が挙げられる。また、こ
れらの繊維の形態としては特に限定されず、例えば、ロ
ービング、チョップドストランド、マット、クロス(織
物)等が挙げられる。
【0036】本発明における粒状天然石としては、天然
石を粒状にしたものであれば特に限定されない。また、
陶器、磁器、ガラス、ステッドガラス等を粒状にしたも
のも用いることができる。
【0037】上記天然石の材質としては特に限定され
ず、例えば、花崗岩、安山岩等の火成岩類;砂岩、凝灰
岩等の堆積岩類;大理石、粘板岩、蛇紋岩等の変成岩
類;寒水石、ケイ石等が挙げられる。これらは単独で用
いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中で
も、人工石板が表面硬度や耐薬品性に優れたものとなる
ことから、花崗岩が好ましい。花崗岩としては特に限定
されず、例えば、藤岡御影や万成御影等の御影石、マホ
ガニー、ベルファースト、ベルデフォンタン等が挙げら
れる。
【0038】上記粒状天然石の粒度範囲としては特に限
定されず、30mm以下が好ましいが、更に好ましく
は、1〜15mmである。15mmを超えると、混練工
程において、粒状天然石の破損や磨滅を抑制することが
できなくなるおそれがある。また、混練機を傷めてしま
うおそれがある。更に、人工石板用組成物の流動性が劣
ることとなるため、製造時の作業性が低下するうえ、成
形工程において、金型への充填が不充分となるおそれが
ある。また、最大粒度は20mm以下が好ましい。更に
好ましくは、13mm以下である。
【0039】上記粒状天然石の粒度分布としては特に限
定されないが、例えば板厚13.5mmの板を成形する
場合は以下に記載するような粒度分布が好ましい。 6mm以上の粒度の粒子:0〜15重量% 5mm以上6mm未満の粒度の粒子:0〜30重量% 4mm以上5mm未満の粒度の粒子:5〜30重量% 3mm以上4mm未満の粒度の粒子:5〜50重量% 2mm以上3mm未満の粒度の粒子:10〜50重量% 1mm以上2mm未満の粒度の粒子:5〜50重量% 1mm未満の粒度の粒子:0〜10重量% 尚、これらの粒子の合計量は100重量%である。
【0040】5mm以上の粒度の粒子の分布が、上記の
範囲を超えると、人工石板を製造するにあたって、混練
時に、混練機を傷めてしまうおそれがあり、人工石板用
組成物の流動性が劣るため製造時の作業性が低下するう
え、金型への充填が不充分となるおそれがあり、1mm
未満の粒度の粒子の割合が10重量%を超えると、人工
石板に黒ずみが発生するおそれがあり、1mm以上5m
m未満の粒度の粒子の分布が上記の範囲を超えると、粒
度が均一に近くなり、人工石板の表面に形成される粒状
天然石の柄が、天然石に近似しにくくなる。上記粒状天
然石の種類と粒子の状態とは、人工石板の外観と基本性
能とを決定づける要素であり、得られる人工石板の用途
に応じて適宜選択することができる。
【0041】上記粒状天然石の平均粒度としては特に限
定されないが、3〜8mmであることが好ましい。3m
m未満であると、粒度分布が均一に近くなるため、人工
石板の表面に形成される粒状天然石の柄が、天然石に近
似しにくくなるおそれがある。8mmを超えると、混練
工程において、粒状天然石の破損や磨滅を抑制すること
ができなくなるおそれがある。また、混練機を傷めてし
まうおそれがある。更に、人工石板用組成物の流動性が
劣ることとなるため、製造時の作業性が低下するうえ、
成形工程において、金型への充填が不充分となるおそれ
がある。より好ましくは、4〜7mmである。上記粒状
天然石の種類と粒子の状態とは、本発明の人工石板の外
観と基本性能とを決定づける要素であり、得られる人工
石板の用途に応じて適宜選択することができる。
【0042】本明細書中において、粒状天然石の最大粒
度とは、目開き(b+d)mm〔但し、d>0〕のふる
いを通過し、bmmのふるいに残ったものを最大粒度b
mmという。本明細書中において、粒状天然石の粒度分
布とは、混練機に投入前の粒状天然石について、粒状天
然石を構成している各粒子の粒度の分布を意味し、横軸
に粒度をとり、縦軸に各粒度を有する粒子の重量割合
(重量%)をとって表すことができるものである。上記
粒度分布は、JIS Z 8815のふるい分け法に準
拠して測定することができる。本明細書中において、平
均粒度とは、代表粒子径を意味する。上記代表粒子径と
は、横軸に粒度をとり、縦軸に各粒度を有する粒子の重
量割合(重量%)をとって粒状天然石の粒度分布を表す
場合において、最小粒度から粒度が大きくなる方向へ各
粒度の重量割合(重量%)を累積し、その合計が50重
量%となる粒度である。
【0043】人工石板の製造方法において、上記マトリ
ックス樹脂における各成分、上記充填剤及び上記粒状天
然石の種類並びに使用量としては、それらの組み合わ
せ、人工石板を成形するための成形条件、又は、人工石
板に要求される基本性能やその用途等に応じて適宜設定
