JP2017171787A - 樹脂粒子の製造方法及びトナー粒子の製造方法 - Google Patents

樹脂粒子の製造方法及びトナー粒子の製造方法 Download PDF

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順也 浅岡
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優 笹野
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健太 片山
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Abstract

【課題】有機揮発物質の除去効率を維持しつつ、蒸留中の泡を減少させ、かつ装置への付着が少ない消泡装置を用いた樹脂粒子の製造方法の提供。【解決手段】樹脂粒子分散液を調製する工程、及び、該樹脂粒子から有機揮発物質を除去する工程を有する樹脂粒子の製造方法で、該除去工程は、容器2及び容器2と連結した外部循環経路3を有する消泡装置1にて行れ、容器2は、循環経路3を通った該分散液が容器2内に戻る為の戻り口を有し、経路3には、エジェクター4が設けられ、ケーシングと、該ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、該ケーシングの内部に吹き込まれた該気体の作用によって、該内部に容器2から排出された樹脂粒子分散液を吸入する吸入口と、該分散液及び該気体をケーシングから経路3に排出する排出ノズルと、を有し、循環ポンプを具備せず、エジェクター4によって、該分散液を容器2内の気相部に戻す樹脂粒子の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂粒子の製造方法及び静電荷像現像用トナー粒子の製造方法に関する。
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)など樹脂粒子の製造方法として、製造時の環境負荷低減、粒径が小さく粒度分布がシャープな製品が得られ易い、形状制御やカプセル化が容易などのメリットから湿式製造法が多く用いられている。
湿式製造法は液体媒体中で樹脂粒子を製造する方法である。樹脂粒子を構成する材料や所望する樹脂粒子形状により、懸濁重合法、乳化重合法、溶解懸濁法、分散重合法等の製造方法が実施されている。湿式製造法により得られたトナー粒子は、有機揮発成分を多く含む傾向がある。これは、着色剤や荷電制御剤などのトナー特性付与剤が重合反応を抑制することなどによる。
トナー粒子中に重合性単量体及び副生成物の如き有機揮発成分はトナー粒子に多く存在すると、トナーの流動性が低下して作業環境を悪化させたり、不快な臭気を発生させる場合がある。また、有機揮発成分を多く含むトナー粒子を有するトナーを使用すると、感光体として有機半導体を使用した場合には、感光体へのトナー融着現象が発生しやすく、メモリーゴーストや画像のボケと言った感光体の劣化現象を伴う問題点を誘発することもある。特に近年、環境に対する関心も高まっており、加熱加圧定着器で発生するトナー粒子由来の揮発成分を減少させることが要求されている。
これを達成するため、懸濁重合後、大気圧または減圧下において、沸騰状態を持続してスラリーを蒸留する樹脂の製造方法が多く提案されている。この方法によれば、残存モノマーの少ない樹脂が得られるが、沸騰による泡の発生が問題となる場合が多い。特に、スラリーに界面活性剤として働く成分が含まれていた場合、その問題は顕著となる。
残存モノマー等を含む懸濁液を沸騰させた場合に発生する泡(発泡)は、通常の水系媒体よりも表面張力が大きいため安定で壊れにくく、液面上に泡沫層を形成してしまう。この泡沫層が蒸気の発生及び系外への排出を阻害して蒸留の効率を悪くするため、長時間の蒸留が必要であったり、液面に浮遊していた懸濁しない微粉末を泡の表面を介して蒸留器気相部の内壁に付着させてしまう。この付着物の量が無視できない量まで堆積すると、定期的に生産を停止してスケールを除去する必要が生じ生産性が低下するという問題があった。また、泡沫層が液面に形成されると、均一な撹拌が妨げられるために、粗大で異形な凝集体が生成する。このような凝集体が多数生成すると、現像性悪化につながる場合がある。さらに、泡沫層が放熱の妨げとなるために温調制御が不安定になり易く、これにより粒子同士の融合が起こる原因となる。さらに、泡沫層が液面を覆うことで、液中に含まれる有機揮発物質の蒸発が阻害され、有機揮発物質の除去効率が低下する。これまでに、消泡に関する提案が盛んにおこなわれている。
特許文献1、2には、有機揮発物質を含む処理液を、蒸発容器が組み込まれた循環系にポンプを用いて循環させ、更に、循環経路内に水蒸気を導入し処理液と水蒸気を混合させた後に、処理液を分散吐出して蒸留する有機揮発物質の除去方法が開示されている。この方法によると、短時間で有機揮発物質の除去が可能であるのに加えて、蒸発容器に戻った処理液が液面に散布されることで、シャワーによる消泡効果が期待できる。
特許文献3には、重合中、スプレー噴霧で反応系に除熱用液体を添加することで反応系から熱を除く方法が開示されている。この方法によると、反応設備の大型改良や反応処方の改良に依ることなく、反応液から熱を除き、発泡を抑制することができる。また、シャワーによる消泡効果も期待できる。
特許文献4には、蒸留操作中に空気又は不活性ガスから選ばれる気体を注入することで蒸留条件、具体的には温度や真空度を緩和することが可能になり、突沸・発泡等を発生することなく大量の水系媒体を留去する方法が開示されている。
特許第5376959号公報 特許第4092528号公報 特開2001−40008号公報 特開2001−92180号公報
蒸留中の温度や、吹き込み気体の量を増やすことで有機揮発物質の除去能力を高めることができるが、それに伴い、泡の発生が課題となる。この課題に対して、前記の従来技術を用いることにより、液中及び液面から気泡を除去する技術は改良されてきている。
特許文献1、2に記載されている、処理液をポンプで循環させる方法によると、蒸発容器に戻された液により液面の泡を破壊することができる。しかしながら、近年、トナーの低温定着性良化の要求により、トナーの融点が徐々に低下しており、それに伴い、高温時のトナーの軟化が顕著になっている。そのような状況下、この方法を用いた場合、ポンプを用いて外部循環系に液を循環させるため、高温になり粘着性が増した樹脂粒子がポンプに付着することで装置の安定稼働を妨げることがある。また、シャワー効果により液面の泡を減少させたとしても、液中の泡が絶え間なく液面に浮上してくるため対策として十分では無い。
