JP6726021B2 - トナー粒子の製造方法および撹拌装置 - Google Patents

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Description

本発明はトナー粒子の製造方法および撹拌装置に関する。
近年、トナー粒子の製造方法として、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式トナーに関する提案が盛んにおこなわれている。
たとえば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤およびその他の添加剤を均一に溶解または分散させて着色剤含有組成物とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、重合性単量体を重合させて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。
このようにして製造されたトナー粒子は、非常にシャープな粒度分布であることから、高い現像性を実現できるばかりか、高収率であることから生産性の観点からも優れている。
しかし、トナー粒子を得る過程でトナー粒子径に比べはるかに小さい粒子(微小粒子)が発生してしまう。微小粒子を含むトナーを電子写真に用いると、カートリッジ内の部材に固着又は融着する。固着又は融着した微小粒子がトナーに混入すると、現像スジやカブリが発生し問題となる。
これらのことから、微小粒子の生成を抑制するトナー粒子の製造方法が求められている。
微小粒子を抑制する方法として、着色剤含有組成物が重合する前の反応工程で撹拌動力を低くする方法がある。撹拌動力を低くすることで、反応工程以前の工程で発生した重合後に微小粒子となる微小な着色剤含有組成物の液滴と、トナー粒子として適切な大きさの着色剤含有組成物の液滴との接触機会が増える。このため、微小な着色剤含有組成物の液滴を、適切な大きさの着色剤含有組成物に合一させることができる。
しかし、撹拌動力を低くする方法では重合開始剤の分解により発生する泡や、液中の溶存気体が液温上昇に伴って溶解度低下して気泡化するなどにより発泡が起き易く、場合によっては泡が反応容器から溢れてしまうため、製造が困難である。また、液面上に堆積した泡により放熱が妨げられ、得られた重合物の分子量が変動することなどトナー品質に直結する弊害も招き易い。
泡の抑制について、特許文献1には反応溶媒に用いるアルコールの比率を上げて水の比率を下げる技術が、特許文献2には真空ポンプにて減圧し脱泡しようとする技術が開示されている。
特許第4056738号公報 特許第5586552号公報
特許文献1に開示されている、化学的に気泡を抑制しようとする技術は、消泡の観点からは効果が見られた。一方、得られたトナーの評価を行ったところトナー性能への影響が見られ、特に現像性への影響が大きい。反応溶媒に用いたアルコールがトナー表面や内部から除去しきれなかったため、帯電特性へ影響が出たことが原因と推測している。
特許文献2に開示されている真空ポンプにて減圧し脱泡しようとする技術は、一定の効果は見られた。しかし、真空ポンプによるランニングコストの増加や、減圧下にて沸点が変動することによる製造条件の制約が発生することなどにより好ましくない。
以上のように、従来の技術ではトナー性能、生産性への影響を抑えつつ、微小粒子の発生の抑制と発泡の抑制を両立することは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、現像性に優れるトナーを得ることができるトナー粒子の製造方法であって、微小粒子の発生を抑制し、かつ、発泡を抑制するトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。また、そのようなトナーの製造方法に利用可能な撹拌装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、撹拌装置を用いて分散液を撹拌する工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
該撹拌装置は、容器と、該容器の内部に垂設された回転軸と、該回転軸に上下多段に設けられた2枚パドル翼とを有し、
該2枚パドル翼のうち最大の径を有する最大径翼の翼径をD1(m)とし、該最大径翼の一段下に設けられた下段翼の翼径をD2(m)としたとき、該D1と該D2とが、下記式(1)の関係を満たし、
該最大径翼の翼高をH1(m)としたとき、該H1と該D1とが、下記式(2)の関係を満たし、
該容器の内径をD3(m)としたとき、該D3と該D1とが、下記式(3)の関係を満たし、
上下で隣接する任意の2つの2枚パドル翼において、上段の2枚パドル翼は、下段の2枚パドル翼に対して、10度以上90度以下の交差角度α1で回転方向に先行するように設けられているトナー粒子の製造方法が提供される。
1.1×D2≦D1≦1.5×D2 式(1)
0.1×D1≦H1≦0.4×D1 式(2)
0.5≦D1/D3≦0.95 式(3)
また、本発明の他の態様によれば、
トナー粒子を製造する過程において分散液を撹拌するための撹拌装置であって、
該撹拌装置は、容器と、該容器の内部に垂設された回転軸と、該回転軸に上下多段に設けられた2枚パドル翼とを有し、
該2枚パドル翼のうち最大の径を有する最大径翼の翼径をD1(m)とし、該最大径翼の一段下に設けられた下段翼の翼径をD2(m)としたとき、該D1と該D2とが、下記式(1)の関係を満たし、
該最大径翼の翼高をH1(m)としたとき、該H1と該D1とが、下記式(2)の関係を満たし、
該容器の内径をD3(m)としたとき、該D3と該D1とが、下記式(3)の関係を満たし、
上下で隣接する任意の2つの2枚パドル翼において、上段の2枚パドル翼は、下段の2枚パドル翼に対して、10度以上90度以下の交差角度α1で回転方向に先行するように設けられている撹拌装置が提供される。
1.1×D2≦D1≦1.5×D2 式(1)
0.1×D1≦H1≦0.4×D1 式(2)