すればよく、特に限定されない。
【0044】上記マトリックス樹脂における上記低収縮
化剤の使用量においては、熱硬化性樹脂100重量部に
対して、0〜50重量部となるようにすることが好まし
い。50重量部を超えると、人工石板の強度等の基本性
能が低下するおそれがある。また、上記マトリックス樹
脂における上記増粘剤の使用量においては、熱硬化性樹
脂の重量平均分子量や粘度によって適宜設定することが
できる。
【0045】上記充填剤の使用量においては、マトリッ
クス樹脂100重量部に対して、30〜300重量部と
なるようにすることが好ましい。30重量部未満である
と、人工石板の強度等の基本性能が低下するおそれがあ
り、300重量部を超えると、人工石板用組成物の流動
性が劣るため製造時の作業性が低下するおそれがある。
上記充填剤においては、上記水酸化アルミニウムが充填
剤全量に対して、50〜100重量%であることが好ま
しい。50重量%未満であると、人工石板の強度等の基
本性能が低下するおそれがある。より好ましくは、70
〜100重量%である。
【0046】上記粒状天然石の使用量においては、マト
リックス樹脂100重量部に対して、50〜1000重
量部となるようにすることが好ましい。50重量部未満
であると、人工石板の強度や表面硬度等の基本性能と意
匠性とが低下するおそれがあり、1000重量部を超え
ると、人工石板用組成物予備成形物の流動性が劣るため
成形時に充填性が低下するおそれがある。より好ましく
は、300〜800重量部である。
【0047】人工石板の製造は、マトリックス樹脂及び
充填剤を含むマトリックス材と粒状天然石とを混練機中
に投入して人工石板用組成物を得る混練工程、並びに、
上記人工石板用組成物を予備成形して得た人工石板用組
成物予備成形物を金型にチャージして成形する成形工
程、更に、必要に応じて、成形品の表面を研磨する表面
研磨工程を経るものである。
【0048】上記混練工程は、上記マトリックス材を構
成する各成分と粒状天然石とを充分に混練することによ
り、粒状天然石をマトリックス材中に分散させるために
行われる。上記人工石板用組成物は、上記混練工程によ
り得られるものであり、上述した各成分が混練された組
成物である。
【0049】上記混練工程は、例えば、まずマトリック
ス樹脂の一部又は全部をディスパー等の撹拌機で調製し
てからニーダー等の混練機へ投入、混練し、次いで残り
の成分を順次ニーダー等の混練機で混練して行うことが
できる。
【0050】上記ニーダー等の混練機の形式としては特
に限定されず、例えば、シグマブレード型、バンバリー
型等が挙げられるが、粒状天然石がニーダーの混練翼や
容器の内壁を削ることによりマトリックス材が黒ずむこ
とを抑制するために、セラミックチップを混練翼と容器
の内壁に貼り付けたもの等が好ましい。
【0051】上記ニーダー等の混練機における混練の回
転速度及び温度としては特に限定されないが、マトリッ
クス材と粒状天然石とを充分に混練するために、回転速
度は20〜50rpm、温度は10〜60℃に設定する
ことが好ましい。より好ましくは、温度が15〜40℃
である。上記混練工程においては、上述した各成分の混
練機への投入順序等やその他の混練方法等は特に限定さ
れない。
【0052】本発明における上記成形工程は、上記人工
石板用組成物を予備成形して得た二以上の上記人工石板
用組成物予備成形物を金型にチャージして成形すること
により、二以上の人工石板用組成物予備成形物を接合さ
せ、硬化させて板状成形物を得るために行われる。
【0053】本発明は、上記成形工程において、金型へ
のチャージが、二以上の上記人工石板用組成物予備成形
物の一部分を重ね置きして行うものとすることにより、
充分な基本性能を有し、しかも、意匠性に優れ、高級感
を有する長尺人工石板を製造するものである。
【0054】本明細書中において、予備成形とは、金型
へのチャージを容易とし、また、人工石板用組成物の充
填性を向上させるために、混練工程で得られた人工石板
用組成物の形状を整えることであり、例えば、人工石板
用組成物を容器等に梱包するプリフォーム梱包により行
うものや、押出機により押出することにより行うもの等
である。
【0055】上記人工石板用組成物予備成形物とは、上
記予備成形により得られるものである。上記人工石板用
組成物や上記人工石板用組成物予備成形物は、通常、バ
ルクモールディングコンパウンド(BMC)ともいう。
上記プリフォーム梱包の方法としては特に限定されず、
例えば、常温で熟成してもしなくてもよい。
【0056】本明細書中において、人工石板用組成物予
備成形物を金型にチャージするとは、下側の金型(下
型)上に人工石板用組成物予備成形物を配置することを
いう。本発明における成形は、例えば、人工石板用組成
物予備成形物を加熱された金型にチャージした後、加圧
することにより下側の金型(下型)と上側の金型(上
型)とを型締めし、人工石板用組成物予備成形物が展延