特許文献3に記載されている、除熱用液体を添加する方法によると、消泡効果は期待できるが、除熱による消泡は、蒸留による有機揮発物質の除去効率を低下させるため、蒸留工程における消泡手段としては不適切である。また、添加液の追加により反応液の体積が著しく増加し、濾過や乾燥の後工程の強化が必要となる。これらの工程を強化することは、トナー粒子の劣化につながり、現像性が悪化する場合がある。また、シャワーによる消泡効果も期待できるが、有機揮発物質を十分除去できる蒸留条件かつ、液中にも多量の泡が存在する条件においては、泡発生に対する対策としては十分では無い。
特許文献4に記載されている、空気又は不活性ガスから選ばれる気体を注入する方法によると、効率的に有機揮発物質を除去することで泡の発生を抑制できる。しかしながら、近年の有機揮発性物質の規制強化に対して、蒸留条件は年々厳しくなる傾向にあり、温度などの条件の緩和は難しくなってきている。
本発明は、上述の如き問題を解決した消泡装置、樹脂粒子の製造方法、および、トナー粒子の製造方法を提供することである。
即ち、本発明は、有機揮発物質の除去効率を維持しつつ、蒸留中の泡を減少させ、かつ装置への付着が少ない消泡装置を用いた樹脂粒子の製造方法及びトナー粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、有機揮発物質の除去、蒸留中の泡の減少、および装置への処理物の付着の抑制に関して鋭意検討を行った結果以下の製造方法を見出した。
すなわち、本発明は、樹脂粒子が分散媒体中に分散した樹脂粒子分散液を調製する工程、及び、該樹脂粒子分散液中の該樹脂粒子から有機揮発物質を除去する有機揮発物質除去工程を有する樹脂粒子の製造方法であって、
該有機物質除去工程は、容器および該容器と連結した外部循環経路を有する消泡装置にて行れ、
該容器は、気相部に、該外部循環経路を通った該樹脂粒子分散液が該容器の内側に戻るための戻り口を有し、
該外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
該エジェクターは、
(i)ケーシングと、
(ii)該ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
(iii)該ケーシングの内部に吹き込まれた該気体の作用によって、該ケーシング内部に該容器から排出された樹脂粒子分散液を吸入する吸入口と、
(iv)該樹脂粒子分散液及び該気体をケーシングから該外部循環経路に排出する排出ノズルと、を有し、
該樹脂粒子分散液を該外部循環経路に循環させるポンプを具備せず、
該有機揮発物質除去工程において、該エジェクターによって、該容器内に収容された該樹脂粒子分散液を、該外部循環経路を経て、該容器内の気相部に戻すことを特徴とする。
また、本発明は、樹脂粒子が着色剤を含有するトナー粒子であるトナー粒子の製造方法であることを特徴とする。
本発明によれば、有機揮発物質の除去効率を維持しつつ、蒸留中の泡を減少させ、装置への付着が少ないので、電子写真特性に優れた樹脂粒子を得られることにより、消泡装置を用いた樹脂粒子の製造方法及びトナー粒子の製造方法を提供することができる。
本発明に適用できる、消泡装置の一例を示す概略図である。 本発明に適用できる、エジェクターの概略図である。 従来の、有機揮発物質除去装置の一例を示す概略図である。 従来の、消泡装置の一例を示す概略図である。 従来の、消泡装置の一例を示す概略図である。 蒸留中の消泡に用いる消泡装置の一例を示す概略図である。 従来の、消泡装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、各種化学製品の原材料として使用される樹脂粒子から有機揮発物質を除去する、有機揮発成分除去工程において、消泡をする目的で好適に適用される。特に、トナー粒子に含まれる有機揮発物質の除去工程において消泡をする目的で好適に用いることができる。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法について、工程毎に説明する。
(重合性単量体組成物調製工程)
重合性単量体および着色剤を含む重合性単量体組成物を調製する。着色剤は予め媒体撹拌ミルなどで重合性単量体中に分散させた後に他の組成物と混合してもよいし、全ての組成物を混合した後に分散させてもよい。
(造粒工程)
無機分散安定剤を含む水系媒体に重合性単量体組成物を投入し、分散させることにより造粒し、重合性単量体組成物分散液を得る。造粒工程は例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としては特に限定されるものではないが、例えば、ハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、T.K.フィルミックス(特殊機化工業(株)製)、クレアミックス(エム・テクニック(株)製)の如き市販のものを用いることができる。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらは、単独、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらは、水系媒体中に微粒子として存在することにより分散安定剤としての機能を発揮する。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液に重合開始剤を添加し、重合性単量体を重合し、樹脂粒子分散液であるトナー粒子の分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根は重合性単量体組成物分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」((株)神鋼環境ソリューション製)、「ツインスター」((株)神鋼環境ソリューション製)、「マックスブレンド」(住友重機(株)製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業(株)製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学(株)製)などが挙げられる。
(有機揮発成分除去工程)
重合工程で得られた粒子の分散液中にある未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去する。有機揮発成分除去工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
有機揮発物質除去工程における消泡に用いる消泡装置としては、図1に示す消泡装置を用いることができるが特に限定されない。消泡装置1は蒸発容器2と外部循環経路3が具備される。粒子の分散液が収容される蒸発容器には撹拌翼10が具備されていても良い。蒸発容器と連結した外部循環経路3には図2に示すエジェクター4が設けられる。エジェクター4にはケーシング5とケーシング内部に気体を吹き込む、吹き込みノズル6と、蒸発容器から排出される粒子の分散液を吸入する、吸入口9がある。