0.5≦D1/D3≦0.95 式(3)
本発明の一態様によれば、現像性に優れるトナーを得ることができるトナー粒子の製造方法であって、微小粒子の発生が少なく、かつ発泡も少ない、トナー粒子の製造方法を提供することが可能となる。
また、本発明の他の態様によれば、そのようなトナー粒子の製造方法に利用可能な撹拌装置を提供することが可能となる。
本発明において使用される撹拌装置の一例を示す概略図である。 従来の撹拌装置の一例を示す概略図である。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態の記載は、この発明の技術的範囲を以下の実施の形態に限定するものではない。
本発明が好適に用いることができるトナーの製造方法としては、懸濁重合法、別途重縮合したポリエステル等を用いる溶解懸濁法等があるが、湿式で重合するトナー粒子の製造方法であれば、その他の各種重合法トナーの製造に適用できる。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法について、工程毎に説明する。
(重合性単量体組成物の調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、重合性単量体組成物の分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行うことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、以下のような市販のものを用いることができる。ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)、T.K.フィルミックス(プライミクス(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)。
無機分散安定剤としては、例えば、以下のものを挙げることができる。炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液に重合開始剤を添加し、重合性単量体を重合することにより、トナー粒子の分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程の後半に昇温してもよい。
本発明のトナー粒子の製造方法において用いられる撹拌装置は図1に示すような撹拌装置が好ましく用いられる。
撹拌装置は、反応容器1と、反応容器1の内部に垂設された回転軸5と、回転軸5に上下多段に設けられた2枚パドル翼とを有する。2枚パドル翼を多段に具備する(例えば、図1に示すように、上段の2枚パドル翼として上段翼2と、下段の2枚パドル翼として下段翼3とを具備する)ことで、容器内部全体の対流が良好となり、泡を液中に巻き込む効果が得られる。2枚パドル翼が一段の場合には、容器内部全体の対流が十分でなく、泡を液中に巻き込む効果が十分でなくなる。
2枚パドル翼とは回転軸に対し、軸対称に設置される2枚の平板状の翼のことを指す。
パドル翼のうち最大の径を有する最大径翼の翼径をD1(m)とし、最大径翼の一段下に設けられた下段翼の翼径をD2(m)としたとき、D1とD2とが、式(1)の関係を満たす必要がある。
1.1×D2≦D1≦1.5×D2 式(1)
上記範囲であれば最大径翼の吐出量が、下段翼の吐出量を上回り、液面の泡を液中に巻き込む下降流が生じる。
D1が1.1×D2より小さい場合、最大径翼と下段翼の吐出量の差が少ないか、下段翼の吐出量が多くなるため、下降流が少なくなり泡の巻き込み効果が十分に得られない。D1が1.5×D2より大きい場合、撹拌によるせん断力が大きくなり微小粒子が増加する。最大径翼の吐出量が下段翼に比べ多くなり、容器内部全体の対流が十分でなくなり、重合過程において重合性単量体組成物同士の合一が発生する場合がある。
最大径翼の翼高をH1(m)とした場合、D1とH1とが式(2)の関係を満たす必要がある。
0.1×D1≦H1≦0.4×D1 式(2)
上記範囲であれば、最大径翼の吐出量が十分で泡を巻き込む効果が十分に得られ、微小粒子の発生原因の一つである撹拌によるせん断力も必要最低限に抑えられるため、微小粒子の発生量も少ない。
H1が0.1×D1より小さい場合、最大径翼の吐出量が不足し、下降流が発生せず泡を巻き込む効果が十分に得られない。H1が0.4×D1より大きい場合、撹拌によるせん断力が強まり微小粒子が増加する場合がある。
容器の内径をD3(m)とした場合、D1とD3とが式(3)の関係を満たす必要がある。
0.5≦D1/D3≦0.95 式(3)
上記範囲であれば、下降流が発生し泡を巻き込む効果が十分に得られる。D1/D3が0.5より小さい場合、撹拌翼の吐出量が少なく泡を巻き込む効果が十分に得られない。D1/D3が0.95より大きい場合、せん断力が強まり微小粒子が増加する。また、容器壁面と撹拌翼の間隔が狭く、軸ブレ等により撹拌翼と容器が接触する、あるいは、重合工程にて発生する付着物が撹拌翼と容器の間に挟まり、撹拌機が運転不能となる場合がある。
上下で隣接する任意の2つの2枚パドル翼(上段翼と下段翼)は、上段の2枚パドル翼(上段翼)が下段の2枚パドル翼(下段翼)に対して10度以上90度以下の交差角度α1で回転方向R1に先行するように装着される。上記範囲外では下降流が発生せず泡を巻き込む効果が十分でなくなるばかりか、撹拌槽全体の対流が十分でなくなり、重合過程において重合性単量体組成物同士の合一が発生する場合がある。
上下で隣接する上段翼と下段翼の距離をH2(m)とした場合、H2とD3とが式(4)の関係を満たすことが好ましい。
H2≦0.2×D3 式(4)
上記範囲であれば、上段翼から下段翼への液の対流が円滑となり、より泡の巻き込み効果を得ることができる。
重合性単量体組成物分散液を撹拌装置に添加した際、容器の内側の底面から静止状態の分散液の液面までの距離をH3(m)とし、容器の内側の底面から最大径翼の上端部までの距離をH4(m)とした場合、式(5)を満たすことが好ましい。
0.8×H4≦H3≦H4 式(5)