されて金型内に充填され、所定時間保持することにより
行われる。
【0057】本明細書中において、「意匠性に優れる」
とは、マトリックス中に分散されている粒状天然石が、
種々の色、形状、模様等を呈することにより、表面に形
成された模様や柄等の人工石板の外観が、見る者に良好
な印象を与えることを意味する。また、「高級感を有す
る」とは、マトリックス中に分散された粒状天然石と、
充分な透明性があるマトリックスとにより、粒状天然石
が本来有する御影石や大理石等の天然石と同様な高級感
が、人工石板の表面に現れていることを意味する。
【0058】上記成形工程において、二以上の上記人工
石板用組成物予備成形物を成形して得られる板状成形物
における粒状天然石の分散の態様が部分的に異なること
が抑制されると、得られる長尺人工石板が全面にわたっ
て充分な基本性能を有することとなる。また、色分かれ
や色むらが線状又は面状となって生じにくくなり、得ら
れる長尺人工石板の意匠性と高級感との低下が抑制され
ることとなる。そのためには、上記成形工程において、
二以上の人工石板用組成物予備成形物どうしが互いに接
合されるときに、その接合部分とその他の部分とで粒状
天然石の分散の態様が異なることを防止することが必要
である。
【0059】本発明者らは、鋭意検討の結果、上記成形
工程における金型へのチャージが、二以上の上記人工石
板用組成物予備成形物の一部分を重ね置きして行うもの
とすることにより、得られる長尺人工石板のマトリック
ス中における粒状天然石の分散の態様が部分的に異なる
ことが抑制されることを見いだし、本発明を完成させた
ものである。
【0060】上記人工石板用組成物予備成形物の一部分
を重ね置きしないと、二以上の人工石板用組成物予備成
形物どうしが互いに接合される接合部分において、人工
石板用組成物予備成形物の流動が不均一となり、また、
人工石板用組成物予備成形物中のマトリックス材と粒状
天然石との流動性が異なるため、粒状天然石の分散の態
様が部分的に異なることとなる。
【0061】本明細書中において、二以上の人工石板用
組成物予備成形物の一部分を重ね置きするとは、すべて
の人工石板用組成物予備成形物のそれぞれ一部分を重ね
合わせて置くことを意味する。本明細書中において、粒
状天然石の分散の態様とは、マトリックス中における粒
状天然石の分布状態等の分散状態や分散量のことを意味
する。
【0062】上記人工石板用組成物予備成形物の個数
は、二以上であれば特に限定されず、金型の寸法によ
り、作業性等を考慮して適宜設定すればよい。例えば、
金型の寸法として、縦が500〜1000mm、横が2
000〜4000mmの場合には、上記人工石板用組成
物予備成形物の個数は、3〜10個となるようにするこ
とが好ましい。
【0063】上記人工石板用組成物予備成形物の形状と
しては特に限定されず、金型の形状や寸法、作業性等を
考慮して適宜設定すればよい。例えば、表面形状が正方
形や長方形となるようにすることが好ましい。また、二
以上の上記人工石板用組成物予備成形物のすべてが同じ
形状であることが好ましい。同じ形状でないと、人工石
板用組成物予備成形物の金型内への展延が不均一となっ
て粒状天然石の分散の態様が部分的に異なるおそれがあ
る。
【0064】上記人工石板用組成物予備成形物の一個あ
たりの大きさや重量としては特に限定されないが、用い
る金型の形状や寸法、人工石板用組成物予備成形物の流
動性、作業性、充填量等を考慮して適宜設定すればよ
い。例えば、用いる金型の寸法として、縦が500〜1
000mm、横が2000〜4000mmの場合には、
上記人工石板用組成物予備成形物の一個あたりの大きさ
は、縦が200〜800mm、横が200〜1500m
m程度となるようにすることが好ましい。また、上記人
工石板用組成物予備成形物の一個あたりの重量は、5〜
30kg程度となるようにすることが好ましい。
【0065】上記人工石板用組成物予備成形物の配置方
法は、二以上の人工石板用組成物予備成形物の一部分を
重ね置きして行うものであれば特に限定されないが、人
工石板用組成物予備成形物の金型内での展延をなるべく
均一にするために、金型の長尺側の辺に沿って中央に横
一列として並べるようにすることが好ましい。上記人工
石板用組成物予備成形物の配置方向としては特に限定さ
れないが、人工石板用組成物予備成形物の一辺と金型の
一辺とがなるべく平行になるような方向とすることが好
ましい。
【0066】上記人工石板用組成物予備成形物の重ね置
きされる一部分の形状としては特に限定されないが、人
工石板用組成物予備成形物の金型内での展延をなるべく
均一にするために、表面形状が正方形や長方形となるよ
うにすることが好ましい。また、三以上の人工石板用組
成物予備成形物を金型にチャージする場合には、人工石
板用組成物予備成形物の重ね置きされた部分の面積がす
べて等しくなるようにすることが好ましい。
【0067】上記人工石板用組成物予備成形物の重ね置