吹き込みノズル6の形状は特に限定されないが、吹き込みノズルの一部の断面積を小さくすることが好ましい。断面積を小さくすることで、気体の流速を上げベンチュリー効果を効果的に発生させることができる。また、吸入された粒子の分散液中には撹拌により液面から液中に引き込まれた泡が多数含有されており、気体の流速が上がることで、吸入された粒子の分散液に含まれる泡を気体の衝突により効果的に破泡することができる。断面積を小さくする部位としては、ケーシング5の内側で、吹き込みノズルの先端に近いほうが好ましい。先端に近いことで、ベンチュリー効果を好適に作用させることができるため好ましい。吹き込みノズルから気体が吹き込まれると、吹き込みノズルの出口付近で吹き込まれた気体の周囲が負圧状態となる。それにより、吸入口9から粒子の分散液がケーシング5内に吸入され気体と混合される。
こうして混合された粒子の分散液と気体は、混合状態で排出ノズル7より外部循環経路に排出される。排出ノズル7の形状は特に限定されないが、排出ノズルの断面積が小さい状態から、ケーシングの外に向かって大きくすることで、吹き込まれた気体による粒子の分散液と気体の混合物を外部循環経路に循環させる効果を効率よく発生させることができる。吹き込みノズル6と排出ノズル7は、特に限定はされないが、対向した位置に設置されることが好ましい。
前述した好ましい形態を具備したエジェクター4内において、吹き込みノズル6から気体を吹き込むことで生じるベンチュリー効果によって、粒子の分散液はエジェクターの内部に吸入され、排出ノズルより排出される。
図1における消泡装置のように、吹き込まれた気体の作用によって、粒子の混合液は外部循環経路を通り、蒸発容器に戻る。ポンプやその他機械的動力によって循環させてしまうと、ポンプ等の循環装置に粒子が付着し循環機能を低下させる。更には、付着物と粒子との融着によって、粒子を合一させる。
図1における消泡装置のように、外部循環経路を通ったトナー粒子分散液が蒸発容器に戻るための戻り口は蒸発容器の気相部にある。気相部から粒子分散液が液中に散布されることで、液面の泡を効果的に消泡することができる。
吹き込みノズル6に吹き込む気体としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、ラドンや、窒素、二酸化炭素、水蒸気、空気、オゾン、といった種々の気体を選定できる。気体としては単体で用いることもでき、2つ以上を任意の割合で組み合わせて使用することも可能である。気体の中でも、水蒸気を用いることがより好ましい。水蒸気は温度の低下により液体となるため、窒素などの凝縮温度が低い気体と比較して、吹き込み気体起因の泡が発生しにくいためより好ましい。また、粒子の分散液と気体の混合物が外部循環経路にから蒸発容器に戻った後、速やかに気体を回収することが好ましい。気体の回収量が気体の吹き込み量を下回る場合、蒸発容器内の圧力が上がり、粒子の分散液の循環が滞る。気体が水蒸気の場合、種々の凝縮機により水蒸気を回収することが出来るため好ましい。また、粒子の分散液の分散媒が水系分散媒体である場合、水蒸気を用いることで、分散媒に気体が溶け込むことによるpHの変化等の影響が殆どなく、粒子への影響も少ないため好適に用いることができる。
気体の圧力が0.1MPa以上0.6MPa以下であることが好ましい。0.1MPa以上であれば、粒子の分散液が外部循環経路を安定して循環するのに必要な力を十分に得ることができる。粒子の分散液に対する気体の衝突が強く、消泡効率が向上する。また、0.6MPa以下であれば、エジェクターから外部循環経路に液が排出された時の圧力変動が小さく、外部循環経路内の気体の体積増加が小さい。そのため、粒子の分散液の循環が安定し、圧力変動による装置の劣化も抑えられる。更に、粒子の合一を抑制できる。
気体の吹き込み量をA(kg/hr)、粒子の分散液の循環流量をB(L/min)、とした時、A/Bが2≦A/B≦16の範囲であることが好ましい。A/Bが2以上の場合、粒子の分散液に対する気体の量が十分であり、気体の吹き込みによる衝撃が強いため、消泡効率が向上する。A/Bが16以下の場合、粒子の分散液に対する気体の量が最適化され、粒子の分散液の流れが安定する。これは、粒子の分散液中の分散媒が気体の熱量によって蒸発することで循環経路内の圧力が変動する、一種のウォーターハンマー様の現象が抑制されることに起因する。この圧力変動は消泡装置の故障の原因となり生産安定性を低下させる。
特に気体の圧力が0.4MPa以上0.6MPa以下かつ、気体の吹き込み量が80kg/hr以上120kg/hr以下の場合、ケーシング5内が大きく負圧となる。それに加えて、吹き込み気体による加熱により粒子の分散液中に含まれる泡が膨張し、破泡する効果を得られるため、消泡効率が向上する。吹き込み量が120kg/hrより大きい場合、ケーシング内での分散媒の蒸発が激しく、分散液の流れが不安定となる場合がある。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、粒子分散液を酸またはアルカリで処理をする。この後、一般的な固液分離法により粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水で粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離して粒子を得る。得られた粒子は公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られた粒子は従来の粉砕法粒子と比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
(重合性単量体)
使用可能な重合性単量体としては具体的には次に例示される通りである。スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体。
本発明においては、上記した単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
(顔料)
本発明のトナーは、着色剤として顔料を含有する。シアン系着色剤に用いられる顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、並びに、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3及び15:4。