上記範囲であれば液面と撹拌翼との距離が適切であるため、より泡の巻き込み効果を得ることができる。
具体的には、H3が0.8×H4以上の場合、撹拌翼から液面までの距離が離れすぎていることが原因となって、泡の巻き込み効果が低下したりすることもない。また、H3がH4以下の場合、撹拌翼が液面より高い位置で回転することが原因となって、撹拌翼の液面に浸かっていない部分に重合性単量体組成物分散液が付着したり、液跳ねが発生しタンク上部に重合性単量体組成物分散液が付着したりすることもない。よって、発生した付着を除去するための清掃が必要になったり、そのために生産性が低下したりすることもない。
重合性単量体組成物分散液を撹拌装置にて撹拌する際の動力をP(W)、撹拌装置に添加する重合性単量体組成物分散液の体積をV(m)とした場合、式(6)を満たすことが好ましい。
10≦P/V≦600 式(6)
上記範囲であればせん断による微小粒子の発生を抑えつつ、より泡の巻き込み効果を得ることができる。P/Vが10(W/m)以上の場合には液面の泡を液中に巻き込む下降流が十分に得られる。P/Vが600(W/m)以下の場合には、動力が過剰とならず、せん断力が強すぎず、微小粒子が増加することもない。
(有機揮発成分除去工程)
必要であれば未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水系媒体を蒸留工程により留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
トナー粒子の表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、トナー粒子分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法によりトナー粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水でトナー粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行うことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
(重合性単量体)
本発明に用いられる重合性単量体としては、例えばラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することができる。
単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンなどのスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートなどのアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートなどのメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンなどのビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に用いられる着色剤として、例えば以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。 黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、トナー中の分散性の点などの観点から選択される。
着色剤の使用量は、通常、重合性単量体100質量部に対して、1質量部以上、20質量部以下である。
<離型剤>
本発明に用いられる離型剤としては、例えば室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックスなどが例示できる。
<荷電制御剤>
本発明に用いられる荷電制御剤としては公知のものが利用できる。
例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、例えば以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩などのオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの荷電制御剤の使用量は重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下が好ましく、0.5質量部以上10質量部以下がより好ましい使用するのがよい。
また。荷電制御剤としてサリチル酸骨格を有する化合物を含有する場合、本発明の効果が大きい。更に、本発明において、トナー粒子は、下記式(7)で表される構造を有する帯電制御樹脂を含有する場合、本発明の効果を顕著に発現する。
Figure 0006726021
[前記式(7)中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表す。Rは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表す。jは1以上3以下の整数を表し、iは0以上3以下の整数を表す。]
上記式(7)で表される構造には、電子伝導に有利なアルキルエーテルを介して、芳香環とサリチル酸構造とが結合する構造を有している。このサリチル酸構造からのびる大きな共役系構造が、外部の温湿度の影響を最小限に抑えつつ、摩擦帯電により生じた電荷を分子内部に保持する役割を果たし、安定して電荷を付与するためトナーの帯電性が良好となり好ましい。ただし、芳香環とサリチル酸構造とにより界面活性剤として作用し発泡しやすいため、本発明の効果が大きく発現する。
また、帯電制御樹脂は、下記式(8)で表されるモノマーユニットを有する重合体であってもよい。
Figure 0006726021
[前記式(8)中、Rは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表す。Rは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、Rは水素原子又はメチル基を表す。lは1以上3以下の整数を表し、kは0以上3以下の整数を表す。]