きされる一部分の長さとしては特に限定されず、例え
ば、人工石板用組成物予備成形物の横方向において、重
ね置きされる長さが10〜200mm程度となるような
大きさとすることが好ましい。10mm未満であると、
粒状天然石の分散の態様が部分的に異なるおそれがあ
り、200mmを超えると、人工石板用組成物予備成形
物の金型への充填が不充分となるおそれがある。上記人
工石板用組成物予備成形物の充填量は、人工石板用組成
物予備成形物の成形後の重量等を考慮して適宜設定すれ
ばよい。
【0068】上記成形工程は、粒状天然石として、黒や
茶色等の濃色のものを用いる場合に、得られる長尺人工
石板において、色分かれや色むらが線状又は面状となっ
て生じにくくなり、意匠性と高級感との低下が抑制され
るという作用が充分に発揮されるため、好適に適用する
ことができるものである。
【0069】上記成形工程は、図1に示されるように、
例えば、上記人工石板用組成物を同一形状及び大きさと
して予備成形して得た二以上の上記人工石板用組成物予
備成形物1を、金型5の長尺側の辺に沿って中央に横1
列として、人工石板用組成物予備成形物1の一辺と金型
5の一辺とが平行になるように並べ、かつ、すべての人
工石板用組成物予備成形物の一部分を重ね置きして、加
熱された金型にチャージした後、加圧して硬化させるプ
レス成形(圧縮成形)等の加圧成形等により行うことが
できる。
【0070】上記金型へのチャージは、BMCチャージ
機等により行うことができ、成形された板状成形物の金
型からの取り出しは、製品取り出し機等により行うこと
ができる。上記金型の加圧は、例えば、圧力4.9〜1
9.6MPaで行うことができる。
【0071】上記金型の加熱温度としては特に限定され
ないが、100〜170℃が好ましい。また、上型と下
型とが同じ温度であっても、異なる温度であってもよ
い。上記金型が加圧されている成形時間としては特に限
定されないが、180〜700秒であることが好まし
い。加熱温度が100℃未満であったり、成形時間が1
80秒未満であったりすると、人工石板用組成物の硬化
が充分でなくなるおそれがあり、700秒を超えると経
済的ではない。加熱温度が170℃を超えると、長尺人
工石板の基本性能、意匠性及び高級感が低下するおそれ
がある。
【0072】上記表面研磨工程は、例えば、天然石の表
面研磨工程と同様に、湿式研磨機により連続研磨又は単
軸研磨することにより行うことができる。上記表面研磨
工程により、成形工程により得られる板状成形物の表面
が0.5〜2.0mm程度研磨され、得られる長尺人工
石板におけるマトリックス中の粒状天然石の柄が表面研
磨工程前のものよりも明確となり、意匠性が向上するこ
ととなる。
【0073】本発明の広尺人工石板の製造方法は、マト
リックス樹脂及び充填剤を含むマトリックス材と粒状天
然石とを混練機中に投入して人工石板用組成物を得る混
練工程、並びに、上記人工石板用組成物を予備成形して
得た人工石板用組成物予備成形物を金型にチャージして
成形する成形工程、を含む広尺人工石板の製造方法であ
って、上記成形工程における金型へのチャージは、二以
上の上記人工石板用組成物予備成形物の全体を重ね置き
して行うものである。
【0074】本明細書中において、「広尺」の用語は、
一方向のみが長い「長尺」に対して、両方向とも長いと
いう意味で用いられる。本発明者らは、鋭意検討の結
果、上記成形工程における金型へのチャージが、二以上
の上記人工石板用組成物予備成形物の全体を重ね置きし
て行うものとすることにより、得られる広尺人工石板の
マトリックス中における粒状天然石の分散の態様が部分
的に異なることが抑制されることを見いだし、本発明を
完成させたものである。
【0075】上記人工石板用組成物予備成形物の全体を
重ね置きしないと、二以上の人工石板用組成物予備成形
物どうしが互いに接合される接合部分で、人工石板用組
成物予備成形物中のマトリックス材と粒状天然石との流
動の態様が異なるおそれがある。また、二以上のすべて
の人工石板用組成物予備成形物が金型内で一体となって
展延しないことから、均一に展延しないおそれがある。
そのため、粒状天然石の分散の態様が部分的に異なるお
それがある。
【0076】本明細書中において、二以上の人工石板用
組成物予備成形物の全体を重ね置きするとは、すべての
人工石板用組成物予備成形物を同形状としてそれぞれ全
体を重ね合わせて積載することを意味する。上記人工石
板用組成物予備成形物の個数は、二以上であれば特に限
定されず、金型の寸法により、作業性等を考慮して適宜
設定すればよい。例えば、金型の寸法として、縦が50
0〜1500mm、横が1500〜3000mm程度の
場合には、上記人工石板用組成物予備成形物の個数は、
2〜10個となるようにすることが好ましい。
【0077】上記人工石板用組成物予備成形物の一個あ
たりの大きさや重量としては特に限定されないが、用い
る金型の形状や寸法、人工石板用組成物予備成形物の流