マゼンタ系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物及びペリレン化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド31、122、150及び269。
イエロー系着色剤に用いられる顔料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物及びアリルアミド化合物が利用できる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー74、93、120、151、155、180及び185。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、並びに、上記イエロー系、マゼンタ系及びシアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
これら顔料の添加量は、重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
<ワックス>
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよい。その場合、ワックスの少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30℃以上120℃以下であることが好ましく、50℃以上100℃以下であることがより好ましい。また、室温で固体のワックスであることが好ましく、特に、融点が50℃以上100℃以下の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性及び耐オフセット性の点から好ましい。
ワックスとしては、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びフィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びキャンデリラワックス等の天然ワックス及びそれらの誘導体、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックス及びこれらのグラフト化合物、ブロック化合物の如き誘導体など公知のワックスを用いることが可能である。これらは単独又は併せて用いることができる。
本発明のトナーには荷電制御剤や荷電制御樹脂をトナー粒子に配合(内部添加)、もしくは混合(外部添加)して用いることにより、トナーの帯電量を所望の値に制御することもできる。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートのようなジオルガノスズボレート類;これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01質量部以上20質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上10質量部以下使用するのがよい。
<荷電制御樹脂>
荷電制御樹脂として、カルボキシル基を持つ樹脂が好ましく用いられる。ただし、重合工程および有機揮発物質除去工程において液体媒体のpHが4以上の条件で製造する場合には発泡の問題が起こり易い。これはカルボン酸のpKaが4近辺にあることに由来すると考えられ、pHが4以上の場合にはカルボキシル基の酸解離が進むため親水性が上昇する。一方、それ以外の部位は炭素鎖が主であるために疎水性を有する。即ち、カルボキシル基を持つ樹脂の中に親水性部位と疎水性部位が混在して両親媒性を有することとなる。両親媒性を有する物質は家庭用洗剤に代表される様に、泡を安定化させるために発泡の問題が起こり易くなると考えられる。カルボキシル基を持つ樹脂とは、構造中にカルボン酸部位を有する樹脂であれば特に限定されないが、本発明における樹脂とは、数平均分子量(Mn)が1500以上のポリマーと定義する。該樹脂の主鎖構造としては、特に制限はない。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。また、これらが2種以上組み合わさったハイブリッド型の重合体も挙げられる。ここに挙げた中でも、トナー粒子の結着樹脂との密着性を考慮すると、ポリエステル系重合体、または、ビニル系重合体であることが好ましい。本発明においては、該樹脂の重量平均分子量は10000以上60000以下であり、該樹脂1g当たりに含有されるカルボン酸部位のモル数は10μmol/g以上1500μmol/g以下であることが好ましい。更に、重合性単量体組成物に含有される該樹脂の含有量が、重合性単量体100.00質量部に対して、0.03質量部以上20.00質量部以下であることが好ましい。また、該樹脂が、構造式(1)で示される部位を含有することが特に好ましい。
Figure 2017171787
この範囲は本発明の効果が得られやすい範囲であると共に、良好な帯電特性を得るために好ましい範囲でもあった。この様に、良好な帯電特性のトナー粒子を得るために、重合性単量体組成物がカルボキシル基を持つ樹脂を含有し、重合工程における液体媒体のpHが4以上である場合であっても本発明の構成を好適に採ることができる。これにより、液中や液面で安定化された泡を効率良く除去しながら製造することが可能となる。
pHの測定は市販のpH計を用いることができ、例えば「グラスライニング製pH測定システム グラスセンサーpH」((株)神鋼環境ソリューション製)などを用いることができる。pH調整は酸や塩基を添加することによって行うことができる。酸としては例えば、塩酸、硫酸、硝酸、次亜塩素酸などを挙げることができる。また、塩基としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどを挙げることができる。pH調整などを目的として、次亜塩素酸を用いる時には分解反応により気体の酸素が発生し、炭酸水素ナトリウムを用いる時には気体の二酸化炭素が発生する。このような場合においても本発明の構成を好ましく用いることができる。
<重合開始剤>
本発明に用いられる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤や有機過酸化物系開始剤が挙げられる。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5質量部以上20質量部以下が用いられる。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
<結着樹脂>
本発明に用いられるトナーを構成する結着樹脂としては公知のものが使用でき、具体的には、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及びスチレン−ブタジエン共重合体などが挙げられる。