<重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤としては、例えばアゾ系重合開始剤が挙げられる。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
有機過酸化物系開始剤としては例えば以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
これらの重合開始剤は単独あるいは併用して使用でき、重合性単量体の重合度を制御するために、連鎖移動剤、重合禁止剤等をさらに添加し用いることも可能である。重合開始剤を用いる場合には、その分解に伴って気体が発生する物質もあり、液中に気泡を発生することがある。その他にも重合工程では、撹拌によるキャビテーションや気相部の巻き込み、液温上昇に伴う溶存気体の気泡化、反応による気体発生などによっても、液中に気泡を発生することがある。液中に発生した気泡はやがて浮上し、課題が顕在化する。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩などの酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1〜6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートなどの還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1〜6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1〜6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対して0.5〜20質量部が添加される。
<外添剤>
本発明の製造方法により得られたトナー粒子には、各種粉体特性を改良する目的で、外添剤を添加することができる。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛などの金属酸化物;窒化ケイ素などの窒化物;炭化物炭化ケイ素などの炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどの無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤の含有量はトナー粒子100質量部に対して0.01質量部以上10質量部以下が好ましく、0.05質量部以上5質量部以下がより好ましい。これらの外添剤は単独で用いても、併用しても良い。また、これらの外添剤は疎水化処理されたものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明に用いられる磁性材料としては例えば以下のものが挙げられる。マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体の含有量は、重合性単量体100質量部に対して20質量部以上200質量部以下が好ましく、重合性単量体100質量部に対して40質量部以上150質量部以下がより好ましい。
本発明に磁性材料を用いる場合には、トナー粒子中での磁性材料の分散性を向上させるために、磁性材料の表面を疎水化処理することが好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
以下に、懸濁重合法により得られるトナー粒子の各種測定方法について説明する。
<微小粒子率、アスペクト比の測定方法>
トナー粒子の微小粒子率およびアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として以下の希釈液を約0.2mL加える。
・希釈液:「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈したもの。
更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(株)ヴェルヴォクリーア製)を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を粒子周囲長とし6.332μm以上、400.0μm未満に限定し、6.332μm未満の粒子の存在比率を微小粒子率とした。アスペクト比は解析粒子径を円相当径(個数)とし4.044μm以上、100.0μm未満に限定し算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を粒子周囲長6.332μm以上、400.0μm未満、および、解析粒子径を円相当径(個数)4.044μm以上、100.0μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<体積基準のメディアン径(Dv50)、個数基準のメディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行った。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として前記希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
<粒度分布の算出>
Dv50とDn50との比(Dv50/Dn50)が1に近いほど粒度分布がシャープである。
前記のように、粒度分布がシャープであれば、高い現像性を実現でき、高収率であることから生産性の観点からも優れている。
<泡の堆積高さ>
発泡の程度を評価するために、泡が堆積した高さを測定する。測定はまず、発泡していない状態での液面位置を測定する。測定には反応容器1の点検口4から金属棒を反応容器内に垂直に挿入して液面以下まで到達させる。このとき、金属棒には点検口の高さ部分が分かる位置にマーキングをしておく。金属棒には液面以下まで到達した部分が着色剤により着色するため、マーキングした位置から着色した部分の上端までの長さを測定することにより、点検口から液面までの距離T0を求めることができる。