動性、作業性、充填量等を考慮して適宜設定すればよ
い。例えば、用いる金型の寸法として、縦が500〜1
500mm、横が1500〜3000mmの場合には、
上記人工石板用組成物予備成形物の一個あたりの大きさ
は、縦が200〜1300mm、横が300〜2000
mm程度となるようにすることが好ましい。また、上記
人工石板用組成物予備成形物の一個あたりの重量は、5
〜35kg程度となるようにすることが好ましい。
【0078】上記人工石板用組成物予備成形物の形状及
び充填量としては特に限定されず、例えば、上述したの
と同様である。上記人工石板用組成物予備成形物の配置
方法は、二以上の人工石板用組成物予備成形物の全体を
重ね置きして行うものであれば特に限定されず、例え
ば、上述したのと同様である。
【0079】上記成形工程は、粒状天然石として、黒や
茶色等の濃色のものを用いる場合に、得られる広尺人工
石板において、色分かれや色むらが線状又は面状となっ
て生じにくくなり、意匠性と高級感との低下が抑制され
るという作用が充分に発揮されるため、好適に適用する
ことができるものである。
【0080】上記成形工程は、図2に示されるように、
例えば、上記人工石板用組成物を同一形状及び大きさと
して予備成形して得た二以上の上記人工石板用組成物予
備成形物1を、金型5の中央に、人工石板用組成物予備
成形物1の一辺と金型5の一辺とが平行になるように並
べ、かつ、すべての人工石板用組成物予備成形物1の全
体を重ね置きして、加熱された金型にチャージした後、
加圧して硬化させるプレス成形(圧縮成形)等の加圧成
形等により行うことができる。
【0081】本発明の長尺人工石板及び本発明の広尺人
工石板は、湿式ダイヤモンドカッター、面取り機、ウォ
ータージェット等の一般の天然石加工用の工具や、天然
石に用いることができる接着剤等を使用して、切断、穴
あけ、接合、接着等を行う加工工程や施工工程を施すこ
とができる。
【0082】本発明の長尺人工石板及び本発明の広尺人
工石板は、上述した長尺人工石板の製造方法、及び、広
尺人工石板の製造方法により製造されてなるものであ
る。本発明の長尺人工石板及び本発明の広尺人工石板に
おいて、マトリックス中に分散された上記粒状天然石
は、人工石板全量に対して、30〜90重量%であるこ
とが好ましい。30重量%未満であると、人工石板の表
面硬度等の基本性能が低下するおそれがあったり、人工
石板の表面に形成される粒状天然石の柄が少なくなるこ
とから、意匠性が低下するおそれがあり、90重量%を
超えると、人工石板用組成物の流動性が劣るため成形時
の充填性が低下し、人工石板の強度等の基本性能が低下
するおそれがある。
【0083】本発明の長尺人工石板及び本発明の広尺人
工石板は、その製造における成形工程において、粒状天
然石の分散の態様が部分的に異なることが抑制されたも
のであることから、耐熱性に優れ、圧縮強度や曲げ強度
等の強度、耐衝撃性及び表面硬度が高く、吸水率が低
く、傷つきにくいといった基本性能を全面にわたって均
一に有し、優れた意匠性を有し、粒状天然石として、御
影石や花崗岩、大理石、その他どのような天然石を粒状
天然石として用いたとしても、当該天然石のもつ高級感
をその表面に現すことができ、タイル、壁用パネル等の
建築用装飾材;浴槽(バスタブ)、洗面化粧台(カウン
ター)、流し台(シンク)、浴室パネル、システムキッ
チン天板(キッチンカウンター)、テーブル天板等の住
設機器;各種装飾品、表札等に好適に適用することがで
きるものである。
【0084】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、「部」は、「重量部」を示す。
【0085】調製例1 温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器
としての四ツ口フラスコに、α,β−不飽和二塩基酸と
しての無水マレイン酸980部、及び、多価アルコール
としてのビスフェノールAのエチレンオキシド2付加物
3360部を仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガス置換し
た。次に、この混合物を撹拌しながら最高温度が215
℃となるように加熱し、脱水反応を所定時間行った。こ
れにより、酸価が17の不飽和ポリエステルを得た。そ
して、この不飽和ポリエステル70部、ビニル単量体と
してのスチレン30部、及び、安定剤としてのハイドロ
キノン0.02部を混合することにより、樹脂A−1を
得た。
【0086】調製例2 温度計、窒素ガス導入管、及び、撹拌機を備えた反応器
としての四ツ口フラスコに、飽和二塩基酸としてのイソ
フタール酸1660部、及び、多価アルコールとしての
ジプロピレングリコール1380部を仕込んだ後、フラ
スコ内を窒素ガス置換した。次に、この混合物を撹拌し
ながら最高温度が215℃となるように加熱し、脱水反