<有機溶剤>
本発明で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<有機溶媒中に添加する変性樹脂>
本発明で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
<活性水素基含有化合物>
本発明で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
<外添剤>
本発明の製造方法により得られたトナー粒子には、各種粉体特性を改良する目的で、外添剤を添加することができる。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化物炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部以上10質量部以下が用いられ、好ましくは0.05質量部以上5質量部以下が用いられる。外添剤は単独で用いても、併用しても良い。また、これらの外添剤は疎水化処理をされたものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明に用いられる、磁性材料としては、以下のものが挙げられるマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は、重合性単量体100質量部に対して20質量部以上200質量部以下、好ましくは40質量部以上100質量部以下である。
本発明に磁性材料を用いる場合には、トナー粒子中での磁性材料の分散性を向上させるために、磁性材料の表面を疎水化処理することが好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
以下に、本発明により得られるトナー粒子の各種測定方法について説明する。
<アスペクト比の測定方法>
トナー粒子のアスペクト比は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定した。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「LUCPLFLN」(倍率20倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて2000個のトナー粒子を計測する。アスペクト比は解析粒子径を円相当径(個数)とし4.044μm以上100.0μm未満に限定し算出した。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5100A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径(個数)4.044μm以上100.0μm未満、に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<体積基準のメディアン径(Dv50)、個数基準のメディアン径(Dn50)の測定方法>
トナー粒子の体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、体積基準のメディアン径(Dv50)、および個数基準のメディアン径(Dn50)を算出する。
Dv50とDn50の比(Dv50/Dn50)が1に近いほど粒度分布がシャープである。
<発泡の程度>
発泡の程度を評価するために、泡が堆積した高さ若しくは液面が上昇した高さを測定する。測定はまず、発泡していない状態での液面位置を測定する。測定には反応容器の点検口から金属棒を反応容器内に垂直に挿入して液面以下まで到達させる。この時、金属棒には点検口の高さ部分が分かる様にマーキングをしておく。金属棒には液面以下まで到達した部分が着色剤により着色するため、マーキング部分から着色部分までの長さを測定することにより、点検口から液面までの距離T0を求めることができる。
更に、発泡が課題となっている工程においても同様の方法で金属棒を挿入すると、泡が堆積した高さ若しくは液面が上昇した高さに応じて金属棒が着色する。着色した部分とマーキング部分の長さを測定することにより、点検口からの距離T1を求めることができる。T1とT0の差から泡が堆積した高さ若しくは液面が上昇した高さを求めることができ、発泡の程度を評価することができる。
<有機揮発成分の測定>
(1)測定に使用する試料は次の手順で調製した。
約100mLのトナー粒子の分散液に塩酸を加えpH1.4以下とした処理液を、加圧濾過機に入れ濾過を行う。濾過後、加圧濾過機に200mLの水を加え再度濾過を行い洗浄した。洗浄作業を2回行った後、加圧濾過機の内部の圧力が0.2MPaとなるように設定し10分加圧しトナー粒子のケーキを得る。濾過後のトナー粒子のケーキを解砕し、常温で18時間乾燥させトナー粒子を得る。
ヘッドスペース法によるトナーのトルエン換算の有機揮発成分量の定量は以下のようにして測定することができる。
ヘッドスペース用バイアル瓶(容積22mL)にトナー粒子300mgを精秤し、クリンパーを用いてクリンプキャップとフッ素樹脂コーティングされた専用セプタムでシールする。このバイアルをヘッドスペースサンプラーにセットし、下記条件でガスクロマトグラム(GC)分析を行なう。そして、得られたGCチャートのピークの総面積値をデータ処理により算出する。この際、トナー粒子を封入していない空のバイアルもブランクとして同時に測定し、ブランク測定における測定値についてはトナー測定データから差し引く。
一方、バイアルの中にトルエンのみを精秤したものを数点(例えば0.1μL、0.5μL、1.0μL)準備し、トナー粒子サンプルの測定を行なう前に下記分析条件にてそれぞれ測定を行なった後、トルエンの仕込み量とトルエン面積値から検量線を作成する。
トルエン換算の有機揮発成分量は、この検量線を元にトナーの有機揮発成分の面積値をトルエンの質量に換算し、更にトナー質量を基準とした量に換算することによって得られる。
(2)測定装置および測定条件
ヘッドスペースサンプラー:HEWLETT PACKARD 7694
オーブン温度:150℃
サンプル加熱時間:60分
サンプル ループ(Ni):1mL
ループ温度:170℃
トランスファーライン温度:190℃
加圧時間:0.50分
LOOP FILL TIME:0.01分
LOOP EQ TIME:0.06分
INJECT TIME:1.00分
GCサイクル時間:80分
キャリアーガス:He
GC:HEWLETT PACKARD 6890GC(検出器:FID)
カラム:HP−1(内径0.25μm×30m)
オーブン:(1)35℃:20分ホールド、(2)20℃/分で300℃まで昇温20分ホールド
INJ:300℃、スプリットレス、コンスタントプレッシャー(20psi)モード
DET:320℃