更に、発泡が課題となっている工程においては泡の位置を測定する。発泡が課題となっている工程において、上記液面位置の測定方法と同様の方法で金属棒を挿入すると、泡が堆積した高さに応じて金属棒が着色する。着色した部分の上端からマーキングした位置までの長さを測定することにより、点検口から泡の上端までの距離T1を求めることができる。泡が堆積した高さはT0とT1の差から求めることができる。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。実施例中及び比較例中の部および%は特に断りがない場合、全て質量基準である。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(モノマーAの合成例)
サリチル酸中間体である2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gをメタノール150mLに溶解した。この溶解液に炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLとを混合溶解させた溶解液を作製し、これを該サリチル酸中間体溶解液に滴下し、65℃にて3時間反応させた。得られた反応液を冷却してから、濾過し、濾液中のメタノールを減圧留去して析出物を得た。析出物をpH=2の水1.50Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗してから、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去することにより析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄してから、トルエン/酢酸エチルにて再結晶し、下記式(9)で示される構造を有するモノマーAを20.1g得た。
Figure 0006726021
<帯電制御樹脂Bの合成>
式(9)に示すモノマーA 12.00gとスチレン88.00gとをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)40.00mLに溶解させ、1時間撹拌した後に110℃まで加熱した。この反応液に、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(日油(株)製、商品名パーブチルI)3.50gをトルエン40.00mLに仕込んだ溶液を1時間撹拌して得られた溶解液を滴下した。窒素導入下、さらに110℃にて4時間反応させた。その後、冷却しメタノール1.00Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mLに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させた。このようにして、モノマーAとスチレンとから帯電制御樹脂Bを得た。
得られた帯電制御樹脂Bの組成分析は、後述のH−NMRを用いて行い、モノマーAが重合されていることを確認した。また、帯電制御樹脂Bの酸価は24.8mgKOH/gであり、重量平均分子量Mw=28,500、Mw/Mn=2.2であり、酸価からモノマーAに由来する式(9)で表される構造を442μmol/g含有していることが確認された。
(帯電制御樹脂B、モノマーAの構造分析)
帯電制御樹脂B、モノマーAの構造は、核磁気共鳴装置(H−NMR)を用いて決定し、組成比を算出した。
以下に用いる装置について記す。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子(株)製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10,500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加した。該サンプルチューブを40℃の恒温槽にいれ、試料を溶解して測定試料を調製した。当該測定試料を用いて上記条件にて測定した。
なお、帯電制御樹脂Bにおける式(7)で表される構造のモル含有量は、上述の核磁気共鳴装置に加え、上述の酸価測定により算出した。
具体的には、核磁気共鳴装置を用い、帯電制御樹脂Bに含まれるモノマーの構造を分析し、構成モノマーを同定した。次に上述の酸価測定から、帯電制御樹脂Bに含まれる式(7)で表される構造と酸価との関係から定量し、モル含有量として算出した。
<樹脂の分子量測定>
帯電制御樹脂Bの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算で算出した。
酸基を有する樹脂の分子量を測定する場合は、カラム溶出速度が酸基の量にも依存してしまうため、予め酸基をキャッピングした試料を用意した。
キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤を使用した。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法を用いた。
GPCによる分子量の測定は、以下の様にして行った。
樹脂をTHF(テトラヒドロフラン)に加え、室温で24時間静置した溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得た。
なお、サンプル溶液は、樹脂の濃度が0.8質量%になるようにTHFの量を調整した。また、樹脂がTHFに溶解しにくい場合には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの塩基性溶媒を用いることも可能である。
該サンプル溶液を用いて、以下の条件で測定した。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料は、東ソー(株)製の商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」である。