応を所定時間行った。これにより、酸価が12の飽和ポ
リエステルを得た。そして、この飽和ポリエステル60
部、ビニル単量体としてのスチレン40部、及び、安定
剤としてのハイドロキノン0.02部を混合することに
より、樹脂B−1を得た。
【0087】実施例1 熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂であるA−
1 85部、低収縮化剤として飽和ポリエステル樹脂で
あるB−1 15部、カップリング剤としてKBM−5
03(商品名、信越化学工業社製)2.0部、連鎖移動
剤としてα−メチルスチレンダイマー0.5部、紫外線
吸収剤としてチヌビン320(商品名、チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)0.5部、重合禁止剤として
パラベンゾキノン0.1部、及び、着色剤としてトナー
であるAT−3(商品名、大日精化株式会社製)0.3
部を容器に仕込み、ディスパーにより10分間撹拌し
た。ディスパーとしては、MHV−10DESPA(商
品名、浅田鉄工社製)を用いた。その後、硬化剤として
パーヘキサTMH(商品名、日本油脂株式会社製)2.
0部を添加して更にディスパーにより10分間撹拌して
マトリックス樹脂を調製した。
【0088】次いで、調製したマトリックス樹脂全量、
充填剤として水酸化アルミニウムであるハイジライトH
−320(商品名、昭和電工社製)200部、粒状天然
石としてマホガニー250部、繊維補強材として強化ガ
ラス繊維であるチョップドストランドECS06B−1
44/P(商品名、日本電気硝子社製)30部、及び、
内部離型剤としてステアリン酸亜鉛であるSZ−200
0(商品名、堺化学工業社製)2.0部を、セラミック
チップを混練翼と容器の内壁に貼り付けたニーダーに投
入し、ニーダーを回転させて1分間混練した後、ニーダ
ーを停止させ、上記と同じ粒状天然石250部を投入し
た後、再びニーダーを回転させ更に3分30秒間混練し
て混練を終了した。ニーダーを回転させて混練した合計
時間は、4分30秒であった。この混練物をニーダーか
ら取り出して混練工程を終了し、400mm×400m
m(約9.1kg)の寸法にプリフォーム梱包すること
により予備成形したBMCを得た。用いたマホガニーの
粒度分布は、6mm以上の粒度の粒子が1重量%であ
り、5mm以上6mm未満の粒度の粒子が3重量%であ
り、4mm以上5mm未満の粒度の粒子が16重量%で
あり、3mm以上4mm未満の粒度の粒子が27重量%
であり、2mm以上3mm未満の粒度の粒子が35重量
%であり、1mm以上2mm未満の粒度の粒子が16重
量%であり、1mm未満の粒度の粒子が2重量%であっ
た。ニーダーは、MSオープン型ニーダー;100L
(商品名、モリヤマ社製)であり、回転速度を29〜3
8rpmに設定した。
【0089】次いで、得られたBMCを、2500トン
の大型油圧プレス機を用い、135/130℃に設定し
た寸法670mm×3070mmの金型に、プリフォー
ムしたBMC7枚をBMCチャージ機によりチャージし
た。BMCのチャージパターンは、7枚のBMCを金型
の長尺側の辺に沿って中央に横1列として、BMCの一
辺と金型の一辺とが平行になるように並べ、かつ、各B
MCの一部分を端から20mm重ね置きするものとし
た。その後、圧力7.8MPaで420秒間プレス成形
し、厚さ約13.5mmの成形物を得て成形工程を終了
した。次いで、天然石用湿式平面研磨装置により成形物
の表面を1mm研磨して表面研磨工程を行った後、長尺
人工石板を得た。以下に示す方法により、得られた長尺
人工石板を評価した。その結果を表1に記載した。
【0090】評価方法 (1)意匠性及び高級感の官能試験 得られた人工石板の外観の意匠性及び高級感について、
天然の御影石及び大理石を研磨したものを基準として、
意匠性に優れるか否かと、高級感を有するか否かを、2
1人(奇数人)により目視観察を行い評価した。その結
果を、意匠性に優れると評価した人の人数、及び、高級
感を有すると評価した人の人数で表し、表1に記載し
た。
【0091】得られた人工石板について行った意匠性及
び高級感の官能試験において、天然の御影石及び大理石
を研磨したものを基準として、評価した人の半分以上が
「意匠性に優れる」と評価した場合は、人工石板が意匠
性に優れるものであると考えられ、評価した人の半分以
上が「高級感を有する」と評価した場合は、人工石板が
高級感を有するものであると考えられる。 (2)曲げ強度試験 得られた人工石板の曲げ強度を、JIS K 6911
に準拠して測定した。
【0092】実施例2 実施例1において、プリフォーム梱包する寸法を400
mm×400mm(約10.4kg)としたこと以外は
同様にして予備成形したBMCを得た。次いで、金型の
寸法を760mm×3070mmとしたこと以外は同様
にして長尺人工石板を得た。実施例1に示す方法によ