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。
〔実施例1〕
下記の手順によってトナーを製造した。
(顔料分散組成物調製工程)
スチレン23.0質量部に対して、C.I.ピグメントイエロー155を1.90質量部、荷電制御剤(ボントロンE88;オリエント化学工業(株)製)を0.58質量部用意した。これらを、アトライタ(日本コークス工業(株)製)に導入し、半径5.00mmのジルコニアビーズを用いて200rpmにて25℃で300分間撹拌を行い、顔料分散組成物を調製した。
(重合性単量体組成物調製工程)
下記材料を同一容器内に投入しT.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて、周速20m/sにて混合・分散した。
・顔料分散組成物 25.02質量部
・スチレン 15.34質量部
・n−ブチルアクリレート 9.59質量部
・ポリエステル樹脂 1.92質量部
・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル−αメチルスチレン共重合体
5.75質量部
(スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/αメチルスチレン=80.85/2.50/1.65/15.0、Mp=19,700、Mw=7,900、TgB=96℃、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)
・スルホン酸基含有樹脂(アクリベースFCA−1001−NS、藤倉化成製)
0.05質量部
・カルボキシル基を持つ樹脂A 4.75質量部
(側鎖に構造式(1)の部位を含有するポリスチレン樹脂。重量平均分子量30000、樹脂1gあたりの(1)部位のモル数800×10-6mol/g)
Figure 2017171787
更に、60℃に加温した後、炭化水素ワックス(HNP−9;日本精鑞社製)4.79質量部を投入し、30分間分散・混合を行い、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.31質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
(水系分散媒体調製工程)
造粒タンクにイオン交換水129.71質量部、リン酸ナトリウム12水和物2.51質量部、10質量%塩酸1.13質量部を添加しリン酸ナトリウム水溶液を作製し、60℃に加温した。イオン交換水10.20質量部に塩化カルシウム2水和物1.46質量部を溶解し塩化カルシウム水溶液を得た。前述のリン酸ナトリウム水溶液に塩化カルシウム水溶液を添加し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)を用いて周速25m/sにて30分撹拌した。
(造粒工程)
水系分散媒体中に重合性単量体組成物を投入し、温度60℃、窒素雰囲気下において、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業(株)製)にて周速25m/sで20分間撹拌し重合性単量体組成物の分散液を得た。
(反応工程)
重合性単量体組成物の分散液を別のタンクに移し、パドル撹拌翼で撹拌しつつ温度73℃に昇温し4時間反応させた。その後、更に85℃に昇温し、2時間反応させ粒子の分散液を得た。
(有機揮発物質除去工程)
粒子の分散液について有機揮発物質除去工程を行った。有機物質除去工程中は図1に示す消泡装置を用いて消泡を行った。粒子の分散液を蒸発容器2に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。蒸発容器はコンデンサーを通じて大気と連通しており、気体吹き込み用の配管の他にバッフル2本とフルゾーン撹拌翼を備えた内径650mm、R底であり、容器底部から点検口までの高さは1110mmであった。
粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、その後気体の吹き込みライン12から気体を送り、エジェクター4の図2に示す吹き込みノズル6より気体を吹き込んだ。そして、蒸発容器気相部に具備される戻り口15から容器内に粒子の分散液を戻すことで、粒子の分散液を外部循環経路に循環させた。この時吹き込んだ気体は水蒸気であり、水蒸気の圧力は0.50MPa、温度145℃のものを使用し、吹き込み流量は90kg/hrであった。この時の、粒子分散液の循環流量は8L/minであった。
蒸発容器内の温度が100℃になった時点から4hr有機揮発物質除去工程を行った。揮発成分除去工程の経過時間が3、4時間の粒子の分散液を約100mL採取し、有機揮発成分の測定を行った。
有機揮発成分除去工程前と有機揮発成分除去工程終了後の粒子の体積平均メディアン径(Dv50)、Dv50/Dn50、アスペクト比と、有機揮発成分、発泡の程度の測定結果を表1に示す。
(洗浄/濾過/乾燥 工程)
有機揮発物質除去工程を経た粒子の分散液を冷却後、塩酸を加えpHを1.4にし、2時間撹拌した。その後、ろ過、水洗後、温度40℃にて48時間乾燥しトナー粒子を得た。
(外添工程)
トナー粒子100.0質量部と、ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体1.0質量部(一次粒子の個数平均径:7nm)とをFMミキサ(日本コークス工業(株)製)で10分間混合してトナー1を得た。得られたトナーの現像性評価を以下に示す方法で行った。
<現像性に関する評価>
(1)カブリ
評価機としてLBP7200C(キヤノン(株)製)の改造機を使用し、イエローカートリッジに得られたトナーを詰め替えた。高温高湿環境下(30℃、80%RH)においてカブリの評価を行った。なお、カブリの評価は、5%の印字比率の画像を2,800枚印字後に行った。評価紙にはA4サイズのCLCカラーコピー用紙(キヤノン社製、坪量80g/m2)を用いた。
耐久後に、白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」((有)東京電色製)により測定した出力画像の白地部分の白色度と記録材の白色度の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評価した。フィルターはブルーフィルターを用いた。
A:1.0%未満(良好)
B:1.0%以上2.0%未満
C:2.0%以上3.0%未満
D:3.0%以上
評価結果を表1に示す。
(2)転写効率