<樹脂の酸価の測定>
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定した。具体的には、以下の手順に従って測定した。
0.1モル/L水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学(株)製)を用いて滴定を行った。水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業(株)製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めた。
具体的には、0.100モル/L塩酸100mLを250mLトールビーカーに取り、水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求めた。0.100モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いた。
以下に、酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業(株)製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業(株)製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメータ並びに制御パラメータは下記のように行った。
<滴定パラメータ>
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20mL
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
<制御パラメータ>
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1mL
<酸価の測定 本試験>
測定サンプル0.100gを250mLのトールビーカーに精秤し、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液150mLを加え、1時間かけて溶解した。電位差滴定装置を用い、水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定した。
<酸価の測定 空試験>
試料を用いない(すなわち、トルエンとエタノール(3:1)の混合溶液のみとする)こと以外は、上記操作と同様の滴定を行った。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出した。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター、S:試料(g)である。
(顔料分散組成物の調製工程)
スチレン23.0質量部に対して、C.I.ピグメントイエロー155を1.88質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業(株)製)を0.58質量部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(着色剤含有組成物の調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて、周速20m/秒にて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.02質量部
・スチレン 15.34質量部
・n−ブチルアクリレート 9.59質量部
・ポリエステル樹脂 1.92質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.75質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、メインピーク分子量Mp=19,700、Mw=7,900、ガラス転移温度Tg=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製
0.05質量部
・帯電制御樹脂B 0.20質量部
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精蝋(株)製)4.79質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.31質量部を溶解し、着色剤含有組成物を調製した。
(水系分散媒体の調製工程)
造粒タンクに、イオン交換水129.71質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.51質量部、および10wt%塩酸1.13質量部を添加し、リン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水10.20質量部に、塩化カルシウム2水和物1.46質量部を溶解し、塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて周速25m/秒にて30分間撹拌した。
(造粒工程)
水系分散媒体中に着色剤含有組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサーにて周速25m/秒で20分間撹拌し、着色剤含有組成物の分散液を得た。
(反応工程)
着色剤含有組成物の分散液を別の撹拌容器に移し、撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させてトナー粒子の分散液を得た。
使用した撹拌容器は、容器と、該容器内部に垂設された回転軸と、回転軸に上下2段に設けられた2枚パドル翼を有する。
2枚パドル翼のうち上段翼の径D1を0.380(m)とし、下段翼の翼径D2を0.292(m)とし、上段翼の翼高H1を0.076(m)とし、下段翼の翼高を0.116(m)とし、容器の内径D3を0.540(m)とした。また、上段翼は、下段翼に対して、交差角度α1=50(°)で回転方向に先行するように設けられている。