り、得られた長尺人工石板を評価した。その結果を表1
に記載した。
【0093】実施例3 実施例1と同様にしてマトリックス樹脂を調製した。次
いで、調製したマトリックス樹脂全量、ハイジライトH
−320 200部、粒状天然石としてベルファースト
250部、チョップドストランドECS06B−144
/P 30部、及び、SZ−2000 2.0部を、セ
ラミックチップを混練翼と容器の内壁に貼り付けたニー
ダーに投入し、ニーダーを回転させて1分30秒間混練
した後、ニーダーを停止させ、上記と同じ粒状天然石2
50部を投入した後、再びニーダーを回転させ更に3分
間混練して混練を終了した。ニーダーを回転させて混練
した合計時間は、4分30秒であった。この混練物をニ
ーダーから取り出して混練工程を終了し、その後はプリ
フォーム梱包する寸法を400mm×400mm(約
9.4kg)としたこと以外は実施例1と同様にして長
尺人工石板を得た。用いたベルファーストの粒度分布
は、6mm以上の粒度の粒子が1重量%であり、5mm
以上6mm未満の粒度の粒子が4重量%であり、4mm
以上5mm未満の粒度の粒子が18重量%であり、3m
m以上4mm未満の粒度の粒子が25重量%であり、2
mm以上3mm未満の粒度の粒子が32重量%であり、
1mm以上2mm未満の粒度の粒子が18重量%であ
り、1mm未満の粒度の粒子が2重量%であった。実施
例1に示す方法により、得られた長尺人工石板を評価し
た。その結果を表1に記載した。
【0094】実施例4 実施例3において、プリフォーム梱包する寸法を400
mm×400mm(約10.7kg)としたこと以外は
同様にして予備成形したBMCを得た。次いで、金型の
寸法を760mm×3070mmとしたこと以外は同様
にして長尺人工石板を得た。実施例1に示す方法によ
り、得られた長尺人工石板を評価した。その結果を表1
に記載した。
【0095】実施例5 実施例1と同様にしてマトリックス樹脂を調製した。次
いで、調製したマトリックス樹脂全量、ハイジライトH
−320 200部、粒状天然石としてスリランカケイ
石250部を、セラミックチップを混練翼と容器の内壁
に貼り付けたニーダーに投入し、ニーダーを回転させて
1分間混練した後、ニーダーを回転させた状態で、チョ
ップドストランドECS06B−144/P 30部、
及び、SZ−2000 2.0部を投入して1分間混練
した後、ニーダーを停止させ、上記と同じ粒状天然石2
50部を投入して更に2分15秒間混練して混練を終了
した。ニーダーを回転させて混練した合計時間は、4分
15秒であった。この混練物をニーダーから取り出して
混練工程を終了し、その後はプリフォーム梱包する寸法
を600mm×400mm(約25kg)としたこと以
外は実施例1と同様にして予備成形したBMCを得た。
用いたスリランカケイ石の粒度分布は、6mm以上の粒
度の粒子が3重量%であり、5mm以上6mm未満の粒
度の粒子が15重量%であり、4mm以上5mm未満の
粒度の粒子が25重量%であり、3mm以上4mm未満
の粒度の粒子が31重量%であり、2mm以上3mm未
満の粒度の粒子が17重量%であり、1mm以上2mm
未満の粒度の粒子が8重量%であり、1mm未満の粒度
の粒子が1重量%であった。
【0096】次いで、得られたBMCを、2500トン
の大型油圧プレス機を用い、135/130℃に設定し
た寸法1240mm×1840mmの金型に、プリフォ
ームしたBMC3枚をBMCチャージ機によりチャージ
した。BMCのチャージパターンは、金型の中央に、B
MCの一辺と金型の一辺とが平行になるように並べ、か
つ、3枚のBMCの全体を3段に重ね置きするものとし
た。その後、圧力7.8MPaで420秒間プレス成形
し、厚さ約14mmの成形物を得て成形工程を終了し
た。次いで、実施例1と同様に表面研磨工程を行った
後、広尺人工石板を得た。実施例1に示す方法により、
得られた広尺人工石板を評価した。その結果を表1に記
載した。
【0097】比較例1 実施例1において、BMCのチャージパターンを、7枚
のBMCを金型の長尺側の辺に沿って中央に横1列とし
て、BMCの一辺と金型の一辺とが平行になるように並
べ、かつ、各BMCの一部分を重ね置きせずに端を接触
させて置くものとしたこと以外は同様にして長尺人工石
板を得た。実施例1に示す方法により、得られた長尺人
工石板を評価した。その結果を表1に記載した。
【0098】比較例2 実施例1において、BMCのチャージパターンを、6枚
のBMCを金型の長尺側の辺に沿って中央に横1列とし
て、BMCの一辺と金型の一辺とが平行になるように並
べ、かつ、各BMCの一部分を重ね置きせずに端を10
mm離して置くものとしたこと以外は同様にして長尺人
工石板を得た。実施例1に示す方法により、得られた長
尺人工石板を評価した。その結果を表1に記載した。
【0099】比較例3 実施例5において、BMCのチャージパターンを、3枚
のBMCを金型の長尺側の辺に沿って中央に横1列とし