実施例及び比較例記載のトナーをイエローカートリッジに詰め、高温高湿H/H(32.5℃/85%RH)の環境下で24時間放置した。その後、トナーカートリッジをLBP7200C(キヤノン(株)製)の改造機に取り付け、1.0%の印字比率の画像をA4用紙横方向で17,000枚までプリントアウトして、17,000枚出力時(耐久後)の転写性の評価を行った。トナーの載り量を0.45mg/cm2に設定したベタ画像を出力する際、感光体上のトナー量と評価紙上のトナー量との重量変化から転写効率を求めた(感光体上トナー量が全量評価紙上に転写された場合を転写効率100%とする)。
A:90%以上(良好)
B:82%以上90%未満
C:75%以上82%未満
D:75%未満
〔実施例2〕
水蒸気の吹き込み流量を20kg/hrとし、トナー粒子分散液の循環流量を10L/minに調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー2を得た。
〔実施例3〕
水蒸気の吹き込み流量を128kg/hrとし、トナー粒子分散液の循環流量を8L/minに調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー3を得た。
〔実施例4〕
水蒸気の吹き込み流量を15kg/hrとし、トナー粒子分散液の循環流量を10L/minに調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー4を得た。
〔実施例5〕
水蒸気の吹き込み流量を140kg/hrとし、トナー粒子分散液の循環流量を8L/minに調整した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー5を得た。
〔実施例6〕
水蒸気の圧力が0.1MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー6を得た。
〔実施例7〕
水蒸気の圧力が0.6MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー7を得た。
〔実施例8〕
水蒸気の圧力が0.05MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー8を得た。
〔実施例9〕
水蒸気の圧力が0.7MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー9を得た。
〔実施例10〕
吹き込む気体を窒素に変えた以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー10を得た。
〔実施例11〕
実施例1における(重合性単量体組成物調製工程)において、スチレンの量を20.09質量部として、樹脂Aの添加を行わなかった。それ以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー11を得た。
〔実施例12〕
水蒸気の吹き込み流量を120kg/hrとし、水蒸気の圧力が0.6MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー12を得た。
〔実施例13〕
水蒸気の吹き込み流量を80kg/hrとし、水蒸気の圧力が0.4MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー13を得た。
〔実施例14〕
水蒸気の圧力が0.3MPaのものを使用した以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー14を得た。
〔実施例15〕
水蒸気の吹き込み流量を75kg/hrとした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー15を得た。
〔実施例16〕
水蒸気の吹き込み流量を125kg/hrとした以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナー16を得た。
〔比較例1〕
トナー粒子の分散液を図3に示す、有機揮発物質除去装置にて有機揮発物質除去工程を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器2に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、気体の吹き込みライン12より水蒸気を20kg/hr送り、気体の吹き込み口13より水蒸気を吹き込み、有機揮発物質除去を行った。吹き込んだ水蒸気の圧力は0.10MPa、温度100℃のものを使用した。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例2〕
有機物質除去工程中は図4に示す消泡装置を用いて消泡を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器2に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、蒸発容器底弁11を開け、ポンプ8にて外部循環経路にトナー粒子の分散液を8L/minにて送液した。また、気体吹き込み口13より水蒸気を20kg/hrで吹き込み、有機揮発物質除去を行った。吹き込んだ水蒸気の圧力は0.10MPa、温度100℃のものを使用した。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。有機揮発物質除去工程終了後、ポンプを確認したところ融着物が確認された。
〔比較例3〕
有機物質除去工程中は図5示す消泡装置を用いて消泡を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器2に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、吹き込みノズル6より水蒸気を90L/minで吹き込んだ。水蒸気の圧力は0.50MPa、温度145℃のものを使用した。合わせて、蒸発容器底弁11を開け、ポンプにてトナー粒子分散液を送液し有機揮発物質除去を行った。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。有機揮発物質除去工程終了後、ポンプを確認したところ融着物が確認された。
〔比較例4〕
有機揮発物質除去工程中は図6に示す消泡装置を用いて消泡を行った。この際、液相部に具備される戻り口15からトナー粒子の分散液を蒸発容器に戻した。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。
〔比較例5〕