さらに、上段翼の下端と下段翼の上端との距離H2を0.054(m)とし、タンクの内側の底面から静置状態の着色剤含有組成物の分散液の液面までの距離H3を0.630(m)とした。タンクの内側の底面から上段翼の上端までの距離H4を0.567(m)とした。
撹拌機用電動機と回転軸の間にトルク検出器「TH-1205」((株)小野測器製)を設置し、「TS-2800」((株)小野測器製)及び「TS-0283」((株)小野測器製)にて撹拌時のトルク及び回転数n(rpm)を計測した。撹拌翼を1分運転したのち「TS-0283」より出力される1秒毎のトルク値を60個収集し、その平均値T(N・m)を撹拌トルクとした。以下の式(10)より撹拌機の動力値P(W)を求めた。
P=2×π×T×n/60/1000 式(10)
求めた動力値P(W)と着色剤含有組成物の分散液の体積V(m)とからP/V(W/m)を計算し、P/V=300(W/m)となるように撹拌機の回転数を適宜調整した。
重合工程では重合開始剤の分解に伴って液中に気泡が発生した。発泡による泡の堆積高さが最も高くなった時点で、前述した泡の堆積高さの測定方法に従って泡の堆積高さを測定した。結果を表2に示す。
撹拌容器に着色剤含有組成物の分散液を移した際、撹拌前の着色剤含有組成物の分散液の液面から撹拌容器の点検口までの距離は0.8(m)であった。
(有機揮発物質除去工程)
分散液を別の容器に移し、撹拌しながら95℃になるまで昇温し、2時間保持した後、30℃に冷却した。
(洗浄/濾過/乾燥 工程)
有機揮発物質除去工程を経た分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。その後、分散液を濾別し、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の物性値、発生した泡の高さを表2に示す。
(外添工程)
トナー粒子100.0質量部に対し、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(一次粒子の個数平均粒径:7nm)をFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で10分間乾式混合してトナーを得た。
〔実施例2〕
P/V=10(W/m)となるように撹拌翼の回転数を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例3〕
P/V=600(W/m)となるように撹拌翼の回転数を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例4〕
P/V=5(W/m)となるように撹拌翼の回転数を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例5〕
P/V=700(W/m)となるように撹拌翼の回転数を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例6〕
H4=0.504(m)となるように撹拌翼の位置を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例7〕
H4=0.630(m)となるように撹拌翼の位置を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例8〕
H4=0.441(m)となるように撹拌翼の位置を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例9〕
H4=0.693(m)となるように撹拌翼の位置を調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。分散液排出後の容器内を確認した。分散液の液面より高い位置の撹拌翼の一部と、分散液の液面より高い位置の容器の壁面に分散液の付着物がみられた。
〔実施例10〕
H2=0.108(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例11〕
H2=0.162(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例12〕
α1=10(°)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例13〕
α1=90(°)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例14〕
D1=0.270(m)、D2=0.207(m)、H1=0.054(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例15〕
D1=0.513(m)、D2=0.394(m)、H1=0.102(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例16〕
H1=0.038(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例17〕
H1=0.152(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例18〕
D1=0.321(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例19〕
D1=0.438(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例20〕
2段目の2枚パドル翼の下に、2段目の2枚パドル翼と同じ形状、同じサイズの2枚パドル翼を、3段目の2枚パドル翼として設置した。2段目の2枚パドル翼の下端と3段目の2枚パドル翼の上端との距離を0.054(m)とした。2段目の2枚パドル翼は3段目の2枚パドル翼に対して交差角度を50(°)で先行させ、P/V=310(W/m)となるように撹拌翼の回転数を調整した。上記の点以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔実施例21〕