て、BMCの一辺と金型の一辺とが平行になるように並
べ、かつ、各BMCの一部分を重ね置きせずに端を16
0mm離して置くものとしたこと以外は同様にして広尺
人工石板を得た。実施例1に示す方法により、得られた
広尺人工石板を評価した。その結果を表1に記載した。
【0100】
【表1】
【0101】表1から明らかなように、実施例1〜5に
おいて得られた長尺人工石板及び広尺人工石板は、充分
な基本性能を有し、しかも、意匠性に優れ、高級感を有
していた。一方、比較例2及び3において得られた長尺
人工石板及び広尺人工石板は、実施例1及び5において
得られた長尺人工石板及び広尺人工石板に比較して、基
本性能に劣るものであった。また、比較例1〜3におい
て得られた長尺人工石板及び広尺人工石板は、表面に色
むらが生じ、比較例1では線状となって生じ、比較例2
及び3では面状となって生じていた。そのため、実施例
1〜5において得られた長尺人工石板及び広尺人工石板
に比較して、意匠性と高級感とに劣るものであった。
【0102】
【発明の効果】本発明の長尺人工石板の製造方法は、上
述の構成よりなるので、成形工程において、粒状天然石
の分散の態様が異なることが抑制されることから、得ら
れる長尺人工石板が全面にわたって充分な基本性能を有
し、意匠性に優れ、高級感を有するものとなる。
【0103】本発明の広尺人工石板の製造方法は、上述
の構成よりなるので、成形工程において、粒状天然石の
分散の態様が異なることが抑制され、また、人工石板用
組成物予備成形物が金型内に均一に展延されることか
ら、得られる広尺人工石板が全面にわたって充分な基本
性能を有し、意匠性に優れ、高級感を有するものとな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の長尺人工石板の製造方法の成形工程に
おいて、二以上の人工石板用組成物予備成形物の一部分
を重ね置きして金型へチャージすることの一例を模式的
に示した断面図である。雄型である下側の金型(下型)
上に二以上の人工石板用組成物予備成形物をチャージす
る場合である。
【図2】本発明の広尺人工石板の製造方法の成形工程に
おいて、二以上の人工石板用組成物予備成形物の全体を
重ね置きして金型へチャージすることの一例を模式的に
示した断面図である。雄型である下側の金型(下型)上
に二以上の人工石板用組成物予備成形物をチャージする
場合である。尚、雌型である上側の金型(上型)等は省
略してある。
【符号の説明】
1 人工石板用組成物予備成形物 2 粒状天然石 3 マトリックス材 4 人工石板用組成物予備成形物の一部分を重ね置きし
ている長さ 5 下側の金型(下型) 6 上側の金型(上型)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高畠 耕治 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4F204 AA36 AA49 AB11 AH48 FA01 FB01 FF06 FN11 FN15 FQ01 FQ15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂及び充填剤を含むマト
    リックス材と粒状天然石とを混練機中に投入して人工石
    板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工石板用組成
    物を予備成形して得た人工石板用組成物予備成形物を金
    型にチャージして成形する成形工程、を含む長尺人工石
    板の製造方法であって、該成形工程における金型へのチ
    ャージは、二以上の該人工石板用組成物予備成形物の一
    部分を重ね置きして行うものであることを特徴とする長
    尺人工石板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の長尺人工石板の製造方法
    により製造されてなることを特徴とする長尺人工石板。
  3. 【請求項3】 マトリックス樹脂及び充填剤を含むマト
    リックス材と粒状天然石とを混練機中に投入して人工石
    板用組成物を得る混練工程、並びに、該人工石板用組成
    物を予備成形して得た人工石板用組成物予備成形物を金
    型にチャージして成形する成形工程、を含む広尺人工石
    板の製造方法であって、該成形工程における金型へのチ
    ャージは、二以上の該人工石板用組成物予備成形物の全
    体を重ね置きして行うものであることを特徴とする広尺
    人工石板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の広尺人工石板の製造方法
    により製造されてなることを特徴とする広尺人工石板。
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