有機揮発物質除去工程中は図7に示す消泡装置を用いて消泡を行った。トナー粒子の分散液を蒸発容器2に移し、撹拌翼10で撹拌しながら95℃になるまで昇温した。トナー粒子の分散液の液温が95℃になったところで、気体の吹き込みライン12より水蒸気を25kg/hrで送り、気体の吹き込み口13より水蒸気を吹き込み、有機揮発物質除去を行った。吹き込んだ水蒸気の圧力は0.20MPa、温度125℃のものを使用した。合わせて、蒸発容器底弁11を開け、ポンプにてトナー粒子分散液を8L/minで循環した。上記以外は実施例1と同様の条件、方法によりトナーを得た。有機揮発物質除去工程終了後、ポンプを確認したところ融着物が確認された。
〔比較例6〕
気体の吹き込みライン12より水蒸気を30kg/hrで送り、気体の吹き込み口13より水蒸気を吹き込み、有機揮発物質除去を行った。それ以外は比較例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を作製した。有機揮発物質除去工程中に蒸発容器から泡およびトナー粒子の分散液が溢れてきたため製造を中止した。中止後、ポンプを確認したところ融着物が確認された。
上記実施例、比較例の有機揮発物質除去工程の運転条件、有機揮発物質除去工程前後の体積メディアン径、粒度分布、アスペクト比、有機揮発物質除去工程3,4hrでの有機揮発成分の量、カブリ、泡発生の程度の結果を表1に示す。
Figure 2017171787
1:消泡装置、2:蒸発容器、3:外部循環経路、4:エジェクター、5:ケーシング、6:吹き込みノズル、7:排出ノズル、8:ポンプ、9:吸入口、10:撹拌翼、11:蒸発容器底弁、12:気体の吹き込みライン、13:気体吹き込み口、14:有機揮発物質除去装置、15:戻り口

Claims (10)

  1. 樹脂粒子が分散媒体中に分散した樹脂粒子分散液を調製する工程、及び、該樹脂粒子分散液中の該樹脂粒子から有機揮発物質を除去する有機揮発物質除去工程を有する樹脂粒子の製造方法であって、
    該有機物質除去工程は、容器および該容器と連結した外部循環経路を有する消泡装置にて行れ、
    該容器は、気相部に、該外部循環経路を通った該樹脂粒子分散液が該容器の内側に戻るための戻り口を有し、
    該外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
    該エジェクターは、
    (i)ケーシングと、
    (ii)該ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
    (iii)該ケーシングの内部に吹き込まれた該気体の作用によって、該ケーシング内部に該容器から排出された樹脂粒子分散液を吸入する吸入口と、
    (iv)該樹脂粒子分散液及び該気体をケーシングから該外部循環経路に排出する排出ノズルと、
    を有し、
    該樹脂粒子分散液を該外部循環経路に循環させるポンプを具備せず、
    該有機揮発物質除去工程において、該エジェクターによって、該容器内に収容された該樹脂粒子分散液を、該外部循環経路を経て、該容器内の気相部に戻すことを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 該樹脂粒子はカルボキシル基を持つ樹脂を含有し、
    該有機揮発物質除去工程における該樹脂粒子分散液のpHが4以上である請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. 該有機揮発物質除去工程において、エジェクターのケーシング内部に水蒸気を吹き込む請求項1または2に記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. 該気体の圧力が0.1MPa以上0.6MPa以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 該気体の吹き込み量をA(kg/hr)とし、該樹脂粒子分散液の循環流量をB(L/min)としたとき、A/Bが
    2≦A/B≦16
    である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 着色剤を含有するトナー粒子が分散媒体中に分散したトナー粒子分散液を調製する工程、及び、該トナー粒子分散液中の該トナー粒子から有機揮発物質を除去する有機揮発物質除去工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
    該有機物質除去工程は、容器および該容器と連結した外部循環経路を有する消泡装置にて行れ、
    該容器は、気相部に、該外部循環経路を通った該トナー粒子分散液が該容器の内側に戻るための戻り口を有し、
    該外部循環経路には、エジェクターが設けられており、
    該エジェクターは、
    (i)ケーシングと、
    (ii)該ケーシングの内部に気体を吹き込む、吹き込みノズルと、
    (iii)該ケーシングの内部に吹き込まれた該気体の作用によって、該ケーシング内部に該容器から排出されたトナー粒子分散液を吸入する吸入口と、
    (iv)該トナー粒子分散液及び該気体をケーシングから該外部循環経路に排出する排出ノズルと、
    を有し、
    該トナー粒子分散液を該外部循環経路に循環させるポンプを具備せず、
    該有機揮発物質除去工程において、該エジェクターによって、該容器内に収容された該トナー粒子分散液を、該外部循環経路を経て、該容器内の気相部に戻すことを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  7. 該トナー粒子はカルボキシル基を持つ樹脂を含有し、
    該有機揮発物質除去工程における該樹脂粒子分散液のpHが4以上である請求項6に記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 該有機揮発物質除去工程において、エジェクターのケーシング内部に水蒸気を吹き込む請求項6または7に記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 該気体の圧力が0.1MPa以上0.6MPa以下である請求項6乃至8のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
  10. 該気体の吹き込み量をA(kg/hr)とし、該トナー粒子分散液の循環流量をB(L/min)としたとき、A/Bが
    2≦A/B≦16
    である請求項6乃至9のいずれか一項に記載のトナー粒子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113842666A (zh) * 2020-09-16 2021-12-28 湖南食尚康农业股份有限公司 一种黄精玉竹固体饮料制备设备

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