着色剤含有組成物の調製工程にて帯電制御樹脂Bを投入しなかった以外は実施例14と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例1〕
α1=5(°)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達した時点で容器から泡が溢れ出し、運転を中止した。
〔比較例2〕
α1=100(°)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達した時点で容器から泡が溢れ出し、運転を中止した。
〔比較例3〕
D1=0.216(m)、D2=0.166(m)、H1=0.043(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達した時点で容器から泡が溢れ出し、運転を中止した。
〔比較例4〕
D1=0.529(m)、D2=0.407(m)、H1=0.105(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達し1時間経過した時点で撹拌翼電動機が過負荷で停止し、運転を中止した。分散液排出後に容器内を確認すると、上段翼と容器壁面に分散液の付着物が挟まっているのを確認した。
〔比較例5〕
H1=0.011(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達した時点で容器から泡が溢れ出し、運転を中止した。
〔比較例6〕
H1=0.190(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例7〕
D1=0.292(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達した時点で容器の点検口から泡が溢れ出し、運転を中止した。
〔比較例8〕
D1=0.467(m)とした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例9〕
図2に示すように下段の2枚パドル翼を取り外して2枚パドル翼6のみとし、回転軸5の長さを短くした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
容器内の温度が73℃に到達した時点で容器の点検口から泡が溢れ出し、運転を中止した。
Figure 0006726021
Figure 0006726021
1 :反応容器
2 :上段翼
3 :下段翼
4 :点検口
5 :回転軸
6 :2枚パドル翼
D1、D2 :翼径
D3 :容器内径
H1 :翼高
H2 :翼間距離
H3 :液面高さ
H4 :撹拌翼高さ
α1 :交差角度

Claims (4)

  1. 撹拌装置を用いて分散液を撹拌する工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
    該撹拌装置は、容器と、該容器の内部に垂設された回転軸と、該回転軸に上下多段に設けられた2枚パドル翼とを有し、
    該2枚パドル翼のうち最大の径を有する最大径翼の翼径をD1(m)とし、該最大径翼の一段下に設けられた下段翼の翼径をD2(m)としたとき、該D1と該D2とが、下記式(1)の関係を満たし、
    該最大径翼の翼高をH1(m)としたとき、該H1と該D1とが、下記式(2)の関係を満たし、
    該容器の内径をD3(m)としたとき、該D3と該D1とが、下記式(3)の関係を満たし、
    上下で隣接する任意の2つの2枚パドル翼において、上段の2枚パドル翼は、下段の2枚パドル翼に対して、10度以上90度以下の交差角度α1で回転方向に先行するように設けられている、
    ことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
    1.1×D2≦D1≦1.5×D2 式(1)
    0.1×D1≦H1≦0.4×D1 式(2)
    0.5≦D1/D3≦0.95 式(3)
  2. 上下で隣接する任意の2つの2枚パドル翼において、上段の2枚パドル翼の下端と下段の2枚パドル翼の上端との距離をH2(m)としたとき、該D3と該H2とが、下記式(4)の関係を満たす請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
    H2≦0.2×D3 式(4)
  3. 該分散液を該撹拌装置にて撹拌する際の動力をP(W)、該撹拌装置に添加する該分散液の体積をV(m3)としたとき、該Pと該Vとが、下記式(6)の関係を満たす請求項1または2に記載のトナー粒子の製造方法。
    10≦P/V≦600 式(6)
  4. トナー粒子を製造する過程において分散液を撹拌するための撹拌装置であって、
    該撹拌装置は、容器と、該容器の内部に垂設された回転軸と、該回転軸に上下多段に設けられた2枚パドル翼とを有し、
    該2枚パドル翼のうち最大の径を有する最大径翼の翼径をD1(m)とし、該最大径翼の一段下に設けられた下段翼の翼径をD2(m)としたとき、該D1と該D2とが、下記式(1)の関係を満たし、
    該最大径翼の翼高をH1(m)としたとき、該H1と該D1とが、下記式(2)の関係を満たし、
    該容器の内径をD3(m)としたとき、該D3と該D1とが、下記式(3)の関係を満たし、
    上下で隣接する任意の2つの2枚パドル翼において、上段の2枚パドル翼は、下段の2枚パドル翼に対して、10度以上90度以下の交差角度α1で回転方向に先行するように設けられている、
    ことを特徴とする撹拌装置。
    1.1×D2≦D1≦1.5×D2 式(1)
    0.1×D1≦H1≦0.4×D1 式(2)
    0.5≦D1/D3≦0.95 式(3)
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